JP2689094B2 - ユニット式組立軽量断熱遮音障子及びその製造方法 - Google Patents

ユニット式組立軽量断熱遮音障子及びその製造方法

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JP2689094B2 JP31391294A JP31391294A JP2689094B2 JP 2689094 B2 JP2689094 B2 JP 2689094B2 JP 31391294 A JP31391294 A JP 31391294A JP 31391294 A JP31391294 A JP 31391294A JP 2689094 B2 JP2689094 B2 JP 2689094B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物等の開口部に使用
され、熱損失低減部分、結露防止部分、及び騒音低減部
分に使用される断熱遮音障子に係るもので、ユニット板
で多層化された断熱遮音板が設けられ、紙のように薄い
薄板を構成要素とし、季節の変化によって変形しない多
層ユニット板で構成されていて、空気層が設けられてお
り、僅かな種類の大きさのユニット板によって、通常使
用される障子が作られ、全厚の厚いユニット板を手軽に
着脱でき、障子の骨組と断熱遮音板との間は、埃の溜ま
らない密着気密構成となっていて、該断熱遮音板の拭き
掃除が簡単にできるとともに、障子の骨組と骨組との間
は、斑(むら)なく明るく、意匠的選択性とインテリア
性に優れているうえ、容易に障子の丈が調節でき、便利
さと、軽さと、断熱性と、遮音性と、経済性との相乗効
果の大きいユニット式組立軽量断熱遮音障子を提供し
て、その熱貫流率を小さくし、結露を防止しながら、冷
暖房費と消費エネルギーを節約するユニット式組立軽量
断熱遮音障子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物等の開口部に設けられる障子
は、その熱貫流率が大きく、冷暖房負荷又は熱損失を著
しく増大していた。従来技術により、開口部以外の壁や
床や天井は、容易に高断熱化できる(例えば、60〜1
20mm程度の現場発泡材の吹付により、簡単・廉価に
気密断熱され、容易に熱貫流率K=0.2kcal/m
・hr・℃以下を得る)ため、冷暖房負荷又は熱損失
の多くは、この開口部から出入りする熱によるもので、
このため、従来の冷暖房には、多大な費用が投じられて
いるとともに、エネルギー消費は、積もり積もって膨大
化しており、その大幅な節約が望まれている。
【0003】従来の紙障子は、その断熱性や遮音性が不
十分であるうえ、破れ易く、変色し易いため、頻繁に紙
の張替を行う煩わしさがあった。また、これをプラスチ
ック製の障子紙としても、依然として断熱性や遮音性は
低く、特に、障子の骨組とプラスチックとの熱膨張率の
違いが大きいため、冬と夏との温度差によって、冬は引
っ張られて剥(は)がれたり、夏は弛(たる)んで皺が
寄るとともに、その張替は、特殊な接着剤を使用するた
め、紙障子よりもさらに困難であった。
【0004】従来の複層ガラスは、その断熱性を高めよ
うとして、多層化すると、構成板相互の接触を防ぐの
に、その間隔を広くする必要があり、非常に重くなると
ともに、全体が厚くなって、障子に取り付けられなくな
るうえ、高価になることが問題であった。従って、これ
を2層程度として、断熱遮音障子の断熱遮音板に使用し
ても、戸車が必要になり、障子の開閉時の騒音が睡眠を
妨げるという問題は避けられなかった。そこで、これを
プラスチック製とする試みもあったが、多層化して、高
断熱化すればするほど、断熱板の裏と表とで、冬と夏と
の温度変化が激しくなり、熱膨脹による伸縮量の違い
が、長さ1m当たり、5mmにも達するため、バイメタ
ルのように曲がり、障子の組子まで曲げてしまうこと
と、従来技術では、どうしても、断熱板の端部の構成が
難しく、その見付幅が広くなって、障子の組子から、は
み出してしまったり、組子との密着ができなくなるとい
う問題に突き当たり、これが意匠性を低下して、実用化
に至っていない。
【0005】また、従来、断熱板をつくるとき、プラス
チック製の薄板を使用して、この薄板の“たわみ”を防
止するため、繋(つなぎ)材を細かく入れて、剛性を持
たせる方法も試みられたが、この方法では、繋材の分だ
け重くなったり、熱橋(熱を‘橋渡し’して、熱を通過
させる)現象によって断熱効果が低下するうえ、断熱板
の裏と表との温度変化により、繋材のない方向は、バイ
メタルのように曲がり、繋材のある方向は、歪応力が発
生して、不規則に曲がるという結果が生じた。その上、
この方法は、断熱板の取付圧によっても変形するととも
に、ブラインドを入れたような見栄えになり、透過光に
斑(むら)が生じて、インテリア性を低下するため、障
子の断熱板としては、実用化されていない。
【0006】さらに、断熱板を発泡板とする従来方法
も、遮音性の向上と、大きな熱変形に対する処理が難し
く、この変形を避けるために、接着剤を使用しないで取
り付けると、気密性が低下してしまうとともに、断熱板
の全厚を薄くして、明るくしようとすれば、断熱性が低
下し、断熱板の全厚を厚くして、断熱性を高めようとす
れば、暗くなることと、透明な断熱板ができないこと、
意匠的選択性とインテリア性に乏しいことに問題があっ
た。
【0007】一方、従来の障子は、その大きさがまちま
ちであったため、その殆どが誂(あつらえ)であり、そ
の製作は繁雑化して、手間がかかり、大量生産はできな
かった。以上のようなことから、これら多くの課題を解
決し、取替が簡単で、手軽に使用でき、断熱性と、軽さ
と、明るさと、意匠性と、遮音性と、経済性との相乗効
果の大きい汎用的な断熱遮音障子の開発が求められてい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上の問題点に鑑み、
本発明は、手軽で使い易く、軽くて、明るく、意匠的選
択性とインテリア性に優れた(従来の障子のイメージ
を、さらに発展させた)高性能の断熱遮音障子を低廉に
供給することを目標とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、障子の光透過部分に、汎用的なユニ
ット板による断熱遮音板を使用して、大量生産を可能と
し、これに空気層(空気の入った空間)を設けて、紙の
ように薄い薄板を構成要素とし、熱橋(heat br
idge)部分を少なくしながら、多層化することによ
って、軽量化と高断熱化と遮音性の向上をはかるととも
に、冬と夏との温度差や湿度差による変形や結露の生じ
ないユニット板として、全厚の厚いユニット板が、誰に
でも、容易に着脱できる(破損した個所だけでも取り替
えられる)うえ、障子の骨組と断熱遮音板との間は、埃
(ほこり)が溜まらない密着構成として、この断熱遮音
板の拭き掃除が簡単にできるようにし、障子の骨組と骨
組との間は、その全範囲を斑(むら)のない明るさとし
て、インテリア性を向上する。
【0010】こうして、ユニット板を、紙のように薄い
薄板による完全中空構成としながら、季節の変化によっ
て、全体が曲がったり、波を打ったりしない多層板とす
るとともに、様々な種類の大きさの障子を分析して、標
準となる単位を見出し、僅かな種類の大きさのユニット
板から、一般に使用されるすべての障子を作る。これら
のことを実現するため、次のような工夫をした独自の構
成を提案する。
【0011】すなわち、本発明において、紙のように可
及的薄い薄板(film or sheet)を構成要
素とし、この薄板によって多層板を構成して、これを簡
単に拭き掃除ができるようにするためには、『薄い紙で
も、これを折り曲げることによって、剛性をもつように
なり、丈夫になる』ことに着目し、薄板周端を固定状端
部接続(該薄板を含む支持手段の横断面方向において、
該薄板の曲応力が該支持手段に伝達できる接続)とす
る。実験により、薄板周端(周辺)を単純支持辺(曲応
力を伝達できない端部接続=simply suppo
rted edge)とするよりも、該固定状端部接続
とすることにより、その中央の“たわみ量”は、約1/
4となることが確かめられる。その固定度は、一寸手で
触れた程度では抵抗感があって、ブヨブヨとしない程度
であり、薄板の汚れを落とすために、簡単に拭き掃除が
できる程度とし、このとき、内外の構成板同士が接触し
ない程度とする。この固定状端部接続としては、薄板や
