JP2697938B2 - 感温センサ - Google Patents

感温センサ

Info

Publication number
JP2697938B2
JP2697938B2 JP1337718A JP33771889A JP2697938B2 JP 2697938 B2 JP2697938 B2 JP 2697938B2 JP 1337718 A JP1337718 A JP 1337718A JP 33771889 A JP33771889 A JP 33771889A JP 2697938 B2 JP2697938 B2 JP 2697938B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
temperature sensor
substrate
thin
sensor according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1337718A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03195931A (ja
Inventor
仁士 金川
浩一 相澤
啓治 柿手
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP1337718A priority Critical patent/JP2697938B2/ja
Publication of JPH03195931A publication Critical patent/JPH03195931A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2697938B2 publication Critical patent/JP2697938B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、感温センサ、特に急激な温度変化の検知
に適した感温センサに関する。
〔従来の技術〕
火災や生産機械の異常時における急激な温度上昇(急
激な温度変化)を検出し警報を発する装置がある。この
ような装置には、急激な温度上昇を捉えるための感温セ
ンサが使われている。
従来、この種の感温センサとして、小孔を有するダイ
アフラムと同ダイアフラムの動きにより開閉動作させら
れる電気接点を備えた感温センサが実用に供されてい
る。緩やかな温度上昇に対しては、ダイアフラム内で気
体が膨張により増加しても増加した分の気体は小孔を通
して外部に逐次放出され、ダイアフラムが大きく膨らむ
ようなことはない。しかし、急激な温度上昇に対して
は、全ての増加した気体を直ちに小孔から外部に放出す
ることができないため、ダイアフラムが大きく膨らみ、
この動きに伴って電気接点の接続状態が切り換えられ
る。この電気接点の接続状態の切り換えにより、急激な
温度上昇のあったことが検知できる。
サーミスタを利用した感温センサもある。この感温セ
ンサは、突出する2本の棒状体にそれぞれ別個に取り付
けられたサーミスタを備えた構成をとっており、急激な
温度変化のあった際、両サーミスタの抵抗値に差がつく
ようになっている。この感温センサを用いた装置では、
両サーミスタの出力差を監視するようにしており、緩や
かな温度上昇に対しては両サーミスタの出力差はわずか
であるが、急激な温度変化に対しては両サーミスタの出
力差が大きくなるため、これを捉えることにより急激に
温度上昇のあったことを検知することができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記のダイアフラムを利用した感温セ
ンサは、小型化しにくく、腐食性雰囲気に弱く、さらに
は、塵埃の多い雰囲気等では小孔が詰まりやすく耐環境
性に乏しいといった問題がある。
一方、後者のサーミスタを利用した感温センサは、サ
ーミスタ間の温度の上がり方に差を出すためのサーミス
タ配置が難しく、突出した棒状体にサーミスタを固定す
るなどしているため、小型化にも限度があり、機械的強
度も低く信頼性に乏しいといった問題がある。
そこで、出願人は、第7図および第8図にみるよう
に、基板1表面側の厚みの薄い部分Aと厚みの厚い部分
A′にそれぞれ感温部S、S′を設け、裏面側にヒート
シンク10を設けた感温センサを提案している(特願平1-
164793号、特願平1-161244号、特願平1-181604号、特願
平1-186757号)。
