JP2852139B2 - スルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸金属塩の製造方法 - Google Patents

スルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸金属塩の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スルホン化α,β−不
飽和ジカルボン酸の金属塩の製造方法に関する。スルホ
ン化α,β−不飽和ジカルボン酸の金属塩は分散剤、水
処理剤、スケール防止剤などの原料として広範な用途を
有する化合物であり、近年、特に種々の優れた界面活性
剤の原料として用いられている。
【0002】
【従来の技術】スルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸
の金属塩をスルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸無水
物から製造することは既知であり、例えばRec.Tr
av.Chim.,46,473(1927)には、ス
ルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸無水物と水とを反
応させてスルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸とした
後、水酸化バリウムと反応させてスルホン化α,β−不
飽和ジカルボン酸バリウム塩を得る方法が記載されてい
る。
【0003】しかし、上記方法を本発明者らが追試した
結果、この方法には次のような問題があることが判明し
た。すなわち、スルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸
と金属水酸化物とを反応させる際の微妙な反応条件の差
異によってスルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸の二
重結合に水が付加した化合物(以下、「水付加物」とい
う)が容易に生成するため、得られるスルホン化α,β
−不飽和ジカルボン酸の金属塩は著しく純度の低いもの
になってしまう。また、この水付加物は、スルホン化
α,β−不飽和ジカルボン酸金属塩との分離が困難であ
るため、その精製に多大の労力を必要とするだけでな
く、スルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸金属塩を原
料とする界面活性剤などの誘導体を製造する際、その反
応を著しく阻害する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のとおり、従来の
方法においては、生成スルホン化α,β−不飽和ジカル
ボン酸金属塩には副生物としての水付加物が不純物とし
て多量に含まれているため、高純度スルホン化α,β−
不飽和ジカルボン酸金属塩を得るには、精製工程が不可
欠であり、結局その製造コストが高くなるという問題が
あった。このため、水付加物などの副生物の生成を抑え
たスルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸金属塩の製造
方法が強く望まれている。
【0005】従って、本発明の目的は、スルホン化α,
β−不飽和ジカルボン酸から高純度スルホン化α,β−
不飽和ジカルボン酸金属塩を高選択率で製造する方法を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、スルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸とアルカリ
金属またはアルカリ土類金属化合物とを水媒体中で反応
させて対応するスルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸
金属塩を得る際、反応溶液のpHが8.5を超え、かつ
反応温度が80℃を超える条件下で反応を行うと水付加
物が多量に生成して、目的とするスルホン化α,β−不
飽和ジカルボン酸金属塩の選択率が低下するのに対し
て、上記条件外で反応を行うと目的とするスルホン化
α,β−不飽和ジカルボン酸金属塩の選択率が著しく向
上することが判明した。
【0007】すなわち、本発明は、スルホン化α,β−
不飽和ジカルボン酸とアルカリ金属またはアルカリ土類
金属化合物とを水媒体中で反応させてスルホン化α,β
−不飽和ジカルボン酸金属塩を製造するに際して、反応
溶液のpHが8.5以下、反応温度が80℃以下の条件
下に反応を行うことを特徴とするスルホン化α,β−不
飽和ジカルボン酸金属塩の製造方法である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明で使用するスルホン化α,β−不飽
和ジカルボン酸としては、α−位および/またはβ−位
