JP2834060B2 - 建設用折畳み屋根盤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、土木，建築の作業現場
の構築物や資材等に雨や雪が当らないように、それらに
仮設の覆いを掛けて中で仕事ができるようにするのに使
用する建設用折畳み屋根盤に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の建設用屋根盤には、特開
平７−４８９３４号公報に記載された発明がある。

【０００３】すなわち、Ｉ形鋼より成る前後方向の両側
主杆を多数の横桟で連結し、その横桟上にわたし安全性
を有する波形板を張設して一体的に固定した建設用雨避
盤である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の建設用雨避
盤においては、

【０００５】（１） 重いから、取扱いが大変である上
に、長尺のものを作製することができない。

【０００６】（２） 大型であるから、収納に広い場所
を要する上に、輸送費が高い。

【０００７】（３） 上方より明りを取入れることがで
きない点である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、容易に折畳み
得る上に、軽量堅牢で、取扱い，収納，運搬上便利であ
り、且つ、上方より明りを取入れることができて実用上
有益な建設用折畳み屋根盤を提供することを目的とす
る。

【０００９】すなわち、前後の支保工（ｂ），（ｃ）上
の横架材（２８），（２８）上に掛けわたして順次並列
載置する建設用屋根盤において、両側片（１０），（１
１）の先端部をピン（１２）により枢着して屈伸可能の
折畳み横桟（３）を形成し、Ｉ形鋼より成る前後方向の
両側主杆（１），（２）に折畳み横桟（３）の両側片
（１０），（１１）の基部をピン（１３），（１４）に
よりそれぞれ枢着して両側主杆（１），（２）を複数個
の折畳み横桟（３）により開閉可能に連結支持し、Ｘ状
で係脱可能の複数個の筋交い（４）により係止し、両側
主杆（１），（２）の上部間に屋根シート（５）を張設
して建設用折畳み屋根盤（ａ）を構成し、容易に折畳み
得る上に、軽量堅牢で、取扱い，収納，運搬上便利であ
り、且つ、上方より明りを取入れることができて実用上
有益にする目的を、Ｉ形鋼より成る両側主杆を複数個の
屈伸可能の折畳み横桟および係脱可能の筋交いにより開
閉可能に連結係止して上記両側主杆の上部間に屋根シー
トを張設することにより実現した。

【００１０】

【実施例】図面は、本発明の一実施態様を示し、その構
成を図面について説明すれば、（ａ）は建設用折畳み屋
根盤を示し、（１），（２）は屋根盤（ａ）のＩ形鋼よ
り成る前後方向の両側主杆、（６）は両側主杆（１），
（２）の上方内側フランジの先端面にそれぞれ固定した
取付管で、該取付管（６）の内側部には、図示してない
が軸心方向の切溝を形成する。（７）は両側主杆
（１），（２）の上方内側フランジの先端部上の前部お
よび後部に固定した吊り具、（８）は一側主杆（１）の
上方外側フランジの先端部上に外側上方への斜め方向に
突出させて立設した雨誘導片、（９）は他側主杆（２）
の上方外側フランジの先端部上に外側へ突出させて固定
した７字形の雨誘導覆い片である。

【００１１】（３）は両側主杆（１），（２）の間に適
当間隔で複数個配設する折畳み横桟で、断面コ形の一側
片（１０）の中間部内に断面コ形の他側片（１１）の先
端部を嵌合しピン（１２）により枢着して構成し、その
一側片（１０）の基部は一側主杆（１）の内側上下フラ
ンジ間に遊嵌して一側主杆（１）にピン（１３）により
枢着し、他側片（１１）の基部は他側主杆（２）の内側
上下フランジ間に遊嵌して他側主杆（２）にピン（１
４）により枢着する。

【００１２】（４）は両側主杆（１），（２）の下方内
側フランジ上にわたし適当間隔で複数個配設するＸ状の
筋交いで、先端下方に掛止め片（１５）を形成した筋交
い片（１６），（１６）をＸ状に交差させ、その交差部
をピン（１７）により枢着して成り、筋交い片（１
６），（１６）の基部をピン（１３），（１４）にそれ
ぞれ嵌着して筋交い片（１６），（１６）の掛止め片
（１５）は両側主杆（２）、（１）の下方内側フランジ
上にそれぞれ配置する。（１８）は両側主杆（１），
（２）の下方内側フランジに穿った係止孔で、折畳み横
桟（３）の両側片（１０），（１１）が一直線状になっ
て両側主杆（１），（２）が開いたときに、筋交い
（４）の筋交い片（１６），（１６）の掛止め片（１
５）が対向する位置にそれぞれ設ける。

