JP2879039B1 - コンクリートパネル複層壁の構築方法およびコンクリートパネル複層壁 - Google Patents

コンクリートパネル複層壁の構築方法およびコンクリートパネル複層壁

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JP2879039B1
JP2879039B1 JP10033747A JP3374798A JP2879039B1 JP 2879039 B1 JP2879039 B1 JP 2879039B1 JP 10033747 A JP10033747 A JP 10033747A JP 3374798 A JP3374798 A JP 3374798A JP 2879039 B1 JP2879039 B1 JP 2879039B1
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Abstract

【要約】 【課題】 外壁や間仕切り壁に適すると共に建具や窓な
どの納まりを良くし、特に簡単な作業で精度良く設ける
ことができ、防音、防湿、断熱効果や露付き防止効果、
配線・配管に優れた技術の提供。 【解決手段】 予め内部に補強用の鉄筋を組み込み四隅
に角落し面を有する矩形平板状に工場生産され一定間隔
の中空層3を間に設けて複層立設されたコンクリートパ
ネル1,1と、接合面21が前記コンクリートパネル1
の角落し面にそれぞれ嵌着固定されると共に底部23同
士が固定されることにより、前記コンクリートパネル1
同士を前記一定間隔の中空層3を保持した状態で固定し
た接合具2,2と、を備えた構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレキャストコン
クリートパネルを使用した複層壁の構築方法およびその
複層壁に関し、防音・断熱効果があって外壁や間仕切り
壁に適すると共に建具や窓などの納まりなども良くし、
特に簡単な作業で精度良く設けることができる複層壁の
構築方法およびその複層壁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物を構築する場合、現場に設
けた型枠にコンクリートを打設することで外壁や間仕切
り壁を構築したり、工場生産されたパネル状の構造材を
使用して外壁や間仕切り壁を構築している。このうち、
プレファブ住宅などのように乾式工法にて建築物を構築
する場合、その構造材のうち、乾式壁材としては大別し
て「外壁」用と「間仕切り壁」用とに分類される。この
場合、前記外壁を構築する乾式外壁材としては、主に軽
量気泡コンクリート版などの単一材、もしくは四方枠に
サイディングなどの面材を表面に、断熱材をその裏面に
包含して形成されたような複合パネルなどが一般的であ
る。また、間仕切り壁は、近年は大壁構造がほとんどで
あって、このような大壁構造の間仕切り壁では、上記外
壁材と同様に単一材の両表面に胴縁など内装下地材を格
子状に組む場合と、その単一材の代わりに、間柱、胴縁
を格子状に組む木造骨組み、もしくは軽量鉄骨造間柱
(LGSスタッド)としてその片面もしくは両面にそれ
ぞれ石膏ボードやベニヤなどの面材をボンド、くぎ、ビ
スを用いて現場で張り付けて構築する方法とがある。
【0003】また、前記「外壁」と「間仕切り壁」とに
それぞれ要求される機能と性能は以下の通りである。 (外壁) 耐風圧、耐震性、防水、防火、防犯性能。 防音、防湿、断熱性能。 (間仕切り壁)区画された各室ごとに特に要求される性
能はそれぞれ異なるが、主に以下のものがある。 防音、防湿、断熱、防かび、耐衝撃、耐振動性能。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の外壁や間仕切り壁の構築方法では、以下に述
べるような問題がある。 1.前記現場に設けた型枠にコンクリートを打設して外
壁や間仕切り壁を構築する方法においては、防音・断熱
や内壁面への露付き防止、あるいは引き戸など建具の立
て付けが有利なように、間に一定間隔の中空層を有する
ような複層壁を構築することは、型枠施工が大変複雑と
なるから採用が困難である。 2.次に、工場生産されたパネル状の構造材を現場加工
