JP2921802B2 - 光電変換装置の短絡箇所の除去方法 - Google Patents

光電変換装置の短絡箇所の除去方法

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JP2921802B2 JP3103577A JP10357791A JP2921802B2 JP 2921802 B2 JP2921802 B2 JP 2921802B2 JP 3103577 A JP3103577 A JP 3103577A JP 10357791 A JP10357791 A JP 10357791A JP 2921802 B2 JP2921802 B2 JP 2921802B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面層に透明導電性材料
の層を有する光電変換装置の短絡部分を除去する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】最近、二酸化炭素の増加による温室効果
で地球の温暖化が生じることが予測され、二酸化炭素発
生を伴わないクリーンなエネルギーの要求がますます高
まっている。また、二酸化炭素を排出しない原子力発電
も、なお諸種の問題を指摘する声があり、よりクリーン
なエネルギーが望まれている。
【0003】将来期待されているクリーンなエネルギー
のなかでも、特に太陽電池はそのクリーンさ、安全性及
び取り扱いやすさから、大きな期待を寄せられている。
各種の太陽電池の中で、アモルファスシリコン太陽電池
は大面積体に製造でき、製造コストも低いことから、盛
んに研究されている。しかし、大面積体に製造すれば、
電気的に短絡した箇所が往々にして発生し、製品の歩留
まり低下を引き起こしていた。
【0004】太陽電池等の光電変換装置の短絡箇所の除
去方法として、特公昭62-53958号公報では、短絡箇所に
レーザビーム等のエネルギービームを照射することによ
って除去する方法が提案されている。しかし、この方法
はエネルギービームを照射する前に、短絡箇所を確定し
なければならないことと、短絡箇所が多い場合には、そ
の数に応じて前述した短絡箇所の除去処理を行なう為に
多くの処理時間を要することなどの欠点を有している。
【0005】米国特許4451970 号明細書及び特開昭59-9
4473号公報には、基板上に半導体層と導電性光透過材膜
とが存在することによって形成されている光電池デバイ
スの短絡電流エリアで前記導電性光透過材膜に電解液か
ら被膜を形成させ、前記基板に対して電解質を正に維持
する様に電圧を印加して、短絡電流経路を除去する方法
とシステムとが提案されている。該資料には更に、短絡
電流経路が除去されたエリアに絶縁材料を堆積させるこ
とも記載されている。しかし、電解質にはカソードとア
ノードとがそれぞれ接しており、電解質全体に正の電荷
を付与し得ない。
【0006】米国特許4,510,674 号及び4,510,675 号明
細書に開示されている短絡電流経路の欠陥除去方は次の
内容のものである: 短絡部位を予め確定した後に、エッチング液で短絡部位
の透明導電性酸化物を除去する(更に、透明導電性酸化
物が除去された部位に、絶縁材を堆積させる)。 短絡部位の予備確定は次の様に行なわれている:米国特
許4,510,674号: 光電池の透明導電性酸化物膜と活性領域とに順方向又は
逆方向のバイアス電圧を印加して何れの部位で電流が流
れるかを検知する 米国特許4,510,675 号: 光電池に光を照射しながら透明導電性酸化物膜と活性領
域とに逆方向バイアス電圧又は順・逆方向のバイアス電
圧を印加して何れの部位で電流が流れるかを検知するし
かし、これらの方法には次の問題が伴う: ・短絡部位が多数箇所に存在する場合には、場所の確定
に相当の時間を要する。 ・エッチング液によって、短絡部分以外の透明導電性酸
化物までもエッチングされる結果、光電池デバイスの特
性低下を来す。
【0007】米国特許4,729,970 号明細書には、透明導
電性酸化物を電極にする薄膜電子デバイスの短絡電流経
路の欠陥被覆方法として、次の方法が提案されている:
ルイス酸である塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化第二
錫、塩化第一錫、四塩化チタン等の塩を含む溶液中で半
導体と対極との間に電流を流し、透明導電性酸化物を酸
化又は還元して、透明導電性酸化物の化学量論比を変え
ることによって、高抵抗にする。
【0008】しかし、実際に塩化亜鉛、塩化第二錫又は
塩化第一錫の水溶液を用いて、太陽電池の基板を負極
(カソード)、対極を正極(アノード)にしてこの方法
を試した処、期待に反してデバイスの短絡箇所は修復さ
れず、短絡箇所には金属塩の構成元素である金属(Zn,
Sn) が析出した結果、却って短絡によるリーク電流が増
大してしまった。
【0009】1986年秋季応用物理学会予稿集 29p-Z-5に
は、アモルファスシリコン( α-Si)太陽電池の電気化学
的処理による効率改善法が発表されている:ガラス/I
TO/pin a−Si:H/Alのの構造の太陽電池に