この感温センサでは感温部S、S′のある基板1表面
側から熱の遣い取りがなされるようになっており、急激
な温度上昇があった際、基板の厚みの薄い部分Aは、厚
みの厚い部分A′よりも熱容量が極く小さいので昇温速
度が極めて速い。したがって、急激な温度上昇のあった
場合、厚みの薄い部分Aと厚みの厚い部分A′との間に
大きな温度差が生じる。そのため、厚みの厚い部分A′
からの信号と厚みの薄い部分Aからの信号の間には大き
な信号差が出来る。この大きな信号差に基づけば、急激
な温度変化のあった場合のみを確実に検知することがで
きる。このような感温センサでは薄膜状の感温部を薄い
基板に形成するという構成をとることで小型・軽量化が
容易に図れ、また、ダイアフラムなどのメカニカルな機
構を使用しないため信頼性も高い。
しかしながら、上記感温センサは、耐環境性が十分で
はない。これは、感温部S、S′形成面が被検雰囲気に
臨んでおり、感温部S、S′に結露、ゴミ付着あるいは
汚染といった不都合が起こり易いからである。耐環境性
を高めるため、感温部S、S′の上に保護膜を積層形成
することも考えられるが、センサが小型化してくると、
リード線等取出用端子部の固着部分をもうまく覆える信
頼性のある保護膜形成が困難なため、やはり耐環境性を
十分に向上させることはできない。
それに、機械的強度の弱い厚みの薄い部分Aが被検雰
囲気にさらされていると、どうしても破損しやすいとい
う問題もある。
この発明は、上記事情に鑑み、小型化に適しており、
信頼性の高い構造を有し、しかも、耐環境性に優れる感
温センサを提供することを第1の課題とし、急激な温度
変化を確実に検知することもできる感温センサを提供す
ることを第2の課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
前記第1の課題を解決するため、この発明の感温セン
サは、例えば、第1図〜第6図に示す感温センサにみる
ように、基板1の裏面に感温部S、S′が設けられ、同
感温部S、S′が外部と遮断されるように保護カバー3
で覆われ、同感温部S、S′での感熱が基板1表面側か
ら同基板1を通してなされる構成をとっている。基板1
裏面側は、感温部S、S′が触れないようにして保護カ
バー3で覆われているのである。
請求項2記載の感温センサは、加えて、保護カバーが
低熱伝導材料で形成されている。例えば、ガラス製カバ
ーなどが例示される。
請求項3記載の感温センサは、加えて、保護カバーが
遮光性を有する。赤外線も遮る遮光性を有する材料で形
成したり、保護カバーの内または外の少なくとも一方に
光を透過させない膜を形成したりする。例えば、内面に
アルミニウム薄膜がコーティングされたガラス製保護カ
バーが例示される。
第2の課題を解決するため、この発明の感温センサ
は、第1図〜第6図にみるように、加えて、基板1が厚
みの厚い部分A′と薄い部分Aを有し、感温部が同厚み
の薄い部分Aと厚みの厚い部分A′とにそれぞれ設けら
れているとともに、厚みの薄い部分Aの表面側が外部か
ら熱遮断されていて、その感温部Sでの感熱が厚みの厚
い部分A′を通してなされるようになっている。そのた
め、急激な温度変化を的確に検知できる。
厚みの薄い部分Aは通常20μm以下、より好ましく
は、約0.05〜1μm程度の厚み範囲にある。あまり薄い
と強度が不足し、製造工程中に破損等が起こり歩留まり
が悪くなる。余り厚いと、同部分Aを酸化物や窒化物の
電気絶縁物で形成する場合に時間がかかり過ぎたり、厚
みの厚い部分A′との間に温度差がつき難くなる傾向が
出てきて、的確な感温が難しくなる。
厚みの厚い部分A′は数百μm程度、好ましくは約30
0〜600μmの厚み範囲にある。薄いと強度が不十分で基
板の取扱が難しく、余り厚いと基板代が高く、基板全体
の熱容量が大きくなり過ぎて熱応答性が悪くなり、結果
として、的確な感温が難しくなる。
厚みの薄い部分Aの熱遮断は、請求項5記載の発明の
ように、例えば、第1図〜第6図の感温センサの如く、
厚みの薄い部分Aの表面側に外部と遮断された空間5が
設けられることでなされる。
空間5は、第2、3、6図の感温センサのように、基
板1と保護カバー2の間の空間4に通じていることが好
ましい。なぜなら、温度変化等で空間内の圧力が変動し
ても、厚みの薄い部分Aの両側では圧力が釣り合ってい
るため、厚みの薄い部分Aが変形し難く、したがって、
空間内で圧力変動があっても、感温部Sに悪い影響が出
ることなく、ノイズや誤差のない正確な感温動作がなさ
れるからである。