して壁体を構築する方法においては、壁体に要求される
各機能に対する性能は、現場での施工精度、施工の善し
悪しで決まることが多く、現場施工では避けられない
「ばらつき」が発生し易い。 3.更に、前記施工について、現場での作業比率が高
く、生産効率が低い。また、そのためコスト低減、工期
の短縮などの障害となっている。 4.構造上重要な壁体と躯体との接着方法、壁体同士の
「納まり」、「接合方法」なども設計毎にまちまちで非
能率である。 5.これらの構成材は現場毎に搬入され、前記のように
その現場で切断、加工、組み立てなどの施工一切が行な
われるため、切りくずなどの端材が大量に発生し、後利
用不能な産業廃棄物となっている。 6.将来、解体後の構成材再利用は困難であり、その多
くが産業廃棄物となり不経済である。
【0005】また、この場合、特に外壁については、次
のような欠点があった。 外壁材の材種、デザイン、大きさ、厚みなどの規
格、種類が多く性能もそれぞれまちまちである。 複合パネルは面剛性が低いため、躯体との取付け個
所が多くなり、それに伴って胴縁部材などの部品点数が
多くなるから不経済である。 単一壁材は一般的に外断熱効果や壁体内の通気効果
が得られない。また、「躯体と外壁」、「窓枠、ドアー
枠などと外壁」の取り付けが煩雑で一定でないため、作
業効率が低い。
【0006】また、間仕切り壁については、次のような
欠点があった。 室内間仕切り壁面内の電気配線、給排水管は前記骨
組みの横、縦桟を穴明け、または切り欠きをして布設し
たために壁面剛性の低下が発生する。 「間仕切り壁と建具、出入り枠」の取付け方法が煩
雑で確立していない。 工事は大工などの専門の職種に依存度が高く、施工
の合理化が図れない。
【0007】本発明は、上記した従来の問題点を解決す
るためになされたものであって、その目的とするところ
は、外壁や間仕切り壁に適すると共に建具や窓などの納
まりを良くし、特に簡単な作業で精度良く設けることが
でき、かつ防音、防湿、断熱効果や露付き防止効果、配
線・配管に優れたコンクリートパネル複層壁の構築方法
およびその複層壁を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
本発明請求項1記載のコンクリートパネル複層壁の構築
方法にあっては、予め四隅に角落し面を有する矩形平板
状に工場生産されたコンクリートパネル、および前記角
落し面に嵌着固定されると共に他部材に固定可能に形成
された接合具を使用して複層壁を構築していく方法であ
って、前記角落し面に接合具を嵌着固定したコンクリー
トパネル同士を一定間隔の中空層を間に設けて複層立設
し、該一定間隔の中空層を保持した状態で前記接合具を
他部材に固定することにより、複層壁を構築することと
した。
【0009】請求項2記載のコンクリートパネル複層壁
にあっては、予め内部に補強用の鉄筋を組み込み四隅に
角落し面を有する矩形平板状に工場生産され一定間隔の
中空層を間に設けて複層立設されたコンクリートパネル
と、一面側が前記コンクリートパネルの角落し面にそれ
ぞれ嵌着固定されると共に他面側がそれぞれ他部材に固
定されることにより、前記コンクリートパネル同士を前
記一定間隔の中空層を保持した状態で固定した接合具
と、を備えた構成とした。
【0010】請求項3記載のコンクリートパネル複層壁
にあっては、請求項2記載のコンクリートパネル複層壁
において、前記コンクリートパネルの角落し面は、該コ
ンクリートパネル同士を碁盤目状に配置したとき各辺の
交点部に円筒状または角筒状の貫通穴を形成するように
設けられ、かつ、前記接合具は、少なくとも前記一枚の
コンクリートパネルの一つの角落し面に対応する接合面
および他部材への取付け面を有し、かつ前記接合面と取
付け面にボルト挿通口が開設されている構成とした。
【0011】請求項4記載のコンクリートパネル複層壁
にあっては、請求項2または請求項3記載のコンクリー
トパネル複層壁において、前記複層のコンクリートパネ
ル同士に開口部が設けられ、かつ該開口部に近い前記中
空層内に引き込み建具が摺動自在に設けられている構成
とした。
【0012】請求項5記載のコンクリートパネル複層壁
にあっては、請求項2ないし請求項4のいずれかの項に
