JP2906147B2 - 皮膚又は毛髪の処理用のシート材料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、皮膚表面又は頭皮に一時的に当てがつてと
くに化粧品に局部的皮膚処理又は毛髪処理を行うのに使
う複合のシート材料に関する。本発明は又、この材料の
製法及びその使用法に関する。

〔発明の背景〕

本発明による材料は、その構造特性、その組成及びそ
の形状に従つて、顔又は顔の一部分（目、頬、顎の周
囲）の手入れを行い、とくに表皮の角質層を除くことに
より皮膚の深い清掃を行い、皮膚を固くし、皮膚を軟化
させ又は皮膚に特定の処理を行うようにしたマスクを構
成する。本発明材料は又、バストを固くし有用な要素又
は局部用のしわ防止パツチを構成する。皮膚に当てがう
と、本発明材料はたとえば毛髪調整処理と毛髪のセツテ
イングとに使うこことができる。

化粧業界では『美容マスク』製品はよく知られてい
る。これ等の製品はとくに、洗浄又は清掃することによ
り又は引きはがすことにより除去されるフイルムを生成
するように、顔面に施した後乾燥するゲル又はペースト
の形で提供される。乾燥時限中に角質層すなわち表皮角
質細胞層は湿めりを帯びしなやかになり、皮膚がわずか
に収縮する。乾燥後に血液の流れは温度の上昇によつて
加速される。さらにマスクは吸収効果を持ち、マスクを
除いたときに、マスクによりこのようにして、とくに表
皮の角質層のはがれるのと同時に皮膚の深い清掃が確実
にできる。欧州特許願第0.063,875号明細書には、顔の
形状に適当に切断されて顔に当てがつたときに移すよう
にした液体化粧品用の担体として作用するシートから成
る願面用マスクについて記載してある。

仏国特許願第2,512,651号及び同第2,538,247号の各明
細書には、又、材料内又はその各空洞内に化粧品又は薬
品を含むしわ防止パツチについて記載してある。この場
合にも処理製品は皮膚に直接当てがう。

オーストリア国特許第206,114号明細書には、顔の解
剖学的構造に対応する形状を持ち、ゲル（ポリビニルア
ルコール）を含浸され植物性抽出物又はビタミン類或は
これ等の両方を含むペースト層で覆つた絹布から成る美
容マスクについて記載してある。このマスクは、２層か
ら成り従つて厚くて使用の直前にふたたび湿めらせなけ
ればならない。

〔発明の要約〕

本発明はとくに、前記したゲル、ペースト及びシート
とは異なつて顔を湿めらせた後顔に乾燥状態で当てがう
ことができ全く容易に引き離すことができ、そして全部
の場合にゲル及びペーストによるのと同様に角質層を脱
落させることにより皮膚の孔の有効な清掃ができるか
ら、極めて使用しやすい新規なマスクに係わる。さらに
本発明によるマスクは、皮膚に移すことにより補助的処
理を行うことができる活性質をゲル層内に含む。

本発明によるマスクは、水和性ゲルを薄いフイルム状
に網目内に捕捉する網を備えている。このゲルは、皮膚
の表面を湿らせることにより帯びる水を吸収する性質が
あるので使用される。この網は、そのわずかに剛性を持
つ乾燥した状態で出発して、少なくとも部分的に水和さ
れ柔軟になる。次いでこの網はその自然のたわみ性を回
復し、体の全部の凹凸部（目の凹み、しわの凹み）に合
致するようになる。次いで網は皮膚の正常な温度の影響
のもとに乾燥する。この網はなお皮膚に付着している間
にふたたびこの乾燥状態になる。乾燥したゲルはつねに
網に固着するから、この複合体（網／ゲル）は全部を一
体にはずすことができる。この場合ゲルは死んだ表皮を
引きはがす。

