JP2752037B2 - 履物用の中敷 - Google Patents

履物用の中敷

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JP2752037B2
JP2752037B2 JP6161937A JP16193794A JP2752037B2 JP 2752037 B2 JP2752037 B2 JP 2752037B2 JP 6161937 A JP6161937 A JP 6161937A JP 16193794 A JP16193794 A JP 16193794A JP 2752037 B2 JP2752037 B2 JP 2752037B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、履物用の中敷に関する
ものであり、更に詳しくは、靴敷き等の履物用の中敷に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は従来より知られている靴敷きの平
面図であり、図6はその断面図である。この靴敷きには
内部に液体収容室10が設けられており、液体収容室1
0内には水Wが入っている。靴敷きは柔軟性のある材料
から成っているので、靴敷きの上に人の足F(図5中に
一点鎖線で示す。)が載ると、液体収容室10内を水W
が移動して、靴敷きの上面は足Fの裏の形状に合致する
ように変形する。従って、この靴敷きを靴の中底に敷い
ておけば、靴を履いたときに足Fが靴敷きにフィットし
て、靴の履き心地が良くなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、歩行中、人の
重心の移動に伴って、靴敷きが受ける力のバランスは刻
々と変化し、その結果、靴敷きは足Fの裏の形状に合致
するように形状を変えてゆくことになる。靴敷きの形状
が変化すると、第1に、靴敷きの重量のバランスが変化
してしまう。例えば、人の重心が踵側からつま先側に向
かって移動すると、液体収容室10内で水Wがつま先側
から踵側に向かって移動する。そのため、靴敷きの重心
はつま先側から踵側に向かって(つまり、人の重心の移
動方向とは反対方向に)移動してしまう。第2に、靴敷
きによって靴が足Fの移動に追随できなくなり、足Fと
靴との一体感が損なわれてしまう。例えば、足Fの踵を
上げても、液体収容室10内では水Wがつま先側から踵
側に向かって移動するため、靴の踵が上がりにくくなっ
てしまう。このように、図5に示す靴敷きには、歩きに
くいという問題がある。また、靴敷きを、柔軟性のない
硬質の材料で形成した場合には、足の裏の全体にフィッ
トしにくくなり、液体内蔵型の靴敷きとしての効果が薄
れる。
【0004】本発明はこの点に鑑みてなされたものであ
って、履き心地が良く、かつ、歩き易い履物用の中敷を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る履物用の中敷は、個別に液体を収容で
きるように柔軟性のある部材で形成された複数の液体収
容室を有するとともに、その液体収容室に水以外の液体
であって比熱の大きい液体を収容してなることを特徴と
する。
【0006】前記液体収容室に液体を注入するための部
材が設けられているのが好ましい。例えば、この部材は
注射針を通すが、注射針が抜かれると液体が漏れないよ
うに復元する弾性材料から成るものである。また、土踏
まずに当たる部分の液体収容室が、他の液体収容室より
も高くなるように液体を備えた構成とするのが好まし
い。
【0007】
【作用】このような構成によれば、複数の液体収容室は
個別に液体を収容できるように設けられているため、中
敷に加えられた力のバランスが変化しても、液体は液体
収容室間を移動することはできない。その結果、中敷の
重量のバランスは変化せず、靴と足との一体感が損なわ
れることもない。また、液体収容室は柔軟性のある部材
で形成されており、液体収容室内の液体は流動性がある
ため、液体収容室はそれぞれが足の裏の当たる範囲につ
いて、足の裏の形状と合致するように形状を変化させ
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係る履物用の中敷を実施した
靴敷きを、図面を参照しつつ説明する。なお、従来例
(図4,図5)や実施例間で同一の部分又は相当する部分
には、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0009】図1〜図3に示す実施例は、個別に液体を
収容できるように柔軟性のある部材(例えば、プラスチ
ック,ゴム等の材料から成る部材)で形成された3つの
液体収容室1〜3を有している。液体収容室1〜3の側
面には、液体を注入するための注入用部材11〜13が
設けられている。注入用部材11〜13は、注射器具S
の注射針を通すが、注射針が抜かれると液体が漏れない
ように復元する弾性材料(例えば、生ゴムのように元に
戻る材質)から成っている。
【0010】靴敷きの上面は、液体収容室1〜3内に液
体が入っていない通常状態では平坦になっているが(図
2)、注射器具Sで注入用部材11〜13から各液体収
容室1〜3内に水Wを注入すると、盛り上がって高くな
る(図3)。そこで、使用時には液体収容室1〜3が足F
の裏の凹凸形状に合致する高さとなるように(例えば、
足Fの土踏まずFaに当たる部分の液体収容室2が、他
の液体収容室1,3よりも高くなるように)、また、靴
敷きの厚さが靴の大きさ・形状に合うように、水Wを注
入する。
【0011】なお、注入用部材11〜13を設ける位置
は、液体収容室1〜3の側面側に限らない。側面側に設
けた場合、足Fからの力を直接受けにくいというメリッ
トがあるが、例えば、液体収容室1〜3の上面側や下面
側に設けた場合、注射器Sの注射針を注入用部材11〜
13に刺し易いというメリットがある。特に、上面側に
