JP2733256B2 - 4−メルカプトピラゾリジン誘導体 - Google Patents

4−メルカプトピラゾリジン誘導体

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JP2733256B2
JP2733256B2 JP63218555A JP21855588A JP2733256B2 JP 2733256 B2 JP2733256 B2 JP 2733256B2 JP 63218555 A JP63218555 A JP 63218555A JP 21855588 A JP21855588 A JP 21855588A JP 2733256 B2 JP2733256 B2 JP 2733256B2
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  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な4−メルカプトピラゾリジン誘導体に
関し、さらに詳しくは、各種医薬品の合成中間体として
有用な式 式中、 R1は水素原子またはアシル基を表わし、 R2は水素原子または低級アルコキシカルボニル基を表
わし、 R3およびR4は各々水素原子またはアミノ保護基を表わ
す、 で示される4−メルカプトピラゾリジン誘導体及びその
製造法に関する。
本明細書において「低級」なる語はこの語が付された
基または化合物の炭素原子数が6個以下、好ましくは4
個以下であることを意味する。
上記式(I)において、「アシル基」には、単に有機
カルボン酸のカルボキシル基からOHを除いた残りの原子
団のみならず、広義に、有機スルホン酸や有機リン酸な
どの他の有機酸から誘導されるアシル基をも包含し、例
えばアセチル、プロピオニル、ブチリル等の低級アルカ
ノイル基;ベンゾイル、クロロベンゾイル、p−ニトロ
ベンゾイルなどの置換または未置換のベンゾイル基;メ
タンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル基等の
(ハロ)低級アルキルスルホニル基;ベンゼンスルホニ
ル、p−ニトロベンゼンスルホニル、p−ブロモベンゼ
ンスルホニル、トルエンスルホニル、2,4,6−トリイソ
プロピルベンゼンスルホニル等の置換または未置換のア
リールスルホニル基;ジフェニルホスホリル基等が挙げ
られる。
また、「低級アルコキシカルボニル基」としては、例
えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロ
ポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキ
シカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブト
キシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシル
オキシカルボニル基等が挙げられる。
さらに「アミノ保護基」は、ペプチド化学の分野にお
いてアミノ基の保護基としてそれ自体既知の任意の保護
基であることができ、例えば、芳香族アシル基:例え
ば、フタロイル;ベンゾイル、またはクロロベンゾイ
ル、p−ニトロベンゾイル、p−tert−ブチルベンゾイ
ル、トルオイルなどのハロゲン、ニトロもしくは低級ア
ルキルで置換されたベンゾイル;ナフトイル;フェニル
アセチル;フェノキシアセチル;ベンゼンスルホニル、
p−tert−ブチルベンゼンスルホニル、トルエンスルホ
ニルなどの低級アルキル置換ベンゼンスルホニル等、
脂肪族またはハロゲン化脂肪族カルボン酸アシル基:例
えば、カンファスルホニル、メタンスルホニル、ホルミ
ル、アセチル、バレリル、カプリリル、n−デカノイ
ル、アクリロイル、ピバロイル、ハロゲノアセチル
(例、モノクロロアセチル、モノブロモアセチル、ジク
ロロアセチル、トリクロロアセチル)等、エステル化
されたカルボキシ基:例えば、エトキシカルボニル、te
rt−ブチルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニ
ル、イソボルニルオキシカルボニル、フェニルオキシカ
ルボニル、トリクロロエトキシカルボニル、ベンジルオ
キシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル
等、カルバモイルまたはチオカルバモイル基:例え
ば、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル、ナフ
チルカルバモイル等もしくはこれらに対応するチオカル
バモイル基等が挙げられる。
前記式(I)の化合物中、好適な群には、R1が水素原
子または低級アルカノイル基を表わし、R2が水素原子を
表わし、R3およびR4が各々水素原子または置換もしくは
未置換のベンジルオキシカルボニル基を表わすものが挙
げられる。
しかして、本発明により提供される前記式(I)の化
合物の具体例を示せば次のとおりである。
4−アセチルチオ−1,2−ジ(p−ニトロベンジルオキ
シカルボニル)ピラゾリジン; 4−アセチルチオ−1,2−ジ(ベンジルオキシカルボニ
ル)ピラゾリジン; 4−アセチルチオ−1,2−ジ(tert−ブトキシカルボニ
ル)ピラゾリジン; 4−アセチルチオ−1,2−ジ(エトキシカルボニル)ピ
ラゾリジン; 4−アセチルチオ−1,2−ジ(アリルオキシカルボニ
ル)ピラゾリジン; 4−アセチルチオ−1,2−ジホルミルピラゾリジン; 4−アセチルチオ−3−メトキシカルボニル−1,2−ジ
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピラゾリジ
ン; 4−アセチルチオ−1,2−ジ(ベンジルオキシカルボニ
ル)−3−メトキシカルボニルピラゾリジン; 4−アセチルチオ−1,2−ジ(tert−ブトキシカルボニ
ル)−3−メトキシカルボニルピラゾリジン; 4−アセチルチオ−1,2−ジ(アリルオキシカルボニ
ル)−3−メトキシカルボニルピラゾリジン; 4−アセチルチオ−1,2−ジ(エトキシカルボニル)3
−メトキシカルボニルピラゾリジン; 4−ベンゾイルチオ−1,2−ジ(p−ニトロベンジルオ
キシカルボニル)ピラゾリジン; 4−ベンゾイルチオ−1,2−ジ(ベンジルオキシカルボ