支持手段を一回以上曲げる固定状端部接続、薄板と支持
手段とを点接合とする固定状端部接続、接着剤の滞留孔
による固定状端部接続、連結材によって連結する固定状
端部接続、又は薄板周端を溝に嵌め込む固定状端部接続
を行う。
【0012】さらに、従来の厚板構成と異なり、本発明
は、紙のように可及的薄い薄板が、季節の変化等による
温度や湿度の変化によって、ユニット板全体が変形しな
いようにするためには、支持手段同士のバイメタル状の
変形を防止し、薄板同士の伸縮量の違いによる“たわ
み”変形を防止する可動構成又は膨張率低減加工を行
う。この可動構成は、薄板周端の接合部分の固定状端部
接続を維持しながら、この接合部分そのものが動く可動
構成であり、薄板や支持手段を溝に嵌め込む可動構成、
薄板や支持手段を一回以上曲げる可動構成、薄板と支持
手段とを点接合する可動構成、支持手段を弾性体で作る
可動構成、支持手段を不連続とする可動構成、連結材で
連結する可動構成、接着剤の滞留孔による可動構成、又
は支持手段を“ずらす”可動構成を行い、膨張率低減加
工としては、温度や湿度に対する伸縮量を低減する加工
を行う。
【0013】温度に対する曲がり具合は、例えば、多層
板がプラスチック製であって、その厚さが18mmであ
り、辺の長さが1mのとき、室内が冷暖房されていて、
多層板の外側が、夏の直射日光で熱せられて、55℃に
なり、冬の寒さで冷やされて、−15℃になると、それ
ぞれの場合について、多層板の中央が約17.8mmも
膨らんだり、窪んだりする。このため、多層板全体が曲
がり、障子の組子までも曲げられる。本発明では、薄板
と支持手段との接合部分の固定状態を維持しながら、こ
れらが共に動く可動構成、又は膨脹率低減加工を行い、
これを防止する。
【0014】さらに、本発明の薄板構成は、従来の厚板
構成と異なり、空気層の空気が、夏の暑さと日差しで膨
れたり、冬の寒さで縮んだりして、薄板を曲げるため、
この空気と薄板ユニット板の外の空気とを連通して、そ
の圧力を調節し、薄板の曲げを防止するとともに、空気
層内に、夏の高温多湿の空気が冬まで籠っていると、冬
の寒さで結露するため、これを冬の乾燥空気と徐々に交
換する連通孔を設ける。
【0015】本発明は、薄板構成であるため、クッショ
ン材(緩衝材)の弾性力は、これが大きいと、薄板や支
持手段の膨張に伴って、薄板の押付圧がだんだん大きく
なり、薄板が曲がるため、実験によって、25g/cm
以下とするのが望ましい。なお、クッション材は、例
えば、不織布やスポンジを継目のない“エンドレス”構
造とし、これを粘着剤や粘着テープで接着したり、これ
に、予め、ホットメルト樹脂を装着しておいてから、超
音波で溶着する。
【0016】本発明では、障子の厚さが30〜40mm
程度の範囲内のところに、最大限に多層化された全厚の
厚いユニット板(例えば、厚さ18mm以上)を取り付
けたり、これを自由に取り替えることのできる着脱手段
によって配設し、この着脱手段は、支持手段又は薄板に
連関して設けられた“取付手段”と、取付具とで構成さ
れていて、この着脱手段によって、断熱遮音板と障子の
骨組との密着性と気密性を高め、断熱遮音障子全体の断
熱性と遮音性を高める。なお、ユニット板の取付に当た
っては、これを無理に押し付けて取り付けると、その押
付圧によって、薄板が曲がるため、無強制応力状態で配
設するようにする。
【0017】また、本発明では、意匠上、支持手段とク
ッション材で構成される部分(空気層のない範囲)は、
その見付厚さを障子の組子の見付寸法の1/2(凡そ6
mm)以下として、これが組子の背後に隠れるようにす
るとともに、障子の組子と断熱遮音板との間は、密着構
成とし、そこに埃が溜まらないようにする。
【0018】本断熱遮音障子の断熱遮音板は、ユニット
板で構成されていて、プラスチック製薄板の多層ユニッ
ト板に、単板の板ガラスのユニット板を添えることもで
きる。ここで、ユニット板は、各種大きさの障子に共通
する標準化された単位であり、該ユニット板は、平面的
に一列に並べたり、又はこれを数列に重ねた状態で、何
枚設けられていてもよい。また、薄板の厚さは、使用す
る場所により、音に対する共鳴度、又は振動に対する共
振度を考慮して決定されるとともに、薄板には、紙、プ
ラスチック、ガラス等の透光性材料、及びこれらをラミ
ネートした材料が使用され、透明から半透明に至る光透
過性の材料が使用される。
【0019】ユニット板の大きさは、様々な種類の障子
を分析して、標準単位となる独自の大きさを見出す。こ
の大きさは、小さければ小さいほど汎用性はあるが、あ
まり小さいと、意匠的に見苦しくなったり、取付の手間
がかかり、量産性も劣るため、框と組子とで構成される
3尺×6尺の障子を24等分にした大きさとするのが
も適当である。
【0020】本発明おいて、一体成形加工には、真空成
形、サンドブラスト真空成形、圧空成形、圧縮成形、押
出成形、射出成形、射出圧縮成形等による加工を含み、
薄板の伸縮吸収複合は、複合薄板を構成する樹脂、又は
接着剤を弾性材として、温度差や湿度差に対する伸縮量
の違いを吸収する複合板とし、薄板の遮音性の向上、及
びガラスの飛散を防止する。
【0021】ユニット板に施される所定の絵図は、和紙
模様や絵画などを描いたものを含む絵図、及びその透か
し絵を施したものとするうえ、薄板の内部や断熱遮音板
の内薄板に、この絵図を施して、透過光によって、この
絵図が見えるようにしたり、クリスタルガラスの細粒・
貝殻の細粒・金粉・銀粉のようなキラキラと“きらめく
細粒粉体”を蒔いた絵図とし、意匠的選択性とインテリ
ア性を豊かにする。
【0022】本発明は、特に、片側欠込部に、全厚の厚
いユニット板を取り付けて断熱性能と遮音性能を高め
る。このとき、框の内側とは、框に組子が取り付く側を
いい、框の裏側とは、従来の紙障子に例えれば、紙を貼
る側をいう。また、本発明において、出合框とは、複数
の障子を閉めたときに重なる框をいい、出合面とは、こ
の出合框の向かい合う面をいう。なお、本発明の調節框
は、複数に分離されて、薄くなっている部分を、段階的
にカッター等でカットすることによって、障子の丈が調
節される框とする。
【0023】本発明に関して、貫通材の超音波によるイ
ンサートは、例えば、頭(傘)形状が星形を成す鋲や釘
を超音波でインサートするもので、薄板と支持手段とを
常温で接合して、固定状端部接続を行う。また、仮止接
合と耐久接合を併用する場合、仮止接合は、ホットメル
ト樹脂、弾性シーリング材、又は超音波による伝達溶着
としたり、耐久接合は、アクリル樹脂・酢酸ビニル樹脂
エポキシ樹脂を含む接着剤、両面粘着テープ、超音波
による連結材、又は貫通材の超音波によるインサートと
するのが望ましい。
【0024】
【発明の作用】本発明が従来技術と大きく異なる点は、
紙のように薄い薄板による多層板の構成が可能になった
ことであり、僅かな種類の大きさのユニット板で、一般
に使用されるすべての断熱遮音障子が作られるうえ、意
匠性に優れ、容易にユニット板が取り替えられる断熱遮
音障子が得られようになり、さらに、全厚の厚いユニッ
ト板(例えば、厚さが18mm以上で、薄板が4枚以上
の多層板など)が使用できるようになったことである。
これにより、建物等の開口部が、経済的に高断熱遮音化
(例えば、熱貫流率1.8〜0.2kcal/m・h
r・℃、音響透過損失32〜40デシベルAに)され、
軽くて、戸車のいらない高断熱遮音障子が作られ、明る
くて、インテリア性に優れた高断熱遮音障子を手軽に使
用することができる。
【0025】また、ユニット板を薄板で多層化すること
によって、ユニット板の取扱・運搬・保管が簡単にな
り、低廉な断熱遮音障子を供給することができる。な
お、本発明は、プラスチック製薄板の多層ユニット板
に、単板のガラス製ユニット板を添えるとき、これをキ
ッチンや浴室の窓に使用して、断熱遮音板に油や水滴が
付着する場合でも、拭き掃除が簡単になるとともに、長
年の使用に耐えることができる。
【0026】本発明の断熱遮音障子は、仕切戸や固定
戸、窓の外戸や内戸として使用されるとともに、障子を
二重ないし三重に立てる二重障子や三重障子としても使
用される。また、固定戸では、全厚の厚いユニット板
(例えば、厚さ100mmにした多層板)をブロック状
に使用することもでき、これによって、開口部の熱貫流
率は0.2kcal/m・hr・℃に低減され、音響
透過損失は40デシベルAに増大する。
【0027】本発明において、断熱遮音板を障子の骨組
と接して設けることによって、断熱遮音板と骨組との間
