JP2771809B2 - 特殊効果装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 Ａ産業上の利用分野 本発明は特殊効果装置に関し、例えばテレビジョン番
組の製作時等に用いる特殊効果装置に適用して好適なも
のである。 Ｂ発明の概要 本発明は、特殊効果装置において、入力映像信号と、
その入力映像信号を所定の期間遅延させた遅延映像信号
とをモザイクキー信号に応じて選択的に切り換えて出力
することにより、任意の大きさ及び又は形状を有するモ
ザイク表示要素を任意の位置に形成し得る。 Ｃ従来の技術 従来テレビジョン放送等においては、表示画面上の一
部又は全部をぼかす方法として、ぼかすべき映像部分を
所定の大きさの表示要素（これをモザイク表示要素と呼
ぶ）が、あたかも寄せ集められて作画されたように表示
し、モザイク表示要素を表示単位として粗い精細度で表
現する効果（これをモザイク効果と呼ぶ）を得るように
する手法が特殊効果装置として用いられている。 因にこのモザイク効果においては、精細度を粗くした
ことにより、当該映像部分を微細に表現せずに必要に応
じて適度にぼかす効果を得ることができると共に、モザ
イク表示要素の表示内容を原画面の映像信号から得てい
るのでぼかした映像部分に対する違和感が比較的小さい
利点がある。 このような特殊効果装置としては、映像信号を間欠的
にサンプリングしてメモリに書き込み、そのメモリを読
み出す際に当該間欠部分を補間して水平方向及び又は垂
直方向に任意の間隔ごとに同じ映像信号を連続させるよ
うにすることにより、モザイク表示要素を形成するもの
が提案されている（特開昭58−14678号公報）。 Ｄ発明が解決しようとする問題点 ところで、モザイク表示要素の大きさ、形状、表示位
置を必要に応じて任意に指定することができれば、多様
なテレビジョン番組を制作する際に、モザイク効果を映
像創作上の１つの表現手段として利用できると考えられ
る。 しかし従来の特殊効果装置においては、間欠的にサン
プリングした映像信号をメモリを介して補間するように
なされているため、ダイナミツクにサンプリング間隔や
メモリの書込み又は読出しのタイミングを変更すること
は実用上困難であつた。 本発明は以上の点を考慮してなされたもので、画面上
の任意の位置に任意の形状及び大きさでなるモザイク表
示要素を簡易な構成によつて形成し得るようにした特殊
効果装置を提案しようとするものである。 Ｅ問題点を解決するための手段 かかる問題点を解決するため本発明においては、入力
映像信号に対してモザイク効果を施す特殊効果装置にお
いて、入力される映像信号を所定の期間遅延して遅延映
像信号を出力する遅延手段と、入力映像信号又は遅延映
像信号のいずれか一方を選択して遅延手段に入力する選
択手段と、入力映像信号に対して施すモザイクの領域及
び大きさを入力映像信号の画素に対応させて指定するモ
ザイクキー信号が書き込まれる記憶手段と、記憶手段か
ら１画素クロツク毎に読み出した上記モザイクキー信号
に基づいて選択手段の選択動作を制御することによつて
遅延手段に入力する映像信号を切り換えることにより、
入力映像信号に対してモザイクキー信号に応じたモザイ
ク効果を施した映像信号を遅延手段から出力させるモザ
イク制御手段とを設けるようにする。 Ｆ作用 入力映像信号に対して施すモザイクの領域及び大きさ
を入力映像信号の画素に対応させて指定するモザイクキ
ー信号を記憶する記憶手段を設け、当該記憶手段のモザ
イクキー信号に基づいて遅延手段に入力する映像信号を
画素単位で入力映像信号又は遅延映像信号に切り換える
ようにしたことにより、予めモザイクキー信号を所望の
大きさ及び又は形状にしておけば、任意の大きさ及び又
は形状を有するモザイク表示要素を入力映像信号の任意
の位置に形成し得、かくして入力映像信号に対して所望
のモザイク効果を施すことができる。 Ｇ実施例 以下図面において、本発明の一実施例を詳述する。 第１図において、１は全体として本発明による特殊効
果装置を示し、入力映像情報SVD_INが、アナログデイジ
タル変換回路２を介して例えば１画素分（ここでは赤、
青及び緑色の３ドツトを１画素と呼ぶ）の情報が15ビツ
トのデイジタル値でなる映像データDT_VD1に変換され
る。 さらにこの映像データDT_VD1が１画素クロツクのタイ
ミングで水平モザイク発生回路３及び垂直モザイク発生
回路４を通じて１画素クロツク分及び１水平期間分遅延
された映像データDT_VD2及びDT_VD3として得られ、映像デ
ータDT_VD3が１画面分の映像データを蓄積し得るように
なされたフレームメモリ５に書き込まれる。 １画素クロツクに同期した所定のタイミングで読み出
されるフレームメモリ５のデータDT_VD4は、デイジタル
アナログ変換回路７によりアナログ信号に変換されて出
力映像情報SVD_OUTとして送出される。 水平モザイク発生回路３は、入力される15ビツトの映
像データDT_VD1を同時並列的に処理し得るようになされ
ており、１ビツトについて第２図に示すように、１画素
クロツクに同期して入力される映像データDT_VD1がスイ
ツチ回路3Aの第１の入力端a1、出力端c1を介して１画素
遅延回路3Bに与えられ、１画素クロツク分の遅延時間だ
け遅延された後映像データDT_VD2として出力されると共
に、スイツチ回路3Aの第２の入力端b1にフイードバツク
されるようになされている。 スイツチ回路3Aは、１画素クロツクと同期したタイミ
ングで15ビツト分の水平モザイク発生回路３に入力され
る水平モザイクキー信号KHが、論理「０」レベルのとき
第１の入力端a1を選択すると共に、論理「１」レベルの
とき第２の入力端a2を選択するようになされている。 かくして水平モザイク発生回路３の出力端には、水平
モザイクキー信号KHのレベルが論理「０」レベルのと
き、入力された映像データDT_VD1が１画素クロツク分遅
延されて映像データDT_VD2として出力され、また水平モ
ザイクキー信号KHのレベルが論理「１」レベルのとき、
入力された映像データDT_VD1の直前の１画素分の映像デ
ータが１画素クロツク分だけ遅延されて映像データDT
_VD2として出力されるようになされており、これにより
水平方向に水平モザイクキー信号KHの論理レベルでなる
モザイクパターンに応じて連続した画素でなるモザイク
表示要素を形成し得るようになされている。 垂直モザイク発生回路４は、水平モザイク発生回路３
と同様の構成でなり、入力される映像データDT_VD2を同
時並列的に処理し得るようになされており、１ビツトに
ついて第３図に示すように、１画素クロツクに同期して
入力される映像データDT_VD2がスイツチ回路4Aの第１の
入力端a2、出力端c2を介して1H遅延回路4Bに与えられ１
水平期間分の遅延時間だけ遅延された後映像データDT
_VD3として出力されると共に、スイツチ回路4Aの第２の
入力端b2にフイードバツクされるようになされている。 スイツチ回路4Aは、１画素クロツクと同期したタイミ
ングで15ビツト分の垂直モザイク発生回路４に入力され
る垂直モザイクキー信号KVが論理「０」レベルのとき第
１の入力端a2を選択すると共に、論理「１」レベルのと
き第２の入力端b2を選択するようになされている。 かくして垂直モザイク発生回路４の出力端には、垂直
モザイクキー信号KVが論理「０」レベルのとき、入力さ
れた映像データDT_VD2が１水平期間分遅延されて映像デ
ータDT_VD3として出力され、また垂直モザイクキー信号K
Vが論理「１」レベルのとき、入力された映像データDT
_VD2に対して１水平期間前の１画素分の映像データが１
水平同期期間分遅延されて映像データDT_VD3として出力
されるようになされており、これにより垂直方向に垂直
モザイクキー信号KVの論理レベルでなるモザイクパター
ンに応じて連続した画素でなるモザイク表示要素を形成
し得るようになされている。 ここでフレームメモリ５は、例えば17ビツト１ワード
