JP2803175B2 - 鉄とコバルトイオンの吸収体およびそれを用いる鉄とコバルトイオンの吸収方法 - Google Patents

鉄とコバルトイオンの吸収体およびそれを用いる鉄とコバルトイオンの吸収方法

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JP2803175B2
JP2803175B2 JP1161289A JP16128989A JP2803175B2 JP 2803175 B2 JP2803175 B2 JP 2803175B2 JP 1161289 A JP1161289 A JP 1161289A JP 16128989 A JP16128989 A JP 16128989A JP 2803175 B2 JP2803175 B2 JP 2803175B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、機能性樹脂による鉄およびコバルトイオン
の分離回収機能を有する吸収体およびそれを用いる吸収
方法に関するものである。
さらに詳しくは、鉄およびコバルト塩水溶液より該金
属を分離、回収する際に用いられるエチレンとアミノア
ルキルアクリレート系コモノマーとの共重合体からなる
鉄およびコバルトイオンの吸収体およびそれを用いる吸
収方法に関するものである。
<従来の技術> 従来、ニトリル基を有する樹脂、あるいはスチレン−
ジビニルベンゼン共重合体樹脂などにアミノカルボン酸
基、イミノジ酢酸、アミドオキシム基、1級アミン、2
級アミン、3級アミンなどを導入した各種のキレート樹
脂などが、水中の有価金属の回収や、用廃水中の金属イ
オンの除去などの用途に提案されているが、これらは通
常ビーズ状またはゲル状であり、例えば、フィルターや
濾過抵抗の小さい好ましい形状の吸収体などに加工する
ことが困難である。
また、有価金属の回収や、廃水中の金属イオンの除去
などの方法としては、この他、沈澱分離法や溶媒抽出法
などによる分離濃縮などが知られているが、低濃度の場
合には、分離が難しいなどの問題点が多い。
例えば、有価金属の回収としては、イットリウム、セ
リウム、ガドリニウムなどの3A族、(族名はIUPAC命名
法による周期表による。以下同じ)ジルコニウム、ハフ
ニウムなどの4A族、ニオブ、タンタルなどの5A族、モリ
ブデンなどの6A族、テクネチウムなどの7A族、ロジウ
ム、パラジウム、白金などの8族、銀、金などの1B族、
ガリウムなどの3B族等の金属が対象となり、キレート樹
脂や沈澱分離法などが試みられている。
一方、用水、産業廃水中の金属除去としては上記の金
属類のほかクロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜
鉛、スズ、鉛などの金属について、同様にキレート樹脂
や沈澱分離法が試みられている。
例えば、鉄の場合、飲料用水では色や味覚に、工業用
水では織物、洗濯、皮革、醸造業の製品に悪影響を及ぼ
すので、除去処理が施される。
さらに、工業廃水では、亜鉛メッキ、錫メッキ、鋼板
・針金・ロッドなどの製造業では、鉄表面の酸洗浄を必
要とするので、鉄を含んだ酸性廃水、鉱山水では硫化物
や硫酸塩を含む廃水がある。
コバルトの場合、湿式・乾式精錬の廃水中に含まれる
ことが多い。
一般に、これらの鉄、コバルトの除去には、濃縮し、
アルカリ性化合物で水酸化物にする沈澱分離法が行われ
ている。しかし、低濃度になる程、分離が困難になるた
め、イオン交換樹脂あるいはキレート樹脂による除去も
試みられているが、既存のこれら機能性樹脂は、いずれ
も三次元架橋構造のゲル化状態でしか供試できないこと
は、工業的利用の方法を大幅に制限する条件である。
三次元架橋構造として用いられる理由は、これらの樹
脂が、実用に耐えるだけの吸収速度を得るために、ある
いは吸収活性基それ自体の特質のために、親水性が強い
ので、水溶液中で膨潤弱体化し、ついには崩壊するのを
防ぐことにある。
しかし、もしこの機能を一次元熱可塑性高分子に持た
せることができれば、任意の成形品を作ることができ、
そのままあるいは更に外部架橋工程を追加することによ
り、吸収速度の向上、圧力損失の選択範囲の拡大、装置
形状の自由性等多くの利点を生じ、用廃水中の鉄、コバ
ルトなどの金属イオンの除去技術向上に大きく貢献する
と考えられる。
金属イオン吸収能を有する一次元熱可塑性高分子の一
つとして、エチレンとジアルキルアミノアルキルアクリ
ルアミド系コモノマーとの共重合体が提案されている
(特開昭63−304010号公報)が、比較的高価なコモノマ
ーであるため、工業的な利用を制限すると考えられる。
本発明は、以下に述べるように、エチレンと比較的安
価なジアルキルアミノアルキルアクリレート系コモノマ
ーとの共重合体を使用して水溶液中の鉄およびコバルト
イオンの吸収・除去を可能にすることを見出したもので
あり、工業的に有用である。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、金属イオン吸収能をほとんど有しないと知
られていた比較的安価なエチレンとアミノアルキルアク
リレート系コモノマーとの共重合体を使用して、鉄およ
びコバルトイオンを含有する各種の水溶液または廃液か
ら、鉄およびコバルトを分離回収、除去する際の問題点
である低濃度溶液からの処理を可能とし、また、フィル
ターなど処理施設の効率を高めるために適した形状の吸
収体に成形加工することにより、従来のイオン交換樹脂
やキレート樹脂では達成できなかった変化に富んだ回収
技術への応用が可能な鉄およびコバルトイオンの吸収体
と、それを用いた鉄およびコバルトイオンの吸収方法と
を提供するものである。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、かかる観点より、鋭意研究を進めた結
果、鉄およびコバルトの金属イオンに対して高い吸収性
を有し、用途に応じた、成形加工が容易である新規な金
属吸収体として、特定組成のアミノアルキルアクリレー
ト系コモノマーとエチレンとの共重合体を見出し、本発
明に至った。
すなわち、本発明の第一は、エチレンを40〜95重量
%、一般式(A) (式中、R1は水素またはメチル基、R2およびR3は炭素数
1から4個のアルキル基、nは1から4までの整数を示
す)で表わされる1種以上のアミノアルキルアクリレー
ト系コモノマーを60〜5重量%、数平均分子量が5,000
〜50,000であるエチレン共重合体からなり、2.1以下のp
Hで使用されることを特徴とする鉄およびコバルトイオ
ンの吸収体に関するものである。
本発明に用いるエチレン共重合体の製造には、特開昭
42−22523号公報や特公昭49−45307号公報に明らかにさ
れているごとく一般に高圧ラジカル重合法を適用するこ
とができる。その条件はほぼ現在の高圧ポリエチレン製
造プロセスのそれに入っている。従って、本共重合体は
それ自体の製造においてすでに経済的にすぐれた基盤を
有している。
本発明において、エチレンとの共重合体の成分は一般
式(A)で表わされるが、具体例としては、アミノメチ
ルアクリレート、アミノエチルアクリレート、アミノノ
ルマルブチルアクリレート、N−メチルアミノエチルア
クリレート、N−エチルアミノエチルアクリレート、N
−エチルアミノイソブチルアクリレート、N−イソプロ
ピルアミノメチルアクリレート、N−イソプロピルアミ
ノエチルアクリレート、N−ノルマルブチルアミノエチ
ルアクリレート、N−ターシャリブチルアミノエチルア
クリレート、N,N−ジメチルアミノメチルアクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジ
メチルアミノイソプロピルアクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノノルマルブチルアクリレート、N−メチル−N
−エチルアミノエチルアクリレート、N−メチル−N−
ノルマルブチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエ
チルアミノエチルアクリレート、N,N−ジイソプロピル
アミノエチルアクリレート、N,N−ジノルマルプロピル
アミノノルマルプロピルアクリレート、N,N−ジノルマ
ルアミノエチルアクリレート、N,N−ジノルマルブチル
アミノノルマルプロピルアクリレートなどのアクリル酸
