JP2890836B2 - 電気湯沸し器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は加熱，保温された収容液体を外部容器に注ぐ
ことのできる湯こぼれを防ぐ安全装置付きの電気湯沸し
器に関する。

従来の技術 従来のポットや電気湯沸し器などがもっている給湯装
置は第４図に示すように、容器101内の収容液体108は蓋
体102にあるポンプ103の押圧操作により、パイプ104よ
り容器外に出て導出経路105を通ってその先端105aに連
結した吐出口106より器体外へでていた。

この時導出手段はエアー式の外に液体ポンプ式のもの
でも同じ構成である。導出経路の先端部105aと、それに
連結する吐出口の間は空気がとりいれられる一定の隙間
107が設けられていた。

発明が解決しようとする課題 しかし、このような従来の構成においては、下記のよ
うな問題点があった。

導出経路105の先端部105aと、そのさきの吐出口106の
間は空気がとりいれられる一定の隙間が設けられている
が、これは導出経路105がそのまま器体の外部まで延長
された場合、導出経路105の先端までカップなどの器を
もってきて湯を注いでいき、湯中に先端がはいるとサイ
ホン現象により自然に湯が流出してしまって危険なた
め、これを防止するためである。

ところが、湯の流出量を大きくした場合や、吐出口の
先端部がなんらかの要因で塞がれた時には、設けられて
いる隙間から湯が溢れ出て、操作部を備えた表示板部の
裏側に流れ込んで、電気部品などに悪影響をあたえる恐
れがあった。

本発明はこのような課題を解決するもので、低コスト
で性能がよく、湯の流出の恐れのない安全性に優れた電
気湯沸し器を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段 この課題を解決するために、本発明は液体を収容する
容器と、前記容器内の液体を器体外に導出する導出手段
と、導出経路を備え、前記導出経路が器体外に臨む先端
部近傍を二つの通路に区切り、一方が液体の導出経路を
構成し、他の通路が空気取り入れ通路を構成するととも
に、前記導出経路と前記空気取り入れ通路は器体内部で
連通しているとともに、前記導出通路の口径が前記空気
取り入れ通路の口径よりも大きい電気湯沸し器としたも
のである。

作用 本発明によれば液体の導出経路の途中に空気取り入れ
口が設けられているために先端部に別部品としての吐出
口を設けなくとも、導出経路の先端がカップに漬ったと
きに生じるサイホン現象を防止できる。

この空気取り入れ口は器体外に向けて開口しているの
で、従来のように器体内に空気取り入れ口がない。その
ため、湯を多量に出した場合や、吐出口の先端部がなん
らかの要因で塞がれた時には、設けられている空気取り
入り口から湯が溢れて、操作部を有する表示板部に湯が
流れ込んで電気部品などに悪影響をあたえることもな
い。

実施例 以下に本発明の一実施例を第１図〜第３図を参照しな
がら説明する。

第１図に示すように略円筒形状の液収納用の容器１の
筒体で下端には、発熱体部２を装着した伝熱板３の外縁
部を液密に溶接などの手段で固着している。

容器１の底面にはパイプ状の防水金具４が設けられプ
ッシング５を介して、導出手段である電動ポンプで形成
された導出ポンプ18を通って導水経路の一つである水管
パイプ６につながっている。

水管パイプ６の先には、転倒流出防止弁７を内部にも
つ水管プッシング８を設けており、ケース９を通って、
導出経路の先端部10（以下先端部と略す）に至る。先端
部10は第２図に示すように、二つの通路にわかれてい
る。一つは容器内の液体の器体外への通路である導出経
路の一部を形成しており、他の通路は器体外にある空気
取り入れ口11を持つ空気取り入れ通路12になっている。
第２図では取り入れ口11の先端と、導出経路の先端が段
差になっているが同一面にしてもよい。

導出経路はポリプロピレンなどの樹脂型で、耐熱水性
に優れており熱湯に犯されることはない。導出経路の先
端部はカバー13にセットして固定されている。

今、導出手段（ここでは電動ポンプ）を運転して、容
器内の液体を導出させる時には、液体は水管パイプ６、
水管プッシング８、ケース９を通って導出経路の先端部
10に至る。このとき、空気取り入れ通路より空気がはい
りサイホン現象を防止すると共に、吐出湯が溢れて電気
回路や電気部品などの絶縁を低下させる影響を防いでい
る。

15は容器１を空間を介して包むボデーである。ボデー
15の一部には水位表示窓（図示せず）があり、器体外よ
り容器１内の液位を目視で知ることができる。

16はボデー上に載置する注口で、下部のはかま17とと
もにボデーを挟持している。

20は注口上に載置する蓋体でヒンジ部21で軸支されて
いる。蓋20の内部には蒸気通路22がある。容器内で発生
した蒸気はこの蒸気通路22を通って蓋20にある蒸気口23
より器体外にでる。今、なんらかの操作により主発熱体
25に通電し容器内の水が沸騰するとセンサー24が感知し
て、しばらくして通電をOFFする。このとき発生した蒸
気の露結により蒸気通路22内にのこった露は通路を逆流
して容器内に帰る。またしばらくすると通電を開始して
沸騰状態に達する。第３図に示すように、このような状
態を数回繰返した後、主発熱体への通電を止めて湯沸し
を完了する。なお、第３図の横軸は任意単位の時間軸で
ある。その後は補助発熱体26によって保温され熱湯状態
を維持する。このような動作は制御部27で行なわれる。

31はロックつまみで、回動操作（矢印）によってバネ
で付勢されているロック爪32を摺動させて、蓋体20の開
閉を行う。閉時にはロック爪32は注口の爪係合部33にセ
ットされる。一旦セットされるとバネで注口側に付勢さ
れているためにロックつまみを操作しなければ容易には
うごかない。爪係合部33には接触センサー34が設けられ
ており、蓋体が正しく閉じられてロック爪32が接触セン
サー34に当たると制御部27に信号が送られ始めて発熱体
への通電が可能となる。もし正しくセットされていなけ
ればセンサーは感知せず通電しない。

発明の効果 以上の実施例の説明からも明らかなように、本発明に
よれば、導出経路が器体外を臨む先端部近傍に、導出経
路の他に、器体外に開口部を持つ空気取り入れ通路を形
成して二つの通路で構成している。このため、導出経路
の先端までカップを持ってきて湯を注いで、導出経路の
先端が湯中に漬ってもサイホン現象により湯が流出する
ことはない。

また、サイホン現象を防ぐための空気取り入れ通路の
開口部も器体外に設けられており、万一、湯が溢れても
器体内にこぼれて電気回路や電気部品を濡らし、絶縁不
良や、故障の原因になることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の電気湯沸し器の断面図、第
２図は同要部断面図、第３図は同通電状態と湯温の関係
を示す図、第４図は従来のエアー式電気湯沸し器の断面
図である。 １……容器、６……導出経路、10……先端部、11……空
気取り入れ通路、18……導出ポンプ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液体を収容する容器と、前記容器内の液体
   を器体外に導出する導出手段と、導出経路を備え、前記
   導出経路が器体外に臨む先端部近傍を二つの通路に区切
   り、一方が液体の導出経路を構成し、他の通路が空気取
   り入れ通路を構成するとともに、前記導出経路と前記空
   気取り入れ通路は器体内部で連通しているとともに、前
   記導出経路の口径が前記空気取り入れ通路の口径よりも
   大きい電気湯沸し器。