に埃が溜まらないようにすることができ、意匠性を向上
し、使用上の利便さを得ることができるとともに、障子
の骨組と骨組との間に、空気層を斑(むら)なく設ける
ことによって、クッション材と支持手段とで構成される
ユニット板の端部の構成部材が、すべて、骨組の背後に
隠れるようになり、障子のインテリア性を向上すること
ができる。
【0028】本発明で、支持手段又は薄板に連関して、
ユニット板取付の根拠となる“取付手段”を設けること
は、ユニット板を、簡単・迅速・強固に密着装着するた
めの重要条件であり、固定状端部接続・可動構成・無強
制応力状態配設と共に、本発明を可能ならしめる要件と
なっている。また、クッション材は、これを着脱手段の
設置空間をも提供する弾力性と厚さとすることにより、
ユニット板の外周のうちの何処にでも、着脱手段を設置
することができ、ユニット板を容易に密着装着すること
ができる。
【0029】ユニット板を、プラスチック製薄板とする
ことにより、軽くて、低廉な多層断熱遮音板がつくられ
るうえ、低温製造が可能となり、製造熱量を少なくする
ことができる。また、これを光透過性とすることによ
り、薄くて軽い透明な布団を何枚も重ねたように、明る
くて断熱性の高い窓を供給することができる。
【0030】本発明において、ユニット板の大きさを、
常温における平面的有効寸法として、框と組子とで構成
された3尺×6尺の障子を24等分にした大きさとする
ことは、多くの使用例を調査した結果、最も汎用的で、
最も少ない大きさの種類によって、通常使用されるすべ
ての断熱遮音障子の提供を可能とする。この大きさは、
各地域に共通して適用され、透過光に斑(むら)のない
多層板ができる大きさとなっており、薄板ユニット板の
短辺の長さが短いため、薄板の“たわみ”が少なくな
り、薄板として、0.5mm以下の厚さのフィルムを使
用しても、ユニット板の中間に繋(つなぎ)材のない構
成とすることができ、これにより、軽くて、明るく、断
熱性と遮音性とインテリア性に優れた断熱遮音障子が低
価格で供給される。
【0031】支持手段を、木材、紙材、布材、糸材、又
はこれらのラミネート材とすることによって、低価格性
と組立の迅速性が得られる。また、支持手段のジョイン
トに、引掛(ひっかけ)手段を設けることによって、支
持手段が内側に落ち込むことがなく、迅速に、ユニット
板を組み立てることができる。
【0032】支持手段を、エラストマー(elasto
mer)のような断熱性と気密性のある弾性体で作るこ
とにより、その剪断変形が容易になり、支持手段の可動
構成が容易になるうえ、熱の伝導が少なくなるととも
に、軽量化することができる。また、実験により、支持
手段を点接合することによって、この点接合の部分が
少しずつ歪み、点接合されていない部分が少しずつ“ず
れ”て、容易に可動構成のできることが見出された。さ
らに、支持手段と薄板の接合は、連結材によって連結す
ることにより、安全・確実な接合が簡単に行われ、製造
速度が増大する。
【0033】取付具を、障子の縦框・下框・上框に形成
した“片側欠込部”に設けることにより、障子の製作が
簡単になるうえ、厚いユニット板(18mm以上)を使
用することができる。また、取付具を定着する障子部分
に、シアノアクリレート系の接着剤等で雌ネジを形成す
ることによって、これを何回も繰り返し使用することが
でき、取付具は、木ネジ・スクリュー鋲・昆虫針状釘等
で定着することにより、簡単・迅速・強固に定着するこ
とができる。さらに、中間ネジ・バネ足・リブを持つ取
付具は、組立効率がよいうえ、確実な着脱が可能とな
る。
【0034】障子の縦框の戸当面や出合面に、断熱性及
び気密性のクッション材(発泡材又は刷毛材)を設ける
ことにより、障子全体の断熱性能と遮音性能を向上する
ことができ、縦框に、クッション材の一部を嵌め込む溝
を設けることによって、障子の寸法調節性や意匠性を向
上することができる。
【0035】障子の出合框に、縦框の出合面と戸当面と
を締め付ける永久磁石や“ネジ締”等の締付手段を設け
ることにより、容易に障子の気密性を向上することがで
き、障子全体の断熱性能と遮音性能を高めることができ
る。また、障子の下框又は上框は、敷居(しきい)又は
鴨居(かもい)の溝に入る厚さと、残りの厚さとを、障
子の面と平行な面で分離し、これらを複数に分離した合
成框とすることによって、分離されて薄くなった部分
を、市販のカッター等で段階的にカットできるようにな
り、誰でも、簡単に障子の丈を調節することができるよ
うになる。
【0036】障子の縦框と、上框及び下框との仕口(し
くち)には、▲ほぞ▼(ほぞ)を設けるとともに、ビス
等の緊結手段を設け、この緊結手段を締め付けて組み立
てるようにすると、各家庭で誰でも簡単に組み立てられ
るようになり、このとき、使用する接着剤を、アクリル
系・酢酸ビニル系の接着剤とすることによって、耐久性
に優れた断熱遮音障子が得られる。
【0037】ユニット式組立軽量断熱遮音障子の製造方
法は、薄板による多層ユニット板の外周を包囲して設け
られるクッション材の外側に、着脱手段を定着して組み
立てる工程とすることによって、無強制応力状態の配設
が可能となり、簡単・迅速・強固な気密装着が行われる
とともに、クッション材の働きを有効にして、ユニット
板と障子の骨組との膨脹率の違いによる伸縮量の違い、
及びこれらの製作上の寸法誤差を吸収することができ
る。また、この方法により、すべてのユニット板を、平
面的に一列に並べて、一時に、密着装着することができ
るうえ、厚いユニット板を何列にも重ねて手軽に着脱す
ることができる。これにより、障子の断熱性能と遮音性
能が調節できるうえ、これらの性能を高めることがで
き、すべてのユニット板は、これを縦にしたり、横にし
たりして使用できるとともに、通常使用されるすべての
障子が作られるようになり、汎用性を得ることができ
る。
【0038】この製造工程において、薄板による多層ユ
ニット板の外周を包囲して設けられるクッショ材に添
えて、気密性及び断熱性のパッキング材を設けることに
よって、容易にユニット板の寸法調節が行われる。ま
た、多層ユニット板の内側薄板は、支持手段の溝に差込
口を設け、薄板を尺取虫状に曲げて差し込むことによっ
て、これを簡単にセットすることができるようになり、
ガラス面に接する薄板は、膨らんだ加工とすることによ
り、この間に湿った空気が溜まらなくなるため、結露が
防止される。さらに、縦框・下框・上框・縦組子・横組
子・ユニット板のうちの一以上を、その製造地から、分
離して搬送した後、組み立てて断熱遮音障子を完成する
ことにより、製造地で組み立てないで済むため、障子の
保管・運搬・取扱が簡単になり、大量供給が容易にな
る。
【0039】
【発明の実施例】図1〜図3は、本発明のユニット式組
立軽量断熱遮音障子1の正面図を示している。図1〜図
3において、断熱遮音板2が、縦框3、下框4、上框
5、縦組子6、及び横組子7で構成された断熱遮音障子
1に、それぞれ24枚設けられている。図1〜図3にお
いて、この断熱遮音板2は、各々、縦に使用される場合
と、横に使用される場合とがある。図1は、和室用及び
洋室用の荒間障子であり、図2と図3は、和室用の横組
障子である。特に、図3は、9尺4本立に使用される横
組障子を示している。なお、この断熱遮音板2は、それ
ぞれ、ユニット板が一枚以上集まったもので構成されて
いる。通常、図1〜図3の障子は、単独で使用された
り、幾つも連続して使用される。
【0040】図4は、薄板による多層ユニット板8の正
面図を示しており、クッション材9が設けられている。
この多層ユニット板8は、荒間障子用であるが、横組障
子用の多層ユニット板8も同様の構成となっている。
【0041】図5は、図4のC−C断面の一つの例の拡
大断面図であり、多層ユニット板8の周端部を示す図
で、すべての周端部に共通し、全体がプラスチックで作
られている例を示している。図5において、薄板8a
は、成形加工によって曲加工されて、支持手段10aが
作られており、この支持手段は、さらに内側に曲加工さ
れている。また、薄板8bも、成形加工によって曲加工
されて、支持手段10bが作られ、さらに外側に折り曲
げられている。こうして作られた支持手段10bの間
に、支持手段10aが挿入されて、可動構成となってお
り、支持手段10a、10bのバイメタル状の変形が防
止され、薄板8a、8bの伸縮量も吸収されている。ま
た、薄板8aと支持手段10a、及び薄板8bと支持手
段10bとの接続部分、すなわち、折曲加工された部分
は、固定状端部接続となっており、薄板8a、8bの