のメモリセルを１画面の画素数分だけ有する。この実施
例の場合、各ワードデータは、第４図に示すように、最
下位ビツトよりそれぞれ５ビツトずつ用いて青、緑及び
赤色用のデイジタルデータでなるデータDT_B、DT_G及びDT
_Rを記憶し得るようになされている。また上位２ビツトB
H及びBVには、１フレーム後の１画素に対応する水平モ
ザイクキー信号KH及び垂直モザイクキー信号KVが予めオ
ペレータの指示に基づいて、CPU及びメモリを含んでな
る制御回路６を介して書き込まれている。 これにより例えばフレームメモリ５内に予め書き込ま
れた１画面分の水平モザイクキー信号KHとして、第５図
に示すように表示画面中の任意の位置及び大きさを有す
る第１及び第２の矩形領域に対応した２つの矩形領域AR
1A、AR2Aのそれぞれの水平方向の左端が論理「０」レベ
ルを有し、その他が論理「１」レベルを有する水平モザ
イクパターンPTN_Hでなるものを、１画素のクロツクで水
平モザイク発生回路３に供給する。 さらに、これに加えて上述と同様にフレームメモリ５
内に予め書き込まれた１画面分の垂直モザイクキー信号
KVとして、第６図に示すように第５図の水平モザイクパ
ターンPTN_Hと同様の２つの矩形領域AR1B、AR2Bのそれぞ
れの垂直方向の上端が論理「０」レベルを有し、その他
が論理「１」レベルを有する垂直モザイクパターンPTN_V
でなるものを、１画素のクロツクで垂直モザイク発生回
路４に供給する。 かくして水平モザイク発生回路３及び垂直モザイク発
生回路４を介してフレームメモリ５に入力された映像デ
ータDT_VD3は、１画素のクロツクで映像データDT_VD4とし
て読み出され、デイジタルアナログ変換回路７におい
て、アナログ値でなる出力映像信号SVD_OUTとして表示装
置（図示せず）に出力されることにより、第７図に示す
ように表示画面DSP1上には、第１及び第２の矩形領域AR
1C、AR2Cがそれぞれの領域内の左上端の画素A₁、A₂でぬ
りつぶされてなるモザイク表示要素が形成できる。 また第５図及び第６図に示すモザイクパターンPTN_H及
び垂直モザイクパターンPTN_Vでなる水平モザイクキー信
号KH及び垂直モザイクキー信号KVに代え、それぞれ任意
の形状、大きさ及び位置を有する水平モザイクパターン
及び垂直モザイクパターンを用いれば、第８図及び第９
図に示すように表示画面DSP2、DSP3上に任意の形状、大
きさ及び位置でモザイク表示要素を形成することができ
る。 なお、フレームメモリ５を介して制御回路６より水平
及び垂直モザイク発生回路３及び４に、水平及び垂直モ
ザイクキー信号KH、KVを供給するようになされているの
は、制御回路６中のCPUの処理クロツクが１画素クロツ
クとして比較して極めて遅いため、一旦フレームメモリ
５に複数画素に対応した水平及びモザイクキー信号KH、
KVを書き込んで、映像データDT_VD4と同時に１画素クロ
ツクを読み出すことによりCPUのクロツクと１画素クロ
ツクとの同期を取り得るようになされている。 以上の構成によれば、映像信号SVD_INが変換されてな
る映像データDT_VD1、DT_VD2に対し、１画素及び１水平期
間遅延した遅延デイジタルデータを得る遅延回路3B、4B
を設け、映像データDT_VD1及びDT_VD2と、遅延映像データ
とを１画素クロツクに同期した任意のタイミングで切り
換えて出力することによつて、表示画面上に任意の大き
さ及び形状を有するモザイク表示要素を任意の位置に形
成し得る特殊効果装置１を実現できる。 さらに上述の実施例によれば、所定の水平（又は垂
直）モザイクパターンでなる水平（又は垂直）モザイク
キー信号を水平（又は垂直）モザイク発生回路に与えれ
ば、第10図及び第11図に示すように内部に横すじ（又は
縦すじ）模様を有する任意の大きさ及び形状の図形を組
み合わせてなるモザイク表示要素を含む表示画面DSP4及
びDSP5を形成することができる。 かくして例えばテレビジョン番組を制作する際に、必
