JP2772825B2 - エポキシ樹脂硬化剤 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化剤

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JP2772825B2 JP1171156A JP17115689A JP2772825B2 JP 2772825 B2 JP2772825 B2 JP 2772825B2 JP 1171156 A JP1171156 A JP 1171156A JP 17115689 A JP17115689 A JP 17115689A JP 2772825 B2 JP2772825 B2 JP 2772825B2
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達夫 堀江
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明はエポキシ樹脂硬化剤、詳しくはイミダゾール
系硬化剤の優れた特性を有し、かつ自体吸湿性が少なく
ブロッキングを起さず、取扱性に優れ、高温で昇華せず
安定であり、しかも耐湿性及び脆さの改良された硬化物
を与えるエポキシ樹脂硬化剤に関する。
本発明の硬化剤は、粉体塗料や絶縁粉体等の型で用い
られるエポキシ樹脂の硬化剤として適するものである
が、それ以外のエポキシ樹脂、たとえば自動車や電気関
係の分野において用いられる一液型接着剤、電気注型、
含浸、液状封止、封止剤、リバーコーティング等の用途
に用いられる溶剤型又は無溶剤型エポキシ樹脂の硬化剤
としても使用することができる。
一般に、イミダゾール系化合物は、エポキシ樹脂の硬
化剤や硬化促進剤として用いられるが、耐湿性に劣る欠
点があった。たとえば、イミダゾール系化合物を硬化剤
や硬化促進剤として用いたエポキシ樹脂系電気封止材料
は、硬化物の耐湿性が劣るため用途が限定されている。
また、イミダゾール系化合物を硬化促進剤として用いた
エポキシ樹脂焼付け塗料は、短時間で焼付けが可能であ
るが、150℃以上の高温で焼付けると、イミダゾール系
化合物が昇華してしまって、促進剤の働きをすることが
できないため、樹脂が未硬化状態となる欠点があった。
また、イミダゾール系化合物にエポキシ樹脂を付加反
応させて得られる付加化合物は、粉体形態で用いられる
エポキシ樹脂の硬化剤として用いられるが、保存中に吸
湿してブロッキングを起す欠点があった。
さらに、分子の両端及び分子骨格中に多数のイミダゾ
ール環を有する硬化剤が提案されたが(特開昭61−2687
21号公報)、かかる分子骨格中にも多数のイミダゾール
環を有する硬化剤は、イミダゾール系硬化剤の欠点であ
る耐湿性に劣り、脆い硬化物を与える欠点を改善できな
いし、所望の分子量を有するものを製造することがむつ
かしい欠点がある。
(発明の課題) 本発明は、自体吸湿性がなくてブロッキングを起さ
ず、高温においても昇華せず安定であり、耐湿性及び脆
さの改良された硬化物を与えるエポキシ樹脂硬化剤を提
供しようとするものである。
(b)発明の構成 (課題の解決手段) 本発明者らは、前記の課題を解決するために種種研究
を行なった。そして、従来のイミダゾール系硬化剤がイ
ミダゾールの2位がメチル基やエチル基で置換されたも
のが多いが、吸湿性やブロッキング性の改良の目的でプ
ロピル基やそれ以上の炭素数を有するアルキル基で置換
したところ、あまり効果の改善が得られないのみ、炭素
数11以上のアルキル基で置換すると、ワックス状の粘着
性を有する化合物となり、むしろブロッキングを起しや
すくなることが判明した。これに対し、その2位をフェ
ニル基や置換フェニル基で置換したところ、吸湿性やブ
ロッキング性を改良できることがわかった。
さらに研究を進めたところ、2位にフェニル基又は置
換フェニル基を有するイミダゾール系化合物に、エポキ
シ樹脂、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂などのような2個以上のフェ
ニル基を有する多価フェノール類から誘導されたエポキ
シ樹脂を特定の比率で付加反応させた高分子量のエポキ
シ樹脂が、エポキシ樹脂の硬化剤及び硬化促進剤として
優れていることを見出し、本発明を完成したものであ
る。
すなわち、本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、 一般式 (式中、Xは水素原子である。Yは −O−、−SO2−又は−NH−である。) で表わされる二価フェノールにエピハロヒドリンを反応
させて得られるエポキシ樹脂に、 一般式 (式中、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基、メチロール基又はハロゲン原子であり、
互いに同一であっても異なっていてもよい。) で表わされる2位にフェニル基又は置換フェニル基を有
するイミダゾール系化合物を、該イミダゾール系化合物
の第2級アミン基に対する該エポキシ樹脂のエポキシ基
の比率が0.8〜1.2になる割合で付加反応させて得られ
る、 一般式 (式中、X、Y、R1、R2及びR3は、それぞれ前記の各式
に記載のとおりであり、nは平均値で0〜10の数であ
る。) で表わされる化合物を主成分とする硬化剤である。
この前記一般式(A)で表わされる化合物(以下にお
いて、これを「付加化合物(A)」という)は、エポキ
シ樹脂の硬化剤として優れたものであるばかりでなく、
他のエポキシ樹脂硬化剤と併用すれば、硬化促進剤とし
ての働きもすることができる。したがって、本発明のエ
ポキシ樹脂硬化剤は、付加化合物(A)を単独で用いて
もよいし、付加化合物(A)の他のエポキシ樹脂硬化剤
を併用してもよい。他のエポキシ樹脂硬化剤を併用した
場合には、他のエポキシ樹脂硬化剤単独使用の場合と較
べて、硬化速度を速くすることができる。
本発明のエポキシ樹脂硬化剤の主成分である前記の付
加化合物(A)を得るために、イミダゾール系化合物
(B)と付加反応させる原料エポキシ樹脂は、エポキシ
当量140〜3000の範囲のものが使用可能であるが、特に
エポキシ当量140〜1000の範囲のものが好ましく、さら
にエポキシ当量170〜975の範囲のものがより好ましい。
かかる原料エポキシ樹脂は、市販品として入手すること
ができる。たとえば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
の、エピコート825、同826、同827、同828、同834、同1
001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009(以上
はいずれも油化シェルエポキシ株式会社商品名)、また
ビスフェノールF型エポキシ樹脂の、エピコート807
(油化シェルエポキシ株式会社商品名)等は、いずれも
付加化合物(A)を製造するための原料エポキシ樹脂と
して使用することができる。
また、付加化合物(A)を製造するためにこれらのエ
ポキシ樹脂と反応させる2位にフェニル基又は置換フェ
ニル基を有するイミダゾール系化合物(B)としては、
たとえば2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4
−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5
−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5
−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−パラメチル−
フェニルイミダゾールなどがあげられる。
また、本発明の付加化合物(A)を製造するための前
記のエポキシ樹脂と前記のイミダゾール系化合物(B)
との反応比率は、イミダゾール系化合物の第二級アミン
基に対するエポキシ樹脂のエポキシ基の比率が0.8〜1.2
の範囲内になる割合である。エポキシ基の比率がこの範
囲より少なくても、また多くても副反応を起しやすく、
かつ生成化合物の分子量が大きくなりすぎるので、好ま
しくない。
付加化合物(A)の製造反応は、溶剤なしにも行なわ
せることが可能であるが、工業的には反応溶剤を用いる