“たわみ”が減少されている。
【0042】図5において、支持手段10も成形加工に
よって作られ、この支持手段10の曲加工された部分と
薄板8eは、支持手段10の側(又は薄板8eの側)か
ら、超音波による点接合11が行われ、支持手段10の
可動構成と、薄板8eの可動構成及び固定状端部接続が
行われている。また、薄板8eは、樹脂と樹脂とがラミ
ネートされていて、この樹脂間に和紙模様がプリントさ
れている。これにより、インクが樹脂内に内蔵され、劣
化しなくなる。薄板8cと薄板8dは、テレフォンカー
ドの様に、一時に、剪断カットされて作られており、薄
板8cは、支持手段10bと支持手段10によって作ら
れた溝12cに嵌め込まれ、薄板8dは、支持手段10
に設けられた溝12dに嵌め込まれて、それぞれ固定状
端部接続と可動構成(薄板の辺と垂直な方向の曲応力は
伝達されて、薄板中央の“たわみ”が防止され、薄板の
辺と平行な方向の伸縮応力の伝達は弱くて、スライドで
きる構成)が行われている。なお、薄板8a〜8eは、
すべて透明板とすることもでき、その表面を艶消(つや
けし)仕上とすることもできる。
【0043】図5において、薄板8dは、支持手段10
に設けられた溝12dのうち、対向する二辺に差込口1
3が設けられていて、点線で示した薄板8d’の様に、
尺取虫状にして、差し込まれるようになっている。ま
た、薄板8b〜8dは、直接に手が触れないので、その
厚さが0.13〜0.25mmであるが、薄板8a、8
eは、拭き掃除ができる様に、その厚さが0.25〜
0.5mmとなっている。
【0044】図5において、本例の多層ユニット板8の
拡大断面は、左右対称になっていないが、勿論、対称と
することもできる。また、クッション材9は、弾性体で
ありながら、気密材、断熱材となっている不織布等で作
られており、エンドレスに作られていて、ホットメルト
・テープを挟んだ後に、超音波で溶着されている。
【0045】図5において、空気層14a〜14dは、
多層ユニット板8の薄板8a〜8eの面の全体に接して
設けられており、一定の厚さで、斑(むら)なく設けら
れている。また、本例の多層ユニット板8は、アクリ
ル、MS、AS樹脂等で作られており、その透明度は約
92%以上とすることができる。この多層ユニット板8
を模様板とするときには、グラビヤ・オフセット・スク
リーン・熱転写等の印刷が行われる。なお、本例の多層
ユニット板8の重さは、一枚当たり100g内外を標準
としている。
【0046】図6は、図4のC−C断面の前例とは別な
例の拡大断面図であり、多層ユニット板8の周端部を示
す図で、すべての周端部に共通する。図6において、こ
れも全体がプラスチックで作られており、薄板8aと支
持手段10a、及び薄板8eと支持手段10は、射出成
形又は射出圧縮成形によって一体に作られている。そし
て、支持手段10bcも、射出成形又は射出圧縮成形に
よって作られ、支持手段10bcと10には、取付手段
15が設けられており、支持手段10aと10bcとの
ジョイントには、引掛(ひっかけ)手段16が設けられ
ている。支持手段と薄板の可動構成については、一体成
形部分は温度と湿度が伝導して一体に動くため、支持手
段10aと10bc、10bcと10とのジョイント
が、縦又は横に“ずれる”ことによって行われ、薄板8
a、8eの固定状端部接続は、一体成形によって行われ
ている。
【0047】図6において、支持手段10には、溝12
dが設けられており、この溝12dに連なって、薄板8
dの差込口13が設けられている。薄板8dは、尺取虫
状に曲げられて、差込口13から差し込まれ、薄板8
b、8cは、それぞれ支持手段10aと10bc、10
bcと10とのジョイントで形成される溝12b、12
cに嵌め込まれて組み立てられており、薄板8b、8
c、8dの可動構成と固定状端部接続は、これらが溝1
2b、12c、12dに嵌め込まれることによって行わ
れている。また、本例では、クッション材9に、EPD
M(エチレンプロピレンラバー)が使用され、支持手段
10a、10bc、10に、両面粘着テープで接着され
ている。なお、図6も、左右対称になっていないが、こ
れを対称とすることができる。
【0048】図7は、図4のC−C断面の前例とは別な
例の拡大断面図であり、多層ユニット板8の周端部を示
す図で、すべての周端部に共通する。図7において、こ
れも全体がプラスチックで作られており、薄板8aの周
端が冷間加工や高周波加工や超音波加工によって折り曲
げられている。薄板8aは、支持手段10に超音波によ
る点接合11が行われた後に、接着剤による点接合18
が行われ、仮止接合と耐久接合とが併用されて、支持手
段10の可動構成、及び薄板8aの可動構成と固定状端
部接続が行われている。
【0049】図7において、薄板8eと支持手段10
は、頭(傘)形状が星形を成す貫通材17が超音波によ
ってインサートされて、支持手段10の可動構成と、薄
板8eの可動構成及び固定状端部接続が行われている。
このため、出来上がった多層ユニット板8の薄板8eに
は、小さな星形の貫通材17の頭が一定の間隔で並んで
いる。本例では、取付手段15は、薄板8eの延長とし
て設けられており、支持手段10には、弾性材であり、
断熱材であり、気密材であるエラストマーが使用されて
いる。また、支持手段10は、図7の断面拡大図の紙面
と垂直の方向に、不連続となっていて、これによって
も、支持手段10と薄板8a〜8eの可動構成が行われ
ている。なお、本例の図7も、左右対称になっていない
が、これを対称とすることができる。
【0050】図8は、図4のC−C断面の前例とは別な
例の拡大断面図であって、これも多層ユニット板8の周
端部を示す図で、すべての周端部に共通する。図8にお
いて、本例も全体がプラスチック製であり、薄板8aと
支持手段10は、連結材19によって連結されている。
この連結材19は、厚さが0.2mm程度であるため、
連結材19側から、超音波による伝達点接合11を行う
と、強固な接合が行われるうえ、薄板8aに傷を付けず
に接合することができ、支持手段10の可動構成、及び
薄板8aの可動構成と固定状端部接続が行われる。薄板
8fと支持手段10は、超音波点接合11が行われた後
に、接着剤18が注入されて、点接合が行われ、接着面
には滞留孔20が設けられていて、強力な接着が行われ
るとともに、支持手段10の可動構成、及び薄板8fの
可動構成と固定状端部接続が行われている。支持手段1
0は、これを軽くするために、抉(えぐ)って薄手に作
られており、また、薄板8b〜8eは、溝12a〜12
eに嵌め込まれている。なお、本図の図8も、左右対称
になっていないが、対称とすることができる。
【0051】図9は、図8のD−D視図であり、クッシ
ョン材のない状態で、支持手段10を視ており、支持手
段10が不連続であることを示している。これによっ
て、支持手段10に温度差があり、薄板8a〜8fに温
度差があっても、その伸縮量の違いは、この不連続部分
で吸収される。これにより、支持手段10と薄板8a〜
8fとの接合部分は、薄板8a〜8fの固定状端部接続
が維持されながら、この接合部分と支持手段10と薄板
8a〜8fとは一体となって、該薄板と同一平面上の縦
横に動く可動構成が行われ、多層ユニット板の変形が防
止されている。各支持手段10の間の隙間の寸法は、必
要に応じて設定される。
【0052】図10は、図4のC−C断面の前例とは別
な例の拡大断面図で、多層ユニット板8の周端部を示す
図であり、すべての周端部に共通する。図10におい
て、薄板8a〜8fは、プラスチック製であるが、支持
手段10は、プラスチック、紙、又は布で作られてい
て、薄板8b、8cに沿って、滞留孔20が、一定の間
隔で設けられている。ここに、光硬化性の接着剤が注入
され、これを短時間で硬化させている。また、薄板8
a、8fと支持手段10は、仮止接合と耐久接合が併用
されており、薄板8d、8eと支持手段10は、溝12
d、12eに嵌め込まれている。さらに、本例の支持手
段10も、不連続に作られており、こうして、支持手段
10と薄板8a〜8fの可動構成と、薄板8a〜8fの
固定状端部接続が行われている。本例のクッション材9
は、不織布で作られていて、弾力性の大きい材料が使用
されており、クッション材9と支持手段10は、アクリ
ル系の粘着剤で接着され、その耐候性を得ている。な
お、本例の図10も、左右対称となっていないが、対称
とすることができる。
【0053】図11は、図4のC−C断面の前例とは別