ニル)ピラゾリジン; 4−ベンゾイルチオ−1,2−ジ(tert−ブトキシカルボ
ニル)ピラゾリジン; 4−ベンゾイルチオ−1,2−ジ(エトキシカルボニル)
ピラゾリジン; 1,2−ジ(アリルオキシカルボニル)−4−ベンゾイル
チオピラゾリジン; 4−ベンゾイルチオ−1,2−ジホルミルピラゾリジン; 4−ベンゾイルチオ−3−メトキシカルボニル−1,2−
ジ(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピラゾリジ
ン; 4−ベンゾイルチオ−1,2−ジ(ベンジルオキシカルボ
ニル)3−メトキシカルボニルピラゾリジン; 4−ベンゾイルチオ−1,2−ジ(tert−ブトキシカルボ
ニル)−3−メトキシカルボニルピラゾリジン; 1,2−ジ(アリルオキシカルボニル)−4−ベンゾイル
チオ−3−メトキシカルボニルピラゾリジン; 4−ベンゾイルチオ−1.2−ジ(エトキシカルボニル)
−3−メトキシカルボニルピラゾリジン; 4−メルカプト−1,2−ジ(p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)ピラゾリジン; 1,2−ジ(ベンジルオキシカルボニル)−4−メルカプ
トピラゾリジン; 1,2−ジ(tert−ブトキシカルボニル)−4−メルカプ
トピラゾリジン; 1,2−ジ(エトキシカルボニル)−4−メルカプトピラ
ゾリジン; 1,2−ジ(アリルオキシカルボニル)−4−メルカプト
ピラゾリジン; 1,2−ジホルミル−4−メルカプトピラゾリジン; 4−メルカプト−3−メトキシカルボニル−1,2−ジ
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピラゾリジ
ン; 1,2−ジ(tert−ブトキシカルボニル)−4−メルカプ
ト−3−メトキシカルボニルピラゾリジン; 1,2−ジ(アリルオキシカルボニル)−4−メルカプト
−3−メトキシカルボニルピラゾリジン; 1,2−ジホルミル−4−メルカプト−3−メトキシカル
ボニルピラゾリジンなど。
式(I)の化合物はまた、酸付加塩の形で存在するこ
ともでき、式(I)の化合物と塩を形成しうる酸として
は、たとえば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機
酸や、ギ酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、リン
ゴ酸、安息香酸等の有機酸が挙げられる。
そのような、酸付加塩の形で存在する式(I)の化合
物の具体例を示せば、次のとおりである。
4−アセチルチオピラゾリジン・二酢酸塩; 4−アセチルチオ−3−メトキシカルボニルピラゾリジ
ン・二酢酸塩; 4−アセチルチオピラゾリジン・二塩酸塩など。
さらに、R1が水素原子である場合の式(I)の化合物
におけるチオール基(−SH)はアシル基以外の保護基で
保護された形態で存在することができ、そのようなチオ
ール保護基としては、ペプチド化学においてシステイン
のメルカプト基の保護基として一般に知られている任意
の保護基が包含されるが、好ましくはベンジル、p−ニ
トロベンジル、p−メトキシベンジル、ジフェニルメチ
ル、トリチル基等のアラルキル基;ベンジルオキシカル
ボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基;t−ブ
チルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル基な
どのシリル基等を例示することができる。
しかして、そのようなチオール基が保護された形態の
式(I)の化合物の具体例を示せば次のとおりである。
4−ベンジルチオ−1,2−ジ(p−ニトロベンジルオキ
シカルボニル)ピラゾリジン; 1,2−ジ(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−4
−p−ニトロベンジルオキシカルボニルチオピラゾリジ
ン; 1,2−ジ(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−4
−tert−ブトキシカルボニルチオピラゾリジン; 4−tert−ブチルジメチルシリルチオ−1,2−ジ(p−
ニトロベンジルオキシカルボニル)ピラゾリジン; 4−ベンジルチオ−3−メトキシカルボニル−1,2−ジ
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピラゾリジ
ン; 4−tert−ブチルジメチルシリルチオ−3−メトキシカ
ルボニル−1,2−ジ(p−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル)ピラゾリジンなど。
本発明により提供される前記式(I)の化合物は、例
えば、 (a)式 式中、 Xは酸残基を表わし、 R31およびR41は各々アミノ保護基を表わし、 R2は前記定義のとおりである、 で示される化合物を式 (R11S)nM (III) 式中、 R11はアシル基を表わし、 Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属のカチオン
を表わし、 nはMの価数を表わす、 で示されるチオ酸塩と反応させるか、或いは (b)式 式中、R2、R31およびR41は前記定義のとおりである、 で示される化合物を光延反応により式 R11SH (V) 式中、R11は前記定義のとおりである、 のチオ酸と反応させ、そして必要に応じて、 (c)得られる式 式中、R11、R2、R31およびR41は前記定義のとおりで
ある、 で示される化合物からアシル基(R11)および/または
アミノ保護基(R31、R41)を脱離せしめることにより製
造することができる。
また、R1が水素原子である場合の式(I)の化合物
は、例えば式 式中、 X、R2、R31およびR41は前記定義のとおりである、 で示される化合物をチオ尿素と反応させた後、加水分解
し、そして生成物にアミノ保護基(R31、R41)が存在す
る場合、必要に応じて該アミノ保護基を脱離せしめるこ
とによっても製造することができる。
しかして、式(I)の化合物の製造法をまとめて反応
式で示せば以下のとおりである。
式中、R1、R2、R3、R4、R11、R31、R41X、Mおよびn
は前記定義のとおりである。
上記反応式において、Xによって表わされる「酸残