のが望ましい。その好ましい溶剤は極性溶剤であり、特
にアルコール系、グリコールエステル系、ケトン系の各
溶剤が望ましい。そのアルコール系溶剤としては、たと
えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−
プロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブ
チルアルコール、n−ブチルアルコール、アミルアルコ
ール、メチルイソブチルカルビノール、シクロヘキサノ
ールなどがあげられる。そのグリコールエーテル系溶剤
としては、たとえばメチルオキシトール(すなわちメチ
ルセロソルブ)、オキシトール(すなわちセロソル
ブ)、ブチルオキシトールなどがあげられる。また、そ
のケトン系溶剤としては、たとえばメチルエチルケト
ン、メチルノルマルブチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、メシチルオキサイド、メチルノルマルアルミケト
ン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ダイアセ
トンアルコールなどがあげられる。
これらの極性溶剤は、1種類を用いてもよいし、2種
以上を併用することもできるし、さらにこれらの極性溶
剤にキシレン等の芳香族単価水素を併用することも可能
である。しかし、芳香族炭化水素系溶剤単独では、イミ
ダゾール系化合物に対する溶解性が殆んどないため、反
応生成物がゲル化しやすく、好ましくない。
また、エステル系溶剤、すなわち前記のアルコール類
やグリコールエーテル類と有機酸とのエステルは、イミ
ダゾール系化合物がエステルを構成する有機酸と塩を形
成しやすいので、好ましくない。
付加化合物(A)の製造における溶剤の使用量は、原
料エポキシ樹脂とイミダゾール系化合物との合計量に対
して10〜90重量%、好ましくは30〜60重量%である。溶
剤量が少なすぎると、生成物が高粘度となり、作業が困
難になるし、多すぎると溶剤回収等に手間と費用が多く
かかる。
かくして製造される付加化合物(A)は、前記したよ
うに、エポキシ樹脂の硬化剤として優れたものであるば
かりでなく、他のエポキシ樹脂硬化剤と併用すると硬化
促進剤としての働きもすることができる。
すなわち、フェニル基又は置換フェニル基で置換され
ていない従来のイミダゾール系化合物とエポキシ樹脂と
を付加反応させて得られる付加化合物(たとえば後述の
付加化合物製造例Aにおいて得られた付加化合物A
)は、液状エポキシ樹脂に10Phr混合して硬化ゲル化
させようとしても、そのままではこの付加化合物が沈降
してしまってゲルタイムを測定できなかった。そのた
め、かかる場合には、同時にアエロジル等の揺変剤を混
合してゲルタイムを測定していたが、硬化物性評価(た
とえばJIS K−6911の試験)等において必要な注型板等
の成形ができなかった。これに対し、本発明の付加化合
物(A)は、エアロジル等の揺変剤を併用しなくても、
液状エポキシ樹脂中に容易に分散するから、その分散物
を注型して硬化させればきれいな注型板が得られるし、
またその分散物を適当な基材に塗布して含浸・硬化させ
ることもできる。
このように、本発明の付加化合物(A)は、液状エポ
キシ樹脂中に容易に分散するので、液状エポキシ樹脂を
用いた電気部品等の注型品や含浸積層品等に成形し、加
熱硬化させて使用するエポキシ樹脂の硬化剤として優れ
たものである。
また、この付加化合物(A)を硬化剤として用いて硬
化させたエポキシ樹脂硬化物は、耐熱水性や耐薬品性に
も優れ、また熱エージング後の特性も安定であり(たと
えば熱水浸漬後のエージング処理後の特性が安定してい
る)、熱時の強度にも優れている。したがって、この付
加化合物(A)は、従来のイミダゾール系硬化剤で硬化
させた硬化物が耐湿性等に劣るために使用できなかった
分野の用途に用いられるエポキシ樹脂の硬化剤として広
く使用することができる。
また、この付加化合物(A)は、単独でエポキシ樹脂
の硬化剤として使用できるばかりでなく、他のエポキシ
樹脂硬化剤と併用することができる。その併用される他
