JP2771751B2 - シート搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ロール状に巻回したロ
ングシートを順次搬送するシート搬送装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】ロングシートに対する印刷や切断を実行
するプリンタ装置やカッタ装置では、印刷部や切断部な
どの機能部に印刷用紙やフィルムなどのロングシートを
搬送するシート搬送装置を設けたものがある。このよう
なシート搬送装置は、相対向するシートガイドを設けて
機能部に連通するシート搬送路を形成し、このシート搬
送路上に位置するローラやエンドレスベルト等でロング
シートを順次搬送する搬送機構を形成した構造などとな
っている。

【０００３】ここで、このようなシート搬送装置で搬送
するロングシートは、格納場所の容積の小型化などの必
要から一般的にロール状に巻回されているが、このよう
に巻回されたロングシートの末端部は湾曲が著しいため
にジャムを発生しやすい。そこで、このような課題を解
決するため、ロール状に巻回したロングシートの末端部
を直線状に矯正してから搬送するようにしたシート搬送
装置が実用化されている。

【０００４】そこで、上述のようなシート搬送装置の先
行技術として、ここでは本出願人が特願平3-145918号等
に開示するなどして実際に製品化した用紙搬送装置を図
７ないし図１１に基づいて説明する。まず、ここで例示
するシート搬送装置である用紙搬送装置１は、図７及び
図８に例示するように、レシートプリンタ２の一部とし
て形成されており、図１０に例示するように、このよう
なレシートプリンタ２はジャーナルプリンタ（図示せ
ず）と共に電子キャッシュレジスタ３に内蔵されてい
る。

【０００５】そして、このレシートプリンタ２では、図
７及び図８に例示したように、相対向して両端部が開口
した一対のシートガイドである用紙ガイド４，５がメイ
ンフレーム６に固定的に装着されており、これらの相対
向する用紙ガイド４，５によって形成された用紙搬送路
７がプリンタ部８に連通している。ここで、このプリン
タ部８は、前記メインフレーム６に開閉自在に軸支され
たブラケット９にサーマルヘッド１０を装着し、このサ
ーマルヘッド１０を前記用紙ガイド５上のシート搬送機
構である回転自在なプラテンローラ１１に接離自在に対
向配置した構造となっている。そして、このレシートプ
リンタ２では、前記プリンタ部８からロータリーカッタ
１２に連通する用紙搬送路１３が、相対向する一対の用
紙ガイド１４，１５で形成されている。

【０００６】ここで、これらの用紙ガイド１４，１５
は、下方に位置する用紙ガイド１４は前記メインフレー
ム６に固定的に装着されているが、上方に位置する用紙
ガイド１５は、その後部上方に突設された軸受部１６が
前記ブラケット９に形成された軸受部１７に回動軸１８
で連結されることで回動自在に軸支されている。そし
て、このレシートプリンタ２では、前記ブラケット９の
前端部に既製の加圧スイッチ等からなるジャムセンサ１
９が装着されており、このジャムセンサ１９の弾発的に
スライド自在な検知端子２０が前記用紙ガイド１５を上
方から押圧して位置決めしている。

【０００７】さらに、このレシートプリンタ２では、図
９に例示するように、シート保持部となる半円筒状の凹
部２１が上面に形成されたホッパー２２が、前記用紙ガ
イド４，５の後端の開口部と対向する位置で前記メイン
フレーム６の後部に装着されており、ここでは前記ホッ
パー２２の前端部と対向する位置で、下方に位置する前
記用紙ガイド５の後端部が隔壁状に立設されてシート支
持部材である用紙支持部２３を形成している。そして、
同図（ｂ）に例示したように、この用紙支持部２３の上
端部の上面から後面にシート矯正爪である用紙矯正爪２
４が対向するようになっており、この用紙矯正爪２４は
前記用紙支持部２３の後面上に位置する下端部の断面形
状が尖鋭になっている。