空間5は、第1、2、4、5図の感温センサの場合
は、基板1を表側から堀込むことにより形成されてお
り、第3、6図の感温センサの場合は、基板1を裏側か
ら堀込むことにより形成されている。後者の場合、空間
4、5が自然と連通することになる。
請求項6記載の感温センサは、加えて、第1〜6図の
如く、基板が半導体層1aに絶縁層1bが積層されてなる構
成であって、前記絶縁層1bが酸化物、窒化物のうちの少
なくともひとつで形成されており、厚みの薄い部分Aで
は、前記半導体層1aが少なくとも一部掘り込み除去され
て前記絶縁層1bのみからなる構成となっている。絶縁層
1bの具体的態様としては、1〜複数の酸化物層の構成、
1〜複数の窒化物層の構成、1〜複数の酸化物層と1〜
複数の窒化物層を適宜に積層してなる構成等がある。ま
た、酸化物としてはシリコン酸化物が、窒化物としては
シリコン窒化物等がある。半導体層1aには、シリコン単
結晶層等が挙げられる。
また、厚みの薄い部分A(つまりは空間5)の形成方
法として、厚みの薄い部分Aの表面側(裏側)を感温部
形成側とは反対側あるいは同じ側からエッチング等の方
法により、厚みの薄い部分Aを残すように基板を掘り込
むことで形成できる。例えば、シリコン(100)基板を
用い、厚みの薄い部分Aとして、シリコン窒化膜を裏面
に形成しておいて、異方性エッチングにより窒化膜の裏
側を掘り込んで、窒化膜からなる厚みの薄い部分を形成
することが例示される。
異方性エッチングとは、基板の結晶面方位によってエ
ッチングレート等のエッチング特性が異なるものをい
い、シリコンのばあい(100)面や(110)面に垂直な方
向に対するエッチングレートに比べ(111)面と垂直な
方向のエッチングレートは非常に小さいという性質があ
る。この時のエッチャントは、例えば、水酸化カリウム
水溶液や、ピロカテコール、エチレンジアミン、水など
の混合液等が用いられる。
このような異方性エッチングを利用することにより、
半導体で一般に利用されるフォトリソグラフィ技術を用
いて、上記のような掘り込み構造が容易に得られる。こ
の場合、異方性エッチャントに対してエッチストップ層
としての働きがある酸化膜や窒化膜をシリコン基板表面
に形成しておいて、膜の裏側を掘り下げ空間を作ること
により、厚みの薄い部分Aを厚み精度よく簡単に作れ
る。厚みの薄い酸化膜や窒化膜は電気絶縁層でもある。
基板としてシリコン半導体基板は、上の形成方法の場合
に非常に適した材料である。
請求項6記載の感温センサでは、第1〜6図にみるよ
うに、基板1の表面に感熱用集・放熱材2が接合されて
いる。同感熱用集・放熱材2は、被検雰囲気との間で熱
の遣い取りを円滑に行わせる役割を果たすものであり、
金属、セラミックやシリコンあるいは、これらの材料を
組み合わせた良熱伝導材料が用いられる。耐環境性の点
ではセラミックやシリコンが好ましい。集・放熱材2は
基板1に密着しており、例えば、熱伝導性の良い接着剤
で接着させられている。厚みは、例えば、熱抵抗や熱容
量の点からすると1mm程度以下が好ましい。
請求項7記載の感温センサでは、第5図にみるよう
に、空間5が基板1表面側に開いていて、その部分の表
面側は低熱伝導材料2aで覆われて前記空間5が外部と遮
断され、それ以外の部分の基板1表面は良熱伝導材2bが
接合されている。なお、この場合、低熱伝導材2aには良
熱伝導材が一部併用されていてもよい。
請求項8記載の感温センサでは、第4図および第6図
(a)にみるように、集・放熱材2の表面側にフィン6
が設けられ凹凸構造となっている。フィン6を設ける場
合、フィン6の幅5〜300μm、フィン6のギャップ幅
5〜300μm、フィン6の高さ30μm〜1mm程度のもので
ある。また、集・放熱材2における厚みの薄い部分は50
μm〜1mm程度である。フィン6の形状には板状、円柱
状、角柱状などが挙げられるが、これに限らない。
請求項9記載の感温センサでは、保護カバーと基板の
間の空間4および厚みの薄い部分A上の空間5が負圧に
封じられている。この場合、50Torr以下の真空度である
ことが好ましい。
請求項10記載の感温センサは、加えて、感温部が薄膜
感温素子である。感温部S、S′用として、厚み20μm
以下の薄膜感温素子が好ましい。例えば、薄膜サーミス
タ、薄膜熱電対、薄膜熱電堆等が例示される。さらに、
請求項12記載の感温センサのように、薄膜抵抗体感温素
子、特に厚み20μm以下のもの、例えば、薄膜サーミス
タ、薄膜金属(例えば、白金薄膜など)のもの等が挙げ
られる。