記載のコンクリートパネル複層壁において、前記コンク
リートパネル同士は間の中空層を必要な厚さに設定した
状態で接合具により固定されている構成とした。
【0013】請求項6記載のコンクリートパネル複層壁
にあっては、請求項2ないし請求項5のいずれかの項に
記載のコンクリートパネルにおいて、前記中空層に断熱
材が挿入されている構成とした。
【0014】
【作用】請求項1および請求項2記載のコンクリートパ
ネル複層壁の構築方法および複層壁では、予め、例え
ば、正方形状に工場生産されたコンクリートパネルを碁
盤目状に合わせて行くと、経線と緯線との交点部分に、
四組の角落し面による貫通穴が形成される。接合具はこ
の貫通穴内に挿入状態となって各角落し面を固定する。
前記接合具は、コンクリートパネルの連接状態によって
角落し面の組み数が様々に形成されることから、前記四
組の角落し面に対応した接合面を有するものの他、角落
し面の組み数に対応した接合面を有するものが使用され
る。
【0015】従って、前記角落し面に接合具を嵌着固定
した同一形状のコンクリートパネル同士を一定間隔の中
空層を間に設けて複層(二枚)立設し、該一定間隔の中
空層を保持した状態で前記接合具を他部材に固定するだ
けで、間に中空層を有する複層壁を簡単で正確に構築す
ることができる。この場合、中空層にブレースを配置し
て補強したり、あるいはコンクリートパネル自身に強固
な補強用鉄筋を設けると、耐力壁としての性能が得られ
る。また、間に中空層を有することで、防音、防湿、断
熱効果や露付き防止効果、配線・配管に優れた外壁や間
仕切り壁がえられると共に、その中空層を利用すること
で建具や窓などの納まりを良くし、特に簡単な作業で精
度良く設けることができる。
【0016】請求項3記載のコンクリートパネル複層壁
では、コンクリートパネルの角落し面を1/4円周の湾
曲面とすると四組の角落し面による貫通穴は円筒状とな
り、前記角落し面を平面とすると四組の角落し面は角筒
状となる。従って、接合具の接合面を四組筒状に連接す
ることで、一点に集合した四組の角落し面を固定し、半
円周状、1/4円周状または二等辺三角形状に形成する
ことで二組あるいは一組の角落し面を固定し、更に取付
け面同士、あるいは取付け面を建築物側部材に固定する
ことにより、二層のコンクリートパネルによる壁を簡単
に構築していくことができる。
【0017】請求項4記載のコンクリートパネル複層壁
では、建具(引き込み、引き分け共)がコンクリートパ
ネル同士の間の中空層内に納められているから、開口部
周囲でも建具に邪魔されることなく家具などの据え付け
を行なうことができる。雨戸なども同様に納めることが
できる。
【0018】請求項5記載のコンクリートパネル複層壁
では、中空層の厚幅を設計上の機能、性能、納まりに最
適な条件で設定し、その条件に基づいてコンクリートパ
ネルを固定する。従って壁体の総厚を可変とすることで
達成される。
【0019】請求項6記載のコンクリートパネル複層壁
では、中空層内部に設けた断熱材によって防音、防湿、
耐熱性能などを、より効果的に上げることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明第1の実施の
形態のコンクリートパネル複層壁の一部を示す断面図、
図2は同上のコンクリートパネル複層壁の一部を示す正
面図、図3(イ)は同上のコンクリートパネルを示す正
面図で(ロ)は同右側面図、図4は接合具を示す断面図
である。
【0021】図において、1はコンクリートパネルであ
り、このコンクリートパネル1は住宅における壁体を形
成するものであり、予め工場にて精度の良い型枠によっ
て、また十分な工程管理をされながら製造されたもので
ある。このコンクリートパネル1は正方形(本実施の形
態では一辺が1000mm,厚さ60mm)に形成さ
れ、その四隅に、1/4円周を有する凹状の角落し面1
1が設けられている。前記角落し面11は、四隅を結ぶ
直線上に円弧の中心点があって正面12に対し垂直とな
るように形成されおり、このコンクリートパネル1を四
枚、その隅部同士が一点に集合するように配置させたと
きその集合点を中心とする所定大きさの貫通穴11aを
創成する。