に1個の水素原子を有する不飽和ジカルボン酸、例えば
マレイン酸、シトラコン酸、2−クロロマレイン酸、2
−ブロモマレイン酸などのスルホン化物を挙げることが
できる。これらスルホン化物のうちでも特に好適に使用
される化合物としては、下記一般式(I): (式中、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、特
にメチル基、またはハロゲン、特に塩素または臭素であ
る)で表される化合物を挙げることができる。
【0010】本発明で使用するスルホン化α,β−不飽
和ジカルボン酸の多くは、通常、無水物として入手され
るが、これを水と混合、反応させることにより容易にス
ルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸の水溶液とするこ
とができる。
【0011】本発明で使用するアルカリ金属またはアル
カリ土類金属化合物(以下、「アルカリ化合物」とい
う)としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの
アルカリ金属、またはマグネシウム、バリウム、カルシ
ウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属の水酸化
物、炭酸塩、炭酸水素塩などを挙げることができる。
【0012】本発明の方法による、スルホン化α,β−
不飽和ジカルボン酸とアルカリ化合物との水媒体中での
反応は、例えば、(1)スルホン化α,β−不飽和ジカ
ルボン酸の水溶液にアルカリ化合物の水溶液を連続的ま
たは間欠的に添加する方法、(2)スルホン化α,β−
不飽和ジカルボン酸の水溶液とアルカリ化合物の水溶液
とを同時に、あるいは逐次的に反応器内に添加する方法
により行うことができる。これら方法のうち、操作の簡
便さ、および反応条件の制御の容易さから上記方法
(1)が好ましい。いずれの方法を採用するにしても、
本発明が特定する反応溶液のpH範囲および反応温度範
囲を逸脱した条件下に反応を行うと高純度のスルホン化
α,β−不飽和ジカルボン酸金属塩を製造することがで
きない。
【0013】上記方法におけるスルホン化α,β−不飽
和ジカルボン酸水溶液およびアルカリ化合物水溶液の濃
度については、特に制限はなく、生成するスルホン化
α,β−不飽和ジカルボン酸金属塩の水溶液が十分撹拌
できる程度の濃度であればよく、実施に際し適宜決定す
ることができる。一般に、それぞれの濃度が高いと反応
溶液の粘度が高くなって反応熱の除去が困難となり温度
制御に問題が生じる。
【0014】本発明の方法における上記スルホン化α,
β−不飽和ジカルボン酸とアルカリ化合物との水媒体中
での反応は、反応溶液のpHが8.5以下、反応温度が
80℃以下の条件下に行うが、特に反応溶液のpHが
6.5〜8.5および反応温度が10〜60℃の条件下
に行うのが好ましい。
【0015】上記アルカリ化合物の水溶液を反応溶液の
pHが8.5を超えるまで添加すると、水付加物が多く
生成して高純度のスルホン化α,β−不飽和ジカルボン
酸金属塩を得ることができない。なお、pHが低すぎる
と未反応のスルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸が多
量に残存してしまうため好ましくない。
【0016】また、反応温度が80℃を超えると目的と
するスルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸金属塩の選
択率が低下して好ましくない。なお、反応温度が低すぎ
ると、例えば0℃より低くすると反応速度が低下して実
用的でない。
【0017】上記アルカリ化合物の水溶液をスルホン化
α,β−不飽和ジカルボン酸水溶液に添加する速度には
特に制限はなく、反応によって生成する反応熱を冷却な
どの手段により除去して反応温度が上記範囲内になるよ
うに制御するのがよい。
【0018】本発明の方法におけるスルホン化α,β−
不飽和ジカルボン酸とアルカリ化合物との使用割合につ
いては、上記のように反応溶液のpHが8.5以下に保
持されるような量のアルカリ化合物を使用すればよい。
【0019】本発明の方法により、例えば一般式(I)
で表されるスルホン化α,β−ジカルボン酸と水酸化ナ
トリウムとを反応させると下記一般式(II): (式中、Rは一般式(I)におけると同一であり、Xは
pH値に応じてHまたはNaである)で表されるスルホ
ン化α,β−不飽和ジカルボン酸ナトリウム塩が得られ
る。
【0020】このようにして得られたスルホン化α,β
−不飽和ジカルボン酸金属塩の水溶液はそのまま、例え
ば界面活性剤の製造用原料として使用することもできる
し、あるいは蒸発固化させてから使用することもでき
る。
【0021】
【効果】本発明の方法によれば、スルホン化α,β−不
飽和ジカルボン酸金属塩を高選択率で得ることができ
る。従って、高純度のスルホン化α,β−不飽和ジカル
ボン酸金属塩を、特段の精製工程などを必要とすること