おいてリーク電流が生じるピンホール部の修復方法とし
て、該Alを酸に溶解した後に、太陽電池の修復すべきサ
ンプルと白金極とを希硫酸に浸し、a−Si:H側に負
の電位を印加して、電気化学的にITOを溶解させた後
に、再びAlを蒸着して電池を作製する。
【0010】しかし、上記方法では、絶縁基板であるガ
ラス基板上にITO、pin層のa−Si:H層、Al層
が順次形成された構成の太陽電池の短絡部の修復につい
て有効であっても、導電性基板上に光電変換部材として
の半導体層、透明導電層が順次形成された構成の光電変
換装置の短絡修復に関しては、半導体層が透明導電層に
被われていることから、上記の手法の様に半導体層に負
の電位を印加することは困難である。
【0011】また、透明導電層を一部分エッチング除去
した半導体層に電圧を印加しても、光電変換装置が大面
積を占める場合には、半導体層の高い抵抗に妨げられて
光電変換装置全体を処理することはできず、飽くまでも
電圧印加箇所周辺だけにおいて効果を生じたに過ぎな
い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の光電変化装置のシャント(電流分岐)部分及び電流短
絡部分の除去部分のうち、エネルギービームを用いる方
法は短絡部の予備検知が必要であり、短絡部分が多数存
在している場合には長い処理時間を必要とし、生産効率
に欠ける。従来の電気化学的手法には、的確な条件が確
立されていない。この課題を解決する方法であって、更
に大面積の光電変換装置にも適用でき、十分な生産性で
電流短絡部分を除去する方法の確立が望まれている。
【0013】本発明の目的は上述した従来の課題を解決
し、導電性基板上に光電変換部材としての半導体層及び
透明導電層が順次形成された光電変換装置の電流短絡部
を除去する方法を提供することにある。
【0014】本発明の第2の目的は大面積の光電変換装
置であっても、複数の電流短絡箇所を短時間で除去する
にも適用でき、生産性に優れた経済的な短絡部の除去方
法を提供することにある。
【0015】本発明の第3の目的は下部電極と上部電極
(背面電極)との間に光起電力を発生する為の半導体層
を有する光電変換装置の電流短絡箇所の除去方法におい
て、前記上部電極と対向電極都の間に水素イオン及びヒ
ドロニウムイオンから選ばれる1以上のイオンを含有す
る電解液を介して電圧を印加することを特徴とする光電
変換装置の短絡箇所の除去方法を提供することにある。
【0016】本発明の第4の目的は下部電極と上部電極
との間に光起電力を発生する為の半導体層を有する光電
変換装置の短絡箇所の除去方法において、フレキシブル
基体上に設けられた前記光電変換装置と対向電極との間
に水素イオン及びヒドロニウムイオンから選ばれる1以
上のイオンを含有する電解液を介して電圧を印加し、前
記フレキシブル基体上に設けられた前記光電変換装置短
絡箇所の除去方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するための手段として、下部電極と上部電極との
間に光起電力を発生する為の半導体層を有する光電変換
装置の短絡箇所の除去方法において、前記下部電極と対
向電極との間に水素イオン及びヒドロニウムイオンから
選ばれる1以上を含有する電解質の濃度が2×10 -4
ol/l以上で5.0mol/l以下で、且つ比導電率
が0.001S/cm以上で10S/cm以下の電解液
を介して、2.0V以上5.0V以下の電圧を印加する
ことを特徴とする光電変換装置の短絡箇所の除去方法を
提供するものである。
【0018】以下、本発明の実施態様例につき説明す
る。 [電解液]本発明の光電変換装置の短絡箇所の除去方法
に使用し得る電解液としては、水素イオン及び/又はヒ
ドロニウムイオンを含む電解液が望ましい。
【0019】該電解液に水素イオン及び/又はヒドロニ
ウムイオンを含有させるためには無機酸や有機酸等の
酸、無機塩基や有機塩基等の塩基及び標準電極電位E°
がゼロ(標準水素電極電位EH °)以下であって、かつ
標準電極電位の絶対値が水素過電圧よりも大きい金属の
金属塩から選ばれる少なくとも1つの電解質を含む溶液
が望ましい。
【0020】前記電解質の具体例を以下に例示するが本
発明に使用し得る電解質は以下に示す材料のみに何等限
定されるものではない。
【0021】無機酸としては、例えば塩酸、硝酸、フッ
酸、硫酸等が挙げられる。
【0022】有機酸としては、例えば酢酸、ギ酸、シュ
ウ酸、酒石酸、安息香酸等が挙げられる。
【0023】無機塩基としては、例えば水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
【0024】有機塩基としては、エチレンジアミン、ア
ニリン等のアミンやピリジン等が挙げられる。
【0025】標準電極電位が0以下であり、かつ標準電
極電位の絶対値が水素過電圧よりも大きい金属の金属塩
としては、例えばLiCl、KCl、NaCl、CaC
2 、MgCl2 、Li2 SO4 、KF、KBr、K
I、K2 SO4 、K2 CO3 、K3 PO4 、NaBr、
NaI、Na2 SO4 、Na3 PO4 、CaSO4 、M