基」は、広義にプロトン供与性分子から水素原子を除い
た残りの原子団を意味し、その代表例としては、有機ス
ルホン酸残基、例えばメタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸か
ら水素原子を除いた残りの原子団;ハロゲン原子、例え
ば塩素原子、臭素原子等を挙げることができる。
以下、式(I)の化合物の製造法を前記反応式Aに基
いてさらに詳細に説明する。
工程(i): 工程(i)は、式(II)で示されるピラゾリジン誘導
体を不活性有機溶媒中で次式 (R11S)nM (III) 式中、R11、Mおよびnは前記定義のとおりである、 で示されるチオ酸塩を反応させて、式(I−1)で示さ
れる4−メルカプトピラゾリジン誘導体を得る工程であ
る。
本反応で用いられるチオ酸塩としては、例えばチオ酢
酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩もしくは
マグネシウム塩等;またはチオ安息香酸のナトリウム塩
もしくはカリウム塩等を挙げることができる。また、不
活性有機溶媒としては、たとえばメタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジエチル
エーテル、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル等の
エステル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素等のハロゲン化炭化水素類;アセトン、ジメチルホル
ムアミド、アセトニトリル等の中から適当な溶媒を選ん
で使用することができるが、本反応においてはアセトン
を用いることが好ましい。
反応は通常、式(II)の化合物の溶液に、上記式(II
I)のチオ酸塩を式(II)の化合物1モル当り1〜2モ
ルの割合で加え、20℃〜100℃程度の温度で1時間ない
し48時間撹拌することによって実施することができる。
かくして得られる式(I−1)の反応生成物はカラムク
ロマトグラフィーあるいは結晶化の通常の手段により単
離精製することができる。
工程(ii): 式(I−1)の化合物はまた工程(ii)に示すとお
り、式(IV)の4−ヒドロキシピラゾリジン誘導体を出
発原料として、いわゆる「光延反応」[Tetrahedron Le
tters,22pp 3119−3122(1981)]によっても得ること
ができる。
しかして、工程(ii)の反応は例えば、式(IV)の化
合物とトリフェニルホスフィンおよびジアルキルアゾジ
カルボキシレート、例えばジエチルアゾジカルボキシレ
ート、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートとを上記
工程(i)について述べたと同様の不活性有機溶媒中
で、0℃〜30℃程度の温度で30分間から4時間撹拌した
後、次式(V) R11SH (V) 式中、R11は前記定義のとおりである、 で示されるチオ酸を徐々に滴下して、0℃〜30℃程度の
温度で30分間ないし12時間撹拌することによって行なう
ことができる。トリフェニルホスフィン、ジアルキルア
ゾジカルボキシレートおよびチオ酸の使用量は特に制限
されるものではないが、それぞれ式(IV)の化合物1モ
ル当り1〜2モルの範囲内で用いるのが好ましい。生成
する式(I−1)の化合物は例えばカラムクロマトグラ
フィー、結晶化等の手段により単離精製することができ
る。
工程(iii): 工程(iii)は、上記工程(i)または(ii)で得ら
れる式(I−1)の4−メルカプトピラゾリジン誘導体
のアシル基(R11)および/またはアミノ保護基(R31
よびR41)を、必要に応じて、ペプチド化学において通
常行なわれる方法によって脱離させて、R1および/また
はR3、R4が水素原子を表わす式(I)の化合物に誘導す
る工程である。
アシル基の脱離は、例えば、式(I−1)の化合物を
適当なアルコール溶媒中でナトリウムメトキサイド、ナ
トリウムエトキサイド等の金属アルコキサイド、または
アンモニア等の塩基で処理することにより実施すること
ができる。
一方、アミノ保護基の脱離は、一般には、金属触媒を
用いる水素添加分解反応または水素化金属化合物による
還元反応のような、それ自体既知の脱保護基反応により
実施することができる。典型的には、式(I−1)の化
合物を前述した如き不活性有機溶媒中で、たとえば水素
化ホウ素ナトリウム、水素化トリメトキシホウ素ナトリ
ウム、水素化リチウムアルミニウム等の水素化金属化合
物を作用させることによってアミノ保護基を脱離させる
ことができる。また、他の方法として、アミノ保護基の
脱離は、式(I−1)の化合物を、たとえばpH7のモル
ホリノプロパンスルホン酸−水酸化ナトリウム緩衝液、
pH7のリン酸塩緩衝液、リン酸二カリウム、重炭酸ナト
リウムなどを含むテトラヒドロフラン−水、テトラヒド
ロフラン−エタノール−水、ジオキサン−水、ジオキサ
ン−エタノール−水、n−ブタノール−水などのような
混合溶媒中で、1〜4気圧の水素を用い、酸化白金、パ
ラジウム−活性炭、水酸化パラジウム−活性炭、水酸化
パラジウム−活性炭などの水添触媒の存在下に、0℃〜
50℃程度の温度で15分ないし4時間処理することにより
行なうこともできる。
なお、アミノ保護基(R31、R41)の脱離反応を、例え
ば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸、または
ギ酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、
安息香酸等の有機酸の存在下に行なえば、反応生成物は
酸付加塩の形で得ることができる。
またさらに、本工程において、式(I−1)の化合物
のアミノ保護基(R31、R41)を脱離せしめる条件下に脱
離反応を実施する場合、採用する条件によって、R3また
はR4のいずれか一方がアシル基であり、他方が水素原子
であって、かつR1が水素原子である式(I)の化合物が
生成することもある[例えば、後述の実施例9参照]。
工程(iv): R1が水素原子である式(I)の化合物、すなわち式
(I−2)の化合物は、上記工程(i)および(iii)
によらず、式(II)の化合物から工程(iv)に従って直
接誘導することもできる。
