JP2897301B2 - 直流ブラシレスモータの制御方法 - Google Patents
直流ブラシレスモータの制御方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、モータ位置検出器を備えた直流ブラシレス
モータの制御方法に関し、特に、安価で簡単な120°方
形波の位置検出信号を出力する位置検出器により正弦波
電流制御により制御する方法に関する。
モータの制御方法に関し、特に、安価で簡単な120°方
形波の位置検出信号を出力する位置検出器により正弦波
電流制御により制御する方法に関する。
B.発明の概要 本発明は、直流ブラシレスモータの制御方法におい
て、 位置検出信号からπ/3毎のパルスを得、その周期から
角周波数ωを算出し、この位相角とトルク指令により各
相の電流指令を算出し、この電流指令を基にモータ制御
装置によりモータの電流を制御するようにする。
て、 位置検出信号からπ/3毎のパルスを得、その周期から
角周波数ωを算出し、この位相角とトルク指令により各
相の電流指令を算出し、この電流指令を基にモータ制御
装置によりモータの電流を制御するようにする。
このようにすることにより、安価かつ簡単な構成で正
弦波電流による制御を可能とし、トルクリップルや高調
波損失を大幅に改善する技術を提供するものである。
弦波電流による制御を可能とし、トルクリップルや高調
波損失を大幅に改善する技術を提供するものである。
上記の制御方法では、低速ではパルスPnの周期が長い
時には、パルス周期から角周波数ωを計算しているため
応答が悪く、位相誤差も生じやすい。またモータが静止
してトルクのみを生じている場合や、起動時には、π/3
毎の区間内Tn(n:0〜5)の位相を算出できない。
時には、パルス周期から角周波数ωを計算しているため
応答が悪く、位相誤差も生じやすい。またモータが静止
してトルクのみを生じている場合や、起動時には、π/3
毎の区間内Tn(n:0〜5)の位相を算出できない。
かかる場合、停止及び低速度時には、従来の方法の12
0°方形波で運転し、あらかじめ設定した回転数以上に
なったときに前記の正弦波電流の運転に切り換える運転
方法とする。
0°方形波で運転し、あらかじめ設定した回転数以上に
なったときに前記の正弦波電流の運転に切り換える運転
方法とする。
C.従来の技術 直流ブラシレスモータでは、回転子に永久磁石の界磁
を有する同期電動機の該回転子の磁極位置を検出して、
磁束が固定子の一次電流と常に直交するように一次電流
を制御している。第4図は、そのような直流ブラシレス
モータの一例を示す構成図である。同図において、モー
タ41はそのモータ制御装置42により3相制御されてい
る。それらを制御すべき電流振幅指令いわゆるトルク指
令電流Ip*は、電流位相指令発生手段43の出力する2相
指令電流Iu*,Iw*と乗算器44で乗算され、更にモータ電
流Iu,Iwと加算器45で突き合わされて、それぞれをPIア
ンプ46で積分される。PIアンプ46の各出力及びそれらを
加算したのち反転アンプ47で反転して3相を得、3相の
出力は、三角波発振器48からの三角波と比較器49で比較
され、前記モータ制御装置42へフィードバックされる。
尚、電流位相指令発生手段43は、モータ41に付設された
位置検出器50により検出された位置情報に基づいて、2
相の電流位相指令電流Iu*,Iw*を出力する。
を有する同期電動機の該回転子の磁極位置を検出して、
磁束が固定子の一次電流と常に直交するように一次電流
を制御している。第4図は、そのような直流ブラシレス
モータの一例を示す構成図である。同図において、モー
タ41はそのモータ制御装置42により3相制御されてい
る。それらを制御すべき電流振幅指令いわゆるトルク指
令電流Ip*は、電流位相指令発生手段43の出力する2相
指令電流Iu*,Iw*と乗算器44で乗算され、更にモータ電
流Iu,Iwと加算器45で突き合わされて、それぞれをPIア
ンプ46で積分される。PIアンプ46の各出力及びそれらを
加算したのち反転アンプ47で反転して3相を得、3相の
出力は、三角波発振器48からの三角波と比較器49で比較
され、前記モータ制御装置42へフィードバックされる。
尚、電流位相指令発生手段43は、モータ41に付設された
位置検出器50により検出された位置情報に基づいて、2