gSO4 、BaCl2 、CeCl3 、Ce2 (SO4
3 、AlCl3 、Al2 (SO43 、YCl3 、Y2
(SO43 、ScCl3 及びSc2 (SO43 等が
挙げられる。
【0026】前記電解液は溶媒としてアルコール系、フ
ェノール系等の非水有機溶媒、又は水等が望ましい。そ
の理由は水素イオン及び/又はヒドロニウムイオンの存
在する電解液を形成することにある。
【0027】ここで前述の標準電極電位が0以下かつ標
準電極電位の絶対値が水素過電圧よりも大きい金属の金
属塩以外の金属塩、例えばCuSO4 、FeCl3 、Z
nCl2 等を用いた場合には短絡部に金属、例えばC
u、Fe、Zn等が析出することから、短絡部のリーク
を増加させてしまう。
【0028】このように短絡部に析出してしまう金属と
しては上記の金属以外にCr、Ni、Sn、Pb及びA
g等が挙げられる。
【0029】電解液は光電変換装置の短絡箇所を電気化
学的に選択的に除去し得る条件で用いることが望まし
い。本発明の短絡箇所除去の電気化学反応は電解液の酸
性度が高い程起り易いが、電解液と光電変換装置の上部
電極材料とが接触するだけで激しく反応して該上部電極
全面をエッチングするようであってはならない。電解液
を選択する場合には上部電極材料に対して、激しくは化
学反応しない電解液を選択するか又は化学反応速度の低
い濃度及び温度に電解液を調製することが望ましい。
【0030】例えば上部電極の材料が光透過性導電性酸
化物の1つであるZnOの場合には、電解液としては反
応性の低いLiCl、NaCl、KCl又はMgCl2
等を含む水溶液を使用するのが望ましい。即ち、ZnO
が酸にも塩基にも高い反応性を有するからである。
【0031】また、光電変換装置の短絡部で電気化学反
応を効率よく行なって短絡部を除去するためには、電解
液の電気抵抗率が低いことが望ましい。電解液の比導電
率の値としては0.001S/cm以上で10S/cm
以下、好ましくは0.005S/cm以上で5.0S/
cm以下、最適には0.05S/cm以上で1.0S/
cm以下とする。
【0032】また、電解液中に含有される電解質の濃度
としては、2.0×10-4mol/l以上で5.0mo
l/l以下、好ましくは5.0×10-4mol/l以上
で2.0mol/l以下とする。
【0033】また、電解液の温度は電解液が蒸発した
り、凝固したりしない温度に選ぶことが望ましい。例え
ば電解液が水溶液の場合には−10℃以上で100℃以
下、好ましくは0℃以上で90℃以下とする。
【0034】電解液の温度は使用する溶媒の種類、電解
液と上部電極との電気化学反応の温度依存性に応じて適
宜定めればよい。[光電変換装置]光電変換装置は光透
過性材料で構成された透明電極(上部電極)と背面電極
との間に入射した光を吸収して光起電力を発生する半導
体層を有する構造を採っている。
【0035】前記透明電極は光電変換装置の光入射側に
配された光透過性の導電材料で構成されている。
【0036】透明電極の材料としては、例えばIn2
3 、SnO2 、In23 −SnO 2 、ZnO、TiO
2 及びCd2 SnO4 等が挙げられる。
【0037】半導体層は光を吸収して光起電力を発生す
る構造を有していればどのような構造であってもよく、
例えばショットキー接合型、pn接合型、pin接合型
等のいずれでもよく、更にこれらの多重積層されたいわ
ゆるタンデム型、トリプル型等のスタック構造であって
もよい。
【0038】また、半導体材料としては水素、ゲルマニ
ウム、炭素、窒素、酸素等を含むシリコン系半導体、S
e又はTe等を主成分とするカルコゲン元素半導体、C
uInSe2 、CdS、GaAs又はInP等の化合物
半導体等が使用される。これ等は非晶質、多結晶質又は
単結晶質のいずれであってもよい。
【0039】背面電極としては金属等からなる導電性基
体や表面に導電性材料の層を設ける等の表面導電処理を
施した有機材料や無機材料が挙げられる。
【0040】具体的な例としては、耐食鋼(ステンレス
スチール)、Ti、Cu、Cr、Al、Mo、W、Ag
及びNi等の金属材料の基体、プラスチック等の高分子
材料やガラス等の表面に前記金属材料等の薄層を形成し
た基体等が挙げられる。[対向電極]対向電極は光電変
換装置の短絡箇所にて電気化学反応を起こす為の電位を
与えるアノードとして機能する。対向電極の材料として
は化学的に不活性な材料が挙げられ、例えば金、白金、
チタン等が好適に使用される。また、電解液の種類に応
じて他の電極材料も対向電極として使用し得る。
【0041】例えば、電解液が硫酸水溶液であれば対向
電極材料として鉛−銀合金又は鉛−アンチモン−銀合金
が好適に使用し得る。また、電解液が硫酸根イオン、強
酸イオン又は強アルカリイオンの何れも含まない場合に
は、対向電極材料として黒鉛が好適に使用し得る。他
方、電解液が酸又は塩素イオンの何れをも含まない場合
には対向電極材料としてニッケルが好適に使用し得る。
【0042】以下、光電変換装置の短絡箇所の除去方法
の実施態様例につき説明する。
【0043】短絡箇所を有する光電変換装置の模式的な
構成を図1に示す。図1に図示する光電変換装置は下部