すなわち、式(II)の化合物を、前述した如き不活性
有機溶媒中で、チオ尿素を加え、20℃〜100℃程度の温
度で6時間から7日間反応させたのち、加水分解する。
加水分解は通常、上記で得られる反応溶液にアルカリ水
溶液、たとえば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の塩基の水溶液を加え、5℃〜50
℃、より好ましくは室温程度の温度で、5分から30分間
撹拌することにより行なうことができる。
上記の反応において、チオ尿素は式(II)の化合物1
モル当り一般に1〜3モルの割合で用いるのが好まし
い。
反応生成物は例えば、反応液を中和したのち溶媒を留
去して得られる濃縮残渣を、カラムクロマトグラフィ
ー、結晶化等の分離・精製手段に付することによって単
離精製することができる。
上記反応において、用いる加水分解の条件によっては
アミノ保護基(R31、R41)が脱離することもあるが、
R3、R4がそれぞれアミノ保護基R31、R41である式(I−
2)の化合物が得られる場合、該アミノ保護基を前述し
た方法で脱離せしめ、R3、R4がそれぞれ水素原子である
式(I−2)の化合物に誘導してもよい。
前記反応式Aに示す方法において出発原料として使用
される式(II)及び式(IV)の化合物は、それ自体既知
のヒドラジン誘導体から下記反応式B又はCに示す反応
経路により合成することができる。
(1)Xがハロゲン原子でありR2が水素原子である場合
の式(II)の化合物[式(II−1)]の合成: 式中、Ha1はハロゲン原子であり、R31およびR41は前
記定義のとおりである。
ヒドラジン・水和物をホルミル化したのち、遊離のア
ミノ基をアセトンと反応させていわゆるシッフ塩基とし
て保護することにより式(VI)の化合物を得る。次にこ
の式(VI)の化合物をハロゲン化アリル等のアリル化剤
と反応させてホルミル基が結合しているN原子にアリル
基を導入した後[式(VII)]、ホルミル基を脱離さ
せ、さらにシッフ塩基を加水分解して得られる式(VII
I)の化合物のアミノ基をアミノ保護基で保護して式(I
X)の化合物とする。次いで、この式(IX)の化合物を
ハロゲン化剤で処理してハロゲン原子を付加させた後
[式(X)]、塩基等を作用させて閉環せしめることに
より、式(II−1)の化合物を得ることができる。
(2)式(II)及び式(IV)の化合物の合成: 式中、R21は低級アルコキシカルボニル基であり、
R2、R31、R41及びXは前記定義のとおりである。
ヒドラジン水和物の遊離のアミノ基をアミノ保護基で
保護した式(XI)の化合物に、モノハロ酢酸の低級アル
キルエステルを作用させて、式(XII)の化合物を生成
せしめた後、これに塩基を作用させて閉環せしめること
によって式(XIII)のピラゾリジノン誘導体を得る。次
いで、このピラゾリン誘導体に水素化金属化合物を作用
させることによってオキソ基を還元すれば、式(IV−
1)の化合物、すなわちR2が低級アルコキシカルボニル
基を表わし、R3およびR4がアミノ保護基を表わす式(I
V)の化合物に導くことができる。
この式(IV−1)の化合物は加水分解した後、脱炭酸
反応に付することにより、低級アルコキシカルボニル基
(R21)を水素原子に変えることができ、これにより、
式(IV−2)の化合物、すなわちR2が水素原子であり、
R3およびR4がアミノ保護基を表わす式(IV)の化合物と
することができる。
このようにして得られる式(IV−1)及び(IV−2)
の化合物、すなわち式(IV)の化合物は、塩化チオニ
ル、五塩化リン等のハロゲン化剤や塩化メタンスルホニ
ル、塩化p−トルエンスルホニル等のハロゲン化スルホ
ニル化合物と反応させることにより、式(II)の化合物
に変えることができる。
以上に述べた本発明により提供される式(I)の化合
物は、各種の医薬品、農薬、その他工業薬品の合成中間
体として有用である。例えば、式(I)の化合物は、後
述する参考例に記載の方法に従って、本発明者らが先に
開発した下記式 式中、R2、R3およびR4は前記定義のとおりである、 で示される優れた抗菌活性を有するカルバペネム化合物
(例えば、特願昭63−31033号明細書参照)に誘導する
ことができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明す
るが、本発明は、これらの記載により何ら限定されるも
のではない。
なお、実施例においては、以下の略号を使用する。
PNZ−:p−ニトロベンジルオキシカルボニル Z− :ベンジルオキシカルボニル PNB−:p−ニトロベンジル 実施例 1 アリルヒドラジン・二塩酸塩 ヒドラジン水和物377g(7.54モル)のエタノール760m
l溶液に、氷冷下ギ酸エチル726ml(9.0モル)を1時間
かけて滴下する。氷冷下で30分間撹拌し、さらに室温で
14時間撹拌したのち反応液をアセトン1011ml(15.0モ
ル)に30分間かけて加え、さらに30分間撹拌する。反応
液を濃縮乾固して得られる白色固体を、エタノール1100
mlに溶解し、これに室温でナトリウムメトキシドを28%
濃度で含むメタノール溶液1832g(9.5モル)を一度に加
えて30分間加熱還流する。この反応溶液を氷冷下に臭化
アリル1.254g(10.4モル)を加え、氷冷下1時間撹拌
し、さらに30分間加熱還流する。反応溶液を室温まで放
冷後、氷冷した2N HCl−水性メタノール11に加えて
室温で14時間撹拌する。反応液を濃縮乾固して得た残渣
をエタノール3に転溶し、不溶解物を去する。この
液の溶媒を留去して得た残渣を、少量のテトラヒドロ
フランで洗浄後、真空乾燥して標題化合物907g(収率84
%)を得た。1 H−NMR(CD3OD)δ:3.87(2H,d,J=6.0) 5.43〜5.73(2H,m) 5.82−6.25(1H,m) 実施例 2 1−アリル−1,2−ジ(p−ニトロベンジルオキシカル
ボニル)ヒドラジン クロロp−ニトロベンジルホルメート923g(4.3モ
ル)の1,4−ジオキサン2,000ml溶液に実施例1で得られ
たアリルヒドラジン二塩酸塩435g(3.0モル)、炭酸水
素ナトリウム(粉末)1050g(12.5モル)を加えた後、
この溶液に、強撹拌下、水40mlを加える。激しい発泡が
静まったら、さらに水560mlを加えて1時間撹拌する。
反応液の有機層を分液し、水層からの酢酸エチル抽出液