ゲルだけから成る薄いフイルムを補強網と一緒に使う
ことは現在まで知られていないことである。さらにこの
ゲルフイルムはつねに皮膚に湿つた状態で当てがわれ
た。

さらに少なくとも１種類の処理剤をゲルの水和時に遊
離して皮膚に接触させるのに、ゲルの担体機能を利用す
るのが有利である。

さらに本発明によれば処理しようとする体部分の寸法
に切断した含浸網は、液状又は蒸気状態で水に対し不透
過性の接着剤被覆を持つシートの接着剤側で体に当てが
い、このような皮膚に接着したときにパツチ、マスク又
はなお一般的には吸収要素を生成するようにシートの周
辺では接着剤フイルムがシートの周辺では網により覆わ
れないままに残してある。この場合皮膚に初めに付着し
た水はゲルに水和しこのゲルが場合により含む処理剤を
溶解し、このときから処理剤は開放され皮膚に作用す
る。発汗による水分は、不透過性シートが存在するので
マスクを透過しないで、皮膚の表面に凝縮すると活物質
の溶解するのに役立つ。発汗は毛孔を開く効果を持ち活
性物質の浸透を促進する。従つて皮膚通過現象が活発に
なる。１変形として担体シートが時間の経過に伴い幾分
透過性を持つと部分的な吸収だけしかできない。

従つて本発明は第１に、皮膚表面又は頭皮に一時的に
当てがつて局部的皮膚処理又は毛髪調整処理を行うため
の物品において、水和性のゲルから成る薄いフイルム用
の補強を構成するたわみ性の網を包含することを特徴と
する処理物品に係わる。

網は疎水性材料すなわち非吸収性材料から作るのがよ
い。ポリアミドのような合成材料は、木綿が確かに良好
な状態使うことができるが、木綿に優先して選定するの
が有利である。又網は透明な材料から作るのがよい。そ
の理由は、たとえば透明なフイルムを経て処理中に色の
変化を観察することにより当てがい終つたときが場合に
より分るからである。さらに透明なマスクは美的で快適
である。又高温で殺菌することのできる材料から作つた
網を使うのがよい。ポリアミド製の網を使うのがとくに
適当である。このような網は比較的少量のゲルを付着さ
せ、網目スクリーンの厚さと網により形成された間隙と
によつて極めて良好な制御ができる。

網は、厚さが0.01ないし2mmで1cm当たり約２ないし10
0個の目を持つ織布又は不織布から構成してある。この
場合とくに網の目孔の表面積と全表面積との比率は５な
いし80％である。織布の網を使うのが好適である。その
理由は、不織布は、貯蔵中に又は当てがうときの再水和
時に微生物の繁殖を促進する固着剤を含むことが多いか
らである。さらに織布は不織布よりも体の種類の形状に
一層よく合致する。

又一方向だけにしか伸長できない網を使うのがよい。
この選定の理由は、本発明部品の製法に関連するからで
ある。後述のように工業的製法では網は容易にリールに
巻付けリールから巻きほぐすことができなければならな
い。２方向に伸長できる網は巻付けの間に伸長する。

ゲルは、0.5ないし50重量％の乾燥抽出物を持つ水溶
性又は水膨潤性の重合体により構成するのが有利であ
る。このために使うことのできる重合体は、ポリビニル
アルコール、架橋結合のカルボキシメチルセルロースの
アルカリ金属塩、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩、架
橋結合ポリアルキレンオキシド、グラフトアクリロニト
リルセルロース又はカルボキシル基を含むアクリロニト
リル澱粉重合体、トラガカントゴム、アラビアゴム、グ
アルゴム及びその誘導体、アルギネート、キサンタンゴ
ム、その他のセルロース誘導体、アルブミン、ゼラチ
ン、ガラクトマンナン及びポリアクリルアミドから成る
群から選ぶのが有利である。

ゲルを網目内に封じ込めた網では極めて薄いゲルを使
うことができる。このような薄いゲルは、網の補強がな
いと取扱うのに十分なだけ強くはないシートを作る。極
めて薄いゲルはマスク（又は類似物）を当てがうときに
必要であり、ゲル従つて網／ゲルの組合せが迅速に柔軟
になるようにマスクは湿つた処理部分の水分を迅速に吸
収することができ、従つてマスク（又は類似物）は処理
する顔又は体の部分の正弦波形であることの多い形状に
合致することができ、最終的にふたたび吸収された水の
迅速な蒸発が起り、マスクが吸収性を持たない場合にゲ
ルをふたたび乾燥するようにする。５ないし1000μｍの
平均厚さを持つゲルの層をくっつけた網によって構成さ
れるマスクの利点は、人体の湿らせた部分に、マスクを
乾燥状態で当てがうことができ、この湿らせた部分に付
けられた水分をマスクが十分にかつ急速に吸収でき、マ
スクをこの湿らせた部分から一部片としてはずすことが
できることである。そしてゲルの層の厚さが1000μｍよ
り厚くなるときは、マスクはボール紙のようになり、人
体の湿らせた部分に当てがうことはできないし、またゲ
ル層の厚さが、５μｍより薄くなるときは、乾燥後にマ
スクを引きはずすときにマスクが裂ける。

さらにゲルは、とくに次の物質すなわち水溶性活物
質、粘土、カオリン、シリカ、乳化油、給湿剤、薄くす
る物質、しわ防止剤、刺激剤、回復剤、固くする物質及
び軟化剤、パウダー等のうちから選んだとくに化粧用の
少なくとも１種類の活性処理物質を含むのが有利であ
る。この場合網のゲルの平均厚さは薄くすることがとく
に大切である。実際上ゲル層の厚さが過度に厚いときは
この層を適当に湿らせることは極めてむずかしい。マス
クが十分な柔軟性を持つていても、ふたたび水和されて
いない層は水を吸収して活物質が体の処理する部分に接
触したままになるのを妨げる。

マスクが少なくとも２種類の活物質を含むときは、こ
れ等の活物質は網の互いに異なる場所に位置させること
ができる。活物質が層溶性を持たないときにこのように
すると有利である。この場合皮膚に当がわれるゲル表面
は、たとえば栓を設けたびんを使い乾燥ゲル中に含まれ
る物質に対し相溶性を持たない活物質を含む水溶液又は
水性アルコール溶液により当てがう直前に湿らせること
ができる。

本発明による材料は、処理しようとする体部分の形状
に適合した切断形状を持つのを有利とする物品を作るの
に使う。

とくに顔の処理用のマスクの場合にはこのマスクを２
部分に作るようにすることができる。一方の部分は、ひ
たいに対応し、このひたいの下縁部に沿つてまゆげの弧
の輪郭に追従する２つの湾曲した切断部の間に、そして
鼻の皮膚を覆うようにした垂片に沿つて延びている。他
方の部分は目の下法に位置する顔領域に対応し、それぞ
れ口及び鼻に対応する２つの穴を形成してある。このマ
スク部分の上縁部は各目の下側の線に追従するようにし
た２つの切断部を備えている。これ等のツーピースマス
クは互いに異なる顔形状に合うようにうまく調整するこ
とができる。

顔を処理するようにしたマスクの他の実施例によれば
このマスクは、顔の形及び寸法に合わせて切断した単一
ピースから成つている。このピースは、それぞれ各目及
び口に対応する穴と共に、鼻の中間及び下部の領域に対
応し鼻を覆うようにした垂片を切断した切断部とを備え
ている。中央の切れ目は口に対応する穴と前記切断部と
を連結し、又このピースの各側縁部に沿い横方向の切れ
目を作つてある。

さらに本発明によれば、ほぼ環の半分の形状を持つ切
欠きを備えバストを固くする要素を設けることができ
る。

本発明によれば含浸した網はその表面の一方を引きは
がし自在の保護支持シートにより支えることができ、場
合により他方の側を別の脱着自在な保護シートにより保
護することができる。全体が又は一部が吸収性を持つマ
スクの場合には体の処理しようとする部分に対応する寸
法に切断したゲル含浸網はその両側の一方に接着剤層を
塗布した支持シート（透過性を持たないか又はこのマス
クが部分的に吸収性を持つ場合は部分的透過性を持つ）
の接着剤側に配置する。このシートはゲル含浸網をその
全周にわたり越えて延びている。引きはがし自在な薄膜
板は使用に先だつて少なくとも接着剤部を保護する。そ
れぞれ互いに異なる活物質を含む複数の含浸網要素を同
じ支持シートに各別に配置してある。

さらに本発明によるマスクは吸収性があつてもなくて
も、支持シート部分が限定した表面積を持つているので
一部分が又は全体が不透過性である少なくとも１個所の
ゲル含浸網区域を設けることができる。

本発明による材料は、ゲルに又は適宜にはゲル中の連
続処理用の１種類又は複数種類の物質或はこれ等のゲル
及び物質に対し場合により相溶性を持たない少なくとも
１種類の処理物質を飽和させた海綿状材料を含ませるこ
とができる。

本発明は又、支持シートを含む本発明材料の製法にお
いて、 たわみ性の網を構成するプライを後の乾燥工程におけ
る水和ゲルの加熱の温度に耐えることのできる支持シー
トに乗せ、 液体の又は押出しできる状態にあつて適宜には少なく
とも１種類の活性処理物質を含む水和ゲルから成る薄い
フイルムを前記のようにして支えたプライ上に配置しこ
のプライを構成する前記網の各目孔に前記の水和ゲルを
満たすようにし、 この水和ゲルを所望の脱水度が得られるまで乾燥す
る。

ことを特徴とする製法に係わる。

次いでこのようにして作つた材料から成る物品を作る
には、この材料を適当に切断し所要の用途に応じパッケ
ージにする。

水和ゲルの塗布はカレンダ掛け又は押出しにより実施
することができる。

各網目内に封じ込めた水和ゲルの乾燥は、カレンダ掛
けにより、又は網を赤外線トンネル内を通過させ又は網
に高温空気を吹付けることにより行うことができる。カ
レンダ掛けを行う場合には支持された網に保護薄膜板を
当てがう。

本発明は又、皮膚化粧処理又は毛髪調整に前記した材
料を使用することに係わる。この場合体の処理しようと
する部分又は頭皮を湿らせた後、少なくとも部分的吸収
処理を行う場合に水和ゲルを含浸した網をその支持シー
トと一緒に当てがう。この操作では湿つた領域との接触
によりふたたび水和したゲルを確実に乾燥するのに十分
な時間にわたり当てがい続ける。そして網は全体を単一
体にして引きはがすことにより取りのぞく。

〔実施例〕

本発明によるゲル含浸網の製法の実施例と共にこの含
浸網から作つた物品の複数の実施例を添付図面について
以下に説明する。

第１図には第2A図及び第2B図に示すような本発明によ
る複合材料を作るのに必要な装置を線図的に示してあ
る。この材料は３つの重ね合わせた層から成つている。
すなわちこれ等の層は、ポリエステル、ポリエチレン又
はシリコーン被覆紙から成り、皮膚に当てがおうとする
ゲル表面をつや出しすることができ良好な耐温度性を持
つ支持シート（１）と、少なくとも部分的に脱水したゲ
ル（４）を各網目に封じ込めたポリアミド製の網（３）
により形成したプライから成る材料（２）と、上部保護
シート（５）とから成つている。リール（６）に巻付け
たポリエステルシート（１）は、リール（６）から巻き
ほぐし水平に移動するようになる。網（３）を構成する
プライを次いで巻きほぐされたシート（１）に当てが
う。網（３）はリール（７）から巻きほぐされ、シート
（１）の直上に配置した円筒体（８）の下側を通りシー
ト（１）に網（３）を当てがうようにする。

円筒体（８）の下流側でホツパ（９）内に入れた流体
状態の水和ゲル（4a）は、シート（１）に乗り移動する
網（３）に施される。ホツパ（９）はその下縁部に細長
い窓を持つ。この窓により水和ゲル（4a）は、施しドラ
ム（10）上に落下するカーテンの形に排出する。調整自
在な距離に設けた第２のドラム（10a）は水和ゲル（4
a）を広げるように作用する。各ドラム（10），（10a）
は支持体上のプライの前進運動の方向に直交する軸線を
持つ。ドラム（10）は、ゲル（4a）の薄いフイルムを当
てがうように網（３）上で転動する。施しドラム（10）
の下流側で、ポリエステルから成りリール（11）から巻
きほぐれる第２のシート（５）をローラ（12）によつ
て、ゲルを満たした網（３）に当てがう。

このようにして形成した複合材料は、初めに第１の加
熱したカレンダローラ（13）上を次いで第２のカレンダ
ローラ（14）の下側を通る。外側のシート（１），
（５）は、網が各ローラ（13）、（14）の間を上下方向
に進むときにこの網の脱水中にゲルを保護する作用をす
る。

各ドラム（10），（10a）の間隔に従つてゲルは或は
広く或は狭く広げられる。このようにして、ゲル或は多
く或は少なく満たした第2A図及び第2B図に示すような網
（３）が得られる。第2B図は網がゲル中に完全に埋込ま
れた場合を示す。ゲルの量の選択は特定の所期の用途に
よる。

製造後に各シート（１），（３）は所望により取りの
ぞく。マスクを切断した後このマスクのパツケージ化の
ためにシート（１）を残すのがよい。

種種の用途に対し、得れらた材料は次いで切断する。
第３図、第４図及び第５図はこの材料を切断する種種の
方式を示す。

第３図には第２部分に作つた顔用マスクを示してあ
る。上部部分（15）は、ひたいに合致するようにした環
の形の主体状体（15a）から成つている。上部部分（1
5）は、その下縁部に沿い、鼻を覆うようにした舌状片
（15b）が中間領域に延びている。自由端部に向かい広
がる舌状片（15b）は、すなわち、まゆげの弧の形に合
致する２つの湾曲切断部（15c），（15c）間に位置す
る。残りの部分（16）は、各目の中央線の下方に位置す
る領域で顔を覆うようにしてある。このために部分（1
6）は、顔の卵形に合致するように下部部分が丸くした
形状を持つ。上縁部は各目の下部線に追従するようにし
た２つの湾曲切断部（16a），（16a）を備えている。又
鼻及び口が貫通するようにそれぞれ２つの穴（16b）、
（16c）を形成してある。顔の球面形を考慮してこのマ
スクは２部分に作つてある。さらにこのマスクは顔の構
成に従つて高さを調整できる利点がある。

又第４図に示したようなマスクを選定する。この場合
マスクは単一ピースに作られ、目に対する２個の穴（17
a），（17b）と口に対する１個の穴（17b）とを形成し
てある。穴（17b）の上方に湾曲した切断部（17c）を形
成してある。切断部（17c）及び穴（17b）は、マスクを
当てがいやすくなるように切れ目（17e）により接合し
てある。同様に、顔の球面形を考慮し、マスクを一層よ
く調整して当てがえるように各側縁部に少なくとも１つ
の切れ目（17f）を形成してある。

ゲル（４）は、これに混合されその全体にわたり均等
に分布した活物質を含んでいる。それぞれ異なる活性物
質を含む互いに異なるゲルを同じ網にその互いに異なる
場所にたとえば互いに平行な線状又は帯状に施してもよ
い。

次に本発明による材料（２）を以下にさらに詳しく述
べる。網（３）は、1cm当たり85の目孔を含み直径150μ
ｍのポリアミド糸で作つた網状布である。網（３）に
は、10ないし30重量％の乾燥抽出物を含みドラムにより
広げたポリビニルアルコールを加え乾燥抽出物の98重量
％まで乾燥する。材料（２）は乾燥後に0.03g/cm²のゲ
ルを含む。

前記したマスクが顔に作用する全く新規な独創的方式
を次に述べる。先ず使用者は支持シート（１）からマス
ク自体すなわち材料（２）を引き離す。次いで使用者
は、たとえばスポンジを使い前もつて湿らせた自分の顔
に材料（２）を当てがう。

マスクはこれを当てがうとそのこわさが失われる。そ
の理由は、湿つた皮膚に接触してゲルがふたたび水和さ
れるからである。これ等の条件のもとで網は、その柔軟
なたわみやすい性質を回復しすぐに変形しやすくなり、
この網は顔の全部の凹凸に合致させることができる。

このようにし網は初めに湿気を帯びて接触し次いて乾
燥した固着状態で皮膚に付着する。約５ないし10min以
内で、皮膚を湿らせた水分でふたたび水和されたゲル
は、皮膚の特定の温度に従つて空気中で乾燥する。網に
なお封じ込められているゲルはこのようにして一体にし
て取りのぞくことができる。ゲルは普通の場合と同様に
皮膚からはがされる。

ゲルが、処理作用、薄くする作用、しわ防止性又は水
和性を持つ少なくとも１種類の物質を含むときは、この
ゲルは、ゲル及び皮膚の間に結合作用が生じた瞬間から
この物質の担体として作用する。この場合マスクは、皮
膚内処理のために終夜にわたり装着することが望まし
い。使用ゲルは、皮膚に対して十分な相溶性を持ち無害
である。ゲルに対し場合により相溶性を持たない活物質
とこのゲルが含む活物質とを一緒に施そうとする場合に
は、これ等の活物質は皮膚を湿らせる水と一緒に施され
る。この場合たとえば栓を設けたびんによつて適宜に迅
速な給湿ができる。水溶液又は水和アルコール溶液を使
つて皮膚に施されるゲルの表面は、乾燥ゲル中に含まれ
る活物質に対し相溶性を持たない活物質を含ませる。

第５図はバストを固くするのに使うことのできる物品
を示す。この物品は半環状の形状を持つ。この物品が当
てがわれ機能する方式は前記したのと同じである。

第６図は本発明の別の実施例を示す。この実施例では
材料（２）はたとえばしわ防止剤を含むゲルを含んでい
る。材料（２）は、所望の形状に切断され〔簡略化のた
めに第６図にはパツチ（19）を示してある〕、液体状又
は蒸気の状態の水に対し不透過性の支持シート（20）の
一方の表面を覆う接着フイルム（20a）に当てがい、シ
ート（20）の周辺に接着領域を自由に残すようにしてあ
る。この接着領域は、引きはがし自在のシート（21）た
とえばシリコーン被覆シートによりパツケージ化するよ
うに保護してある。

使用に当たつてパツチ（19）はその支持シート（20）
を当てがう。位置決め接着剤（20a）により周辺部に吸
収作用を生ずる。皮膚に付着した水分によりゲルがふた
たび水和され、場合により活物質を釈放する。どの場合
にもシート（20）が不透過性であるから発汗による水分
は蒸発しない。この水分は活物質をふたたび希釈するの
に使われ次いで毛孔内に一層よく浸透する。これ等の毛
孔は吸収作用によつてますます開く。この吸収作用は、
シート（20）を作るのに選定した材料に全く又は部分的
に依存する。

第７図は第６図の物品の変型を示す。この場合パツチ
（19）の代りに２つのピース（19a），（19b）を使う。
ピース（19a），（19b）では脱水したゲルは場合により
相互に相溶性を持たない互いに異なる活物質を含む。各
ピース（19a），（19b）は、実質的に半円形の板の形状
を持ち支持シート（20）上で或る間隔だけ相互に隔離し
てある。作用方式は第６図の物品の場合と同じである。
活物質は、その釈放時を除いて相互に接触するようには
ならない。

以上本発明をその実施例について詳細に説明したが本
発明はなおその精神を逸脱しないで種種の変化変型を行
うことができるのはもちろんである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明材料の製法を実施する装置を示す線図的
配置図である。第2A図及び第2B図は第１図に例示した製
法を実施することにより得られそれぞれ網に施したゲル
の量が相互に異なる２種類の本発明複合材料の拡大横断
面図である。第３図は本発明複合材料から切断した２つ
のピースに作つた顔用マスクの平面図、第４図は本発明
材料から単一のピースに作つた顔用マスクの平面図であ
る。第５図はバストを固くするための本発明物品の平面
図、第６図は本発明材料による吸収パツチの実施例の平
面図、第７図は第６図のパツチの変型の平面図である。 ２……シート材料、３……たわみ性の網、４……水和ゲ
ル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リリヤーヌ、アヤシユ フランス国パリ75012、リユー・ド・シ ヤラントン 277番 (56)参考文献 特開 昭61−212326（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−195617（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭60−45522（ＪＰ，Ｂ２) 米国特許4631227（ＵＳ，Ａ) 米国特許4585797（ＵＳ，Ａ) 欧州特許63875（ＥＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A45D 44/22

Claims (23)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれの皮膚表面又は頭皮に一時的に当
   てがって局部的皮膚処理又は毛髪調整処理を行なうため
   のシート材料において、水和性のゲル（４）から成る薄
   いフイルム用の補強を構成するたわみ性の網（３）を包
   含し、前記網（３）にくっつけた前記ゲル（４）の平均
   厚さを５ないし1000μｍにしたことを特徴とするシート
   材料。
2. 【請求項２】前記網（３）を疎水性材料で作ったことを
   特徴とする請求項１記載のシート材料。
3. 【請求項３】前記網（３）を透明な材料で作ったことを
   特徴とする請求項１又は２記載のシート材料。
4. 【請求項４】前記網（３）を、高温で殺菌することので
   きる材料で作ったことを特徴とする請求項１ないし３の
   いずれかに記載のシート材料。
5. 【請求項５】前記網（３）をポリアミドで作ったことを
   特徴とする請求項１ないし４のいずれかに記載のシート
   材料。
6. 【請求項６】前記網（３）を、0.01ないし2mmの厚さを
   持ち1cm当たり約２ないし100個の目孔を備えた織布又は
   不織布により構成し、前記網の全表面積に対する目孔の
   表面積の比率をとくに５ないし80％にしたことを特徴と
   する請求項１ないし５のいずれかに記載のシート材料。
7. 【請求項７】前記網（３）として、一方向だけしか伸長
   できない網を使ったことを特徴とする請求項１ないし６
   のいずれかに記載のシート材料。
8. 【請求項８】前記ゲル（４）を、0.5ないし50重量％の
   乾燥抽出物を持つ少なくとも１種類の水溶性又は水膨潤
   性の重合体により構成したことを特徴とする請求項１な
   いし７項のいずれかに記載のシート材料。
9. 【請求項９】前記ゲル（４）を構成する重合体を、ポリ
   ビニルアルコール、架橋結合のカルボキシメチルセルロ
   ースのアルカリ金属塩、ポリアクリル酸のアルカリ金属
   塩、架橋結合ポリアルキレンオキシド、グラフトアクリ
   ルロニトリルセルロース又はカルボキシル基を含むアク
   リロニトリル澱粉重合体、トラガカントゴム、アラビア
   ゴム、グアルゴム及びその誘導体、アルギネート、キサ
   ンタンゴム、その他のセルロース誘導体、アルブミン、
   ゼラチン、ガラクトマンナン及びポリアクリルアミドか
   ら成る群から選定したことを特徴とする請求項１ないし
   ８のいずれかに記載のシート材料。
10. 【請求項１０】前記ゲル（４）に、とくに次の群すなわ
    ち水溶性活性剤、粘土、カオリン、シリカ、乳化油、給
    湿剤、薄くする物質、しわ防止剤、刺激剤、回復剤、固
    くする物質、軟化剤及びパウダーから成る群から選定し
    たとくに化粧用の少なくとも１種類の活性処理物質を含
    めたことを特徴とする請求項１ないし９のいずれかに記
    載のシート材料。
11. 【請求項１１】前記ゲル（４）に、前記網（３）の互い
    に異なる場所に位置させた少なくとも２種類の活性物質
    を含めたことを特徴とする請求項10記載のシート材料。
12. 【請求項１２】前記ゲル（４）を含浸した前記網（３）
    をその両表面のうちの一方の表面の少なくとも一部分で
    支持シート（１）に取付けたことを特徴とする請求項１
    ないし11のいずれかに記載のシート材料。
13. 【請求項１３】２つの表面のうちの各表面を引きはがし
    自在の保護シート（１、５）に取付けたことを特徴とす
    る請求項12記載のシート材料。
14. 【請求項１４】前記支持シート（１）を、液体又は蒸気
    の状態の水に対し少なくとも部分的に不透過性にしたこ
    とを特徴とする請求項12記載のシート材料。
15. 【請求項１５】処理しようとする体部分の形状に適合し
    た形状に切断したことを特徴とする請求項１ないし14の
    いずれかに記載のシート材料で作った物品。
16. 【請求項１６】２つのピースに作られ、一方のピース
    （15）は、ひたいに対応し、下部部分に沿いまゆげの弧
    の輪郭に追従する２つの湾曲した切断部（15c）の間
    で、鼻を覆うようにした垂片（15b）を介して延び、他
    方のピース（16）は、各目の下方に位置する顔領域に対
    応し、それぞれ口及び鼻に対応する２個の穴（16b、16
    c）を持ち、前記マスクピース（16）の上縁部に各目の
    下側の線に追従する２つの湾曲切断部を設けたことを特
    徴とする、顔の処理を行うようにした請求項15記載の物
    品。
17. 【請求項１７】顔の寸法及び形状に合うように切断した
    単一のピース（17）から成り、このピース（17）に、そ
    れぞれ各目及び口に対応する３個の穴（17a、17a、17
    c）と共に、鼻の中間及び下部の領域に対応し鼻を覆う
    ようにした垂片（17d）を形成する切断部（17c）を設
    け、口の対応する前記穴（17b）と前記切断部（17c）と
    を中間の切れ目（17e）により互いに連結し、横方向の
    各切れ目（17f）を前記ピース（17）の各側縁部に沿っ
    て形成したことを特徴とする、顔の処理を行うようにし
    た請求項15記載の物品。
18. 【請求項１８】実質的に半分の環状の形状に切り抜いた
    ことを特徴とする、顔の処理を行うようにした請求項15
    記載の物品。
19. 【請求項１９】前記ゲル（４）を含浸した前記網（３）
    を、接着フイルム（20a）により表面の一方を覆った支
    持シート（20）の接着材側に配置し、このシート（20）
    が前記網（３）をその全周にわたり越えて伸びるように
    し、使用に先だって引きはがし自在の薄膜板（21）によ
    り少なくとも前記接着フイルム（20a）を保護するよう
    にしたことを特徴とする請求項12の記載のシート材料。
20. 【請求項２０】前記ゲル（４）又は場合によりゲル中に
    含まれる１種類又は複数種類の処理物質或いは前記のゲ
    ル及び処理物質に対し場合により相溶性を持たない少な
    くとも１種類の処理物質を含ませた海綿状材料を協働さ
    せたことを特徴とする請求項１ないし18のいずれかに記
    載のシート材料。
21. 【請求項２１】たわみ性の網（３）を構成するプライを
    後の乾燥工程における水和ゲル（4a）の加熱の温度に耐
    えることのできる支持シート（１）に乗せ、 液体の又は押出しできる状態にあって適宜には少なくと
    も１種類の活性処理物質を含む前記水和ゲル（4a）から
    成る薄いフイルムを前記のようにして支えたプライ上に
    配置しこのプライを構成する前記網の各目孔に前記水和
    ゲル（4a）を満たすようにし、 この水和ゲル（4a）を所望の脱水度が得られるまで乾燥
    する ことを特徴とする請求項１記載のシート材料の製法。
22. 【請求項２２】前記水和ゲル（4a）から成るフイルムの
    配置をカレンダ掛け又は押出しにより行うことを特徴と
    する請求項21記載のシート材料の製法。
23. 【請求項２３】前記網（３）に封じ込めた前記水和ゲル
    （4a）の乾燥を、カレンダ掛けにより、又は赤外線トン
    ネル内に前記網（３）を通すことにより、又は前記網
    （３）に高温空気を吹付けることにより行い、前記網
    （３）にそのカレンダ掛けを行う場合には保護薄膜板
    （５）を当てがうことを特徴とする請求項21及び22のい
    ずれかに記載のシート材料の製法。