JP2754254B2 - 加水分解性シリル基含有ビニル系重合体 - Google Patents

加水分解性シリル基含有ビニル系重合体

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JP2754254B2 JP23401389A JP23401389A JP2754254B2 JP 2754254 B2 JP2754254 B2 JP 2754254B2 JP 23401389 A JP23401389 A JP 23401389A JP 23401389 A JP23401389 A JP 23401389A JP 2754254 B2 JP2754254 B2 JP 2754254B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特定のアゾ系化合物を用いて製造される加
水分解性のシリル基を有するビニル系重合体(以下、
「加水分解性シリル基含有ビニル系重合体」という)に
係わり、詳しくはゴム材料、シーラント、塗料、接着
剤、粘着剤、フィルム、ボッティング材、成型材料など
に適用して好適な加水分解性シリル基含有ビニル系重合
体に関する。
〔従来の技術〕
ビニル系重合体の分子末端に種々の官能基を導入し、
その導入した官能基を利用して、ビニル系重合体の架橋
反応や分散粒子の安定化を行い、ビニル系重合体を機能
化することが知られている。
このビニル系重合体の機能化に関して、本発明者等
は、先に、連鎖移動剤としてメルカプトアルキルシラン
を用いて分子末端に加水分解性のシリル基を有するビニ
ル系重合体を合成する方法を提案した(特開昭57−3610
9号公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、上記本発明者等による方法は、重合開
始剤を用いず連鎖移動剤だけを使用する方法であり、か
かる方法では、連鎖移動剤としてのメルカプトアルキル
シランを多量に使用した場合、一般的に耐候性が良くな
いビニル系重合体しか得られないという物性面での問題
があることが分かった。
すなわち、メルカプトアルキルシランを多量に用いた
場合、ビニル系重合体のポリマー末端に(R′O)3Si
−R″−S−R″−基(R′:アルキル基、−R″−:
アルキレン基)が導入されるが、この末端基中のスルフ
ィド結合は弱くて切れ易いため、得られるビニル系重合
体の耐候性が良くないことが分かったのである。
本発明は以上の事情に鑑みなされたものであって、そ
の目的とするところは、ポリマー末端に官能基を有し、
しかも優れた耐候性を示すビニル系重合体を提供するに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための本発明に係る加水分解性シ
リル基含有ビニル系重合体は、重合開始剤として加水分
解性のシリル基を有する下記一般式(1)で表されるア
ゾ系化合物を用いて、ビニルモノマーを重合することに
より得られる。
〔但し、上式中、RおよびR′は同一または異なるアル
キル基、mは1〜3の整数、nは1〜5の整数であ
る。〕 上記アゾ系化合物としては、式中のアルキル基Rの炭
素数が1〜10のものが好ましく、1〜6のものがより好
ましい。
上記アゾ系化合物は、例えば第1図にその製造反応の
フローシートを示すように、4,4′−アゾビス(シアノ
バレリン酸)と塩化チオニルとを反応させて酸塩化物を
得、次いで、これに例えば3−アミノプロピルトリアル
コキシシランを反応させることにより製造される。
上記塩化チオニルは理論量乃至過剰量を用いる。な
お、過剰の塩化チオニルを用いた場合は、反応終了後、
減圧濃縮してこれを除去することが好ましい。
4,4−アゾビス(シアノバレリン酸)と塩化チオニル
との反応は、通常50℃以下の温度で、好ましくは40℃以
下の温度で、適当な溶媒を用いて行うか、或いは無溶媒
下で行う。無溶媒下で行うことが好ましい。
このようにして得られた酸塩化物は、そのまま次の3
−アミノプロピルトリアルコキシシランなどと反応させ
てもよく、また溶媒を用いて洗浄したり再結晶により精
製したりした後で、それらと反応させてもよい。
次の酸塩化物と3−アミノプロピルトリアルコキシシ
ランなどとの反応は、両者を理論量またはいずれかの原
料を若干過剰に用いて行う。
この反応は、不活性溶媒中で行うことが好ましく、ま
た通常50℃以下、好ましくは20℃以下の温度で行う。
不活性溶媒としては、特に限定されないが、塩化メチ
レン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が好適な
ものとして例示される。なお、この反応は、脱塩酸反応
であるので、反応促進のため常法に従い、ピリジン、ト
リエチルアミン等の脱酸剤を使用することが好ましい。
上式(1)で表されるアゾ系化合物は、上記反応混合
物から通常行われている分離精製手段を用いて単離精製
することにより得られる。
ラジカル重合の開始剤として上記アゾ系化合物を、ま
た必要に応じて加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤
を用いてビニルモノマーをラジカル重合またはラジカル
共重合することにより、加水分解性シリル基を分子末端
に有するテレケリック構造を有する新規なビニル系重合
体を得ることができる。
上記テレケリック構造を有するビニル系重合体は、そ
れから得られる架橋ポリマーの架橋構造が均一であり、
また分子末端に位置する架橋性官能基がより効率よく架
橋に関与することが可能になるという優れた特徴を有し
ている。
加水分解性シリル基は、加水分解と縮合の二段階の反
応により安定なシロキサン結合を形成して架橋するの
で、加水分解性シリル基を有する本発明に係るビニル系
重合体は優れた、耐候性、耐熱性、および無機物に対す
る密着性を示す。
重合法としては、塊状重合、溶液重合、乳化重合のい
ずれの方法を用いてもよい。
上記ビニルモノマーは特に限定されないが、例えばメ
チルアクリレート;メチルメタクリレート(以下、アク
リレートおよびメタクリレートを総称して「(メタ)ク
リレートと記す);エチル(メタ)クリレート;ブチル
(メタ)クリレート;イソブチル(メタ)クリレート;t
−ブチル(メタ)クリレート;ラウリル(メタ)クリレ
ート;2−エチルヘキシル(メタ)クリレート;ステアリ
ル(メタ)クリレート;ベンジル(メタ)クリレート;
シクロヘキシル(メタ)クリレート;トリフロロエチル
(メタ)クリレート;ペンタフロロプロピル(メタ)ク
リレート;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のポリ
カルボン酸と炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコー
ルとのジエステルまたはハーフエステル等の不飽和カル
ボン酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、クロ
ロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチ
レン、ビニルトルエン等の芳香族炭化水素系ビニル化合
物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレ
ート等の、ビニルエステルまたはアリル化合物;アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビ
ニル化合物;グルシジル(メタ)クリレート等のエポキ
シ基含有ビニル化合物;ジメチルアミノエチル(メタ)
クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)クリレー
ト、ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテル等の
アミノ基含有ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリ
ルアミド(以下、アクリルおよびメタクリルを総称して
「(メタ)クリル)」と記す)、ジアセトン(メタ)ク
リルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エチル(メタ)
クリルアミド、クロトンアミド、マレイン酸ジアミド、
フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドン、N−ブトキ
シメチル(メタ)クリルアミド、N,N−ジメチルアクリ
ルアミド、N−メチルアクリルアミド、アクリロイルモ
ルホリン等のアミド基含有ビニル化合物;2−ヒドロキシ
エチル(メタ)クリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)クリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエー
テル、N−メチロール(メタ)クリルアミド、アロニク
ス5700(東亜合成社製、商品コード)、Placcel FA−
1、Placcel FA−4、Placcel FA−1、Placcel FM−4
(以上、ダイセル化学社製、商品コード)等の水酸基含
有ビニル化合物;(メタ)クリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸およびそれらのアルカリ金属塩、アン
モニウム塩、アミン塩等の塩類、無水マレイン酸等の不
飽和カルボン酸、酸無水物、またはその塩;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタ
ジエン、エチレン、イソブチレン、イソプレン、マレイ
ミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸等の
その他のビニル化合物; CF2=CF2、CHF=CF2、CH2=CH2、 CH2=CHF、CClF=CF2、 CHCl=CF2、CCl2=CF2、 CClF=CClF、CHF=CCl2、 CH2=CClF、CCl2=CClF、 CF3CF=CF2、CF3CF=CHF、 CF3CH=CF2、CF3CF=CH2、 CF3CF=CHF、CHF2CF=CHF、 CF3CH=CH2、CH3CF=CF2、 CH3CH=CF2、CH3CF=CH2、 CF2ClCF=CF2、CF3CCl=CF2、 CF3CF=CFCl、CF2ClCCl=CF2、 CF2ClCF=CFCl、 CFCl2CF=CF2、 CF3CCl=CClF、 CF3CCl=CCl2、 CClF2CF=CCl2、 CCl3CF=CF2、 CF2ClCCl=CCl2、 CFCl2CCl=CCl2、 CF3CF=CHCl、 CClF2CF=CHCl、 CF3CCl=CHCl、 CHF2CCl=CCl2、 CF2ClCH=CCl2、 CF2ClCCl=CHCl、 CCl3CF=CHCl、 CF2ICF=CF2、CF2BrCH=CF2、 CF3CBr=CHBr、 CF2ClCBr=CH2、 CH2BrCF=CCl2、 CF3CBr=CH2、CF2CH=CHBr、 CF2BrCH=CHF、CF2BrCF=CF2、 CF3CF2CF=CF2、 CF3CF=CFCF3、CF3CH=CFCF3、 CF2=CFCF2CHF2、 CF3CF2CF=CH2、 CF3CH=CHCF3、 CF2=CFCF2CH3、 CF2=CFCH2CH3、 CF3CH2CH=CH2、 CF3CH=CHCH3、 CF2=CHCH2CH3、 CH3CF2CH=CH2、 CFH2CH=CHCFH2、 CH3CF2CH=CH2、 CH2=CFCH2CH3、 CF3(CF22CF=CF2、 CF3(CF23CF=CF2、 等のフロオロオレフィン;メチルビニルエーテル、エチ
ルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロ
ピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、t−ブチ
ルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシル
ビニルエーテル、イソヘキシルビニルエーテル、オクチ
ルビニルエーテル、4−メチル−1−ペンチルビニルエ
ーテル等の鎖状アルキルビニルエーテル類、シクロペン
チルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等
のシクロヘキシルビニルエーテル類、フェニルビニルエ
ーテル、o−,m−,p−トリルビニルエーテル等のアリー
ルビニルエーテル類、ベンジルビニルエーテル、フェネ
チルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;および
下記一般式(2)で表される加水分解性シリル基含有ビ
ニル化合物等が挙げられる。
〔但し、上式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリ
ール基およびアラルキル基の中から選ばれた一価の炭化
水素基、R4は重合性二重結合を有する有機残基、Xは加
水分解性基、Xは加水分解性基、mは1〜3の整数であ
る。〕 上式で表される加水分解性シリル基含有ビニル化合物
の具体例としては、 CH2=CHSi(OCH3、 CH2=CHSiCl3CH2=CHSi(C2H5CH2=CHCOO(CH23Si(OCH3、 CH2=CHCOO(CH23Si(OC2H5CH2=CHCOO(CH23SiCl3 等が挙げられる。特に加水分解性シリル基含有ビニル化
合物を使用することにより,本発明のビニル重合体の側
鎖にも加水分解性シリル基を導入することができる。
以上例示したビニルモノマーは一種単独で用いてもよ
く二種以上併用しても良い。
前記加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤の具体例
としては、例えばγ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリイソプロペニルオキシシラン、 (CH3O)3Si−S−S−Si(OCH3、 (CH3O)3SiCH2 3S−SCH2 3Si(COH3、 トリクロロシラン等が挙げられる。
本発明に係るビニル系重合体の製造において、一般式
(1)で表されるアゾ系化合物の使用割合は、モノマー
混合物100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましい。ま
た、加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤を用いる場
合、モノマー混合物100重量部に対して連鎖移動剤0.1〜
10重量部が好ましい。
重合温度は重合開始剤として使用される本発明に係る
アゾ系化合物の分解温度にあわせて設定され、通常0〜
200℃に設定される。
溶液重合を行う場合の溶剤としては、トルエン、キシ
レン、シクロヘキサン、n−オクタン等の炭化水素系溶
剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセ
トン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド等のアミド系溶剤;メタノール、エタノール、
イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコー
ルモノアルキルエーテル等のアルコール系溶剤;および
これらの混合溶剤が例示される。
なかでも、アルコール系溶剤が重合体の保存安定性を
向上させるので好ましい。
ところで、ビニルモノマーを用いた場合の重合の停止
反応には、不均化反応と再結合反応との二種類がある。
本発明に係るビニル系重合体において、その分子末端
に、定量的に加水分解性シリル基を導入したい場合、す
なわち、テレケリック化が必要な場合には、スチレン、
ブタジエン、アクリロニトリル、フルオロオレフィン/
ビニルエーテル系のような再結合による停止反応が起こ
るモノマーに対して、上記特定のアゾ系化合物をラジカ
ル重合開始剤として用いることにより、テレケリック構
造を有するビニル系重合体を得ることができる。
一方、アクリル系モノマーのように不均化停止が優先
するモノマーを用いる場合であっても、上記特定のアゾ
系化合物および上記特定の連鎖移動剤を用いることによ
り、ビニル重合体の分子末端へのシリル基の導入率を向
上させることができ、ほぼテレケリック構造に近いビニ
ル系重合体を得ることができる。なお、この場合、必要
に応じて、一般式(2)で表される加水分解シリル基含
有ビニル化合物との混合モノマーを使用してもよい。
上述の如く得られる本発明に係るビニル系重合体は、
塗料、フィルム、成形材料に適用する場合、数平均分子
量1,000〜100,000のものが好ましく、1,000〜50,000の
ものがより好ましい。また、シーラント、ゴム材料に適
用する場合には数平均分子量4,000〜100,000のものが好
ましく、6,000〜100,000のものがより好ましい。
架橋反応性の官能基を分子末端に有するテレケリック
構造を有するビニル重合体を、たとえばゴム弾性が要求
さる用途、例えばゴム材料やシーラントに適用した場
合、硬化後、均一な架橋構造が形成されるので、良好な
ゴム弾性が得られる。
また、分子末端に位置する架橋反応性の官能基は、側
鎖に位置する架橋反応性官能基に比べて、架橋点の易動
性が高いため、効率よく架橋反応に関与する。
かかる本発明に係るビニル系重合体は加水分解性シリ
ル基が水分により加水分解し、次いで縮合反応が生じて
安定なシロキサン結合を形成しながら架橋、硬化するの
で、ガラス、金属等の無機物に対する良好な接着性およ
び優れた耐候性を期待することができる。特にビニルモ
ノマーとしてフルオロオレフィン/ビニルエーテル系を
選択した場合は、耐候性、および無機物に対する密着性
に優れたゴム材料を得ることができる。
以上より、本発明に係るビニル系重合体は、ゴム材
料、シーラント、フィルム、塗料、接着剤、ボッティン
グ材、成型材料などとして好適に用い得ることが理解さ
れる。
なお、本発明に係るビニル系重合体は、硬化触媒を用
いずに硬化させることができるが、硬化触媒を用いて硬
化させてもよい。
この場合の硬化触媒としては、アルキルチタン酸塩;
リン酸、p−トリエンスルホン酸、酸性リン酸エステル
等の酸性化合物;エチレンジアミン、テトラエチレンペ
ンタミン等のアミン類;ジブチル錫ジラウレート、ジブ
チル錫マレート等の有機錫化合物;水酸化ナトリウム、
ナトリウムメチラート等の塩基性化合物等が例示される
(特開昭57−105446号公報、特開昭59−124954号公報等
参照)。
硬化触媒の使用量は、ビニル系重合体100重量部に対
して、0.005〜10重量部、好ましくは0.1〜8重量部であ
る。
硬化は常温で進行するが、100〜200℃の高温で行うと
短時間で硬化させることができる。
また、本発明に係るビニル系重合体に、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−〔β−アミノエチル〕
アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポ
キシシラン;アミノシランとエピコート828等のエポキ
シ化合物またはエポキシシランとの反応物;メチルオル
トシリケート、エチルオルトシリケート、メチルトリメ
トキシシラン等の部分加水分解物などを添加することに
より、各種基材に対する密着性を向上させることができ
る。
さらに、本発明に係るビニル系重合体の安定剤(脱水
剤)として、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、メ
チルオルソシリケート、エチルオルソシリケート、メチ
ルトリメトキシシラン等の加水分解性エステルを用いる
ことができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明す
るが、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、
その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施可能な
ものである。
(A)アゾ系化合物の合成 撹拌機、還流冷却器および塩化カルシウム管を装着し
た四つ口フラスコに、塩化チオニル274mlを入れて5〜1
0℃の温度に冷却した後、撹拌しながらアゾビスシアノ
吉草酸96g(グラム)を約2時間かけて少量ずつ加え
た。その後35℃の温度で4時間反応させた後、塩化チオ
ニルを減圧除去し、酸塩化物96g(収率89%)を得た。
次に、前記同様の四つ口フラスコに、塩化メチレン、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン15.4gおよびト
リエチルアミン6.4gを入れて10℃以下に冷却した後、窒
素ガスを四つ口フラスコ内に流しながら、上記酸塩化物
10gを塩化メチレン50mlに溶解した溶液を、撹拌しなが
ら0.5時間かけて滴下し、その後2時間反応させた。
この反応液を減圧濃縮して粗製物を得、該粗製物をエ
ーテル抽出し、得られた抽出液を濾過した後エーテルを
減圧除去し、n−ヘキサンで洗浄して、アゾ系化合物
(一般式(1)中、R:エチル基、m=3、n=3の化合
物)18g(収率83%)を得た。
得られたアゾ系化合物は淡褐色のペーストであり、ペ
ースト中のアゾ系化合物含有量は96%であった。
(B)ビニル系重合体の合成 (実施例1) 撹拌機、窒素導入管、温度計を装着した反応器に、ス
チレン3.2g、n−ブチルアクリレート10.3g、メチルメ
タクリレート11.5g、(A)で合成したアゾ系化合物1.5
g、キシレン11.4gを入れて撹拌し、窒素零囲気下、110
℃の温度で4時間重合反応させて、無色透明の硬化性樹
脂溶液を得た。その重合転化率は99%であった。
次いで、上記硬化性樹脂溶液に、硬化触媒(2−エチ
ルヘキシルアシッドホスフェートとN,N−ジメチルドデ
シルアミンとの重量比2:1の混合物)を、樹脂固形分100
重量部に対して2重量部の割合で加えて塗料を調製し、
該塗料をテフロン板上にスパチュラで塗布して塗膜厚約
100μmのフィルムを形成した後、該フィルムを120℃の
温度で60分かけて焼付した。因みに、硬化後のフィルム
は無色透明であった。また、アセトン抽出法によるゲル
分率は70%であった。
なお、焼付せず常温で放置した場合のフィルムの硬化
性を別途調べたところ、その場合も硬化することが確認
された。
(実施例2) 100ccのステンレス製オートクレーブにキシレン11.4
g、エチレンビニルエーテル10gおよび(A)で合成した
アゾ系化合物2.0gを仕込み、ドライアイスメタノールで
−78℃に冷却した後、オートクレーブに減圧脱気し、そ
の後クロルトリフルオロエチレン15gをオートクレーブ
内に導入し、100℃に昇温して5時間反応させた。反応
終了後、冷却系に通して未反応モノマーを除去し、無色
透明の硬化性樹脂溶液を得た。
次いで、上記硬化性樹脂溶液に、硬化触媒(2−エチ
ルヘキシルアシッドホスフェートとN,N−ジメチルドデ
シルアミンとの重量比2:1の混合物)を、樹脂固形分100
重量部に対して2重量部の割合で加えて、テフロン板上
にスパチュラで膜厚約100μmのフィルムを形成した
後、フィルムを120℃の温度で60分間かけて焼付した。
なお、硬化したフィルムは無色透明で強靭なゴム状のフ
ィルムであった。また、アセトン抽出法によるゲル分率
は95%であった。
なお、焼付せず常温で放置した場合のフィルムの硬化
性を別途調べたところ、その場合も硬化することが確認
された。
(C)剥離試験 (実施例3) (A)で合成したアゾ系化合物1g、エタノール15gお
よび蒸留水15gを秤量し、酢酸でpH4に調整して、アゾ開
始剤の3%溶液を調製した。
このアゾ開始剤をガラス板(50×50×5mm)二枚の各
片面に塗布し、常温で2時間放置して乾燥したところ、
透明の膜が形成された。この各塗膜形成面にトリメチロ
ールプロパントリメタクリレート(TMMA)を塗布した
後、二枚のガラス板の塗膜形成面を、0.4mm厚のスペー
サを介して互いに対向させて重合わせ、140℃の温度で3
0分かけて硬化させたところ、TMM層が樹脂化した。
剥離テストの結果、アゾ開始剤層全面に樹脂が付着し
ており、凝集破壊が観察された。
(比較例1) アゾ開始剤に代えて、アゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、塗
膜硬化させた。この場合もTMMA層が樹脂化した。
しかし、剥離テストの結果、樹脂層(TMMA層)はガラ
ス面から容易に剥離して脱落し、界面破壊が観察され
た。
〔発明の効果〕
以上、詳細に説明したように、本発明に係るビニル系
重合体は、耐候性および無機物に対する密着性に優れ、
ゴム材料、シーラント、塗料、接着剤、粘着剤、フィル
ム、ボッティング材、成型材料などとして用いて好適で
ある等、本発明は優れた特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るビニル重合体の合成に用いるアゾ
系化合物の製造反応のフローシートである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表される加水分解性シ
    リル基含有アゾ系化合物を重合開始剤として用いてビニ
    ルモノマーを重合して得られる加水分解性シリル基含有
    ビニル系重合体。 〔但し、上式中、RおよびR′は同一または異なるアル
    キル基、mは1〜3の整数、nは1〜5の整数であ
    る。〕
  2. 【請求項2】下記一般式(1)で表される加水分解性シ
    リル基含有アゾ系化合物を重合開始剤として用いるとと
    もに、加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤を用いて
    ビニルモノマーを重合して得られる加水分解性シリル基
    含有ビニル系重合体。 〔但し、上式中、RおよびR′は同一または異なるアル
    キル基、mは1〜3の整数、nは1〜5の整数であ
    る。〕
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