JP2923349B2 - 積層物 - Google Patents

積層物

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JP2923349B2
JP2923349B2 JP31075790A JP31075790A JP2923349B2 JP 2923349 B2 JP2923349 B2 JP 2923349B2 JP 31075790 A JP31075790 A JP 31075790A JP 31075790 A JP31075790 A JP 31075790A JP 2923349 B2 JP2923349 B2 JP 2923349B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリオレフィン樹脂層と、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体けん化物等からなる混合組成物の層との、
少なくとも2層以上からなる、ガスバリア性、保香性、
及び耐油性に優れたフィルム、シート、容器などの積層
物に関する。
[従来の技術] エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物は、機械的に
良好であり、しかもガスバリア性、保香性、耐油性等に
優れた熱可塑性樹脂である。しかし親水性であるため高
湿度の雰囲気にさらされたり、水やアルコールなどの極
性溶剤に接触すると上記の特性が失われる欠点を有す
る。
そこで、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物と疎
水性ポリオレフィンとの少なくとも2層よりなる積層
物、特にエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物を中間
層とし、その外層がポリオレフィンによって保護された
3層からなる積層成形物が望まれる。しかし、エチレン
−酢酸ビニル共重合体けん化物とポリオレフィンとの境
界面が接合するのに不十分であるため、実用に耐えられ
る積層物が得られない。
そのため特公昭48−126768、特公昭61−12782等で提
案されている接着樹脂を介して、エチレン−酢酸ビニル
共重合体けん化物層とポリオレフィン層との積層化が行
われている。
また特公昭51−48512に記載されているような、接着
材層を介さずポリオレフィン層とエチレン−酢酸ビニル
共重合体けん化物とポリオレフィンの組成物とからなる
例も提案されている。
しかし、この場合ガスバリア性に効果がある範囲では
ポリオレフィン層とエチレン−酢酸ビニル共重合体けん
化物とポリオレフィンの組成物層との接着強度が弱く実
用化に耐えられる積層物が得られず、またポリオレフィ
ン層とエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物とポリオ
レフィンの組成物層との積層化ができる範囲ではガスバ
リア性の効果が乏しい欠点があった。
[発明が解決しようとする課題] このように従来技術は接着材層を介さなければ、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体けん化物のガスバリア性、保
香性等の特性を活かしたポリオレフィンとの積層物は得
られない問題があった。
以上のことから本発明の課題は、これらの欠点(問題
点)がなく、すなわち接着材層を介さず、エチレン−酢
酸ビニル共重合体けん化物の特性であるガスバリア性、
保香性等を活した、ポリオレフィンとの積層物を得るこ
とである。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明に従えばこれらの課題は、ポリオレフィン層
と、(a)ポリオレフィン系樹脂が100重量部に対し
て、(b)エチレンの共重合割合が10〜65モル%であ
り、エチレン−酢酸ビニル共重合体を少なくとも90%以
上けん化させることによって得られる、エチレン−酢酸
ビニル共重合体けん化物が10〜80重量部、(c)スチレ
ン系熱可塑性エラストマー及びそのマレイン酸変性樹脂
が3〜50重量部、(d)エチレンとエポキシ基を含有す
るエチレン性不飽和モノマーとのエチレン系共重合体ま
たはこれらとビニルエステル及び/もしくは不飽和カル
ボン酸エステルとのエチレン系共重合体が5〜40重量
部、とを配合した、混合組成物の層とからなることを特
徴とする積層物によって解決できる。
以下本発明を具体的に説明する。
A.ポリオレフィン系樹脂 本発明のポリオレフィン系樹脂層を製造するために用
いられるポリオレフィン系樹脂及び混合組成物の層に用
いられるポリオレフィン系樹脂の代表例としては、ポリ
プロピレンがあげられるが、他にプロピレンとエチレン
とのランダムまたはブロック共重合体、プロピレン及び
/またはエチレンと炭素数が多くとも12個の他のα−オ
レフィンとのランダムまたはブロック共重合体(α−オ
レフィンとの共重合割合は多くとも20重量%)、エチレ
ンの単独重合体、エチレンと炭素数が3〜12個のα−オ
レフィンとの共重合体、炭素数が4〜6個のα−オレフ
ィンの単独重合体もあげられる。
さらに、本発明においてはこれらのオレフィン系重合
体に少なくとも1個の二重結合を有する化合物(たとえ
ば、不飽和のカルボン酸、ビニルシラン化合物)をグラ
フト重合することによって得られる変性ポリオレフィン
も含まれる。これらのポリオレフィン系樹脂及び変性ポ
リオレフィンは、それぞれ単独で使用してもよく、2種
以上併用してもよい。
また、これらのポリオレフィン系樹脂及び変性ポリオ
レフィンのうち、2種以上を任意の割合で樹脂ブレンド
として用いてもよい。
さらに、これらのポリオレフィン系樹脂にさらに無機
充填剤を配合してもよく、無機充填剤は、一般に合成樹
脂及びゴムの分野において広く使れているものである。
これらの無機充填剤としては、酸素及び水と反応しない
無機化合物であり、混合時及び成形時において分解しな
いものが好んで用いられる。該無機充填剤としては、ア
ルミニウム、銅、鉄、鉛、ニッケル、マグネシウム、カ
ルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、モリブデ
ン、ケイ素、アンチモン、チタンなどの金属の酸化物、
その水和物(水酸化物)、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩の
ごとき化合物、これらの複塩ならびにこれらの混合物に
大別される。該無機充填剤の代表例としては、前記の酸
化アルミニウム(アルミナ)、その水和物、水酸化カル
シウム、酸化マグネシウム(マグネシア)、水酸化マグ
ネシウム、酸化亜鉛(亜鉛華)、鉛丹及び鉛白のごとき
鉛の酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、塩基
性炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、アスベスト、
マイカ、タルク、ガラス繊維、ガラス粉末、ガラスビー
ズ、クレー、ケイソウ土、シリカ、ワラストナイト、酸
化鉄、酸化アンチモン、酸化チタン(チタニア)、リト
ボン、軽石粉、硫酸アルミニウム(石膏など)、ケイサ
ンジルコニウム、酸化ジルコニウム、炭酸バリウム、ド
ロマイト、二硫化モリブデン及び砂鉄があげられる。こ
れらの無機充填剤のうち、粉末状のものはその径が20μ
m以下(好適には10μm以下)のものが好ましい。また
繊維状のものでは、径が1〜500μm(好適には1〜300
μm)であり、長さが0.1〜6mm(好適には0.1〜5mm)の
ものが望ましい。さらに、平板状のものは径が30μm以
下(好適には10μm以下)のものが好ましい。これらの
無機充填剤のうち、特に平板状(フレーク状)のもの及
び粉末状のものが好適である。
前記オレフィン系樹脂のメルトインデックス〔JIS K7
210にしたがい、条件が14で測定、以下「MI(2)」と
云う〕は、通常0.005〜100g/10分であり、0.01〜80g/10
分のものが望ましく、とりわけ0.02〜50g/10分のものが
好適である。MI(2)が0.005g/10分未満のポリオレフ
ィン系樹脂を使用すると、流動性が悪いために押出成形
ができずシートの層を作ることができない。一方、100g
/10分を超えたポリオレフィン系樹脂を使うならば、こ
れらの共押し出しシートを製造するさいにドローダウン
が大きく良好な製品を得ることができない。
なお、無機充填剤を配合する場合、ポリオレフィン系
樹脂と無機充填剤との合計量中に占める無機充填剤の配
合割合は、一般には多くとも80重量%であり、70重量%
以下が好ましく、特に60重量%以下が好適である。これ
らの合計量中に占める無機充填剤の配合割合が80重量%
を超えるならば、シートに成形する押出成形が難しく良
好なシートが得られない。