【0022】このコンクリートパネル1は、正面12側
にのみ前記角落し面11と同心円状となる座ぐり部13
が設けられている。また、前記四隅を結ぶ直線が通過す
る位置に雌ねじ部14を開口するインサート15が設け
られている。尚、図中17は前記対向するインサート1
5同士を連結する鉄筋、18は引っ張り側に設けたメッ
シュ状の配筋である。また、19は後述する接合具2を
角落し面11に固定するボルトであって、前記雌ねじ部
14に螺合して角落し面11から突出状態となるもので
ある。
【0023】また、図中2は接合具であり、この接合具
2は、鋼板により、前記角落し面11の半径と略同一半
径を有して円形のカップ状に形成され、その円周壁を接
合面21とすると共に、この接合面21の円周を四等分
する位置に、それぞれ円周壁21の開口縁側を開口する
ようにボルト挿通口22が設けられている。このボルト
挿通口22は、その終端部(底部)にボルト19の軸部
が当接するようにして接合具2を前記角落し面11に締
め付け固定したとき、接合面の一端側がコンクリートパ
ネル1の座ぐり部13の底面と一致し、他端側がコンク
リートパネル1の背面16側に所定の寸法(例えば10
m/m)突出するように設けられている。20がその突
出部である。また、前記接合具2の底部23の中心位置
には、この接合具2を他部材にボルト固定するためのボ
ルト挿通穴24が開設されている。25はその固定用ボ
ルトである。尚、図中26は前記座ぐり部13の半径と
略同一半径を有する蓋である。
【0024】本実施の形態の複層壁では、前記接合具2
のボルト挿通穴24を介し、他部材として突出部20を
突き合わせ状態にして逆配置した他の接合具2をボルト
25で固定することにより、コンクリートパネル1同士
を複層にして固定し合うように形成したものである。こ
の時、コンクリートパネル1同士の間には、前記突出部
20同士の存在により、中空層3が形成されている。
尚、この中空層3内にグラスウールなどの断熱材を挿入
しても良い。また、前記中空層3の厚幅を拡大するに
は、前記接合具2と略同一半径と拡大に必要な厚さ(例
えば建具挿入幅)を有するスぺーサを接合具2同士の間
に挿入した状態で固定すれば良い。
【0025】以上説明してきたように、本実施の形態の
複層壁では、コンクリートパネル1の四隅に設けた角落
し面11に接合具2をボルト固定して同一のコンクリー
トパネルを連接していくだけで、壁体を簡単に、精度良
く構築することができる。また、同一の接合具2同士を
逆配置して固定し合った状態にして同一のコンクリート
パネル1同士を固定していくだけで、間に中空層3を有
する複層壁を簡単に、精度良く構築することができる。
前記中空層3を有する複層壁は、防音、防湿、断熱効果
や露付き防止効果に優れ、また、配線・配管の施工場所
として使用することができる。この複層壁は中空層3の
厚幅の変更を自在に行なうことができるから、設計の自
由度が拡大される。この複層壁はボルト固定によって構
築しているから、将来、解体する場合はボルトを外して
いくだけでコンクリートパネル1や接合具2などを破損
することなく分解できる。このため、そのコンクリート
パネル1や接合具2などの再使用が可能となり、産業廃
棄物を出さず、また資源の節約を図ることができる。
【0026】次に、第2の実施の形態を説明する。尚、
第1の実施の形態で説明した構成と実質同一の構成部分
には同一の符号を付して、その説明は省略する。図5は
本第2の実施の形態の複層壁を示す断面図、図6は同上
の複層壁の床面固定方法を示す断面図、図7は同上のコ
ンクリートパネル二枚接合用の接合具を示す斜視図であ
る。本実施の形態ではコンクリートパネル1を二方向に
連接する接合具4を使用して構築された複層壁に特徴が
ある。前記接合具4は、実施の形態1で説明した接合具
2の略半円状を有しており、半円周の接合面30と、そ
の接合面30内の二方向に向けたボルト挿通口22と、
半円形状の底部31およびその底部31に開設されたボ
ルト挿通穴と、接合面30の両端同士をつなぐベース部
32とを設けて形成されている。
【0027】図5において、33は横胴縁、34はその
横胴縁33上に固定したアングル材にて形成したファス
ナであり、このファスナ34の縦リブ外面側に、前記接