要に応じて任意の位置を指定して、任意の形状及び大き
さのモザイク表示要素を形成できることにより、表示画
面上に映像の創作意図に適応するようなぼかしを入れる
ことができ、これにより従来実現し得なかつたような特
殊な画面効果を得ることができる。 なお上述の実施例においては、映像データを水平モザ
イク発生回路、垂直モザイク発生回路の順に通過させ、
これにより任意のモザイク表示要素を発生するように構
成したが、これに代え、垂直モザイク発生回路、水平モ
ザイク発生回路の順に映像データを通過させるように構
成してもこれに応じた垂直及び水平モザイクキー信号KV
及びKHを用いれば、上述の実施例と同様の効果を得るこ
とができる。 また上述の実施例においては、フレームメモリとして
17ビツト１ワード構成のものを用いたが、これに代え16
ビツト１ワード構成のフレームメモリを用いるときに
は、フレームメモリを２枚用いることにより上述の実施
例と同様の効果を得ることができ、さらにフレームメモ
リ中の余裕ビツトを流用せずに、制御回路のCPUクロツ
クで水平及び垂直モザイクキー信号を書き込み、１画素
クロツクで読み出し得るメモリを用いるようにしても、
上述の実施例と同様の効果を得ることができる。 さらに上述の実施例においては、本発明による特殊効
果装置としてテレビジョン番組製作に適用する一実施例
を示したが、本発明はこれに限らず例えばビデオテープ
レコーダ（VTR）の編集装置等他の電気機器にも広く適
用し得る。 Ｈ発明の効果 上述のように本発明によれば、入力される映像信号を
所定の期間遅延して遅延映像信号を出力する遅延手段を
設けると共に、モザイクの領域及び大きさを入力映像信
号の画素に対応させて指定するモザイクキー信号が書き
込まれる記憶手段とを設け、当該記憶手段から１画素ク
ロツク毎に読み出したモザイクキー信号に基づいて遅延
手段に入力する映像信号を入力映像信号又は遅延映像信
号に切り換えるようにしたことにより、任意の大きさ及
び又は任意の形状を有するモザイク要素を入力映像信号
の任意の位置に形成し得る特殊効果装置を簡易な構成で
実現できる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の一実施例を示すブロツク図、第２図及
び第３図はその水平及び垂直モザイク発生回路を示す接
続図、第４図はフレームメモリ中の１画素分に対応した
メモリを示す略線図、第５図及び第６図は水平及び垂直
モザイクパターンを示す略線図、第７図はモザイク表示
要素の説明に供する略線図、第８図〜第11図は特殊効果
装置によつて表示画面上に形成されたモザイク表示要素
を示す略線図である。 １……特殊効果装置、２……アナログデイジタル変換回
路、３……水平モザイク発生回路、3B……１画素遅延回
路、４……垂直モザイク発生回路、4B……1H遅延回路、
５……フレームメモリ、６……制御回路、７……デイジ
タルアナログ変換回路。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．入力映像信号に対してモザイク効果を施す特殊効果
   装置において、 入力される映像信号を所定の期間遅延して遅延映像信号
   を出力する遅延手段と、 上記入力映像信号又は上記遅延映像信号のいずれか一方
   を選択して上記遅延手段に入力する選択手段と、 上記入力映像信号に対して施すモザイクの領域及び大き
   さを上記入力映像信号の画素に対応させて指定するモザ
   イクキー信号が書き込まれる記憶手段と、 上記記憶手段から１画素クロツク毎に読み出した上記モ
   ザイクキー信号に基づいて上記選択手段の選択動作を制
   御することによつて上記遅延手段に入力する映像信号を
   切り換えることにより、上記入力映像信号に対して上記
   モザイクキー信号に応じたモザイク効果を施した映像信
   号を上記遅延手段から出力させるモザイク制御手段と を具えることを特徴とする特殊効果装置。