JP2818935B2 - ヘアキャップ及び育毛・発毛用真空含浸装置 - Google Patents

ヘアキャップ及び育毛・発毛用真空含浸装置

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JP2818935B2
JP2818935B2 JP35901896A JP35901896A JP2818935B2 JP 2818935 B2 JP2818935 B2 JP 2818935B2 JP 35901896 A JP35901896 A JP 35901896A JP 35901896 A JP35901896 A JP 35901896A JP 2818935 B2 JP2818935 B2 JP 2818935B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、育毛・発毛用真空
含浸用ヘアキャップ及び真空含浸装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】育毛剤の研究は、需要の高まりに対応し
て世界各国で活発に行われており、優れた育毛・発毛作
用をもった種々の育毛剤が開発されている。この育毛剤
は、一般に、栄養補給剤、血管拡張剤、ホルモン剤等に
より毛根を活性化するもので、これらの有効成分が溶剤
により調整され、薬液として使用されている。従来、こ
れらの育毛剤の薬液を使用する場合、頭皮に薬液を塗布
し、指先で頭皮を揉んだり、あるいは軽く叩く等の処置
を施して、薬液が毛穴に染み込むようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように頭皮に薬液を直接塗布して使用する場合、図1に
示すように頭皮の毛穴に生じた皮脂肪によって毛穴の小
溝に皮膜層が形成されているため、この皮膜層が「バリ
ヤー」となって毛穴への薬液の侵入を遮断し、育毛剤が
毛根に達しにくい状況にある。従って、育毛剤の薬液を
多量に塗布しても、薬液が毛根に供給される量が少な
く、育毛剤が十分に生かされないものになっている。こ
れに対し、皮膜層溶解剤を配合して皮膜層構成物を溶か
して薬液の浸透を促進するようにした育毛剤があるが、
毛穴の奥まで十分に皮膜層構成物を取り除くことは困難
であり、また、十分に皮膜層構成物を取り除いたとして
も、薬液の表面張力が比較的大きいため、毛穴の奥まで
薬液が浸透しにくく、育毛剤が毛根に作用しにくいもの
であった。
【0004】本発明は、このような現状に鑑みなされた
もので、毛穴の奥まで育毛剤を十分に浸透させること
で、毛根に育毛剤を効率良く供給し、毛根の活性化を促
進するようにした育毛・発毛用真空含浸用ヘアキャップ
及び真空含浸装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本請求項1記載の発明
(本第1発明という。以下も同様に表記する。)のヘア
キャップは、排気口、吸気口及び注入口を備えるヘアキ
ャップ本体と、該ヘアキャップ本体に配設され、頭部と
該吸気口との間を区画するように配置される通気性頭部
支持部と、を備えたことを特徴とする。この通気性頭部
支持部が頭部から区画するものは、少なくとも吸気口と
であればよいが、吸気口、排気口及び薬液注入口の全て
を区画するのが好ましい。この吸気口と排気口とは、別
々に形成されていてもよいし(図5参照)、両者を兼用
した1つの吸排気口でもよい(図6参照)。本発明にお
いてはこの両者を含む意味に用いる。また、上記ヘアキ
ャップ本体の開口側外周縁部は、第発明に示すよう
に、弾性素材からなる円筒状の頭部遮蔽部が配設され、
真空状態とされた場合の密閉性を向上させたものとする
ことができる。
【0006】上記「ヘアキャップ本体」の材質は、賦形
性を確保できる程度以上の剛性があればよいが、硬質性
のものが好ましい。この材質としては、例えば、金属、
樹脂(硬質樹脂及び軟質樹脂を問わない。)、ゴム、セ
ラミック、ガラス等とすることができ、好ましくは、樹
脂又は金属である。ゴムの場合には硬質ゴムが好ましい
が、比較的柔らかい軟質ゴムを用いる場合は、その肉厚
を厚くすることによって、十分に好適に使用できる。ま
た、このヘアキャップ本体の大きさ、形状も特に問わ
ず、被施術者の頭を覆ったりできるものであればよい。
【0007】上記「頭部遮蔽部」とは、ヘアキャップ本
体の開口側に設けられ、頭部を完全に覆うとともに、真
空状態において頭部との接触面を多くして、頭部との密
着性を高めるものである。この頭部遮蔽部は、別体で脱
着可能のように組み付けてもよいし(図5、図9、図1
0、図12及び図13参照)、一体物(例えば一体成形
物でもよい。)でもよい。この頭部遮蔽部の材質は、弾
性材料からなり、例えば、柔軟性のあるゴム〔シリコン
ゴム、ウレタンゴム、SBR等の合成ゴム、天然ゴム、
エチレン−プロピレンゴム(EPR又はEPDM)
等〕、又は軟質樹脂(軟質塩化ビニル等)とすることが
できる。これらのうち、特に、安全性、耐久性等の点か
ら、シリコンゴムが好ましい。また、頭部との接触部分
は平滑面でもよいし、突起等を設けて粗面としてもよ
い。
【0008】更に、上記頭部遮蔽部の下方側外周縁部に
は、第発明に示すように、内部に通気室を有する外部
エアバンドが周方向に沿って環状若しくはスパイラル状
に配設され、該通気室は、気体を送り込まれて膨張し、
円筒状の頭部遮蔽部の下方の開口を狭めるものとするこ
とができる。この外部エアバンドの膨張させることによ
って頭部の周囲に頭部遮蔽部を押しつけ、頭部と頭部遮
蔽部とを強固に且つ確実に封止することができる。この
外部エアバンドの材質は、膨張と収縮又は折り畳みでき
るものであれば特に問わないが、通常はゴムである。ま
た、この通気室に充填される気体の種類も問わないが、
通常は空気である。更に、外部エアバンドを頭部被覆部
に巻き付ける回数は1周だけでもよいが、複数周(好ま
しくは2〜5周程度、例えば図5の3周等)、巻き付け
るのが好ましい。尚、頭部遮蔽部を頭部に密着する方法
として、エアバンド以外にも紐やゴムバンド等の密着用
部材を用いることができる。
【0009】更に、上記頭部遮蔽部の下方側内周縁部に
は、第発明に示すように、内部に通気室を有する内部
エアバンドが周方向に沿って環状若しくはスパイラル状
に配設され、該通気室は、気体を送り込まれて膨張し、
円筒状の頭部遮蔽部の下方の開口を狭めるものとするこ
とができる。この通気室の形状は環状若しくはスパイラ
ル状以外にも特に問わず、格子状等とすることができ
る。また、断面形状も円形、楕円形、扇型又は方形等、
特に問わない。
【0010】また、上記頭部遮蔽部の内側には、第
明に示すように、その周方向に沿って、リング状又はス
パイラル状の線状突起部が形成されているものとするこ
とができる。更に、上記頭部遮蔽部の下方側は、第
明に示すように、その上方側と比べて中心方向に曲げら
れており、下方側が縮径状態、即ち下方側(下端側)が
すぼんだ形状とすることができる。Rの場合は、上端か
ら下端まで連続的に縮径となってもよいし、下方側で人
の頭部と接触する領域から下端までを縮径させてもよ
い。また、上記通気性頭部支持部と上記頭部との間に
は、第発明に示すように、被除去物を付着させて除去
させるための被除去物付着用フィルタを配設したものと
することができる。
【0011】上記「通気性頭部支持部」は、ヘアキャッ
プ本体に設けられる排気口と頭部との間に設けられ、真
空にした場合においても頭部がヘアキャップ本体の内面
側に接触しないように頭部を保護し、支持するために設
けられる。この通気性頭部支持部はヘアキャップに取着
される。この取着する位置については、ヘアキャップ本
体の開口側縁部の外周側(図5参照)、ヘアキャップ本
体の内壁側(開口側縁部の下方側でもよいし、その中間
部でもよいし、上方側でもよい。)、他の部材(例えば
図11の密着用部材13A)等とすることができる。更
に取着する方法についても、通常実施される範囲で選択
することができるし、通気性頭部支持部はヘアキャップ
から脱着できなくてもよいが、脱着できるものが好まし
い。
【0012】通気性頭部支持部は通気性があって、頭部
を支持可能なものであればよい。そのため、これに用い
られる素材としては、その表面と裏面とに連通又は貫通
した孔や、空間を持つものである。例えば、網状体、
ヘアキャップに使用されるような帯若しくは紐で交差
状又はネット状に配置・形成して頭部を支持できるも
の、貫通孔を備えるシート状体若しくは板状体等が挙
げられる。また、この形状も、特に問わず、シート状、
平板状(図5参照)、半球形(図11参照)等を挙げる
ことができるし、剛性(金属製、樹脂製等)があっても
よいし、紐等のように全体として柔軟性があってもよ
い。
【0013】上記「被除去物付着用フィルタ」は、通気
性頭部支持部と、頭部との間に区画するように設けられ
る。また、本フィルタは付着物を容易に脱離しないもの
なら、通常に使用されるものを選択すればよく、織布、
不織布(布繊維製でも紙繊維製でもよい。)、紙等を挙
げることができる。特に、紙パルプを用いた不織布又は
紙を用いるのが好ましい。更に、本フィルタは吸油性で
あるのが望ましい。また、形状についても頭皮及び通気
性頭部支持部を覆うことができれば特に問わない。更
に、配置する手段についても通常実施される範囲例で選
択することができる。この配置する手段の例として、
通気性頭部支持部に本フィルタの一部又は全体を取着す
る(図5参照)、頭部上に載せる(図11参照)等が
挙げられる。
【0014】上記「育毛・発毛用」とは、育毛用又は発
毛用に限定されず、養毛用をも含む意味に用いる。ま
た、上記「育毛剤」とは、発毛剤又は養毛剤をも含む意
味に用いる。以下についても同様である。
【0015】また、上記「育毛剤」の種類及び形態につ
いては、特に限定されないが、市販されている液状育毛
剤であれば特に問題なく使用することができる。また、
固形状であっても溶剤に溶かして使用できる育毛剤なら
特に問わない。尚、これらの有効成分の濃度を調整する
溶剤としては特に問わず、例えばエタノール、精製水等
を使用することができる。
【0016】上記「育毛剤」に配合可能な有効成分は、
栄養補給剤としては、ビタミン類のパントテン酸カルシ
ウム、ビタミンAアセテート、バントテニルアルコー
ル、塩酸ピリドキシン、アミノ酸類のメチオニン、セリ
ン等を使用することができる。また、血管拡張剤として
は、酢酸α−トコフェロール、塩化カルプロニウム、ス
ウェルチノーゲン(センブリエキス)が挙げられる。更
に、刺激剤としては、トウガラシチンキ、ニコチン酸ベ
ンジル、ノニル酸バニリルアミド、1−メントール、朝
鮮人参を使用することができる。そして、ホルモン剤と
しては、女性ホルモン(エチニルエストラジオール、ジ
プロピオン酸エストラジオール)等を用いることができ
る。また、ペンタデカン酸グリセリド(PDG)を有効
成分にしたものを用いると、極めて優れた育毛効果が期
待される。
【0017】また、育毛剤の薬液は、真空状態の密閉室
に散布され、霧状で頭皮及び毛穴内の毛乳頭に供給され
ることとなる。従って、薬液の表面張力が比較的大きく
ても、毛穴内に薬液を浸透させることができることか
ら、育毛剤の有効成分の濃度を高めたものを真空含浸専
用の薬液として使用することができ、育毛剤の作用を格
段に向上させることが可能である。尚、点滴針等で液滴
として供給することもできる(図7、図8参照)。
【0018】本第発明の育毛・発毛用真空含浸装置
は、前記発明に示される各ヘアキャップと、該ヘアキャ
ップの排気口に接続され、該ヘアキャップと頭皮とによ
って形成される密閉室を真空状態に保持するための真空
ポンプと、該ヘアキャップの上記注入口に供給される育
毛剤の薬液を貯留する薬液貯留容器と、を備えたことを
特徴とする。
【0019】この装置において、上記ヘアキャップ外部
の空気を前記吸気口に導入可能な真空解放バルブを、上
記吸気口に連通する吸気通路に設けたものとすることも
できる。この装置は、真空解放バルブを備えるため、真
空ポンプにより作りだされる真空状態と、真空状態にお
いて真空解放バルブが開放されることにより作りだされ
る真空状態の低減・解除状態と、を簡単に作りだし、繰
り返すことができる。これにより、育毛剤が効果的に頭
皮を浸透するものである。
【0020】この装置を用いて実施される「育毛・発毛
用真空含浸方法」は、通常、以下の工程を順次備える。
即ち、ヘアキャップを頭部に取り付けるとともに、そ
の際 にヘアキャップと頭部との間にフィルタを配設し
て、頭皮の密閉及びフィルタの配置を行う工程と、頭
皮とヘアキャップとによって形成される密閉室の空気を
排気して真空状態にし、頭皮の毛穴内に充填されている
被除去物(通常は油脂性の老廃物である。)を吸い出
し、被除去物をフィルタに付着させて除去する工程と、
密閉室内の真空状態を解除して、密閉室内のフィルタ
を除去する工程と、密閉室の空気を再び排気し、密閉
室を真空状態に保持する工程と、真空とされた密閉室
内に育毛剤を供給する工程と、密閉室内に気体を導入
して真空状態を低減若しくは解除させ、頭皮の毛穴内に
育毛剤を浸透させる工程、とすることができる。さら
に、上記各工程を更に1回以上繰り返したり、あるいは
フィルタの設置を省略するなど、必要に応じて種々変更
することができる。
【0021】上記「真空状態」の程度については、特に
限定されず、被施術者の個人差によって異なる。即ち、
低真空でも、中真空でも、高真空でもよいが、100t
orr以下の真空、特に10torr以下の真空の状態
にするのが望ましい。この程度の真空にすると、毛穴の
大きさ及び頭皮の柔軟性との関係で、薬液が毛穴に入り
やすくすることができるし、また、薬液の含浸時間を短
くすることができる。真空の程度は、一般に太毛の人の
場合には高真空の圧力に設定し、細毛の人の場合は、中
真空の圧力に設定するとよい。また、個々の髪質、頭皮
の状態に最も適した圧力状態をチェックして個人用のカ
ルテ等を作成し、このカルテに沿って真空度を設定する
ことができる。
【0022】また、「真空状態を低減する」とは、上記
真空状態より気圧を高めることをいう。そして、その気
圧の程度は特に問わない。この例として、大気圧や、そ
の真空状態と大気圧との任意の間の気圧とすることがで
きる。尚、大気圧よりも高圧とすることができる。更
に、「真空状態を解除する」とは、上記真空状態の気圧
を大気圧にすることをいう。
【0023】上記「真空手段」については上記真空状態
をつくることができる手段ならば特 に問わないが、回転
ポンプ、ピストンポンプ、拡散ポンプ、エジェクターポ
ンプ、拡散エジェクターポンプ、ジェットポンプ(噴流
ポンプともいう)等を用いることができる。
【0024】
【作用】一般に、毛髪は、図1に示すように、毛根2が
皮下組織に達しており、毛乳頭3から栄養分を吸収して
成長する。頭皮4からやや下層部に皮脂胞5があり、こ
の皮脂胞5から生じる脂肪分が毛穴の表層部に皮膜層M
を形成している。頭皮に育毛剤を供給する場合、この毛
乳頭3を刺激して毛根2を活性化することが望ましいと
考えられる。また、育毛剤は、皮膜層M下の毛乳頭3へ
供給し、刺激することが望ましいと考えられている。
【0025】本発明のヘアキャップ及び育毛・発毛用真
空含浸装置により実施される育毛・発毛用真空含浸方法
は、より具体的に説明すると、以下に示す方法とするこ
とができる。まず、頭皮4を洗浄して図1に示す、毛
穴上方に位置する皮膜層Mを取り除く。次いで、図2
に示すように、頭皮4を真空状態に保持することで、頭
皮を吸い上げ毛穴Hを開いた状態にする。これによっ
て、毛穴Hの空気を外部に吸い出し、同時に毛穴H中に
残る皮膜分も除き、この除去する被除去物(通常、油脂
性の老化物)をフィルタに付着させる。その後、いっ
たん、真空状態を解除して、皮膜分が付着したフィルタ
を除去する。再び、頭皮4を真空状態に保持する。更
に、頭皮4の表面上の空間に育毛剤を供給させた後、
この真空状態を開放すると、図3に示すように、毛穴
Hに空気が流入し、この時、育毛剤がこの流入空気とと
もに毛穴Hの奥まで浸透する。更に、必要に応じて、上
記工程のうちの所望工程、例えば〜の工程を繰り返
し(1〜80回)毛穴Hへ十分に育毛剤を供給する。
【0026】尚、及びの工程を省略し、フィルタを
除去せずに育毛剤を供給してもよい。また、及びの
工程を予め1〜80回行ってから、及びの工程を
1〜80回行ってもよい。また、〜の工程は、最低
1回とすることができるが、複数回これらの工程の一部
又は全てを繰り返すのが好ましい。この繰り返す回数と
しては、1〜100回、好ましくは10〜80回、更に
好ましくは30〜50回繰り返すのが好ましい。100
回以上は、全工程に必要な時間が多くなってしまうし、
頭皮に負担がかかりすぎるので、避けるのが好ましい。
更に、及びの工程と、及びの工程を分けて繰り
かえす場合においても、全体の真空にする工程を100
回を越えないのが好ましい。また、各繰り返しの工程の
間に数分から数十分の休憩を入れて頭皮を休ませること
