JP2699137B2 - 発泡ブロー成形体からなる防音部材及びその製造方法 - Google Patents

発泡ブロー成形体からなる防音部材及びその製造方法

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JP2699137B2 JP5082598A JP8259893A JP2699137B2 JP 2699137 B2 JP2699137 B2 JP 2699137B2 JP 5082598 A JP5082598 A JP 5082598A JP 8259893 A JP8259893 A JP 8259893A JP 2699137 B2 JP2699137 B2 JP 2699137B2
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直成 福原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂のブロー
成形体からなり、騒音を発生する各種機械類のハウジン
グやカバー等として使用するに好適な遮音効果の高い
音部材、及び防音部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種機械から発生する騒音を減衰
させるための防音部材として、表面に凹凸のある発泡ポ
リウレタン等が使用されている。例えば図5に示すよう
に、発泡ポリウレタン等の防音部材1をハウジング2の
内側に貼り付け、このハウジングにより機械を覆うとき
は、耳障りなこもり音は外部に伝達されにくくなる。し
かし、従来の発泡ポリウレタン等の防音部材では、機械
の騒音レベル自体を減衰させる効果は十分とはいえなか
った。また、ハウジング2と防音部材1の間に金属板を
入れ遮音効果を向上させたものもあるが、コストがアッ
プし重量も増すという難点があった。さらに、上記従来
例では防音部材とハウジングとを別々に製造し、両者を
組み合わせて使用することから、構成部品数及び製造工
程数が多いという難点もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
従来技術の問題点に鑑み、遮音効果が高く、しかもそれ
自体でハウジング等の構造用部材として利用することも
できる一体もののブロー成形体からなる防音部材を得る
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、ブロー
成形により一体として得られた中空2重壁構造をなし、
2重壁の各々が無数の独立気泡を含み、さらに2重壁の
各内面には気泡による凹凸が多成された熱可塑性樹脂の
発泡ブロー成多体からなる防音部材である。それを図1
に模式的に示す。図1において、5は中空2重壁構造の
発泡ブロー成形体、6は各壁内に形成された独立気泡、
7は2重壁内面に形成された凹凸、8は2重壁外表面で
ある。
【0005】また、本発明方法の要旨は、発泡剤を混合
した熱可塑性樹脂製パリソンを分割金型間に押し出し、
分割金型を閉じてパリソンを挟み、次いでパリソン内に
エアを吹き込み金型キャビティ表面に沿わせ、続いてパ
リソン内のエア圧を降下させ発泡を活性化させることを
特徴とするブロー成形による上記防音部材の製造方法
ある。本発明方法は通常のブロー成形装置を使用して実
施することができる。
【0006】
【作用】本発明に関わる発泡ブロー成形体は、遮音効果
の面からみて、中空2重壁構造であること、2重壁の各
々が無数の独立気泡を含むこと、及び2重壁の内面に微
細な凹凸を有すること、という特徴を有する。すなわ
ち、各壁が無数の独立気泡を含むため材質自体の遮音効
果が高まり、中空2重壁構造であることから2重の遮音
効果が得られ、2重壁の内面に微細な凹凸を有すること
から中空2重壁内にこもる音波振動の拡散及び減衰効果
が一層期待できる。
【0007】また、本発明に関わる発泡ブロー成形体は
ブロー成形により一体として得られるものであるから、
コスト的に有利であり、部品点数を抑えることも可能で
ある。なお、本発明に関わる発泡ブロー成形体は無数の
独立気泡を含むものであるが、これを連通気泡を主体と
するときは、こもり音に対しては遮音効果が認められる
ものの、機械音の騒音レベル自体を減衰させる効果が十
分でない。
【0008】さて、本発明方法によれば、発泡剤を混合
した熱可塑性樹脂は、押出ダイから押し出されるまでは
加圧下にあり発泡が抑えられている。押出ダイから大気
中に押し出されると同時に、パリソン温度は発泡温度を
越えているため発泡が開始するが、続いて内部に吹き込
まれるエアによりパリソンは金型キャビティ表面に沿い
始め、内部エア圧によりまもなく発泡は抑制される。パ
リソンが金型キャビティ表面形状に完全に沿った後、エ
ア圧を発泡が活性化する圧力まで降下させる。なお、発
泡活性化のためエア圧を降下させるときも、可塑性のパ
リソンが金型キャビティ形状に沿った状態を維持できる
だけのエア圧は当然必要であり、例えば、圧力ゼロにな
るまで徐々にエアを抜くか、ある一定の圧力までエア圧
を下げその圧力に所定時間維持するか等の方法が用いら
れる。
【0009】本発明方法によれば、エア圧を降下させる
まで一時的に発泡が抑制されており、しかもパリソン表
面が金型キャビティ表面に接触すると同時に相対的に低
温に維持されている金型のキャビティ表面に熱を奪われ
冷却するため、パリソン表面近傍ではエア圧降下後も発
泡は活発には起こりにくく、従って、成形体表面8の近
傍では気泡の形成がやや少なくなる。成形体表面8は、
金型キャビティ表面に接触して冷却されることから、金
型キャビティ内面形状に沿った仕上がり形状となる。
【0010】一方、パリソンの表面以外の部位は冷却度
合が相対的に少ないため、エア圧降下後発泡が比較的活
発に起こり、発泡倍率が上がり、その結果成形体内面に
は気泡を原因とする多数の凹凸が形成される。凹凸の高
さは気泡の大きさ及び発泡倍率等に従うが、発泡倍率が
上がるほど高低差が大きくなる。防音部材として使用す
るのであれば、表面粗さとして0.1mm以上とするの
が好適である。
【0011】本発明方法によれば任意の発泡倍率を得る
ことができるが、パリソン温度が高く本来発泡が活発に
起こり始めるときに高いエア圧により発泡が抑制され、
一方、発泡を活性化すべくエア圧を降下させるときはす
でにパリソン温度は下降中であり、しかもパリソンの粘
性も大きくなるという制約を受けるため、余りに高発泡
のものは得にくく、実機を使用したこれまでの例では発
泡倍率は3倍程度までのものが得られている。また、発
泡が活性化したときの温度が低下していることから、本
発明によれば小さい独立気泡が数多くできやすく、これ
は遮音効果の向上には有利に働く。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2〜図4を参照し
て説明する。
【0013】まず本発明に関わる2重壁構造の発泡ブロ
ー成形体の遮音効果を測定した。ここで使用した測定装
置は概略図2に示すように、騒音計10とブザー11
(音源)をつなぐ導管12の途中を遮るように測定試料
13をセットしたものであり、導管12を通り騒音計1
0に伝達されるブザー11の騒音を測定する。なお、1
4は測定試料13を導管12に対し気密にセットするた
めのパッキン、15は同じくカバー、16は騒音計5以
外の部分を覆う装置ハウジングである。
【0014】測定試料は、表1に示す通り、比較例2が
射出成形によるシングルウォール、比較例3がブロー成
形によるダブルウォール(中空2重壁構造)、実施例が
ブロー成形による発泡ダブルウォールであり、いずれも
同材質(ポリエチレン製、但し実施例では発泡剤を混
合)、単位面積当り同重量(0.3g/cm2)、平面
視同形状とした。なお、実施例の発泡ダブルウォール
は、各壁の厚さが2.5mm、各壁間距離が15mm、
発泡倍率は約1.7倍、気泡は全て独立気泡であり、2
重壁内面付近の平均気泡直径は約0.8mm、2重壁内
面の凹凸の表面粗さは約0.7mmであった。
【0015】
【表1】
【0016】表1に示すように、測定試料をセットしな
かった比較例1では103dBであった音圧測定値が、
シングルウォールの比較例2では74.5dB、ダブル
ウォールの比較例3では71.5dB、発泡ダブルウォ
ールの実施例では69.5dBに下がった。なお、測定
値が70dB近辺では、測定値がわずか低下しても静粛
感に対し大きく影響する。
【0017】図3は、上記実施例の発泡ダブルウォール
を自動車のアンダーカバー20に適用したもので、エン
ジンルームからの音の侵入を減少させるのに効果的であ
る。
【0018】図4は、本発明を自動車用クーラーボック
スに適用したものである。クーラーボックスは、2つの
カップ状体21、22を組合せてなり、各カップ状体2
1、22はいずれも本発明の発泡ブロー成形方法により
得られた一体ものの2重壁構造体(外壁23及び内壁2
4)である。カップ状体22の外壁23の一部にヒンジ
25とその先端にラッチ26が一体的に形成され、カッ
プ状体21の外壁23の一部に形成された係合部27に
係合するようにされる。このクーラーボックスはクーラ
ーのコンデンサーの風切り音を遮音する効果が高く、さ
らに、発泡により断熱性が高められているので結露防止
にも効果的である。
【0019】なお、上記適用例は、いずれも発泡ブロー
成形体を単独で遮音構造材料として使用したが、鋼板等
を積層すれば遮音効果をより向上させることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明の発泡ブロー成形体からなる防音
部材は、遮音効果が高く、断熱性に優れている。また、
成形体の金型キャビティと接する表面側では表面仕上が
りが通常のブロー成形体と同様に良好なものとなる。さ
らに、他の構造用部材と組み合わせることなく、それ自
体でハウジング等の構造用部材として利用することもで
き、部品数の削減、コストダウンにも貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の発泡ブロー成形体からなる防音部材
を説明するための断面模式図及びその一部拡大図であ
る。
【図2】騒音測定装置の概略図である。
【図3】自動車のアンダーカバーのセット状況を説明す
るための図である。
【図4】自動車用クーラーボックスの正面図(a)、側
面図(b)、(a)のA−A断面図(c)、及び同B−
B断面図(d)である。
【図5】従来の防音部材の断面図である。
【符号の説明】
5 発泡ブロー成形体 6 独立気泡 7 2重壁内面の凹凸 10 騒音計 11 ブザー 12 導管 13 測定試料(発泡ダブルウォール) 20 アンダーカバー 21、22 クーラーボックスを構成するカップ状体 23 2重壁の外壁 24 2重壁の内壁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロー成形により一体として得られた中
    空2重壁構造をなし、2重壁の各々が無数の独立気泡を
    含み、さらに2重壁の各内面には気泡による凹凸が形成
    された熱可塑性樹脂の発泡ブロー成形体からなる防音部
    材。
  2. 【請求項2】 発泡剤を混合した熱可塑性樹脂製パリソ
    ンを、分割金型間に押し出し、分割金型を閉じてパリソ
    ンを挟み、次いでパリソン内にエアを吹き込み金型キャ
    ビティ表面に沿わせ、続いてパリソン内のエア圧を降下
    させ発泡を活性化させることを特徴とするブロー成形に
    よる請求項1に記載の防音部材の製造方法。
JP5082598A 1993-03-16 1993-03-16 発泡ブロー成形体からなる防音部材及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2699137B2 (ja)

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