【０００８】ここで、この電子キャッシュレジスタ３で
は、図１０に例示するように、その本体ハウジング２５
の上面の前部左方が、前記レシートプリンタ２やジャー
ナルプリンタを出没自在に遮蔽する着脱自在なプリンタ
カバー２６となっており、このプリンタカバー２６には
レシート発行口２７とジャーナル確認窓２８とが形成さ
れている。そして、図９（ｂ）に例示したように、ここ
では電子キャッシュレジスタ３の本体ハウジング２５に
着脱自在で前記レシートプリンタ２に接離自在な前記プ
リンタカバー２６の下面に前記用紙矯正爪２４が突設さ
れることで、この用紙矯正爪２４は前記レシートプリン
タ２の用紙支持部２３に接離自在に対向するようになっ
ている。

【０００９】なお、この電子キャッシュレジスタ３で
は、ドロワ２９が底部に一体に形成された前記本体ハウ
ジング２５の上面に、キーボード３０やディスプレイ３
１やカードリーダ３２等が一体に設けられており、タッ
チスキャナ３３やハンドセット３４が着脱自在に装着さ
れている。

【００１０】このような構成において、この電子キャッ
シュレジスタ３では、キーボード３０やタッチスキャナ
３３などで業務情報を入力すると、これが中央処理装置
（図示せず）で編集されるなどして各種の情報処理が実
行される。そして、このような情報処理で生成された業
務情報がディスプレイ３１に表示され、さらに、このよ
うな業務情報がレシートプリンタ２でロングシートであ
る連続紙３５に印刷されてレシート発行口２７からレシ
ートとして発行されると共に、ジャーナルプリンタで連
続紙３５に印刷されてジャーナルとして格納される。

【００１１】なお、この電子キャッシュレジスタ３のレ
シートプリンタ２やジャーナルプリンタでは、連続紙３
５がプラテンローラ１１の回転に従ってサーマルヘッド
１０下を順次搬送される際に業務情報等の印刷が行なわ
れ、レシートプリンタ２では用紙搬送路７からロータリ
ーカッタ１２に搬送されて自動的に所定長さに切断さ
れ、ジャーナルプリンタではライティングテーブル（図
示せず）上を通過して巻取リール（図示せず）に順次巻
取られるようになっている。なお、このレシートプリン
タ２やジャーナルプリンタでは、通常はジャムセンサ１
９の検知端子２０の押圧力で用紙ガイド１５が位置決め
されることで、ロータリーカッタ１２やライティングテ
ーブル等に至る用紙搬送路１３が形成されている。

【００１２】そして、このレシートプリンタ２の用紙搬
送装置１では、ロータリーカッタ１２の直前などで連続
紙３５にジャムが発生すると、このジャムで湾曲した連
続紙３５によって用紙ガイド１５が上方に押圧され、こ
の押圧力が所定値以上になると用紙ガイド１５はジャム
センサ１９の検知端子２０の弾発力に抗して上方に回動
するようになっている。すると、用紙ガイド１５を弾発
的に位置決めしていた検知端子２０がジャムセンサ１９
内に圧入されてジャムが検知されるので、例えば、ブザ
ーによるユーザへの警告報知や、プリンタ部８やロータ
リーカッタ１２等の自動的な駆動停止などが実行される
ようになっている。

【００１３】ここで、上述のようなレシートプリンタ２
の用紙搬送装置１では、ロール状に巻回された連続紙３
５の末端部は湾曲が著しいので、この部分が巻回された
状態で用紙ガイド４，５間に侵入してジャムを発生する
懸念がある。そこで、この用紙搬送装置１では、プラテ
ンローラ１１等がホッパー２２上から用紙ガイド４，５
の開口部に順次引込む連続紙３５の湾曲の外面を用紙ガ
イド５の用紙支持部２３で支持し、この用紙支持部２３
に相対向した用紙矯正爪２４を連続紙３５の湾曲の内面
に係合させることで、この連続紙３５の末端部の巻回を
直線状に矯正するようになっている。

【００１４】そして、上述のように連続紙３５の末端部
を矯正する用紙支持部２３と用紙矯正爪２４とは近接し
て相対向するようになっているので、この用紙矯正爪２
４と用紙支持部２３との間隙に連続紙３５をセットする
ことが困難となる懸念がある。そこで、この用紙搬送装
置１では、図９（ｂ）に例示したように、連続紙３５の
セット時には必然的に電子キャッシュレジスタ３の本体
ハウジング２５から取外すプリンタカバー２６に用紙矯
正爪２４を一体に設けることで、同図（ａ）に例示した
ように、連続紙３５をセットする際には用紙支持部２３
上に用紙矯正爪２４が必然的に位置しないようにして作
業性を向上させている。

【００１５】

【発明が解決しようとする課題】上述した用紙搬送装置
１では、電子キャッシュレジスタ３の本体ハウジング２
５に着脱自在なプリンタカバー２６に用紙矯正爪２４を
一体化することで、この用紙矯正爪２４を用紙支持部２
３に接離自在として連続紙３５のセットを容易にしてい
る。

【００１６】しかし、実際には連続紙３５の交換作業や
ジャムの処理作業を実行した場合などに、例えば、利用
者が本体ハウジング２５から取外したプリンタカバー２
６をセットすることを失念した状態でレシートプリンタ
２の駆動が開始されるようなことがある。このような場
合、このレシートプリンタ２の用紙搬送装置１は、用紙
支持部２３上に用紙矯正爪２４が位置しない状態で連続
紙３５を搬送するので、図１１に例示するように、この
連続紙３５の湾曲した末端部が直線状に矯正されること
なく用紙ガイド４，５間に侵入してジャムが発生するこ
とがある。

【００１７】また、上述した電子キャッシュレジスタ３
では、本体ハウジング２５の凹部にプリンタカバー２６
を自重でセットするようになっているので、このプリン
タカバー２６が所定位置から変位して用紙矯正爪２４が
用紙支持部２３から離反した状態で用紙搬送装置１が連
続紙３５を搬送してジャムを発生することがある。

【００１８】

【課題を解決するための手段】ロール状に巻回されたロ
ングシートを回転自在に保持するシート保持部を設け、
このシート保持部に一端の開口部が連通する一対のシー
トガイドを設け、このシートガイド間に位置した前記ロ
ングシートを順次搬送するシート搬送機構を設け、この
シート搬送機構が前記シート保持部から前記シートガイ
ドの開口部に順次引込む前記ロングシートの湾曲の外面
を前記シートガイドの開口部の近傍で支持するシート支
持部材を設け、このシート支持部材に接離自在に対向し
て前記ロングシートの湾曲の内面に係合するシート矯正
爪を設け、このシート矯正爪と前記シート支持部材との
一方が先端部に設けられて他方に接離自在に対向配置す
る回動アームを設け、前記シート搬送機構で順次搬送さ
れて前記シート保持部上で回転する前記ロングシートか
ら回転力を受ける動力取出機構を設け、この動力取出機
構の回転力で前記シート矯正爪と前記シート支持部材と
が近接する方向に前記回動アームを回動させるアーム回
動機構を設け、このアーム回動機構が回動させる前記回
動アームを位置決め保持して前記シート矯正爪と前記シ
ート支持部材とを対向配置する位置決め機構を設けた。

【００１９】

【作用】ロール状に巻回されたロングシートをシート保
持部が回転自在に保持し、このシート保持部に一端の開
口部が連通する一対のシートガイド間に位置したロング
シートをシート搬送機構が順次搬送し、このシート搬送
機構がシート保持部からシートガイドの開口部に順次引
込むロングシートの湾曲の外面をシート支持部材が支持
し、このシート支持部材に接離自在に対向してロングシ
ートの湾曲の内面にシート矯正爪が係合し、このシート
矯正爪とシート支持部材との一方が先端部に設けられた
回動アームが他方に接離自在に対向配置し、シート搬送
機構で順次搬送されてシート保持部上で回転するロング
シートから動力取出機構が回転力を受け、この回転力で
シート矯正爪とシート支持部材とが近接する方向にアー
ム回動機構が回動アームを回動し、この回動される回動
アームを位置決め機構が位置決め保持してシート矯正爪
とシート支持部材とを対向配置することで、この対向配
置されたシート矯正爪とシート支持部材とがロングシー
トの湾曲した末端部を直線状に矯正する。

