JP2777428B2 - 二量体アルカロイドの製造方法 - Google Patents

二量体アルカロイドの製造方法

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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、抗ガン剤として有用なビンブラスチンある
いはロイロシジン等の二量体アルカロイドの製造方法に
関する。
〔従来の技術〕
従来、たとえばアンヒドロビンブラスチン(AVLB)の
化学変換によって、ビンブラスチン(VLB)あるいはロ
イロシジン(LEU)等の抗腫瘍活性を有する二量体アル
カロイドを合成する方法としては、たとえばJ.C.S.Chem
Commn 1979,583に記載の方法があるが目的とするビン
ブラスチン(VLB)、ロイロシジン(LBU)等の収率は、
1〜2%ときわめて低い。また、酵素を用いる方法がJ.
C.S.Chem Commn 1979,257及びPhytochemistry 26(1
2),3233(1987)に記載されているが、収率がきわめて
低く、あるいは反応時間が長い等の欠点があり、いずれ
も工業的生産方法としては問題があり、満足できる方法
ではなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解消するこ
とにあり、抗ガン剤として有用なビンブラスチンあるい
はロイロジン等の二量体アルカロイドを高収率で生産で
きる工業的に有利な製造方法を抵抗しようとするもので
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので
あって、本発明者等はたとえばアンヒドロビンブラスチ
ン等の出発原料を用いて、種々、その化学変換を試みた
結果、酸素存在下、3価の鉄源、シュウ酸イオン源、及
び式〔III〕 (式中、R7,R9は水素原子又は低級アルキル基を示し、R
6,R7は水素原子又は低級アルキル基を示すか若しくはR6
とR7が一緒になって二重結合を形成する)で表わされる
ジカルボン酸又は、その塩並びにハイドライド源を添加
することによって、抗ガン剤として有用なビンブラスチ
ン及びロイロシジン等の二量体アルカロイドを高収率で
合成できることを見い出し、本発明を完成するに至った
ものである。
すなわち本発明は、一般式〔I〕 (式中R1は水素原子又は低級アルキル基、ホルミル基、
R2は低級アルコキシカルボニル基又はアミド基、R3はア
セトキシ基又はヒドロキシ基を示す。)で表わされる化
合物又はその塩を出発原料に用いて一般式〔II〕 (式中、R1〜R3は式〔I〕に同じ、R4はヒドロキシ基、
R5はヒドロキシ基を示すか或いはR4はエチル基、R5はヒ
ドロキシ基を示す)で表される化合物を合成する方法に
おいて、上記出発原料に対して、酸素存在下、3価の鉄
源、シュウ酸イオン源、及び一般式〔III〕 (式中、R7,R9は水素原子又は低級アルキル基を示し、R
6,R8は水素原子又は低級アルキル基を示すか若しくは一
緒になって二重結合を形成する)で表わされるジカルボ
ン酸又はその塩並びにハイドライド源を添加することを
特徴とする式〔II〕で表わされる化合物の製造方法に関
するものである。
以下に本発明を更に詳述する。
本発明は、3価の鉄源、シュウ酸イオン源及び上記式
〔III〕で表わされるジカルボン酸又はその塩、並びに
上記式〔I〕で表わされる化合物を適当な溶媒に溶解せ
しめるとともに該溶媒に、酸素又は酸素を含有するガス
を通気せしめ、この後酸素存在下においてハイドライド
源を添加するというきわめて簡単な方法によって実施す
ることができる。該方法においては、特に式〔III〕で
表わされるジカルボン酸又はその塩の添加が重要であ
り、これにより式〔II〕で表わされる目的化合物を高い
収率及び選択率で得ることができる。
本発明の製造方法における代表的なものを例示する
と、以下に示す式〔IV〕で表わされるアンヒドロビンブ
ラスチン(以下、AVLBという)を出発原料として式
〔V〕で表わされるビンブラスチン(以下、VLBとい
う)(式〔V〕中、R1:OH基,R2:エチル基で示される)
ロイロシジン(以下LEUという)(式〔V〕中、R1:エチ
ル基,R2:OH基で示される)を合成する方法を挙げること
ができるが、この他本発明の目的化合物としては、上記
式〔II〕中、R1が水素原子である化合物として例えばN
−デスメチルビンブラスチン等が挙げられ、また、同じ
くR1がホルミル基である化合物としてたとえばビンクリ
スチン等が挙げられ、これらは、それぞれ対応する式
〔I〕の化合物を出発原料として合成できる。
本発明において使用される3価の鉄源としては、反応
混合物中で溶解して反応に関与できるものであればいか
なるものでもよい。本発明では、特に、塩酸塩、硫酸
塩、硝酸塩が好ましい。これらの添加量は、原料に対し
て、0.1〜10000倍モル、好ましくは1〜2000倍である。
添加するシュウ酸イオン源としては反応混合物中に溶
解しうるシュウ酸塩であればいかなるものでもよい。シ
ュウ酸そのものを添加する場合は適当な塩基を当量程
度、更に加える必要がある。添加するシュウ酸塩として
は、Li塩、Na塩、K塩等のアルカリ金属塩、アンモニウ
ム塩、アルキルアンモニウム塩を好ましい例としてあげ
ることができる。これらの添加量は、3価の鉄に対し
て、0.1〜4倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
更に、式〔III〕で表わされる化合物としては、マレ
イン酸、シトラコン酸、コハク酸、イタコン酸等をあげ
ることができるが、これらに限定されるものではない。
特にマレイン酸、コハク酸を好ましい例としてあげるこ
とができる。
これらは、特に塩として添加されることが好ましい。
塩の種類としては、いかなる塩でもよいが、特にアンモ
ニウム塩、アルキルアンモニウム塩が好ましい。フリー
の酸で添加する場合は当量程度、適当な塩基を更に加え
る必要がある。これらの添加量は、3価の鉄に対して0.
