JP2788314B2 - 免疫抑制の予知および診断のための胎盤イソフェリチン - Google Patents

免疫抑制の予知および診断のための胎盤イソフェリチン

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Description

【発明の詳細な説明】 1.緒 言 本発明は免疫抑制状態の診断及び予知のための方法に
関する。本発明の方法は血清のような患者試料中におけ
るかまたは末梢血液リンパ球における胎盤フェリチン
(PLF)の検出を包含する。PLFレベルの上昇は免疫抑制
の初期段階にある患者において検出される。患者の免疫
抑制状態に関連した疾病の性質の如何に応じ、上昇し
た、PLFレベルが疾病の進行に伴って低下し得る。PLFの
検出及び測定は本明細書に記載のモノクローナル抗体を
用いて達成できる。
本発明は、PLFの高まりがヒト免疫不全ウイルス(HI
V)に感染した被験者の血清において検出された実施例
によって説明する。疾病の初期段階にある個体は最高レ
ベルのPLFを示し、これは疾病が進行するに伴い低減し
た。
2.発明の背景 フェリチンは、利用可能な無毒性形態で鉄を保持する
鉄貯蔵タンパク質である。種々のイソ型フェリチンが異
なる組織から単離されている。フェリチン特性の変動性
は、多量体タンパク質殻中に異なる種類のサブユニット
が存在することによって主として引き起こされると考え
られる(Drysdale,1977,Ciba Found.Symp.51:41;Arosio
ら,1978,J.Biol.Chem.253:4451;Watanabeら,1981,Bioch
em.Biophys.Res.Comm.103:207)。実際に、3種のフェ
リチンサブユニットが報告されている。即ち、鉄負荷組
織で広く存在するLサブユニット(19kd)、鉄欠乏及び
悪性細胞において優勢なHサブユニット(21kd)(Drys
dale,1977,上記;Arosio,1978,上記)および血清から単
離されるグリコシル化Gサブユニット(24kb)(Cragg
ら、1981,Biochem.J.199:565)の3種である。異なるイ
ソフェリチンはLサブユニット型とHサブユニット型を
異なる割合いで含有する。さらに最近になって、cDNAク
ローンの予備分析から、HおよびLサブユニットがどち
らかといえば複雑な遺伝子群によってコードされること
が明示されたが(Brownら,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.US
A.73:857;Costanzoら,1984,EMBO J.3:23)、このことは
フェリチン分子の異質性が現在測定されているより大き
い可能性さえあることを示唆している。種々のイソ型フ
ェリチンが正常組織及び悪性組織から単離されており、
最も酸性の強いものは、腫瘍組織および胎児組織で優勢
である(Drysdale,1976,Ciba Found.Symp.51:41;Arosio
ら,1978,J.Biol.Chem.253:4451)。血清中の酸性イソフ
ェリチンのアッセイは悪性疾患の診断に重要である可能
性があることが示唆されている(Hazardら,1977,Nature
265:775)。血清フェリチン濃度の上昇は、急性リンパ
性白血病(ALL)(Matznerら,1980,Am.J.Hamatol.9:1
3)、肝癌(Giannoulis,1984,Digestion.30:236)、乳
癌(Jacobsら,1976,Br.J.Cancer34:286)、および最近
ではホジキン病(Bezwodaら,1985,Scand.J.Haematol.3
5:505)を含む種々の悪性疾患に罹患している患者で見
られた。HeLa細胞フェリチンに対する抗体に基づくアッ
セイにおいて、HazardとDrysdaleは、種々の腫瘍患者か
らの血清中においては、正常肝フェリチンに対する抗体
によってアッセイした同一血清におけるよりも高濃度の
フェリチンを見出した(Hazardら,上記)。他の人々
は、腫瘍組織(Craggら,1977,Br.J.Cancer.35:635;Hall
idayら,1976,Cancer Res.36:4486)、又は腫瘍患者から
得た血清(Jonesら,1978,Clin.Chim.Acta.85:81;Jones
ら,1980,Clin.Chim.Acta.106:203)におけるイソフェリ
チンの一貫したパターンを示すことができなかった。し
たがって、悪性疾患における血清フェリチン上昇の起源
および特異性に関して対立する見解が認められる。
3.発明の要約 本発明は、血清のような患者試料中の、または末梢血
液リンパ球上の特定のイソ型のフェリチン、即ち胎盤の
フェリチン(PLF)の検出を包含する、免疫抑制状態の
診断及び予知のための方法に関する。本発明の方法は、
一部、PLF(他のイソフェリチンではない)が、免疫抑
制患者の疾病の初期段階で上昇する、という驚くべき発
見に基づくものである。免疫抑制患者の疾病の性質の如
何により、PLFのレベルは上昇したままもしくは疾病が
進行すると低下する可能性がある。PLFと対照的に、成
人イソフェリチンレベルは免疫不全の後期に上昇する。
この発見は、一部分、肝臓または脾臓のイソ型のような
その他のフェリチンを除くPLFと結合する本明細書に
(そして関連の原出願に)記載のCM−H9のようなモノク
ローナル抗体の開発によって可能となった。これらのモ
ノクローナル抗体によって、疾病の経過中に患者のPLF
レベルのみを検出することが可能となった。本発明によ
れば、この種の特異性を示すモノクローナル抗体を患者
試料中のPLFのレベルを監視するためのイムノアッセイ
に使用できる。かかるPLFプロフィルは免疫抑制の診断
及び予知に用いることができる。
4.定 義 AIDS=後天性免疫不全症候群 ARC=エイズ関連症候群 BSA=ウシ血清アルブミン CD4=T4=ヘルパー/インデューサーTリンパ球のマ
ーカー CD8=T8=細胞障害性/サプレッサーTリンパ球のマ
ーカー CD2=T11=総T細胞集団のマーカー、ヒツジ赤血球ロ
ゼットレセプター ELISA=酵素結合イムノソルベントアッセイ HIV=ヒト免疫不全ウイルス:HTLV−III;LAV McAb=モノクローナル抗体 PBS=燐酸緩衝食塩水 PLF=胎盤イソフェリチン(がん胎児性フェリチンと
もいう) SD=標準偏差 5.図面の説明 第1図:HIV感染患者、および健康な血液銀行献血者で同
時に測定したPLF(A)と正常フェリチン(B)の平均
血清レベル。n=試験した被験者数。バーは、平均+1S
D(標準偏差)を表わす。()は、tテストによれば
血液銀行献血者におけるよりも有意に高い値を表わす
(p<0.01;xx,p<0.001)。
第2図:HIV感染患者のCD4+のリンパ球当たりの血清PLF
の比率。バーは平均+1SDを表わす。
第3図:HIV感染患者A〜E群において、CM−H9 McAbに
よりPLFに関して陽性に染色された循環リンパ球のパー
センテージの散布図。各点は、単一患者における測定値
を表す。
第4図:T4+、T8+及びPLF+細胞の検出可能数に及ぼすHIV
感染患者からのリンパ球のレバミソール処理効果。リン
パ球をレバミソール(40μg/ml)または培地(未処置細
胞)と共に、37℃で30分間インビトロでインキュベート
し、次に接合McAbとインキュベートした。
第5図:血液学的悪性疾患患者(最初の7カラム)、お
よび健常個体(右カラム)における総血液フェリチンレ
ベルを示す散布図。総フェリチンは、標準物として肝臓
フェリチンを用い、A型McELISAによって測定した。
第6図:血液学的悪性疾患患者(最初の7カラム)、お
よび健康個体(右カラム)における血清PLFレベルを示
す散布図。PLFは標準物として胎盤フェリチンを用いる
B型McELISAによって測定した。
第7A図:PLFの溶離プロフィル。胎盤フェリチンを下記の
ようにして調製し、そして0.02M〜0.05Mのトリスー塩酸
(pH7.5)グラジェントを用いて、DEAE−セルロースカ
ラムからPLFを溶離した。
第7B図:ELISAによってアッセイした各フラクション中の
PLF含量。ELISAサンドイッチアッセイには、次の捕捉/
検出抗体を用いた:CM−H9捕捉/CM−H9検出;CM−G8捕捉/
CM−G8検出;及びCM−G8捕捉/CM−H9検出。
第8図:自己免疫疾患患者で検出されたPLFレベルの散
布図。PLFレベルは免疫抑制を特徴とする疾患において
上昇する。
6.発明の詳細な説明 本発明は、任意の多数の疾患または薬剤によって引き
起こされうる免疫不全または免疫抑制状態の診断及び予
知方法に関する。例えば、HIV感染によって引き起こさ
れる後天性免疫不全症候群(AIDS)、ある種のリンパ腫
および白血病、並びにリウマチ様関節炎、重症筋無力
症、多発性硬化症等のようなある種の自己免疫状態で生
じる免疫抑制を本発明の方法を用いて診断し、段階づけ
し得る。
本発明は、一部分、PLF(胎盤フェリチン)がイソ型
の成人フェリチンと反対に、免疫抑制患者の疾病初期段
階で上昇する、という驚くべき発見に基づいている。免
疫抑制患者の疾病の性質の如何により、PLFレベルは高
まったままであるか、あるいは疾病の進行と共に低減し
得る。PLFレベルと対比すると、成人フェリチンは免疫
不全の後期で上昇する。この発見は、一部分、PLFに特
異的でありそして成人フェリチンとは交差反応しないモ
ノクローナル抗体、CM−H9(本明細書並びに原出願に記
載)の開発によって可能になった。
本発明によれば、患者試料中のPLFレベルの測定を免
疫抑制の早期診断に使用できる。さらに、PLFおよび正
常成人フェリチン両レベルの監視を用いて免疫抑制の進
行段階を予知できる。PLFおよび/または成人フェリチ
ンの存在に関して種々の組織を試験し得るけれども、血
清および末梢血液リンパ球(PBL)が好都合な試験試料
である。成人フェリチンは血清中(および身体の種々の
組織)においてアッセイできるが、一方PLFは血清中に
存在するのみならず、循環リンパ球の特定のサブセット
の表面に結合すると思われる。それゆえ、PLFが疾病の
非常に早い段階で先ず産生される場合、循環リンパ球サ
ブセットは利用可能なPLFのすべてを結合し、従ってPLF
の血清レベルは正常であるように見えるかも知れない
が、循環リンパ球はPLF試験に関して陽性であろう。し
かしながら、免疫抑制の初期段階中にPLF産生量が増加
する場合は、PLFと結合するリンパ球のサブセットは
「飽和」となり、その時点でPLFの血清レベル上昇が検
出される筈である。
免疫抑制患者の疾患の性質の如何により、PLFレベル
は高まったままであるか、あるいは疾病が進行した場合
には低減し得る。例えば、HIV感染患者においては、PLF
レベルは疾病の初期段階で上昇し、しかも疾病の後期に
は低減する。これに対して、ホジキンリンパ腫、低度お
よび中間度の非ホジキンリンパ腫、並びに急性リンパ性
白血病(ALL)患者のようなリンパ増殖性患者において
は、PLFレベルは疾病初期に上昇しそして疾病が進行し
た場合にも依然として高いままである。本出願人は本発
明のメカニズムを説明する義務も責務もないが、しかし
AIDSの場合の感染リンパ球、またはリンパ腫および白血
病の場合の悪性リンパ球がPLFの細胞性供給源であっ
て、これが免疫抑制中の細胞当たりのレベルが上昇した
ところで発現されるのであろう。したがって、AIDS患者
においては、感染リンパ球の集団が減少すると、検出さ
れるPLFレベルが低下しよう。これに対して、リンパ腫
および白血病では、悪性リンパ球集団が増殖するに伴
い、PLFレベルは依然として高いままであろう。
患者試料中のPLFの検出は多数の方法のいずれかによ
って行い得る。以下でさらに詳細に述べるように、PLF
を検出するための好都合な方法には、イソ型の成人フェ
リチンを除くPLFを特定し、それと結合するモノクロー
ナル抗体を用いるイムノアッセイが包含される。かかる
モノクローナル抗体は、「サンドイッチ」または競合フ
ォーマットまたは細胞障害アッセイにおける、酵素結合
イムノソルベントアッセイ(ELISA)、ラジオイムノア
ッセイ、蛍光イムノアッセイ等を含むがこれらに限定さ
れないPLF検出のための任意のイムノアッセイフォーマ
ットに使用できる。本明細書に記載の詳細な実施例にお
いては、サンドイッチイムノアッセイフォーマットに特
に有用な2種類のモノクローナル抗体が記載される。一
方のモノクローナル抗体はPLFおよび成人フェリチンの
両方と交差反応するか、PLFに特異的な第2のモノクロ
ーナル抗体は、成人フェリチンとは交差反応しない。交
差反応性抗体は、試料中に存在する全てのイソ型フェリ
チン、例えばPLFおよび成人フェリチンを捕捉するため
の「捕捉抗体」として、サンドイッチイムノアッセイに
使用できる。PLF特異的モノクローナル抗体を標識し
て、捕捉されたPLFを検出するのに使用できるが、一方
交差反応性モノクローナル抗体は、標識して全ての捕捉
されたイソ型フェリチンを検出するのに使用し得る。
以下の小節では、PLFの特性決定、PLFを特定するモノ
クローナル抗体、および自己免疫状態におけるPLFの診
断及び予知的用途を記載する。本発明は、HIV感染患
者、並びにリンパ腫または白血病、およびある種の自己
免疫疾患患者における血清PLFおよび成人フェリチンの
レベルを、ELISAサンドイッチフォーマットで、PLFおよ
び成人フェリチンに対するモノクローナル抗体を用いて
疾病の経過中監視した実施例によって説明する。
7.胎盤フェリチンおよび胎盤フェリチンに特異的なモノ
クローナル抗体 2種のモノクローナル抗体、即ち専らPLFと反応するC
M−H9、およびPLFおよび成人フェリチンの両方と交差反
応するCM−G8を用いて胎盤フェリチンの特性決定を行っ
た。CM−H9と反応性の胎盤フェリチンはCM−G8反応分子
に比較して極めて酸性が強く、このことはヒト胎盤フェ
リチンにおける構造的異質性を示している。我々の分析
によって、胎盤フェリチンの3種のサブユニット構造が
明らかになった:即ち、18kd軽い(L)サブユニットお
よび20kdの重い(H)サブユニット、並びに43kdサブユ
ニットの3種である。18kdLおよび20kdHサブユニット
は、脾臓および肝臓フェリチンに関して以前に示されて
いる;しかしながら第三の高分子量サブユニット(43k
d)はヒト胎盤フェリチンに特有であると思われる。CM
−H9反応性胎盤フェリチンは、43kdサブユニットのみで
構成されていた。この43kdサブユニットは、徹底的な還
元状態下でもそれ以上分解できなかった。
このように同定されたヒト胎盤フェリチンの43kdの特
有のサブユニットは、フェリチン分子の一部分かあるい
はそれに関連したものであると思われる。この見解は、
このサブユニットが脾臓および肝臓フェリチンに存在す
るCM−G8反応性抗原エピトープを含有するという所見に
基づくものである。さらに、CM−H9反応性フェリチン
は、そのフェロシアン化カリウムとの反応性によって明
らかであったように、測定可能量の鉄を含有したので、
それゆえ胎盤関連イソフェリチンとみなされうる。DEAE
カラムから溶離されたPLFのフラクションを分析するの
にCM−H9およびCM−G8を用いると、43kdサブユニットは
L鎖またはH鎖を有するホモポリマーまたはダイマーと
して生じ得ることが明らかとなった。
20kdHサブユニットと43kdサブユニットとの間にはい
くつかの構造的類似性が観察された。両サブユニットは
V8タンパク分解に感受性であり、両者ともに、還元条件
下でのSDS処理後にCM−G8とのその抗原反応性を失っ
た。それは、胎盤フェリチンの高分子量サブユニット
(43kd)が安定したダイマーであるかまたはHサブユニ
ット(20kd)の前駆体であるということであろう(Parh
ami−Seren and Moroz,1986,G.I.Pat.Chin.1(1):17
をも参照)。
最後に、CM−H9と反応する胎盤フェリチン中に存在す
る特有の43kdサブユニットは乳癌細胞により合成された
フェリチン中にも見出されたが、正常な乳房細胞によっ
て合成されたフェリチン中には見出されなかった。さら
に、CM−H9反応性フェリチンは乳癌患者の血液中で検出
されたが、しかし健康個体においては検出されなかっ
た。それゆえ我々はCM−H9反応性43kdサブユニットは癌
胎児性フェリチンの特徴であることを示唆する。
8.胎盤フェリチンの分子異質性 DEAE−セルロースクロマトグラフィー後に得られた胎
盤フェリチン(下記6.1節に記載)を等電点電気泳動(I
EF)処理し、そしてさらに125I−CM−H9または125I−CM
−G8 McAbと反応させた。125I−CM−H MaAbは、pH4.7〜
5.2の範囲で胎盤フェリチンと反応した。他方、寒天上
で等電点電気泳動処理した脾臓フェリチンは125I−CM−
H9 McAbと反応しなかった。125I−CM−G8 McAbはpH5.1
〜5.4で泳動した胎盤フェリチンと、そしてpH5.4〜5.5
で泳動した脾臓フェリチンと反応した。IEFの結果は、
胎盤フェリチンが異質性であることを示している。最も
酸性の高いフェリチン(pI4.7〜5.0)はCM−H9 McAbと
反応したが、一方より酸性の低い分子(pI5.1〜5.2)は
CM−H9及びCM−G8 McAbの両方と反応した。pH5.4〜5.5
で泳動した脾臓フェリチンは125I−CM−G8 McAbと反応
したが、一方かかるpHでは125I−CM−H9 McAbとの反応
性は観察されないことも判明した。
DEAE−セルロースカラムから溶離されたPLFフラクシ
ョン(下記6.1節に記載)をさらに、次の捕捉/検出抗
体を用いたELISAアッセイによって分析した:(a)CM
−H9捕捉/CM−H9検出;(b)CM−G8捕捉/CM−G8検出;
および(c)CM−G8捕捉/CM−H9検出。第7A及び7B図に
示した結果は、これらフラクション中の異なるPLFの相
対量を示す。Matzner等(1985,Brit.J.Haematol.59:443
−448)は、フラクションIIが最大生物学的活性(即ち
インビトロでのT細胞機能に及ぼす免疫抑制効果)を示
すが、一方フラクションIはこのような活性を示さない
ことを報告した。興味深いことに、我々の結果では、よ
り活性の高いフラクションIIが最大量のCM−H9反応性PL
Fを含有することを明示している。
9.CM−H9およびCM−G8モノクローナル抗体と反応性の胎
盤フェリチンのサブユニット構造 還元条件下でのSDS−PAGE処理に続く125I−CM−H9ま
たは125I−CM−G8を用いるイムノブロッティングによっ
て胎盤フェリチンを分離した結果、125I−CM−H9は胎盤
フェリチンの単一サブユニット構造物(43kd)と反応す
ることが明らかとなった。125I−CM−G8 McAbとの反応
性は胎盤フェリチンでも脾臓フェリチンでも観察されな
かった。これらの結果は、胎盤および脾臓の両方のCM−
G8反応性フェリチン抗原決定基が還元条件下でのSDS処
理に感受性であることを示唆している。さらに、ポリク
ローナルウサギ抗ヒト脾臓フェリチンおよび125I−プロ
テインAを用いてイムノブロッティング実験を実施し
た。SDS−PAGE後、胎盤および脾臓フェリチンの両方に
おいて、18kdの1個のバンドが明白に認められた。
胎盤及び脾臓フェリチンのCM−G8反応性決定基はとも
にSDS処理後には検出され得なかったため、SDS−PAGEに
先立って、アフィニティ精製胎盤フェリチンを放射性標
識しそしてモノクローナル抗体で免疫沈降する実験を計
画した。種々の濃度のCM−H9 McAbで免疫沈降させそし
てSDS−PEGE上で電気泳動処理した。125I−CM−H9反応
性フェリチンは43kdの1個のサブユニット構造物を示し
た。このサブユニット構造物は徹底的な還元条件(2%
SDSおよび5%β−メルカプトエタノール中で、または6
M尿素中で10分間沸騰)ではそれ以上分解されなかっ
た。他方、種々の濃度のCM−G8 McAbで免疫沈降させそ
して上記条件下でSDS−PAGE処理した125I−CM−G8反応
性フェリチンは、43、20および18kdの3種の別個のサブ
ユニットを示した。これらの結果は、43kdサブユニット
構造の存在はCM−H9およびCM−G8の両方に反応性のフェ
リチンには共通するがCM−G8のみに反応性のフェリチン
は、43kdサブユニットに加えて、H及びL鎖を含有した
ことを示している。
10.V8プロテアーゼによる胎盤イソフェリチンの酵素的
消化 V8プロテアーゼによる限定されたタンパク加水分解に
対するフェリチンサブユニットの感受性を測定するため
にさらに実験を行った。CM−H9反応性フェリチンの43kd
サブユニットの大部分はV8プロテアーゼと60分間インキ
ュベーション後に消化された。しかしながら、このサブ
ユニットの完全な消化は、120分間インキュベート後で
さえ達成できなかった。CM−G8反応性フェリチンをV8プ
ロテアーゼで処理した場合は、43kd並びに20kdサブユニ
ットは完全に消化された。
11.胎盤フェリチンの検出 患者試料中のPLFの検出に好都合な方法には、イソ型
の成人フェリチンを除くPLFを特定するモノクローナル
抗体を用いるイムノアッセイが包含される。かかる抗体
は、「サンドイッチ」、競合、または細胞障害性/標的
細胞フォーマットにおける、ELISA、ラジオイムノアッ
セイ、蛍光イムノアッセイ等を含むがこれらに限定され
ない種々のイムノアッセイにおいて適切に配置して使用
できる。
本明細書に記載の詳細な実施例においては、かかるア
ッセイに特に有用な2種類のモノクローナル抗体が記載
される:即ち、PLF及び成人フェリチンの両方と交差反
応するCM−G8のようなモノクローナル抗体、並びにPLF
に特異的で成人フェリチンとは交差反応しないCM−H9の
ようなモノクローナル抗体である。これらの抗体は、患
者におけるPLFおよび成人フェリチンの両レベルを監視
するためのサンドイッチ型アッセイにおいて多数の配置
で使用できる。例えば、PLF特異的抗体は、PLFレベルを
監視するための捕捉および検出抗体のいずれとして用い
ることもできる。あるいはまた、交差反応性抗体は試料
中の全てのイソ型フェリチン(即ち、PLFと成人フェリ
チンの両方)を捕捉するのに使用できる。この場合、PL
F特異的抗体は試料中のPLFイソ型を検出するのに使用で
き、そして交差反応性抗体は控えの試料に関して使用し
て、試料中に存在する全ての交差反応性フェリチンを検
出できる。かかるサンドイッチアッセイの結果から、患
者試料中におけるPLFおよび成人フェリチンの相対的な
レベルのプロフィールが提供される。
本発明の別の実施態様においては、PLFおよび交差反
応性抗体を区別して標識しそして試料中のPLFと成人フ
ェリチンの相対的比率を測定するのに用いることもでき
る。このように使用する場合は、各抗体を異なる蛍光、
発色団、発光物質、または酵素で標識して、異なる蛍光
的または比色定量的シグナルを生成させることができ
る。各シグナルの測定により、単一試料中のPLFおよび
成人フェリチンの示差分析が提供されよう。
本発明のイムノアッセイは、CM−H9およびCM−G8モノ
クローナル抗体の使用に限定されない。事実、CM−H9お
よびCM−G8と機能的に等価のその他のモノクローナル抗
体が本発明に従って使用されることが意図される。この
目的には、本発明に従って使用できる機能的に等価の抗
体分子を生成させるために、CM−H9およびCM−G8を用い
てそれぞれのPLFおよび成人フェリチン分子を単離する
ことができる。かかるモノクローナル抗体は培養中の連
続細胞系による抗体分子の産生を提供する任意の方法を
用いて調製できる。例えば、KohlerおよびMilstein(19
80,Sci.Am.243(4):66−74)によって最初に開発され
たハイブリドーマ法、並びにヒトB細胞ハイブリドーマ
法(Kozborら,1983,Immunology Today4:72)およびヒト
モノクローナル抗体を産生するためのEBV−ハイブリド
ーマ法(Coleら,1985,Monoclonal Antibodies and Canc
er Therapy,Alan R.Liss,Inc.,pp.77−96)等のような
最近用いられるようになったその他の方法は本発明の範
囲内である。CM−H9およびCM−G8エピトープ(例えば、
CM−H9またはCM−G8とその標的抗原との結合を競合的に
阻害するもの)を特定する、かかる方法により生成され
る抗体分子が本発明に従って使用するために選択されよ
う。
しかしながら、本発明はPLF検のためのモノクローナ
ル抗体分子の使用に限定されない。PLFの単離および特
定決定のためのさらなるかまたは異なる方法が開発され
れば、かかる技法もPLFに関して患者試料を監視するた
めに本発明に従って用い得ることは当業者には明白とな
ろう。
21.胎盤フェリチンおよび免疫抑制状態 下記の実施例に示される結果を以下で考察する。特に
第7節に示されるデータは、PLFがHIV感染患者において
産生されること、およびPLFの存在がAIDSにおける免疫
不全の病因におけるかなりの役割を演じていようことを
示している。第8および第9節に示されるデータは、PL
Fレベルが免疫抑制を特徴とするある種のリンパ腫およ
び白血病、並びに自己免疫疾患患者で高まっていること
を示している。
PLFを特異的に特定する別個のモノクローナル抗体の
利用可能性により、成人フェリチンの量とは関係なく、
特異的にPLFの血清レベルを測定するためのアッセイを
設計することが可能となった。これらの測定値から、HI
V血清陽性患者のARCおよびAIDSへの進行に関する予知的
指標として役立つ可能性があるイソフェリチンプロフィ
ールが得られた。
13.HIV感染における胎盤イソフェリチン 次の段階により分類した患者においてPLFを測定し
た:段階A,HIV血清陽性であるが、しかし臨床的徴候ま
たは身体的所見は認められない;段階B,リンパ節症およ
び/または巨脾腫;段階C,ARCに関連する臨床的症候ま
たは所見;段階D,全身的日和見感染を伴わないカポジ肉
腫、リンパ腫、またはCNS(中枢神経系)疾患;段階E,A
IDSの診断としてCDCによって最初に定義された日和見感
染。これらの結果から、初期の臨床的徴候を有するHIV
感染患者の大多数が血清PLF濃度の有意な上昇を示すこ
とが明示される。これらの上昇は、段階C(ARC)のほ
とんどの患者で保持される。これに対して、疾患がさら
に進行してAIDSになるのは総血清フェリチンレベルの有
意な上昇によるのであってPLF濃度の低下によるのでは
ない。AIDS患者における正常フェリチンレベルの増大
は、他の研究者によって以前に報告されている(Blumbe
rg,B.ら,1984,Lancet 1:347;Gupta,S.ら,1986,J.Clin.L
ab.Immunol.20:11−13)。
本出願人らは本発明を説明する義務はないけれども、
HIV感染個体における血清PLFの増大はリンパ節症の発症
およびAIDS関連症候群の後期の臨床的徴候と密接に関連
していることを我々は示唆する。正常フェリチンレベル
の増大は、ARCからAIDSへの疾患の進行に主として関連
があると思われる。臨床的に潜在性のHIV感染被験者
(段階A)は、血清イソフェリチンの上昇を示さない。
HIV感染患者における血清PLFの細胞性起源は未だ知ら
れていない。しかしながら、疾患の進行に伴って、PLF
の血清レベルの低下がCD4+リンパ球の総数の減少と明確
に相関したという観察は、PLFがこれらのCD4+リンパ球
に起源し得ることを示唆している。事実、血清PLFレベ
ルとCD4リンパ球の総数はともに、疾患の進行中は低下
する。しかしながら、これら細胞の減少集団内でのHIV
感染CD4+リンパ球の割合は、この時間中はおそらく増大
する。HIV感染CD4+リンパ球の割合におけるこの増大
は、段階Eにおける個々のCD4+リンパ球当たりの血清PL
F濃度の比率において観察された増大を説明し得る(第
2図)。これらの結果は、血清PLFがHIV感染CD4+細胞に
起源しており、従って、CD4+リンパ球当たりの血清PLF
レベル比は感染程度の診断指標として用い得ることを示
唆している。要するに、血清PLFの絶対的最高濃度が初
期HIV感染と関連がある一方、循環CD4+リンパ球当たり
のPLF濃度の比は細胞性感染度の指数として有用であり
うる。
これらの結果はまた、HIV感染被験者においては、PLF
が結合してCD8抗原をマスクするCD8+細胞のサブセット
が存在する(15.2+6.4%)ことも示している。PLFに対
するレセプターがCD8抗原であるか、あるいはCD8が立体
障害を介してPLFによりマスクされるようなそれに近接
した部位であるかは明らかでない。大多数のCD8+リンパ
球はPLF陽性でもなく、またMcAb−T8とのそれらの反応
を遮断されるわけでもないため、前者の可能性は非常に
考えにくい。腫瘍由来のイソフェリチンによるT細胞表
面レセプターのマスキングは、癌患者で観察されている
(Hann,H.W.L.ら,1984,Nature(London)265:755−756;
Moroz,C.ら,1977,Clin.Exp.Immunol.29:30−35;Moroz,
C.ら,1977,N.Engl.J.Med.296:1175;Moroz,C.ら,1977,Ca
ncer Immunol.Immunother.3:101−104;Moroz,C.ら,198
4,Cancer 54:84−89)。これらの患者において、イソフ
ェリチンは、マスクされたT細胞によるE−ロゼット形
成を阻害した。AIDS患者において抗−T11 McAbを用いて
試験した場合、E−レセプター(T11抗原)はマスクさ
れなかった。上記観察用の矛盾は、E−レセプターを同
定するのに用いたリガンドにあるのであろう。
完全組織培地での平行インキュベーションによってで
はなく、HIV感染リンパ球をレバミソールで処理するこ
とによって表面PLFが除去されたことは恐らく重要であ
る。
レバミソールとインキュベーションにより正常CD8表
面マーカーの脱マスキングが惹起された。この観察は、
ホジキン病および乳癌患者からのリンパ球に及ぼすレバ
ミソールの遮断解除効果に関する以前の所見(Moroz.C.
ら,1977,Cancer Immunol.Immunother.3:101−104;Ramo
t,B.ら,1976,N.Engl.J.Med.294:809)と適合する。レバ
ミソールは免疫強化薬として作用することが示されてい
る(Levo,Y.ら,1975,Biomedicine 23:198−200;Nekam,
K.ら,1981,Immunopharm.3:31−40)が、その作用様式は
未だに理解されていない。
HIV感染の臨床範囲全体にわたるイソフェリチン発現
のパターンは、PLFがホジキン病の病因において演じて
いると考えられると同様に、進行性免疫不全の病因にお
いてある役割を演じている可能性を示唆している。現在
の研究並びに従来の分析(Moroz,C.ら,1984,Cancer 54:
84−89)の両方において、正常被験者の末梢血液リンパ
球の小部分(6〜7%まで)が、最もありそうなのはCD
8プール内で、PLFを結合する。この比率は、HIV感染患
者においては拡大されると思われる。さらに、血清PLF
は、臨床段階BおよびCにおける最大リンパ系活性化期
間に相当して、比較的初期のHIV感染で劇的に上昇す
る。Walker等(1986,Science 234:1563−1566)からの
先行データは、ある種のCD8リンパ球がHIVのインビトロ
増殖を阻害し得ることを示唆している。仮説としては、
PLFはこれらのCD8細胞の免疫適格性を阻害し、それによ
って、後期疾患(同上)の特徴であるHIVの漸進的発現
に寄与して得るのであろう。
HIV感染初期におけるPLFの上昇と、その後の感染後期
の低下に関する説明は、今日までのところなされていな
い。我々の予備データにより支持される1つの可能性
は、トランス活性化ウイルス遺伝子(tat III)産物が
ウイルス感染CD4細胞におけるPLF mRNAを増大させると
いうものである。AIDS後期におけるこれらの細胞の総数
の減少は、血清PLF濃度において観察された低減を説明
でき、この間の総フェリチンは急性期反応体としての非
特異的刺激(例えば二次感染)に応答して増大する。
既知の免疫強化剤であるレバミソールがCD8+サブセッ
トからのPLFの溶離を増強するという所見は、特に疾病
の初期に用いられた場合のHIV感染の治療におけるこの
薬剤の役割を示しているのかも知れない。
14.胎盤フェリチンに特異的なモノクローナル抗体の調
製 以下の小節では、胎盤フェリチン(PLF)、および胎
盤フェリチンの特有のエピトープを特定するモノクロー
ナル抗体(例えばCM−H9 McAb)の調製について記載す
る。これらの抗体は、脾臓フェリチンとも肝臓フェリチ
ンとも交差反応しない。
15.胎盤フェリチンの調製 Beamish等(1971,J.Clin.Path.24:581)が用いた方法
の改変によって、ヒト胎盤から胎盤フェリチンを調製し
た。胎盤組織(500g)を薄切し、水を加えて総量を2000
mlにした。ホモジナイズ後、組織懸濁液を75℃に20分加
熱した。冷却し、10,000rpmで15分間遠心分離後、上清
を酢酸で処理してpHを4.6とした。10,000rpmで15分間遠
心分離することにより沈降タンパク質を除去しそして透
明な上清を希NaOHで中性pHに調製した。透明な褐色上清
を100,000×gで240分超遠心分離すると、懸濁フェリチ
ンが遠心管の底に少量集まった。沈澱物を0.9%食塩水
中に再溶解しそしてさらにSephadex G200カラムに通す
ことにより精製した。このカラムから得られたフェリチ
ンフラクションをpH7.5および0.02〜0.5グラジェントの
トリス塩酸緩衝液を用いてDEAEセルロース陰イオン交換
樹脂に通した。3個のタンパク質ピークが得られ、最も
酸性の高いピークpI=4.8を集め、分析に用いた。その
純度は等電点電気泳動、および抗−フェリチン血清およ
び抗−ヒト全血清に対する免疫電気泳動によって示し
た。このタンパク質を以下に記載するマウスの免疫化に
用いた。
16.胎盤フェリチンと結合するモノクローナル抗体の調
製 PLFと結合するが、しかしその他のイソフェリチンと
も交差反応し得るモノクローナル抗体を生成させるの
に、下記プロトコルを用いた。そのプロトコルおよび作
成されたモノクローナル抗体は以下の出願に記載されて
いる:1981年5月15日出願のイスラエル出願番号62879を
優先権とする、1982年4月30日出願の出願番号373,715
号の一部継続出願である1984年1月4日出願の出願番号
568,275号の継続出願である1988年1月22日出願の同時
係属出願出願番号○○○○○号。これらはそれぞれその
全体が参照として本明細書中に取り込まれるものとす
る。Morozら,1985,Clinica Chemica Acta 148:111−118
も参照されたい。
17.材料および方法 下記の培地および溶液をモノクローナル抗体の調製に
使用した。
a.RPMI−O(FCSなし) c.RPMI−HY−HATD−0日目から7日目 培地100ml当り 95ml RPMI−1640+20%FCS 1.0ml ピルベート(100X) 2.0ml 50X HAT 2.0ml 50X デオキシシチジン d.PRMI−HY−HT−8日目から14日目 培地100ml当り 97ml RPMI−1640+20%FCS 2.0ml 50X HT 1.0ml ピルベート(100X) 15日目/それ以降のハイブリッドにはRPMI−1640+20
%FCSおよびピルベート使用、またはRPMI−HY−HT中に
維持。
e.PEC33および25% w/v 無臭および白色でなければならない。100ml用に、相
当量グラムをガラスビンで15ポンドの圧力にて10−15分
間オートクレーブする。ビンが手で持てる位に冷えたと
ころで(約50℃)、RPMI−1640−0を100mlになるまで
加え、ぐるぐるかきまぜ、室温にて貯蔵。
f.HATD−試薬の最終濃度 H=ピポキサンチン 10-4M A=アミノプテリン 10-6M T=チミジン 2×10-5M D=デオキシシチジン2×10-6M HT=貯蔵液 100X−100cc チミジン(M.W.242.33):0.04846g ピポキサンチン(M.W.136.1):0.1361g 100mlになるまで水を加え、60−70℃に加温して溶解
させる。二度蒸留した水(ddH2O)を用いて最終用量を
再調整。50Xに希釈し、滅菌濾過(0.2μ)し、2mlずつ
−20℃にて貯蔵。
g.A貯蔵液1000X−100cc アミノプテリン(F.W.440.0):0.44g ddH2Oを用いて50mlとなし、アミノプテリンが溶解す
るまで0.1NのNaOHを1滴ずつ加える。ddH2Oを用いて最
終容量を100mlとなす。100mlに容量を調整する。滅菌濾
過(0.2μ)しそして−20℃にて貯蔵する。
h.D貯蔵液100X−100cc デオキシシチジン(M.W.227.2):0.00454g ddH2O中に溶解させ、100ccに調整し、50X貯蔵液に希
釈する。滅菌濾過(0.2μ)しそして−20℃にて貯蔵す
る。
i.HAT−50X−200ml 100mlの100X HTと10mlの1000XAを一緒にし90mlddH2O
を加え、50X HATをつくる。滅菌濾過(0.2μ)しそして
2mlずつ−20℃にて貯蔵する。
18.免疫化プロトコル 雌Balb/cマウス(開始時点にて4−6週令)を完全フ
ロインドアジュバンド中の50μg酸性胎盤フェリチン
(上記第6.1節記載のようにして調製)を週1回接種を
3回することにより免疫した。10μg酸性胎盤フェリチ
ンを最後に注射して3日後にハイブリダイゼーションを
行った。高度免疫マウスは、最後のブースターの少なく
とも1ヶ月前は休息させた。
19.脾臓細胞−ミエローマ融合 脾臓細胞は下記の様に調製した。
a.マウスより脾臓を、取り出しRPMI−0に入れ; b.ペトリ皿中でRPMI−0で2度すすぎ; c.RPMI−0中で18ゲージ針を用いる細く裂きばらばらに
し; d.細胞懸濁液をチューブに移し、沈んだ組織の大きなか
たまりは捨て; e.単一細胞懸濁液は新しいチューブに取り出し800RPM
(160×g)にて5分間遠心し; 赤血球を0.83%NH4Cl,pH7.5を用いて溶解させ; f.細胞をRPMI−0で3度洗浄し、RPMI−0中で再懸濁さ
せ; g.細胞をトリパンブルーを用いて数えた。
ミエローマ細胞を融合に使用した。PB/NS1/1−Ag4−
1を20%ウシ胎児血清(FCS)を補添したRPMI−1640中
で増殖させそして下記のように調製した。
a.ミエローマ細胞を培養フラスコから静かなピペット操
作で取り出し、50mlのFalcon/Corningチューブに入れ
た; b.900RPM(200×g)で5分間遠心し; c.RPMI−0で1回洗浄し、RPMI−0中に再懸濁しそして
トリパンブルーを用いて計数した。
脾臓細胞を下記のようにしてミエローマ細胞に融合さ
せた。
a.脾臓およびミエローマ細胞の1個の50mlの円錐形Falc
on/Corning使い捨て遠心チューブ中で10対1の割合で混
合し; b.細胞を900RPM(200×g)で5分間遠心してペレット
となし; c.培地はできるだけ完全に吸い出し; d.以後、使用した全ての溶液および培地は室温であっ
た。細胞ペレットを含有する遠心チューブを37℃の水浴
に浸しそして下記のものを静かにかき混ぜながら添加し
た。0.2ml 33%PEG1500を1分間加え、200×gで5分間
遠心した。細胞を再懸濁し、1分間穏やかにかき混ぜ、
次に5mlのRPMI−0を穏やかにかき混ぜながら添加し、
そして20%ウシ胎児血清を含有する5mlのRPMI−0を添
加した。この時点において、ハイブリッド混合物は多く
の小さなかたまりが存在してあまり再懸濁されてない細
胞浮遊物のように見えた。
e.混合物を200×gで5分間遠心してペレットとなし; f.細胞は、培地を細胞ペレットに噴出させてRPMI−HY−
HATD中に濃度が3×106/ccになるように、(37℃にて)
再懸濁させ; g.ハイブリッドは2滴の細胞懸濁液を、5mlピペットか
ら、あるいは先を切り取ったピペットチップを使用した
マルチ−ピペッターを用いて添加することにより(約65
マイクロリッター)、100−120RPMI−HY−HATDを含有す
る平底の96ウエルプレートに塗布し(約2×105
胞); h.RPMI−HY−HATD中に1×106/mlでNS−1細胞を含有す
る対照ウエルを準備し; i.プレートを7日間培養し; j.8日間およびそれから後は週に2度、培地の半分を注
意深く吸い出しそして80−100μのRPMI−HY−HT培地
を注入し; k.ハイブリダイゼーション後、3および4週目に陽性細
胞を選別した。
20.スクリーニングプロトコル スクリーニングおよびモノクローナル抗体の特異性の
判定は赤血球凝集試験により行った。胚胎盤および成人
脾臓フェリチンをCrCl2によりウシ赤血球、OxRBCに結合
させた。50μの漸増希釈度(1:10から出発)のハイブ
リドーマ培養上清を10μの成人および胚フェリチンOx
RBCと混合しそして赤血球凝集を測定した。
少なくとも1:1000の赤血球凝集力価を生じるクローン
の上清を選択した。
CM−OF−3で示されるひとつのクローン(以下CM−3
と呼ぶ)を選択した。このクローンCM−3は胚フェリチ
ンに特異的なモノクローナル抗体を生産しそしてこのも
のは成人および胚フェリチンの両方と交差反応する。
CM−G8で示されるもうひとつのクローンは胎盤フェリ