【００２０】

【実施例】本発明の一実施例を図１ないし図６に基づい
て説明する。なお、本実施例のシート搬送装置である用
紙搬送装置３６に関しては、シート搬送装置の一従来例
として前述した用紙搬送装置１と同一の部分は同一の名
称及び符号を用いて詳細な説明は省略する。まず、本実
施例の用紙搬送装置３６は、図１及び図２に例示するよ
うに、レシートプリンタ３７の一部として形成されてお
り、このようなレシートプリンタ３７はジャーナルプリ
ンタ３８と共に電子キャッシュレジスタ（図示せず）に
内蔵されている。

【００２１】そして、このレシートプリンタ３７では、
相対向して両端部が開口した一対のシートガイドである
用紙ガイド４，５がメインフレーム６に装着されてお
り、これらの相対向する用紙ガイド４，５によって形成
された用紙搬送路７がプリンタ部８に連通している。こ
こで、このプリンタ部８は、メインフレーム６に開閉自
在に軸支されたブラケット９にサーマルヘッド１０を装
着し、このサーマルヘッド１０を用紙ガイド５上のシー
ト搬送機構である回転自在なプラテンローラ１１に接離
自在に対向配置した構造となっている。

【００２２】さらに、このレシートプリンタ３７では、
シート保持部となる半円筒状の凹部３９が上面に形成さ
れたホッパー４０が、用紙ガイド４，５の後端の開口部
と連通する位置でメインフレーム６の後部に装着されて
おり、ここではホッパー４０の前端部と対向する位置
で、下方に位置する用紙ガイド５の後端部が隔壁状に立
設されてシート支持部材である用紙支持部２３を形成し
ている。そして、この用紙支持部２３の上端部の後面に
シート矯正爪である用紙矯正爪４１が対向するようにな
っており、この用紙矯正爪４１は用紙支持部２３の後面
上に位置する下端部の断面形状が尖鋭になっている。

【００２３】そして、このレシートプリンタ３７の用紙
搬送装置３６では、前記用紙矯正爪４１がコ字形の回動
アーム４２の先端部に一体に設けられており、この回動
アーム４２は末端部が前記ホッパー４０上の連続紙３５
の巻回中心の位置で回動自在に軸支されている。そし
て、このようにして回動自在に軸支された前記回動アー
ム４２は、前記ホッパー４０の両側面に装着された位置
決め機構であるマグネットキャッチ４３によって先端部
の前記用紙矯正爪４１を前記用紙支持部２３に近接した
対向する位置に位置決め保持されるようになっている。

【００２４】より詳細には、この用紙搬送装置３６で
は、図３に例示するように、前記ホッパー４０の両側面
に突設された支持軸４４上に前記回動アーム４２の末端
部が回動自在に装着されており、この回動アーム４２の
末端部から側方に突設された円筒部４５上にはコイルス
プリング４６と従動プーリ４７とが回転自在に装着され
てからストッパ４８が固定されている。そこで、前記回
動アーム４２は前記コイルスプリング４６の弾発力によ
って前記従動プーリ４７にスリップしながら連動するよ
うになっており、この従動プーリ４７は前記ホッパー４
０の底部に位置する駆動プーリ４９にエンドレスベルト
５０で連結されている。ここで、前記駆動プーリ４９
は、図２及び図４に例示するように、前記ホッパー４０
の底部を貫通した回転軸５１に連結されており、この回
転軸５１の中央部に装着されたゴムローラ５２の上面が
前記ホッパー４０の凹部３９の底面に露出している。

【００２５】そこで、この用紙搬送装置３６では、プラ
テンローラ１１等で順次搬送されて前記ホッパー４０の
凹部３９上で回転する連続紙３５から回転力を受ける動
力取出機構が、ここでは前記ゴムローラ５２で形成され
ており、このゴムローラ５２が出力する回転力で前記用
紙矯正爪４１と前記用紙支持部２３とが近接する方向に
前記回動アーム４２を回動させるアーム回動機構が、前
記プーリ４７，４９や前記エンドレスベルト５０等で形
成されている。