エステルおよびこれらに相当するメタアクリル酸エステ
ルをあげることができる。特に好ましいコモノマーとし
てはnが2の(ジ)アルキルアミノエチル(メタ)アク
リレートが挙げられ、具体的には、ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジメチルアミノ−n−ブチルアクリレート、ジメチ
ルアミノ−n−ブチルメタクリレート、ジ−n−ブチル
アミノエチルアクリレート、ジ−n−ブチルアミノエチ
ルメタクリレート、メチルアミノエチルアクリレート、
メチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルアク
リレートおよびアミノエチルメタクリレートから選ばれ
る1種以上の化合物が挙げられる。
本共重合体に課せられた諸制限の意味およびその物性
の測定方法について以下に述べる。
まず、アミノアルキルアクリレート系コモノマーを示
す一般式(A)において、nが0あるいは4より大きい
コモノマー、および/または炭素数が4より大きいR2
よびR3に対応するコモノマーについてはコモノマー自体
の工業的合成が比較的困難で高価であるばかりでなく、
加熱状態で不安定であったり、年度が大きすぎるため、
いわゆる高圧法のエチレン重合プロセスに適用すること
が不可能である。
本発明におけるエチレン共重合体中のアミノアルキル
アクリレート系コモノマーの含有割合は60〜5重量%、
好ましくは55〜15重量%である。さらに好ましくは50〜
20重量%である。アミノアルキルアクリレート系コモノ
マーが5重量%未満では、鉄およびコバルトイオン吸収
容量が低すぎる、また60重量%を超えると、酸の吸収力
が強まり樹脂が酸性溶液中で膨潤し、場合により形状破
壊を伴うために、該共重合体はそのままでは使用できな
い。共重合体の酸の吸収力はアミノ基の塩基性に起因す
ると考えられるが、共重合体の膨潤は、この吸収力と分
子中のエチレン連鎖の作るポリエチレンの微結晶が作る
三次元構造の強さに強く関係していると思われる。この
ポリエチレン微結晶はコモノマーの増加により加速的に
減少することが、特公昭53−6194号公報の第2図の融点
(Tm)のコモノマー量に対するプロットより推測でき
る。おそらくコモノマー量が60重量%を超えると微結晶
は殆どゼロであろう。従って共重合体の膨潤を工業的に
最適な大きさに抑えるためには、架橋が必要になる場合
がある。(充分な微結晶がある場合にも共重合体の膨潤
度の調節、補強等の目的に、架橋を行うことができる。
本発明に用いる共重合体の架橋方法としては化学的架橋
法のほかに、物理的架橋法すなわち電子線架橋あるいは
放射線架橋を行える長所がある。これはポリエチレンの
物理的架橋が一般に硬化型であることによる。)しかし
ながら、コモノマー量が60重量%を超える本共重合体の
架橋方法は未開拓の分野である。化学的活性基を傷めず
に架橋を行う方法としては、物理的架橋法が最適である
が、その際の本共重合体の挙動については検討を要する
点が多い。
本発明におけるエチレン共重合体を製造するにあたっ
ては、アミノアルキルアクリレート系コモノマーを高圧
の重合系にポンプで連続的に安定して供給しやすくする
目的や、得られた共重合体の柔軟性を増す目的などのた
めにエチレンと共重合可能な少なくとも1種以上の他の
エチレン性不飽和コモノマーを必要に応じて組み合わせ
ることができる。この場合に使用される該エチレン性不
飽和コモノマーの重合単位は、0〜20重量%、好ましく
は0〜15重量%である。また該エチレン性不飽和コモノ
マーの好ましい具体例としては、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニルなど
が挙げられる。
本発明におけるエチレン共重合体の平均分子量は、13
5℃のテトラリン溶液で求めた固有粘度の値が0.1〜4dl/
gの範囲に入る程度がよい。数平均分子量でいえば、5,0
00〜50,000、溶融指数(JIS K−6760,190℃)で示すな
らば、1,000〜1g/10分の範囲、好ましくは数平均分子量
で8,000〜40,000、溶融指数で500〜50g/10分の範囲が適
切である。この固有粘度、数平均分子量あるいは溶融指
数に関する範囲は成型加工を工業的に実施する上で必要
な制約である。
本共重合体は、主鎖にエチレン構造を有するため、吸
収体として賦型する場合、ポリエチレンと同様な加工が
可能であることから、工業的により有用であることを特
長づけている。
本共重合体からなる吸収体の形状としては、チュー
ブ、シート、フィルム、ロッド、繊維、不織布、織布あ
るいは中空糸などが挙げられ、これらは自由に成型で
き、また、繊維、中空糸などからなるフィルター、パイ
プなどへの加工も容易に行なうことができる。
繊維としては、本共重合体単独で作製した繊維のほ
か、繊維強度向上などの目的で、ポリプロピレンなどの
ポリ−α−オレフィン樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂などとブレンドして紡糸した繊維としても使
用することができる。
さらに、ポリプロピレンなどのポリ−α−オレフィン
樹脂やポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などと本共重
合体とからなる並列型あるいは本共重合体を鞘とする芯
鞘型の複合糸および該複合糸からつくられた不織布、織
布、フィルターなども、好適に使用することができる。
また本共重合体単独だけでなく、他の高分子、金属材
料、ガラス、木材などの無機材料との複合材料としても
応用ができる。複合材料として利用する場合には、本共
重合体に機能性を分担せしめ、他材料に構造材としての
役割を分担させるのが普通である。その際本共重合体が
無極性のエチレンと極性のアミノアルキルアクリレート
系コモノマーより成立つことは、その親和性ゆえに、他
材料として選べる材料の範囲を幅広いものとしている。
本発明による吸収体はpH(水素イオン指数)は2.1以
下で使用される。
本発明の第二は、本共重合体を2.1以下のpHで鉄およ
びコバルトイオンの吸収体として使用することを特徴と
する鉄およびコバルトイオンの吸収方法に関するもので
ある。
即ち、本共重合体の鉄およびコバルトイオンの吸収能
はコモノマーの持つキレート能またはカチオン性による
と考えられ、pHに強く支配される。2.1を超えるpHで
は、その吸収能は著しく小さくなる。水溶液中の鉄およ
びコバルトイオン濃度にもその吸収能は依存するので、
2.1以下の酸性を示すpH範囲内で、最適水素イオン濃度
条件を見出すことによって、好ましい吸収分離を達成で
きるが、水素イオンの対イオンの種類と濃度も重要な因
子と考えている。
このように、本共重合体の吸収能が強くpHに依存する
ことは、コモノマー中のアミノ基がキレート化の少なく
とも一つの配位子またはアミノ基が四級化され、イオン
結合点になっていることを示唆する。
ここで、金属イオンの吸収とは、本共重合体からなる
吸収体中への金属イオンの吸着のみならず該吸収体中又
は該吸収体表面上でのpH変化などによっておこる金属塩
の析出や、沈澱による水溶液中からの金属イオンの吸収
体中または吸収体表面への取り込みまたは付着等につい
ても含むものである。
本エチレン共重合体を用いた水溶液からの鉄およびコ
バルトイオン吸収分離工程は、例えば、この樹脂のビー
ズあるいはペレットを必要高さまで充填した固定床ある
いは繊維マット不織布又は織布による濾布また円筒状な
ど、各種の形状のフィルターなどをそなえた濾過器を必
要段数重ねた構造の濾過器により要処理水溶液を連続的
に通過させる。そのとき充填物の寸法形状あるいは濾布
などの網目構造を選ぶことにより例えば圧力損失実効吸
収容量、吸収速度、充填物の交換方式などに重点を置き
替えた、変化に富む設計が特長的に可能である。この可
能性の中には、もちろん移動床あるいは流動床方式によ
る連続式も含まれている。
本共重合体の吸収量が破過点に達した際はすみやかに
再生あるいは取替え操作を作う。再生には2.1を超える
適正吸収pHの範囲外のpHとなるようにアルカリまたは鉱
酸により調整した水により洗浄するだけで比較的容易に
溶離させることができる。
この溶離の容易さも本発明の有利な特長点である。
また、鉄およびコバルトイオンの回収を行なう必要が