と合わせて溶媒を留去する。得られた粗生成物を酢酸エ
チルから再結晶により精製し、標題化合物831g(収率90
%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.96(2H,d,J=6.3) 4.93−5.80(7H,m) 6.62(1H,s) 7.26(4H,d,J=6.5) 7.97(4H,d,J=6.5) 実施例 3 1−(2,3−ジブロモプロピル)−1,2−ジ(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)ヒドラジン 実施例2で得られた1−アリル−1,2−ジ(p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)ヒドラジン831g(1.93モ
ル)のクロロホルム/エタノール(3:1)の2,800ml溶液
に−20℃ないし0℃で臭素372g(2.32モル)を滴下す
る。10分後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液550mlを加え
る。反応液を分液し得られた有機層を飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥する。溶媒を留去し、真空乾燥して標題化合物
1133g(収率定量的)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.55〜4.60(5H,m) 5.30(4H,s) 7.52(4H,d,J=8.0) 8.21(4H,d,J=8.0) 実施例 4 4−ブロモ−1,2−ジ(p−ニトロベンジルオキシカル
ボニル)ピラゾリジン 実施例3で得られた1−(2,3−ジプロモプロピル)
−1,2−ジ(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)ヒ
ドラジン1133g(1.92モル)のアセトニトリル19.2溶
液に無水炭酸カリウム(粉末)530g(4.0モル)を加え
て、70℃で4時間撹拌する。室温まで放冷した後生ずる
沈殿を去し、液を濃縮乾固して標題化合物979g(収
率定量的)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.55−4.60(5H,m) 5.30(4H,s) 7.52(4H,d,J=8.0) 8.21(4H,d,J=8.0) 実施例 5 4−アセチルチオ−1,2−ジ(p−ニトロベンジルオキ
シカルボニル)ピラゾリジン 実施例4で得られた4−ブロモ−1,2−ジ(p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)ピラゾリジン978g(1.92
モル)のアセトン9.6溶液にチオ酢酸カリウム328g
(2.88モル)を加え、室温で4時間撹拌する。反応液を
濃縮し、クロロホルム10に溶解して10%クエン酸水溶
液、次いで飽和食塩水で洗浄する。無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、溶媒を留去して得た残渣に酢酸エチル1.5
を加え、一夜放置する。析出した結晶を集め真空乾燥し
て標題化合物776g(収率80%)を得た。
m.p.:148〜149℃1 H−NMR(CDCl3)δ:2.32(3H,s) 3.05−4.90(5H,m) 5.30(4H,s) 7.50(4H,d,J=8.5) 8.20(4H,d,J=8.5) 実施例 6 4−アセチルチオ−1,2−ジ(ベンジルオキシカルボニ
ル)ピラゾリジン ヒドラジン水和物200g(4.00モル)を用いて、上記実
施例1から6に記載した方法に従って、標題化合物959g
(収率58%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:2.30(3H,s) 3.01−4.90(5H,m) 4.98(4H,s) 7.80(10H,s) 実施例 7 4−アセチルチオピラゾリジン・二酢酸塩 実施例5で得られた4−アセチルチオ−1,2−ジ(p
−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピラゾリジン20mg
(0.04ミリモル)をテトラヒドロフラン5ml及び水5mlに
溶解させ、酢酸0.5ml、および酸化白金5mgを加えて水素
雰囲気下(常圧)室温で1時間撹拌した。触媒を去し
て液の溶媒を減圧留去し、残留物として標題化合物7m
g(収率65.7%)を得た。1 H−NMR(CD3OD)δ:2.10(6H,s) 2.30(3H,s) 3.3−4.8(5H,m) 実施例 8 4−メルカプト−1,2−ジ(p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)ピラゾリジン 実施例5で得られた4−アセチルチオ−1,2−ジ(p
−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピラゾリジン774g
(1.53モル)をテトラヒドロフラン6およびメタノー
ル6の混合溶媒に溶解し、これに氷冷下、ナトリウム
メトキシドを28%濃度で含むメタノール溶液295g(1.53
モル)を添加する。5分間撹拌後、1N塩酸1.6を加え
た後溶媒を留去する。濃縮残渣を酢酸エチルで抽出し、
飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、溶媒を濃縮乾固して標題化合物707g(収率定量的)
を得た。
本品は酢酸エチル−テトラヒドロフラン(3:1)混合
溶媒に溶解し、n−ヘキサンと処理することにより融点
122℃の結晶を与える。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.2−4.5(5H,m) 5.28(4H,s) 7.48(4H,d,J=9.0) 8.17(4H,d,J=9.0) 実施例 9 1−アセチル−4−メルカプトピラゾリジン 実施例5で得られた4−アセチルチオ−1,2−ジ(p
−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピラゾリジン1.27
g(2.5ミリモル)をテトラヒドロフラン127mlと水127ml
の混合溶媒に溶解する。これに10%パラジウム/炭素1.
