JP2696997B2 - デジタル画像データ変換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はデジタル画像処理の分野で利用される 本発明はデジタル画像データ変換装置に関し、とくに
医用表示画像のうちROI内画像とROI外画像とのコントラ
ストの改良に関する。

［従来技術］ 従来では、表示画像にROIを設定し、その中の平均値
と標準偏差を読み取り、ある係数を乗じた標準偏差の値
を該平均値に加えた値を上限値として、他方逆に引いた
値を下限値として、この上限値と下限値を直線で結んだ
関数を画像データの輝度変換用の関数として得ている。
このような関数例を第２図では一点鎖線により例示して
いる このように、画像データを変換し、変換されたデータ
をビデオ信号変換している。

［発明が解決しようとする課題］ 従来技術では、ROI外の画像データは、画像データ変
換後、飽和し、情報が見えなくなる可能性がある。

表示画像全体についてコントラストのよい画像を観察
したいが、全体画像に対し画像処理を施すには時間がか
かり過ぎるため、関心領域としてROIを設定して画像処
理にかかる画素数を限定している。これがROI設定のね
らいである。

しかしながら、画像によつてはROI外の画像も重要視
される。

そこで、本発明の目的は、ROI外のデジタル画像も重
要視して、ROI内の画像情報を代表させる形で画像全体
のコントラストを最適化し、かつROI外にROI内になかつ
た情報がある場合にもそれを欠落することがないように
した、デジタル画像データ変換装置を提供することであ
る。

［課題を解決するための手段］ 前記した目的は、表示画像のROI設定手段と、ROI内の
最大濃度（MAX）と最小濃度（MIN）とを読み取る手段
と、ROI内の平均濃度（）と標準偏差値６とを演算す
る手段と、（−MIN）、（MAX−）、２×αをそれぞ
れ演算し、最大のものを平均値ウエイト係数αとする演
算選択手段と、ROI内の入力値が上限値として平均値＋
ウエイト係数（α）のとき最大輝度より小さい出力値と
し、また入力値が下限値として平均値−ウエイト係数
（α）のとき最小輝度より大きい出力値とし、さらに入
力値が平均値（）のとき最大輝度の1/2で出力とする
関数、ROI外の入力値が平均値＋ウエイト係数を越えた
ときの関数、またROI外の入力値が平均値−ウエイト係
数より小さいときの関数をそれぞれ設定する手段と、こ
れらの関数により入出力間でデータ変換を行なうデータ
変換部とを具備することにより、達成される。

［作 用］ 画像データ輝度変換関数について、従来例では上限値
と下限値間は直線で結ぶが、ROI外の入力値に対して出
力値を飽和させないために、上限値に対する出力を最大
輝度、下限値に対する出力を最小輝度とはしない。上限
値に対しては、最大輝度からある値だけ引いた値、下限
値に対しては最小輝度にある値を加えた値を、それぞれ
対応させる。

入力最小輝度と出力最大輝度を、入力最大輝度と出力
最大輝度を、それぞれ対応させる。例えば、入力最小輝
度〜下限値、下限値〜上限値、上限値〜最大輝度、の３
領域をそれぞれ直線で結んだデータ変換関数とする。

［実 施 例］ 本発明の好適な実施例は、図面に基づいて説明され
る。

第１図はその１実施例の処理例を示すフローチヤー
ト、第２図は本発明による入出力関係グラフ、第３図は
その実施例の構成ブロツク図である。

まず、第１図について、ステツプS10で、最も鮮明に
観察したい部分を関心領域（ROI）として説明する。フ
レームメモリからデジタル画像データを読み出して、表
示された画像に対してカーソルなどによりROIが設定さ
れる。

ステツプS12では、ROI内の濃度を読み取り、ROI内のM
AX（最大濃度）、MIN（最小濃度）を読み取る。ステツ
プS14では、さらにROI内の平均濃度、標準偏差σを算
出する。

ステツプS16では、次のような処理が行なわれる。

入力輝度（濃度）の範囲を０〜Xmax、出力輝度（濃
度）の範囲を０〜Ymaxとして、がデータ変換後、Ymax
の1/2になり、ROI内のコントラストが改善されるよう
に、次のようにして、入力濃度値の上限、下限を決定す
る。

つまり、（−MIN）、（MAX−）、２×αの内最大
のものをウエイト係数αとし、入力濃度の上限値はｘ＋
α、その下限値はｘ−αとする。

ここで、入力値＋αがデータ変換後、出力値Ymax、
また同様に−α→０となると、ROI外の画像におい
て、入力値が０〜−α、あろいは＋α〜Xmaxの濃度
範囲であると、出力値は飽和して欠落し、真の濃度が解
らなくなる。

このような理由により、ROI内の上限、下限各値に対
して最大、最小輝度の出力値に対応させず、足かせβ
（ただしβ＞０）を設けて調整する。

従つて、入力値（左側）と出力値（右側）の関係は次
の通りになる。

＋α→Ymax−β −α→β ０→０ Xmax→Ymax →Ymax/2 このような関係を例えば直線で表わすと、第２図に示
すグラフが得られる。

ステツプS16では、このようなデータ変換関数を設定
する。このような関数に基づいてステツプS18によりデ
ータ変換が行なわれる。

変換後の画像データは表示メモリに書き込まれて、そ
の後D/A変換（ステツプS20）して表示される（ステツプ
S22）。

表示メモリから直接、他の画像処理装置へそのまま転
送することもある。

第３図はハードウエア構成ブロツク図であり、ここで
10はROI設定端末機、12は画像メモリ、14はデータ処理
部、16はデータ変換部、18は表示メモリ、20はD/A変換
器、22は表示器である。

データ処理部14において、画像メモリ12よりデータを
読み出して、演算を行ない、データ変換関数の設定がデ
ータ変換部16に対して行なわれる。データ変換部16は、
画像メモリ12からの読み出し値を入力値とし、設定され
た変換関数に基づいた出力値を表示メモリ18に書き込む 上記変換関数は、０〜−α、−α〜＋α＋α
〜Xmaxの３つの領域が、出力０〜β、β〜Ymax−β、Ym
ax−β〜Ymaxにそれぞれ対応し、がy max/2に対応す
る、単純増加関数であり、かつ、連続であれば、どのよ
うな関数形でもよい。

なお、足かせ値ないし調整値βは最大値、最小値の両
者について同じ値が、前示実施例では用いられている
が、違つた値でもよい。

［効 果］ 設定されたROI内のコントラストは改善されその効果
は一定となる。また、ROI外において、ROI内の濃度範囲
に含まれないデータの情報も落ちることが無い。

特に、データ変換された画像データを、レーザーレコ
ーダーなどによりフイルム化する場合、この効果は、よ
り鮮明になる。

また、データ変換関数の設定はROI内の画像データの
みを読み出して行なわれるので、従来通り画像処理のス
ピードは落ちない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例を示した要部フローチヤー
ト、第２図は本発明によるデータ変換関数設定例のグラ
フ、第３図はハードウエア上の構成例ブロツク図であ
る。 10はROI設定端末機、12は画像メモリ、14はデータ処理
部、16はデータ変換部である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表示画像のROI設定手段と、ROI内の最大濃
   度（MAX）と最小濃度（MIN）とを読み取る手段と、ROI
   内の平均濃度（）と標準偏差値６とを演算する手段
   と、（−MIN）、（MAX−）、２×αをそれぞれ演算
   し、最大のものを平均値ウエイト係数αとする演算選択
   手段と、入力値が上限値として平均値＋ウエイト係数
   （α）のとき最大輝度より小さい出力値とし、また入力
   値が下限値として平均値−ウエイト係数（α）のとき最
   小輝度より大きい出力値とし、さらに入力値が平均値
   （）のとき最大輝度の1/2で出力とする関数、入力値
   が平均値＋ウエイト係数を越えたときの関数、また入力
   値が平均値−ウエイト係数より小さいときの関数をそれ
   ぞれ設定する手段と、これらの関数により入出力間でデ
   ータ変換を行なうデータ変換部とを具備していることを
   特徴とする、デジタル画像データ変換装置。