相の電流位相指令電流Iu*,Iw*を出力する。
D.発明が解決しようとする課題 従来の方式では、位置検出器としてレゾルバやアブソ
リュート・エンコーダ等を用い、高分解能の位置信号を
得て、これから正弦波の電流指令を発生させている。こ
こで、レゾルバの場合、位置信号を得るために複雑な処
理回路が必要であり、アブソリュート・エンコーダも、
高価なうえ、高速の回転数では応答が難しい等の課題が
ある。
リュート・エンコーダ等を用い、高分解能の位置信号を
得て、これから正弦波の電流指令を発生させている。こ
こで、レゾルバの場合、位置信号を得るために複雑な処
理回路が必要であり、アブソリュート・エンコーダも、
高価なうえ、高速の回転数では応答が難しい等の課題が
ある。
そこで、第5図に示すように、ステータ51の3相巻線
に対応する120°等配でホール素子52を配設し、このホ
ール素子52に近接させ、ロータ53の磁極に対応する磁石
54を取り付けて位置を検出する方法が工夫されている。
この場合、位置検出器は簡単かつ安価で、第6図に示す
如く位置検出信号Pu,Pv,Pwより電流指令Iu*,Iv*,Iw*を
容易に作成でき、電圧と電流の基本波の位相が一致して
いるため、力率1でモータを運転できる利があるが、60
°の分解能しか得られないため120°方形波の電流指令
となり、電流の高調波が大きく、トルクリップルの原因
になり、高調波損失も増大する。
に対応する120°等配でホール素子52を配設し、このホ
ール素子52に近接させ、ロータ53の磁極に対応する磁石
54を取り付けて位置を検出する方法が工夫されている。
この場合、位置検出器は簡単かつ安価で、第6図に示す
如く位置検出信号Pu,Pv,Pwより電流指令Iu*,Iv*,Iw*を
容易に作成でき、電圧と電流の基本波の位相が一致して
いるため、力率1でモータを運転できる利があるが、60
°の分解能しか得られないため120°方形波の電流指令
となり、電流の高調波が大きく、トルクリップルの原因
になり、高調波損失も増大する。
本発明は、このような課題に鑑みて創案されたもの
で、安価かつ簡単な構成で正弦波電流による制御を可能
とし、トルクリップルや高調波損失を大幅に改善した直
流ブラシレスモータの制御方法を提供することを目的と
している。
で、安価かつ簡単な構成で正弦波電流による制御を可能
とし、トルクリップルや高調波損失を大幅に改善した直
流ブラシレスモータの制御方法を提供することを目的と
している。
E.課題を解決するための手段 本発明における上記課題を解決するための手段は、モ
ータ制御装置によって駆動されるモータに120°の位置
検出信号を発生する位置検出器を取り付け、このモータ
位置検出器の検出信号より120°方形波電流指令信号を
得、この信号と設定されたトルク指令信号とを乗算し、
この乗算値と検出したモータ電流との偏差信号をもとに
モータ制御装置を介して電流制御される直流ブラシレス
モータの制御方法において、 前記位置検出器によって検出した位置検出信号からπ
/3毎のパルスPn(n=0.1〜5)を得、そのパルスPnの
周期T0から角周波数ωを、 ω=(π/3)・(1/T0) にて算出し、前回のパルス周期より算出された角周波数
に基づき、今回のパルス信号を始点とし、パルス間の位
相角θを、 θ=(π/3)・(t/T0)+π/2 にて演算し、この位相角とトルク指令Ipにより各相の正
弦波電流指令を次式により算出し、この電流指令を基に
前記モータ制御装置により電流制御することを特徴とす
る。
ータ制御装置によって駆動されるモータに120°の位置
検出信号を発生する位置検出器を取り付け、このモータ
位置検出器の検出信号より120°方形波電流指令信号を
得、この信号と設定されたトルク指令信号とを乗算し、
この乗算値と検出したモータ電流との偏差信号をもとに
モータ制御装置を介して電流制御される直流ブラシレス
モータの制御方法において、 前記位置検出器によって検出した位置検出信号からπ
/3毎のパルスPn(n=0.1〜5)を得、そのパルスPnの
周期T0から角周波数ωを、 ω=(π/3)・(1/T0) にて算出し、前回のパルス周期より算出された角周波数
に基づき、今回のパルス信号を始点とし、パルス間の位
相角θを、 θ=(π/3)・(t/T0)+π/2 にて演算し、この位相角とトルク指令Ipにより各相の正