この発明の感温センサは、第1図〜第6図のものに限
らない。例えば、感温部S、S′のIC構成信号処理回路
が、シリコン単結晶を用いた基板1に一体的に形成され
ていてもよい。
さらに、第3図(b)、第6図(b)の如く基板1に
リード線取出端子部を設け、集・放熱材2に配線パター
ンを形成し、その間をワイヤボンディングで接続すると
いう構成で外部回路との接続を図るようにすることもで
きる。
また、厚みの薄い部分Aがなく、均一な厚みであって
1個の感温センサがあるだけの構成であってもよい。要
は、基板の表面に感温部が設けられ、同感温部での感熱
が基板表面側から同基板を通してなされるようになって
いるとともに、前記基板の裏面は感温部が触れないよう
にして保護カバーで覆われていればよいのである。
〔作用〕
この発明の感温センサは、容易に小型化が図れる。こ
れは、薄い基板に薄膜状感温部を設けるようにして全体
の厚み・面積を小さくすることができるからである。
そして、この感温センサは、感温部が保護カバーで被
検雰囲気から隔絶されているとともに、感温部のある基
板裏面側でなく基板表面側から基板を通してなされてお
り、感温機能を損なうことなく耐環境性に優れたセンサ
となっている。
請求項2記載の感温センサのように、保護カバーが低
熱伝導材料で形成されていると、基板裏面側からの本来
の感熱作用と逆の感熱作用の原因となる保護カバーを通
しての熱の遣い取りが阻止されるようになる。
請求項3記載の感温センサは、保護カバーが遮光性を
有する場合には、外乱光により感温部が温度変化し誤動
作するということがなくなる。
また、この発明の感温センサは、急激な温度変化を的
確に捉えることができる。基板の厚みの薄い部分と厚み
の厚い部分それぞれに感温部が設けられていて、両感温
部から大きな差動出力が得られるからである。厚みの薄
い部分は厚みの厚い部分を通して感熱する構成であり、
例えば、急激な温度上昇があった場合、厚みの厚い部分
は急激に温度があがるが、厚みの薄い部分では熱が円滑
に伝わらず、厚みの薄い部分は遅れて温度が上昇し、両
部分の間に大きな温度差がつくのである。この点につい
て第1図を参照しながらより詳しく説明する。
第1図にみるように、基板1上の厚みの薄い部分A
は、集・放熱材2に直に接しておらず空間5が介在して
いて、厚みの厚み部分A′を通して集・放熱材3と熱的
に繋がった状態にある。一方、厚みの厚い部分A′は集
・放熱材2に直に接していて、例えば、厚みが1mm程度
の薄いものだと、厚みの厚い部分A′の温度変化は被検
雰囲気の温度変化に素早く追随する。しかしながら、厚
みの薄い部分Aでは狭い部分を通して厚い部分A′と熱
の遣い取りをすることで温度変化が起こるようになって
いるため、例えば、厚みが数μm程度の薄い場合など、
温度変化は被検雰囲気の温度変化に素早く追随せずに大
幅に遅れる。そのため、被検雰囲気に急激な温度変化が
あった場合、厚みの薄い部分Aと厚い部分A′の間には
大きな温度差が生じる。したがって、それぞれに設けら
れている感温部S、S′の出力の間に大きな差が生じ
る。この差動出力に基づいて的確に急激な温度変化を検
知できるようになる。
請求項5記載の感温センサでは、厚みの薄い部分Aが
酸化物や窒化物のうちの少なくともひとつで形成された
絶縁物層であり、熱伝導率が半導体層よりも遥かに(1
〜2桁)小さいため、温度変化のあった場合、厚みの薄
い部分と厚みの厚い部分に大きな温度差がつきやすいた
め、的確に温度変化を捉えられる。
請求項7記載の感温センサでは、厚みの厚い部分A′
だけで被検雰囲気との間の熱の遣い取りがなされ、厚み
の薄い部分Aと被検雰囲気との間で直接に熱が遣い取り
されないため、両部分に大きな温度差がつきやすく、よ
り的確な感温動作を行う。
請求項8記載の感温センサでは、集・放熱材の表面に
フィンが形成されていて、被検雰囲気と接触する面積が
広いので、フラットなものに比べ、被検雰囲気との間の
熱の遣い取りが円滑になされ、被検雰囲気の温度変化が
より的確に捉えられるようになる。
請求項9記載の感温センサでは、基板と保護カバーの
間の空間4および基板の空間5が負圧に封じられてお
り、空間での空気の対流・熱伝導が抑えられるので、急
激な温度変化をより的確に検知できるようになる。
請求項10記載の感温センサでは、感温部に薄膜感温素
子を用いているため、感温センサのコンパクト化・小型
化が図りやすく、しかも、基板の構造設計において感温
部の構成を無視できるため、基板1の構造を単純に検討
するだけでよく、設計が容易である。また、厚みの厚い