な例の拡大断面図で、多層ユニット板8の周端部を示
し、すべての周端部に共通している。図11において、
本例の薄板8a〜8fもプラスチック製であり、支持手
段10、10’、10”は、木、紙、布、又は糸で作ら
れ、或いは、これらがラミネートされている。図11の
右半分の構成において、支持手段10、10”を木材と
するときは、支持手段10は、その繊維方向を図11の
紙面と平行にし、支持手段10”は、その繊維方向を図
11の紙面に垂直にしたラミネート板(合板)とするの
が望ましい。このとき、薄板8aと支持手段10”との
間には、接着剤18が注入され、点接合が行われてい
る。木材とプラスチック板とを超音波接合する場合は、
予め木材の方に、接着剤を浸透させておくとよい。本例
の支持手段10、10’、10”も、不連続に作られて
いるため、支持手段10、10’、10”と薄板8a〜
8fとの接合部分は、薄板8a〜8fの固定状端部接続
が維持されながら、支持手段10、10’、10”及び
薄板8a〜8f共に動く可動構成が行われている。図
11も、左右対称となっていないが、これを対称とする
ことができる。
【0054】図12は、断熱遮音板2が、断熱遮音障子
1の組子6、7に配設されている場合の拡大断面図で、
着脱手段を示している。図12において、本例は、薄板
多層ユニット板8に板ガラス8’がラミネートされてい
る断熱遮音板2と、薄板多層ユニット板8にガラス製の
非多層ユニット板8”が添えられている断熱遮音板2が
配設されている。そして、これらの断熱遮音板2の薄板
8aに連関して、取付手段15が設けられており、これ
と取付具21によって着脱手段を形成している。
【0055】図12において、取付具21の定着部分に
は、昆虫針状釘が設けられ、これに、一発定着可能な、
目の荒い木ネジ23が設けられている。また、着脱部分
には、取付手段15を着脱して、断熱遮音板2を着脱す
るボルト部24が設けられ、ドライバーによって着脱さ
れる。この取付具21は、柔らかいクッション材9を押
し退けて何処にでも設置できるため、組子6、7と断熱
遮音板2とを気密装着することができる。これにより、
組子6、7と断熱遮音板2との間に埃が溜まらないう
え、障子全体を気密構造とすることができる。本例は、
薄板と支持手段との接続部分の固定状態が維持されなが
ら、断熱遮音板2と組子6、7の接触面(室内側)は、
縦にも横にもスライドして動き、薄板8aと取付手段1
5との接触面(室外側)も、薄板と支持手段の伸縮量に
応じて、スライドして動く。これにより、薄板と支持手
段の可動構成が可能となり、断熱遮音板2の無強制応力
状態の配設が可能となる。このとき、室内側は一年中冷
暖房されていれば動かないが、室外側は気温や湿度の変
化に伴って動く。また、図12において、支持手段1
0、クッション材9、及び取付具21は、いずれも、組
子6、7の背後に隠れているため、骨組(図1の框3、
4、5と、組子6、7)の間を隈無く明るくすることが
できる。
【0056】図13は、断熱遮音板2(薄板多層ユニッ
ト板8)が断熱遮音障子1の組子6、7に配設されてい
る場合の前例とは別の拡大断面図で、着脱手段を示して
いる。図13において、本例では、支持手段10に連関
して、取付手段15が設けられており、この取付手段1
5は、薄板多層ユニット板8の両側に設けられているた
め、この薄板多層ユニット板8は、ひっくり返して使用
することができる。本例は、取付手段15も、ボルト部
24も、外からは全く見えないようになっている。
【0057】図13において、取付具21には、筒状ワ
ッシャー22が設けられており、これに開いた「バネ足
26」が設けられていて、取付手段15と連係してい
る。このため、断熱遮音板2の伸縮に対するスライディ
ング(可動構成)が、容易に行われる。この筒状ワッシ
ャー22には、横上方に伸びた「リブ27」も設けられ
ている。取付具21の定着部分は、昆虫針状釘であり、
目の荒い木ネジ23が設けられていて、この着脱は、木
ネジ23と一体のボルト部24から、ドライバーによっ
て行われる。木ネジ23が定着する部分(組子6、7)
の雌ネジ25は、接着剤(シアノアクリレート系)で形
成され、又は接着剤を浸透させて、補強されている。な
お、本例では、クッション材9の外側に、寸法調節能力
を大きくするため、気密性・断熱性の「パッキング材2
8」が添えられている。
【0058】図14は、図13の取付具21をE−E側
から視た視図であり、取付具21の側面を示している。
図14において、横上方に伸びた「リブ27」は、筒状
ワッシャー22の回転防止と、取付具21全体の垂直定
着、及び取外しを容易にする。
【0059】図15は、断熱遮音板2(薄板多層ユニッ
ト板8)が、断熱遮音障子1の組子6、7に配設されて
いる場合の前例とは別の拡大断面図で、これも着脱手段
を示している。図15において、本例も、支持手段10
に連関して、取付手段15が設けられており、この取付
手段15も、多層ユニット板8の両側に設けられている
ため、この薄板多層ユニット板8は、どちらの面も、
障子の表側にして使用することができる。本例も、取付
手段15、及びボルト部24を含む着脱手段は、外から
は全く見えないようになっている。
【0060】図15において、取付具21には、筒状ワ
ッシャー22が設けられており、これに開いた「バネ足
26」が設けられていて、取付手段15と連係してい
る。従って、断熱遮音板2の伸縮を吸収するスライディ
ング(可動構成)が、自由に行われる。取付具21の定
着部分は、昆虫針状釘であり、目の荒い木ネジ23が設
けられている。この着脱は、筒状ワッシャー22とも分
離し、木ネジ23とも分離するボルト部24を、ドライ
バーで回転して行われる。なお、この取付具21は、専
用の組立工具(図示しない)によって設置され、薄板多
層ユニット板8の着脱は、木ネジ23を固定した儘で、
ボルト部24を回転して、このボルト部24と筒状ワッ
シャー22を取り外すことで行われる。
【0061】図16は、図1〜図3の障子を連続的に使
用したときのA−A断面を拡大した断面図で、二つの断
熱遮音障子1が引違障子として使用されている。図16
において、断熱遮音板2(薄板多層ユニット板に、非
多層ユニット板8”が添えられたもの)は、縦框3と縦
組子6に、取付具21(図示しない)を定着して、取り
付けられている。縦框3に設けられている「片側欠込部
29」は、縦框3の内側から、縦組子6の見付寸法の半
分以上の欠込寸法で欠き込まれ、かつ、縦框3の裏側か
ら、着脱手段が断熱遮音板2よりも突出する寸法と
熱遮音板2の合計厚さとを加えた寸法で欠き込まれてい
る。
【0062】図16において、縦框3の戸当面に設けら
れているクッション材30は、バックアップ材31が設
けられている溝12内に嵌め込まれている。このとき、
バックアップ材31の厚さを変えることによって、クッ
ション材30の縦框3からの突出寸法も変えることがで
きる。本例では、クッション材30は、EPDM製のス
ポンジが使用されている。
【0063】図16において、縦框3(二つの障子1が
重なる部分の縦框3=出合框)の出合面にも、クッショ
ン材32が設けられており、本例では、刷毛状のクッシ
ョン材が使用されている。このクッション材32も、溝
に嵌め込むことができる。また、この縦框3には、戸当
面と出合面とを締め付ける締付手段33が設けられてい
る。本例では、この締付手段33に“ネジ締”が使用さ
れているが、これを永久磁石とすることもできる。これ
によって、断熱遮音障子1の気密性が増大し、断熱性と
遮音性を向上することができる。
【0064】図17は、図1〜図3のB−B断面の拡大
断面図を示している。図17において、断熱遮音板2
(薄板多層ユニット板8に、非多層ユニット板8”が添
えられたもの)は、下框4、上框5、及び横組子7に、
取付具21(図示しない)を定着して、取り付けられて
いる。また、下框4と上框5には、「片側欠込部29」
が設けられ、ここに取付具21(図示しない)を定着し
て、取り付けられる。
【0065】図17において、下框4の鉛直分離部34
は、敷居の溝(図示しない)に入る厚さと、残りの厚さ
とを分離しており、鉛直分割分離部35は、鉛直分離部
34によって分離された部分を、さらに、分割してい
る。これらの分離分割によって出来る薄い板状部分を、
市販のカッター等で段階的にカットすることによって、
誰にでも、容易に障子の丈を調節することができる。こ
のことは、上框5についても同様である。
【0066】図18は、図16のF−F視図であり、障