【００２６】つまり、この用紙搬送装置３６では、前記
ホッパー４０の凹部３９にセットした連続紙３５を順次
給送すると、この回転する連続紙３５に接触しているゴ
ムローラ５２も回転するので、このゴムローラ５２の回
転力は回転軸５１から駆動プーリ４９に伝達されてエン
ドレスベルト５０で従動プーリ４７まで伝達される。す
ると、この回転する従動プーリ４７によって前記回動ア
ーム４２は図中で反時計方向に回動されるので、この用
紙搬送装置３６では、連続紙３５のセット時などに前記
回動アーム４２を所定位置から回動させて前記用紙矯正
爪４１を前記用紙支持部２３から離反させていても、連
続紙３５の給送を開始すると自動的に前記回動アーム４
２が回動して前記用紙矯正爪４１は前記用紙支持部２３
に対向配置されるようになっている。

【００２７】なお、このレシートプリンタ３７や前記ジ
ャーナルプリンタ３８等を内蔵した電子キャッシュレジ
スタ（図示せず）は、このレシートプリンタ３７や前記
ジャーナルプリンタ３８を出没自在に遮蔽するプリンタ
カバー（図示せず）に用紙矯正爪が設けられていないこ
と以外は、従来例で前述した電子キャッシュレジスタ３
と同様な構造となっている。また、前記ジャーナルプリ
ンタ３８は、ロータリーカッタ１２の位置にライティン
グテーブル５３が回動自在に軸支されると共に、前記ホ
ッパー４０上の位置に巻取リール５４が回転自在に軸支
されていること以外は、このレシートプリンタ３７と同
様な構造となっている。

【００２８】このような構成において、この電子キャッ
シュレジスタのレシートプリンタ３７やジャーナルプリ
ンタ３８では、連続紙３５がプラテンローラ１１の回転
に従ってサーマルヘッド１０下を順次搬送される際に業
務情報等の印刷が行なわれ、レシートプリンタ３７では
用紙搬送路７からロータリーカッタ１２に搬送されて自
動的に所定長さに切断され、ジャーナルプリンタ３８で
はライティングテーブル５３上を通過して巻取リール５
４に順次巻取られる。

【００２９】そして、このレシートプリンタ３７の用紙
搬送装置３６では、ロール状に巻回された連続紙３５の
末端部は湾曲が著しいので、この部分が巻回された状態
で用紙ガイド４，５間に侵入してジャムを発生する懸念
がある。そこで、この用紙搬送装置３６では、図５に例
示するように、プラテンローラ１１等がホッパー４０上
から用紙ガイド４，５の開口部に順次引込む連続紙３５
の湾曲の外面を用紙ガイド５の用紙支持部２３で支持
し、この用紙支持部２３に相対向した用紙矯正爪４１を
連続紙３５の湾曲の内面に係合させることで、この連続
紙３５の末端部の巻回を直線状に矯正するようになって
いる。

【００３０】そして、上述のように連続紙３５の末端部
を矯正する用紙支持部２３と用紙矯正爪４１とは近接し
て相対向するようになっているので、この用紙矯正爪４
１と用紙支持部２３との間隙に連続紙３５をセットする
ことが困難となる懸念がある。そこで、この用紙搬送装
置３６では、図１に例示したように、連続紙３５のセッ
ト時には手動操作で回動アーム４２を所定位置から後方
に回動させて用紙矯正爪４１を用紙支持部２３から離反
させると共に回動アーム４２の全体をホッパー４０の凹
部３９上から退避させることで、このホッパー４０の凹
部３９上に簡易にセットした連続紙３５を用紙支持部２
３上から用紙搬送路１３に容易に挿入できるようになっ
ている。

【００３１】なお、この用紙搬送装置３６では、前述し
たようにホッパー４０の凹部３９にセットした連続紙３
５を順次給送すると、この回転する連続紙３５に接触し
ているゴムローラ５２も回転するので、このゴムローラ
５２の回転力は回転軸５１から駆動プーリ４９に伝達さ
れてエンドレスベルト５０で従動プーリ４７まで伝達さ
れる。すると、この回転する従動プーリ４７によって回
動アーム４２は図中で反時計方向に回動されるので、こ
の用紙搬送装置３６では、連続紙３５のセット時などに
回動アーム４２を所定位置から回動させて用紙矯正爪４
１を用紙支持部２３から離反させていても、連続紙３５
の給送を開始すると自動的に回動アーム４２がマグネッ
トキャッチ４３の位置まで回動して用紙矯正爪４１が用
紙支持部２３に近接して対向配置されるようになってい
る。

【００３２】そして、このレシートプリンタ３７の用紙
搬送装置３６では、連続紙３５の交換作業やジャムの処
理作業を実行した場合などにプリンタカバーのセットを
失念した状態でレシートプリンタ３７の駆動を開始する
などしても、連続紙３５の搬送が開始されると自動的に
用紙支持部２３上に用紙矯正爪４１が近接して対向配置
されるので、連続紙３５の湾曲した末端部が用紙ガイド
４，５間に侵入してジャムを発生することを確実に防止
することができる。

【００３３】また、この用紙搬送装置３６では、ホッパ
ー４０上に回動自在に軸支された回動アーム４２の先端
部に用紙矯正爪４１が設けられているので、この用紙矯
正爪４１を高精度かつ確実に位置決め保持することがで
き、用紙矯正爪４１が用紙支持部２３から離反した状態
で連続紙３５を搬送することによるジャムも良好に防止
することができる。

【００３４】なお、本実施例の用紙搬送装置３６では、
用紙搬送路７に対して上方に巻回された連続紙３５を矯
正するため、シート矯正爪である用紙矯正爪４１を回動
アーム４２の先端部に設けてシート支持部材である用紙
支持部２３に接離自在に対向配置することを例示した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、図
６に例示するように、用紙搬送路７に対して下方に巻回
された連続紙５５を矯正する場合などには、シート支持
部材５６を回動アーム５７の先端部に設けてシート矯正
爪５８に接離自在に対向配置するシート搬送装置５９な
ども実施可能である。

【００３５】また、本実施例では順次給送されてホッパ
ー４０内で回転する連続紙３５から回転力を受ける動力
取出機構を、ホッパー４０の底部に配置した回転自在な
ゴムローラ５２で形成し、この回転力で回動アーム４２
を回動させるアーム回動機構をプーリ４７，４９やエン
ドレスベルト５０等で形成することを例示したが、本発
明は上記実施例に限定されるものでもなく、例えば、ロ
ール状に巻回されたロングシートを軸支する回転軸（図
示せず）で動力取出機構を形成し、この回転軸と回動ア
ームとを連結するフリクションカップ（図示せず）でア
ーム回動機構を形成したシート搬送装置（図示せず）な
ども実施可能である。

【００３６】さらに、本実施例ではシート搬送装置であ
る用紙搬送装置３６をレシートプリンタ３７の一部とし
て形成することを例示したが、本発明はロール状に巻回
したロングシートを搬送する各種装置に利用可能であ
り、例えば、予め所定情報が印刷されたロングシートを
順次搬送して適宜切断するチケット発行装置（図示せ
ず）のシート搬送装置なども実施可能である。

【００３７】なお、本発明で云う接離自在とは、二個の
部材の距離が変化することを意味しており、接触と離反
とを繰返すことの他、非接触な近接と離反とを繰返すこ
とも内包している。また、本発明で云う対向とは、二個
の部材が機能的に関連する位置で相対することを意味し
ており、これも接触と非接触との両方を内包している。

