JP2908450B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は洗浄剤組成物に関し、更に詳しくは洗い上が
った衣料のにおいが良い洗浄剤組成物に関する。 〔従来の技術および問題点〕 近年、消費者の泡立ちに対する好みは非常に変化して
おり、より低泡性の洗剤が好まれる様になってきた。 このためシリコーン系の消泡剤等も用いられる様にな
ってきたが、比較的高価であるため、安価の原料である
脂肪酸塩を多量に配合することにより、低泡性の洗剤を
得る試みがなされている。 しかしながら、不飽和分を30重量％以上含んだ脂肪酸
塩を多量に配合した場合は、洗浄剤及びその洗浄剤で洗
濯した衣料に悪臭が付くという重大な欠点がある。この
異臭は洗濯を繰り返すことによってますます増長され、
着用者に不快感を与える。 このため、脂肪酸塩を配合する場合には不飽和分の少
ない脂肪酸塩が用いられている。しかしながら、不飽和
分の高い脂肪酸塩は洗浄性及び溶解性に優れているの
で、その特性を生かし、且つ衣料に異臭を与える欠点を
克服した技術の開発が熱望されてきた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等はこの点について鋭意検討した結果、不飽
和分を30重量％以上含んだ脂肪酸塩とともにゼオライト
及びポリカルボン酸重合物を同時に含有することにより
不飽和分を30重量％以上含んだ脂肪酸塩を多量に含有し
ても、洗い上がりの衣料に異臭のない洗浄剤が得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。 即ち、本発明は、 （Ａ）直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩及び／又はア
ルキル硫酸塩を含有する合成界面活性剤 10〜40重量％ （Ｂ）不飽和脂肪酸塩含量が30重量％以上の炭素鎖長10
〜22の脂肪酸アルカリ金属塩 １〜10重量％ （Ｃ）ゼオライト ２〜25重量％ （Ｄ）ポリカルボン酸重合体又はその塩 0.3〜３重量
％ を含有することを特徴とする洗浄剤組成物を提供するも
のである。 不飽和分の高い脂肪酸塩の異臭発生のメカニズムは明
確ではないが、水道水中に含まれるCa,Mgが不飽和脂肪
酸と結合することにより生じる石鹸スカムが衣料に沈着
することに起因すると推測される。 この異臭の発生はゼオライト又はポリカルボン酸重合
体（又はその塩）単独でも若干の抑制効果はあるが、両
者を併用することにより、より効果は大きくなる。ゼオ
ライト及びポリカルボン酸重合体（又はその塩）は、カ
ルシウムやマグネシウムに対するキレート効果があるこ
とが異臭発生抑制の一つの理由に考えられるが、併用す
ることにより何故極だった相乗効果が発揮されるかは十
分解明されてはいないが、大きな発見である。 本発明に用いられる合成界面活性剤は、直鎖アルキル
ベンゼンスルホン酸塩及び／又はアルキル硫酸塩を含有
する。これらの具体例としては、平均炭素数10〜16のア
ルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、
平均炭素数10乃至20のアルキル基を有するアルキル硫酸
塩が挙げられる。合成界面活性剤は、更に、平均炭素数
10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し１分子内に
平均0.5〜８モルのエチレンオキサイドを付加したアル
キルエトキシ硫酸塩、平均10〜20の炭素原子を１分子中
に有するオレフィンスルホン酸塩、平均10〜20の炭素原
子を１分子中に有するα−スルホ脂肪酸メチルエステル
塩などの他のアニオン性界面活性剤、平均炭素数10〜20
のアルキル基を有し１〜20モルのエチレンオキサイドを
付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル、高級脂
肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド
付加物などの非イオン性界面活性剤、その他ベタイン型
両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸
エステル系界面活性剤、カチオン性界面活性剤などを含
有してもよい。 本発明の洗浄剤組成物中の合成界面活性剤の配合量は
一般には10〜40重量％である。 本発明に用いられる脂肪酸塩は、不飽和脂肪酸塩含量
が30重量％以上の高級脂肪酸のアルカリ金属塩であっ
て、その全炭素数は10〜22、特に14〜22のものが好まし
い。また、塩としては、例えばナトリウム、カリウムな
どのアルカリ金属塩が挙げられる。 本発明の洗浄剤組成物中の脂肪酸アルカリ金属塩の含
有量は１〜10重量％、好ましくは２〜７重量％の範囲で
ある。１重量％未満では泡の抑泡に対する効果が少な
く、10重量％を越えると本発明の目的である衣料への異
臭付着防止の効果が充分でない。 本発明に用いられるゼオライトとしては結晶性アルミ
ノケイ酸塩が望ましい。例えば、Ａ型、Ｘ型ゼオライト
が好適である。ゼオライトの粒径としては平均粒径で0.
1〜20μ、更には0.1〜10μ程度のものが望ましい。 本発明の洗浄剤組成物中のゼオライトの含有量は２〜
25重量％、好ましくは５〜20重量％の範囲である。 ２重量％未満ではポリカルボン酸重合体との相互作用
による異臭防止効果がなく、25重量％を越えてもそれ以
上の効果は期待できない。 本発明に用いられるポリカルボン酸重合体又はその塩
としては、ポリアクリル酸、ポリアセタールカルボン
酸、ポリアコニット酸、ポリイタコン酸、ポリシトラコ
ン酸、ポリフマル酸、ポリマレイン酸、ポリメタコン
酸、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸、ポリビニルスル
ホン酸、スルホン化ポリマレイン酸、無水マレイン酸−
ジイソブチレン共重合体、無水マレイン酸−スチレン共
重合体、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合
体、無水マレイン酸−エチレン共重合体、無水マレイン
酸−エチレンクロスリンク共重合体、無水マレイン酸−
酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸−アクリロニトリ
ル共重合体、無水マレイン酸−アクリル酸エステル共重
合体、無水マレイン酸−ブタジエン共重合体、無水マレ
イン酸−イソプレン共重合体、無水マレイン酸と一酸化
炭素から誘導されるポリ−β−ケトカルボン酸、イタコ
ン酸、エチレン共重合体、イタコン酸−アコニット酸共
重合体、イタコン酸−マレイン酸共重合体、イタコン酸
−アクリル酸共重合体、マロン酸−メチレン共重合体、
メタコン酸−フマル酸共重合体及びその塩などが例示さ
れる。これらの中でもポリアクリル酸塩が特に好まし
い。分子量は1,000〜100,000が好ましく、特に4,000〜3
0,000が良い。 本発明の洗浄剤組成物中のポリカルボン酸重合体の含
有量は0.3〜３重量％、好ましくは0.5〜３重量％の範囲
である。 0.3重量％未満ではポリカルボン酸重合体のもつ石鹸
スカム分散効果が十分発揮できず、３重量％を越えても
それ以上の効果は期待できない。 その他、本発明の洗浄剤組成物には以下の成分を必要
に応じて用いることができる。 １） ２価金属イオン捕捉剤 オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、
ニトリル三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、クエン
酸塩、イソクエン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリアセタ
ールカルボン酸塩など。 ２） アルカリ剤及び無機塩 ケイ酸塩、炭酸塩、セスキ炭酸塩、硫酸塩など。 ３） 再汚染防止剤 ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースな
ど。 ４） 漂白剤、螢光染料、酵素等 漂白剤として過炭酸ソーダ、過ホウ酸ソーダ、硫酸ナ
トリウム、塩化ナトリウム過酸化水素付加物などを、
又、増白剤として市販螢光染料の他、香料、プロテアー
ゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ等の酵素、青味
付剤なども必要に応じて配合することができる。 〔実施例〕 次に本発明を実施例について説明するが、本発明はこ
れらの実施例によって限定されるものではない。 実施例１ 表−１の組成の洗浄剤について以下の実用洗浄評価を
行った。なお、表−１中、Ｂは全体を100重量％とする
ためのバランス量である。 ＜実用洗浄評価＞ 木綿肌着1kgを二槽式洗濯機（パルセータ型）で以下
条件により洗浄処理した。 木綿肌着 1kg 洗浄剤の濃度 0.133％ 二槽式洗濯機 洗濯 10分 ためすすぎ ３分 ２回 水 道 水 25℃ 乾 燥 晴天時に日干し５時間 乾燥後、特に匂いに敏感な女性パネラー30名（年令18
歳〜36歳）に肌着の匂いをかいでもらい、以下の基準で
その臭気を評価した。 又、洗浄剤の石鹸臭気についても以下の基準でその臭
気を評価した。 臭気の評価 ○ ほとんど臭気を感じない △ 少し臭気を感じる × かなり臭気を感じる 結果を表−１に示す。又、本実施例に使用した脂肪酸
の組成は表−２の通りである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−50307（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−176399（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−21000（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−37098（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．（Ａ）直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩及び／又
   はアルキル硫酸塩を含有する合成界面活性剤 10〜40重
   量％ （Ｂ）不飽和脂肪酸塩含量が30重量％以上の炭素鎖長10
   〜22の脂肪酸アルカリ金属塩 １〜10重量％ （Ｃ）ゼオライト ２〜25重量％ （Ｄ）ポリカルボン酸重合体又はその塩 0.3〜３重量
   ％ を含有することを特徴とする洗浄剤組成物。 ２．成分（Ｄ）がポリアクリル酸塩である特許請求の範
   囲第１項記載の洗浄剤組成物。