子の骨組の組立図を示している。図18において、縦框
には、横組子7の▲ほぞ▼(ほぞ)36と、上框の▲ほ
ぞ▼37が差し込まれて、仕口が作られており、これに
緊結材38、39が設けられている。これらを組み立て
る時には、▲ほぞ▼36、37に接着剤が施されて、差
し込まれた後、緊結材のボルト部38が、緊結材の定着
部39(逆目ナット)に捻じ込まれて組み立てられる。
【0067】図19は、支持手段のバイメタル状変形を
示す状態図で、薄板多層ユニット板8の側面図であり、
支持手段10が現れている状態を示している。図19に
おいて、図の左側よりも、右側の方が温度が高くなる
と、右側の方が膨脹して、多層ユニット板8全体が、バ
イメタル状変形線40の様に曲がる。本発明では、これ
を防ぐため、薄板と支持手段10との接続部分の固定状
態は維持されながら、これらが共に動く可動構成となっ
ている。
【0068】図20は、ガラス面に接する薄板の“膨ら
んだ加工”を示す状態図で、薄板多層ユニット板8の全
体断面図である。図20において、多層ユニット板8の
ガラスに接する薄板8aは、予め、点線で示された薄板
8a’の様に、ガラス41に接する側に“膨らんだ加
工”をしておくことにより、この薄板8aとガラス41
との間が密着し、ここに湿った空気が侵入しなくなるた
め、結露を防止することができる。
【0069】図21は、薄板周端の固定状端部接続、及
び薄板と支持手段の可動構成の説明図で、薄板多層ユニ
ット板8の全体断面図である。図21において、本発明
の断熱遮音障子を外壁の窓に使用する場合、室内が冷暖
房されていると、室内側の薄板8aは伸縮しないが、薄
板8b〜8fが外側になる程、伸縮量は大きくなる。薄
板多層ユニット板8が、アクリル樹脂で、薄板8fの冬
と夏との温度差が70℃(−15℃〜55℃)のとき、
辺の長さ1m当たり、5.117mm伸縮する。このと
き、空気層14a〜14eの空気の温度は、段階的に異
なってくる。接続部分42は、薄板8b〜8fについ
て、それぞれ対向する辺の間で、伸びたり縮んだりする
ため、図21の紙面に垂直な方向にも伸縮する。すなわ
ち、薄板8b〜8fの面と平行な面について、縦にも横
にも伸縮する。可動構成は、季節の変化によって、多層
ユニット板8全体が、曲がったり、波を打ったりしない
程度であることが必要である。本発明では、接続部分4
2の固定状端部接続は維持されながら、点線の様に可動
(多層ユニット板8の大きさに対して、約0.5%程度
可動)する構成が行われて、多層ユニット板8の変形が
防止されている。
【0070】本発明のユニット板は、炭素と水素と酸素
で出来ている樹脂や、ガラスで作られているため、燃焼
時に、有毒ガスを発生することもなく、また、古いユニ
ット板と新しいユニット板とを、消費者と生産者との間
で、簡単に交換することができるため、リサイクルが容
易になる。
【0071】
【発明の効果】本発明の断熱遮音障子は、紙のように薄
い“薄板”を構成要素としたユニット板によって多層化
された断熱遮音板を使用しながら、簡単に拭き掃除がで
きるうえ、季節の変化によって、全体が曲がったり、薄
板が波を打ったりしない構成とすることができる。ま
た、ユニット板の空気層が障子の骨組の間に斑(むら)
なく設けられていて、骨組の間全体を一様に明るくする
ことができるため、断熱遮音板の薄板内部や内側薄板
に、特殊な意匠を施すことができるようになり、独特の
インテリア性を得ることができる。
【0072】また、本発明の断熱遮音障子では、その框
に“片側欠込部”が形成されているため、全厚の厚い断
熱遮音板を使用することができる。これと薄板構成とが
両々合俟って、多層化が容易になるため、軽くても、透
明な布団を何枚も重ねたように、簡単に高い断熱性と遮
音性(熱貫流率K=1.8〜0.2kcal/m・h
r・℃、音響透過損失32〜40デシベルA)を得るこ
とができるとともに、各層の間の温度差が少なくなり、
結露を防止することができる。
【0073】さらに、本発明の多層薄板ユニット板には
“取付手段”が設けられているため、これに独自の取付
具を使用して、容易に密着装着することができ、障子の
骨組と断熱遮音板との間に、埃が溜まらない構成とする
ことができるとともに、誰でも、手軽にユニット板を取
り替えることができ、障子全体を高気密化しながら、組
立効率を飛躍的に増大することができる。また、本発明
は、上下框が分離されているため、この分離された部分
を、カッター等で段階的にカットして、容易に障子の丈
を調節することができる。
【0074】さらに、本発明は、ユニット式であり、ユ
ニット板を独自の大きさとすることにより、僅かな種類
の大きさによって、一般に使用されるすべての断熱遮音
障子が組み立てられるとともに、低廉に大量生産ができ
るうえ、取扱・運搬・保管も簡単になる。また、ユニッ
ト板を耐水性・耐油性とすることができるため、これを
キッチンや浴室にも使用して、長年の使用に耐えること
ができる。
【0075】住まい全体が何枚もの布団ですっぽりと包
まれたように、遮音性や断熱性を向上すれば、室内は静
かになり、外気の寒さや暑さに左右されなくなる。本発
明は、従来達成できなかった開口部の高性能化を実現
し、これにより、冬は、人体や電化製品等から発生する
生活熱だけで暖かくなり、特に暖房しなくても過ごせる
ようになるとともに、夏は室内で発生する熱や水分を除
去するだけで済む自然冷房が可能となり、遮音性を向上
しながら、断熱性を高めて、結露を防止する軽量断熱遮
音障子を提供することにより、快適健康生活と省エネを
両立して、ピーク時の電力や化石燃料を節約し、温暖化
や酸性雨の低減にも貢献することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】ユニット式組立軽量断熱遮音障子(荒間障子)
の正面図
【図2】ユニット式組立軽量断熱遮音障子(横組障子)
の正面図
【図3】ユニット式組立軽量断熱遮音障子(横組障子)
の正面図
【図4】薄板多層ユニット板の正面図
【図5】図4のC−C断面の拡大断面図
【図6】図4のC−C断面の拡大断面図
【図7】図4のC−C断面の拡大断面図
【図8】図4のC−C断面の拡大断面図
【図9】図8のD−D視図
【図10】図4のC−C断面の拡大断面図
【図11】図4のC−C断面の拡大断面図
【図12】着脱手段の拡大断面図
【図13】着脱手段の拡大断面図
【図14】図13のE−E視図
【図15】着脱手段の拡大断面図
【図16】連続使用状態におけるA−A断面の拡大断面
【図17】B−B断面の拡大断面図
【図18】図16のF−F視図(障子の骨組の組立図)
【図19】支持手段のバイメタル状変形を示す状態図
【図20】ガラス面に接する薄板の“膨らんだ加工”を
示す状態図
【図21】薄板周端の固定状端部接続及び薄板と支持手
段の可動構成の説明図
【符号の説明】 1:ユニット式組立軽量断熱遮音障
子、2:断熱遮音板、3:縦框、4:下框、5:上框、
6:縦組子、7:横組子、8:薄板多層ユニット板、8
a〜8f:薄板、8’:板ガラス、8”:非多層ユニッ
ト板、9:クッション材、10:支持手段、11:超音
波による点接合、12:溝、13:差込口、14:空気
層、15:取付手段、16:引掛手段、17:貫通材、
18:接着剤による点接合、19:連結材、20:滞留
孔、21:取付具、22:筒状のワッシャー、23:木
ネジ、24:ボルト部、25:雌ネジ、26:バネ足、
27:リブ、28:パッキング材、29:片側欠込部、
30:戸当面クッション材、31:バックアップ材、3
2:出合面クッション材、33:締付手段、34:鉛直
分離部、35:鉛直分割分離部、36:組子の▲ほぞ
、37:框の▲ほぞ▼、38:緊結材のボルト部、3
9:緊結材の定着部、40:バイメタル状変形線、4
1:ガラス、42:接続部分。

Claims (45)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建物等の開口部に使用され、熱損失低減部
    分、結露防止部分、及び騒音低減部分に使用される仕切
    戸及び固定戸を含む軽量断熱遮音障子であって、該障子
    には、複数のユニット板によって、多層化された断熱遮
    音板が形成されていて、該ユニット板は、その一つ一つ
    が持ち運び可能であり、 該ユニット板の一つ以上は、光を透過する一枚以上の紙
    のように薄い“薄板”が構成要素となっており、 該断熱遮音板の表面を構成する構成板のうち、少なくと
    も、その片面は、該障子の骨組と接して設けられてい