部分の感温部S′の温度変化による熱応答速度を速める
ことにもつながる。
請求項11記載の感温センサでは、薄膜感温素子が薄膜
抵抗体であり、抵抗体の抵抗変化を測定するだけで感温
ができるため、回路構成が簡単ですむ。また、白金等の
温度−抵抗変化の直線性のよい素子の場合には、より回
路構成が簡単である。白金の感温素子だと耐腐食性もよ
く信頼性も高くなる。
〔実施例〕
続いて、この発明にかかる感温センサの一実施例を第
6図を参照しながら詳しく説明する。
第6図は、実施例の感温センサをあらわし、図(a)
は断面図であり、図(b)は保護カバーを破断してあら
わした平面図である。
まず、製造について説明する。
厚み400μmで表面が(110)面であるN型シリコン単
結晶ウエハ(半導体層1a)の裏面にLPCVD法を用いて厚
み1000Åの窒化シリコン膜を積層し、その上からさらに
プラズマCVD法を用いて厚み5000Åの窒化シリコン膜を
積層し絶縁層1bとした。次いで絶縁層1bの表面にスパッ
タリング法を用いて厚み2000Åの白金膜を形成し、フォ
トリソグラフィ技術を用いてパターンニングを行い、所
定パターンの白金よりなる薄膜状の感温部S、S′を形
成した。
その後、感温部S、S′に保護用の窒化シリコン層7
をプラズマCVD法により積層し、保護層7、絶縁層1bに
プラズマエッチング法を用い所定パターンの窓明けを行
う。
この窓明けは、シリコン単結晶ウエハ1aを裏面側から
掘り込み、厚みの薄い部分A及びその裏側の空間5を作
る為のものである。窓の辺が(111)面と(110)面の交
線と垂直もしくは平行となるように窓明けのパターンニ
ングを行っており、この場合、窓の辺のうちの2辺は
(111)面と(110)面との角度が35.3°の入射角である
(111)面と(110)面との交線に平行であるように設定
されている。
次に、KOH40wt%、H2O60wt%、温度80℃のエッチン
グ液を用いて、異方性エッチング処理を施す。1時間40
分のエッチングで200μm深さの空間5および両持梁状
の厚みの薄い部分Aが形成される。
つぎに、集・放熱材2の作製プロセスを説明する。厚
み600μmの(110)シリコン単結晶の表面に熱酸化法に
より厚み1μmの二酸化シリコン層を形成した後、二酸
化シリコン層にフィン6形成用パターンニングを施す。
この時のパターンとしては、長辺が、表面(110)に対
して垂直である(111)面と(110)面との交線と平行に
なるようにしてある。
次に、前記異方性エッチャントを用い、エッチング時
間、2時間30分で深さ300μmのフィン6のある凹凸構
造が形成できる。この場合、フィンの幅60μm、フィン
の間隔60μmとしている。
このように形成した集・放熱材2と基板1とを熱伝導
性の良い接着剤(例えば、銀ペースト、高熱伝導性エポ
キシ接着剤など)を用いて接合する。
次に内側にアルミニウム薄膜をコーティングしたガラ
ス製保護カバー3を集・放熱材2の縁に接合した後、カ
バー3内を真空に排気し封止することにより、感温セン
サを得た。
なお、リード線などを必要に応じて設けることはいう
までもない。
〔発明の効果〕
この発明の感温センサは、以上に述べたように、極薄
型化構造がとれるために容易に小型化でき、しかも、メ
カニカルな構成を必要としないために信頼性が高く、し
かも、感温部が被検雰囲気に曝されないために耐環境性
に優れる。
請求項2記載の感温センサは、基板表面側からの本来
の感熱作用と逆の感熱作用の原因となる保護カバーを通
しての熱の遣い取りが阻止されるため、より的確な感温
がなされる。
請求項3記載の感温センサは、保護カバーが遮光性を
有するため、外乱光による誤動作がない。
さらに、この発明の感温センサは、加えて、基板の厚
みの薄い部分と厚みの厚い部分それぞれに感温部が設け
られているため、急激な温度変化を的確に捉えられる。
請求項4、5記載の感温センサは、厚みの薄い部分と
厚い部分の間に温度差がつきやすいため、より的確に温
度変化が捉えられる。
請求項6〜8記載の感温センサでは、被検雰囲気との
熱の遣い取りが円滑であるため、感度等の動作特性に優
れる。
請求項9記載の感温センサでは、基板と保護カバーの
間の内空間および基板裏面側の空間での空気の対流・熱
伝導が抑えられるので、急激な温度変化をより的確に検
知できるようになる。
請求項10記載の感温センサでは、感温部に薄膜感温素
子を用いているため、コンパクト化・小型化が図りやす
く、さらに、請求項11記載の感温センサでは、加えて、