もできる。この場合は、真空にする工程を100〜20
0回まで増やすことができる。
【0027】
〔実施例1〕
(1)真空含浸装置及びヘアキャップの構成 先ず、本実施例で用いた真空含浸装置を図4及び図5に
示す。真空含浸装置1は、ヘアキャップ10、真空ポン
プP1、P2、及び薬液貯留容器38を備える。ヘアキ
ャップ10の排気口15、注入口16及び吸気口17に
それぞれ排気ホース32、薬液供給ホース43及び吸気
ホース31が接続されている。
【0028】ヘアキャップ10内の空気は、真空ポンプ
P1、P2により排気ホース32を介して排出され、真
空状態に保持される。ヘアキャップ10内の気圧は、圧
力計41により測定可能になっている。また、各ホース
の制御バルブについては、排気ホース32に真空保持バ
ルブ39が設けられ、吸気ホース31には、真空開放バ
ルブ40が設けられる。薬液供給ホース43には、薬液
バルブ42が設けられている。図5に示すように、ヘア
キャップ10は、ヘルメット形のキャップ本体12に円
筒状の頭部遮蔽部材(シリコンゴム製)11と通気性頭
部支持部18とが、金属バンド23によって組み付けら
れ、そして固定されている。
【0029】ヘアキャップ本体10の構成材料について
は、金属製又は硬質樹脂製であり、減圧に対して十分な
強度を保つ。キャップ本体12の頂部には、ジョイント
14が形成されており、このジョイント14の軸方向
に、吸引口15、注入口16及び脱気口17がそれぞれ
形成されている。各ホース31、32、43の先端は、
各口15、16、17にインサート成形により固定され
ている。また、注入口16の開口部には噴霧ノズル20
が取付けられる。噴霧ノズル20は、円錐台形の板状の
もので、板面に貫通して細孔が多数形成されている。
【0030】通気性頭部支持部18は、キャップ本体1
2の開口端部に固定される樹脂製網状体又は金属製網状
体であり、後述する頭部遮蔽部11とともに、金属バン
ド23を用いて、一体的に組み付けられそして固定され
ている。この通気性頭部支持部18によって頭部6を吸
引口等に接触をおこさないように保護する。尚、この通
気性頭部支持部18は、四角形状の連通孔(10〜50
mmの大きさ)がネット状に配列形成された略円板形状
をしている。そして、この頭部支持部18の外周端側に
は、ヘアキャップ本体12の開口側外周端部に嵌合可能
のように、上方に向けられた襞部181が形成されてい
る。
【0031】頭部遮蔽部11は、柔軟性を持ったシリコ
ンゴム製であるので、ヘアキャップ本体の外周にしっか
りと嵌め合わすことができ、真空状態となると頭部にし
っかりと密着する。従って、十分な気密性を保つことが
できる。この頭部遮蔽部11内に頭部6を入れ、頭部遮
蔽部11をエアバンド13によって締めつけることで、
エアキャップ10内の密閉室Rの気密性を、更に高める
ことができる。更に、頭部遮蔽部11には、内部に通気
室(図示しない。)を有するエアバンド13が3重に巻
き付けられている。このエアバンド13は、網糸に覆わ
れた耐圧シリコンゴム製チューブであり、このチューブ
の適宜場所に、空気を送気するための送気口(図示しな
い。)が設けられている。そして、この送気口に、送気
管を介して、コンプレッサー(図示せず)に接続され圧
縮空気を充填する。フィルタ19は、通気性頭部支持部
18と頭部6の間に設けられ、吸油性に優れる紙パルプ
製不織布(不織布状紙)又は繊維製不織布を用いる。こ
のフィルタ19は特に固定手段を設けずに頭皮に載せる
ようにかぶせている。
【0032】真空ポンプP1、P2は、低真空用と高真
空用の2種のポンプが採用され、排気ホース32の三方
弁34により切り換え可能になっている。低真空用の真
空ポンプP1には、回転ポンプ、ピストンポンプ等が用
いられ、また、高真空用の真空ポンプP2には、拡散ポ
ンプ、エジェクターポンプ、拡散エジェクターポンプ等
が用いられる。薬液貯留器38には、所定の育毛剤の薬
液が注入され、薬液バルブ42を操作することで、薬液
供給ホース43を介して薬液がヘアキャップ10内の密
閉室Rに送られる。
【0033】以上より、上記通気性頭部支持部18及び
頭部遮蔽部11は、金属バンド23を用いてヘアキャッ
プ本体12の開口端部の外周に締めつけることによって
固定されている。この為、接続部分の気密性が保たれて
るし、容易に取り外しができるので、大きさが異なる頭
部遮蔽部11に交換して異なった被施術者の頭の大きさ
に対応できるし、キャップ本体12の清掃が容易にな
る。また、フィルタを使用するので、被除去物をこのフ
ィルタに付着させて除去できるのて、ヘアキャップ本体
内部及び配管系統を汚染することもない。また、このフ
ィルタを取り替えることで、容易に被除去物の除去工程
を繰り返すことができるし、各被施術者毎に別の清潔な
フィルタを使用することができる。
【0034】 (2)真空含浸装置の使用方法 次に、上記真空含浸装置の使用方法を説明する。 先ず、被施術者の頭部を研磨剤入りのシャンプーを塗
布してマッサージし、頭皮の被除去物(老廃物等)を洗
い落とす。研磨剤を入れるのは、頭皮表面の毛穴に詰ま
った皮膜層構成物を効率よく剥すためである。洗浄後
は、タオル等で頭皮の水分を拭き取っておく。 その後、被施術者の頭部に、紙パルプ繊維等により構
成された不織布製フィルタ19を載せ、ヘアキャップ1
0を取り付けて頭皮を密閉状態に保つ。この時、額から
後頭部にかけて頭部遮蔽部11上からエアバンド13を
3周程巻き付けて固定し、更にエアバンド13内に圧縮
空気を送ることでヘアキャップ13内の密閉室Rの気密
性を高める。また、頭部と頭部遮蔽部11との接触部分
を水で濡らしておくと、水滴が頭部と頭部遮蔽部11と