    て、該障子の骨組との間が、埃の溜まらない密着構成と
    なっているとともに、 該薄板の面に接して、該ユニット板の面と平行に、周囲
    の仕切られた空気層が設けられているうえ、 該薄板の面と垂直方向に、該薄板を支持し、該薄板の
    “たわみ”を減少しながら、該空気層を仕切る支持手段
    が設けられており、 該障子の骨組と骨組との間は、その全範囲に、該空気層
    が斑(むら)なく設けられているとともに、 該空気層には、該空気層の空気の温度変化による膨張と
    収縮に基づく圧力差を調節して、該薄板の“たわみ”を
    防止する圧力調節孔が設けられ、季節の変化に基づく湿
    度差を調節して、該断熱遮音板内での結露を防止する湿
    度調節孔が設けられていて、これら調節孔は、該空気層
    の空気と該断熱遮音板外の空気とが徐々に流通する連通
    孔となっているうえ、 該支持手段と該薄板は、該支持手段の温度と湿度の違い
    によるバイメタル状の変形が防止され、該薄板の温度と
    湿度の違いによる伸縮変形が防止されて、該ユニット板
    全体の変形が防止される可動構成又は膨張率低減加工と
    なっており、 該断熱遮音板の表面に露出する薄板の周端は、該薄板
    の“たわみ”を減少し、該薄板の清掃を可能とする“固
    定状端部接続(該薄板を含む該支持手段の横断 面方向に
    おいて、該薄板の曲応力が該支持手段に伝達できる接
    続)”となっているとともに、 該支持手段又は該薄板に連関して、該ユニット板を取り
    付ける“取付手段”が設けられ、該取付手段と取付具
    によって、該ユニット板の変形防止と密着装着をも可能
    とする着脱手段が形成されて、該ユニット板が配設され
    ているうえ、 該薄板による多層ユニット板の外周を包囲して、該障子
    と該ユニット板との温度と湿度に対する膨張率の違いに
    よる伸縮量の違い、及びこれらの製造上の寸法の誤差
    が、該ユニット板毎に調節され、着脱手段の設置空間を
    も提供する弾力性と厚さをもつ気密性及び断熱性のクッ
    ション材が設けられており、 該ユニット板は、その面と平行な方向に、無強制応力状
    態で配設されていて、該ユニット板の伸縮による変形が
    防止されていることを特徴とするユニット式組立軽量断
    熱遮音障子。
  2. 【請求項2】薄板による多層ユニット板は、これを構成
    する構成板のすべてが、プラスチック製であって、厚さ
    1.2mm以下の薄板で構成され、該薄板の全光線透過
    率が30%以上である請求項1に記載のユニット式組立
    軽量断熱遮音障子。
  3. 【請求項3】ユニット板は、常温における平面的有効寸
    法が、縦框と横框と組子とで構成される3尺×6尺の障
    子を24等分にした大きさである請求項1に記載のユニ
    ット式組立軽量断熱遮音障子。
  4. 【請求項4】和室用の横組障子に使用されるユニット板
    の基本寸法は、常温における平面的な有効寸法として、
    短辺が138±12mmであり、長辺が420±24m
    m、408±24mm、又は309±24mmの四辺形
    である請求項1に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障
    子。
  5. 【請求項5】和室用の荒間障子に使用されるユニット板
    の基本寸法は、常温における平面的な有効寸法として、
    長辺が276±24mmであり、短辺が210±12m
    m、206±12mm、又は204±12mmの四辺形
    である請求項1に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障
    子。
  6. 【請求項6】洋室用の荒間障子に使用されるユニット板
    の基本寸法は、常温における平面的な有効寸法として、
    長辺が276±24mmであり、短辺が200±12m
    m、194±12mm、又は182±12mmの四辺形
    である請求項1に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障
    子。
  7. 【請求項7】支持手段が、プラスチック、木、紙、布、
    糸、及びこれらのラミネート材のうちの一以上である請
    求項1に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障子。
  8. 【請求項8】支持手段のジョイントに、引掛(ひっかか
    り)手段が設けられている請求項1に記載のユニット式
    組立軽量断熱遮音障子。
  9. 【請求項9】支持手段が、弾性材、断熱材、及び気密材
    のうちの一以上である請求項1に記載のユニット式組立
    軽量断熱遮音障子。
  10. 【請求項10】支持手段と薄板の可動構成は、該支持手
    段が、溝に嵌め込まれている請求項1に記載のユニット
    式組立軽量断熱遮音障子。
  11. 【請求項11】支持手段と薄板の可動構成は、該支持手
    段が、該薄板の面と垂直な該支持手段の面において、縦
    方向又は横方向に、全体的に不連続、又は部分的に不連
    続となっている請求項1に記載のユニット式組立軽量断
    熱遮音障子。
  12. 【請求項12】支持手段と薄板の可動構成は、該支持手
    段が、該薄板の面と平行な方向で、かつ、縦又は横に
    “ずれる”ことによって行われている請求項1に記載の
    ユニット式組立軽量断熱遮音障子。
  13. 【請求項13】支持手段と薄板の可動構成、及び薄板周
    端の固定状端部接続は、該支持手段と該薄板とが“点接
    合”されている請求項1に記載のユニット式組立軽量断
    熱遮音障子。
  14. 【請求項14】支持手段と薄板の可動構成、及び薄板周
    端の固定状端部接続は、該支持手段と該薄板との接合面
    に連なって、接着剤又は弾性シーリング材を溜める“滞
    留孔”が設けられている請求項1に記載されたユニット
    式組立軽量断熱遮音障子。
  15. 【請求項15】支持手段と薄板の可動構成、及び薄板周
    端の固定状端部接続は、該支持手段、又は該薄板が、一
    回以上、曲げられている請求項1に記載のユニット式組
    立軽量断熱遮音障子。
  16. 【請求項16】支持手段と薄板の可動構成、及び薄板周
    端の固定状端部接続は、該支持手段と該薄板とが、これ
    らのいずれにも超音波接合可能な“連結材”によって連
    結されている請求項1に記載のユニット式組立軽量断熱
    遮音障子。
  17. 【請求項17】薄板の可動構成、及び薄板周端の固定状
    端部接続は、該薄板の周端が溝に嵌め込まれている請求
    項1に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障子。
  18. 【請求項18】薄板と支持手段とが、一体成形加工され
    ている請求項1に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障
    子。
  19. 【請求項19】クッション材が、輪ゴムのような“エン
    ドレス”になっている請求項1に記載のユニット式組立
    軽量断熱遮音障子。
  20. 【請求項20】薄板は、樹脂と樹脂、又はガラスと樹脂
    とが伸縮吸収複合(複合材の最も剛性の大きい構成材
    に、これと同一の伸縮ができる構成材がラミネートされ
    た複合)されている請求項1に記載のユニット式組立軽
    量断熱遮音障子。
  21. 【請求項21】ユニット板に、熱線反射加工、又は紫外
    線遮断加工が施されている請求項1に記載のユニット式
    組立軽量断熱遮音障子。
  22. 【請求項22】ユニット板に、所定の絵図が描かれてい
    る請求項1に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障子。
  23. 【請求項23】ユニット板に、きらめく細粒粉体が散り
    ばめられている請求項1に記載のユニット式組立軽量断
    熱遮音障子。
  24. 【請求項24】所定の絵図、又はきらめく細粒粉体が、
    薄板の内部、又は障子の断熱遮音板を構成する薄板のう