なく、効率よく製造することができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0023】実施例1 滴下ロート、温度計、冷却管および撹拌機を備えた4つ
口フラスコに水100gを入れ20℃で撹拌し、フラス
コ内の気相を窒素ガスにて置換した後、冷却しながら溶
融スルホ無水マレイン酸178g(1.0モル)を2時
間かけて滴下してスルホマレイン酸水溶液を調製した。
溶融スルホ無水マレイン酸の滴下とともに内温は上昇す
るが、冷却を行い水溶液の温度が50℃を超えないよう
にした。上記スルホマレイン酸水溶液の調製後、これに
48%水酸化ナトリウム水溶液を徐々に滴下し、水溶液
のpHが7.5となるまで添加した。滴下とともに内温
は上昇するが、冷却により水溶液温度を50℃を越えな
いようにした。
【0024】このようにして得られたスルホマレイン酸
ナトリウム塩水溶液の組成を高速液体クロマトグラフィ
ーにより分析し、またこの水溶液の色相をガードナー比
色計により測定した。結果を表1に示す。
【0025】実施例2 実施例1において、48%水酸化ナトリウム水溶液をp
Hが8.0になるまで添加した以外は実施例1と同様に
してスルホマレイン酸ナトリウム塩水溶液を得た。
【0026】このようにして得られたスルホマレイン酸
ナトリウム塩水溶液の組成および色相を実施例1と同様
の方法により測定した。結果を表1に示す。
【0027】実施例3 実施例1において、48%水酸化ナトリウム水溶液の代
わりに30%水酸化カルシウム水溶液を使用し、PH
8.0になるまで該水溶液を添加した以外は実施例1と
同様にしてスルホマレイン酸カルシウム塩水溶液を得
た。
【0028】このようにして得られたスルホマレイン酸
カルシウム塩水溶液の組成および色相を実施例1と同様
の方法により測定した。結果を表1に示す。
【0029】比較例1 実施例1において、48%水酸化ナトリウム水溶液の添
加をpH9.0まで行った以外は実施例1と同様にして
スルホマレイン酸ナトリウム塩水溶液を得た。このよう
にして得られたスルホマレイン酸ナトリウム塩水溶液の
組成および色相を実施例1と同様の方法により測定し
た。結果を表1に示す。
【0030】比較例2 実施例1において、48%水酸化ナトリウム水溶液の添
加をpH11.0まで行った以外は実施例1と同様にし
てスルホマレイン酸ナトリウム塩水溶液を得た。
【0031】このようにして得られたスルホマレイン酸
ナトリウム塩水溶液の組成および色相を実施例1と同様
の方法により測定した。結果を表1に示す。
【0032】比較例3 実施例1において、塩水溶液の調製時、滴下とともに内
温が上昇したが、冷却なしに水酸化ナトリウム水溶液を
滴下した以外は実施例1と同様にしてスルホマレイン酸
ナトリウム塩水溶液を得た。
【0033】このようにして得られたスルホマレイン酸
ナトリウム塩水溶液の組成および色相を実施例1と同様
の方法により測定した。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果から、本発明の方法によれば、
スルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸金属塩が高選択
率で得られることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 渡辺 陽子 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 309/22 C07C 303/32 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸
    とアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物とを水媒
    体中で反応させてスルホン化α,β−不飽和ジカルボン
    酸金属塩を製造するに際して、反応溶液のpHが8.5
    以下、反応温度が80℃以下の条件下に反応を行うこと
    を特徴とするスルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸金
    属塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 スルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸
    が一般式(I): (式中、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、ま
    たはハロゲンである)で表される化合物である請求項1
    に記載のスルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸金属塩
    の製造方法。
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