電極を兼ねた導電性基体、光起電力を発生する半導体層
101、透明導電性酸化物層(上部電極)102及び電
流短絡部を有している。
【0044】前記電流短絡部103を除去するための電
気化学反応処理を施すための電解還元装置の模式図を図
2に示す。図2に図示する電解還元装置は、導電性基体
200、半導体層201及び透明電極202を有する光
電変換装置(被処理体)と該基体200を被覆する絶縁
被覆層203、アノード204、電解液205、電源2
06及び電解層207を有している。
【0045】図2に示す装置においては、カソードとな
る光電変換装置の導電性基体200側から電流が流れ、
光電変換装置の短絡箇所で電気化学反応が効率よく起こ
らなくなるのを防ぐために導電性基体200表面に例え
ばアセチルセルロース、ゴム磁石、絶縁塗料等の絶縁性
材料で絶縁被覆層202を形成した例を示している。短
絡部を除去する方法としては、まず対向電極204と光
電変換装置とを電解液205に浸漬し、対向電極204
をアノードとし、光電変換装置の導電性基板200をカ
ソードとして、両者の間に電圧を印加して前記短絡部に
て優先的に電解反応を行なわせることからなる。電源2
06からアノード204とカソード200との間に電圧
が印加され、電子が電源からカソード200へ流れ、短
絡部で優先的に電流が流れることに起因する電解反応が
該短絡部で生じて、電解液と接する短絡部の透明導電性
材料が水素イオンにより還元される。その結果、金属イ
オンとして短絡部の透明導電性材料は電解液中に溶出す
る。即ち、短絡部の透明導電性材料が除去されることに
なる。
【0046】透明導電性材料として例えば三酸化インジ
ウム−酸化第二錫を使用した場合に、カソード側では以
下の反応が起きていると考えられる。
【0047】 In23 +8H+ +2e- → 2In3++3H2 O+H2 SnO2 +4H+ +2e- → Sn2++2H2 O 本発明の電解還元による短絡部に存在する透明導電性酸
化物の除去は集電用のグリッド電極の形成工程の前に行
なうのがより効果的である。
【0048】また、図2に図示する電解還元装置におい
ては、被処理体である光電変換装置を電解液中に浸漬す
るタイプであったが、図3に示す装置のように光電変換
装置全体を浸漬しないタイプであってもよい。
【0049】図3に示す電解還元装置は電解液をしみ込
ませた電解液保持部材305に透明電極(上部電極)3
01と半導体層302と背面電極303とを有する光電
変換装置300の上部電極301側を接触させ、電源3
06から光電変換装置300と対向電極304との間に
短絡箇所の除去の為の電圧を印加するものである。
【0050】電解液保持部材305としては、電解液と
反応せず電解液を保持できる材料であればよく、例えば
スポンジ等の多孔質体、ポリエステルファイバー、ナイ
ロンファイバー、セルロースファイバー等の有機高分子
材料、セラミックウィスカー、アスベスト等の無機材料
等が使用し得る。
【0051】また、図3に示す電解還元装置のように、
電解液を電解液保持部材305に供給するための電解液
供給手段307を設けてもよい。また電解液を電解液保
持手段305から排出するための排出手段308を設け
てもよい。尚、前記電解液供給手段307及び排出手段
には必要に応じてポンプ等の加圧及び減圧する手段を設
けてもよい。
【0052】図3に示す装置を用いた場合には、背面電
極303を覆う被覆層を設けることなく短絡部を効率よ
く除去することができると共に、電解液量が少なく温度
制御が容易であり、電解液を流過して使用することによ
る電解液の汚れの問題が生じない。
【0053】本発明の光電変換装置の短絡箇所の除去方
法を実施するためには電解液と接するアノードとしての
対向電極とカソードとしての光電変換装置間にNern
stの式で定義される電極電位を用いて計算される水素
発生電位(電解液の電気分解により水素が発生し始める
電位)以上の電圧を印加するのが望ましい。
【0054】電解液が水溶液である場合には25℃、1
気圧の標準状態での水の理論分解電圧に相当する1.2
3V以上の電圧を印加するのが望ましい。しかしなが
ら、あまり高い電圧を印加した場合には短絡部の除去以
外の副反応が起きやすくなる。従って、本発明における
両電極間に印加する電圧としては好ましくは1.23V
以上10.0V以下とするのが望ましい。
【0055】また、前記理論分解電圧に電極の抵抗や液
抵抗等による電力損失や過電圧を考慮すると共に高電圧
時の電気化学反応の不均一性を考慮すると両電極間に印
加する電圧は一層好ましくは2.0V以上5.0V以下
とする。電解液中での水素発生電位は電気分解に使用す
るアノード及びカソードの電極材料及び電解液の種類に
より異なるから、前述の印加電圧の範囲で適正な電圧を
印加すればよい。
【0056】また、電圧の印加は電解還元処理中一定の
電圧印加でもよく、印加する電圧を変化させて副反応を
防いでもよい。不均一な電圧の印加としては例えばパル
ス状ノコギリ波状、カマボコ波状等の波形の電圧を印加
し得る。
【0057】電解還元処理中に被処理体である光電変換
装置に流れる電流密度は主反応である水素イオンによる