回路構成が簡単ですむ。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、それぞれこの発明の感温センサ
の一例をあらわす概略断面図、第3図は、この発明の感
温センサの一例をあらわす図であって、図(a)は概略
断面図、図(b)は平面図である。第4図および第5図
もそれぞれこの発明の感温センサの一例をあらわす概略
断面図、第6図は、この発明の感温センサの一例をあら
わす図であって、図(a)は概略断面図、図(b)は平
面図である。第7図は、参考例の感温センサの一例をあ
らわす斜視図、第8図は、この参考例の感温センサの概
略断面図である。 1……基板、1a……半導体槽、1b……絶縁槽、2……集
・放熱材、3……保護カバー、4……空間、5……空
間、6……フィン、A……厚みの薄い部分、A′……厚
みの厚い部分、S、S′……感温部

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の裏面に感温部が設けられ、同感温部
    が外部と遮断されるように保護カバーで覆われ、同感温
    部での感熱が基板表面側から同基板を通してなされるよ
    うになっており、基板が厚みの厚い部分と薄い部分とを
    有し、感温部が同厚みの薄い部分と厚みの厚い部分とに
    それぞれ設けられているとともに、厚みの薄い部分の表
    面側が外部から熱遮断されていて、その感温部での感熱
    が厚みの厚い部分を通してなされるようになっている感
    温センサ。
  2. 【請求項2】保護カバーが低熱伝導材料で形成されてい
    る請求項1記載の感温センサ。
  3. 【請求項3】保護カバーが遮光性を有する請求項1また
    は2記載の感温センサ。
  4. 【請求項4】厚みの薄い部分の表面側に外部と遮断され
    た空間が設けられていて、同空間が前記厚みの薄い部分
    の熱遮断をするようになっている請求項1から3までの
    いずれかに記載の感温センサ。
  5. 【請求項5】基板が半導体層に絶縁層が積層されてなる
    構成であって、前記絶縁層が酸化物、窒化物のうちの少
    なくともひとつで形成されており、厚みの薄い部分では
    前記半導体層が少なくとも一部堀り込み除去されて前記
    絶縁層のみからなっている請求項1から4までのいずれ
    かに記載の感温センサ。
  6. 【請求項6】基板の表面に感熱用集・放熱材が接合され
    ている請求項1から5までのいずれかに記載の感温セン
    サ。
  7. 【請求項7】空間が基板表面側に開いていて、その部分
    の表面側は低熱伝導材料で覆われて前記空間が外部と遮
    断され、それ以外の部分の基板表面は良熱伝導材が接合
    されている請求項4から6までのいずれかに記載の感温
    センサ。
  8. 【請求項8】集・放熱材の表面側にフィンが設けられて
    いる請求項6または7記載の感温センサ。
  9. 【請求項9】保護カバーと基板の間の空間および厚みの
    薄い部分の表面側空間が負圧になっている請求項4から
    8までのいずれかに記載の感温センサ。
  10. 【請求項10】感温部が薄膜感温素子である請求項1か
    ら9までのいずれかに記載の感温センサ。
  11. 【請求項11】薄膜感温素子が薄膜抵抗体である請求項
    10記載の感温センサ。
JP1337718A 1989-12-25 1989-12-25 感温センサ Expired - Fee Related JP2697938B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1337718A JP2697938B2 (ja) 1989-12-25 1989-12-25 感温センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1337718A JP2697938B2 (ja) 1989-12-25 1989-12-25 感温センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03195931A JPH03195931A (ja) 1991-08-27
JP2697938B2 true JP2697938B2 (ja) 1998-01-19

Family

ID=18311313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1337718A Expired - Fee Related JP2697938B2 (ja) 1989-12-25 1989-12-25 感温センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2697938B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1457423A (zh) 2001-03-16 2003-11-19 精工爱普生株式会社 红外检测元件、制造这种元件的方法及温度测量装置
JP5044296B2 (ja) * 2007-06-12 2012-10-10 株式会社日本自動車部品総合研究所 温度センサ素子及び温度センサ
CN107084801B (zh) * 2017-06-27 2023-05-05 深圳刷新生物传感科技有限公司 可以迅速响应的高精度集成式热敏电路及其制造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6010134A (ja) * 1983-06-30 1985-01-19 Toshiba Corp 放射熱流束センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03195931A (ja) 1991-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080164413A1 (en) Infrared Sensor
US5048336A (en) Moisture-sensitive device
US9759613B2 (en) Temperature sensor device and radiation thermometer using this device, production method of temperature sensor device, multi-layered thin film thermopile using photo-resist film and radiation thermometer using this thermopile, and production method of multi-layered thin film thermopile
JP2021009152A (ja) ウェハレベルパッケージ内の熱赤外線センサアレイ
TW200540401A (en) Infrared ray sensor and manufacturing method for the same therefore
JP2003344156A (ja) 赤外線センサおよびそれを用いた電子装置
US7994599B2 (en) Device for the detection of electromagnetic waves and method for producing such a device
JP2007501404A (ja) 最適化された表面を活用する赤外線センサー
JPH07209089A (ja) 赤外線センサ
KR20040075719A (ko) 멤브레인을 갖는 센서 및 그 제조 방법
JP2697938B2 (ja) 感温センサ
JP2015064305A (ja) 熱型センサとこれを用いた熱計測モジュール
JP2001174323A (ja) 赤外線検出装置
KR100971962B1 (ko) 비접촉식 적외선 온도 센서 모듈 및 이의 제조 방법
JP2001174324A (ja) 赤外線検出器および赤外線検出装置
KR100769587B1 (ko) 비접촉식 적외선 온도 센서
JPH10160538A (ja) 熱センサおよびその製造方法
US20200232853A1 (en) Non-contact type infrared temperature sensor module
JP2011203226A (ja) 赤外線センサモジュール
JP3217533B2 (ja) 赤外線センサ
JP5803435B2 (ja) 赤外線温度センサ
JPH07128140A (ja) 赤外線検出素子
JPH0581666U (ja) チップ型赤外線センサ
JPH07318420A (ja) 赤外線センサおよびその作製方法
JPH0743284B2 (ja) 感温センサ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees