JP2858141B2 - 人工関節軟骨 - Google Patents
人工関節軟骨Info
- Publication number
- JP2858141B2 JP2858141B2 JP1280599A JP28059989A JP2858141B2 JP 2858141 B2 JP2858141 B2 JP 2858141B2 JP 1280599 A JP1280599 A JP 1280599A JP 28059989 A JP28059989 A JP 28059989A JP 2858141 B2 JP2858141 B2 JP 2858141B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pva
- cartilage
- artificial
- joint
- hydrogel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Materials For Medical Uses (AREA)
Description
含水ゲルと多孔性アルミナセラミックス、あるいは金属
メッシュからなる人工関節軟骨およびその製造方法に関
する。
療法がないため、人工関節に置き換えられている。この
人工関節は、関節疾患に悩む患者にとって大きな恩恵を
与えている。しかし、一方で人工関節置換術に伴う合併
症、とくにルーズニングの高い発生率や人工関節周囲の
骨破壊に伴う再手術の必要性等の深刻な問題が生じてい
る。
と超高分子量の高密度ポリエチレン(HDPE)の軟材質ソ
ケットから構成されている。このHDPEは耐摩耗性に優れ
ているものの、関節軟骨の有する低摩耗性、衝撃荷重に
対する優れた応力緩和などの特性に乏しく、また、その
摩耗粉による異物反応性も問題になっている。
股関節では2〜4mmの厚みがある。この関節軟骨は体重
負荷による衝撃を吸収するとともに荷重を分散して軟骨
海線骨梁に伝達し、低摩擦下での可動性に重要な役割を
担っている。関節軟骨のもつ大きな特徴の一つは、その
豊富な細胞外水分量であり、含水率は60〜80%で関節軟
骨のもつ弾性や潤滑に大きな役割を果たしている。
シエチルメタクリレート(PHEMA)ゲル、シリコーンお
よびポリビニルアルコール(PVA)ゲル等が検討されて
きたが、力学的特性に満足できる素材ではなかった。
な条件が満たされなければならない。
等)に優れる。
特性、特に潤滑特性、衝撃緩和特性および耐摩耗性の点
で問題があった。
ち、力学特性と生体組織との接合固定を改良することを
目的とした。
撃緩和特性を具備し、また生体組織の骨との接合固定を
確実に付与する目的で鋭意、研究を重ねた結果、生体骨
と適合性の良い多孔性セラミックス、あるいはチタニウ
ムメッシュとPVAハイドロゲルを組合わせることにより
上記の目的を達成できることを見い出した。
いはチタニウムメッシュの孔内の一部あるいは大部分を
PVAハイドロゲルで含浸固定化させることにより、両者
間の力学的固定を強固にさせると同時に、PVAハイドロ
ゲルの未含浸固定部分への生体組織の増殖により接合固
定を達成させ、長期にわたる力学的安定性と生体適合性
に優れたものとなる。
でケン化度が99.5モル%のPVA溶液を多孔性アルミナセ
ラミックスあるいはチタニウムメッシュの一部あるいは
片端にのみ含浸させた後、低温にてゲル化させるゲル化
処理と、PVAを乾燥させた後、120℃〜180℃の高温で熱
処理する工程がある。
含水ゲルが生体関節軟骨の役割を担い、多孔性アルミナ
セラミックスあるいはチタニウムメッシュが生体組織と
PVA含水ゲルの接合固定を保障することになる。
上、好ましくは97モル%以上、特に99モル%以上のもの
が望ましい。これより低いケン化度ではゲルの強度が軟
弱になる傾向がある。平均重合度は粘度平均で1700以
上、特に3300以上が好ましい。PVAの重合度が低下する
とともに得られるゲルの強度も低下する。また、低分子
量PVAの溶出を防止するためには、出発原料PVAを分子量
分別して用いるとよい。
もよいが、水と親和性のある有機溶媒との混合溶媒を用
いるのが好ましい。水と親和性のある有機溶媒として
は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコー
ル(EG)、グリセリン(GC)、プロピレングリコール
(PG)、プロピルアルコール(POH)、エチルアルコー
ル(EOH)、1.3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DM
I)などを挙げることができる。また、これら溶媒は二
種以上の混合物であってもよい。
に対する溶解性や水との混合割合と凝固点降下の関係な
どからDMSOを使用するのが好ましい。
水と有機溶媒との混合比は5:95〜95:5の範囲で用いるの
がよい。
るが、温度としては目的とする強度や含水率に応じて2
〜30重量%の範囲にするのがよい。このような溶液の調
製には一般にPVAを加熱溶解させることにより行われる
が、単に撹拌下での加熱でもよいし、あるいはオートク
レーブや電子レンジを使用して溶解させてもよい。
ラミックス、あるいはチタニウムメッシュに含浸させる
わけであるが、目的とする部分にだけPVAハイドロゲル
を固定化させるため、あらかじめシアノアクリレートや
ゼラチンにより生体組織の増殖を望む部位に充填し、固
化後にPVA溶液を含浸させ、常温以下の低温にて放置す
ることによりゲル化させてPVAハイドロゲル人工関節軟
骨を得る。その場合、温度が低ければ低いほど短時間
で、ゲル化が完了するので−10℃以下、とくに−20℃以
下のフリーザー中にて行うのが好ましい。
するPVAゲルを乾燥処理した後、高温下で熱処理を施
す。この熱処理は空気中でもよいが、酸化分解を防止す
るため真空中、窒素気流中あるいはシリコーンオイル中
にて行うのが好ましく、また、熱処理温度としてはPVA
の結晶化が促進できる100℃以上であればよいが、特に1
20〜160℃の温度範囲が好ましい。また、熱処理時間は
温度にもよるが、通常1時間〜10時間程度で十分であ
る。
は含水率が10〜60重量%と大幅に変えられ、目的とする
力学的物性のものが調製できる。
明による技術思想はこれら実施例のみに何等制限される
ものではない。
メチルスルホキシド(DMSO)/水混合溶媒(8/2重量
比)に加えて130℃で2時間マグネチックスターラーに
て撹拌しながら溶解して溶液を得た。
(有孔率40%)にあらかじめ長さの約半分の部分に瞬間
接着剤シアノアクリレートを含浸固化させた後、上述の
PVA溶液中に浸漬しアスピレーターにて脱気することに
よりアルミナセラミックスの内部にPVA溶液を含浸させ
た。その後、−20℃のフリーザー中にて一昼夜放置する
ことによりPVAをゲル化させることによりアルミナセラ
ミックスにPVAゲルを固定化させた。
らかじめ含浸固化させたシアノアクリレートの除去と溶
媒として用いたDMSOの除去のため、アセトン中にて約3
時間50℃で加熱下で洗浄した。次に、これを室温で風
乾、真空乾燥器により一昼夜乾燥した。その後、この乾
燥させたPVAゲルを温度140℃のシリコーンオイル中に入
れて1時間熱処理を施すことにより低含水率PVAゲルを
得た。
衡状態となったものの飽和含水率を測定したところ、約
20重量%であった。
強度を島津製作所製オートグラフS−100にて測定とこ
ろ約3MPaであった。
径4mm、高さ4mmの円柱形にて切断成形し、ネンブタール
静脈内麻酔下で内側傍膝蓋皮切により家兎膝関節を展開
し、大腿骨膝蓋面にドリルで軟骨下骨まで穿孔し、ここ
に上記による人工関節軟骨を埋入した。
れている超高分子量ポリエチレン(HDPE)を同じように
埋入した。各材料につき3匹づつ実施した。
膜の炎症の所見は認められなかった。組織学的には未熟
な瘢痕組織を生じ、一部では少数の炎症細胞が見受けら
れたが炎症細胞浸潤の程度はどの材料においても軽度
で、各材料ごとにはあきらかな差異は認められなかっ
た。
し、瘢痕組織の成熟が認められた。
するのみであったが、PVA含水ゲル固定化アルミナセラ
ミックスの人工関節軟骨では、PVA含水ゲル未固定のア
ルミナセラミックスの部分に骨の増殖が生じ関節にしっ
かりと固定されていた。一方、HDPE材のものは関節より
簡単に脱離してしまった。
た力学的性質、即ち潤滑特性と衝撃緩和特性に類似した
物性を有すると同時に生体骨との接合固定を強固にでき
る。従って、膝関節や股関節の軟骨として用いることが
できることによって生体本来のすぐれた関節特性を奏す
ることとなり人類福祉に寄与するところ大である。
Claims (7)
- 【請求項1】ポリビニルアルコール含水ゲルと、多孔性
アルミナセラミックスあるいは金属メッシュからなる人
工関節軟骨。 - 【請求項2】ポリビニルアルコールの重合度が1700以
上、ケン化度が99.5モル%以上である特許請求の範囲第
1項記載の人工関節軟骨。 - 【請求項3】ポリビニルアルコール含水ゲルの含水率が
10〜60重量%である特許請求の範囲第1項記載の人工関
節軟骨。 - 【請求項4】金属メッシュがチタニウムメッシュである
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の人工関節
軟骨。 - 【請求項5】多孔性アルミナセラミックスの有孔率が20
〜80%であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
載の人工関節軟骨。 - 【請求項6】多孔性アルミナセラミックスあるいは金属
メッシュの一部、あるいは大部分にPVA溶液を含浸させ
た後、低温にてゲル化させることを特徴とする人工関節
軟骨の製造方法。 - 【請求項7】前項記載の多孔性アルミナセラミックスあ
るいは金属メッシュに固定したPVA含水ゲルを乾燥させ
た後、120〜180℃で熱処理することを特徴とする特許請
求の範囲第6項記載の人工関節軟骨の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1280599A JP2858141B2 (ja) | 1989-10-27 | 1989-10-27 | 人工関節軟骨 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1280599A JP2858141B2 (ja) | 1989-10-27 | 1989-10-27 | 人工関節軟骨 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03141957A JPH03141957A (ja) | 1991-06-17 |
JP2858141B2 true JP2858141B2 (ja) | 1999-02-17 |
Family
ID=17627280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1280599A Expired - Fee Related JP2858141B2 (ja) | 1989-10-27 | 1989-10-27 | 人工関節軟骨 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2858141B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100536938C (zh) * | 2007-02-06 | 2009-09-09 | 西北工业大学 | 多孔生物陶瓷支架的制备方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3936180B2 (ja) * | 2001-12-07 | 2007-06-27 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 高分子ゲル潤滑方法 |
-
1989
- 1989-10-27 JP JP1280599A patent/JP2858141B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100536938C (zh) * | 2007-02-06 | 2009-09-09 | 西北工业大学 | 多孔生物陶瓷支架的制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03141957A (ja) | 1991-06-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0505634B1 (en) | A prosthesis | |
JP4873555B2 (ja) | アパタイト/コラーゲン複合体繊維を含む多孔体の製造方法 | |
AU2008274585B2 (en) | Composite bone repair material | |
EP1835947B1 (en) | A biocompatible material and a prosthetic device made thereof for the replacement, repair and regeneration of meniscus | |
JP2578457B2 (ja) | 人工生体複合材料 | |
CA2484956C (en) | Structured composites as a matrix (scaffold) for the tissue engineering of bones | |
JPH0824710B2 (ja) | 移植用骨コラーゲンマトリックス | |
EP1940313A2 (en) | Porous and nonporous materials for tissue grafting and repair | |
JP2003501217A (ja) | 不溶化デキストラン誘導体および増殖因子に基づく生体材料 | |
JP2858141B2 (ja) | 人工関節軟骨 | |
JP2011019990A (ja) | 組織修復マトリックスの使用 | |
JP2567595B2 (ja) | 骨補綴部材 | |
JP5886313B2 (ja) | 生体材料およびそれを得る方法 | |
JP2002541926A (ja) | 長期安定性を有する体内プロテーゼ | |
JP2004159971A (ja) | 骨形成用部材およびその製造方法 | |
US10238775B2 (en) | Bone repair material | |
EP2814520B1 (en) | Bone repair material | |
JPH053913A (ja) | 人工生体複合材料 | |
CN108969796A (zh) | 一种携载rhBMP_2微球的新型可注射自凝固复合人工骨的制备方法 | |
Thomson et al. | A Novel Biodegradable Poly (Lactic-co-Glycolic Acid) Foam for Bone Regeneration | |
JP2004229840A (ja) | 生体組織修復材およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081204 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081204 Year of fee payment: 10 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081204 Year of fee payment: 10 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081204 Year of fee payment: 10 |
|
R370 | Written measure of declining of transfer procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081204 Year of fee payment: 10 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |