JP2724334B2 - 紙函の追加印刷方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、同一の外形を有して共通印刷部分が多く、
更に上等の印刷を短い納期で要求されるに際し、同一シ
リーズで多品種少量生産される商品の紙函、例えば化粧
品等を収容する包装用紙函の場合に、第一次共通仕上印
刷を終えて予め大量に生産された同一紙函ブランクを、
化粧品の多品種少量生産の注文に合わせて、紙函ブラン
クを打ち抜き，罫線伸ばし，胴張り等をした状態、又は
紙函ブランクの組み立てを完了した状態で、例えば化粧
品の固有名称，品番，価格，重量,POSバーコード等の最
終印刷を、印刷空欄状態部に印刷する紙函の追加印刷方
法に関するものである。

［従来の技術］ 従来、紙函の印刷はオフセット印刷等を用いていた
為、多品種少量生産に適応するには、生産コストとの兼
合いにより難しく、又、特に化粧品の紙函では、化粧品
の単品種の製品数量より、その化粧品を収納する紙函の
方が一度に大量生産され、余った紙函は、化粧品の第二
次ロット生産分以降のストックとなっていたので、化粧
品の流行が短期となっている昨今に於いては、流行遅れ
となって生産しなくなった化粧品の紙函ストックは、廃
棄処分としなければならず大変不経済であった。

又、従来の追加印刷として用いられていたホットスタ
ンプ等の印刷では、元の印刷と追加印刷の位置合わせ精
度が低くい為、少量の間に合わせ生産の感じを免れず、
更に、簡易的な印刷方法によっては、POSバーコード等
の様に高い印刷精度を要求するものには対応しきれなか
った。

［発明が解決しようとする課題］ 従来の紙函の印刷方法に関しては、印刷の基準見当線
を、ブランク状態の紙函ブランクの周辺部に取っていた
為、紙函ブランクを打ち抜いた後では、基準見当線が消
えてしまっていた。

追加印刷の基準見当線は、紙函の打ち抜きブランクの
辺線上、更にこれを胴張りしたものの辺線上、又は折り
線上に取るかし、更に、紙函ブランクを組み立てた後
は、紙函ブランクの四方体の一辺を基準としてホットス
タンプ等の追加印刷を行っていた為に、位置精度が低
く、更に、光沢加工を施された面に、本来のオフセット
印刷等と同レベルの上等な鮮明印刷を行なうことが出来
なかった。

本発明は紙函ブランクを胴張りした後、或は組み立て
られた状態での追加印刷の位置精度を高め、更に、光沢
加工等を施された面に、本来の印刷と同レベルの上等な
鮮明印刷を行うことに依り、経済性と即応性を有する紙
函の小ロット追加印刷方法を提供することをその目的と
したものである。

［課題を解決するための手段］ 上述の目的を達成する為の本発明の紙函の追加印刷方
法については、紙函ブランク（１）の共通印刷部（２）
上に、数本の基準線（３），（３′）又は数個の基準点
（４），（４′），（４″）を配置して印刷し、該共通
印刷部（２）の所定個所を印刷空欄状態部（５）にして
前記紙函ブランク（１）を打ち抜き、胴張りし、又は組
み立てた前記紙函ブランク（１）と、紙函ブランク
（１）の表面に印刷された数本の前記基準線（３），
（３′）又は数個の基準線（４），（４′），（４″）
を基準にし、光学センサーや位置検出センサー等の
（６）を利用して紙函ブランク（１）の位置合わせを行
なう印刷位置制御装置（７）と、印刷機（８）に依り前
記紙函ブランク（１）の印刷空欄状態部（５）に追加印
刷を行なう紙函の追加印刷方法である。

［作用］ 本発明は上述の如く、紙函ブランク（１）の共通印刷
部（２）上に、数本の基準線（３），（３′）又は数個
の基準点（４），（４′），（４″）を配置して印刷
し、該共通印刷部（２）の所定個所を印刷空欄状態部
（５）にして前記紙函ブランク（１）を打ち抜き、胴張
りした後、又は組み立てた後、該紙函ブランク（１）の
表面に印刷された数本の前記基準線（３），（３′）又
は数個の基準点（４），（４′），（４″）を基準に
し、光学センサーや位置検出センサー等（６）を用い
て、紙函ブランク（１）の位置を検出し、マイクロコン
ピューターやシーケンス制御等を利用したシステム
（Ａ）を使い、サーボモーターやアクチュエーター等
（Ｂ）を制御し、該紙函ブランク（１）の位置と印刷版
との位置を合わせて印刷する専用の印刷位置制御装置
（７）を使用し、専用のインキと、例えば凹版印刷方式
による印刷機（８）に依り印刷空欄状態部（５）に追加
印刷を行なう紙函の追加印刷方法である。

［実施例］ 本発明の実施例を図面に基ずき更に詳細に説明する
と、第１図及び第２図は、基準線及び基準点を配置して
印刷した紙函ブランク（１）を示す平面図であり、紙函
ブランク（１）の共通印刷部（２）上に、数本の基準線
（３），（３′）又は数個の基準点（４），（４′），
（４″）を配置して印刷し、該共通印刷部（２）の所定
個所を印刷空欄状態部（５）にして前記紙函ブランク
（１）を打ち抜き、胴張りしたものである。

第３図及び第４図は、紙函ブランク（１）を印刷位置
制御装置に置き、基準線及び基準点に依り位置を検出す
る状態を簡略に示す斜視図であり、印刷位置制御装置
（７）に胴張りした後の紙函ブランク（１）を置き、該
紙函ブランク（１）の表面に印刷された数本の基準線
（３），（３′）又は数個の基準点（４），（４′），
（４″）を基準にし、光学センサー（６）を利用して紙
函ブランク（１）の位置を検出し、マイクロコンピュー
ターを利用したシステム（Ａ）を使い、サーボモーター
（Ｂ）を制御し、前記紙函ブランク（１）の位置と凹版
印刷方式に依る印刷機（８）の印刷版（8A）との位置を
合わせて固定し、該印刷版（8A）を押し当てて印刷空欄
状態部（５）に追加印刷を行なうものである。

第５図は、追加印刷を終了して完成した状態の紙函ブ
ランク（１）を示す平面図である。

第６図は、更にその他の実施例に於ける紙函ブランク
（１）を示す平面図であり、紙函ブランク（１）の共通
印刷部（２）上に、数本の基準線、或は数個の基準点を
配置することが出来ない場合や、印刷デザインの色彩
上、光学センサーで検出しにくい場合等に対応し、前記
紙函ブランク（１）の差し込み片（９）に基準線（1
0），（10′）を印刷したものである。

［発明の効果］ 本発明は上述の実施例の如く構成された結果、以下に
記載されるような効果を奏する、例えば化粧品の口紅の
様に、同一外形を有した共通印刷部分が多い紙函ブラン
クの共通印刷部上に、数本の基準線、或は数個の基準点
を配置して印刷し、該共通印刷部の所定個所を印刷空欄
状態部にして紙函ブランクを打ち抜いて胴張りした後、
或は組み立てた後、品種に応じて用意した名称，品番，
価格，重量,POSバーコード等、更に、例えば商品を口紅
とすれば、その各固有の情報が書かれた専用の印刷版
を、紙函ブランクの表面に印刷された数本の基準線、又
は数個の基準点を基準にし、光学センサーや位置検出セ
ンサー等を利用して、前記紙函ブランクの位置を合わせ
る印刷位置制御装置と、専用インキを用いた凹版印刷方
式による印刷機を使用して印刷を行うことに依り、本来
のオフセット印刷と同レベルで高品質の追加印刷を行な
うことが可能となり、而も経済性と即応性をも有する紙
函の追加印刷方法の極めて優れた発明である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すものであり、第１図は基準
線を配置して印刷した紙函ブランクの平面図、第２図は
基準点を配置して印刷した紙函ブランクの平面図、第３
図は紙函ブランクを印刷位置制御装置に置いて基準線に
依り位置を検出する状態を簡略に示す斜視図、第４図は
同基準点に依る場合に於ける斜視図、第５図は印刷を終
了した紙函ブランクの平面図、第６図はその他の実施例
に於ける差し込み片に基準線を配置して印刷した紙函ブ
ランクの平面図である。 （１）……紙函ブランク （２）……共通印刷部 （３），（３′）……基準線 （４），（４′），（４″）……基準点 （５）……印刷空欄状態部 （６）……光学センサー （７）……印刷位置制御装置 （８）……印刷機 （8A）……印刷版 （９）……差し込み片 （10），（10′）……基準線 （Ａ）……マイクロコンピューターを利用したシステム （Ｂ）……サーボモーター

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】紙函ブランク（１）の共通印刷部（２）上
   に、数本の基準線（３），（３′）又は数個の基準点
   （４），（４′），（４″）を配置して印刷し、該共通
   印刷部（２）の所定個所を印刷空欄状態部（５）にして
   前記紙函ブランク（１）を打ち抜き、胴張りし、又は組
   み立てた前記紙函ブランク（１）と、紙函ブランク
   （１）の表面に印刷された数本の前記基準線（３），
   （３′）又は数個の基準点（４），（４′），（４″）
   を基準にし、光学センサーや位置検出センサー等（６）
   を利用して紙函ブランク（１）の位置合わせを行なう印
   刷位置制御装置（７）と、印刷機（８）に依り前記紙函
   ブランク（１）の印刷空欄状態部（５）に追加印刷を行
   なう紙函の追加印刷方法。