のエポキシ樹脂硬化剤には格別の制限がなく、種々の硬
化剤が併用可能である。その併用できる他のエポキシ樹
脂硬化剤としては、たとえば酸無水物硬化剤、ジシアン
ジアミド、酸ヒドラジド型硬化剤、加熱硬化型アミン硬
化剤(たとえばジアミノジフェニルスルホン等)などが
あげられる。
(実施例等) 以下に、付加化合物製造例、実施例及び比較例等をあ
げてさらに詳述する。これらの例において記載の「部」
は重量部を意味する。
付加化合物製造例A1 還流器付きのフラスコ中で、2−フェニルイミダゾー
ル(分子量144)288g(2モル)をシクロヘキサノール5
00gに溶解し、100℃まで加熱したのち、これにエポキシ
樹脂としてエピコート828(油化シエルエポキシ株式会
社商品名、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、
エポキシ当量188)376g(エポキシ基/第2級アミン基
比=1/1)を2時間かけて滴下し、滴下終了後同温度で
3時間保って反応させた。次いで、溶剤のシクロヘキサ
ノールを留去し、赤褐色の化合物662gを得た。この化合
物は、一般式(A)におけるnの値が平均値で0.12であ
った。以下、この化合物を「付加化合物A1」という。
付加化合物製造例A2 エピコート828を338.4g使用し、そのほかは製造例A1
と同様に反応させ、暗赤褐色の化合物620gを得た(エポ
キシ基/第2級アミン基比=0.89/1)。この化合物は一
般式(A)におけるnの値が平均値で0.09であった。以
下、この化合物を「付加化合物A2」という。
付加化合物製造例A3 エピコート828を413.6g使用し、そのほかは製造例A1
と同様にして反応させ、茶褐色の化合物695gを得た(エ
ポキシ基/第2級アミン基比=約1.1/1)。この化合物
は一般式(A)におけるnの値が平均値で0.14であっ
た。以下、この化合物を「付加化合物A3」という。
付加化合物製造例A4 還流器付きフラスコ中で、2−フェニルイミダゾール
288g(2モル)をエチルセロソルブ300gに溶解し、100
℃まで加熱したのち、これにエポキシ樹脂としてエピコ
ート1001(油化シエルエポキシ株式会社商品名、ビスフ
ェノールA型ジグリシジルエーテル、エポキシ当量47
5)950g(エポキシ基/第2級アミン基比=約1/1)をエ
チルセロソルブ525g中に溶解した溶液を、3時間かけて
滴下し、滴下終了後同温度で3時間保持して反応させ
た。次いで、溶剤のエチルセロソルブを留去して除き、
茶色の化合物1226gを得た。この化合物は、一般式
(A)におけるnの値が平均値で2.15であった。以下、
この化合物を「付加化合物A4」という。
付加化合物製造例A5 エピコート1001を855gを使用し(エポキシ基/第2級
アミン基比=0.9/1)、そのほかは製造例A4と同様に反
応させ、茶褐色の化合物1132gを得た。この化合物は、
一般式(A)におけるnの値が平均値で1.98であった。
以下、この化合物を「付加化合物A5」という。
付加化合物製造例A6 エピコート1001を1045gを使用し(エポキシ基/第2
級アミン基比=1.1/1)、そのほかは製造例A4と同様に
反応させ、黄褐色の化合物1320gを得た。この化合物
は、一般式(A)におけるnの値が平均値で2.20であっ
た。以下、この化合物を「付加化合物A6」という。
上記の付加化合物製造例A1〜A6で得られた各付加化合
物A1〜A6の物性等の概要は、表1に示すとおりであっ
た。なお、その分子量はゲルパーミエーションクロマト
グラフ装置(東洋曹達社製)により測定し、融点はボー
ル・アンド・リング法で測定した。
付加化合物製造例A′ カージュラE(シェル化学社商品名、アルキル脂肪酸
型エポキシ樹脂、エポキシ当量257)257gと、2−フェ
ニルイミダゾール144g(1モル)を混合し(エポキシ基
/第2級アミン基比=1/1)、60℃で80時間保持して反
応させた。得られた化合物は25℃で液状であった。この
化合物を「付加化合物A′」という。
付加化合物製造例A″ 特公昭51−5040号公報の付加物A−24にしたがって、
エピコート828(油化シェルエポキシ株式会社商品名、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)1
90gと、2−エチル−4−メチルイミダゾール110gを混
合し(エポキシ基/第2級アミン基比=1/1)、50℃で1
6時間保持して反応させたのち、冷却、粉砕して粉末と
した。この化合物は固体であり、融点が98℃であった。
以下、この化合物を「付加化合物A″」という。
付加化合物製造例A 特公昭51−5040号公報の付加物A−2Bにしたがって、
エピコート828を360gと、2−メチルイミダゾール200g
(2.44モル)と混合し(エポキシ基/第2級アミン基比
=0.81/1)、室温で12時間保持したのち、70℃に昇温し
て30分間保持して反応させたのち、冷却、粉砕して粉末
とした。この化合物は固体であり、融点が63℃であっ
た。以下、この化合物を「付加化合物A」という。
付加化合物製造例A′ 還流器付きのフラスコ中で、2−フェニルイミダゾー
ル(分子量144)144g(1モル)をシクロヘキサノール5
00gに溶解し、100℃まで加熱したのち、これにエポキシ
樹脂としてエピコート828(油化シエルエポキシ株式会
社商品名、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、
エポキシ当量188)376g(エポキシ基/第2級アミン基
比=2/1)を2時間かけて滴下し、滴下終了後同温度で
3時間保って反応させた。
反応中、シクロヘキサノールに溶解しないポリマー状
物質が析出してきた。次いで、溶剤のシクロヘキサノー
ルを分留し、赤褐色の化合物520gを得た。以下、この化
合物を「付加化合物A′」という。
この付加化合物A′はメチロセロソルブ、シクロヘ
キサノールに溶解せず、電気部品の含浸積層品用の含浸
剤用途には不適であった。
実施例1 比較例1及び2 表2に示すように、エピコート1001(油化シェルエポ
キシ株式会社商品名)100部に、硬化剤としてジシアン
ジアミド2.5部、及び付加化合物A4(実施例1の場
合)、又は付加化合物A(比較例1の場合)、又は2
−エチル−4−メチルイミダゾール(比較例2の場合)
各2.0部を配合したものをメチルセロソルブに溶解し
て、固形分55%のエポキシ樹脂ワニスを調製した。
得られた各エポキシ樹脂ワニスをガラスクロスに含浸
させて、B状態のエポキシ樹脂含浸ガラスクロスを得
た。この各エポキシ樹脂含浸クロスに、厚さ35μmの銅
箔をそれぞれ重ね、180℃の温度で1時間プレスして貼
り合わせた。得られた各銅張りガラスクロスの銅箔の剥
離強度を測定した結果は表2に示すとおりであった。
実施例2及び3 比較例3及び4 表3に示すように、エポキシ樹脂としてエピコート82
8(油化シェルエポキシ株式会社商品名)とエピコート8
71(油化シェルエポキシ株式会社商品名)との重量比が
70/30の混合エポキシ樹脂100部を使用し、これに硬化剤
としてジシアンジアミド5部、及び付加化合物A4、又は
A1、又はA″、又は2−ヘプタデシルイミダゾール5部
を配合したエポキシ樹脂組成物をそれぞれ調製した。
得られた各エポキシ樹脂組成物を接着剤として使用
し、JIS K6854規格に準拠して軟鋼板どうしを接着し、1
80℃で20分間加熱硬化させたものについて、常温及び80
℃/24時間耐水試験後のT剥離強度を測定した。その結
果は表3に示すとおりであった。
実施例4 比較例5〜7 表4に示すように、可塑性の要求されるリバーコーテ
ィング用の可塑性エポキシ樹脂粉体処方として、エピコ
ート1004(油化シェルエポキシ株式会社商品名、可塑性
エポキシ樹脂)に、硬化剤として両末端にフェノール性
OH基を持つ市販硬化剤のエピキュア171N(油化シェルエ
ポキシ株式会社商品名)を加えたものに、さらに付加化
合物A1、又は付加化合物A、又は2−メチルイミダゾ
ールを配合した各エポキシ樹脂組成物について、200℃
におけるゲルタイムを測定した。
その結果は表4に示すとおりであり、付加化合物A1
硬化促進剤としての働きに優れていることがわかる。
実施例5 比較例8〜11 この例は高温保存安定性を調べた例である。
付加化合物A1、付加化合物A′、2−メチルイミダゾ
ール、付加化合物A″及び付加化合物Aを、それぞれ
アルミニウム皿に入れ、160℃で7日間保存(エージン
グ処理)をしたときの、重量減少率(%)は表5に示す
とおりであった。
また、その各化合物のエージング処理前のものと、エ
ージング処理後のものを用いて、表5に示す各組成のエ
ポキシ樹脂組成物を調製し、その各組成物の150℃にお
けるゲルタイムを測定した。
その結果は、表5に示すとおりであり、付加化合物A1
はエージング処理によって殆んど昇華しなかったが、他
の化合物は昇華のため重量減少率が大であった。また、
付加化合物A1は、エージング処理前のものと、エージン
グ処理後のものとの間にゲルタイムに殆んど差がなかっ
たが、他の化合物はエージング処理前のものとエージン
グ処理後のものとの間にゲルタイムに著しい差があっ
た。
特に、比較例8のように、付加物でないイミダゾール
の場合は、150℃において約10分で半分以上昇華してし
まうので、実際の使用に当っては、促進剤成分としての
働きがなくなってしまう。これに対し、付加化合物A
1は、エージングによっても昇華性や反応性に問題がな
い。
実施例6 比較例12及び13 エピコート828(油化シェルエポキシ株式会社商品
名)100部に、硬化剤としてメチルヘキサヒドロ無水フ
タル酸80部、及び付加化合物A1、又は付加化合物A、
又は2−メチルイミダゾールをそれぞれ各0.5部添加し
たエポキシ樹脂組成物について、(常温/7日+100℃/3
時間+150℃/4時間)の硬化条件を用いて硬化させた。
その結果は表6に示すとおりであった。
実施例7 この例は常温長期保存安定性を調べた例である。
付加化合物A1及び付加化合物Aをそれぞれ微粉砕し
たもの各10gをアルミニウム皿に約5mmの厚さに入れ、40
℃、湿度65%の恒温恒湿槽中で2週間保存したところ、
付加化合物A1は外観に全く変化がなかったが、付加化合
物Aは吸湿によりブロック化した。また、その保存中
の経時的重量増加率(%)は、下表のとおりであった。
(発明の効果) 本発明のエポキシ樹脂効果剤は、吸湿性が少なくてブ
ロッキングを起さず、取扱性に優れ、高温において昇華
せず安定であり、高温での硬化速度が速く、かつ脆さが
改善され、耐熱水性、耐薬品性、耐熱性及び耐湿性に優
れた硬化物を与えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 59/40 C08G 59/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Xは水素原子である。Yは −O−、−SO2−又は−NH−である。) で表わされる二価フェノールにエピハロヒドリンを反応
    させて得られるエポキシ樹脂に、 一般式 (式中、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4
    のアルキル基、メチロール基又はハロゲン原子であり、
    互いに同一であっても異なっていてもよい。) で表わされる2位にフェニル基又は置換フェニル基を有
    するイミダゾール系化合物を、該イミダゾール系化合物
    の第2級アミン基に対する該エポキシ樹脂のエポキシ基
    の比率が0.8〜1.2になる割合で付加反応させて得られ
    る、 一般式 (式中、X、Y、R1、R2及びR3は、それぞれ前記の各式
    に記載のとおりであり、nは平均値で0〜10の数であ
    る。) で表わされる化合物を主成分とするエポキシ樹脂硬化
    剤。
  2. 【請求項2】一般式(A)及び(B)におけるR1、R2
    R3はいずれも水素原子である第1請求項記載のエポキシ
    樹脂硬化剤。
JP1171156A 1989-07-04 1989-07-04 エポキシ樹脂硬化剤 Expired - Fee Related JP2772825B2 (ja)

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