弦波電流指令を次式により算出し、この電流指令を基に
前記モータ制御装置により電流制御することを特徴とす
る。
Iu*=Ip・sinθ Iv*=Ip・sin(θ+2/3・π) Iw*=Ip・sin(θ−2/3・π) また、モータ運転中に角周波数ωをω=(π/3)・
(1/T0)の式で算出し、算出された角周波数があらかじ
め設定した許容範囲内であれば正弦波電流指令で制御
し、許容範囲を越えた場合は、位置検出器の検出信号に
基づく方形波電流指令による制御に切り換える。
(1/T0)の式で算出し、算出された角周波数があらかじ
め設定した許容範囲内であれば正弦波電流指令で制御
し、許容範囲を越えた場合は、位置検出器の検出信号に
基づく方形波電流指令による制御に切り換える。
また、各パルス点における計算上の位相をθnとし、
誤差位相θeを次式で算出し、θe=θn‐{π/6+
(n+1)π/3} この誤差位相があらかじめ設定した許容誤差範囲内で
あれば正弦波電流指令で制御し、許容範囲を越えた場合
は、位相検出器の検出信号に基づく方形波電流指令によ
る制御に切り換える。
誤差位相θeを次式で算出し、θe=θn‐{π/6+
(n+1)π/3} この誤差位相があらかじめ設定した許容誤差範囲内で
あれば正弦波電流指令で制御し、許容範囲を越えた場合
は、位相検出器の検出信号に基づく方形波電流指令によ
る制御に切り換える。
また、上記の正弦波電流指令制御から方形波電流指令
による制御に切り換える際に電流指令Ip′を (但し、Ipは電流のピーク値)で補正することにより出
力トルクを一定に保持する。
による制御に切り換える際に電流指令Ip′を (但し、Ipは電流のピーク値)で補正することにより出
力トルクを一定に保持する。
F.作用 本発明は、直流ブラシレスモータの制御に公知の簡単
なロータ磁極型の位置検出器を配設し、トルクリップル
や高調波損失を改善するため、モータ電流を誘起電圧と
位相が一致した正弦波とする電流指令を得て直流ブラシ
レスモータの電流を制御する方法を提供するものであ
る。
なロータ磁極型の位置検出器を配設し、トルクリップル
や高調波損失を改善するため、モータ電流を誘起電圧と
位相が一致した正弦波とする電流指令を得て直流ブラシ
レスモータの電流を制御する方法を提供するものであ
る。
本発明では、ロータ磁極における120°の位置検出信
号からπ/3毎のパルスを得て、その周期T0から角周波数
ωをω=(π/3)・(1/T0)の演算により算出する。そ
して、前回のパルス周期より算出された角周波数ωに基
づいて、そのパルス信号Pn(n=0,1〜5)を始点と
し、Iu*=Ip・sinθ及びθ=ωt+π/2の演算によりパ
ルス間の詳細な位相角を算出し、これとトルク指令によ
り正弦波の電流指令を得る。
号からπ/3毎のパルスを得て、その周期T0から角周波数
ωをω=(π/3)・(1/T0)の演算により算出する。そ
して、前回のパルス周期より算出された角周波数ωに基
づいて、そのパルス信号Pn(n=0,1〜5)を始点と
し、Iu*=Ip・sinθ及びθ=ωt+π/2の演算によりパ
ルス間の詳細な位相角を算出し、これとトルク指令によ
り正弦波の電流指令を得る。
また、上記の方法だけでは低速域(例えば定格運転時
の1/10程度)及び起動時や加減速運転時に位相角の演算
誤差が生じ、応答性が劣化するので、そのような場合の
ために、従来通りの方形波運転に切り換える手段を設け
る。パルス信号Pnを基準に実際のロータ位置と正弦波電
流指令の位相との差θeをθe=θn−{π/6+(n+
1)π/6}の演算により算出し、その値が許容範囲内で
あれば正弦波電流で運転し、差値が許容範囲を越えると
120°方形波の運転に切り換 える。更に切り換えの際には、電流指令Ip′を の演算で補正して、出力トルクを一定に保持する。
の1/10程度)及び起動時や加減速運転時に位相角の演算
誤差が生じ、応答性が劣化するので、そのような場合の
ために、従来通りの方形波運転に切り換える手段を設け
る。パルス信号Pnを基準に実際のロータ位置と正弦波電
流指令の位相との差θeをθe=θn−{π/6+(n+
1)π/6}の演算により算出し、その値が許容範囲内で
あれば正弦波電流で運転し、差値が許容範囲を越えると
120°方形波の運転に切り換 える。更に切り換えの際には、電流指令Ip′を の演算で補正して、出力トルクを一定に保持する。