電気化学的還元反応が起こる最低の電流密度から副反応
が起きない電流密度の範囲とするのが望ましい。
【0058】光電変換装置に流れる平均電流密度の範囲
は経験的には0.1mA/cm2 以上1A/cm2
下、好ましくは1.0mA/cm2 以上100mA/c
2 以下とする。
【0059】電解還元反応処理を施す時間としては、シ
ャント部や短絡部等の短絡箇所の透明電極材料が除去さ
れるに充分な時間であればよい。また、短絡箇所の透明
電極材料が除去された後にも電圧を印加して電流を流し
続けると、好ましくない副反応を起す可能性があるので
必要以上に処理時間を長くすることは好ましくない。経
験的には、電解還元反応処理を施す時間を0.5秒以上
300秒以下、好ましくは1秒以上120秒以下に設定
する。
【0060】
【実施例】以下実施例に基づいて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれ等の実施例のみに限定されるもので
はない。
【0061】実施例1図4(a)に示す構成で短絡箇所
を有する光電変換装置12個に対して短絡箇所の除去処
理を施し、グリッド電極408を形成させて、図4
(b)に示す光電変換装置を作成した。同じ条件で作成
した同数の図4(a)に示す構成の光電変換装置に短絡
箇所除去処理を施さないでグリッド電極を形成させ、図
4(b)に示す光電変換装置を作成して、本発明の光電
変換装置の短絡箇所除去方法の効果と比較した。
【0062】図4(a)及び図4(b)に示す光電変換
装置は金属基板(5cm×5cmステンレス基板)40
0、背面電極(銀)401、銀拡散防止層(酸化亜鉛)
402、リンをドープしたn型アモルファスシリコン層
403、ノンドープ(i型)アモルファスシリコン・ゲ
ルマニウム層404、ホウ素をドープしたp型アモルフ
ァスシリコン層405、ノンドープのアモルファスシリ
コン層406、酸化第二錫透明導電性酸化物層407、
Cr/Ag/Crのグリッド電極408を有している。
【0063】まず、図4(a)に示す光電変換装置に電
気接点を取った後、金属基板400の表面をアセチルセ
ルロース膜203で被覆した。
【0064】続いて図2に示す電解還元装置を用いて光
電変換装置をカソードとして以下の条件で短絡箇所除去
処理(電解還元処理)を行なった。
【0065】 電圧印加停止後に光電変換装置を水洗し、次にアルコ
ール洗浄した後に100℃のドライエアで乾燥した。
【0066】光電変換装置のAM1.5、100mW/
cm2 の光照射条件での電流−電圧(I−V)特性測定
結果として電解還元処理前(処理前の光電変換装置にグ
リッド電極を形成して測定)のデーターの代表値を図5
に、電解還元処理後のデーターの代表値を図6に示し
た。また、開放端電圧VOC、短絡電流ISC、フィルファ
クターFF、光電変換効率、シャント抵抗RSh、シリー
ズ抵抗RS の測定結果の平均値を表1に示した。
【0067】
【表1】 なお、I−V特性の測定は図7に示す測定回路を用いて
行なった。図7に示す測定回路は光電変換装置701、
電圧計702、電流計703、直流電源704を有して
おり、該光電変換装置701に光700を照射し得る構
成である。
【0068】図5及び図6に示されたI−V特性及び表
1に示された各特性の測定値から明らかなように、電解
還元処理後にはI−V特性が向上し、それと共に光電変
換効率Eff、シャント抵抗RShが特に増加しており、電
流短絡部を除去した効果が明らかに認められた。
【0069】本実施例によれば、透明導電性材料の短絡
部で、電解還元反応を効率的に進めることができた。そ
の結果、光電変換装置に含まれる電流短絡部の除去に対
する従来の方法の問題点を解決することができたと共
に、短絡部に存在する透明導電性材料を溶解除去するこ
とができた。また多数の短絡箇所を含む大面積の光電変
換装置の確実な短絡部除去には特に有効であった。即
ち、処理の為の工程及び設備が簡単で済むことから、製
品の歩留まりを高めて生産コストを大幅に削減できた。
【0070】実施例2図8(a)に示す構成で短絡箇所
のある光電変換装置に対して短絡箇所の除去を行ない、
グリッド電極508を設け、図8(b)に示す光電変換
装置を形成した。
【0071】図8(a)及び図8(b)に示す光電変換
装置は5cm×6cmのステンレス製基板500、Ag
電極501、ZnO層502、リンをドープしたn型ア
モルファスシリコン層503、ノンドープアモルファス
シリコン・ゲルマニウム層504、ホウ素をドープした
+ 型アモルファスシリコン層505、ノンドープのア
モルファスシリコン層506、In23 −SnO2
明電極層507、Cr/Ag/Crのグリッド電極50
8を有するいわゆるトリプル型の光電変換装置である。
【0072】以下に示す電解還元処理条件とし、実施例
1と同様にして図2に示す電解還元処理装置を用いて電
解還元処理を図8(a)に示す光電変換装置に施した。 対向電極: 黒鉛(6cm×6cm) 電解液 : 組成 0.05mol/l MgCl2 水溶液 温度 50℃ 比導電率 0.01S/cm 印加電圧: 4.0V 電流密度: 10mA/cm2 通電時間: 1分間 電圧印加停止後に実施例1と同様に光電変換装置を洗浄
及び乾燥後、光照射時のI−V特性を測定した。電解還
元処理前のI−V特性の測定データーの代表値を図9に
示す。また、電解還元処理後のI−V特性の測定データ
ーの代表値を図10に示す。更に、光電変換装置の各特
性測定結果の平均値を表2に示した。
【0073】
【表2】 図9、図10及び表2から明らかな通り、処理後の光電
変換装置においては、I−V特性が向上し、シャント抵
抗RSh、光電変換効率Eff及びフィルファクターFFが
何れも増加したことが認められた。
【0074】比較例1標準電極電位が0以下であるが標
準電極電位の絶対値が水素過電圧よりも小さいZnCl
2 を電解質として含む電解液を用いて以下の条件で実施
例1と同様の電流密度、電解液温度に設定して電解還元
処理を施した。
【0075】対向電極: 白金板(5cm×5c
m)電解液:組成 1mol/l ZnCl2 水溶
液温度 25℃比導電率 0.1S/cm印
加電圧: 3.0V電流密度: 5.0m
A/cm2 通電時間:30sec処理を施す前と後との
シャント抵抗RSh及び光電変換効率Effを測定したとこ
ろ、本比較例の処理を施した後の光電変換装置の特性は
表3に示すように明らかに低下していた。
【0076】
【表3】 光学顕微鏡とX線マイクロアナリシス(XMA)とで光
電変換装置の透明電極(上部電極)表面を観察した処、
金属亜鉛の粒が短絡部上に析出していることが判った。
【0077】実施例3図11(a)に示す光電変換装置
に対して図2に示す電解還元装置を用いて電解還元処理
を施し、グリッド電極605を形成させて図11(b)
に示す光電変換装置を作成した。図11(a)及び図1
1(b)に示す光電変換装置はガラス基板(コーニング
社製 #7059)600、Mo製背面電極601、C
uInSe2 層602、CdS層603、ZnO層60
4、Cr/Ag/Crのグリッド電極605を有してい
る。
【0078】該光電変換装置の背面電極601に電気接
点を取り、アクリル樹脂で被覆した該光電変換装置に対
して以下の条件で電解還元処理を施した。
【0079】 対向電極: 白金板(5cm×6cm) 電解液 : 組成 0.02mol/l Al2 (SO43 水溶液 温度 25℃ 比導電率 0.01S/cm 印加電圧: 2.5V(一定) 電流密度: 5mA/cm2 通電時間: 2分間電解還元処理終了後に実施例
1と同様に該光電変換装置を洗浄及び乾燥した。また、
電解還元処理前後のAM1.5、100mW/cm2
おける光照射時のI−V特性、シャント抵抗RSh及び光
電変換効率Effを測定したところ、いずれの特性も本実
施例の電解還元処理により向上したことが確認できた。
電解還元処理前後のシャント抵抗RSh及び光電変換効率
ffの測定データを表4に示す。
【0080】
【表4】 実施例4〜18光電変換装置の透明電極(上部電極)材
料をSnO2 とし、以下に示す電解液及び処理条件を用
いた以外には実施例1と同様にして電解還元処理を行な
った。電解還元処理条件を以下に示す。 電解還元処理による短絡部除去の評価は処理前のシャン
ト抵抗RSh(A)と処理後のシャント抵抗RSh(B)と
の比RSh(B)/RSh(A)の値で行なった。各実施例
に用いた電解液(水溶液)中に含まれる電解質と前述の
評価の結果とをまとめて表5に示す。
【0081】
【表5】 表5から明らかなように、各実施例においては光電変換
装置の短絡箇所が効率よく除去され、シャント抵抗の飛
躍的向上が認められる。
【0082】実施例19 耐食鋼(ステンレス)フィルム基体(厚さ0.2mm×
幅0.3m×長さ10m)上に実施例1と同様に図4
(a)に示す構成の光電変換装置のパターンを100個
形成し、図12に示す電解還元処理装置を用いて短絡箇
所を除去した。
【0083】図12に示す電解還元装置は、フレキシブ
ル耐食鋼フィルム上に形成された光電変換装置300、
フレキシブルフィルム送りローラー兼ステンレスフィル
ム基板と導通するカソード電極301、アノード電極3
02、電解液303、直流電源304、電解槽305、
洗浄液306、洗浄槽307、乾燥用赤外線ランプ30
8、ロール状光電変換装置309及び巻き取り用ローラ
ー310を有している。
【0084】尚、本実施例においてはフレキシブルフィ
ルムであるステンレスフィルムを基体とし、透明電極材
料としてSnO2 を用いた光電変換装置を使用した。
【0085】電解還元処理条件は以下のとおりであっ
た。
【0086】 アノード(対向電極): Pb−Sb−Ag合金 電解液 : 組成 0.5mol/l H2 SO4 水溶液 温度 25℃ 比導電率 0.2S/cm 印加電圧 : 3.5V 実施例1と同様にして光電変換装置のI−V特性を測定
した。また、電解還元処理前後の総数100個の光電変
換装置のシャント抵抗RShを測定した。シャント抵抗
1.0×103 Ω・cm2 未満の光電変換装置の割合を
短絡率として短絡率を評価した。その結果、電解還元処
理によってI−V特性が格段に向上していることがわか
った。更に、処理前の前記短絡率54%が処理後には0
%に激減した。
【0087】実施例20 実施例1と同様にして以下の様に実験を行なった。図4
(a)に示した構成で短絡箇所を有する光電変換装置1
0個に対して短絡箇所除去処理を施してグリッド電極を
形成させ、図4(b)に示す光電変換装置を作成した。
同じ条件で作成した同数の図4(a)に示す構成の光電
変換装置に短絡箇所除去処理を施さないでグリッド電極
を形成させ、図4(b)に示す光電変換装置を作成し
た。実施例1におけると同様にして本発明の光電変換装
置の短絡箇所除去方法の効果を無処理のそれと比較し
た。
【0088】図4(a)及び図4(b)に示す光電変換
装置は金属基板(5cm×5cmステンレス基板)40
0、背面電極(銀)401、銀拡散防止層(酸化亜鉛)
402、リンをドープしたn型アモルファスシリコン層
403、ノンドープ(i型)アモルファスシリコン・ゲ
ルマニウム層404、ホウ素をドープしたp型アモルフ
ァスシリコン層405、ノンドープのアモルファスシリ
コン層406、酸化第二錫透明導電性酸化物層407、
Cr/Ag/Crのグリッド電極408を有している。
【0089】実施例1と同様にして光電変換装置の金属
基板面をアセチルセルロース膜で被覆し、図2に示した
電解槽を用い、電解液として比導電率0.5s/cmの
賞賛水溶液を用いると共に対極には白金板を用いた。導
電性基板400をカソード、白金極をアノード、両極間
に直流電圧3.0Vを印加し、カソード電極当りの電流
密度を20mA/cm2 として30sec間電解反応を
行なった。次に電圧印加を停止し、光電変換装置を水洗
及びアルコール洗浄の後に100℃乾燥した。電解還元
前後の光電変換装置[図4(b)]に対してAM1.
5、100mW/cm2 の光照射時の電流−電圧(I−
V)特性測定並びに光電変換効率Eff、フィルファクタ
ーFF、シャント抵抗Rsh及びシリーズ抵抗Rs の各特
性測定を実施例1と同様にして各光電変換装置について
行なった。短絡箇所除去の為の電解還元処理後には各特
性が向上して降り、電流短絡部を除去した効果が現われ
ていることが判った。更に、上部電極407の材料を酸
化インジウムとした光電変換装置に対して本発明の短絡
箇所除去方法を適用した処、前述の各特性の向上が確認
された。
【0090】
【発明の効果】光電変換装置の短絡箇所を除去する本発
明の方法は多数の短絡した箇所を有する大面積の光電変
換装置の修復を短時間で効率的におよび経済的に行い得
る点で特に有用である。また、その工程及び設備も簡単
であることから、大面積の光電変換装置の生産コスト低
減に非常に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】短絡箇所を有する光電変換装置の模式的断面図
である。
【図2】短絡箇所の除去を行なうに好適な処理装置の模
式的構成図である。
【図3】短絡箇所の除去を行なうに好適な処理装置の模
式的構成図である。
【図4】光電変換装置の模式的構成図である。
【図5】光電変換装置の電流−電圧特性を示す図であ
る。
【図6】光電変換装置の電流−電圧特性を示す図であ
る。
【図7】電流−電圧特性を測定するための回路の説明図
である。
【図8】光電変換装置の模式的構成図である。
【図9】光電変換装置の電流−電圧特性を示す図であ
る。
【図10】光電変換装置の電流−電圧特性を示す図であ
る。
【図11】光電変換装置の模式的構成図である。
【図12】短絡箇所の除去を行なうに好適な処理装置の
模式的構成図である。
【図中の符号】
100 導電体 101 半導体層 102 透明導電性酸化物層 103 電流短絡部 200 導電体 201 半導体層 202 透明導電性酸化物層 203 保護皮膜 204 アノード極 205 電解液 206 直流電源 207 電解槽 300 光電変換装置 301 送りローラー兼カソード極 302 アノード極 303 電解液 304 直流電源 305 電解槽 306 洗浄液 307 洗浄槽 308 乾燥装置 309 光電変換装置 310 巻き取りローラー 400 導電体 401 導電体 402 シャント防止層 403 半導体層 404 半導体層 405 半導体層 406 半導体層 407 透明導電性酸化物層 408 グリッド電極 500 導電体 501 導電体 502 シャント防止層 503 半導体層 504 半導体層 505 半導体層 506 半導体層 507 透明導電性酸化物層 508 グリッド電極 601 導電体 602 半導体層 603 半導体層 604 透明導電性酸化物層 605 グリッド電極 700 光 701 光電変換装置 702 電圧計 703 電流計 704 直流電源

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部電極と上部電極との間に光起電力を
    発生する為の半導体層を有する光電変換装置の短絡箇所
    の除去方法において、前記下部電極と対向電極との間に
    水素イオン及びヒドロニウムイオンから選ばれる1以上
    を含有する電解質の濃度が2×10 -4 mol/l以上で
    5.0mol/l以下で、且つ比導電率が0.001S
    /cm以上で10S/cm以下の電解液を介して、2.
    0V以上5.0V以下の電圧を印加することを特徴とす
    る光電変換装置の短絡箇所の除去方法。
  2. 【請求項2】 前記対向電極をアノードとして電圧を印
    加する請求項1に記載の光電変換装置の短絡箇所の除去
    方法。
  3. 【請求項3】 前記電解液が無機酸、有機酸、無機塩
    基、有機塩基及び金属塩であってその標準電極電位が0
    以下且つその標準電極電位の絶対値が水素過電圧よりも
    大きな金属の塩で構成される群から選択される少なくと
    も1つの電解質を含有する請求項1又は2に記載の光電
    変換装置の短絡箇所の除去方法。
  4. 【請求項4】 前記比導電率が0.005S/cm以上
    で5.0S/cm以下である請求項1記載の光電変換装
    置の短絡箇所の除去方法。
  5. 【請求項5】 前記電解質の濃度が5.0×10 -4 mo
    l/l以上で2.0mol/l以下である請求項1記載
    の光電変換装置の短絡箇所の除去方法。
  6. 【請求項6】 前記電圧の印加により、前記光電変換装
    置に流れる平均電流密度が0.1mA/cm2 以上で
    /cm2 以下である請求項1記載の光電変換装置の短
    絡箇所の除去方法。
  7. 【請求項7】 前記電圧の印加により、前記光電変換装
    置に流れる平均電流密度が1.0mA/cm 2 以上10
    0mA/cm 2 以下である請求項1記載の光電変換装置
    の短絡箇所の除去方法。
  8. 【請求項8】 下部電極と上部電極との間に光起電力を
    発生する為の半導体層とを有する光電変換装置の短絡箇
    所の除去方法において、フレキシブル基体上に設けられ
    た前記光電変換装置と対電極との間に水素イオン及び
    ヒドロニウムイオンから選ばれる1以上のイオンを含有
    する電解質の濃度が2×10 -4 mol/l以上で5.0
    mol/l以下で、且つ比導電率が0.001S/c
    m以上 で10S/cm以下の電解液を介して2.0V以
    上5.0V以下の電圧を印加し、前記フレキシブル基体
    上に設けられた前記光電変換装置を搬送することを特徴
    とする光電変換装置の短絡箇所の除去方法。
  9. 【請求項9】 前記対向電極をアノードとして電圧を印
    加する請求項8に記載の光電変換装置の短絡箇所の除去
    方法。
  10. 【請求項10】 前記電解液が無機酸、有機酸、無機塩
    基、有機塩基及び金属塩であってその標準電極電位が0
    以下且つその標準電極電位の絶対値が水素過電圧よりも
    大きな金属の塩で構成される群から選択される少なくと
    も1つの電解質を含有する請求項8又は9に記載の光電
    変換装置の短絡箇所の除去方法。
  11. 【請求項11】 前記比導電率が0.005S/cm以
    上で5.0S/cm以下である請求項8記載の光電変換
    装置の短絡箇所の除去方法。
  12. 【請求項12】 前記電解質の濃度が5.0×10 -4
    ol/l以上で2.0mol/l以下である請求項8記
    載の光電変換装置の短絡箇所の除去方法。
  13. 【請求項13】 前記電圧の印加により、前記光電変換
    装置に流れる平均電流密度が0.1mA/cm2 以上で
    1A/cm2 以下である請求項8記載の光電変換装置の
    短絡箇所の除去方法。
  14. 【請求項14】 前記電圧の印加により、前記光電変換
    装置に流れる平均電流密度が1.0mA/cm 2 以上1
    00mA/cm 2 以下である請求項8記載の光電変換装
    置の短絡箇所の除去方法。
  15. 【請求項15】 第1の巻き取りローラーにロール状に
    収納された前記フレキシブル基体上に設けられた前記光
    電変換装置が、第2の巻き取りローラーにロール状に巻
    き取るように搬送される請求項8に記載の光電変換装置
    の短絡箇所の除去方法。
  16. 【請求項16】 前記電解液中に、前記光電変換装置を
    浸漬した状態で前記電圧を印加する請求項1又は8記載
    の光電変換装置の短絡箇所の除去方法。
  17. 【請求項17】 前記電解液をしみ込ませた電解液保持
    部材に前記上部電極を接触させた状態で前記電圧を印加
    する請求項1又は8記載の光電変換装置の短絡箇所の除
    去方法。
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