チンに結合し、脾臓および肝臓フェリチンと交差反応す
るモノクローナル抗体を生産する。CM−G8はCM−3によ
り認識されると同じエピトープを特定する。
21.胎盤フェリチンに特異的で正常のフェリチンとは交
差反応しないモノクローナル抗体の調製 次のプロトコルを使用して、PLFに特異的で、他のイ
ソフェリチンとは交差反応しないモノクローナル抗体を
調製した。特に、特異的な胎児決定基に対する異なるモ
ノクローナル抗体は、CM−H9を生成させるために、上記
記載のモノクローナル抗体CM−3を胎児および成人フェ
リチンの交差反応性決定基を阻止するのに使用した。
22.免疫化および融合プロトコル 下記の免疫化および融合操作を、PLFの特有のエピト
ープを特定しそして他のイソフェリチンとは交差反応し
ないモノクローナル抗体を得るのに使用した。ヒト胎盤
から単離した胚フェリチン(上記第6.1節記載のように
して単位したpI4.8のタンパク質)はモノクローナル抗
体CM−3と下記の割合で反応させた。すなわち、胚フェ
リチン(PBS中90μg)をCM−3抗−フェリチンモノク
ローナル抗体(10mg/ml)を含有するBALB/cマウスから
の腹水液と混合した。
この混合液を37℃で30分間インキュベートし続いて4
℃で一夜インキュベートした。混合物を10,000×gで遠
心し、生成した沈澱は捨てそして上清を免疫化に使用し
た。各BALB/cマウスを、完全フロインドアジュバンドと
混合した上記上清を週に一度、3週間皮内注射すること
により免疫した。上記投与量の1/5のブースター免疫化
は腹腔内に注射した。
ブースターから3日後、マウス脾臓を無菌的に取り出
しそして上記のようにして107/P3−NSI/1−Ag4ミエロー
マ細胞と108脾臓細胞をインキュベートすることにより
融合を行った。陽性クローンは上記のようにして同定し
た。CM−OF−H9で示されるクローン(以下CM−H9と呼
ぶ)を得た。
23.モノクローナル抗体CM−H9の特性決定 CM−H9モノクローナル抗体はIgGクラスに属する。す
なわち、このものはフェリチンと沈降物を形成せず、ウ
サギ補体を結合する。得られた腹水液において、抗体含
有量は約7mg/mlであった。1mlの腹水液は、約2mgの胎盤
フェリチンと結合しそして成人脾臓あるいは肝臓フェリ
チンとは結合しない。
24.CM−H9モノクローナル抗体を使用したリンパ球結合
胎盤フェリチンのイムノアッセイ モノクローナル抗体CM−H9は循環中末梢血液リンパ球
(PBL)に結合した血液またはPLFのような検査試料中の
PLF検出のためのイムノアッセイに使用できる。PLFの存
在はELISA、ラジオイムノアッセイあるいは細胞障害ア
ッセイ(そこでは細胞標的がかかわる)を含むがそれら
に限定されない任意の種類のイムノアッセイ系でCM−H9
を使用することにより測定できる。
一般に、末梢血液リンパ球に結合した胎盤フェリチン
検出のためのアッセイは(a)末梢血液からリンパ球を
単離し、そして(b)PLF特異的な新規モノクローナル
抗体の使用に基づく慣用の種類のアッセイを使用してリ
ンパ球上のPLFの存在を測定することにより実施でき
る。
好ましい実施態様によれば、検査は下記のようにして
行われる。
a.リンパ球をFicoll−Hypaqueグラジェント遠心により
末梢血液から単離し; b.リンパ球の表面に結合したPLFの存在あるいは非存在
をELISA、細胞障害試験あるいはラジオイムノアッセイ
のような任意の慣用の種類のアッセイにより測定する。
25.リンパ球の収集 リンパ球は下記のようにして収集する。
(a)15mlの血液をヘパリン含有血液収集試験管に収集
し、PBS,pH7.2中1:2に希釈。
(b)細胞懸濁液の下に10mlのFicoll−Hypaque密度溶
液(1.077gm/ml)を入れる。
(c)300×gで室温で30分間遠心する。
(d)培地:Ficoll−Hypaque界面からパルツールピペッ
トを使用して単核細胞を収集しそして新しい15ml試験管
に移す。
(e)15mlの洗浄培地(PBS,pH7.2)中に懸濁し、300×
gおよび4℃で10分間遠心することにより細胞を3回洗
浄する。
(f)洗浄培地中に再懸濁しそして細胞数を測定する。
26.ラジオイムノアッセイ操作 ラジオイムノアッセイのための2つの方法を以下に示
す。
A.ラジオイムノアッセイ−1 末梢血液単核細胞をFicoll−Hypaqueグラジエント遠
心により単離した。試験は三通り行った(Aブランク;B
試験試料)。
1.6本の試験管それぞれに2×106から3×106細胞を分
注し、300×gで10分間遠心し細胞をペレット化する。
2.PBSで1:10に希釈した20μのNRS(通常のウサギ血
清)を加え、4℃にて60分間インキュベートする。
3.3個の試験管それぞれに30μの腹水液(5%BSA中で
10-5に希釈)を加える。
A.対照腹水液は、PLFと反応しないIgG非特異的モノクロ
ーナル抗体を含有する。
B.CM−H9モノクローナル抗体。
よく混合し、室内で2時間インキュベートする。
4.10ml RPMI−1640を用い300×gおよび4℃にて10分間
遠心することにより細胞を2回洗浄する。
5.0.1μCiのI125ウサギ抗−マウスIgG(125IウサギIgG
1μCi/μg)を加え、4℃で60分間インキュベートし、
4におけるようにして冷PRMI−1640で2回洗浄し、放射
能を計数する。
陽性試験:CpmA−CpmB<500あるいはCpmA:CpmB>1.6。
B.ラジオイムノアッセイ−2 段階1すなわちRIA−1の後、試験操作を以下のよう
にして続ける。すなわち、CM−H9 F(ab)をUtsumiお
よびKarush(1965,Biochem.4:1766)の記載に従い、CM
−H9 IgGのペプシン消化によって得る。対照F(ab)
は、非特異的IgG(RIA−1の対照参照)から同様にして
得る。このように得られたF(ab)フラグメントを下
記のように使用する。
チューブA:0.025%ナトリウムアジドを含有するPBS(pH
7.2)中の5%BSA中における対照F(ab)、 チューブB:0.025%ナトリウムアジドを含有するPBS(pH
7.2)中の5%BSA中におけるCM−H9F(ab)
室温にて60分間インキュベートし、PBS(pH7.2)中の
1%BSA 2mlを用いて1回洗浄し、125I標識リガンドを
試験管AおよびBに加える(約105cpm)(125標識PLFあ
るいは125I−ポリクローナル抗−PLFとPLFとの複合体の
うちいずれか一方、該複合体は抗原/抗体モル比1:1あ
るいは1:2までで前もって形成させ、相互に室温にて1
時間プレインキュベートする。)標識したリガンドを細
胞と室温にて1時間インキュベートし、結合してない標
識リガンドを取り除くために1%BSAを含むPBS(pH7.
2)で2度洗浄し、そして計測する。もし、BがAを上
回る場合は試験は陽性である。
1.細胞障害アッセイ操作 試験は二通り行った。(A)対照および(B)試験試
料。
a.RPMI−1640中に5×106細胞/mlの密度でPBLを懸濁さ
せる。
b.150μのPBLを4つの12×75mmの試験管それぞれに入
れる。腹水液(30μ、10-4希釈物)を加える。
すなわち、A.対照腹水液(2試験管);B.CM−H9(2
試験管)。4℃にて45分間インキュベートする。
c.ウサギ補体(PBS中1:5に希釈したもの100μ)を加
えそして37℃で60分間ゆっくりした撹拌しながらインキ
ュベート。
d.トリパンブルーで生存細胞を数える。
2.結果:特定の疾患におけるリンパ球とのCM−H9モノク
ローナル抗体の反応性 上記記載のアッセイを用い、2種のモノクローナル抗
体CM−H9およびCM−3を疾患のない被験者のみならず種
々の病気を有する患者から得た血清およびPBLを選別す
るのに使用した。下記の第I表に示す結果は、2種の抗
体が乳房の悪性腫瘍およびホジキン病の迅速かつ便利な
検出ができ、そして正常フェリチンの増大を生じるタラ
セミアからのこれら識別を可能にすることを示してい
る。
27.HIV感染におけるイソフェリチン:臨床段階との関
係、CD8+リンパ球結合とエイズ病因 下記に詳述する例において、胎盤イソフェリチン(PL
F)はヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した被験者の
血清中で増大することが見い出された。PLFは2種のモ
ノクローナル抗体を使用する「サンドイッチ」抗原捕捉
ELISAの使用により定量した。エイズ関連症候群を示唆
する症状を有するかあるいは有しないリンパ節症患者
は、最高の血清レベルを有し、それは免疫不全の進行と
ともに減少した。それとは対照的に、全(正常)フェリ
チンは疾患の段階とともに漸進的に増大した。PLFはCD8
+リンパ球サブセットの細胞表面上に見い出されそして
特異的モノクローナル抗体によるCD8抗原の検出を阻止
すると思われた。細胞表面からのPLF溶離は培地だけで
はできないがレバミソールとのインキュベーションによ
り達成されてこれらの細胞上のCD8の決定基を阻止され
ないようにすることができた。したがってHIV感染にお
けるイソフェリチンのプロフィルにより、予知手掛かり
が提供される。造血および細胞性免疫の生理学的ダウン
レギュレーターであるPLFは、HIV遺伝子産物によるトラ
ンス活性化を介して異常に発現され、エイズに至る進行
性免疫不全、骨髄機能抑制およびHIV発現においてある
役割を果すであろう。
1.材料および方法 1.被験者 HIV陽性血清患者の血清は以前の研究期間中に得て−7
0℃にて貯蔵した材料から(Siegal,F.P.ら,1986,J.Cli
n.Invest.78:115−123)、および現在進行中の研究にお
ける患者から得た。患者は、関わるすべての被患者がHI
V陽性血清であると確認されたという改変を加えた臨床
段階に従って分離した。
段階は下記のように定義する。すなわちA期:HIV陽性
血清であるが、臨床的徴候あるいは身体的所見はない;B
期:リンパ節症および/または巨脾症;C期:臨床的症候
あるいは、ARCに関連する所見;D期:カポジ肉腫、リン
パ腫、あるいはCNS(中枢神経系)疾患があるが、全身
的日和見感染はない;E期:Center for Disease Control
(CDC)の独自の標準によりエイズを特定する日和見感
染(Center for Disease Control,Update on acquired
immune deficiency syndrome(AIDS)−United States,
1982,Morbid.Mortal.Weekly Rep.31:507−514)。また
血清は血液銀行の血液学的に正常な40人の献血者からも
得た。
2.リンパ球単離 末梢血液単核細胞は、新鮮なヘパリン添加血液からFi
coll−Hypaqueグラジェント密度遠心により単離した。
3.モノクローナル抗体 CD4+、CD8+、およびCD2+細胞とそれぞれ反応し、フル
オレセインまたはフィコエリトリンに直接接合されたモ
ノクローナル抗体(McAb)T4、T8およびT11のCoulter I
mmunology(Hialeah,Fla.)から得た。CM−H9 McAbはヒ
ト胎盤フェリチンを特定しそして胎盤イソフェリチンと
のみ反応するが肝臓あるいは脾臓フェリチンとは反応し
ないことが示されている(Moroz,C.ら,1985,Clin.Chim.