1〜3倍モル、好ましくは、0.3〜2倍モルである。
この反応に用いる溶媒としては、H2O、メタノール、
エタノール等のアルコール類、THF、アセトニトリル、D
MF、DMSO等をあげることができる。また、これらの2種
あるいはそれ以上の混合溶媒を用いてもよい。好ましく
は、H2O単独、H2O−メタノール混合溶媒が用いられる。
添加するハイドライド源としては、水素化ホウ素ナト
リウム、水素化ホウ素カリウム、シアノ水素化ホウ素ナ
トリウム、ボランのアミノ錯体等をあげることができ
る。ハイドライド源の添加量は、3価の鉄に対して、0.
05〜10倍モル、好ましくは0.1〜5倍モルである。
反応温度は、反応溶媒の融点以上ないし50℃位までの
広い範囲を採用することができるが、好ましくは−20〜
10℃である。
〔発明の効果〕
本発明により、従来の方法と比較してたとえばアンヒ
ドロビンブラスチン(AVLB)から、高収率かつ簡単な操
作で、抗ガン剤として有用なビンブラスチン(VLB)、
ロイロシジン(LEU)等の二量体アルカロイドを得るこ
とができた。ビンブラスチン(VLB)が非常に効果な抗
ガン剤であることを考慮すれば、本発明の方法のもたら
す効果は非常に大きいものといえる。
〔実施例〕
次に実施例によってこの発明を更に具体的に説明する
が、これは本発明を限定するものではない。
実施例1 100mlのじゃま板付反応容器に、アンヒドロビンブラ
スチンの硫酸塩22.3mg、H2O 100ml、FeCl3・6H2O 0.202
9g、(NH42C2O4 0.2134g、マレイン酸0.0874g及びマ
レイン酸に対して当量の25%のアンモニア水(0.1025m
l)を添加し、0℃で空気をバブリング(50ml/min)さ
せながら30分間タービン翼で高速撹拌した。その後、0.
5M NaBH4水溶液1mlを1分間でポンプフィードした。更
に30分間撹拌した後、25%アンモニア水を5ml加えてア
ルカリ性とし、酢酸エチル100ml×3回抽出した。
抽出液を合し、Na2SO4で乾燥後、40℃以下で減圧乾固
した。残渣をメタノールでメスアップした後、高速液体
クロマトグラフィーにより分析した。この時、アンヒド
ロビンブラスチン(AVLB)の転化率94.5%、ビンブラス
チン(VLB)収率50%、ロイロシジン(LEU)収率16%、
ビンブラスチン選択率52.9%であった。
(分析条件) カラム:YMC−packed Column AM−312 6×150mm 溶媒:0.01M炭酸アンモニウム水溶液:アセトニトリル=
1200:1800 流速:1ml/min カラム温度:45℃ 検出波長:254mm リテンションタイム: VLB:13.0分 LEU:10.5分 AVLB:42.5分 比較例1 実施例1において、マレイン酸及びアンモニア水を添
加しない以外は、実施例1と全く同様に行った。この
時、AVLB転化率93.5%、LVB収率40%、LEU収率15.5%、
VLB選択率42.8%であった。
実施例2〜5 実施例1においてマレイン酸及びアンモニア水の添加
量を変えた以外は実施例1と全く同様に行った。結果を
第1表に示す。
実施例6〜8 実施例1においてマレイン酸をコハク酸に変え、添加
量を変えた以外は実施例1と同様に行った。結果を第2
表に示す。
実施例9〜11 実施例1において、マレイン酸を他のジカルボン酸に
変えた以外は、実施例1と全く同様に行った。結果を第
3表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特表 平1−500830(JP,A) 国際公開80/2002(WO,A1) Tetrahedron,Vol.44 (No.2) P.325〜331 (1988) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 519/04 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 (式中R1は水素原子又は低級アルキル基、ホルミル基、
    R2は低級アルコキシカルボニル基又はアミド基、R3はア
    セトキシ基又はヒドロキシ基を示す。)で表わされる化
    合物又はその塩を出発原料に用いて一般式〔II〕 (式中、R1〜R3は式〔I〕に同じ、R4はヒドロキシ基、
    R5はエチル基を示すか或いはR4はエチル基、R5はヒドロ
    キシ基を示す)で表される化合物を合成する方法におい
    て、上記出発原料に対して、酵素存在下、3価の鉄源、
    シュウ酸イオン源、及び一般式〔III〕 (式中、R7,R9は水素原子又は低級アルキル基を示し、R
    6,R8は水素原子又は低級アルキル基を示すか若しくは一
    緒になって二重結合を形成する)で表わされるジカルボ
    ン酸又はその塩並びにハイドライド源を添加することを
    特徴とする式〔III〕で表わされる化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】式〔II〕の化合物がビンブラスチン(式
    中、R1はメチル基,R2はメトキシカルボニル基,R3はアセ
    トキシ基,R4はエチル基,R5はヒドロキシ基である)であ
    る請求項1記載の化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】式〔II〕の化合物がロイロシジン(式中、
    R1はメチル基,R2はメトキシカルボニル基,R3はアセトキ
    シ基,R4はヒドロキシ基,R5はエチル基である)である請
    求項1記載の化合物の製造方法。
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DE90302298T DE69002489T2 (de) 1989-03-04 1990-03-05 Verfahren zur Herstellung von binären Indolalkaloiden.
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