27gを加えて、常圧の水素雰囲気下1.5時間で接触水添す
る。反応溶液をセライト過した後、溶媒を留去して、
得られた濃縮残渣を、酢酸エチルで抽出する。これを無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して標題化合物
0.36g(収率定量的)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:2.19(3H,s) 3.0−3.5(2H,m) 3.5−4.1(2H,m) 4・2−4.6(1H,b) 実施例 10 1,2−ジ(ベンジルオキシカルボニル)−4−メルカプ
トピラゾリジン 実施例6で得られた4−アセチルチオ−1,2−ジ(ベ
ンジルオキシカルボニル)ピラゾリジン382g(1.0モ
ル)を用いて、上記実施例8に記載した方法に従って、
標題化合物339g(収率 定量的)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.2−4.5(5H,m) 4.92(4H,s) 7.80(10H,s) 実施例 11 4−ベンゾイルチオ−1,2−ジ(p−ニトロベンジルオ
キシカルボニル)ピラゾリジン 実施例8で得られた4−メルカプト−1,2−ジ(p−
ニトロベンジルオキシカルボニル)ピラゾリジン20g(4
6ミリモル)のジクロルメタン300ml溶液を氷冷し、これ
に、トリエチルアミン6.5ml(47ミリモル)、次いで塩
化ベンゾイル7.0g(50ミリモル)を加えた後、同温度で
30分間撹拌する。反応終了後、溶媒を減圧下留去して得
られる残渣を、酢酸エチル200mlに溶解し、1N−塩酸水
溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和食塩
水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減
圧下留去して、濃縮残留物として標題化合物22.8g(収
率92%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.4−4.8(5H,m) 5.3(4H,s) 7.6−8.2(13H,m) 実施例 12 4−メルカプト−1,2−ジ(p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)ピラゾリジン 実施例4で得られた4−ブロモ−1,2−ジ(p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)ピラゾリジン50.9mg(0.
1ミリモル)のジメチルホルムアミド0.5ml溶液に、室温
下、チオ尿素7.6mg(0.1ミリモル)を加えて、80℃で4
日間加熱撹拌する。反応溶液を室温まで放冷した後、溶
媒を減圧留去して得られる残渣に、メタノール2ml、お
よび1N水酸化ナトリウム水溶液0.15mlを加えて、室温で
10分間撹拌する。この溶液に1N塩酸水溶液を加えて、酸
性とした後、酢酸エチルで抽出する。抽出液を無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して得られる濃
縮残渣を分取用薄層クロマトグラフィーに付し、標題化
合物20mg(収率43.3%)を得た。
本品のNMRスペクトルは、実施例8で得たものと完全
に一致した。
実施例 13 1,2−ジ(アリルオキシカルボニル)ヒドラジン NH2NH2・H2O→(NHCO2CH2CH=CH2 ヒドラジン・水和物6.26g(100ミリモル)と炭酸水素
ナトリウム20.2g(240ミリモル)をベンゼン200mlと水2
00mlの二層系溶媒に溶解する。この溶液に、室温下、ア
リルオキシカルボニルクロライド24.1g(200ミリモル)
のベンゼン100ml溶液を加えて5時間撹拌する。反応液
の有機層を分液して、水層からの酢酸エチル抽出液と合
わせて飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾
燥し、溶媒を留去して白色固体の標題化合物17.8g(収
率89%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:4.65(4H,brs) 5.1−5.5(4H,m) 5.7−6.2(2H,m) 6.85(2H,brs) 実施例 14 ジアリル1,2−ジ(メトキシカルボニルメチル)−1,2−
ヒドラジンジカルボキシレート 実施例13で得られた1,2−ジ(アリルオキシカルボニ
ル)ヒドラジン12.9g(64.5ミリモル)のテトラヒドロ
フラン600ml溶液に、室温下、水素化ナトリウム(55
%)5.63g(129ミリモル)を加えて、室温で20分間撹拌
する。この反応溶液にジメチルホルムアミド60mlおよび
ブロモ酢酸メチルエステル15.2ml(160ミリモル)を加
えて、さらに室温で18時間撹拌する。次いで、1N塩酸水
溶液を加えて、反応溶液を犠牲にし、テトラヒドロフラ
ンを減圧留去する。残留水溶液から酢酸エチルで抽出し
た有機層を、水洗後硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下
溶媒を留去する。濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー
(SiO21.1kg、CHCl3−アセトン(20:1))に付し、白色
固体の標題化合物20.2g(収率91%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.71(6H,s) 3.8−4.0(2H,m) 4.6−4.75(6H,m) 5.15−5.32(4H,m) 5.7−6.2(2H,m) 実施例 15 1,2−ジ(アリルオキシカルボニル)−3−(メトキシ
カルボニル)ピラゾリジン−4−オン 実施例14で得られたジアリル1,2−ジ(メトキシカル
ボニルメチル)−1,2−ヒドラジンジカルボキシレート1
7.2g(50ミリモル)のテトラヒドロフラン500ml溶液
に、氷冷下、28%のナトリウムメトキサイド・メタノー
ル溶液19.3ml(100ミリモル)を1時間かけて加える。
この溶液を室温まで昇温して、1時間撹拌した後、1N塩
酸水溶液を加えて犠牲とし、テトラヒドロフランを濃縮
留去する。濃縮残渣からクロロホルムで抽出した有機層
を、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を濃縮留去する。
これにより得られた残渣をカラムクロマトグラフィー
(SiO2750g、クロロホルム−アセトン(20:1))に付
し、無色油状の標題化合物5.04g(収率33%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.7−4.3(6H,m) 4.5−4.7(4H,m) 5.1−5.35(4H,m) 5.7−6.2(2H,m) IR(neat)cm-1;1,720。
実施例 16 1,2−ジ(アリルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシ
−3−メトキシカルボニルピラゾリジン(その1) 実施例15で得られた1,2−ジ(アリルオキシカルボニ
ル)−3−(メトキシカルボニル)ピラゾリジン−4−
オン740mg(2.38ミリモル)のメタノール5ml溶液に、室
温下、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム1.56g(13
ミリモル)を加えて1時間撹拌する。反応溶液に1N塩酸
水溶液を加えて酸性にした後、酢酸エチルで抽出する。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去
して得られる濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(Si
O230g、n−ヘキサン−酢酸エチル(4:1))に付し、無
色油状の標題化合物200mg(収率27%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.75(3H,s) 3.6−4.2(4H,m) 4.5−4.7(4H,m) 5.1−5.5(4H,m) 5.6−6.2(2H,m) IR(neat)cm-1;3450、1720。
実施例 17 1,2−ジ(アリルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシ
−3−メトキシカルボニルピラゾリジン(その2) 実施例15で得られた1,2−ジ(アリルオキシカルボニ
ル)−3−(メトキシカルボニル)ピラゾリジン−4−
オン150mg(0.48ミリモル)のテトラヒドロフラン15ml
溶液を−20℃まで冷却し、これに、Zn(BH4のジエ
チルエーテル溶液8.57ml(2ミリモル)を加えた後、室
温まで昇温して12時間撹拌する。反応溶液に1N塩酸水溶
液を加えて酸性にした後、酢酸エチルで抽出する。抽出
液を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して
得られる濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO26
g、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1))に付し、無色油
状の標題化合物9mg(収率6%)を得た。
本品のNMRスペクトルは、実施例16で得られたものと
完全に一致した。
実施例 18 1,2−ジ(アリルオキシカルボニル)−3−メトキシカ
ルボニル−4−メチルスルホニルオキシピラゾリジン 実施例16で得られた1,2−ジ(アリルオキシカルボニ
ル)−4−ヒドロキシ−3−メトキシカルボニルピラゾ
リジン72mg(0.23ミリモル)のジクロロメタン3ml溶液
に、室温下、トリエチルアミン49μ(0.35ミリモ
ル)、およびメタンスルホニルクロライド27μ(0.35
ミリモル)を加えて、1時間撹拌する。溶媒を留去した
濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO23g、n−ヘ
キサン−酢酸エチル(1:1))に付し、無色油状の標題
化合物90mg(収率100%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.03、3.06(3H,s) 3.4−3.7(2H,m) 3.83、3.86(3H,s) 4.1−4.4(2H,m) 4.5−4.7(4H,m) 5.1−5.5(4H,m) 5.7−6.2(2H,m) 実施例 19 4−アセチルチオ−1,2−ジ(アリルオキシカルボニ
ル)−3−メトキシカルボニルピラゾリジン(その1) 実施例18で得られた1,2−ジ(アリルオキシカルボニ
ル)−3−メトキシカルボニル−4−メチルスルホニル
オキシピラゾリジン90mg(0.23ミリモル)のアセトン3m
l溶液に、室温下、チオ酢酸カリウム40mg(0.35ミリモ
ル)を加えて、1時間撹拌する。溶媒を留去して得られ
る濃縮残渣を酢酸エチルに溶解して水洗した後、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して得られる濃
縮残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO27g、n−ヘキ
サン−酢酸エチル(3:1))に付し、淡黄色油状の標題
化合物10mg(11%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:2.35(3H,s) 2.9−3.7(5H,m) 4.5−5.0(6H,m) 5.1−5.5(4H,m) 5.7−6.2(2H,m) 実施例 20 4−アセチルチオ−3−メトキシカルボニル−1,2−ジ
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピラゾリジン ヒドラジン水和物6.26g(100ミリモル)を用いて、上
記実施例13から19に記載した方法に従って、標題化合物
332mg(全工程収率0.7%)を得た。
本品のNMRスペクトルは、実施例5で得られたものと
完全に一致した。
実施例 21 4−アセチルチオ−1,2−ジ(アリルオキシカルボニ
ル)−3−メトキシカルボニルヒドラジン(その2) 実施例16で得られた1,2−ジ(アリルオキシカルボニ
ル)−4−ヒドロキシ−3−メトキシカルボニルピラゾ
リジン110mg(0.335ミリモル)のテトラヒドロフラン3m
l溶液に、氷冷下、チオ酢酸30μ(0.42ミリモル)、
トリフェニルホスフィン110mg(0.42ミリモル)および
ジエチルアゾジカルボキシレート66μ(0.42ミリモ
ル)を加えて、2時間撹拌する。溶媒を留去した濃縮残
渣に水を加えて、クロロホルムで抽出する。抽出液を水
洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留
去して得られる濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー
(SiO26g;n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1))に付し、
淡黄色油状の標題化合物22mg(収率17%)を得た。
本品のNMRスペクトルは実施例19で得られたものと完
全に一致した。
実施例 22 1,2−ジ(アリルオキシカルボニル)−4−クロロ−3
−メキシカルボニルピラゾリジン 1,2−ジ(アリルオキシカルボニル)−4−ヒドロキ
シ−3−メトキシカルボニルピラゾリジン74mg(0.24ミ
リモル)のテトラヒドロフラン5ml溶液を−20℃まで冷
却して、チオニルクロライド89μ(1.2ミリモル)と
ピリジン98μ(1.2ミリモル)を加え、4℃まで昇温
して終夜撹拌する。反応溶液に酢酸エチルを加えて水洗
した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去
して得られた濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(Si
O28g、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1))に付し、淡
黄色油状の標題化合物40mg(収率52%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.4−4.2(4H,m) 3.73(3H,s) 4.6−5.0(4H,m) 5.2−5.5(4H,m) 5.7−6.2(2H,m) 実施例 23 4−アセチルチオ−1,2−ジ(アリルオキシカルボニ
ル)−3−メトキシカルボニルピラゾリジン(その3) 実施例22で得られた1,2−ジ(アリルオキシカルボニ
ル)−4−クロロ−3−メトキシカルボニルピラゾリジ
ン40mg(0.12ミリモル)をアセトン5mlとジメチルアセ
トアミド3滴の混合溶媒に溶解する。この溶液に、室温
下、チオ酢酸カリウム21mg(0.18ミリモル)を加えて、
2日間撹拌する。溶媒を留去して得られる残渣を酢酸エ
チルに溶解して水洗した後、硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧下溶媒を留去して得られる濃縮残渣をカラムク
ロマトグラフィー(SiO25g、n−ヘキサン−酢酸エチル
(1:1))に付し、淡黄色油状の標題化合物9mg(収率20
%)を得た。
本品のNMRスペクトルは、実施例19で得られたものと
完全に一致した。
以上説明した方法によって製造される本発明の式
(I)で示される4−メルカプトピラゾリジン誘導体
は、たとえば、アシル基(R1)が存在する場合には、こ
れを脱離させたのち、以下の参考例に示すようにして優
れた抗菌活性を示すカルバペネム誘導体に導くことがで
きる。
参 考 例 I.(1R、5S、6S)−2−[4−ピラゾリジニル]チオ−
6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−
カルバペネム−3−カルボン酸の製造 式(XI)のカルバペネム誘導体476mgを無水アセトニ
トリルに懸濁させ、実施例8で得られた4−メルカプト
−1,2−ジ(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピ
ラゾリジン460mgおよびジイソプロピルエチルアミン0.1
7mlを加え、窒素ガス気流下に40分間撹拌した。反応終
了後、反応液を減圧留去し、得られた残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム:アセトン=
3:1)に付し、次いでテトラヒドロフラン−イソプロピ
ルエーテル(1:6)混合溶媒で処理し、微結晶性粉末と
して式(XII)で示される化合物667mg(収率 定量的)
を得た。
式(XII)の化合物667mgをテトラヒドロフラン7ml及
び水7mlに溶解させ、酸化白金120mgを加えて水素雰囲気
下(3気圧)室温で1時間撹拌した。触媒を過して除
き、液のテトラヒドロフランを留去した後、凍結乾燥
して標題化合物192mg(収率74%)を得た。
IR(KBr)cm-1:1750 H1−NMR(D2O−CD3OD)δ:1.23(3H,d,J=6Hz) 1.40(3H,d,J=7Hz) 3.3−4.4(9H,m) II.抗菌活性試験 (1)試験方法: 日本化学療法学会標準法[Chemotherapy,vol29,76〜7
9(1981)]に準じた寒天平板希釈法にしたがった。す
なわち、被検菌のMueller−Hinton(MH)寒天液体培地3
7℃、一夜培養液を約106cells/mlになるようにBuffered
saline gelatin(BSG)溶液で希釈し、ミクロプランタ
ーを用い試験化合物含有MH寒天培地に約5μ接種し、
37℃、18時間培養後、被検菌の発育が認められない最少
濃度をもってMinimum inhibitory concentration(MI
C)とした。
なお、使用菌株は標準菌株を用いた。
(2)結果: 下記第1表に示す。
なお、本試験の被験化合物としては、上記参考例中で
得られた式(X III)の化合物を用いた。また、対照化
合物には、臨床的に広く使用されているカルバペネム化
合物であるイミペネムを用いた。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 式中、 R1は水素原子またはアシル基を表わし、 R2は水素原子または低級アルコキシカルボニル基を表わ
    し、 R3およびR4は各々水素原子またはアミノ保護基を表わ
    す、 で示される4−メルカプトピラゾリジン誘導体およびそ
    の塩。
  2. 【請求項2】R1が水素原子または低級アルカノイル基を
    表わし、R2が水素原子を表わし、R3およびR4が各々水素
    原子または置換もしくは未置換のベンジルオキシカルボ
    ニル基を表わす特許請求の範囲第1項記載の化合物。
  3. 【請求項3】式 式中、 R11はアシル基を表わし、 R31およびR41は各々アミノ保護基を表わし、 R2は特許請求の範囲第1項記載の定義のとおりである、 で示される化合物からアシル基(R11)および/または
    アミノ保護基(R31、R41)を脱離せしめることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の式(I)で示される4
    −メルカプトピラゾリジン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】式 式中、 Xは有機スルホン酸残基またはハロゲン原子を表わし、 R2は水素原子または低級アルコキシカルボニル基を表わ
    し、 R31およびR41は各々アミノ保護基を表わす、 で示される化合物をチオ尿素と反応させた後、加水分解
    し、そして生成物にアミノ保護基(R31、R41)が存在す
    る場合、必要に応じて該アミノ保護基を脱離せしめるこ
    とを特徴とする式 式中、 R3およびR4は水素原子またはアミノ保護基を表わし、 R2は前記定義のとおりである、 で示される4−メルカプトピラゾリジン誘導体の製造方
    法。
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