なく、単に水溶液からの分離を目的とする場合や、複数
の金属イオンが混っていて回収を行なうことが経済的で
ない場合は、金属イオンを吸収した状態の本共重合体を
さらに減容のために焼却処理ののち、灰を適当な方法に
よって処分するのがよい。
また、吸収された金属を回収する場合にも、焼却処理
を行ったのち、回収する方法も考えられる。その場合、
本共重合法は硫黄を含まないために、焼却の際にそれ自
体から三酸化硫黄を発生しない。従って処理廃水に硫酸
根あるいはその他の硫黄化合物を含まない場合は、焼却
炉で最も重要な事故である腐食トラブルを回避できる。
もし廃水中に硫黄化合物を含む場合でも、その置換は、
比較的容易であるため、多少のプロセスの追加によっ
て、上述の長所を生かすことができる。これは本発明に
よるエチレン共重合体からなる吸収体を用いるプロセス
の優れた他の一面である。
<実施例> 以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明は
これらによって限定されるものではない。
実施例1 高圧ラジカル連続共重合法により、エチレンとN,N−
ジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体を得
た。その組成は、エチレンが58重量%、残余の42重量%
がコモノマーのN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ
ートである。数平均分子量は2.0×104、溶融指数はJIS
K−6760に基づく測定で、110g/10分(190℃測定)であ
った。これを押出機およびペレタイザーにより、2mmφ
×3mmLの円筒状ペレットに加工したのち、130℃、50Kg/
cm2の条件で加熱プレスして、0.5mm厚さのシートを作製
し、25mm×40mmのサンプルシート(0.5g)を切り出し
た。該サンプルシートを第1表に示した濃度および塩酸
によりpHを調製した酸化第二鉄(FeCl3)の水溶液50ml
の中に浸漬して、60℃の温度で4時間保持した後、取り
出して濾紙にて付着 水溶液を抜きとり、秤量して重量増加分を求めた。いず
れの場合にも高倍率で吸収したあとにもシート状の形態
が保持されていた。
比較例1 実施例1と同じサンプルシートを用いて、第1表の塩
化第二鉄濃度でpHを調節しない水溶液50ml中に浸漬し
て、実施例1と同様に吸収テストを行った。
pHを調節しない場合は、全く吸収しない。
実施例2 高圧ラジカル連続共重合法により、エチレンが57重量
%、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート43重量
%のエチレン共重合体を得た。数平均分子量は1.3×1
04、溶融指数はJIS K−6760に基づき、230g/10分(190
℃測定)であった。これを実施例1と同様にして、2mm
φ×3mmLの円筒状ペレットに加工した。
本共重合体ぺレット0.5gを塩酸濃度調整した室温の塩
化第二鉄水溶液50ml中に入れ、16時間スターラーで撹拌
した。実験前後の水溶液中の鉄をプラズマ発光分析装置
(セイコー電子工業製、IPC−AEC sps−7000)により分
析し、本共重合体による金属イオン吸収率を算出した。
結果を第2表に示した。鉄イオン濃度が非常に低い場
合、強酸性にすると、よく吸収する。
実施例3 実施例1と同じ共重合体シートを用いて第3表の塩化
第一鉄(FeCl2)濃度で、塩酸でpHを調節した水溶液50m
l中に浸漬して、実施例1と同様に吸収テストを行っ
た。結果を第3表に示した。いずれもシート状形態が保
持されていた。
比較例2 pHを塩酸で3に調節およびpHを未調節の他は、実施例
3と同様に吸収テストを行った結果を第3表に示した。
ほとんど鉄イオンを吸収しなかった。
実施例4 実施例1と同じ共重合体シートを用いて、第4表の金
属塩濃度で塩酸又は硫酸でpHを調節した水溶液50ml中に
浸漬して、実施例1と同様に吸収テストを行った。結果
を第4表に示した。いずれもシート状形態が保持されて
いた。
比較例3 高いpHに調節およびpHを未調節の他は、実施例4と同
様に吸収テストを行った結果を第4表に示した。全く金
属イオンを吸収しなかった。
実施例5 実施例1と同じ共重合体ペレットを130℃、50kg/cm2
で熱プレスして厚さ1mmのプレスシートに加工したの
ち、30mm×40mmのサンプルシートを切り出し、金属イオ
ン吸収体として使用した。サンプルシートを酸でpH調節
した金属塩水溶液100mlに浸漬し、60℃、3時間吸収さ
せた。結果を第5表に示した。いずれもシート状形態が
保持されていた。
比較例4 pH調節しない以外、実施例5と同様にして吸収テスト
を行った結果を第5表に示した。ほとんど吸収しなかっ
た。
<発明の効果> 以上述べたごとく、本発明によるとエチレンとアミノ
アルキルアクリレート系コモノマーとの共重合体からな
る、形状を自由に加工することができ、かつ多様な形態
で使用することが可能な鉄およびコバルトイオン吸収体
を用いてpH2.1以下に調節することにより水溶液中の鉄
およびコバルトイオンを容易に吸収除去することができ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 210/02 C08F 210/02 220/34 220/34 (72)発明者 椛沢 公二 千葉県市原市姉崎海岸5―1 住友化学 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−31836(JP,A) 特公 昭42−22523(JP,B1) 特公 昭42−19932(JP,B1) 特公 昭49−45307(JP,B2) 特公 昭53−6194(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 1/28 B01J 20/00 - 20/34 G21F 9/12 C08F 220/00 - 222/40 C08F 210/00 - 210/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンを40〜95重量%、一般式(A) (式中、R1は水素またはメチル基、R2およびR3は水素ま
    たは炭素数1から4個のアルキル基、nは1から4まで
    の整数を示す)で表わされる1種以上のアミノアルキル
    アクリレート系コモノマーを60〜5重量%含有し、数平
    均分子量が5,000〜50,000であるエチレン共重合体から
    なり、2.1以下のpHで使用されることを特徴とする鉄お
    よびコバルトイオンの吸収体。
  2. 【請求項2】アミノアルキルアクリレート系コモノマー
    (A)が、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチ
    ルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノ−n−
    ブチルアクリレート、ジメチルアミノ−n−ブチルメタ
    クリレート、ジ−n−ブチルアミノエチルアクリレー
    ト、ジ−n−ブチルアミノエチルメタクリレート、メチ
    ルアミノエチルアクリレート、メチルアミノエチルメタ
    クリレート、アミノエチルアクリレート、アミノエチル
    メタクリレートから選ばれる1種以上の化合物である請
    求項1記載の鉄およびコバルトイオン吸収体。
  3. 【請求項3】エチレンを40〜95重量%、一般式(A) (式中、R1は水素またはメチル基、R2およびR3は炭素数
    1から4個のアルキル基、nは1から4までの整数を示
    す)で表わされるアミノアルキルアクリレート系コモノ
    マーを60〜5重量%含有し、数平均分子量が5,000〜50,
    000であるエチレン共重合体を2.1以下のpHで鉄およびコ
    バルトイオンの吸収体として使用することを特徴とする
    鉄およびコバルトイオンの吸収方法。
JP1161289A 1989-06-23 1989-06-23 鉄とコバルトイオンの吸収体およびそれを用いる鉄とコバルトイオンの吸収方法 Expired - Lifetime JP2803175B2 (ja)

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