JP2728778B2 - 電子写真シリアルプリンタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、電子写真記録方式を用いた電子写真シリア
ルプリンタに関するものである。

（従来の技術） 従来、露光用の光源として、小型のLEDアレイを用い
た電子写真方式のページプリンタがパーソナルコンピュ
ータやワークステーションの端末装置として用いられて
いる。ここで用いるLEDアレイは、ワンチップ上に複数
のLED素子を一列に配設したLEDアレイチップを、記録の
長さに相当するように複数個並べて形成される。

しかしながら、上記LEDアレイを使用すると各LEDアレ
イチップ間の発光輝度の差が大きいため、発光輝度が同
じ程度のLEDアレイチップを選択する必要があり、歩留
りが悪くなる。また、複数のLEDアレイチップ上にLED素
子を一列に並べるのは作業が煩雑である。

そこで、LEDアレイチップを単独で用いたシリアル方
式の電子写真シリアルプリンタが提供されている（特公
昭60−23033号公報，特公昭60−23034号公報参照）。

この場合、記録用紙の送紙方向と直角方向に往復移動
するキャリッジが設けられ、その上に電子写真の各プロ
セスの装置が搭載される。そして、感光体上に形成され
た磁性トナー像は、磁気の力を利用して記録用紙に転写
され、その後、発熱源の熱が記録用紙上のトナーに放射
され定着が行われる。

また、記録用紙に転写する手段として静電気力を利用
したものが提案されている（特開昭61−152463号公報参
照）。

この場合、記録用紙へのトナーの転写が数行続けら
れ、その後、未定着のトナーが付着した記録用紙が定着
手段へ搬送され、転写されたトナーはそこで初めて記録
用紙に定着される。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来の電子写真シリアルプリンタ
においては、キャリッジが往復する際の移動方向のうち
一方向で記録が行われ、キャリッジが戻る際には記録は
行われない。したがって、記録速度が遅くなってしま
う。

本発明は、上記従来の電子写真シリアルプリンタの問
題点を解決して、キャリッジが往復する際のどちらの移
動方向でも記録を可能とし、記録速度を早めることがで
きる電子写真シリアルプリンタを提供することを目的と
する。

（課題を解決するための手段） そのために、本発明の電子写真シリアルプリンタにお
いては、記録用紙の移動方向に対して直角の方向に往復
動自在に配設されるキャリッジに、少なくとも静電潜像
担持体、被現像体、帯電手段、現像手段及び転写ロール
が収容されている。

そして、静電潜像担持体に一部が接触するように被現
像体が設けられ、上記静電潜像担持体の表面が第１、第
２の帯電手段によって帯電されるようになっている。ま
た、上記第１、第２の帯電手段間に露光装置があって、
帯電された静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成す
る。

そして、上記静電潜像担持体に被現像体を密接して重
ねた上に対向して現像手段が設けられ、被現像体に静電
潜像担持体上の静電潜像に対応したトナー像を形成す
る。該トナー像が形成された被現像体に記録用紙を重ね
た上に対向して転写・定着手段が設けられ、トナー像を
記録用紙に転写し、定着する。該転写・定着手段は、プ
ラテンと、該プラテンに対向して配設されてそれを押圧
する転写ロールと、上記プラテンと転写ロールのいずれ
か一方に配設される加熱手段とからなる。

さらに、上記キャリッジの往復動に同期して上記静電
潜像担持体及び被現像体を往復動させる手段を有してい
る。

（作用） 本発明によれば、上記のように記録用紙の移動方向に
対して直角の方向に往復動自在に配設されるキャリッジ
に、少なくとも静電潜像担持体、被現像体、帯電手段、
現像手段及び転写ロールが収容されている。したがっ
て、キャリッジが往復動すると、それに伴い静電潜像担
持体、被現像体、帯電手段、現像手段及び転写ロールが
一体的に移動する。

そして、静電潜像担持体に一部が接触するように被現
像体が設けられ、上記静電潜像担持体の表面が第１、第
２の帯電手段によって帯電されるようになっている。ま
た、上記第１、第２の帯電手段間に露光装置があって、
帯電された静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成す
る。また、上記キャリッジの往復動に同期して上記静電
潜像担持体及び被現像体を往復動させる手段を有してい
る。したがって、キャリッジをいずれの方向に移動させ
るかによって、第１、第２の帯電手段が選択されて上記
静電潜像担持体が帯電され、それが露光される。