Acta 148:111−118)。CM−G8 McAbはヒト胎盤イソフェ
リチンに対して生成されるが、PLFのみならずヒト肝臓
および脾臓フェリチンとも反応する(同上)。
4.フローサイトメトリーおよび免疫蛍光染色 CD4+、CD8+、およびCD2+細胞は、2色免疫蛍光用に改
変を加えたCoulter Epics5セルソーターを使用し、フロ
ーサイトメトリーによりアッセイした。リンパ球は製造
業者の指示に従い、フィコエリトリン接合T4 McAb、お
よびフルオレセイン−イソチオシアネート接合T8 McAb
あるいはT11 McAbと直接反応させた。
5.CM−H9 McAbを使用したリンパ球膜上のイソフェリチ
ンの免疫蛍光染色 リンパ球を2%ウシ血清アルブミン(BAS)および0.0
1%アジ化ナトリウムを含有するpH7.2のリン酸緩衝食塩
水(PBS)(PBS−BSA)を用い、室温で2回洗浄した。
それぞれ1×106単核細胞を含有する2つの部分量を希
釈CM−H−9Ab 25μ中4℃で1夜インキュベートし
た。1×106細胞を含有する三番目の部分量は陰性対照
としてマウスIgG(Coulter)25μとインキュベートし
た。インキュベート後、単核細胞をPBS−BSA中で3回洗
浄し、ヤギ抗−マウスIgG F(ab′)のフルオレセイ
ン接合F(ab′)フラグメント(1:2希釈)(Capel
l)25μと4℃で30分間インキュベートしそして再びP
BS−BSAで3回洗浄した。
遠心後、洗浄した細胞ペレットを20μのPBS−BSA中
に懸濁し、そしてCM−H9 McAbで膜が染色されたリンパ
球を定量するのに288nmの励起波長で、Leitz Orthoplan
エピフルオレセンス顕微鏡を用いて顕微鏡スライド上で
検査した。少なくとも400個のリンパ球が数測された。
単球はその大きなサイズおよび豊富な顆粒状の細胞質に
より形態学的に同定され、計数から除外された。
いくつかの実験においては、膜イソフェリチンおよび
CD4抗原の二重染色が行われた。CM−H9 McAbおよびFITC
−抗−マウスF(ab′)2IgGを加えた後、リンパ球をPB
S−BSAで2回洗浄しそしてさらにフィコエリトリン−抗
−CD4 McAb(5μ,Coulter)と4℃で30分間インキュ
ベートした。細胞をPBSで2回洗浄しそして上記のよう
にして蛍光顕微鏡を用いて分析した。
6.CM−H9 McAbを使用したリンパ球細胞質中のイソフェ
リチンの免疫蛍光染色 リンパ球(1×106)を事前にきれいにした顕微鏡ス
ライド(Cytospin,Shandon Scientific)上にのせ遠心
し、5分間風乾し、無水メタノール中−15℃で10分間固
定した。細胞をPBS中で5分間1回洗浄しそして湿気チ
ェンバー中室温でCM−H9 McAb(50μ)と一夜インキ
ュベートした。インキュベート後、スライドをPBS中3
回(それぞれ5分間)洗浄しそしてさらにFITC−ヤギ−
抗−マウスF(ab′)(25μ,Capell)と室温で30
分間インキュベートした。細胞をPBSで3回洗浄しそし
て細胞質蛍光を調べた。各スライドに約1−4×103
の細胞が計測された。
7.単核細胞のレバミソール処理 レバミソール(Sigma,St.Louis,MO)を最終濃度40μg
/mlとなるまで全血または単離した単核細胞に加え、続
いてRamotら(1976,N.Engl.J.Med.294:809)記載のよう
にして37℃で30分間インキュベートした。次に、レバミ
ソール処理した細胞を、前記したフローサイトメトリー
および免疫蛍光染色の調整において種々のモノクローナ
ル抗体と混合した。
8.血清イソフェリチンの定量的測定 フェリチンおよび胎盤イソフェリチン(PLF)を以前
記載(Moroz,C.ら,1987,Exp.Hematol.15:258−262)の
様にして特異的McAb ELISAを使用し、161人のHIV感染患
者の血清および40人の血液銀行献血者の血清において測
定した。EngvalおよびPerlman(1972,J.Immunol.109:12
9−132)の「サンドイッチ」ELISA法をVollerら(1975,
Lancet 1:426)が改変した方法を使用してフェリチンお
よびPLFのためのアッセイを開発した。
フェリチンのためおよびPLFのための両アッセイ系に
おいて、全てのイソフェリチンに結合するMcAb CM−G8
は捕捉試薬として固相に結合させた。以前示されている
ように、高濃度の正常フェリチンは固相への結合をPLF
と競合しなかった(Moroz,C.ら,1987,Exp.Hematol.15:2
58−262)。捕捉された抗原を検出するには、アルカリ
ホスファターゼ接合CM−G8 McAbをフェリチン測定に使
用し、そして酵素接合CM−H9 McAbをPLF測定に使用し
た。2.5pgのアルカリホスファターゼ(AP)−接合CM−H
9 McAbに結合する胎盤フェリチン量とPLF 10単位(10UP
LF)と定義する。
9.統計分析 データをスチューデントのtテスト、相関系数、直線
状回帰、およびカイ2乗テストを使用する統計のパッケ
ージであるEPISTATで、IBM−ATパーソナルコンピュータ
処理し分析した。
2.結果 1.HIV感染患者のフェリチンおよびPLFの血清レベル PLF特異的ELISAの使用により、HIV感染患者および健
康な血液銀行献血者の血清中の全フェリチンの量とは独
立してPLF濃度が測定できた。かかる測定結果を第1A図
および第II表に示す。
第1A図に示すように、PLFの平均濃度は健康な献血者
において10±31.5U/mlであった。検査した血清の70%は
検出できる程のPLFを含有せず、10U/mlより高い濃度を
有するものは10%のみであったことは注目すべきである
(第1A図、第I表)。標準(P<0.01)よりも有意に高
く、最高濃度のPLF(25±25.3および18.2±16U/ml)が
臨床的徴候のある疾患の初期の患者で観察された(B、
C期)(第1A図)。また、正常の血清から得られた結果
とは対照的に、これら患者の血清の61−68%は、その血
清中に10U/ml以上PLFを含有していた(第1A図、第II
表)。
一方、さらに進行したHIV感染を有する患者(D、E
期)は血清中の平均PLFレベル(7.8±11.7、9.7±14.
7)が比較的低く、これは正常な対照者のそれとは有意
に相異しなかった(第1A図)。さらに、エイズ患者の2
9.7%および35.3%のみが、10U/ml以上の血清PLFを有し
た(第1A図、第II表)。
上記結果と対照的に、正常のフェリチンレベルは疾患
が進行するに伴い漸進的に上昇した(第1B図、第II
表)。進行した疾患を有する患者(D、E期)の62およ
び68.5%は、200ng/ml以上の血清フェリチンを有してい
た(第1B図、第II表)。臨床的あるいは身体的徴候のな
いHIV陽性血清患者の中で(A期)、平均PLFレベルは正
常値をこえて20.7±34.2U/mlまでわずかに増大し、33%
の患者は正常な対照者の値と有意に相違しない10U/ml以
上を有していた(第1A図、第II表)。全フェリチンレベ
ルもまた健康な献血者のそれとは有意に異ならなかった
(第1B図、第II表)。
2.疾患の進行に対する高い血清PLFおよび正常フェリチ
ンの関係 第I表に示す個々の結果の分割表分析を、PLFについ
ては10U/ml(正常な対照レベルの90%がこの値より下で
あるので選択)そして全フェリチンについては200ng/ml
(正常な対照レベルの92.5%が、この値より下であるの
で選択)の切り捨てレベルを使用して実施した。得られ
た結果は、血清PLFレベルの上昇と比較的初期のHIV感染
の存在との間の統計的に有意な関係を示し(BおよびC
期については、それぞれp=23×10-6およびp=4.4×1
0-6)、一方全フェリチンレベルの上昇は進行した疾患
との関連が高かった(DおよびE期にはそれぞれp=1.
49×10-6およびp<10-8)(第II表)。
患者の末梢血液中におけるCD4+およびCD8+細胞の数と
PLFおよび全フェリチンの血清レベルとの間で行なわれ
た相関関係調査により、循環しているCD4+細胞の数と血
清PLFレベルとの間の陽性の関係(相関係数0.17、p<
0.02)が明らかになった。PLFレベルは循環しているCD4
+細胞の数の減少とともに減少した。検出できない程のP
LFしか有しない最高に進行した疾患(D、E期)を有す
る患者の大部分は非常に低いかあるいは検出できない程
のCD4+細胞しか有しないことは注目すべきである。
次に我々はCD4+リンパ球数に対する血清PLFレベル
(検出できる量を有する血清中)の比率を測定した(第
2図)。おもしろいことに、エイズ患者(E期)は疾患
初期(B、C)の患者で観察されるより有意に高いPLF
U/CD4+細胞(p=7.89×10-3)比を有した(第2図)。
PLFレベルとCD8+細胞数との間には有意な相関関係は全
く見られなかった。これらの結果は、PLFはCD4+細胞に
より生成され、分泌されるという考えと一致する。
対照的に、陰性の相関関係(係数−0.3、p<0.000
1)が、正常のフェリチン濃度とCD4+およびCD8+両リン
パ球の数との間に見られた。全フェリチンの増加が漸進
的リンパ球減少と平行しており、このことは通常のフェ
リチンの主要源がHIV感染リンパ球ではないことを示唆
している。
3.HIV感染患者由来のリンパ球の細胞表面抗原 PLFはT細胞に結合しそしてヒツジ赤血球ロゼットを
阻止することは以前示されているので(Morozら,1977,C
lin.Expital.Immunol.29:30−35;Gillerら,1977,Cancer
Immunol.Immunother.3:101−105)、我々はPLFを担持
するリンパ球がHIV感染患者で確認されうるという可能
性について調査した。第3図に示すように、種々の期
(A−E)にあるHIV感染患者からの循環リンパ球の3
−28%がCM−H9 McAbと反応し、従って表面PLFを示して
いた。また低い割合のリンパ球(0.2−2.5%)は細胞質
PLFも示した(第3図)。
予想した様に、T細胞サブセットの比率はHIV感染患
者で逆であった(第III表)。
McAbs T4および/またはT8により同定されるリンパ球
により、正常の被験者に比較してHIV感染患者でT11 McA
bにより染色されるリンパ球の割合が有意に少ないこと
の説明ができる(第III表)。この観察により、T4ある
いはT8モノクローナル抗体と反応しない増大したT11+
団(T11+T4-T8-)の存在が明らかにされた。
この集団は正常な対照者(6.9±7.8)におけるよりも
HIV感染患者における方が有意に高い(p=9.76×1
0-10)。HIV感染患者におけるこのサブ集団(T11+T4-T8
-)(正常な被験者におけるよりも約13.2%上回る)は
同じHIV感染被験者においてPLF陽性(15.16±6.39%)
(第III表)として同定された集団の大きさと類似す
る。
CM−H9 McAbと反応する表面PLFをどのT細胞サブセッ
トが担持するか解明するためにさらに実験を行なった。
後期HIV感染を有する2人の被験者からのリンパ球上のC
D4およびPLFに対する二重標識(第IV表)では、PLFはCD
4+でないリンパ球と主に関連していることが示された。
4.HIV感染患者からのリンパ球の細胞表面抗原におよぼ
すレバミソールの作用 HIV感染患者の末梢血液リンパ球のインビトロでレバ
ミソールで処理した場合、2種類の同時発生の現象が起
った。T8 McAbで染色された細胞の数は約20%増大した
が、一方CM−H9陽性リンパ球(PLFにおおわれた)の数
は約15%減少した。T4+染色細胞の数はレバミソール処
理の後変化しなかった(第4図)。T11+(CD2+)細胞の
数もレバミソール処理のあと変化しなかった。これらの
結果は、CD4およびPLFに特異的なMcAbで二重標識した後
に得られた結果といっしょにすると、レバミソールは膜
に結合したPLFの脱落を生じ、CD8+CD2+T細胞部分のCD8
決定基を露出させることを示唆している。組織培養培地
中における平行したインキュベーションでは同等の作用
を有しなかった(第4図)。
28.リンパ増殖性疾患を有する患者のイソフェリチン 下記に詳述する例において、血清中の全フェリチンお
よびPLFのレベルを健康な個体およびリンパ増殖性疾患
や多発性ミエローマを有する患者において測定した。正
常な被験者の大部分は血清中にはPLFが欠けていた。血
清中のPLFレベルの増大は、急性リンパ性白血病(ALL)
患者のみならず、ホジキンリンパ腫ならびに低度と中間
度の非ホジキンリンパ腫の患者で観察された。またこれ
らの患者における全フェリチンも上昇していた。慢性リ
ンパ性白血病(CLL)および多発性ミエローマ患者は、
正常なレベルの普通の血清フェリチンを示したが、一方
血清中のPLFはなかった(Morozら,1987,Exp.Hematol.1
5:258−262をも参照)。
1.材料および方法 1.被験者 血清試料は血液学的に正常な40人の血液銀行献血者お
よび多発性ミエローマを有る患者のみならず、種々のリ
ンパ増殖性障害を有する70人の患者から得た。慢性リン
パ性白血病(CLL)患者が20人、非ホジキンリンパ腫患
者18人、ホジキン病患者が15人、多発性ミエローマ患者
が5人そしてALL患者が2人であった。中程度の非ホジ
キンリンパ腫患者のうち、2人は末梢血液へのかかわり
を有していた。非ホジキンリンパ腫を有する1人の患者
およびALLを有する2人の患者はフェリチン測定に先立
ち、それぞれ6包の包装された赤血球の輸血を受けた。
血清試料は追跡期間、診断時および治療中あるいは活動
性疾患中に1回採取した。ホジキン病患者だけは寛解期
間中もまた血清を採取した。リンパ腫の分類は実用分類
に従ってなされた(Kruegerら,1983,Cancer 52:833)。
2.モノクローナル抗体 McAb CM−G8およびCM−H9は上記第6節以下に記載さ
れるようにしてヒトPLFに対して生成された(Morozら,1
985,Clin.Chim.Acta 148:111も参照)。McAbは50%飽和
硫酸アンモニウム溶液で沈降させた後、腹水液から得
た。標準物として使用したPLFは、上記したようにジエ
チルアミノエチル(DEAE)−セルロースカラムで精製し
た後得られた(Morozら,1985,Clin.Chim.Acta 148:111
も参照)肝臓フェリチン標準物はMELISAフェリチンキッ
ト(Elias Medizintechnik,Freibury,FRG)から得た。
2.50pgのアルカリホスファターゼ(AP)接合CM−H9 McA
bに結合するPLFの量を10UのPLFであると見なした。
3.フェリチンの定量的測定 MELISA市販フェリチンキットはElisa Medizintechnik
より得、製造業者の手引書に従って使用した。このキッ
トで、ペルオキシダーゼ接合ポリクローナル抗ヒト肝臓
フェリチンの結合を測定する。
4.PLFおよび一般イソフェリチンに対するモノクローナ
ル抗体ELISA Vollerら(1975,Lancet 1:426)の改変を加えたEngva
lおよびPerlmann(1972,J.Immunol.109:129)の酵素を
結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)を肝臓の血清
中フェリチンおよびPLFイソ形態(それぞれMcELISA A型
およびMcELISA B型)を測定するためのELISAをフォーマ
ットするのに用いた。両アッセイにおいて、全てのフェ
リチンに結合するMcAb CM−G8を固相に結合させた。第
2部位、McAb−酵素接合反応には、CM−G8 McAbをMcELI
SA A型に使用しそしてCM−H9 McAbをMcELISA B型に使用
した。
A型およびB型McELISAは下記の様に行った:マイク
ロタイタープレートのウェルに150μのCM−G8 McAb
(100μg/mlリン酸緩衝食塩水[PBS],pH7.2)を被覆し
て4℃で一夜インキュベートした。プレートをPBS−Twe
en(PBS9および0.05%のTween20)で3回洗浄しそして
振り動かして乾燥した。
PBS−Tween 0.025%中のMcELISA A型で1:2にそしてMc
ELISA B型で1:4に希釈した試験血清(100μ)を二通
りずつウェルに加えた。血清希釈物およびフェリチン標
準物もまた二通りずつ加えた。高フェリチン濃度を有す
る血清試料を、高い希釈度での回収を測定するために希
釈物の中に置いた。プレートをMcELISA A中では4℃で
1時間、そしてMcELISA B中では1夜インキュベート
し、PBS−Tweenで3回洗浄し、そして100μのAP−McA
b接合体(0.4μg)を各ウェルに加えた。プレートを室
温でさらに120分間インキュベートしそして再び3回洗
浄した。酵素基板(p−ニトロフェニルホスヘート、1m
g/mlジエタノールアミン緩衝液、pH8.0、および0.5mmol
MgCl2)を加え、そして10−30分後に0.05mlの2M NaOH
を添加することにより反応を停止させた。発色した生成
物の量は405nmでの吸光度により測定した。
2.結 果 下記に記載する結果は、血清中のPLFレベルが急性リ
ンパ性白血病、活動性ホジキンリンパ腫および低〜中程
度の非ホジキンリンパ腫のようなリンパ増殖性疾患を有
する患者においては上昇していることを示している。
1.異なるELISAによる肝臓フェリチン標準物の評価 MELISA市販キットから得た肝臓フェリチン標準物を新
しいMcELISA A型によりアッセイしそして市販のMELISA
キットからのそれと比較した。15−500ng/mlの範囲の濃
度における肝臓フェリチンの結合パターンは同アンセイ
システムにおいて同様であった。
MELISAキットから供給された低および高レベルのフェ
リチンを含有する血清試料を2種のシステムによりアッ
セイした。低い対照レベルのフェリチン濃度はMcELISA
A型およびMELISAキッドでそれぞれ70ng/mlおよび57ng/m
lであった。両方の値は、MELISA製造者により指定され
た範囲(40−70ng/ml)内であった。高レベル対照のフ
ェリチン濃度は、両システムによりアッセイして500ng/
mmであった(製造者の所定の範囲は350−500ng/ml)。
さらに、McELISA A型およびMELISAアッセイにより得
られたフェリチン結果間の相関関係を検べた。すなわ
ち、10−150ng/ml)の範囲にわたる正常の献血者からの
22血清および50−400ng/mlの範囲にわたる癌患者からの
21血清を検査した。正常な範囲の相関係数は0.98で、回
帰等式はy=1.05±8.1であった。高い範囲において、
相関係数は0.967、回帰等式はy=1.37±21.09であっ
た。
この結果は、AP接合CM−G8 McAbを使用したMcELISA A
型は血清中の肝臓型フェリチンの正常レベルの定量的測
定に好適であることを示している。しかしながら、高い
範囲におけるフェリチン測定では、MELISAによるよりも
McELISA A型により高い量が計測された。
2.CM−G8およびCM−H9 McAbに対する胎盤および肝臓フ
ェリチンの結合 胎盤および肝臓フェリチンの両方共AP−CM−G8 McAb
の接合体を使用したMcELISA A型で測定した。これら2
種のイソフェリチンの同様な結合パターンが30−800ng/
mlの濃度範囲が観察された。この結果は、我々の新しく
開発したMcELISA A型は肝臓およびPLFイソフェリチン両
方の測定に好適であることを示している。それとは対照
的に、PLFの詳細な測定はMcELISA B型が使用された場合
のみ可能であった。
McELISA B型におけるPLFに対するAP−接合CM−H9 McA
bの結合は2.5から20単位の濃度範囲では直線状である
が、一方100から800ng/mlの濃度範囲における肝臓フェ
リチンはAP接合CM−H9 McAbと結合しなかった。これら
の結果はPLFの検出に関するMcELISA B型の特異性を示し
ている。
3.健康個体およびリンパ増殖性疾患を有する患者の血清
中のイソフェリチン 健康個体およびリンパ増殖性疾患を有する患者から得
たイソフェリチンのアッセイ結果を第V表に示す。
McELISA A型により健康個体の血清中で計測されたフ
ェリチンの平均濃度は85.3±65.9ng/mlであった(第V
表)。平均フェリチン濃度は、女性(50.3±59.8ng/m
l)よりも男性(108±58ng/ml)において高かった。有
意に高いフェリチンレベル(p<0.025)は下記の悪性
疾患に罹患している患者の血清で測定された。すなわ
ち、ホジキンリンパ腫(359±236ng/ml)および低度と
中間度の非ホジキンリンパ腫(それぞれ218.3±186.9お
よび272.8±180.88ng/ml)、ならびにALL患者2人(600
±0ng/ml)。寛解期のホジキンリンパ腫患者の血清は、
健康個体のそれらと同様な平均フェリチンレベル(95.1
±46.7ng/ml)を示した。CLL患者および多発性ミエロー
マ患者は正常なフェリチンレベルを示した(それぞれ6
6.3±33および68.5±39.2ng/ml)。McELISA A型で測定
した個々のフェリチン濃度を第5図に示す。
McELISA B型により測定した健康個体の血清中におけ
るPLFの平均血清濃度は8.1±14.3U/mlであった(第V
表)。女性(4.5±7.7U/ml)より男性(10±10U/ml)血
清中においてより高い濃度が測定されたが、これらは統
計学的に意味はない。検査した血清の70%が検出できる
程のPLFを全く含有してなかったことに注目すべきであ
る。正常(p<0.025)より有意に高い濃度のPLFはホジ
キン病患者(47±43ng/ml)および低度と中間度の非ホ
ジキンリンパ腫患者(それぞれ97.1±39および41.9±3
5.8U/ml)の血清中で測定された。寛解期のホジキンリ
ンパ腫患者は、健康個体(15.3±19.3U/ml)のそれとは
有意に異ならない血清PLFレベルを有した。またALLの2
人の患者(80−200U/mlの範囲)でも高いPLFレベルが測
定された。全くないかあるいは非常に低いPLF濃度は多
発性ミエローマ(0)およびCLL(6.3±13.5U/ml)の患
者の血清中で見られ、CLL患者の血清の85%は完全に陰
性であった。PLFの血清濃度の個々の分布を第6図に示
す。
29.自己免疫状態におけるイソフェリチン PLFの血清レベルを、種々の自己免疫状態を有すると
診断された患者に由来する貯蔵した試料から回顧的に測
定した。第8図に示す結果は、血清PLFレベルは、多発
性硬化症、重症筋無力症およびリウマチ性関節炎を有す
ると診断された患者において高まっていたことを示して
いる。これら自己免疫状態のそれぞれは免疫不全を特徴
とする。
30.ハイブリドーマの寄託 下記ハイブリドーマをフランスのCollection Nationa
le de Cultures de Microorganisims of the Institute
Pasteur in Parisに寄託しそして以下に示される受託
番号を得た: ハイブリドーマ 受託番号 CM−H9 I−256 本発明は寄託されたハイブリドーマまたは本発明の一
局面のひとつの説明として意図される実施例に開示され
る実施態様によって範囲を限定されるものではなく、そ
して機能的に同等の任意のハイブリドーマおよび方法は
本発明の範囲内にある。事実、ここに示したり記載した
ことに加え本発明の種々の改変が前出の記載から当業者
には明らかであろう。かかる改変は本発明の範囲に該当
することが意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミズロック,エス,レスリー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10514,チャパクア,ヒルトップ ドラ イブ 74 (56)参考文献 特開 昭57−19614(JP,A) Chaya Moroz.et.al Experimental Hema tology 15(3) (1987) P.258−262 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/53 G01N 33/569 BIOSIS PREVIEWS

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 患者から血液試料を得ること、お
    よび (b) 血液試料中の胎盤イソフェリチンの濃度を測定
    すること、 を含んでなり、胎盤イソフェリチンの濃度上昇が免疫抑
    制の初期段階と相関関係にある、免疫抑制の検出および
    予知の方法。
  2. 【請求項2】血液試料が血清からなる請求の範囲1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】血液試料が末梢血液リンパ球からなり、そ
    して末梢血液リンパ球表面に結合した胎盤イソフェリチ
    ンの濃度が測定される請求の範囲1記載の方法。
  4. 【請求項4】(a) 患者から血液試料を得ること、お
    よび (b) 血液試料中の胎盤イソフェリチンの濃度を測定
    すること、 を含んでなり、試料中の胎盤イソフェリチンの濃度上昇
    が初期段階疾患を示すものである、HIV感染に関連した
    後天性免疫不全の予知および病期判定のための方法。
  5. 【請求項5】血液試料が血清試料からなる請求の範囲4
    記載の方法。
  6. 【請求項6】血液試料が末梢血液リンパ球からなり、そ
    して末梢血液リンパ球表面に結合した胎盤イソフェリチ
    ンの濃度が測定される請求の範囲4記載の方法。
  7. 【請求項7】(a) 患者から血清試料および末梢血液
    リンパ球試料を得ること、 (b)(i)血液試料中の胎盤イソフェリチンの濃度お
    よび(ii)末梢血液リンパ球試料中のCD4+リンパ球の数
    を測定すること、そして (c) 末梢血液リンパ球試料におけるCD4+リンパ球の
    数に対する血清試料中の胎盤イソフェリチンの濃度の比
    率を測定すること、 を含んでなり、この比率の増大は疾患の進行を示すもの
    である、HIV感染に関連した後天性免疫不全の予知およ
    び病期判定のための方法。
  8. 【請求項8】(a) 患者から血清試料を得ること、お
    よび (b) 血清試料中の胎盤イソフェリチンおよび成人フ
    ェリチンの濃度を測定すること、 を含んでなり、ここで(i)試料中における胎盤イソフ
    ェリチンの血清濃度上昇および成人フェリチンの正常血
    清濃度は初期疾患を示し、一方(ii)試料中の胎盤イソ
    フェリチンの正常血清濃度および成人フェリチンの血清
    濃度の上昇は後期疾患を示すものである、HIV感染に関
    連した後天性免疫不全の予知およ病期判定のための方
    法。
  9. 【請求項9】試料中の胎盤イソフェリチンの濃度が、 (a) 試料に胎盤イソフェリチン特異的抗体と接触さ
    せること、および (b) 試料に結合する抗体の量を測定すること、 を含んでなる成人フェリチンと交差反応しない胎盤イソ
    フェリチン特異的抗体を用いるイムノアッセイにより測
    定され、試料に結合した抗体の量が試料中の胎盤イソフ
    ェリチンの量と相関関係にある、請求の範囲1,2,3,4,5,
    6,7または8記載の方法。
  10. 【請求項10】抗体がCollection Nationale de Cultur
    es de Microorganismsに寄託され、受託番号I−256を
    有するハイブリドーマ細胞系CM−H9により産生されるモ
    ノクローナル抗体からなる請求の範囲9記載の方法。
  11. 【請求項11】胎盤フェリチン濃度が単位で測定され、
    その際10単位が2.5ピコグラムのモノクローナル抗体CM
    −H9と結合する胎盤イソフェリチンの量と定義される請
    求の範囲10記載の方法。
  12. 【請求項12】胎盤イソフェリチン特異的抗体が、 (a) 試料中の胎盤イソフェリチンが固定化相上に捕
    捉されるように、試料を胎盤イソフェリチンに特異的な
    固定化抗体と接触させること、 (b) 固定化相からすべての末結合試料を除去するこ
    と、 (c) 胎盤イソフェリチンに特異的な抗体に結合され
    たシグナル生成性成分を含有する接合体を固定化相に加
    えること、 (d) 固定化相から末結合接合体を全て除去するこ
    と、そして (e) 固定化相に結合する接合体の量を測定するこ
    と、 を含んでなり、固定化相に結合した接合体の量が試料中
    に存在する胎盤イソフェリチンの量と相関関係になる、
    サンドイッチイムノアッセイ系に配置されて使用される
    請求の範囲9記載の方法。
  13. 【請求項13】胎盤イソフェリチン特異的抗体がCollec
    tion Nationale de Cultures de Microorganismsに寄託
    され、受託番号I−256を有するハイブリドーマ細胞系C
    M−H9により産生されるモノクローナル抗体からなる請
    求の範囲12記載の方法。
  14. 【請求項14】試料中の胎盤イソフェリチンおよび成人
    フェリチンの濃度が、 (a) 試料を (i) 成人フェリチンと交差反応しない胎盤イソフェ
    リチンに特異的な第1の抗体、および (ii) 成人フェリチンと反応する第2の抗体 と接触させること、そして (b) 試料に結合する第1の抗体量および第2の抗体
    量を測定すること、 を含んでなる少なくとも2種の抗体を使用するイムノア
    ッセイにより測定され、 試料に結合する第1の抗体の量が試料中に存在する胎盤
    イソフェリチン量と相関関係にあり、そして試料に結合
    する第2の抗体の量が試料中に存在する成人フェリチン
    量と相関関係にある、請求の範囲8記載の方法。
  15. 【請求項15】抗体が、 (a) 試料を、試料中のフェリチンの全イソ形態物が
    固定化相上に捕捉されるように、胎盤イソフェリチンお
    よび成人フェリチンの両方と交差反応する固定化された
    第2の抗体と接触させること、 (b) 固定化相からすべての未結合試料を除去するこ
    と、 (c) (i)胎盤イソフェリチンに特異的な第1の抗
    体、または (ii)胎盤イソフェリチンおよび成人フェリチンの両方
    と交差反応する第2の抗体、 のいずれか一方に接合されたシグナル生成性成分を含有
    する接合体を固定化相に加えること、 (d) 固定化相からすべての未結合接合体を除去する
    こと、そして (e) 固定化相に結合した接合体の量を検出するこ
    と、 を含んでなるサンドイッチイムノアッセイ中に配置して
    使用され、(i)固定化相に結合した第1の抗体接合体
    の量が試料中に存在する胎盤イソフェリチンの量と相関
    関係にあり、そして(ii)固定化相に結合した第2の抗
    体接合体の量が試料中に存在する成人フェリチンの量と
    相関関係にある、請求の範囲14記載の方法。
  16. 【請求項16】(a) 第1の抗体がCollection Natio
    nale de Cultures de Microorganismsに寄託され、受託
    番号I−256を有するハイブリドーマ細胞系CM−H9によ
    り産生されるモノクローナル抗体からなり、そして (b) 第2の抗体がハイブリドーマ細胞系CM−G8より
    産生され、胎盤イソフェリチンおよび成人フェリチンの
    両方と交差反応するモノクローナル抗体からなる、請求
    の範囲14または15記載の方法。
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IL62879A (en) * 1981-05-15 1985-09-29 Chaya Moroz Monoclonal antibodies,clones producing them,preparation of such antibodies and clones and cytotoxic and immunoassay using such antibodies

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