の僅かな隙間に充填されるため、密閉室Rの気密性を高
めるには効果的である。
【0035】 次いで、真空ポンプP1、P2を順に作動させて密閉
室Rの空気を排気し、密閉室Rを真空状態にする。真空
圧の設定値は、被施術者の毛髪、頭皮の状態により異な
るが、10torr以下に低下させることが望ましい。
このように密閉室Rが真空状態にする際に、毛穴等に残
存する被除去物も吸い出され、排気口への経路の途中に
あるフィルタに付着する。ここで、真空ポンプP1、P
2の使用方法については、例えば、先ず、真空ポンプP
1で760〜60torr程度の真空となるまで補助排
気を行い、次いで、真空ポンプP2に切り換えて10t
orr以下の目標値まで真空度を上げる。これにより、
各真空ポンプに過大な負荷を与えることなく、比較的容
易に目標とする真空状態を実現することができる。尚、
真空圧の設定値が60torr程度と比較的高い圧力の
場合については、真空ポンプP1のみを作動させること
で、十分に真空状態を保持することが可能である。従っ
て、必要に応じて真空ポンプP2を使用せずに、真空ポ
ンプP1のみを使用するようにしてもよい。
【0036】 その後、密閉室R内が所定の真空圧に達したことを圧
力計41で確認して真空保持バルブ39を閉じた後、真
空開放バルブ40を開にして密閉室Rに外気を送り、密
閉室R内を大気圧に戻す。 次いで、上記の及び工程を10程度繰り返したの
ち、ヘアキャップ10を頭部6から外し、被除去物が付
着したフィルタ19を除去する。この後、再び工程と
同様に頭部6にヘアキャップ10を装着する。 その後、上記の工程と同様に密閉室R内を真空に
し、密閉室R内が所定の真空圧に達したことを圧力計4
1で確認して真空保持バルブ39を閉じた後、すぐに薬
液バルブ42を開いて薬液を密閉室Rに噴霧する。この
時、密閉室R内は真空状態であるため、薬液が瞬間的に
密閉室Rで超微粒子となって拡散する。薬液の供給量に
ついては、育毛剤の種類、濃度、密閉室の容積等によっ
て異なるが、有効成分が密閉室に十分に充満する程度の
量とする。例えば、1回の施術あたり薬液の使用量は、
5〜20ml程度に使用するように調整することが望ま
しい。尚、薬液の濃度については、表面張力の影響が少
ないため、通常の育毛剤の使用時よりも高い濃度で用い
ることができる。
【0037】 次いで、真空開放バルブ40を開にして密閉室Rに外
気を送り、密閉室Rの内気圧を瞬間的に上昇させ、密閉
室Rを大気圧に戻す。すると、図3に示すように、空気
の流入にともなって密閉室Rに拡散した薬液の一部が毛
穴に吸い込まれ、毛根H付近まで浸透する。尚、薬液の
供給により直ちに大気圧になってもよい。この場合に
は、薬液の供給量が多い場合である。 その後、上記及び工程を30回程度繰り返したの
ち、ヘアキャップ10を取り外し、温熱スチーマーにて
頭皮を乾燥させる。望ましくは、水蒸気に0.1ppm
以下のオゾンを含有させると、頭皮を刺激して毛根に刺
激を与え、育毛剤の育毛作用を更に促進することができ
る。
【0038】このように上記〜による真空含浸方法
を行うと、毛穴に育毛剤が吸い込まれることになり、よ
り確実に薬液を毛根に供給することができる。従って、
育毛剤の有効成分の作用を十分に引き出すことができ、
より短期間で発毛・育毛効果を発揮させることができ
る。また、上記〜の全工程は、1分あたりで10〜
20回という、比較的短時間で行うことができるため、
装置一台当たりで施術可能な人数が比較的多いものとな
る。従って、施術者にとっても、施術時間が短くなるこ
とから、定期的に行っても面倒になりにくいものであ
る。
【0039】更に、真空状態である時間を短時間にし、
複数回繰り返して各工程を行うことによって、頭皮への
刺激を減らしつつ、十分に育毛剤を毛穴へ含侵させるこ
とができる。また、洗浄工程後に、頭部にスチームを
あてたり、加熱して湿らしたタオルを載せたりして、頭
部を蒸らしておくことができる。頭部を蒸らしておく
と、毛穴が開いたりするし、洗浄工程では落としきれ
なかった皮膜層構成物等を浮かし、以降の工程がより
効果的に機能する。
【0040】〔実施例2〕 本実施例は、半球形状の通気性頭部支持部18A及びリ
ング状の頭部遮蔽部11Aを用い、且つ吸気口と排気口
を兼用した構成を用いたものである。本実施例の真空含
浸装置を図6に示す。この真空含浸装置30は、排気ホ
ース32と吸気ホース31とを通気ホース33に接続
し、三方弁34により空気通路を切り換え可能にしたも
のである。また、ヘアキャップ35は、頂面に注入口3
6が形成され、側面に通気口37が形成される。本ヘア
キャップ本体の下方内周側に、頭部を密着させるための
ゴム製リング状の頭部遮蔽部材(密着用部材)11Aが
設けられている。尚、このヘアキャップ本体(シリコン
ゴム製又は軟質塩化ビニル樹脂製等)と頭部遮蔽部材1
1Aとは一体形成されている。そして、この頭部遮蔽部
材11Aに、半球形状の通気性頭部支持部18Aが取り
付けられている。尚、図11に示すように、エアバンド
を密着用部材としてゴムバンド11Aとは一体ではな
く、別体とすることもできる。この図の23は金属バン
ド、19Bはフィルタを示す。更に、この図11に示す
ように吸気口と排気口とを別々に設けてもよい。
【0041】更に、ヘアキャップ35内の空気を排出す
る場合、図6に示すように、三方弁34を排気ホース3
2側にし、バルブ39を開にして真空ポンプPを作動さ
せる。ヘアキャップ35内の真空圧は、通気ホース33
の圧力計41で確認することができる。また、真空状態
を開放する場合は、三方弁34を吸気ホース31側に切
り換え、バルブ40を開いて吸気ホース31及び通気ホ
ース33を介してキャップ内に外気を送り込む。以上の
ように、本実施例では、ヘアキャップ本体と頭部遮蔽部
材11Aとは一体形成されているので、ヘアキャップの
構成が簡単である。また、このように実施例2の真空含
浸装置の場合、通気ホース33が脱気と吸気の兼用ホー
スとして用いられるため、配管構成が簡単になり、ヘア
キャップの気密性が更に向上することになる。
【0042】〔実施例3〕 本実施例による真空含浸装置50は、吊り下げ型の薬液
供給容器51と針付きチューブ52とにより薬液の供給
を行うようにしたものである。本真空含浸装置を図7及
び図8に示す。図7に示すように、薬液供給容器51
は、支柱53の所定の高さ位置に吊り下げられ、ゴム栓
51aが下方に向けてセットされる。シリコンゴム等か
らなる針付きチューブ52は、両端に点滴針が取り付け
られており、一端の針54が薬液貯留容器のゴム栓51
aに挿入され、図8に示す他端の針55がヘアキャップ
56のゴム栓58に挿入される。ゴム栓58の形状は、
先端部に筒体58aが形成され、この筒体58a内に針
55の先端が納まるようになっている。尚、筒体58a
は、針55が筒体58aの下方に突出するのを防止する
ため、容易に変形しない材質で形成されている。
【0043】ヘアキャップ56への薬液の供給量は、図
7に示すチューブ52の流量調節弁59により調節可能
になっており、また、流量調節弁59の上流側には、チ
ューブ52の潰れを防止する負圧制御筒60が設けられ
ている。実施例3によると、薬液供給容器51及び針付
きチューブ52の取付け及び取替え作業が容易になるた
め、施術作業の効率化を図ることができる。また、ヘア
キャップ内の気密性が良好になり、しかも、薬液の供給
量の調節を極めて容易に行うことができる。
【0044】〔参考例本参考例 は、図14〜図19に示すように、頭皮の任意
の位置に吸盤を用いて真空含浸を行うものである。この
吸盤61は、図14に示すように、ゴム、樹脂等の弾性
体からなるもので、天井部61aに通気口62を有し、
更に開口周縁部の底面には、リング状の線状突部(例え
ば66a、66bの2本)が形成されている。また、リ
ング状の線状突部の代わりにスパイラル状の線状突部と
してもよいし、その数、線幅、突部の断面形状等も特に
限定されない。尚、この線状突部を備えないものを使用
することもできる。また、リング状又はスパイラル状の
線状突部の代わりに、イボ状の島状突部を多数、底面に
形成させてもよい。円形の吸着部61bの内部に密閉室
Rが形成される。尚、この吸盤の平面形状は、円形に限
らず、四角形、六角形、楕円形等とすることができる。
【0045】真空含浸を行う場合、図15に示すよう
に、頭皮の所定位置に育毛剤を滴下し、育毛剤を密閉す
るように頭皮に吸盤をセットする。次いで、通気口62
を掌で塞ぐようにして天井部61aを数回押してポンプ
動作を繰り返し、通気口62から密閉室R内の空気を抜
いて真空状態に保つ。その後、吸盤61から手を離す
と、密閉室Rに通気口62から外気が流入し、真空状態
が開放され、頭皮に付着した育毛剤が毛穴に吸い込まれ
て浸透する。
【0046】ここで、前記吸盤61による真空含浸方法
をより具体的に説明するため、ラバー板を用いた実験例
を図16〜図19に示す。実験方法は、図16に示すラ
バー板65に所定径の細孔65aを複数個形成し、この
細孔65aに前記吸盤61を用いて育毛剤を真空含浸さ
せることにより行った。まず、図16に示すように、ラ
バー板65に数mmリットルの育毛剤の薬液Lをスポイ
トで滴下する。このとき、薬液Lの表面張力によって各
細孔65aにはほとんど液は入らない。
【0047】次に、図17に示すように、薬液Lを覆う
ようにラバー板65の表面に吸盤61を押し当て、通気
口62を手で塞ぎながら天井部61aを数回押して密閉
室Rの空気を抜く。このとき、密閉室R内は凸部66
a、66bによって気密性が保たれるため、真空状態に
保持され、細孔65aの空気は、気泡となって薬液表面
にあらわれる。その後、図18に示すように、通気口6
2を開放し、密閉室Rに外気を導入すると、薬液Lの一
部が細孔65aに吸い込まれる。図19に示すように、
ラバー板65を撓ませて細孔65aを開くと、細孔65
aに吸い込まれた薬液Lを容易に確認することができ
る。
【0048】参考例によれば、簡易型の吸盤を用いるこ
とで、所望の位置に真空含浸を行うことが可能になる。
従って、頭皮の毛の少ない位置に部分的に真空含浸を行
ったり、また、頭部に限らず、体表面の任意の位置に育
毛剤を真空含浸させることができる。更に、吸盤と育毛
剤とをセットにして用いることで、家庭などで手軽に真
空含浸を行うこともできる。更に、開口周縁部の底面
に、リング状の線状突部が形成されているので、吸引し
た場合の密着性に優れる。また、この各線状突部が互い
に繋がっていない、独立した閉鎖リングのため、この2
つのリング状突部が漏れ防止用の二重壁となって、空気
の漏れを効率的に防ぐことができる。
【0049】尚、参考例では、吸盤の天井部に通気孔を
設けて手で塞ぐ構成としたが、その他の変形例として
は、通気孔に逆止弁等を設けてもよい。また、天井部に
吸引ホースを接続して真空ポンプにより真空状態を保つ
ようにすることも可能である。
【0050】尚、本発明においては、上記具体的な実施
の形態に示すものに限らず、目的、用途に応じて本発明
の範囲内で種々変更した別の実施の形態、変形的な形
態、別の実施例、変形例とすることができる。各実施例
において、頭皮があらかじめ清浄となっている等の場合
は頭皮の洗浄工程を省略し、頭部にヘアキャップを取り
付けて、以降の工程を行うことができる。
【0051】フィルタ19は途中の工程において除去す
ること無く、フィルタ19を入れたまま最終工程までを
実施することができる。また、フィルタ19は、ヘアキ
ャップ本体12、頭部遮蔽部11又は通気性頭部支持部
18に固定して使用してもよい。要は、このフィルタ1
9は、頭部と吸排気口との間に配置されればよい。更
に、このフィルタ19は、ヘアキャップ本体、通気性頭
部支持部又は頭部遮蔽部のいずれかの何処かに固定され
てもよいし、固定されずに単に、使用時に頭部と吸排気
口との間に配置して使用してもよい。また、ヘアキャッ
プ10において、ヘアキャップ本体12と頭部遮蔽部1
1とを脱着可能にすることができるし、接続部位をネジ
止め、圧接等で固定して通常は脱着できないようにする
ことができる。尚、ヘアキャップ本体12と、頭部遮蔽
部11とを脱着可能とした場合は、被施術者の頭部6の
大きさに合わせて頭部遮蔽部11を交換することができ
るので、ヘアキャップ各部位の清掃を容易にすることが
できる。
【0052】更に、頭部遮蔽部11は、エアバンドの有
無及び配設方法を問わずに、図12、図13に示すよう
な頭部遮蔽部の形態11c、11dとすることもでき
る。即ち、図12に示す頭部遮蔽部11は、その内面に
沿ってリング状又はスパイラル状の線状突起部(鋭端、
鈍端を問わないし、突起断面も三角形、台形、四角形、
半円形、円形等を問わない。またその数も問わない。)
を設けた頭部遮蔽部11cとすることができる。このよ
うな頭部遮蔽部11cを用いたヘアキャップは、密閉室
Rを真空状態にしたとき、頭部遮蔽部11cの突起が頭
部に食い込むことによって頭部との密着面積が増大する
ので、より一層頭部とヘアキャップ間の気密性が保たれ
ることになる。
【0053】また、図13に示すように頭部遮蔽部11
は、頭部に装着をしない場合において頭部との接触部分
を頭部より内側となる頭部遮蔽部11dとすることがで
きる。このような頭部遮蔽部11dは、頭部に装着した
場合に遮蔽部11dが頭部に押さえつけるため、より一
層頭部とヘアキャップ間の気密性が保たれることにな
る。更に、これらの頭部遮蔽部の各形態11b、11
c、11dは互いに組み合わせて使用することができ
る。
【0054】また、各工程中において加熱のための赤外
線、頭皮の活性化のための遠赤外線、滅菌・殺菌のため
の紫外線を頭皮に照射してもよい。この照射方法は、ヘ
アキャップ本体内の密閉室Rに照射装置を設けて照射し
てもよいし、ヘアキャップ本体をガラス等の透明な材質
としてヘアキャップ本体外から照射してもよい。更に、
真空状態を低減若しくは解除する際にヘアキャップ本体
内にオゾン又は他の育毛のための添加剤を混入させても
よい。
【0055】更に、通気性頭部支持部18も頭部遮断部
11と同様に、ヘアキャップ本体12と脱着可能にする
ことができるし、脱着不能にすることもできる。また、
通気性頭部支持部18を用いず、ヘアキャップ本体12
のみで密閉室Rを構成することができる。また、この場
合、フィルタは、上記通気製頭部支持部と別体のフィ
ルタ支持部材を用いて脱着可能のように支持して使用し
たり、また、使用時に単に頭部上に配置するのみとし
て使用することもできる。
【0056】また、頭部遮蔽部11は金属バンド23を
用いず、リング状のみならず、円筒状であっても、一体
型としてもよい。更に、図9に示すように、ヘアキャッ
プ本体12と頭部遮蔽部11aとを嵌合によって脱着可
能のように、取り付けてもよい。更に、頭部遮蔽部11
が頭部6に十分に密着する場合は、図9に示すように、
エアバンドを不要とすることができる。また、上記頭部
遮蔽部11は図10に示すように、頭部遮蔽部11bの
下方側周縁部の内部に、周方向に沿って沿って形成され
た環状若しくはスパイラル状の通気室131が形成され
ており、該通気室131には、気体を送入できる送気管
132が連結されているものとすることができる。これ
により、コンプレッサーを用いて容易に頭部遮蔽部11
bの下方側周縁部を膨張させて、頭部との密着性を高め
ることができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のヘアキャ
ップ及び本発明の真空含浸装置によれば、育毛剤の薬液
を毛穴内へ深く浸透させることができ、毛根に育毛剤を
確実に供給することができる。更に、育毛剤の定期的な
供給により、短期間で育毛剤の作用を発揮させることが
でき、更に、髪質、頭皮等の体質に影響されにくく、必
要な育毛剤の供給量を確実に頭皮に供給することができ
る。更に、育毛剤の薬液の種類、濃度等の制限が少な
く、使用可能な育毛剤の幅が広範囲なものになる。
【0058】また、本発明において、通気性頭部支持部
を用いた場合は、頭部が排出口等に接触することがなく
なる。更に、フィルタを用いる場合は、一旦除去された
被除去物を確実に系外へ除去できるので、一旦除去され
たこの被除去物が頭部へ再付着することを防止でき、ま
たこれが器具へ付着することも防止できる。そのため、
清掃の手間を減少でき、また、配管等が詰まることも防
止できる。更に、エアバンド等に設けられた膨張可能な
通気室を有する場合には、コンプレッサー等による空気
等の送入により、この部分が膨張し、そのため、確実に
頭部に封止し、漏れがなく、容易に高真空とすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】育毛・発毛用真空含浸方法の作用を説明するた
めの毛根の模式断面図である。
【図2】育毛・発毛用真空含浸方法の作用を説明するた
めの毛穴の真空状態を示す模式断面図である。
【図3】本発明において育毛剤の含浸状態を示す模式断
面図である。
【図4】実施例1による育毛・発毛用真空含浸装置を示
す概略構成図である。
【図5】実施例1による育毛・発毛用真空含浸装置のヘ
アキャップの使用状態を示す断面図である。
【図6】実施例2による育毛・発毛用真空含浸装置を示
す概略構成図である。
【図7】実施例3による育毛・発毛用真空含浸装置の部
分構成図である。
【図8】実施例3による育毛・発毛用真空含浸装置のヘ
アキャップを示す部分拡大断面図である。
【図9】ヘアキャップの変形例を示す部分断面図であ
る。
【図10】ヘアキャップの他の変形例を示す部分断面図
である。
【図11】他の態様に係るヘアキャップ及び通気性頭部
支持部等の使用状態を示す説明断面図である。
【図12】ヘアキャップの他の変形例を示す部分断面図
である。
【図13】ヘアキャップの他の変形例を示す部分断面図
である。
【図14】参考例による育毛・発毛用真空含浸方法に用
いられる吸盤を示す半断面図である。
【図15】参考例において吸盤を頭部に使用した状態を
示す説明図である。
【図16】参考例において育毛剤が毛穴上に配置された
状態を示す模式図である。
【図17】参考例において吸盤を用いて吸引しようとす
る状態を示す説明図である。
【図18】参考例において大気圧にして育毛剤を含浸さ
せようとする状態を示す説明図である。
【図19】参考例において育毛剤が毛穴に含浸された状
態を示す説明図である。
【符号の説明】
1;真空含浸装置、2;毛根、3;毛乳頭、4;頭皮、
5;皮脂胞、6;頭部、10;ヘアキャップ、11;頭
部遮蔽部、12;キャップ本体、13;エアバンド、1
4;ジョイント、15;排気口(吸引口)、16;注入
口、17;吸気口(脱気口)、18;通気性頭部支持
部、19;フィルタ、20;噴霧ノズル、23;金属バ
ンド、30;真空含浸装置、31;吸気ホース、32;
排気ホース、33;通気ホース、34;三方弁、35;
ヘアキャップ、36;注入口、37;通気口、38;貯
留容器、39、40;バルブ、41;圧力計、42;薬
液バルブ、43;薬液供給ホース、50;真空含浸装
置、51;吊り下げ型薬液供給容器、51a;ゴム栓、
52;針付きチューブ、53;支柱、54、55;針、
56;ヘアキャップ、58;ゴム栓、58a;筒体、5
9;流量調節弁、60;負圧制御筒、61;吸盤、61
a;天井部、62;通気口、65;ラバー板、65a;
細孔、66;リング状突部、H;毛穴、L;薬液、M;
被除去物(皮膜層構成物)、P;真空ポンプ、R;密閉
室、V;三方弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−220185(JP,A) 特開 平5−220186(JP,A) 特開 平9−28448(JP,A) 特開 平9−253193(JP,A) 特開 平1−146551(JP,A) 特開 平1−37952(JP,A) 実開 平3−16955(JP,U) 実開 昭63−133231(JP,U) 実開 平1−138460(JP,U) 特公 昭57−41257(JP,B2) 実公 平6−47471(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A45D 19/00 - 19/02 A45D 19/14 A61K 7/06 A61M 1/00 510 A61M 37/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気口、吸気口及び注入口を備えるヘア
    キャップ本体と、該ヘアキャップ本体に配設され、頭部
    と該吸気口との間を区画するように配置される通気性頭
    部支持部と、を備えたことを特徴とするヘアキャップ。
  2. 【請求項2】 上記ヘアキャップ本体の開口側外周縁部
    には、弾性素材からなる円筒状の頭部遮蔽部が配設さ
    れ、真空状態とされた場合の密閉性を向上させた請求項
    記載のヘアキャップ。
  3. 【請求項3】 上記頭部被覆部の下方側外周縁部には、
    内部に通気室を有する外部エアバンドが周方向に沿って
    環状若しくはスパイラル状に配設され、該通気室は、気
    体を送り込まれて膨張し、円筒状の頭部被覆部の下方の
    開口を狭める請求項記載のヘアキャップ。
  4. 【請求項4】 上記頭部被覆部の下方側内周縁部には、
    内部に通気室を有する内部エアバンドが周方向に沿って
    環状若しくはスパイラル状に配設され、該通気室は、気
    体を送り込まれて膨張し、円筒状の頭部被覆部の下方の
    開口を狭める請求項記載のヘアキャップ。
  5. 【請求項5】 上記頭部遮蔽部の内側には、その周方向
    に沿って、リング状又はスパイラル状の線状突起部が形
    成されている請求項乃至のいずれかに記載のヘアキ
    ャップ。
  6. 【請求項6】 上記頭部遮蔽部の下方側は、その上方側
    と比べて中心方向に曲げられており、下方側が縮径状態
    とされている請求項乃至のいずれかに記載のヘアキ
    ャップ。
  7. 【請求項7】 上記通気性頭部支持部と上記頭部との間
    には、被除去物を付着させるためのフィルタが配設され
    る請求項及至のいずれかに記載のヘアキャップ。
  8. 【請求項8】 請求項及至のいずれかに記載のヘア
    キャップと、該ヘアキャップの排気口に接続され、該ヘ
    アキャップと頭皮とによって形成される密閉室を真空状
    態に保持するための真空ポンプと、該ヘアキャップの上
    記注入口に供給される育毛剤の薬液を貯留する薬液貯留
    容器と、を備えたことを特徴とする育毛・発毛用真空含
    浸装置。
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