そして、上記静電潜像担持体に被現像体を密接して重
ねた上に対向して現像手段が設けられ、被現像体に静電
潜像担持体上の静電潜像に対応したトナー像を形成す
る。該トナー像が形成された被現像体に記録用紙を重ね
た上に対向して転写・定着手段が設けられ、トナー像を
記録用紙に転写し、定着する。該転写・定着手段は、プ
ラテンと、該プラテンに対向して配設されてそれを押圧
する転写ロールと、上記プラテンと転写ロールのいずれ
か一方に配設される加熱手段とからなる。上記被現像体
の表面に静電潜像に対応して形成されたトナー像は、該
転写・定着手段によって記録用紙上に転写され、定着さ
れる。

（実施例） 以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳
細に説明する。

第１図は本発明の電子写真シリアルプリンタにおいて
キャリッジが右方向に移動する時の状態図、第２図は本
発明の電子写真シリアルプリンタにおいてキャリッジが
左方向に移動する時の状態図、第３図は本発明の電子写
真シリアルプリンタのキャリッジの側面図、第４図は転
写・定着部の拡大図である。

図において、１は矢印方向（第３図）に間欠的に送紙
される記録用紙、2,3は記録用紙１を送る送紙ロール、
４はプラテンであり、金属製の支持板4A上に耐熱性で弾
性の性質を持つ、例えばシリコーンゴムなどの弾性層4B
が積層されている。５は後述する電子写真の各プロセス
を搭載するキャリッジ、6,7は図示しないサイドフレー
ムに支持されるガイドシャフトであって、上記キャリッ
ジ５の水平方向の移動を案内する。８は上記キャリッジ
５を水平方向に移動させるためのワイヤであり、その一
端はキャリッジ５の左側に固定されたピン9Aに、他端は
キャリッジ５の右側に固定されたピン9Bに掛けられてい
る。上記ワイヤ８の略中央部は図示しない駆動手段によ
って固定されており、該駆動手段によってキャリッジ５
は水平方向に移動する。

10はキャリッジ５に搭載されたドラム状に形成された
静電潜像担持体であり、回転可能に支持され、上記静電
潜像担持体10と一体に回転するシャフト11の下方端部に
はプーリ13が固定されている。該プーリ13は、サイドフ
レームに支持されたラック14と噛み合っている。上記静
電潜像担持体10は導電性支持体に光導電層を設けたもの
であり、セレン感光体、有機系感光体、酸化亜鉛感光
体、アモルファスシリコン感光体等いずれも使用するこ
とができる。

20は無端状の被現像体であり、該被現像体20は上記静
電潜像担持体10、転写ロール30、転動ロール35及び引張
ロール40間に張架されている。そして、上記引張ロール
40には図示しない張力機構が設けられていて、被現像体
20に適度な張力を与えている。ここで、転写ロール30
（第４図）は金属製の中空スリーブで構成される支持材
31の表面に抵抗層32及び絶縁層33を積層して形成され、
抵抗層32には図示しない通電手段によって電流が供給さ
れる。上記転写ロール30には、プラテン４への加圧手段
及び圧力解放手段が設けられている。

上記被現像体20には、現像時において絶縁性が、転写
定着時において耐熱性が必要である。これらを考慮する
と、ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、
ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン
等の材料を用いたフィルムを用いることができる。

50,51は帯電手段としての第１、第２の帯電装置であ
り、静電潜像担持体10の表面に対向して設けられる。両
帯電装置50,51としては、金属製の導電性シャフトに導
電性ゴムを積層した導電性ロールが用いられる。上記導
電性シャフトには印加手段が接続されており、静電潜像
担持体10の回転方向に応じて一方の帯電手段が図示しな
い制御手段によって選択される。帯電装置としては、こ
のほかにブラシ帯電器やコロナ帯電器なども利用するこ
とができる。