【００１３】（５）は防水性を有する合成樹脂等より成
る屋根シートで、その両側端部を取付棒（１９），（１
９）にそれぞれ巻付け固定する。

【００１４】そして、屋根シート（５）の両側端部を両
側主杆（１），（２）の取付管（６），（６）の溝に通
して屋根シート（５）の取付棒（１９），（１９）部を
取付管（６），（６）内にそれぞれ挿入し、両側主杆
（１），（２）と屋根シート（５）を連結固定して屋根
盤（ａ）を構成する。

【００１５】（ｂ），（ｃ）は前後の建設用支保工を示
し、その前方支保工（ｂ）は後方支保工（ｃ）よりも若
干高く形成する。（２０）は支保工（ｂ），（ｃ）を構
成する梯子型建枠、（２１）は梯子型建枠（２０）の外
側縦杆（２２）の上方突出部、（２３）は内側および下
方を解放したキヤップ状の取付金で、その上片の外側部
に嵌合孔（２４）を、両側片の内側中間部にピン孔（２
５）をそれぞれ穿設して中間部上に支持筒（２６）を横
設する。（２７）は取付金（２３）のピン孔（２５）に
抜差可能に挿入する止ピン、（２８）は丸パイプより成
る横架材、（２９）は台板で、その下面中央部に横筒
（３０）を固定して該横筒（３０）の側壁中間部のねじ
孔にＬ形固定ボルト（３１）を螺通する。（３２）は止
め具のクランプである。

【００１６】その屋根盤（ａ）の使用法を説明する。図
５に示すように、屋根盤（ａ）の折畳み横桟（３）の一
側片（１０）の先端部を他側片（１１）に当てその両側
片（１０），（１１）を一直線状になして両側主杆
（１），（２）を開けば、それに伴って、筋交い（４）
の筋交い片（１６），（１６）もピン（１３），（１
４）およびピン（１７）で回転し開いて該筋交い片（１
６），（１６）の掛止め片（１５）が両側主杆（１），
（２）の係止孔（１８）にそれぞれ対向すると共に、屋
根シート（５）は緊張する。そこで、筋交い（４）の両
側の掛止め片（１５）を係止孔（１８）内に挿入する
と、屋根盤（ａ）は開いた状態に固定保持される。

【００１７】一方、前後において、数個の梯子型建枠
（２０）を左右方向に適当間隔で並置し、図示してない
が、その隣接する梯子型建枠（２０）を筋交い等により
連結して前方が若干高い前後の支保工（ｂ），（ｃ）を
組立てる。

【００１８】横架材（２８）に、図８に示すように所要
に適当数の取付金（２３）の支持筒（２６）と台板（２
９）の横筒（３０）を嵌合する。

【００１９】支保工（ｂ），（ｃ）の外側部上にそれぞ
れ上記取付金（２３），台板（２９）付き横架材（２
８）を配置し、その支保工（ｂ），（ｃ）の各梯子型建
枠（２０）において、図９に示すように、取付金（２
３）の嵌合孔（２４）を梯子型建枠（２０）の外側縦杆
（２２）の上方突出部（２１）に嵌入しその取付金（２
３）を梯子型建枠（２０）に嵌合して載置し、該取付金
（２３）のピン孔（２５）に止めピン（２７）を挿入し
て取付金（２３）を梯子型建枠（２０）に固定し、支持
筒（２６）付き取付金（２３）を介して支保工（ｂ），
（ｃ）上にそれぞれ横架材（２８）を架設する。

【００２０】上記横架材（２８）に取付けてある台板
（２９）を図８に示すように所要位置に配置し、順次、
屋根盤（ａ）の吊り具（７）にクレーンのフックを引掛
けて屋根盤（ａ）をクレーンにより吊上げ、図８に示す
ように、屋根盤（ａ）の雨誘導覆い片（９）を隣接する
屋根盤（ａ）の雨誘導片（８）の上方にかぶせて該屋根
盤（ａ）の両側主杆（１），（２）の前部および後部を
前後の横架材（２８），（２８）の台板（２９），（２
９）の対向側端部上にそれぞれ載置し、その両側主杆
（１），（２）の下方外側フランジと前後両側の台板
（２９）の重合部を図７および図８に示すようにクラン
プ（３２）により締付けて台板（２９），（２９）に屋
根盤（ａ）を固定する。

【００２１】その後、横筒（３０）の固定ボルト（３
１）を横架材（２８）に締付け固定して屋根体を構成す
る。

【００２２】屋根盤（ａ）を運搬したり、収納する等の
場合には、屋根盤（ａ）の筋交い（４）の筋交い片（１
６），（１６）の掛止め片（１５）を両側主杆（１），
（２）の係止孔（１８）から抜出した後、折畳み横桟
（３）をその両側片（１０），（１１）の連結ピン（１
２）部で図６に示すように後方へ屈曲させて両側主杆
（１），（２）を寄せ合わせれば、屋根シート（５）が
撓みながら、図６に示すように、折畳み横桟（３）およ
び筋交い（４）が折畳まれ、図４に示すように、両側主
杆（１），（２）が近接して屋根盤（ａ）は折畳まれ
る。

【００２３】その際、屋根シート（５）の両側の取付棒
（１９），（１９）部を両側主杆（１），（２）の取付
管（６），（６）より抜出すと、屋根盤（ａ）の枠体部
と屋根シート（５）を分離することもできる。

【００２４】なお、上記クランプ（３２）の止め具に代
えて、他の構成の止め具を使用してもよい。

【００２５】

【発明の効果】本発明の建設用折畳み屋根盤は、下記の
ような利点がある。

【００２６】（１） 屋根盤の両側主杆をＩ形鋼により
作製してその両側主杆を複数個の屈伸可能の折畳み横桟
および係脱可能の筋交いにより連結する。従って、

【００２７】（イ） 屋根盤は堅牢である。

【００２８】（ロ） 屋根盤を使用するときは開き、運
搬，収納等するときには折畳んで小さくすることができ
るから、屋根盤の収納場所が狭くてよい上に、輸送費が
安くなる。

【００２９】（ハ） 屋根盤の開閉作動は、軽快円滑で
ある。

【００３０】（ニ） 屋根盤を開いたとき、その両側主
杆を筋交いによって固定するから、屋根盤の開き保持は
確実堅固である。

【００３１】（ホ） 屋根盤を小さく折畳み得るから、
長尺屋根盤も作製して使用することができる。

【００３２】（２） 合成樹脂等より成る屋根シートを
屋根板として使用する。従って、

【００３３】（イ） 屋根盤を軽量に形成できる。

【００３４】（ロ） 屋根シートを通して上方より明り
を取入れることができ、作業上有益である。

【００３５】（３） 簡単に構成して容易安価に製作で
きる。

【００３６】（４） 屋根盤の両側主杆の下方フランジ
を支保工上の台板に止め具で固定することによって屋根
盤の取付けができるから、屋根盤の取付けを容易堅固に
なし得て取扱い易い。

【００３７】（５） 屋根シートを両側主杆に着脱可能
になせば、寒冷地においては、屋根シートを防寒屋根シ
ートと交換することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施態様を示す建設用折畳み屋根盤
の平面図である。

【図２】同上拡大正面図である。

【図３】同上一部の拡大側断面図である。

【図４】同上屋根盤を折畳んだ状態の正面図である。

【図５】同上屋根盤の枠体部の平面図である。

【図６】同上屋根盤の枠体部の折畳み途中における状態
の平面図である。

【図７】同上屋根盤を使用して建設用覆い体を構成した
状態の側面図である。

【図８】同上一部の拡大正面図である。

【図９】同上横架材取付部の拡大側断面図である。

【図１０】同上屋根盤固定部の拡大側断面図である。

【符号の説明】 ａ 建設用折畳み屋根盤 ｂ 建設用前方支保工 ｃ 建設用後方支保工 １ 一側主杆 ２ 他側主杆 ３ 折畳み横桟 ４ 筋交い ５ 屋根シート ６ 取付管 ７ 吊り具 ８ 雨誘導片 ９ 雨誘導覆い片 １０ 一側片 １１ 他側片 １２ ピン １３ ピン １４ ピン １５ 掛止め片 １６ 筋交い片 １７ ピン １８ 係止孔 １９ 取付棒 ２０ 梯子型建枠 ２１ 上方突出部 ２２ 外側縦杆 ２３ 取付金 ２４ 嵌合孔 ２５ ピン孔 ２６ 支持筒 ２７ 止ピン ２８ 横架材 ２９ 台板 ３０ 横筒 ３１ Ｌ形固定ボルト ３２ クランプ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前後の支保工上の横架材上に掛けわたし
   て順次並列載置する建設用屋根盤において、両側片の先
   端部をピンにより枢着して屈伸可能の折畳み横桟を形成
   し、Ｉ形鋼より成る前後方向の両側主杆に上記折畳み横
   桟の両側片の基部をピンによりそれぞれ枢着して上記両
   側主杆を複数個の上記折畳み横桟により開閉可能に連結
   支持し、Ｘ状で係脱可能の複数個の筋交いにより係止
   し、上記両側主杆の上部間に屋根シートを張設したこと
   を特徴とする建設用折畳み屋根盤。
2. 【請求項２】 屋根シートの両側端部を両側主杆に着脱
   可能に取付けたことを特徴とする請求項１記載の建設用
   折畳み屋根盤。