G.実施例 以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明
する。
する。
第1図は、本発明の一実施例の構成図である。同図に
おいて、1はモータ、2はモータ制御装置であって、モ
ータ1は、モータ制御装置2からの3相のモータ電流I
u,Iv,Iwにより駆動されている。本発明では、従来の電
流位相指令発生手段に相当する位置にプロセッサ(以後
CPUと呼称する)3を配設し、その指令をD/A変換器4で
アナログの指令電流に変換するものとしている。以下、
図中、5は加算器、6はPIアンプ、7は三角波発振器、
8は比較器で、これらは従来例と同様に構成されてい
る。9はベース・ロジック、10は第5図に示した公知の
位置検出器である。
おいて、1はモータ、2はモータ制御装置であって、モ
ータ1は、モータ制御装置2からの3相のモータ電流I
u,Iv,Iwにより駆動されている。本発明では、従来の電
流位相指令発生手段に相当する位置にプロセッサ(以後
CPUと呼称する)3を配設し、その指令をD/A変換器4で
アナログの指令電流に変換するものとしている。以下、
図中、5は加算器、6はPIアンプ、7は三角波発振器、
8は比較器で、これらは従来例と同様に構成されてい
る。9はベース・ロジック、10は第5図に示した公知の
位置検出器である。
位置検出器10は、ロータ磁極の位置検出信号Pu,Pv,Pw
の立ち上がり及び立ち下がりのエッジにより、第6図に
示すようなπ/3毎のパルスPn(n=0,1〜5)を作成
し、CPU3へ送る。
の立ち上がり及び立ち下がりのエッジにより、第6図に
示すようなπ/3毎のパルスPn(n=0,1〜5)を作成
し、CPU3へ送る。
CPU3は電流演算手段3a及び位相演算手段3bで成り、位
相演算手段3bは、パルスPnの周期T0を計測することによ
り、T0期間の平均角周波数ωを ω=(π/3)・(1/T0) ……(1) の演算で算出する。初期位相角をπ/2とすると、θ=ω
t+π/2となる。
相演算手段3bは、パルスPnの周期T0を計測することによ
り、T0期間の平均角周波数ωを ω=(π/3)・(1/T0) ……(1) の演算で算出する。初期位相角をπ/2とすると、θ=ω
t+π/2となる。
ここで、T0区間で演算した角周波数ωがT1区間でも変
化しないとすると、u相の電流指令の位相角θはP1点
(t=0)を起点として、 θ=(π/3)・(t/T0)+π/2 =π/3・t/T0+π/2 ……(2) に基づいて演算される。次の区間T2では、前回の区間T1
で算出された角周波数ωを使用して、P2点を起点として
T1区間と同様に算出され、P0点をn=0,P1点をn=1…
P5点をn=5とすると、P0〜P5を始点とした電流指令の
位相角θは、下式で表される。
化しないとすると、u相の電流指令の位相角θはP1点
(t=0)を起点として、 θ=(π/3)・(t/T0)+π/2 =π/3・t/T0+π/2 ……(2) に基づいて演算される。次の区間T2では、前回の区間T1
で算出された角周波数ωを使用して、P2点を起点として
T1区間と同様に算出され、P0点をn=0,P1点をn=1…
P5点をn=5とすると、P0〜P5を始点とした電流指令の
位相角θは、下式で表される。
θ=(π/3)・(t/T(n-1))+(π/6+n・π/3) ……(3) 一方、電流演算手段3aは、トルク指令Ipを入力され、
位相角θにより各相の電流指令を下式の如く算出する。
位相角θにより各相の電流指令を下式の如く算出する。
Iu*=Ip・sinθ Iv*=Ip・sin(θ+2/3・π) ……(4) Iw*=Ip・sin(θ−2/3・π) 上記の演算は、いうまでもなくディジタル値で行われ
るので、その結果は前記D/A変換器4へ出力され、アナ
ログ電流に変換されて、加算器5でモータ電流Iu,Iwと
突き合わされることになる。
るので、その結果は前記D/A変換器4へ出力され、アナ
ログ電流に変換されて、加算器5でモータ電流Iu,Iwと
突き合わされることになる。
このように、本実施例では、まず位置検出器の信号か
らパルス信号を作ることによりπ/3間隔の位相角を得、
更に各パルス間(π/3区間)の位相角は前回のパルス周
期より得た角周波数から算出することで分解能の位相角
を得て、正弦波の電流指令を作成している。本方法で
は、前回サンプルした角周波数ωに基づいて位相角を計
算し、例えばT0区間で求めたωでT1区間の位相角を求め
ているため、T1区間でωが変化した場合は位相に誤差を
生じるが、次のT2区間の始点P2は位置検出器からの信号
であるので、T1区間で生じた誤差は自然にリセットされ
る。このため、π/3区間内では位相誤差を生じる可能性
があっても、それが累積されることはなく、かなり良質
な正弦波電流指令が得られる。また、比較的高い回転域
においては、Pnの周期が短いので、この間に大きな速度
変動は起きず、ほとんど位相誤差は生じない。
らパルス信号を作ることによりπ/3間隔の位相角を得、
更に各パルス間(π/3区間)の位相角は前回のパルス周
期より得た角周波数から算出することで分解能の位相角
を得て、正弦波の電流指令を作成している。本方法で
は、前回サンプルした角周波数ωに基づいて位相角を計
算し、例えばT0区間で求めたωでT1区間の位相角を求め
ているため、T1区間でωが変化した場合は位相に誤差を
生じるが、次のT2区間の始点P2は位置検出器からの信号
であるので、T1区間で生じた誤差は自然にリセットされ
る。このため、π/3区間内では位相誤差を生じる可能性
があっても、それが累積されることはなく、かなり良質
な正弦波電流指令が得られる。また、比較的高い回転域
においては、Pnの周期が短いので、この間に大きな速度
変動は起きず、ほとんど位相誤差は生じない。
本実施例によれば、従来120°方形波電流での制御に
使用していた第5図に示す如き検出器による正弦波での
電流制御が可能になり、レゾルバやアブソリュート・エ
ンコーダ等を使用する場合に比較して安価で簡単な構成
を採ることができ、しかもトルクリップルや高調波損失
を大幅に改善できる。
使用していた第5図に示す如き検出器による正弦波での
電流制御が可能になり、レゾルバやアブソリュート・エ
ンコーダ等を使用する場合に比較して安価で簡単な構成
を採ることができ、しかもトルクリップルや高調波損失
を大幅に改善できる。
なお、上記実施例は、パルス周期から角周波数ωを計
算しているため、Pnのパルス周期が長い時期、低速域
(例えば定格回転の1/10程度)や加減速運転時には、既
に述べたように、位相角の演算誤差を生じ、応答性の劣
化がある。また、静止時には、π/3毎の区間内の位相を
算出できない等の課題が残されている。
算しているため、Pnのパルス周期が長い時期、低速域
(例えば定格回転の1/10程度)や加減速運転時には、既
に述べたように、位相角の演算誤差を生じ、応答性の劣
化がある。また、静止時には、π/3毎の区間内の位相を
算出できない等の課題が残されている。
第2図は、そのような場合のために考えられた本発明
の別な一実施例の構成図である。本実施例は、停止及び
低速時は従来通りの120°方形波の運転を行い、予め設
定された回転数以上になると、第1図の実施例の正弦波
運転に切り換えるものである。また、モータを加減速す
る場合も、ωが連続的に変化するので、位相誤差が大き
くなり、加減速の応答性が悪化するが、これに対して
も、位相誤差がある程度大きくなった時点で120°方形
波に切り換え、速度が安定して位相誤差が小さくなった
時点で正弦波運転に戻すようにしている。
の別な一実施例の構成図である。本実施例は、停止及び
低速時は従来通りの120°方形波の運転を行い、予め設
定された回転数以上になると、第1図の実施例の正弦波
運転に切り換えるものである。また、モータを加減速す
る場合も、ωが連続的に変化するので、位相誤差が大き
くなり、加減速の応答性が悪化するが、これに対して
も、位相誤差がある程度大きくなった時点で120°方形
波に切り換え、速度が安定して位相誤差が小さくなった
時点で正弦波運転に戻すようにしている。
第2図において、第1図と異なるのはCPUの内部だけ
であるので、当該部分のみを示すことにする。図中、20
はCPU、21は実効値演算手段、22は方形波電流指令発生
手段、23は正弦波電流指令発生手段、24は制御切換手
段、25及び26は切換スイッチである。トルク指令Ipは、
実効値演算手段21を介して方形波電流指令発生手段22へ
入力されると共に、直接正弦波電流指令発生手段23へも
入力される。方形波電流指令発生手段22の指令と正弦波
電流指令発生手段23の指令とは、切換スイッチ25及び26
で切り換えられる。切換スイッチ25はU相の指令を切り
換え、切換スイッチ26はW相の指令を切り換え、それぞ
れD/A変換器へ出力する。
であるので、当該部分のみを示すことにする。図中、20
はCPU、21は実効値演算手段、22は方形波電流指令発生
手段、23は正弦波電流指令発生手段、24は制御切換手
段、25及び26は切換スイッチである。トルク指令Ipは、
実効値演算手段21を介して方形波電流指令発生手段22へ
入力されると共に、直接正弦波電流指令発生手段23へも
入力される。方形波電流指令発生手段22の指令と正弦波
電流指令発生手段23の指令とは、切換スイッチ25及び26
で切り換えられる。切換スイッチ25はU相の指令を切り
換え、切換スイッチ26はW相の指令を切り換え、それぞ
れD/A変換器へ出力する。
第3図は、上記CPU30のアルゴリズム及び処理の一例
を示すフローチャートである。同図において、フローの
第段は角周波数ωの演算で、周期T(n−1)からω
を算出するが、n−1=−1のときはn=5として演算
する。フローの第段では、算出されたωが正弦波運転
の下限角周波数ωminに達しているか否かを判断し、ωm
in以下の低速である場合はフロー第段右方へジャンプ
し、120°方形波運転を行う。第6図に示した波形図に
おいて、速度が連続的に増加しているとすると、パルス
周期TnはT0>T1>T2……となり、各区間の平均速度をω
n(n=0,1〜5)とすると、ω0<ω1<ω2とな
る。ここでT1区間の位相角を考えると、P1時点でT0区間
の平均速度ω0が求められ、この値を用いて(3)式に
よりT1区間の位相角θが算出される。パルスP2の点で
は、本来の位相角は150°(5/6・π)であるが、T1区間
の実際の速度はω1であるため、位相角θが小さく算出
されθ1<150°となる。逆に減速時について考えると
ω0>ω1となり、(3)式で得られた位相角はθ1>
150°となって、誤差が生じている。このため、パルスP
2点における位相角の許容誤差を例えば±5°と設定
し、|θ1‐150°|≦5°であるならばT2区間以後は
(3)式及び(4)式により正弦波の運転を行い、|θ
1‐150°|>5°であるならばT2区間以後は120°方形
波の運転を行う。各パルス点Pn(n=0,1〜5)毎に同
様の判断が行われ(フローの第段でn+1=6の場合
はn=0とする)、各パルス点で計算上の位相角をθn
とすると、誤差θeはフローの第段で、 θe=θn−{π/6+(n+1)π/3}………(5) と演算され、フローの第段では、各パルス毎に許容誤
差θlimの範囲内にあるかどうかの判断が行われて、フ
ローの左方に示す正弦波運転と右方に示す120°方形波
運転との分岐が、前記切換制御手段24から切換スイッチ
25及び26へ指示される。これにより、加減速時など回転
数が連続的に変化する場合でも、制御の円滑な切り換え
が可能になる。
を示すフローチャートである。同図において、フローの
第段は角周波数ωの演算で、周期T(n−1)からω
を算出するが、n−1=−1のときはn=5として演算
する。フローの第段では、算出されたωが正弦波運転
の下限角周波数ωminに達しているか否かを判断し、ωm
in以下の低速である場合はフロー第段右方へジャンプ
し、120°方形波運転を行う。第6図に示した波形図に
おいて、速度が連続的に増加しているとすると、パルス
周期TnはT0>T1>T2……となり、各区間の平均速度をω
n(n=0,1〜5)とすると、ω0<ω1<ω2とな
る。ここでT1区間の位相角を考えると、P1時点でT0区間
の平均速度ω0が求められ、この値を用いて(3)式に
よりT1区間の位相角θが算出される。パルスP2の点で
は、本来の位相角は150°(5/6・π)であるが、T1区間
の実際の速度はω1であるため、位相角θが小さく算出
されθ1<150°となる。逆に減速時について考えると
ω0>ω1となり、(3)式で得られた位相角はθ1>
150°となって、誤差が生じている。このため、パルスP
2点における位相角の許容誤差を例えば±5°と設定
し、|θ1‐150°|≦5°であるならばT2区間以後は
(3)式及び(4)式により正弦波の運転を行い、|θ
1‐150°|>5°であるならばT2区間以後は120°方形
波の運転を行う。各パルス点Pn(n=0,1〜5)毎に同
様の判断が行われ(フローの第段でn+1=6の場合
はn=0とする)、各パルス点で計算上の位相角をθn
とすると、誤差θeはフローの第段で、 θe=θn−{π/6+(n+1)π/3}………(5) と演算され、フローの第段では、各パルス毎に許容誤
差θlimの範囲内にあるかどうかの判断が行われて、フ
ローの左方に示す正弦波運転と右方に示す120°方形波
運転との分岐が、前記切換制御手段24から切換スイッチ
25及び26へ指示される。これにより、加減速時など回転
数が連続的に変化する場合でも、制御の円滑な切り換え
が可能になる。
尚、モータの発生トルクはモータ電流の基本波実効値
にほぼ比例するが、電流のピーク値をIpとすると、正弦
波時の基本波実効値Isinは、 で、120°方形波時の基本波実効値ISQは、 となり、同一のIpに対して方形波が10%程度大きく、当
然トルクも大きくなる。制御上トルク指令としては、正
弦波電流を考えて電流のピーク値Ipを指令しているの
で、120°方形波時には、フローの第段右方に示す如
く、前記実効値演算手段21で、 の補正を行う。
にほぼ比例するが、電流のピーク値をIpとすると、正弦
波時の基本波実効値Isinは、 で、120°方形波時の基本波実効値ISQは、 となり、同一のIpに対して方形波が10%程度大きく、当
然トルクも大きくなる。制御上トルク指令としては、正
弦波電流を考えて電流のピーク値Ipを指令しているの
で、120°方形波時には、フローの第段右方に示す如
く、前記実効値演算手段21で、 の補正を行う。
このように、本実施例によれば、従来120°方形波電
流での制御に使用していた第5図に示す如き検出器で正
弦波電流による制御を可能とし、安価で簡単な構成でト
ルクリップルや高調波損失を大幅に改善し、しかも起動
時や低速時又は静止トルク出力時、急激な速度変化時等
には120°方形波電流による制御に切り換えて位相誤差
に起因する応答性の低下や不安定さを解決している。
流での制御に使用していた第5図に示す如き検出器で正
弦波電流による制御を可能とし、安価で簡単な構成でト
ルクリップルや高調波損失を大幅に改善し、しかも起動
時や低速時又は静止トルク出力時、急激な速度変化時等
には120°方形波電流による制御に切り換えて位相誤差
に起因する応答性の低下や不安定さを解決している。
H.発明の効果 以上、説明したとおり、本発明によれば、安価かつ簡
単な構成で正弦波電流による制御を可能とし、更に運転
状態によっては従来通りの120°方形波電流制御に切り
換えることも可能で、トルクリップルや高調波損失を大
幅に改善した直流ブラシレスモータの制御方法を提供す
ることができる。
単な構成で正弦波電流による制御を可能とし、更に運転
状態によっては従来通りの120°方形波電流制御に切り
換えることも可能で、トルクリップルや高調波損失を大
幅に改善した直流ブラシレスモータの制御方法を提供す
ることができる。
第1図は本発明の一実施例の構成図、第2図は本発明の
別な一実施例の構成図、第3図は実施例処理のフローチ
ャート、第4図はモータ制御回路の構成図、第5図は位
置検出器の構造図、第6図はモータ制御回路の波形図で
ある。 1,41……モータ、42……モータ制御装置、3,20……CP
U、4……D/A変換器、5,45……加算器、6,46……PIアン
プ、7,48……三角波発振器、8,49……比較器、9……ベ
ース・ロジック、10,50……位置検出器、43……電流位
相指令発生手段、44……乗算器、47……反転アンプ。
別な一実施例の構成図、第3図は実施例処理のフローチ
ャート、第4図はモータ制御回路の構成図、第5図は位
置検出器の構造図、第6図はモータ制御回路の波形図で
ある。 1,41……モータ、42……モータ制御装置、3,20……CP
U、4……D/A変換器、5,45……加算器、6,46……PIアン
プ、7,48……三角波発振器、8,49……比較器、9……ベ
ース・ロジック、10,50……位置検出器、43……電流位
相指令発生手段、44……乗算器、47……反転アンプ。
Claims (4)
- 【請求項1】モータ制御装置によって駆動されるモータ
に120°の位置検出信号を発生する位置検出器を取り付
け、このモータ位置検出器の検出信号より120方形波電
流指令信号を得、この信号と設定されたトルク指令信号
とを乗算し、この乗算値と検出したモータ電流との偏差
信号をもとにモータ制御装置を介して電流制御される直
流ブラシレスモータの制御方法において、 前記位置検出器によって検出した位置検出信号からπ/3
毎のパルスPn(n=0.1〜5)を得、そのパルスPnの周
期T0から角周波数ωを、 ω=(π/3)・(1/T0) にて算出し、前回のパルス周期より算出された角周波数
に基づき、今回のパルス信号を始点とし、パルス間の位
相角θを、 θ=(π/3)・(t/T0)+π/2 にて演算し、この位相角とトルク指令Ipにより各相の正
弦波電流指令を次式により算出し、この電流指令を基に
前記モータ制御装置により電流制御することを特徴とす
る直流ブラシレスモータの制御方法。 Iu*=Ip・sinθ Iv*=Ip・sin(θ+2/3・π) Iw*=Ip・sin(θ−2/3・π) - 【請求項2】角周波数ωをω=(π/3)・(1/T0)の式
で算出し、算出された角周波数があらかじめ設定した許
容範囲内であれば正弦電流指令で制御し、許容範囲を越
えた場合は、位置検出器の検出信号に基づく方形波電流
指令による制御に切り換えることを特徴とする請求項
(1)に記載の直流ブラシレスモータの制御方法。 - 【請求項3】各パルス点における計算上の位相をθnと
し、誤差位相θeを次式で算出し、 θe=θn−{π/6+(n+1)π/3} この誤差位相があらかじめ設定した許容誤差範囲内であ
れば正弦波電流指令で制御し、許容範囲を越えた場合
は、位相検出器の検出信号に基づく方形波電流指令によ
る制御に切り換えることを特徴とする請求項1記載の直
流ブラシレスモータの制御方法。 - 【請求項4】正弦波電流指令制御から方形波電流指令に
よる制御に切り換える際に電流指令Ip′を (但し、Ipは電流のピーク値)で補正することにより出
力トルクを一定に保持することを特徴とする請求項2又
は3記載の直流ブラシレスモータの制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1335680A JP2897301B2 (ja) | 1989-12-25 | 1989-12-25 | 直流ブラシレスモータの制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1335680A JP2897301B2 (ja) | 1989-12-25 | 1989-12-25 | 直流ブラシレスモータの制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03198687A JPH03198687A (ja) | 1991-08-29 |
JP2897301B2 true JP2897301B2 (ja) | 1999-05-31 |
Family
ID=18291304
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1335680A Expired - Fee Related JP2897301B2 (ja) | 1989-12-25 | 1989-12-25 | 直流ブラシレスモータの制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2897301B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5168978B2 (ja) * | 2007-03-29 | 2013-03-27 | パナソニック株式会社 | モータ駆動装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2658085B2 (ja) * | 1987-11-10 | 1997-09-30 | ソニー株式会社 | 無刷子直流モータ |
-
1989
- 1989-12-25 JP JP1335680A patent/JP2897301B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03198687A (ja) | 1991-08-29 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |