JP2790372B2 - 介在物分析試料溶解方法 - Google Patents

介在物分析試料溶解方法

Info

Publication number
JP2790372B2
JP2790372B2 JP2321963A JP32196390A JP2790372B2 JP 2790372 B2 JP2790372 B2 JP 2790372B2 JP 2321963 A JP2321963 A JP 2321963A JP 32196390 A JP32196390 A JP 32196390A JP 2790372 B2 JP2790372 B2 JP 2790372B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
electron beam
period
output
inclusions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2321963A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04191635A (ja
Inventor
博之 小川
健 榎奥
覚 佐々木
博令 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON DENSHI KK
Original Assignee
NIPPON DENSHI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON DENSHI KK filed Critical NIPPON DENSHI KK
Priority to JP2321963A priority Critical patent/JP2790372B2/ja
Publication of JPH04191635A publication Critical patent/JPH04191635A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2790372B2 publication Critical patent/JP2790372B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、金属試料中に含まれている少量の介在物を
分析するための前処理として、試料に電子ビームを照射
して溶解し、介在物を試料表面に浮上させるようにした
介在物試料溶解方法に関する。
(従来の技術) 金属中に含まれている微量の介在物を定性,定量分析
するために、分析の前に試料に電子ビームを照射して溶
解させ、介在物を試料表面に浮上させ、その後試料への
電子ビームの照射を停止して試料を冷却させ、介在物分
析用の試料を作成することが行われている。この介在物
を表面に浮上させて固化した試料は、例えば、EPMA(電
子ロープマイクロアラナイザ)や走査電子顕微鏡などに
よって定性,定量分析が行われる。
さて、試料を溶解するに当たっては、真空ベッセル中
にハースを設置してこのハース内に金属試料を入れ、試
料に電子ビームを照射するようにしている。この電子ビ
ームの照射に際しては、試料溶解の過程で微少介在物の
形状を変えずに試料中に含まれる介在物のほとんど全て
を浮上させる必要があり、そのため、試料に照射する電
子ビーム出力を厳密にコントロールしなければならな
い。第4図に示したグラフは、従来から行われている電
子ビーム出力のコントロール曲線であり、横軸が時間、
縦軸が電子ビーム出力である。このグラフから明らかな
ように、電子ビームの出力は、P1とP2の2段階に変化さ
せられている。つまり、試料をP1の電子ビーム出力によ
りT2の期間予備加熱した後、電子ビーム出力をP2に変化
させてT4の期間溶解し、試料を急激に加熱しないように
している。
また、予備加熱状態から溶解状態に移る際にも、電子
ビーム出力を急激に立ち上げると突沸現象が生じて試料
が飛散する恐れがあるため、立ち上げ期間T3で示すよう
に徐々に上昇させている。更に、試料を溶解する電子ビ
ーム出力P2の値は、試料の蒸発が生じないぎりぎりのと
ころに設定され、介在物を効率良く浮上させるようにし
ている。この時、溶解期間T4が長くなると、浮上した介
在物が溶けるため、介在物が溶ける手前で溶解を停止す
る必要がある。この試料溶解の停止に当たっても、瞬時
に電子ビームの照射を止めると、試料の温度が急激に低
下し、それによってクラッカが生じて浮上した介在物の
形状が崩れる恐れがあり、T5の期間は、徐々に電子ビー
ムの出力を弱めてオフにするようにしている。なお、試
料の予備加熱に当たり、瞬時に電子ビーム出力P1によっ
て試料を照射すると、試料に電流が流れ、それによって
試料が移動する恐れがあるため、立ち上げ期間T1で示し
たように、電子ビームの出力を徐々に上昇させるように
している。
(発明が解決しようとする課題) 上述した従来の電子ビームの出力コントロールにおい
て、溶解期間T4が長いと、試料が溶解され、試料表面に
浮上した介在物を再溶解して介在物の形状が変化した
り、また、溶融金属中に再溶融するため、この期間T4は
極めて短い時間(数sec)とされている。このような短
い時間では、金属を充分に溶解し、介在物の全量を試料
表面に浮上させるには不充分であり、実験の結果、溶解
した金属中の介在物の80%程度しか試料表面に浮上させ
ることができないことが判明した。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、金属試料中の介在物のほとんど全部を試料表
面に浮上させることができる介在物試料溶解方法を実現
するにある。
(課題を解決するための手段) 本発明に基づく介在物試料溶解方法は、真空ベッセル
中に設けたハース上の試料に電子ビームを照射して試料
を溶解し、該試料中に含まれる介在物をその表面に浮上
させる介在物試料溶解方法において、該試料を溶解する
に際し、第1の期間に試料の予備加熱用のパワーの電子
ビームを試料に照射し、第1の期間に続く第2の期間に
試料を溶解するだけのパワーを有した電子ビームを試料
に照射し、第2の期間に続く第3の期間に、第2の期間
における電子ビームのパワーよりも低いが、試料を溶解
した状態に保持できるだけのパワーを有した電子ビーム
を試料に照射し、その後試料を冷却するようにしたこと
を特徴としている。
(作用) 本発明に基づく介在物試料溶解方法は、試料の溶解時
間の後に、試料の溶解時間中の出力より低い電子ビーム
出力で電子ビームを試料に照射し、試料の溶解状態を保
持する期間を設け、その溶解状態保持期間に介在物のほ
とんどを試料表面に浮上させる。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。第1図は、本発明に基づく介在物試料溶解方法を実
施するための溶解装置の一例を示しており、1は装置本
体である。2は本体1の上面に気密を保って着脱可能に
載置された真空ベッセルで、この真空ベッセル内は図示
していない真空ポンプによって排気されている。この真
空ベッセル2内には、銅性の円形ハースが設けられてい
る。ハース3は、本体1を気密を保って貫通した回転軸
4により回転可能に保持されており、また、このハース
の上面には、多数の凹部5a,5b,…が回転中心を中心とし
た同一円周上に等間隔に形成されている。この各凹部に
試料6a,6b,…が収容される。7は回転軸4を回転させる
ためのモータ、8はその駆動電源である。なお、ハース
3は図示していないが水冷されている。
9はハース近傍に設けられた電子銃で、この電子銃9
から発生した電子ビームEBは、図示外の偏向手段により
約180゜偏向されてハース3上の溶解位置にセットされ
た試料を照射する。10はこの電子銃の電源である。な
お、この電子銃9には、図示していないが電子ビームを
試料上で2次元的に走査するための偏向系が組み込まれ
ている。
11は真空ベッセル2内のハース3上方に置かれた水晶
式膜厚計で、真空ベッセル2を貫通した保持棒12の先端
に保持されている。13はこの膜厚計11によって測定され
た膜厚情報が供給されるコントローラで、このコントロ
ーラ13は、前記モータ電源8と電子銃電源9を制御す
る。このような構成における動作は次の通りである。
まず、真空ベッセル2中のハース3上の各凹部5a,5b,
…に試料6a,6b,…が配置され、その後、真空ベッセル2
内部が排気され、適宜な真空度に維持される。その後、
電子銃電源10がオンされ、電子銃9から電子ビームEBが
発生される。電子ビームEBは、180゜偏向され、凹部5a
中の試料6aに照射され、試料の加熱が行われる。され、
第2図は、本発明に基づく電子銃9からの電子ビームの
出力と時間との関係を示したグラフであり、最初の期間
T1において、電源10がコントローラ13によって制御さ
れ、電子ビームの出力は徐々に上昇させられる。この出
力を徐々に上昇させる理由は、前に述べたように、試料
の移動を防止するためである。次に、電子ビーム出力が
P1となったとき、コントローラ13の制御により、この出
力で一定時間T2の間、試料への電子ビームの照射が行わ
れる。この期間T2が試料予備加熱期間であり、この予備
加熱用の電子ビームの出力P2の値は、実験などにより予
め最適な値とされている。
予備加熱期間T2が終了すると、電源10によって電子ビ
ームの出力は期間T3の間、再び徐々に大きくされる。こ
の理由も前に述べたが、電子ビーム出力を急激に立ち上
げると、突沸現象が生じて試料が飛散するためである。
電子ビーム出力がP2となると、期間T4の間、その出力に
維持される。この期間S4が溶解期間であり、数secの短
時間に試料は溶解される。この出力P2は、試料の蒸発を
生じさせない程度であることが要求され、そのため、試
料5が蒸発する寸前の状態を膜厚計11の値で判断するよ
うにしている。試料5の加熱が進み、試料5が溶解し、
蒸発する寸前のときの膜厚は、経験的に確かめられてお
り、その膜厚となったとき、コントローラ13は電源10に
よる電子ビーム出力の上昇をストップさせ、出力P2の値
に固定する。溶解期間T4後、電子ビーム出力は徐々に下
げられ、出力P3となったとき、電子ビームの出力はこの
値P3に固定される。この期間T6が溶解状態保持期間であ
り、出力P3の値は溶解時の出力P2と予備加熱のときの出
力P1との間で、金属試料を湯の状態に保持できる値にさ
れている。また、この出力は、試料表面に浮上した介在
物が再溶解して凝縮し、介在物の形状が崩れたり、湯の
中に再溶融しない値にセットされる。このような溶解状
態保持期間T6の間に、試料内部の介在物のほとんどが試
料表面に浮上する。この期間T6が終了した後のT7の間
に、電子ビーム出力は徐々に下げられT7終了後出力はオ
フにされる。
このようにしてハース3の凹部5aに入れられた試料の
加熱を行い、介在物を試料表面に浮上させた後、コント
ローラ13はモータ電源8を制御し、モータ7を駆動して
回転軸4を回転させ、ハース3上の次に凹部に入れられ
た試料を電子ビームの照射位置に配置させる。そして、
上述したと同じステップで試料の加熱溶解処理が行われ
る。全ての試料の加熱溶融処理が終了した後、真空ベッ
セルが開けられ、各試料が取り出され、EPMAや走査電子
顕微鏡によってそれらの分析が行われる。
なお、試料の溶解状態保持期間T6の間、試料部分で電
子ビームを走査し、試料への電子ビームの走査面積を広
げ、電子ビームのエネルギ密度(W/cm2)を下げること
により、より効果的に介在物を試料表面上に浮上させる
ことができることが確認された。
ところで、第4図の期間T5や第2図の期間T7のよう
に、電子ビーム出力を直線的に弱めた場合、試料の冷却
に伴って介在物が浮上した部分が試料の横方向に移動す
ることがある。介在物が試料の横方向に移動すると、EP
MAや走査電子顕微鏡で観察したり、分析をしたりする際
に支障を来し、分析作業が非常に面倒となる。第3図
は、このような点を考慮した、本発明に基づく電子ビー
ム出力コントロールの他の実施態様を示したもので、第
2図とは期間T1〜T6までは同じモードで制御が行われ
る。期間T6に続く試料の冷却期間T7は、2段階T7a,T7b
に分けられ、最初の期間T7aは、第2図のモードと同じ
傾斜で電子ビームの出力は下げられる。また、後の期間
T7bでは、電子ビームの出力の下げ方はよりスローダウ
ンされる。
このようにして試料の冷却を行うと、常に介在物は試
料の真上に浮上した状態に維持されて固化することが判
明した。なお、一実施例では、T7aは1sec、T7bは4secで
あった。このT7bの期間があまり長くなると、浮上した
介在物の先端が尖った形状となり、前記した時間程度が
好ましい。
以上本発明の実施例を説明したが、本発明はこの実施
例に限定されない。例えば、溶解状態保持期間を2段階
以上に変化させても良い。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明に基づくウエハ介在物試
料溶解方法においては、試料の溶解時間の後に、試料の
溶解時間中の出力より低い電子ビーム出力で電子ビーム
を試料に照射し、試料の溶解状態を保持する期間を設け
るようにしたので、溶解状態保持期間に介在物のほとん
どを試料表面に浮上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に基づく介在物試料溶解方法を実施す
るための装置の一例を示した図、第2図,第3図は、本
発明に基づく電子ビームの出力制御の状態を示す図、第
4図は、従来の電子ビームの出力制御の状態を示す図で
ある。 1……装置本体、2……真空ベッセル 3……ハース、4……回転軸 5……凹部、6……試料 7……モータ、8……モータ電源 9……電子銃、10……電子銃電源 11……膜厚計、12……保持棒 13……コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 博令 東京都昭島市武蔵野3丁目1番2号 日 本電子株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−70134(JP,A) 特開 平4−81637(JP,A) 実開 昭63−174048(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 1/28 G01N 33/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空ベッセル中に設けたハース上の試料に
    電子ビームを照射して試料を溶解し、該試料中に含まれ
    る介在物をその表面に浮上させる介在物試料溶解方法に
    おいて、該試料を溶解にするに際し、第1の期間に試料
    の予備加熱用のパワーの電子ビームを試料に照射し、第
    1の期間に続く第2の期間に試料を溶解するだけのパワ
    ーを有した電子ビームを試料に照射し、第2の期間に続
    く第3の期間に、第2の期間における電子ビームのパワ
    ーよりも低いが、試料を溶解した状態に保持できるだけ
    のパワーを有した電子ビームを試料に照射し、その後試
    料を冷却するようにした介在物試料溶解方法。
  2. 【請求項2】上記第3の期間に続く試料の冷却期間にお
    いて、電子ビームのパワーを徐々に下げると共に、その
    パワーの下げ方を2段階とし、後半のパワーの下げ方を
    よりスローダウンとしたことを特徴とする請求項1記載
    の介在物試料溶解方法。
JP2321963A 1990-11-26 1990-11-26 介在物分析試料溶解方法 Expired - Fee Related JP2790372B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2321963A JP2790372B2 (ja) 1990-11-26 1990-11-26 介在物分析試料溶解方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2321963A JP2790372B2 (ja) 1990-11-26 1990-11-26 介在物分析試料溶解方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04191635A JPH04191635A (ja) 1992-07-09
JP2790372B2 true JP2790372B2 (ja) 1998-08-27

Family

ID=18138387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2321963A Expired - Fee Related JP2790372B2 (ja) 1990-11-26 1990-11-26 介在物分析試料溶解方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2790372B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0540082A (ja) * 1991-08-06 1993-02-19 Nippon Steel Corp 介在物分析試料溶解方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04191635A (ja) 1992-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Le Harzic et al. Comparison of heat-affected zones due to nanosecond and femtosecond laser pulses using transmission electronic microscopy
US5120926A (en) Method and apparatus for high speed laser cutting
US4507538A (en) Laser hardening with selective shielding
US5468932A (en) Method of generating a pattern in the surface of a workpiece
JP2790372B2 (ja) 介在物分析試料溶解方法
JPH04167985A (ja) ウェハの割断方法
Liu et al. laser cladding of Ni-Al bronze on Al alloy AA333
JP2790361B2 (ja) 介在物分析試料溶解方法
JPH0947888A (ja) レーザピアシング方法およびその装置
JPH04289154A (ja) Ti合金製タービンブレードとその表面改質方法
JP3179892B2 (ja) レーザ加工装置並びにレーザ加工方法
JPH05322720A (ja) 介在物試料溶解方法
KR102287256B1 (ko) 심냉온도의 정밀 전자빔 가공장치 및 가공방법
JP2006035263A (ja) 電子ビーム表面処理方法、および電子ビーム表面処理装置
JPH0776718A (ja) レーザ熱処理方法
JPH08118053A (ja) ワーク切断方法
JP4580482B2 (ja) レーザマーキング方法
Hegge et al. The relationship between hardness and laser treatment of hypo-eutectoid steels
Pelletier et al. Metal-ceramic joining by laser
JPH0417988A (ja) レーザ肉盛加工方法
JPH03166349A (ja) Ti合金製タービンブレードの表面改質方法
EP0098343A2 (en) Laser annealing of metallic alloy substrates
JPS62224688A (ja) レ−ザを併用した加工装置
JPH0825064A (ja) レーザ加工方法及びレーザ加工装置
JP3347634B2 (ja) 電子ビーム描画装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees