JP2827492B2 - 改質フラクトースポリマーの製造法 - Google Patents

改質フラクトースポリマーの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフラクトースポリマーの水分含有量を低下さ
せた後、次いでこれを乾式加熱して加水分解及び/また
は再重合を起こさせることを特徴とする改質フラクトー
スポリマーの製造法に関する。
〔従来の技術〕
フラクトースポリマーはイヌリン、レバン、フレイ
ン、イリシン等のように植物からの抽出や微生物による
発酵により製造されてきた。
これらの利用方法としては、ほとんどの場合さらに加
工され、例えば、酵素、酸等によりフラクトース、ジフ
ラクトースアンヒドリド等の単糖、オリゴ糖等の低分子
へ分解した上で甘味料、ビフィズス菌増殖剤等へ利用さ
れてきた。このようにこれまでフラクトースポリマーは
主としてフラクトース等の製造原料としての用途に限ら
れていた。
この原因としてフラクトースポリマーの溶解性、粘
性、無味等の諸物性が加工適性を欠いていること、すな
わち、水への溶解度が低い、溶解速度が遅い、溶液とし
たときの粘度が高い、粘度安定性に欠ける、高分子量で
は甘味を有しない等の性質であることがあった。
他方、フラクトースポリマーはグルコースポリマーで
あるデンプンと異なり、ヒトの消化酵素では消化されな
い難消化性糖質であることが公知である。難消化性糖質
を砂糖や油脂等の食品素材と同じように利用することが
できるならば、肥満、う食の増加または、成人病の予防
等に有用である。しかし、難消化性糖質であるフラクト
ースポリマーでは上記のように食品素材としての加工適
性が低いために利用されてこなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、食品素材としての加工適性に欠ける
溶解性、粘性、無味等の諸物性を改良する方法を見いだ
し、食品素材として好ましい物性を有するフラクトース
ポリマーの製造法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本研究の発明者らはこの課題を解決するために広くフ
ラクトースポリマーについて鋭意研究を重ねた結果以下
に記す方法によれば解決が可能であることを見いだし、
発明を完成するに至った。
本発明は、フラクトースポリマーの水分含有量を低下
させた後、加熱して加水分解及び/または再重合を起こ
すことを特徴とする改質フラクトースポリマーの製造法
に関する。
本発明の実施には、まず、β−2,1型及び/またはβ
−2,6型グリコシド結合を有するフラクトースポリマ
ー、例えば、イヌリン、レバン、フレイン、イリシン、
アスペルギルス シドウイ(Aspe rgillus sydowi)産
生フラクトースポリマー等または、それらの混合物等で
あればよい。これらを製造に用いる際の純度は、重合度
10以下の低分子が、加熱に際して褐変臭、着色、異味吸
湿性等を生じることもあるので含有されない方法がよ
い。
次に、該フラクトースポリマーの水分含有量を低下さ
せる。本操作を行うには、必要に応じて減圧下または常
圧下での加熱、常温での減圧乾燥、溶剤等による脱水等
の方法を用いればよい。水分含有量は原料となる該フラ
クトースポリマー及び/または生成物である改質フラク
トースポリマーの種類、分子量、重合度等によって決ま
る条件であるが、重合度10以下の低分子の生成を抑える
ためには、概ね10%(W/W)以下とすればよい。重合度1
0以下の低分子は、改質フラクトースポリマーの吸湿性
を増大させ、水アメ状とするので好ましくない。
次に、水分含有量を低下させた該フラクトースポリマ
ーを、その水分含有量を保ったまま常圧または減圧下加
熱し、加水分解及び/または再重合を起こせしめる。本
操作により該フラクトースポリマーは単分子当りの分岐
鎖、すなわち、1分子当りにグリコシド結合を3個以上
含有する構成糖すなわちフラクトース、の増加及び/ま
たは分子量分布の変化を見る。
本操作は、低水分含有量の維持可能な温度で、かつ、
加水分解及び/または再重合を起こし得る温度好ましく
は100ないし200℃にて行えばよい。200℃よりも高湿で
は該フラクトースポリマーの分解、すなわち、着色、臭
気の発生が著しく、場合によっては炭化することもある
ので、脱酸素条件下等での加熱が必要となる。本操作の
際の温度及び時間は該フラクトースポリマー及び/また
は改質フラクトースポリマーの種類、分子量、分岐鎖の
数等によって必要に応じて設定すればよい。例えば、分
子量約4000(重合度約30)のイヌリン(ダリヤ由来)で
は190℃にて1時間減圧下加熱することにより分子量分
布を変化させることなく改質され、分岐鎖の生成とそれ
に伴う溶解度の上昇を見る。本操作を経て製造された改
質フラクトースポリマーは上記の通り、加水分解及び/
または再重合することにより、分岐鎖に富み、複雑で多
様な構造に変化するために溶解性、粘性等の物性が好ま
しく変化する。また、分子量分布が制御されることによ
り粘性が変化する。驚いたことにはこのようにして得ら
れた改質フラクトースポリマー中にはオリゴ糖、単糖等
の低分子の生成は見られない。
例えば、上記のイヌリンでは室温における溶解度が0.
02%であったのが改質後20%にまで上昇した。また、1g
が水100mlに溶解するに要する時間は1.5分だった。ま
た、アエロバクター レバニカム(Aerobacter levanic
um)由来のレバンでは水分含有量を5%とした後150℃
にて5時間加熱した。5%水溶液の粘度は室温で改質前
182cpであったのが改質後25cpまで低下した。
また、加水分解及び/または再重合に触媒等は特に必
須ではないが、必要に応じて該フラクトースポリマーに
対して、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸もしくは酢酸等の
低分子有機酸等、または、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、
炭酸カリウム(K2CO3)等の金属炭酸塩等を濃度0.1〜1
%程度に溶解したものを、0.05〜5%添加することで、
より改質は促進される。触媒の添加は上記の通り、必須
ではないが、より低温で、短時間に加熱操作を終了する
必要がある場合に使用すればよい。また、触媒を使用す
れば、褐変、加熱臭、着色を比較的軽度に抑えることが
できる。
上記のようにして製造した改質フラクトースポリマー
は粉体であるのでそのまま使用してもよいし、必要に応
じて着色、臭い等を除くためにイオン交換、活性隅クロ
マログラフィー、限外濾過、逆浸透等により精製しても
よい。
以上のような乾式加熱は澱粉の改質法として知られ、
ばい焼デキストリンと称されて長い歴史を有し、糊液の
透明性、高溶解性、耐老化性を示すため食品をはじめと
する多くの工業製品に利用されている。
このように本改質フラクトースポリマーの製造法は安
全性の高い改質法であり、改質物も安全性が高い。
しかし、乾式加熱によりフラクタンの改質を行えるこ
とはこれまで、全く知られていなかった。よって、本発
明によれば、食品素材として利用する際の障害となった
フラクトースポリマーの特徴、例えば溶解性が低く、粘
度が著しく高い等の諸物性を好ましく改良することが可
能となり、良質な食品素材としてフラクトースポリマー
を提供することが可能となる。すなわち、本改質フラク
トースポリマーは低カロリーで溶解性が良好なことを利
用して賦型剤組成物の製造に使用できる。例えば、高甘
味度を有する甘味料、例えば、アスパルテーム、アセス
ルファムK、サッカリン、ステビオシド、またはそれら
の類縁体、またはそれらの混合物等の賦型剤組成物であ
ればよい。また、溶解性が高く、粘度が低いことを利用
して、油脂分を含む食品中の油脂を代替した食品の製造
に用いることもできる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、フラクトースポリマーの水分含有量
を低下させた後、次いでこれを乾式加熱して加水分解及
び/または再重合を起こすことを特徴とする改質フラク
トースポリマーの製造法を提供する。
次に実施例により本発明について説明する。
(実施例1) 分子量約4000(重合度約25)のイヌリン(ダリヤ由
来)5gを100mlナス型フラスコに入れ、ロータリーエバ
ポレーターで減圧下(20mmHg)、105℃にて1時間乾燥
した。この時の水分は5%だった。次いでそのまま触媒
を加えることなく、190℃にて1時間加熱した。
改質されたイヌリンは室温での溶解度は20%(改質前
0.02%)、1gが水100mlに溶解するに要する時間は1.5分
だった。分子量分布の変化はゲル濾過クロマトグラフィ
ーではなかった。
(実施例2) 分子量約1000万(重合度約105)のアスペルギルス
シドウイ(Aspergillus sydowi)産生フラクトースポリ
マー5gに0.1%塩酸2.5mlを加え、乳鉢でよく混合した。
常圧にて105℃、3時間乾燥した。このときの水分は3
%だった。次いで、150℃に昇温し、3時間加熱した。
改質されたフラクトースポリマーは室温での溶解度は
約40%(改質前15%)溶解速度は1gを水100mlに溶解す
るに5.5分(改質前10分以上)を要した。分子量分布は
約2万だった。
(実施例3) 分子量約1000万(重合度約105)のアスペルギルス
シドウイ(Aspergillus sydowi)産生フラクトースポリ
マー2gを100mlナス型フラスコに入れ、ロータリーエバ
ポレーターで減圧下(20mmHg)、90℃にて1時間乾燥し
た。この時の水分は6%だった。次いでそのまま触媒を
加えることなく、170℃にて3時間加熱した。
改質されたフラクトースポリマーは溶解速度は10mgを
水1mlに溶解するに1分を要した。
(実施例4) 分子量約100万(重合度約104)のアエロバクター レ
バニカム(Aerobacter levanicum)由来のレバン1gを
(実施例3)と同じ条件で改質した。
改質されたレバンは粘度は5%水溶液、室温で25cps
(改質前182cps)、溶解度は36%(改質前10%)だっ
た。分子量分布は約5万だった。
(実施例5) 下表の配合量に従い、KCl含有スパイスミックス粉末
を試作した。試作には実施例1のフラクトースポリマー
を使用した。
(A)では、フラクトースポリマーからなる白色沈澱を
生じた。
(B)では、均一な透明溶液を与え、沈澱は見られなか
った。
(実施例6) 下記の配合量に従い、低カロリーバタークリームを試
作した。実施例1と同様にして製造した改質フラクトー
スポリマーを50%(W/W)含むペースト、粉糖、バター
フレーバーを泡立て器にて2.5分ホイップしたものを30
℃にて3分ホイップしたショートニングを加えた。泡立
て器にて30秒混合した後、レシチン0.03gを加えて、ホ
モジナイザーで1.5分間ホモジナイズした。5℃に1時
間冷蔵し、低カロリーバタークリームを調製した。
通常の配合に対してショートニング50%を改質フラク
トースポリマーのペーストにて代替した。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フラクトースポリマーの水分含有量を低下
    させた後、次いでこれを乾式加熱して加水分解及び/ま
    たは再重合を起こさせることを特徴とする改質フラクト
    ースポリマーの製造法。
  2. 【請求項2】原料となるフラクトースポリマーがβ−2,
    1型および/またはβ−2,6型グリコシド結合を有する重
    合度10ないし106のフラクトースポリマーであることを
    特徴とする請求項(1)記載の改質フラクトースポリマ
    ーの製造法。
  3. 【請求項3】原料となるフラクトースポリマーの水分含
    有量を10%以下とした後、100ないし200℃にて乾式加熱
    することを特徴とする請求項(1)記載の改質フラクト
    ースポリマーの製造法。
  4. 【請求項4】請求項(1)記載の改質フラクトースポリ
    マーを含有することを特徴とする賦型剤組成物。
  5. 【請求項5】請求項(1)記載の改質フラクトースポリ
    マーとともに高甘味度を有する甘味料を含有することを
    特徴とする甘味組成物。
  6. 【請求項6】請求項(1)記載の改質フラクトースポリ
    マーを油脂に代替して用いることを特徴とする食品。
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