設けた場合、靴内に靴敷きをセットした状態でも水Wを
注入することが可能である。
【0012】3つの液体収容室1〜3は個別に水Wを収
容できるように設けられているため、靴敷きに加えられ
た力のバランスが変化しても、水Wは液体収容室1〜3
間を移動することができない。その結果、靴敷きの重量
のバランスは変化せず、また、靴と足Fとの一体感が損
なわれることもない。従って、歩き易いという効果が得
られる。
【0013】また、液体収容室1〜3は柔軟性のある部
材で形成されており、各液体収容室1〜3内の水Wは流
動性があるため、靴敷きの上に人の足Fが載ると、図3
に示すように各液体収容室1〜3内を水Wが移動して、
液体収容室1〜3の上面はそれぞれが当たる範囲で足F
の裏の形状に合致するように形状を変化させる。従っ
て、この靴敷きを靴の中底に敷いておけば、靴を履いた
ときに靴敷きが足Fにフィットして、良い履き心地が得
られる。
【0014】上記のように水Wは液体収容室1〜3間を
移動することができないが、液体収容室1〜3に水Wを
注入するための注入用部材11〜13が設けられている
ため、上記のように各液体収容室1〜3の高さ調整を行
うことによって、使用する人の足Fの裏の形状に応じた
靴敷きとすることができる。これにより、靴敷きの上面
を全体として足Fの裏の形状に合致させることができ、
また、大きめの靴でも足Fに靴をフィットさせることが
できる。
【0015】液体収容室1〜3には水Wが入っているた
め、水Wと足Fとの温度差等によって、足Fの裏に心地
良い感触が得られる。また、各液体収容室1〜3は先に
述べたように柔軟性のある部材で形成されているため、
水Wが各液体収容室1〜3中を移動したときの力は、足
Fの裏に伝わり易くなっている。そのため、水Wの移動
によって足Fの裏に加わる刺激が、健康に良い影響を与
えるという効果もある。
【0016】水Wの代わりに他の液体を液体収容室1〜
3に注入してもよい。例えば、比熱の大きい液体を用い
ることによって足Fの温度をより安定に保つことが可能
である。また、粘性がある程度高い液体を用いることに
よって靴敷きの重量のバランスを調整すれば、各人に応
じた歩き易さに改善することも可能である。
【0017】図4に本発明に係る他の実施例を示す。図
4に示す実施例は、前記液体収容室2を液体収容室4,
5の2つに分割したほかは、図1〜図3に示す実施例と
同様に構成されている。このように液体収容室2を更に
細かく分割すれば、靴敷きの重量のバランスが更に良く
なるため、より一層歩き易くなる。なお、液体収容室
4,5を足Fの裏の形状に合致させるには、土踏まずF
aに当たる液体収容室5が土踏まずFaの外側部分に当
たる液体収容室4よりも高くなるように、前記高さ調整
を行えばよい。
【0018】また、液体収容室を1〜5を更に複数に分
割し(例えば、蜂の巣状に)てもよい。液体収容室を更に
細かく分割すれば、靴敷きの重量のバランスが更に良く
なるので、より一層歩き易くなる。その場合、靴敷きの
側面側に面しない液体収容室の注入用部材は、液体収容
室の下面側に設ければよい。
【0019】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、個別に液体を
収容できるように柔軟性のある部材で形成された複数の
液体収容室は、それぞれが当たる範囲で足の裏の形状に
合致するように変化させるため、良い履き心地が得ら
れ、しかも、液体収容室同士の液体の移動はないため、
歩き易いという効果が得られる。更に、液体は比熱が大
きいので、足の温度をより安定に保つことが可能とな
る。また、請求項4の発明によれば、液体収容室が蜂の
巣状に細かくなっているので、重量がかかったときのバ
ランスがよくなり、一層歩き易くなる。
【0020】液体収容室に液体を注入するための部材を
設けることによって、使用する人の足の裏の形状に応じ
た履物用の中敷を得ることができる。注射針を通すが、
注射針が抜かれると液体が漏れないように復元する弾性
材料から成る部材を設けることによって、注射器具で各
液体収容室の高さを調整することができる。例えば、土
踏まずに当たる部分の液体収容室が、他の液体収容室よ
りも高くなるように液体の注入を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す平面図。
【図2】図1の実施例の通常状態を示す断面図。
【図3】図1の実施例の高さ調整後の状態を示す断面
図。
【図4】本発明の他の実施例を示す平面図。
【図5】従来例を示す平面図。
【図6】従来例を示す断面図。
【符号の説明】
1〜5 …液体収容室 11〜15 …注入用部材 S …注射器具 W …水 F …足 Fa …土踏まず

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】個別に液体を収容できるように柔軟性のあ
    る部材で形成された複数の液体収容室を有するととも
    に、その液体収容室に水以外の液体であって比熱の大き
    い液体を収容してなる履物用の中敷。
  2. 【請求項2】前記液体収容室に液体を注入するための部
    材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の
    履物用の中敷。
  3. 【請求項3】前記部材は注射針を通すが、注射針が抜か
    れると液体が漏れないように復元する弾性材料から成る
    ことを特徴とする請求項2に記載の履物用の中敷。
  4. 【請求項4】個別に液体を収容できるように柔軟性のあ
    る部材で形成された複数の液体収容室を有するととも
    に、それらの液体収容室が更に複数に分割され蜂の巣状
    になっていることを特徴とする履物用の中敷。
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