60は露光手段としての露光装置であって、画像信号に
対応し電気信号から変換した光を上記静電潜像担持体10
に照射する。ここでは、ワンチップLEDアレイ61（240DP
Iの密度で、256個のLED素子が搭載される。）上に複数
のLED素子がキャリッジ５の移動方向と直角方向に一列
に並ぶように設けられ、結像手段としてロッドレンズ62
が使用される。

静電潜像担持体10に密着した被現像体20上には現像装
置70が設けられている。この現像装置70はトナー担持体
71上にトナー72を吸着して、これを矢印方向（第１図）
に搬送する。現像装置70としては、二成分磁気ブラシ現
像器、一成分磁気ブラシ現像器、一成分非磁性現像器等
を利用することができる。

次に、上記構成の電子写真シリアルプリンタについて
説明する。

印字動作を開始する前に、キャリッジ５は左側の図示
しないホームポジションに移動する。その後、印字動作
が開始されると、キャリッジ５は右側のワイヤ８に引っ
張られて右方向に定速で移動する。このキャリッジ５の
右方向の移動に伴い、静電潜像担持体10を支持するシャ
フト11に固定されたプーリ13がラック14と噛み合って回
転し、静電潜像担持体10が矢印方向（第１図）に回転す
る。この回転速度は、キャリッジ５の移動速度とほぼ同
じになるように選定されている。そして、この静電潜像
担持体10に密着している被現像体20が、静電潜像担持体
10との摩擦力によって、静電潜像担持体10とほぼ同速度
で矢印方向（第１図）に移動する。

上記静電潜像担持体10の表面に対向して設けられた第
１、第２の帯電装置50,51のうち、第１の帯電装置50に
印加手段が接続され、静電潜像担持体10が一様かつ均一
に帯電される。露光プロセスでは、露光装置60におい
て、ワンチップLEDアレイ61の縦一列分が、画像信号に
対応し、かつ静電潜像担持体10の回転速度に同期して、
順次、静電潜像担持体10に照射され静電潜像が形成され
る。この露光装置60と次の現像装置70の間において、被
現像体20は静電潜像担持体10と密着して、該静電潜像担
持体10と同速度で移動する。静電潜像担持体10に密着し
た被現像体20上に設けられた現像装置70において、トナ
ー担持体71は図示しない駆動伝達手段によって矢印方向
（第１図）に回転する。そして、トナー72を吸着してこ
れを搬送し、静電潜像担持体10上に形成された静電潜像
に対応して、被現像体20上に現像する。本実施例では反
転現像が採用されていて、静電潜像担持体10の導電性支
持体とトナー担持体71間にはバイアス電位が印加され
る。このような構成で、トナー担持体71と被現像体20の
空間には、静電潜像担持体10に形成された静電潜像に伴
う電気力線が、被現像体20を貫通して発生する。

このため、トナー担持体71上の帯電したトナーは、静
電潜像担持体10上の電荷が消失した部分に対応して、静
電気力によって被現像体20上に付着しトナー像が形成さ
れる。その後、静電潜像担持体10と分離した被現像体20
は、転写ロール30とプラテン４間に搬送される。

転写・定着プロセスでは、トナー像が形成された被現
像体20と記録用紙１は、プラテン４に対向して配置され
た転写ロール30によって加熱、加圧される。上記転写・
定着プロセスの際には、転写ロール30の熱が被現像体20
を伝達して被現像体20上のトナーを溶融し、加圧の作用
によって記録用紙１の繊維間にトナーが浸透し、記録用
紙１への転写と定着が同時に行われる。

転写ロール30に対する記録用紙１の接触位置は、キャ
リッジ５のスペーシング動作によって順次右方向に移動
し、同時に記録用紙１に対する被現像体20の接触位置も
新しく変わる。そして、キャリッジ５が１ドット列間の
距離だけ進むごとに新しいドットパターンの可視像が記
録用紙１に転写と同時に逐次定着されていく。

静電潜像担持体10は、現像プロセス後全面に光が照射
され残留電荷が除去される。

１ライン分の記録が終了すると、記録用紙１は次に記
録されるラインへ行送りされる。そして、キャリッジ５
は、右側の制御位置まで達すると、右方向への移動の時
とは逆に左側のワイヤ８の引張力によって、第２図に示
すように左方向へ移動する。この左方向への移動動作時
には、ラック14と噛み合わされたプーリ13に左側への移
動時とは逆方向の回転が伝えられ、静電潜像担持体10は
逆方向に回転する。制御手段によって第２の帯電装置51
に電圧が印加され、一様かつ均一に帯電が行われる。そ
の後、露光、現像、転写のプロセスが順に行われ、記録
用紙１への記録が行われる。

このように、右方向と左方向の記録動作が交互に繰り
返され、新しい行にドットパターンが印刷されていく。

第５図は本発明の電子写真シリアルプリンタの第２の
実施例を示す図である。

この場合、プラテン４側に加熱手段を設けてあり、金
属製の基材4c上に抵抗層4Dと絶縁層4Eが順次積層され
る。一方、転写ロール30は金属製の支持材34に弾性層3
5、例えばシリコーンゴムを積層したもので形成され
る。

なお、フィルムを第１の実施例に示すようにエンドレ
スでなく、一端を供給ロール、他端を巻取りロールとす
る巻取りタイプのものにしても同様な効果が期待でき
る。

なお、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、
これらを本発明の範囲から排除するものではない。

（発明の効果） 以上詳細に説明したように、本発明によれば、記録用
紙の移動方向に対して直角の方向に往復動自在に配設さ
れるキャリッジに、少なくとも静電潜像担持体、被現像
体、帯電手段、現像手段及び転写ロールが収容されてい
る。キャリッジが往復動すると、それに伴い静電潜像担
持体、被現像体、帯電手段、現像手段及び転写ロールが
一体的に移動してトナー像が記録用紙に転写、定着さ
れ、上記静電潜像担持体の表面が第１、第２の帯電手段
によって帯電され、帯電された静電潜像担持体が露光さ
れて静電潜像が形成されるので、キャリッジがいずれの
方向に移動しても、帯電、露光が行われ、記録用紙に転
写、定着されることになる。したがって、記録速度が向
上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の電子写真シリアルプリンタにおいてキ
ャリッジが右方向に移動する時の状態図、第２図は本発
明の電子写真シリアルプリンタにおいてキャリッジが左
方向に移動する時の状態図、第３図は本発明の電子写真
シリアルプリンタのキャリッジの側面図、第４図は転写
・定着部の拡大図、第５図は本発明の電子写真シリアル
プリンタの第２の実施例を示す図である。 １……記録用紙、４……プラテン、５……キャリッジ、
6,7……ガイドシャフト、８……ワイヤ、9A,9B……ピ
ン、10……静電潜像担持体、20……被現像体、30……転
写ロール、35……転動ロール、40……引張ロール、50…
…第１の帯電装置、51……第２の帯電装置、60……露光
装置、61……ワンチップLEDアレイ、62……ロッドレン
ズ、70……現像装置、71……トナー担持体、72……トナ
ー。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（ａ）静電潜像担持体と、 （ｂ）該静電潜像担持体と一部が接触する被現像体と、 （ｃ）上記静電潜像担持体の表面を帯電する第１、第２
   の帯電手段と、 （ｄ）上記第１、第２の帯電手段間にあって、帯電され
   た静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手
   段と、 （ｅ）上記静電潜像担持体に被現像体を密接して重ねた
   上に対向して設けられ、被現像体に静電潜像担持体上の
   静電潜像に対応したトナー像を形成する現像手段と、 （ｆ）トナー像が形成された被現像体に記録用紙を重ね
   た上に対向して設けられ、トナー像を記録用紙に転写
   し、定着する転写・定着手段と、 （ｇ）上記記録用紙の移動方向に対して直角の方向に往
   復動自在に配設されるキャリッジと、 （ｈ）該キャリッジを往復動させるとともに、該キャリ
   ッジの往復動に同期して上記静電潜像担持体及び被現像
   体を往復動させる手段を有し、 （ｉ）上記転写・定着手段は、プラテンと、該プラテン
   に対向して配設されてそれを押圧する転写ロールと、上
   記プラテンと転写ロールのいずれか一方に配設される加
   熱手段とからなり、 （ｊ）上記キャリッジは、少なくとも上記静電潜像担持
   体、被現像体、帯電手段、現像手段及び転写ロールを収
   容することを特徴とする電子写真シリアルプリンタ。