JP2880147B2 - インクジェットプリンタの噴射装置および噴射方法 - Google Patents

インクジェットプリンタの噴射装置および噴射方法

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JP2880147B2
JP2880147B2 JP9214213A JP21421397A JP2880147B2 JP 2880147 B2 JP2880147 B2 JP 2880147B2 JP 9214213 A JP9214213 A JP 9214213A JP 21421397 A JP21421397 A JP 21421397A JP 2880147 B2 JP2880147 B2 JP 2880147B2
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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    • B41J2/01Ink jet
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,インクジェットプ
リンタの噴射装置および噴射方法に係り,特に相異なる
層に形成された個別電極とノズルプレートとの間に低電
圧を印加して導電性インク内で電気分解作用により気体
を発生させ,その際に発生するれる蒸気圧を利用してイ
ンクを開口部から噴射させ,所望の印字を形成する装置
および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】まず,一般のインクジェットプリンタの
構成および動作原理を図8に基づき説明する。
【0003】図示のように,CPU10は,プリンタイ
ンタフェースを介してコンピュータ(図示せず)から所
定の印刷信号が入力され,印刷動作に必要な初期設定値
およびシステム動作に必要なデータ値を格納するEPR
OM11内のシステムプログラムを読み出して,解釈,
実行し,そのプログラム内容に応じて,印刷動作に必要
な制御信号を出力する。ROM12には,制御に必要な
プログラムおよび多数のフォントが格納されており,R
AM13には,システム動作時のデ−タが一時的に格納
される。ASIC回路部20には,CPU10の制御に
必要な殆どのロジック回路が具体化され,CPU10と
周辺機能部との間のデ−タ伝送を実行している。ヘッド
ドライバ30は,ASIC回路20から伝送されるCP
U10の制御信号に応じて,インクカートリッジ31の
駆動を制御し,メインモータドライバ40は,メインモ
ータ41を駆動して,インクカートリッジ31のノズル
部分が空気に露出することを防止するように機能し,キ
ャリッジモータ駆動回路50は,キャリジリターン駆動
モータ51の動作を制御し,さらにラインフィード駆動
回路60は,ステッピングモータを主として用いて,給
紙および排紙を行うようにラインフィードモータ61の
駆動を制御している。
【0004】コンピュータからプリンタインタフェース
を通してプリンタに入力された印刷信号は,CPU10
の制御信号に応じて各モータドライバ40,50,60
などを駆動して印字を行う。この際,インクカートリッ
ジ31は多数個の開口部を有するノズルから微細なイン
ク滴を噴射させドットを形成させる方式が用いられてい
る。
【0005】次に,インク滴を形成するインクカートリ
ッジ31の構成についてさらに詳しく説明する。
【0006】図9は,インクカートリッジの構造を示し
た断面図であって,容器の外面をなすケ−ス1内には,
スポンジに吸入されているインク2が貯蔵され,そのそ
の下方部にインク噴射部3が形成されている。
【0007】図10は,図9に示したインク噴射部の拡
大断面図である。図示のように,インク噴射部には,イ
ンク内に混入した不純物を除去するためのフィルタ32
と,フィルタ32により濾過されたインクを貯蔵するイ
ンクスタンバイチャンバ33と,そのインクスタンバイ
チャンバ33内のインクをインク加熱ヒータ部およびイ
ンクチャンバが形成されたチップ35に供給するインク
バイア34と,インクバイア34から伝達された加熱ヒ
ータ部(図示せず)のインクをメディアに噴射させるた
めの多数個の開口部が設けられたノズルプレート36よ
り構成されている。
【0008】図11には,図10に示したインク噴射部
のE−E軸を断面としてA側から見た平断面図が示され
ている。図中,インクバイア34から複数のインクチャ
ネル37を介して,多数個の開口部を有するノズルプレ
ート36とチップ35との間に形成されるインクチャン
バ37にインクが供給される。インクチャンバ37に
は,電気的接続手段38を介して電気的エネルギーが供
給されており,制御信号に応じて適宜インク滴を噴射す
る。
【0009】図12は,図11に示すインク噴射部のF
−F軸を断面としてB側から見た拡大断面図である。図
示のように,シリコン(Si)基板101上には,酸化
膜処理により酸化膜(SiO2)102が形成され,そ
の酸化膜の上部に電気的エネルギーが供給されて発熱す
るレジスタ層103が形成され,レジスタ層103の上
部には第1および第2電極104a,104bが形成さ
れている。さらに,第1および第2電極104a,10
4bとレジスタ層103を覆うように,多層構造の保護
層106が形成されて,第1および第2電極104a,
104bとレジスタ層103がインクと直接接触して,
化学変化により腐食や変形が生じないように保護してい
る。そして,保護層106の上部にインクチャンバ10
7が形成され,その内部のインクは,ヒータ部105か
らの伝熱によりバブルを生じる。また,このインクチャ
ンバ107にはインクバイア34(図11)からインク
を供給するインクチャネル108が連通しており,この
インクチャネル108の流路は,保護層106の上に形
成されるインクバリヤ109により規定される。そし
て,インクチャンバ107の上部には多数の開口部11
0を有するノズルプレート111が形成されており,こ
の開口部110から,インクチャンバ107で発生する
バブルによる体積変化に応じて押し出されたインクが噴
射される。
【0010】なお,ノズルプレート111と加熱ヒータ
105は相互に干渉しないように一定距離を開けて配置
されている。また,一対の電極104a,104bは,
外部から電気的エネルギーを供給可能なように端子バン
パ(図示せず)と接続されている。この端子バンパに
は,ヘッド制御部から適宜信号が送られ,所望の位置の
ノズル開口部からインクを噴射させることができる。
【0011】次に,上記のような構成を有する従来のイ
ンク噴射装置の噴射方法を,図13を参照しながら説明
する。まず,不図示のコンピュータからプリンタインタ
フェースを介して印刷指令を受けると,CPU10は対
応する制御指令をヘッドドライバ30に送り,印字を形
成したい位置にある一対の電極104a,104bに電
気的エネルギーを供給する。その結果,ヒータ部105
が電気的な抵抗熱,すなわちP=I2Rにより一定時間
のジュール熱相当分発熱する。このようにして,例え
ば,このヒータ部105の表面は,略500℃〜550
℃まで加熱され,その熱が上部にある複数の保護層10
6に伝達される。
【0012】すると,熱はさらに保護層106と相互湿
着しているインクに伝達されるが,その際に,ヒータ部
105における蒸気圧および蒸気圧バブルの分布Cは,
図13に示すように,ヒータ部105の中心を対称軸と
して中心部が最高に現れる。このように,かかる伝熱に
よりインクが加熱されて,蒸気圧バブルが形成され,こ
の蒸気圧バブルによりヒータ部105の上部のインクに
体積変化が生ずる。そして,この体積変化によりノズル
プレート111の開口部110からインクが外部に押し
出される。
【0013】この時点で,二つの電極104a,104
bへの電気的エネルギーの供給を遮断すると,瞬間的に
ヒータ部105が冷却され,膨張した蒸気圧バブルが収
縮し,それに応じてインクが再び正常形態に復元しよう
とする。ところが,膨張してノズルプレートの開口部か
ら外部に押し出されたインクは,表面張力などの作用に
よりインク滴を形成し,紙などの印刷媒体に向けって噴
射され,所望の像を形成する。その結果,噴射されたイ
ンクに相当する体積分だけ内部圧力が降下し,新しいイ
ンクがインク貯蔵筒からインクバイアを介して再充填さ
れる。
【0014】ここで,上記のような従来のインク噴射装
置を用いた噴射方法には,以下のような問題点があっ
た。
【0015】第1に,インクを噴射させるために高熱を
用いてバブルを形成するので,インク成分に熱的変化が
生じ,また,バブルによる衝撃波で素子の内部寿命が短
縮し,印刷の質が劣化することがあった。これは高品質
の印刷を求めるユーザの不満の原因ともなっていた。
【0016】第2に,インクとレジスタ層103および
一対の電極104a,104bが保護層106を中間媒
体として接合されているので,電気的に相互反応し,ヒ
ータ部105と二つの電極104,104’の境界層で
イオンの相互移動による腐食が発生し,ヘッドの寿命が
縮まることがあった。
【0017】第3に,インクを含有しているインクバリ
ヤ内でバブルを発生させるので,そのバブルの衝撃によ
りインク再充填のためのサイクルタイムが長くなるとい
う問題もあった。
【0018】第4に,インク滴の形状,直進性,円形
性,滴量の均一性などが,不確定に形成されるバブルの
形状に依存しているので,バブルの出来次第に応じて,
プリント品質に影響を与えることがあった。
【0019】図14は,従来の他の実施形態にかかる噴
射装置の拡大断面図である。図示のように,基板201
上にそれぞれ極性の異なる電極204a,204bが設
けられ,その上に絶縁層212が形成されており,二つ
の電極204a,204bには電気的連結手段215が
接続されている。
【0020】上記噴射装置には,各層を貫通するように
ノズル219が設けられている。このノズル219の上
端部,すなわち紙などの印刷媒体と面する部分はオリフ
ィス形状に形成され,このオリフィスを通してノズル内
のインク表面の凹凸面に応じたメニスカス形状のインク
を噴射する。
【0021】ノズル内に設けられた二つの電極104
a,104b間に,例えば,1kV〜3kV程度の高電
圧をパルス時間約40μs〜60μs程度で印加する
と,二つの電極間に発生するジュール熱,すなわちP=
2Rにより,インクが加熱されバブルが発生し,その
蒸気圧で開口部からインクが噴射される。この際,使わ
れるインクは導電性インクである。
【0022】図15は,図14の構成にかかる噴射装置
の動作を示す説明図である。図示のように,二つの電極
104a,104bに高電圧を印加すると,二つの電極
104a,104bのエッジ部分で気泡が形成され,メ
ニスカス形状のインクを印刷媒体側に押し出し,噴射さ
せることになる。
【0023】しかしかかる方法を使用する噴射装置で
は,高電圧が必要であり,また電圧を印加するパルス時
間も長いため,高速印刷には不適であるという問題点が
ある。また,二つの電極のエッジ間で,P=I2Rのジ
ュール熱によりバブルを発生するので,電極のエッジ部
分で激しく腐食が発生するという問題点があった。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の装置が
有する上記問題点に鑑みて成されたものであり,その目
的は,インクを加熱するためのヒータ部を省略可能であ
り,また内部電極を保護するための複数の保護層も省略
可能であり,インクチャンバ内のインクを電気分解する
ことにより,電極表面において電荷が奪われたインク中
のイオン成分をガス化することにより,インクチャンバ
内に蒸気圧変化を生じさせ,その蒸気圧変化を利用し
て,インクをノズルプレート上の開口部から外部に噴射
させることが可能な,新規かつ改良されたインクジェッ
トプリンタの噴射装置および噴射方法を提供することで
ある。
【0025】本発明の別の目的は,インクを加熱しない
ので耐熱性インクを使用する必要が無く,また加熱レジ
スタ層が不要であり,したがって構造を簡略化可能な,
新規かつ改良されたインクジェットプリンタの噴射装置
および噴射方法を提供することである。
【0026】本発明のさらに別の目的は,低電圧,低電
流で駆動することが容易な,新規かつ改良されたインク
ジェットプリンタの噴射装置および噴射方法を提供する
ことである。
【0027】本発明のさらに別の目的は,短いパルスオ
ン時間で駆動することが可能であり,したがって高周波
数駆動が可能な高速プリンタを容易に実現することが可
能な,新規かつ改良されたインクジェットプリンタの噴
射装置および噴射方法を提供することである。
【0028】本発明のさらに別の目的は,インク噴射装
置内のインクチャンバ内に生じる電気分解の動作を安定
化させることにより,印刷の品質を向上させることが可
能な,新規かつ改良されたインクジェットプリンタの噴
射装置および噴射方法を提供することである。
【0029】本発明のさらに別の目的は,インクチャン
バ内のインクと接触する共通電極は導電材料のNiある
いはPt合金で構成し,印刷媒体に面する他側は絶縁材
料から構成することにより,導電性インクにより発生す
るエネルギーを集中させ,電気的エネルギーが漏洩を効
果的に防止するとともに,電極の腐食を効果的に防止す
ることが可能な,新規かつ改良されたインクジェットプ
リンタの噴射装置および噴射方法を提供することであ
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,本発明の第1の観点にかかるインクジェットプリン
タの噴射装置は,請求項1に記載のように,導電性材料
から成る個別電極層と,前記個別電極層の上部に形成さ
れる絶縁性材料から成るバリヤ層と,前記バリヤ層によ
り前記個別電極層と電気的に分離されるとともに前記個
別電極層と対応する位置に複数のインク噴射用開口を備
える共通電極層と,前記共通電極層を覆う絶縁層と,そ
れぞれが前記一の個別電極層と前記バリヤ層と前記共通
電極層によりその容積が規定されインクチャンバを介し
て共通インクバイアから適宜インクの供給を受けるとと
もに前記一の開口に連通する複数のインクチャンバと,
印刷制御信号に応じて前記個別電極層と前記共通電極層
に対して反対極性の電源を印加して,前記個別電極層と
前記共通電極層との間のインクチャンバ内のインクを電
気分解して気泡を生じさせる電源供給装置とを備えたこ
とを特徴としている。
【0031】また上記課題を解決するために,本発明の
第2の観点にかかるインクジェットプリンタの噴射装置
は,請求項11に記載のように,導電性材料から成る個
別電極層と,前記個別電極層の上部に形成される絶縁性
材料から成る第1バリヤ層と,前記第1バリヤ層により
前記個別電極層と電気的に分離された共通電極層と,前
記共通電極層の上部に形成される絶縁性材料から成る第
2バリヤ層と,前記第2バリヤ層を覆うとともに複数の
インク噴射用開口が形成された絶縁層と,それぞれが前
記一の個別電極層と前記第1バリヤ層と前記共通電極層
と前記第2バリヤ層と前記絶縁層とによりその容積が規
定されインクチャンバを介して共通インクバイアから適
宜インクの供給を受けるとともに前記一の開口に連通す
る複数のインクチャンバと,印刷制御信号に応じて前記
個別電極層と前記共通電極層に対して反対極性の電源を
印加して前記個別電極層と前記共通電極層との間のイン
クチャンバ内のインクを電気分解して気泡を生じさせる
電源供給装置とを備えたことを特徴としている。
【0032】かかる構成によれば,印刷制御信号の印加
に応じて前記個別電極層と前記共通電極層に反対極性の
電源を印加することにより,電極インクチャンバ内のイ
ンクを電気分解して,いずれかの電極表面において電荷
が奪われたイオン成分のガス化を生じさせ,その結果生
じた気泡による蒸気圧変化に応じて,インクチャンバ内
のインクを開口から噴射させることができる。その際
に,本発明によれば,従来装置のようなヒータ層や保護
層が不要となるので装置構成が簡略化される。また,低
電圧,低電流での駆動が可能であり,また高周波駆動も
可能なので,省電力の高速プリンタを提供することがで
きる。
【0033】なお,請求項12に記載のように,前記第
1電極層と前記第2電極層との間隔を5μm〜10μm
程度にすれば,非常にコンパクトな構成で最大限の効果
を得ることが可能である。
【0034】また,使用されるインクは,請求項22に
記載のように,導電性インクであることが好ましく,一
定範囲の抵抗値,例えば請求項23に記載のように,5
0Ω以下の抵抗成分を有することが好ましい。かかる構
成によれば,電源印加時に効果的に電気分解作用を生じ
させることができる。
【0035】さらに,インクは,請求項24に記載のよ
うに,NaClを含有していることが好ましく,かかる
構成によれば,インクの導電性を活性化して,電気分解
を促進することができる。
【0036】さらに,請求項2または13に記載のよう
に,前記個別電極層および前記共通電極層,あるいは前
記第1電極層および前記第2電極層は,NiとPtの合
金で構成すれば,各電極の腐食を効果的に抑えることが
できる。
【0037】さらに,請求項3または14に記載のよう
に,前記個別電極層または第1電極層には正電源を供給
し,前記共通電極層または第2電極層には負電源を供給
するように構成すれば,個別電極層または第1電極層の
表面において,陰イオンである酸素の電荷を奪いガス化
させて,インクの噴射力に寄与するインクチャンバ内の
蒸気圧変化を容易に形成することができる。また気泡が
下方の個別電極層側で形成されるので,より効果的にイ
ンクに対して推進力を付加することができる。
【0038】さらに,請求項4または15に記載のよう
に,前記個別電極層および前記共通電極層,または前記
第1電極層および前記第2電極層には,10〜15Vの
直流電圧が印加されるように構成すれば,低電圧で駆動
可能な省エネルギー型のインクジェットプリンタの噴射
装置が提供できる。
【0039】あるいは,請求項5または16に記載のよ
うに,前記個別電極層および前記共通電極層,または前
記第1電極層および前記第2電極層には,0.1A以下
の電流が印加されるように構成すれば,低電流で駆動可
能な省エネルギー型のインクジェットプリンタの噴射装
置を提供することができる。
【0040】また,請求項6または17に記載のよう
に,前記個別電極層および前記共通電極層,または前記
第1電極層および前記第2電極層に印加される電源のパ
ルスオン時間が,2μs〜4μsとなるように構成すれ
ば,高周波駆動が可能な高速プリンタ装置を提供でき
る。
【0041】さらにまた,請求項7または18に記載の
ように,共通電極層または第2電極層を複数の開口の外
郭部を囲繞するように構成し,あるいは請求項8または
19に記載のように,複数の開口の外郭部を囲繞する環
状島と各環状島を接続する配線とから構成すれば,イン
クチャンバ内の電流密度を安定させ,インクの電気分解
作用を安定させることができる。
【0042】さらに,前記共通電極層と前記バリヤ層と
は,請求項9に記載のように,接着剤により接着しても
良いし,あるいは請求項10に記載のように,熱融着方
法により封止しても良い。
【0043】同様に,前記第2電極層と前記第1および
/または第2バリヤ層とは,請求項20に記載のよう
に,接着剤により接着しても良いし,あるいは請求項2
1に記載のように,熱融着方法により封止しても良い。
【0044】さらに上記課題を解決するために,本発明
の別の観点によれば,請求項25に記載のように,イン
ク噴射開口を有するインクチャンバ内収容されたインク
に対して,絶縁層を挟んで配された第1および第2電極
層を介して反対極性の電源を印加することにより,前記
インクを電気分解し,いずれか一方の電極表面において
電荷が奪われたイオン成分をガス化し,その結果得られ
た気泡によるインクチャンバ内の蒸気圧変化により,前
記開口からインクを噴射する如く構成されたことを特徴
とする,インクジェットプリンタのインク噴射方法が提
供される。
【0045】また,前記第1および第2電極層に印加さ
れる電源は,請求項26に記載のように,2μs〜4μ
sのパルスオン時間を有するパルス電源とすれば,高周
波駆動が可能な高速印刷を実現できる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照しながら,
本発明にかかるインクジェットプリンタのインク噴射装
置および方法の好適な実施形態について詳細に説明す
る。
【0047】(第1の実施形態)図1は,本発明の第1
の実施形態にかかるインクジェットプリンタの噴射装置
の拡大断面図である。図示のように,基板(Si)1上
に酸化処理された表面薄膜(SiO2)2が形成され,
その上に導電性の個別電極層4が形成されている。さら
に個別電極層1の上部には絶縁材料から成るバリヤ層9
が形成されている。なおバリヤ層9は,インクの供給経
路を成す不図示のインクチャネルを規定するとともに,
噴射されるインクに対して噴射力と直進性を付与する機
能をも有するものである。そして,バリヤ層9により個
別電極層4と電気的に分離されるとともに個別電極層4
と対応する位置に複数のインク噴射用開口10を備える
共通電極層12が形成されており,その共通電極層12
を覆うように絶縁層13が形成されている。
【0048】そして,インク噴射装置内には,一つの個
別電極層4により底面が規定され,バリヤ層9により側
面が規定され,さらに共通電極層12により上面が規定
されるような複数のインクチャンバ7が形成されてい
る。このインクチャンバ7には,不図示のインクチャネ
ルを介して不図示の共通インクバイアから適宜インクを
供給することが可能である。そして,各インクチャンバ
7に対して,共通電極層12に形成された一つの開口1
0が対応するように配置構成されている。
【0049】さらに,インク噴射装置は,CPUなどの
不図示の制御装置から送られる印刷制御信号に応じて,
個別電極層4と共通電極層12に対して反対極性の電源
を印加して,個別電極層4と共通電極層12との間のイ
ンクチャンバ7内のインクを電気分解して気泡を生じさ
せる電源供給装置14が設けられている。電源供給装置
14は,適当なスイッチング素子15,例えばトランジ
スタなどから構成することができる。
【0050】また,共通電極層12と絶縁層13とはノ
ズルプレート11を構成するものであり,各個別電極4
とノズルプレート11の共通電極層12とは,NiとP
tの合金で構成され,導電性インクとのイオン作用によ
る腐食を防止することが可能である。
【0051】またインクチャンバ7内に供給されるイン
クは,導電性インクであることが好ましく,その抵抗は
0Ω〜50Ωまでの範囲が可能であり,本実施の形態で
は,特に0Ω〜10Ωの範囲の抵抗成分を有するインク
を使用することが好ましい。
【0052】ノズルプレート11内に形成される共通電
極層12は,本実施形態においては,5μm〜200μ
mの範囲が許容されるが,特に,5μm〜10μmの範
囲の厚さのものを使用することが好ましい。
【0053】次に図2を参照しながら,本発明の第1の
実施形態にかかるインクジェットプリンタの噴射装置の
動作について説明する。
【0054】まず,印刷動作に関わる一般的な動作につ
いては,従来のインクジェットプリンタと同様であり,
以下の説明では,特に本発明に関わりのあるインクジェ
ットプリンタ噴射装置の動作についてのみ説明すること
にする。
【0055】導電性のインクは,図11に示すように,
インクスタンバイチャンバ33からインクバイア34を
経て,浸透圧により,各インクチャンバ7上部のノズル
プレート111に形成される開口部10表面にまでメニ
スカス形状を成して流入される。
【0056】印刷時には,CPUなどの制御装置がメモ
リ内から所定の印刷データを読み出して,所定の印字位
置にまで印刷ヘッドを駆動し,さらに,必要な電気信号
を該当する個別電極層4および共通電極層に12対して
電源供給装置14を介して供給する。
【0057】なお,図示の例では,該当する個別電極4
には正(+)電源が供され,同時に共通電源層12には
逆極性の負(−)電源が供給される。また本実施形態の
場合,個別電極4および導電層12との間に供される電
圧は,直流電圧(DC)10V〜15Vであり,その
際,各電極に印加されるパルスオン時間は約2μs〜4
μsであり,これは約15kHzの高周波数の信号に応
じて動作可能であることを意味する。
【0058】上記のように,個別電極層4と共通電極層
12に電源を供給することにより,その間のインクチャ
ンバ内に存在する導電性インクに沿って電流が流れる。
なお,導電性インクはNaClを含有しており,これは
個別電極層4および共通電極層112に流れる電流によ
り,効果的に電気分解がなされるようにするためであ
る。
【0059】以上のように,インクチャンバ内の導電性
インクに通電することにより,導電性インク内のイオン
成分を各電極に引き寄せ,すなわち,陽イオン(+)成
分は負(−)極性の共通電極層12の表面に,陰イオン
(−)成分は正(+)極性を有する個別電極層4に移動
する。なお,インクは基本溶液が水溶性を有するので,
導電性活性溶液である少量のNaClなどのような触媒
を使用することにより,正(+)極性の個別電極14の
表面において,陰イオン(−)成分である酸素イオンの
電荷が奪われ,ガス化され,酸素の気泡が発生する。
【0060】その際,個別電極4の表面において発生す
る酸素の気泡は,印加される電圧のパルスオン時間が長
ければ長いほど増加する。また,二つの電極,すなわち
個別電極層4および共通電極層12に印加される電圧の
強さと,インクの導電性により個別電極層4の表面に発
生する酸素の気泡量を調整することが可能である。
【0061】次いで,個別電極4の表面に発生した酸素
の蒸気圧が瞬間的に増えて,インクチャンバ7内のイン
クをオリフィスである開口部10から外部に噴射させ紙
などの印刷媒体に所望の像を形成する。
【0062】そして,十分に長い時間にわたりパルス電
圧を印加したり,十分に高い電圧を印加すれば,導電性
インクは,従来装置のように,ジュール熱(P=I
2R)により発生されるエネルギーに応じて発熱を生じ
る。かかる作用により,個別電極層4の表面に発生する
気泡の蒸気圧を増加させることが可能であるが,かかる
ジュール熱による蒸気圧の周期は長過ぎたり高電圧が求
められるので,印刷を5kHz以上の高周波数動作で行
うために不向きである。従って,本発明は,15V以下
の電圧,および3μs内外のパルスオン時間を採用する
ことに実用的な価値を有し,その結果,15kHz程度
の高周波数で動作可能な高速プリンタを実現することが
できる。
【0063】また,個別電極層4の表面上の陰イオン
(−)の酸素気泡は,その蒸気圧が変形し,あるいは結
合することにより,全体的に大きくな気泡を生じ,イン
クを開口部から噴射する。この際,正(+)極性の個別
電極層4で発生する酸素気泡は,従来プリンタにおい
て,エッジ部分で発生した気泡とは異なり,インクチャ
ンバ7の下方に位置する個別電極層4の表面で発生する
ので,インクに対して均一な噴射方向性を付与するとと
もに,均一な電流密度分布を示す。従って,従来プリン
タにおいて電極のエッジ部分において特徴的に現れてい
た腐食現象を効果的に防止することができる。
【0064】言い換えれば,個別電極層4の表面におい
て,一旦,酸素気泡が発生すれば,周辺の気泡と連結
し,あるいは変形を生じ,部分的に大きい形態の気泡が
生成されて,蒸気圧を急激に増加させる。従って,ある
一定時間にわたり印加されたエネルギーにより,個別電
極層4の表面上で気泡を連鎖的な発生させることができ
る。そして,このように生成された気泡により,インク
チャンバ7内に大きい蒸気圧変化,すなわち体積変形が
発生し,インクチャンバ7のインクがノズルプレート1
1の開口部10から外部に押し出る。
【0065】このようにして,開口部10の外へ押し出
されたインクは,インク滴を形成しつつ,ノズル部で粘
性を次第に増加していき,個別電極層4および共通電極
層12に対する電源供給を遮断して,インクチャンバ7
における気泡を消滅させることにより,インクチャンバ
7内に急激な圧力降下を生じさせれば,ノズル部で噴射
直前状態で待機していたインク滴は,インクチャンバ7
内のインクと分離して,紙などの印刷媒体方向に向かっ
て噴射される。
【0066】そして,インクチャンバ7内の圧力降下に
より,新たなインクがインクスタンバイチャンバ(図示
せず)からインクバイアおよびインクチャネルを経てイ
ンクチャンバに供給される。
【0067】そして,かかる動作を反復することによ
り,インク噴射と再充填を行いながら所望の印字を行う
ことが可能である。
【0068】以上説明したように,本実施の形態によれ
ば,インクチャンバ7内のインクと湿着した個別電極層
4とノズルプレート11の共通電極層12との間に印加
された電気的エネルギーが,中間媒体である導電性イン
クを通して流れる際に,電気分解作用が発生し,その結
果,正(+)極性を有する個別電極層4の表面に陰イオ
ン(−)の酸素気泡が発生し,その蒸気圧によりインク
を開口部10から噴射することができる。
【0069】また,ノズルプレート11の共通電極層1
2は,インクチャンバ7内のインクと湿着した部分のみ
通電する導体層より形成されるので,単位面積当たりの
電流密度を集中させることが可能となり,高周波駆動を
容易に行える。
【0070】同時に,ノズルプレート11の絶縁層13
は,高温多湿および低抵抗の印刷媒体が移送される際
や,不規則な移動により発生する電気的漏れを効果的に
防止して,その効率を向上させるように機能する。
【0071】(第2の実施形態)次に,図3を参照しな
がら,本発明の第2の実施形態にかかるインクジェット
プリンタの噴射装置について説明する。この第2の実施
形態にかかるインクジェットプリンタの基本的構成は,
第1の実施形態にかかるインクジェットプリンタの基本
的構成と同一であり,実質的に同一の機能構成を有する
部材については,同一の符号を付することにより重複説
明は省略することにする。
【0072】この第2の実施形態にかかる構成が,第1
の実施形態にかかる構成と異なる点は,多数の開口部2
0を有するノズルプレート21層内に形成された共通電
極層22が環状に形成された点である。かかる導電層2
2は,図5に示すように,開口部20の周りを囲繞して
おり,チャンバ7内で発生される電流密度の流れがノズ
ルプレート21を介して分散することを有効に防止し
て,インクチャンバ7内の電気分解作用をさらに安定化
することにより,印字の品質を向上させることができ
る。
【0073】なお,この第2の実施形態にかかる噴射装
置の基本的な動作を図4に示すが,かかる動作について
も,第1の実施形態にかかる噴射装置の基本的動作と実
質的に同一なので,詳細説明は省略することにする。
【0074】(第3の実施形態)次に図6を参照しなが
ら,本発明の第3の実施形態にかかるインクジェットプ
リンタの噴射装置の構成および動作について説明するこ
とにする。
【0075】図示のように,基板(Si)31上に酸化
処理された表面薄膜(SiO2)32が形成され,その
上に導電性の第1電極層34aが形成されている。さら
に,第1電極層34aの上部に形成される絶縁性材料か
ら成る第1バリヤ層39が形成され,その第1バリヤ層
39の上部に第1電極層34aと電気的に分離される第
2電極層34bが形成され,さらに,その第2電極層3
4bの上部に絶縁性材料から成る第2バリヤ層43が形
成される。そして,第2バリヤ層43の上部に,その第
2バリヤ層43を覆うとともに複数のインク噴射用開口
40が形成された絶縁層41が形成されている。
【0076】そして,インク噴射装置内には,第1電極
層34aにより底面が規定され,第1および第2バリヤ
層39,43および第2電極34bにより側面が規定さ
れ,さらに絶縁層41により上面が規定されるような複
数のインクチャンバ37が形成されている。このインク
チャンバ37には,不図示のインクチャネルを介して不
図示の共通インクバイアから適宜インクを供給すること
が可能である。そして,各インクチャンバ37に対し
て,ノズルプレート41を成す絶縁層41に形成された
一つの開口10が対応するように配置構成されている。
【0077】さらに,インク噴射装置は,CPUなどの
不図示の制御装置から送られる印刷制御信号に応じて,
第1電極層34aと第2電極層34bに対して反対極性
の電源を印加して,第1電極層34aと第2電極層34
bとの間のインクチャンバ37内のインクを電気分解し
て気泡を生じさせる電源供給装置44が設けられてい
る。電源供給装置44は,適当なスイッチング素子,例
えばトランジスタなどから構成することができる。
【0078】なお図7には,本発明の第3の実施形態に
かかるインクジェットプリンタ噴射装置の動作について
示されているが,当業者であれば,先に説明した動作を
参照すれば容易にその動作についても類推することが可
能なので,その詳細説明は省略することにする。
【0079】以上添付図面を参照しながら,本発明にか
かるインクジェットプリンタの噴射装置および噴射方法
の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる
例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に
記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例ま
たは修正例に想到し得ることは明らかであり,それらに
ついても当然に本発明の技術的範囲に属することは言う
までもない。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
印刷媒体にインクを噴射させるための噴射装置の構造に
おいて,電極と抵抗で形成されたヒータ部でインクを加
熱し,ノズル内に形成された二つの電極のエッジ間で発
生するバブルによりインクを噴射させる構造の従来の装
置とは異なり,絶縁層を介して電気的に分離される第1
および第2電極間に反対極性の電源を供給することによ
り,その電極間のインクチャンバ内の導電性インクに電
気分解作用を誘導して一方の電極表面上に気泡を発生さ
せて蒸気圧変化を生じさせて,インクを開口部から噴射
させる構成を採用している。
【0081】したがって,従来のヘッドの構造において
必須であった,内部の電極を保護するための保護層が不
要となり,またヒータ構造を採用しないので,発生した
熱により電極表面が損傷するようなこともなく,高品質
の印字を長期間にわたり維持することができる。
【0082】また,従来の装置とは異なり,バブルが直
接に電極表面で発生し消え去る構成を採用しているの
で,その衝撃波による電極表面が破壊され,装置寿命が
短縮するような問題がなく,また内部の構造が簡単なの
で,製造工程を簡略化し,製作コストを節減できる。
【0083】さらにまた,本発明によれば,従来装置の
ように,インクが直接に加熱部により加熱される構成で
はなく,電気分解により電極表面上における気泡発生に
よる噴射方式なので,耐熱性を有するインクを使用する
必要がない。
【0084】さらにまた,本発明によれば,導電性イン
クを用いて高電圧を長時間印加してジュール熱を発生さ
せる方式ではなく,低電圧の短時間のパルスオン時間で
所望の効果を得ることができるので,高周波数駆動に適
合した高速プリンタに適用可能である。
【0085】さらにまた,電極のエッジ部分における気
泡発生ではなく,電極表面における電気分解作用なの
で,電流密度の分散均一化を図ることが可能であり,電
極表面の腐食発生が極めて低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるインクジェッ
トプリンタの噴射装置の略拡大断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかるインクジェッ
トプリンタの噴射装置の動作を示す説明図である。
【図3】本発明の第2の実施形態にかかるインクジェッ
トプリンタの噴射装置の略拡大断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態にかかるインクジェッ
トプリンタの噴射装置の動作を示す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態にかかるインクジェッ
トプリンタの噴射装置の共通電極部分の構成を示す略平
面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態にかかるインクジェッ
トプリンタの噴射装置の略拡大断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態にかかるインクジェッ
トプリンタの噴射装置の動作を示す説明図である。
【図8】従来のインクジェットプリンタの構成を示す概
略的なブロック図である。
【図9】インクカートリッジの概略的な断面図である。
【図10】従来のインクカートリッジのヘッド部の拡大
断面図である。
【図11】図10に示すヘッド部をE−E軸を基準とし
て断裁し,A側から見た略拡大断面図である。
【図12】図11に示すヘッド部をF−F軸を基準とし
て断裁し,B側から見た略拡大断面図である。
【図13】従来のインクジェットプリンタの噴射装置の
動作を示す説明図である。
【図14】従来のさらに別のインクジェットプリンタの
噴射装置の略拡大断面図である。
【図15】図14に示すインクジェットプリンタの噴射
装置の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 酸化膜 4 個別電極層 7 インクチャンバ 9 バリヤ層 10 開口 11 ノズルプレート 12 共通電極層 13 絶縁層 14 電源供給装置 15 スイッチング素子

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性材料から成る個別電極層と;前記
    個別電極層の上部に形成される絶縁性材料から成るバリ
    ヤ層と;前記バリヤ層により前記個別電極層と電気的に
    分離されるとともに前記個別電極層と対応する位置に複
    数のインク噴射用開口を備える共通電極層と;前記共通
    電極層を覆う絶縁層と;それぞれが,前記一の個別電極
    層と前記バリヤ層と前記共通電極層により,その容積が
    規定されインクチャンバを介して共通インクバイアから
    適宜インクの供給を受けるとともに前記一の開口に連通
    する複数のインクチャンバと;印刷制御信号に応じて前
    記個別電極層と前記共通電極層に対して反対極性の電源
    を印加して,前記個別電極層と前記共通電極層との間の
    インクチャンバ内のインクを電気分解して気泡を生じさ
    せる電源供給装置と;を備えたことを特徴とする,イン
    クジェットプリンタの噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記個別電極層および前記共通電極層
    は,NiとPtの合金で構成されることを特徴とする,
    請求項1に記載のインクジェットプリンタの噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記個別電極層には正電源が供給され,
    前記共通電極層には負電源が供給されることを特徴とす
    る,請求項1または2に記載のインクジェットプリンタ
    の噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記個別電極層および前記共通電極層に
    は,10〜15Vの直流電圧が印加されることを特徴と
    する,請求項1,2または3のいずれかに記載のインク
    ジェットプリンタの噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記個別電極層および前記共通電極層に
    は,0.1A以下の電流が印加されることを特徴とす
    る,請求項1,2,3または4のいずれかに記載のイン
    クジェットプリンタの噴射装置。
  6. 【請求項6】 前記個別電極層および前記共通電極層に
    印加される電源のパルスオン時間は,2μs〜4μsで
    あることを特徴とする,請求項1,2,3,4または5
    のいずれかに記載のインクジェットプリンタの噴射装
    置。
  7. 【請求項7】 前記共通電極層は,前記複数の開口の外
    郭部を囲繞するものであることを特徴とする,請求項
    1,2,3,4,5または6のいずれかに記載のインク
    ジェットプリンタの噴射装置。
  8. 【請求項8】 前記共通電極層は,前記複数の開口の外
    郭部を囲繞する環状島と各環状島を接続する配線とから
    構成されることを特徴とする,請求項7に記載のインク
    ジェットプリンタの噴射装置。
  9. 【請求項9】 前記共通電極層と前記バリヤ層とは,接
    着剤により接着されることを特徴とする,請求項1,
    2,3,4,5,6,7または8のいずれかに記載のイ
    ンクジェットプリンタの噴射装置。
  10. 【請求項10】 前記共通電極層と前記バリヤ層とは,
    熱融着方法により封止されていることを特徴とする,請
    求項1,2,3,4,5,6,7または8のいずれかに
    記載のインクジェットプリンタの噴射装置。
  11. 【請求項11】 導電性材料から成る第1電極層と;前
    記第1電極層の上部に形成される絶縁性材料から成る第
    1バリヤ層と;前記第1バリヤ層により前記第1電極層
    と電気的に分離された第2電極層と;前記第2電極層の
    上部に形成される絶縁性材料から成る第2バリヤ層と;
    前記第2バリヤ層を覆うとともに複数のインク噴射用開
    口が形成された絶縁層と;それぞれが,前記第1電極層
    と前記第1バリヤ層と前記第2電極層と前記第2バリヤ
    層と前記絶縁層とにより,その容積が規定されインクチ
    ャンバを介して共通インクバイアから適宜インクの供給
    を受けるとともに前記一の開口に連通する複数のインク
    チャンバと;印刷制御信号に応じて前記第1電極層と前
    記第2電極層に対して反対極性の電源を印加して,前記
    第1電極層と前記第2電極層との間のインクチャンバ内
    のインクを電気分解して気泡を生じさせる電源供給装置
    と;を備えたことを特徴とする,インクジェットプリン
    タの噴射装置。
  12. 【請求項12】 前記第1電極層と前記第2電極層との
    間隔は,5μm〜10μmであることを特徴とする,請
    求項11に記載のインクジェットプリンタの噴射装置。
  13. 【請求項13】 前記第1電極層および前記第2電極層
    は,NiとPtの合金で構成されることを特徴とする,
    請求項11または12に記載のインクジェットプリンタ
    の噴射装置。
  14. 【請求項14】 前記第1電極層には正電源が供給さ
    れ,前記第2電極層には負電源が供給されることを特徴
    とする,請求項11,12または13のいずれかに記載
    のインクジェットプリンタの噴射装置。
  15. 【請求項15】 前記第1電極層および前記第2電極層
    には,10〜15Vの直流電圧が印加されることを特徴
    とする,請求項11,12,13または14のいずれか
    に記載のインクジェットプリンタの噴射装置。
  16. 【請求項16】 前記第1電極層および前記第2電極層
    には,0.1A以下の電流が印加されることを特徴とす
    る,請求項11,12,13,14または15のいずれ
    かに記載のインクジェットプリンタの噴射装置。
  17. 【請求項17】 前記第1電極層および前記第2電極層
    に印加される電源のパルスオン時間は,2μs〜4μs
    であることを特徴とする,請求項11,12,13,1
    4,15または16のいずれかに記載のインクジェット
    プリンタの噴射装置。
  18. 【請求項18】 前記第2電極層は,前記複数の開口の
    外郭部を囲繞するものであることを特徴とする,請求項
    11,12,13,14,15,16または17のいず
    れかに記載のインクジェットプリンタの噴射装置。
  19. 【請求項19】 前記第2電極層は,前記複数の開口の
    外郭部を囲繞する環状島と各環状島を接続する配線とか
    ら構成されることを特徴とする,請求項18に記載のイ
    ンクジェットプリンタの噴射装置。
  20. 【請求項20】 前記第2極層と前記第1および/また
    は第2バリヤ層とは,接着剤により接着されることを特
    徴とする,請求項11,12,13,14,15,1
    6,17,18または19のいずれかに記載のインクジ
    ェットプリンタ噴射装置。
  21. 【請求項21】 前記第2電極と前記第1および/また
    は第2バリヤ層とは,熱融着方法により封止されている
    ことを特徴とする,請求項11,12,13,14,1
    5,16,17,18または19のいずれかに記載のイ
    ンクジェットプリンタ噴射装置。
  22. 【請求項22】 前記インクは導電性インクであり,一
    定範囲の抵抗値を有することを特徴とする,請求項1,
    2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,
    13,14,15,16,17,18,19,20また
    は21のいずれかに記載のインクジェットプリンタの噴
    射装置。
  23. 【請求項23】 前記インクの抵抗値は50Ω以下の抵
    抗成分を有することを特徴とする,請求項22に記載の
    インクジェットプリンタの噴射装置。
  24. 【請求項24】 前記インクは,NaClを含有してい
    ることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,6,
    7,8,9,10,11,12,13,14,15,1
    6,17,18,19,20,21,22または23の
    いずれかに記載のインクジェットプリンタの噴射装置。
  25. 【請求項25】 インク噴射開口を有するインクチャン
    バ内収容されたインクに対して,絶縁層を挟んで配され
    た第1および第2電極層を介して反対極性の電源を印加
    することにより,前記インクを電気分解し,いずれか一
    方の電極表面において電荷が奪われたイオン成分をガス
    化し,その結果得られた気泡によるインクチャンバ内の
    蒸気圧変化により,前記開口からインクを噴射する如く
    構成されたことを特徴とする,インクジェットプリンタ
    のインク噴射方法。
  26. 【請求項26】 前記第1および第2電極層に印加され
    る電源は,2μs〜4μsのパルスオン時間を有するパ
    ルス電源であることを特徴とする,請求項25に記載の
    インクジェットプリンタのインク噴射方法。
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