合具4が二個ベース部32同士を面合する、つまり接合
面30同士が円周を形成するようにしてボルト25で固
定されている。そしてこの接合具4同士でコンクリート
パネル1を四枚、そのひと隅ずつを固定することによ
り、外壁の室外側が形成されている。また、前記ファス
ナ34の縦リブ内面側には、下段のボルト25を利用し
て別の接合具4が接合面30を上向きにして固定され、
その接合具4でコンクリートパネル1を二枚固定するこ
とにより、横胴縁33を避けた状態で外壁の室内側が形
成されている。図中、白抜きの矢印は空気の流通状態を
示している。
【0028】図6において、35はスラブ、36はその
スラブ35上に突設させたファスナであり、このファス
ナ36の両側面に、前記接合具4がそれぞれ底部31を
対向させるようにして固定されている。この場合、前記
ファスナ36は横胴縁に固定したファスナ34と同一の
厚さとすることにより、同一厚幅の中空層3が得られ
る。前記接合具4は、ベース部32をスラブ35に据え
付けるように固定される。これにより、この接合具4で
固定されるコンクリートパネル1の底辺側は、前記スラ
ブ35に密着した状態となる。
【0029】次に、第3の実施の形態を説明する。尚、
前記第1および第2の実施の形態で説明した構成と実質
同一の構成部分には同一の符号を付して、その説明は省
略する。図8は本第3の実施の形態のコンクリートパネ
ル端部接合用の接合具を示す斜視図、図9は建具を備え
た間仕切り壁を示す斜視図である。本実施の形態では、
コンクリートパネル1で設けた間仕切り壁に開口部を設
けるための接合具5を使用して構築された複層壁に特徴
がある。前記接合具5は、実施の形態1で説明した接合
具2の1/4円状を有しており、1/4円周の接合面4
0と、その接合面40内の中央部に開設されたボルト挿
通穴41と、1/4円形状の底部42と、ベース部43
およびそのベース部43に開設されたボルト挿通口44
と、接合面40とベース部43を垂直に結ぶ側面部45
とを設けて形成されている。
【0030】図9はスラブ35上に複層壁を設けて間仕
切り壁とし、更にコンクリートパネル1同士の間に開口
部を設けたものを示しており、コンクリートパネル1の
開口部側角落し面とスラブとを前記接合具5によって固
定し、コンクリートパネル1の連続部分の角落し面は接
合具4によって固定したものである。図において、46
は間仕切り壁に設けた開口部、47は開口部46から中
空層3内までスラブ35上に布設したレール、48はこ
のレール47上に設けた建具である。尚、前記レール4
7を開口部両側の中空層3内まで布設して引き分け型の
建具を設けても良い。また、この間仕切り壁には、前記
中空層3を利用して壁コンセント、壁スイッチ、アンテ
ナ線、電話線などの配線49が施工されている。尚、図
示しないが、この中空層3を利用して給排水管も施工さ
れる。
【0031】以上説明してきたように、本実施の形態で
は、特に簡単な作業で防音、防湿、断熱効果や露付き防
止効果、配線・配管に優れ住宅その他建築物に適した外
壁や間仕切り壁を精度良く設けることができる。壁体構
造部分としてコンクリートパネル1の集合体によって単
純に共通化させ、設計手順を簡略化せることができる。
また、施工に関しては、共通化されたコンクリートパネ
ル1を延設していくという簡単な手順と作業だけで実行
できるから、常に一定した精度が得られると共に作業を
合理化することができる。また、コンクリートパネル1
は、その四隅を集合させながらその集合点のみを接合具
2、4または5で均等に固定していくので、構造的に安
定性や耐久性も向上するし、その固定部分の単純化され
た形状や簡単な固定方法などによりコスト的にも有利で
あるなどの効果が得られる。
【0032】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更
などがあっても本発明に含まれる。
【0033】例えばコンクリートパネル1は正方形とし
たが、縦横の比が1:2や1:3などの長方形でもよ
く、また、その一辺の大きさや厚さなどは任意に設定す
ることができる。前記貫通穴11a部には蓋27を設け
るとしたが、モルタルを充填したり、更にその上に前記
蓋を設けてもよい。
【0034】また、コンクリートパネル1の平面構造は
任意である。ワッフル状にパネル裏面側に凹凸部を設け
たり、上面側に多数の凸状や碁盤目状に貫通穴を配置し
てもよい。図10に示すように、コンクリートパネル1
に開口部50を設けたもので複層壁を形成し、この開口
部50に望む中空層3を利用してアルミサッシなどの建
具枠51を装着させても良い。図11に示すように中空
層3を利用して雨戸56や網戸などを設けても良いし、
図12に示すように庇52の取付け部53を中空層3内
に装着したり、図13に示すように中空層3をシャッタ
ー54が同一面で納まるまで拡大しても良い。このよう
な雨戸、網戸、ガラス窓、室内のドアなどは、外部に突
出物を作らず壁面と同面に納めることができる。また、
図14に示すように、コンクリートパネル1の中間部を
セパレータ55で支持し、反りなどを防止することもで
きる。
【0035】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明請求項
1および請求項2に記載のコンクリートパネル複層壁の
構築方法およびコンクリートパネル複層壁にあっては、
前記方法および構成としたため、角落し面に接合具を嵌
着固定した同一形状のコンクリートパネル同士を一定間
隔の中空層を間に設けて複層(二枚)立設し、該一定間
隔の中空層を保持した状態で前記接合具を他部材に固定
するだけで、間に中空層を有する複層壁を簡単で正確に
構築することができる。また、間に中空層を有すること
で、防音、防湿、断熱効果や露付き防止効果、配線・配
管に優れた外壁や間仕切り壁がえられると共に、その中
空層を利用することで建具や窓などの納まりを良くし、
特に簡単な作業で精度良く設けることができる。また、
設計に関しては壁体の平面構造部分としてコンクリート
パネルの集合体によって単純に共通化させ、設計手順を
簡略化せることができる。また、施工に関しては壁体構
造部分を、共通化されたコンクリートパネルを延設して
いくという簡単な手順と作業だけで実行できるから、常
に一定した精度が得られると共に作業を合理化すること
ができる。また、コンクリートパネルは、その四隅を集
合させながらその集合点のみを均等に固定していくの
で、構造的に安定性や耐久性も向上するし、固定部分の
単純化された形状や簡単な固定方法などによりコスト的
にも有利であるなどの効果が得られる。
【0036】請求項3記載のコンクリートパネル複層壁
にあっては、前記構成としたため、接合具の接合面を四
組筒状に連接することで、一点に集合した四組の角落し
面を固定でき、半円周状、1/4円周状または二等辺三
角形状に形成することで二組あるいは一組の角落し面を
固定でき、更に取付け面同士、あるいは取付け面を建築
物側部材に固定することにより、二層のコンクリートパ
ネルによる壁を簡単に構築していくことができるという
効果が得られる。
【0037】請求項4記載のコンクリートパネル複層壁
にあっては、前記構成としたため、建具(引き込み、引
き分け共)がコンクリートパネル同士の間の中空層内に
納められているから、壁面に邪魔な突出物を作らず同一
面に形成することができる。このため、開口部周囲でも
建具に邪魔されることなく家具などの据え付けを行なう
ことができるなどの効果が得られる。
【0038】請求項5記載のコンクリートパネル複層壁
にあっては、前記構成としたため、中空層の厚幅を設計
上の機能、性能、納まりに最適な条件で設定することが
できるという効果が得られる。
【0039】請求項6記載のコンクリートパネル複層壁
にあっては、前記構成としたため、中空層内部に設けた
断熱材によって防音、防湿、耐熱性能などを、より効果
的に上げることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施の形態のコンクリートパネル複
層壁の一部を示す縦断面図である。
【図2】第1実施の形態のコンクリートパネル複層壁の
一部を示す正面図である。
【図3】(イ)第1実施の形態のコンクリートパネルを
示す正面図である。 (ロ)同上のコンクリートパネルを示す右側面図であ
る。
【図4】第1実施の形態の接合具を示す断面図である。
【図5】第2実施の形態の複層壁を示す断面図である。
【図6】第2実施の形態の複層壁の床面固定方法を示す
断面図である。
【図7】第2実施の形態のコンクリートパネル二枚接合
用の接合具を示す斜視図である。
【図8】第3実施の形態のコンクリートパネル端部接合
用の接合具を示す斜視図である。
【図9】第3実施の形態の建具を備えた間仕切り壁を示
す斜視図である。
【図10】他の実施の形態のコンクリートパネル内開口
部の建具枠取付け状態を示す斜視図である。
【図11】他の実施の形態のコンクリートパネル内開口
部の建具枠取付け状態を示す斜視図である。
【図12】他の実施の形態のコンクリートパネル内開口
部の庇取付け状態を示す斜視図である。
【図13】他の実施の形態のコンクリートパネル内開口
部のシャッター取付け状態を示す断面図である。
【図14】他の実施の形態のコンクリートパネル補強状
態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 コンクリートパネル 2,4,5 接合具 3 中空層 11 角落し面 11a 角落し面の集合により形成された貫通穴 19,25 ボルト(固定) 21,30 接合面 40 接合面 48 建具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04B 2/74 551 E04B 2/74 551E E04C 2/06 E04C 2/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め四隅に角落し面を有する矩形平板状
    に工場生産されたコンクリートパネル、および前記角落
    し面に嵌着固定されると共に他部材に固定可能に形成さ
    れた接合具を使用して複層壁を構築していく方法であっ
    て、 前記角落し面に接合具を嵌着固定したコンクリートパネ
    ル同士を一定間隔の中空層を間に設けて複層立設し、該
    一定間隔の中空層を保持した状態で前記接合具を他部材
    に固定することにより複層壁を構築することを特徴とす
    るコンクリートパネル複層壁の構築方法。
  2. 【請求項2】 予め内部に補強用の鉄筋を組み込み四隅
    に角落し面を有する矩形平板状に工場生産され一定間隔
    の中空層を間に設けて複層立設されたコンクリートパネ
    ルと、 一面側が前記コンクリートパネルの角落し面にそれぞれ
    嵌着固定されると共に他面側がそれぞれ他部材に固定さ
    れることにより、前記コンクリートパネル同士を前記一
    定間隔の中空層を保持した状態で固定した接合具と、を
    備えたことを特徴とするコンクリートパネル複層壁。
  3. 【請求項3】 前記コンクリートパネルの角落し面は、
    該コンクリートパネル同士を碁盤目状に配置したとき各
    辺の交点部に円筒状または角筒状の貫通穴を形成するよ
    うに設けられ、 かつ、前記接合具は、少なくとも前記一枚のコンクリー
    トパネルの一つの角落し面に対応する接合面および他部
    材への取付け面を有し、かつ前記接合面と取付け面にボ
    ルト挿通口が開設されていることを特徴とする請求項2
    記載のコンクリートパネル複層壁。
  4. 【請求項4】 前記複層のコンクリートパネル同士に開
    口部が設けられ、かつ該開口部に近い前記中空層内に引
    き込み建具が摺動自在に設けられていることを特徴とす
    る請求項2または請求項3記載のコンクリートパネル複
    層壁。
  5. 【請求項5】 前記コンクリートパネル同士は間の中空
    層を必要な厚さに設定した状態で接合具により固定され
    ていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいず
    れかの項に記載のコンクリートパネル複層壁。
  6. 【請求項6】 前記中空層に断熱材が挿入されているこ
    とを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかの項
    に記載のコンクリートパネル複層壁。
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