【００３８】

【発明の効果】本発明は上述のように、シート搬送機構
がシート保持部からシートガイドの開口部に順次引込む
ロングシートの湾曲の外面をシートガイドの開口部の近
傍で支持するシート支持部材を設け、このシート支持部
材に接離自在に対向してロングシートの湾曲の内面に係
合するシート矯正爪を設け、このシート矯正爪とシート
支持部材との一方が先端部に設けられて他方に接離自在
に対向配置する回動アームを設け、シート搬送機構で順
次搬送されてシート保持部上で回転するロングシートか
ら回転力を受ける動力取出機構を設け、この動力取出機
構の回転力でシート矯正爪とシート支持部材とが近接す
る方向に回動アームを回動させるアーム回動機構を設
け、このアーム回動機構が回動させる回動アームを位置
決め保持してシート矯正爪とシート支持部材とを対向配
置する位置決め機構を設けたことにより、ロングシート
の搬送が開始されると自動的にシート支持部材上にシー
ト矯正爪が対向配置されるので、利用者の誤操作による
ジャムの発生を防止することができる等の効果を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシート搬送装置の一実施例である用紙
搬送装置を一部とするレシートプリンタを示す縦断側面
図である。

【図２】レシートプリンタとジャーナルプリンタとを示
す斜視図である。

【図３】回動アームの末端部などの詳細な内部構造を示
す縦断正面図である。

【図４】シート保持部を形成するホッパー内の動力取出
機構であるゴムローラの構造等を示す斜視図である。

【図５】ロングシートである連続紙の末端部をシート支
持部材である用紙支持部とシート矯正爪である用紙矯正
爪とで矯正する状態を示す縦断側面図である。

【図６】シート搬送装置の変形例でロングシートの末端
部をシート支持部材とシート矯正爪とで矯正する状態を
示す縦断側面図である。

【図７】本出願人が実施したシート搬送装置の一従来例
である用紙搬送装置を一部とするレシートプリンタを示
す斜視図である。

【図８】レシートプリンタを示す縦断側面図である。

【図９】レシートプリンタを一部とする電子キャッシュ
レジスタの要部を示し、（ａ）は電子キャッシュレジス
タの本体ハウジングからプリンタカバーを取外した状態
のレシートプリンタの縦断側面図、（ｂ）は電子キャッ
シュレジスタの本体ハウジングにプリンタカバーを装着
した状態のレシートプリンタを示す縦断側面図である。

【図１０】電子キャッシュレジスタの外観を示す斜視図
である。

【図１１】シートガイドである用紙ガイドの開口部でジ
ャムが発生した状態を示す縦断側面図である。

【符号の説明】

４，５ シートガイド １１ シート搬送機構 ２３，５６ シート支持部材 ３５，５５ ロングシート ３６，５９ シート搬送装置 ３９ シート保持部 ４１，５８ シート矯正爪 ４２，５７ 回動アーム ４３ 位置決め機構 ４７，４９，５０ アーム回動機構 ５２ 動力取出機構

フロントページの続き (72)発明者 中村 公夫 静岡県三島市南町６番78号 東京電気株 式会社三島工場内 (72)発明者 荒川 智計 静岡県三島市南町６番78号 東京電気株 式会社三島工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65H 23/00 - 23/34 B65H 16/02

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロール状に巻回されたロングシートを回
   転自在に保持するシート保持部と、このシート保持部に
   一端の開口部が連通する一対のシートガイドと、このシ
   ートガイド間に位置した前記ロングシートを順次搬送す
   るシート搬送機構と、このシート搬送機構が前記シート
   保持部から前記シートガイドの開口部に順次引込む前記
   ロングシートの湾曲の外面を前記シートガイドの開口部
   の近傍で支持するシート支持部材と、このシート支持部
   材に接離自在に対向して前記ロングシートの湾曲の内面
   に係合するシート矯正爪と、このシート矯正爪と前記シ
   ート支持部材との一方が先端部に設けられて他方に接離
   自在に対向配置する回動アームと、前記シート搬送機構
   で順次搬送されて前記シート保持部上で回転する前記ロ
   ングシートから回転力を受ける動力取出機構と、この動
   力取出機構の回転力で前記シート矯正爪と前記シート支
   持部材とが近接する方向に前記回動アームを回動させる
   アーム回動機構と、このアーム回動機構が回動させる前
   記回動アームを位置決め保持して前記シート矯正爪と前
   記シート支持部材とを対向配置する位置決め機構とより
   なることを特徴とするシート搬送装置。