B.エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物 また本発明において混合組成物層に使われる、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体けん化物はエチレン含有量が10
〜60モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化
物を少なくとも90モル%以上けん化したものである。
さらにフィルム状及びシート状に成形できる分子量の
物が望ましく、メルトイッデックス〔JIS K−7210にし
たがい、温度が210℃及び荷重が2.16kgで測定以下「MI
(2)」と云う]は通常0.1〜50g/10分であり、0.1〜20
g/10分の物が望ましい。
MI(2)が0.1/10分未満のエチレン−酢酸ビニル共重
合体けん化物を使うと積層物を製造するさい、樹脂の流
動性が低いため樹脂がながれず良好な積層体が得られな
い。一方、20g/10を超えたエチレン−酢酸ビニル共重合
体けん化物を使うと積層物を製造するさい、樹脂の流動
性が高すぎて良好な積層体が得られない。
C.スチレン系熱可塑性エラストマー 本発明において混合組成物に使われる、スチレン系熱
可塑性エラストマーはスチレンと水添ブタジエン共重合
体又はスチレンと水添イソプレン共重合体及び、スチレ
ンと水添ブタジエン共重合体であり、さらにスチレンと
水添イソプレン共重合体に無水マレイン酸を付加したも
のも非常に良好である。
スチレンと水添ブタジエン共重合体又はスチレンと水
添イソプレン共重合体はスチレン重合体ブロックと水添
ブタジエンあるいは水添イソプレンブロックからなり、
スチレン系重合体の例としてはスチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、ビニル
ナフタレン、及びそれらの混合物が挙げられる。
また本発明に使われるスチレンと水添ブタジエン共重
合体又はスチレンと水添イソプレン共重合体、及びスチ
レンと水添ブタジエン共重合体又はスチレンと水添イソ
プレン共重合体に無水マレイン酸を付加したものは、ス
チレンの含有量が10〜40wt%であり、溶液粘度(25wt%
トルエン溶液at25℃)が100〜50,000CPSの特性を有する
ものである。溶液粘度が100CPS未満では流動性が高く混
合組成物での相溶性が不良となりガスバリア効果、ポリ
オレフィン樹脂との接着強度が発揮されない。
また、溶液粘度が50,000CPSを超えると流動性が悪
く、混合組成物での相溶性が不良となりガスバリア効
果、ポリオレフィン樹脂との接着強度が発揮されない。
また、これらの物は商業的に入手可能であり、当業者
に周知の方法によって製造できる物でもある。
D.エチレン系共重合体 本発明において混合組成物層に使われるエチレン系共
重合体のメルトイッデックス〔JIS K7210にしたがい、
条件が4で測定、以下「MI(1)」と云う〕は通常0.1
〜1,000g/10分であり、1.0〜800g/10分が好ましく、特
に2.0〜700g/10分が好適である。
MI(1)が1.0g/10分未満のエチレン系共重合体を用
いると、混合組成物層での相溶性が悪く、ポリオレフィ
ン樹脂層との接着が悪く実用に耐えられる積層体が得ら
れられない。
またMI(1)が1,000g/10分を超えたエチレン系共重
合体を用いると、同様に混合組成物層での相溶性が悪
く、ポリオレフィン樹脂層との接着が悪く実用に耐えら
れる積層体が得られられない。
さらに本発明において混合組成物層に使われるエチレ
ン共重合体はエチレンと代表例などが後記されているコ
モノマー(1)とからなるエチレン系共重合体でもよ
く、エチレンとコモノマー(1)および代表例が後記さ
れているコモノマー(2)とからなるエチレン系多元共
重合体でもよい。
コモノマー(1)はエポキシ基を含有するエチレン性
不飽和モノマーである。
コモノマー(1)の代表例は下式〔(I)式および
(II)式〕で示されるものがあげられる。
(I)式および(II)式で示されるエポキシ系化合物
の代表例としては、グリシジルメタアクリレート、グリ
シジルアクリレート、α−メチルグリシジルアクリレー
ト、α−メチルグリシジルメタアクリレート、ビニルグ
リシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル及びメタ
クリルグリシジルエーテルなどがあげられる。
さらに、コモノマー(2)はビニルエステル及び不飽
和カルボン酸エステルからえらばれる。
コモノマー(2)のうち、ビニルエステルの炭素数は
一般には4〜25個であり、4〜20個のものが望ましく、
とりわけ4〜16個のものが好適である。好適なビニルエ
ステルの代表例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ビニルブチレート、ビニルピバレートなどがあげ
られる。
不飽和カルボン酸エステルの炭素数は通常4〜40個で
あり、4〜30個のものが好ましく、特に4〜20個のもの
が好適である。好適な不飽和カルボン酸エステルの代表
例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレートなどがあげられる。また、不飽和カル
ボン酸エステルとしてもアルコキシアルキル(メタ)ア
クリレートコモノマー(2)としてあげられる。該アル
コキシアルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭
素数が1〜8個(好適には、1〜4個)のものが好まし
い。また、アルコキシ基の炭素数が1〜8個(好適に
は、1〜4個)のものが望ましい。好適なアルコキシア
ルキル(メタ)アクリレートの代表例としては、メトキ
シメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メ
タ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレー
ト及びブトキシエチル(メタ)アクリレートがあげられ
る。
E.混合組成物の混合割合とその製造 本発明の混合組成物層の使われる各樹脂の混合割合
は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体けん化物10〜80重量部、スチレ
ン系熱可塑性エラストマー3〜50重量部、エチレン系共
重合体5〜40重量部であり、ポリオレフィン系樹脂は混
合組成物中での割合が20〜80重量%であり、好適には30
〜70重量%である。
混合組成物中におけるポリオレフィン系樹脂の割合が
20重量%未満では、ポリオレフィン層との接着が弱く実
用に耐えられる積層体が得られず、一方80重量%を超え
るとガスバリア性や保香性が発揮された物が得られな
い。混合物中におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体け
ん化物の割合はポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
て10〜80重量部であり、好適には20〜70重量部である。
20重量部未満ではガスバリア性や保香性が発揮されな
く、80重量部を超えるとポリオレフィン層との接着が弱
く実用に耐えられる積層体が得られない。
またスチレン系熱可塑性エラストマーはポリオレフィ
ン系樹脂100重量部に対して3〜50重量部であり、好適
には5〜40重量部である。スチレン系熱可塑性エラスト
マーが3重量部未満では混合組成物中におけるエチレン
−酢酸ビニル共重合体けん化物の分散が悪くガスバリア
性が保香性が発揮されなく、一方50重量部を超えるとポ
リオレフィン層との接着性が悪く、実用に耐えられる積
層体が得られない。
さらに混合組成物中におけるエチレン系共重合体樹脂
の割合はポリオレフィン系樹脂100重量部に対して5〜4
0重量部であり、好適には8〜30重量部である。エチレ
ン系共重合体樹脂の割合が5重量部未満では混合組成物
中におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物の分
散が悪くガスバリア性や保香性が発揮されなく、一方40
重量部を超えると同様にガスバリア性や保香性が発揮さ
れない。
本発明の混合組成物の製造は混合組成物を構成する各
樹脂をタンブラー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキ
サー等の混合ミキサー等で混合すればよく、また押出機
前の原料供給系の混合ミキサーで混合しても得られ、さ
らに混合組成物を構成する各樹脂をスクリュー式押出
機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの一般に合成樹
脂分野において使われている混練機を使用して溶融混合
させることによっても製造できる。
F.積層物の製造 本発明の積層体はポリオレフィン層と上記説明の混合
組成物層からなる、少なくとも二層以上の積層物であ
る。
これらの層の積層物は一般的に公知の共押出法によっ
て得られ、例えば共押出Tダイ成形でフィルム、シー
ト、共サーキュラーダイ成形でフィルム、シート、共押
出中空成形で容器、ボトル、共射出成形で各種容器、等
各種型のものを得ることができる。
本発明の積層物を得る共押出成形の押出温度は、一般
には100〜350℃であり、150〜330℃が好適であり、特に
180〜300℃が好適である。
また、本発明の積層物の各層の厚みは、中間層をなす
混合組成物層が20〜300μであり、好適には50〜2000μ
である。
中間層をなす混合組成物層の厚みが20μ未満ではガス
バリア効果が乏しく、一方300μを超えると成形が困難
であり、実用性に乏しい製品になる。
さらに、内外層をなすポリオレフィン層の片面が50〜
3000μであり、好適には10〜1000μである。
内外層をなすポリオレフィン層の片面が5μ未満で
は、水蒸気の透過が大きく混合組成物層のバリア効果が
長時間維持できなく、一方300μを超えると成形が困難
であり、実用性に乏しい製品になる。
[実施例及び比較例] 以下実施例によって本発明をさらにくわしく説明す
る。
なお、実施例及び比較例における、各サンプルの酸素
透過率は酸素透過測定装置「モダンコントロール社(米
国)型式OX−RTAN10/50」で、測定温度23℃、相対湿度6
0%の条件で測定した。
また接着強度(はくり強度)は得られた積層物うち15
mm幅の試料をサンプリングし、この試料を引取速度100m
m/分、180度の方向にはくり試験を行ない接着強度を求
めた。
実施例及び比較例において使った、ポリオレフィン系
樹脂、エチレン系共重合体樹脂、スチレン系熱可塑性エ
ラストマー樹脂、及びスチレン系熱可塑性エラストマー
樹脂のマレイン酸変性樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合
体けん化物の種類、物性などを下記に示す。
[(A) ポリオレフィン系樹脂] ポリオレフィン系樹脂として、MI(1)が0.5/10分で
あり、かつエチレンの共重合割合が18重量%であるエチ
レン−プロピレンブロック共重合体〔以下「PP(A)」
と云う〕 MI(1)が2.0/10分である、プロピレン単独重合体
〔以下「PP(B)」と云う〕 MI(3)が0.2/10分であり、密度が0.955g/cm3である
エチレン単独重合体〔以下「PE(1)」と云う〕 MI(3)が1.0/10分であり、密度が0.928g/cm3、ブテ
ン−1の共重合割合が20wt%である、エチレン−ブテン
−1共重合体〔以下「PE(2)」と云う〕 [(B) エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物] エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物として、エチ
レンの共重合割合が25モル%である、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体をけん化させることによって得られるけん
化物〔けん化度99%、MI(2)5.0g/10分、以下「EVOH
(1)」と云う〕 また、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物とし
て、エチレンの共重合割合が38モル%である、エチレン
−酢酸ビニル共重合体をけん化させることによって得ら
れるけん化物〔けん化度99%、MI(2)3.0g/10分、以
下「EVOH(2)」と云う〕 [(C) スチレン系熱可塑性エラストマー] スチレン系熱可塑性エラストマーとして、シェル化学
(株)製 商品名 KRATON FG1901X〔スチレン含有量28
wt%、無水マレイン酸付加率2wt%、溶液粘度6,000CP
S、以下「SEBS−M」と云う〕 また、クラレ(株)製 商品名 セプトン1001〔スチ
レン含有量35wt%、溶液粘度6,100CPS、以下「SEBS」と
云う〕 [(D) エチレン系共重合体] エチレン系共重合体として、MI(1)が3.0g/10分で
あるエチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタアクリレー
ト三元共重合体〔酢酸ビニルの共重合割合5.0wt%、グ
リシジルメタアクリレートの共重合割合11.5wt%、以下
「EAG(1)」と云う〕 MI(1)が7.0g/10分であるエチレン−酢酸ビニル−
グリシジルメタアクリレート三元共重合体〔酢酸ビニル
の共重合割合3.0wt%、グリシジルメタアクリレートの
共重合割合9.5wt%、以下「EAG(2)」と云う〕を使っ
た。
実施例1〜7 比較例1〜7 混合組成物層を構成する混合組成物は、第1表に示し
た各樹脂の混合割合で次の方法で作成した。
L/D=28、口径65mmΦ、の押出機を用い、押出温度を2
20℃、に設定し、混練・混合を行ない、混合組成物層用
のペレットを作成した。
次に、2種3層多層シート製造装置(東芝機械(株)
社製 フィードブロック方式 40mmΦ押出機2台)を用
いて、押出機230℃で、中間層を第1表に示した混合組
成物層、内外層をポリオレフィン樹脂層になるように共
押出し成形を行ない、第2表に示した層構成の積層シー
トを作成した。
得られた積層シートの酸素ガス透過率と、積層シート
のポリオレフィン層と混合組成物層との接着強度を測定
した結果を第2表に示す。
また、実施例1と同様に、第1表の比較例に示した本
発明範囲外の樹脂構成をなす混合組成物のペレットを作
成し、2種3層多層シート製造装置で中間層を第1表に
示した混合組成物層、内外層をポリオレフィン樹脂層に
なるように共押出し成形を行ない積層シートを作成し
た。
得られた積層シートの酸素ガス透過率と、積層シート
のポリオレフィン層と混合組成物層との接着強度を測定
した結果を実施例1と同様に第2表に示す。
このようにして得られた結果は第2表に実施例及び比
較例として示してあるが、本発明の積層体は比較例に比
べて酸素バリア性に優れ、かつ混合組成物層とポリオレ
フィン層との接着強度が優れていることが明らかであ
る。
実施例8〜11 比較例6〜10 実施例1と同様に第3表に示した、各樹脂組成の混合
組成物を作成した。
次に、この混合組成物が中間層にそしてポリオレフィ
ン樹脂層が内外層になるように、2種3層共押出ブロー
成形機(日本製鋼(株)社製40mmΦ押出機2台)を用い
て、ダイス温度を200℃に設定し、500cc容量の円筒型多
層ボトルを作成した。
得られた、500cc容量の円筒型多層ボトルの酸素透過
率、そしてボトルの胴部を切断し測定した、ポリオレフ
ィン樹脂層と混合組成物層との接着強度、及びポリオレ
フィン樹脂層と混合組成物層との層厚み構成比を第4表
に示す。
また、実施例1と同様に、第3表の比較例に示した本
発明範囲外の樹脂構成をなす混合組成物のペレットを作
成し、実施例と同様に2種3層共押出ブロー成形機を用
いて、500cc容量の円筒型多層ボトルを作成した。
得られた、500cc容量の円筒型多層ボトルの酸素透過
率、そしてボトルの胴部を切断し測定した、ポリオレフ
ィン樹脂層と混合組成物層との接着強度、及びポリオレ
フィン樹脂層と混合組成物層との層厚み構成比を第4表
に比較例として示す。
このようにして得られた結果は第4表に示してある
が、本発明の積層体は酸素バリア性に優れ、かつ混合組
成物層とポリオレフィン層との接着強度が優れているこ
とがあきらかである。
[発明の効果] 本発明の積層物は共押出Tダイ成形、共押出サーキュ
ラーダイ成形、共押出中空成形、共押出射出成形、など
により、フィルム、シート、パイプ、及び各種容器類例
えばボール状、トレイ状、ボトル状、タンク状に賦形さ
れた容器に成形され、一般食品包装、化学品、医薬品な
どの包装、ならびに一般産業用途などの広い分野にわた
って使用される。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン樹脂層と、(a)ポリオレ
    フィン系樹脂が100重量部に対して、(b)エチレンの
    共重合割合が10〜65モル%であり、エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体を少なくとも90%以上けん化させることによ
    って得られる、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
    が10〜80重量部、(c)スチレン系熱可塑性エラストマ
    ー及びそのマレイン酸変性樹脂が3〜50重量部、(d)
    エチレンとエポキシ基を含有するエチレン性不飽和モノ
    マーとのエチレン系共重合体またはこれらとビニルエス
    テル及び/もしくは不飽和カルボン酸エステルとのエチ
    レン系共重合体が5〜40重量部、とを配合した、混合組
    成物の層とからなることを特徴とする積層物。
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