    ちの内部の薄板に施されている請求項22又は同23に
    記載のユニット式組立軽量断熱遮音障子。
  25. 【請求項25】ユニット板は、障子の框の内側から、該
    障子の組子の見付寸法の半分以上の欠込寸法で欠き込ま
    れ、該框の裏側から、着脱手段が断熱遮音板よりも突出
    する寸法と、該断熱遮音板の合計厚さとを加えた寸法で
    欠き込まれた“片側欠込部”に配設され、該片側欠込部
    と該組子の裏側とに取付具が定着されて、該ユニット板
    が配設されている請求項1に記載のユニット式組立軽量
    断熱遮音障子。
  26. 【請求項26】取付具が定着する障子部分に、雌ネジが
    形成されていて、該雌ネジは、接着剤で形成され、又は
    接着剤で補強されている請求項1に記載のユニット式組
    立軽量断熱障子。
  27. 【請求項27】取付具が、一発定着可能な、木ネジ、ス
    クリュー鋲、又は昆虫針状釘で定着している請求項1に
    記載のユニット式組立軽量断熱遮音障子。
  28. 【請求項28】取付具は、その中間で、定着部と分離し
    て、ユニット板を着脱できる請求項1に記載のユニット
    式組立軽量断熱遮音障子。
  29. 【請求項29】取付具に、筒状ワッシャーが設けられて
    おり、該筒状ワッシャーには、開いた“バネ足”が設け
    られていて、ユニット板の取付手段と連係する請求項1
    に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障子。
  30. 【請求項30】取付具に、筒状ワッシャーが設けられて
    おり、該ワッシャーに、横上方に伸びた“リブ”が設け
    られていて、該ワッシャーの回転防止と、該取付具の垂
    直定着を可能とする請求項1に記載のユニット式組立軽
    量断熱遮音障子。
  31. 【請求項31】障子の縦框の戸当面に、気密性及び断熱
    性のクッション材が設けられている請求項1に記載のユ
    ニット式組立軽量断熱遮音障子。
  32. 【請求項32】障子の縦框の出合面(他の障子と重なる
    縦框の向かい合う面)に、気密性及び断熱性のクッショ
    ン材が設けられている請求項1に記載のユニット式組立
    軽量断熱遮音障子。
  33. 【請求項33】縦框に、クッション材の一部を嵌め込む
    溝が設けられている請求項31又は同32に記載のユニ
    ット式組立軽量断熱遮音障子。
  34. 【請求項34】障子の出合框(他の障子と重なる縦框)
    に、縦框の出合面と戸当面とを締め付ける、締付手段が
    設けられている請求項31又は同32に記載されたユニ
    ット式組立軽量断熱遮音障子。
  35. 【請求項35】締付手段が、永久磁石又は“ネジ締”で
    ある請求項34に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障
    子。
  36. 【請求項36】障子の下框又は上框は、敷居又は鴨居の
    溝に入る厚さと、残りの厚さとが、障子の面と平行な面
    で分離され、これらが複数に分離されていて、該分離さ
    れた部分が段階的にカットされて、障子の丈が調節され
    る“調節框”となっている請求項1に記載のユニット式
    組立軽量断熱遮音障子。
  37. 【請求項37】障子の縦框と、下框又は上框との仕口
    (しくち)は、▲ほぞ▼(ほぞ)と共に、緊結材が設け
    られ、該緊結材が締め付けられて組み立てられている請
    求項1に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障子。
  38. 【請求項38】接合又は接着が、シアノアクリレート
    系、アクリル系、酢酸ビニル系、又はエポキシ系の粘着
    剤又は光硬化性のものを含む接着剤、弾性シーリング
    材、又は超音波による貫通材のインサート又は伝達溶着
    である請求項1に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障
    子。
  39. 【請求項39】建物等の開口部に使用され、熱損失低減
    部分、結露防止部分、及び騒音低減部分に使用される仕
    切戸及び固定戸を含む軽量断熱遮音障子であって、 該障子には、複数のユニット板によって、多層化された
    断熱遮音板が形成されていて、該ユニット板は、その一
    つ一つが持ち運び可能であり、 該ユニット板の一つ以上は、光を透過する一枚以上の紙
    のように薄い“薄板”が構成要素となっており、 該断熱遮音板の表面を構成する構成板のうち、少なくと
    も、その片面は、該障子の骨組と接して設けられてい
    て、該障子の骨組との間が、埃の溜まらない密着構成と
    なっているとともに、 該薄板の面に接して、該ユニット板の面と平行に、周囲
    の仕切られた空気層が設けられているうえ、 該薄板の面と垂直方向に、該薄板を支持し、該薄板の
    “たわみ”を減少しながら、該空気層を仕切る支持手段
    が設けられており、 該障子の骨組と骨組との間は、その全範囲に、該空気層
    が斑(むら)なく設けられているとともに、 該空気層には、該空気層の空気の温度変化による膨張と
    収縮に基づく圧力差を調節して、該薄板の“たわみ”を
    防止する圧力調節孔が設けられ、季節の変化に基づく湿
    度差を調節して、該断熱遮音板内での結露を防止する湿
    度調節孔が設けられていて、これら調節孔は、該空気層
    の空気と該断熱遮音板外の空気とが徐々に流通する連通
    孔となっているうえ、 該支持手段と該薄板は、該支持手段の温度と湿度の違い
    によるバイメタル状の変形が防止され、該薄板の温度と
    湿度の違いによる伸縮変形が防止されて、該ユニット板
    全体の変形が防止される可動構成又は膨張率低減加工と
    なっており、 該断熱遮音板の表面に露出する薄板の周端は、該薄板
    の“たわみ”を減少し、該薄板の清掃を可能とする“固
    定状端部接続”となっているとともに、 該支持手段又は該薄板に連関して、該ユニット板を取り
    付ける“取付手段”が設けられ、該取付手段と取付具
    によって、該ユニット板の変形防止と密着装着をも可能
    とする着脱手段が形成されて、該ユニット板が配設され
    ているうえ、 該薄板による多層ユニット板の外周を包囲して、該障子
    と該ユニット板との温度と湿度に対する膨張率の違いに
    よる伸縮量の違い、及びこれらの製造上の寸法の誤差
    が、該ユニット板毎に調節され、着脱手段の設置空間を
    も提供する弾力性と厚さをもつ気密性及び断熱性のクッ
    ション材が設けられており、 該ユニット板は、その面と平行な方向に、無強制応力状
    態で配設されていて、該ユニット板の伸縮による変形が
    防止されているユニット式組立軽量断熱遮音障子におい
    て、 該複数のユニット板を、平面的に、一列に配設し、又は
    複数列に重ねて配設するとともに、該薄板による多層ユ
    ニット板の外周を包囲するクッション材よりも外側に、
    該取付具を定着して、すべての該ユニット板の一つ一つ
    を着脱自在に配設し、各種大きさの障子を構成する工程
    を備えたユニット式組立軽量断熱遮音障子の製造方法。
  40. 【請求項40】薄板による多層ユニット板の外周を包囲
    するクッション材に添えて、気密性及び断熱性の“パッ
    キング材”を設けて、該多層ユニット板を配設すること
    によって、さらに大きく、該多層ユニット板の寸法調節
    を行う工程を備えた請求項39に記載のユニット式組立
    軽量断熱遮音障子の製造方法。
  41. 【請求項41】ユニット板の接合が、仮止接合(簡易な
    位置決め接合)耐久接合(強度が持続できる接合)
    が併用されて、ハイスピード(作業能率のよい)恒久接
    (持続的使用可能な接合)が行われる工程を備えた請
    求項39に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障子の製
    造方法。
  42. 【請求項42】仮止接合と耐久接合は、ホットメルト樹
    脂、弾性シーリング材、超音波による伝達溶着、いずれ
    にも接着可能な接着剤、両面粘着テープ、いずれにも超
    音波接合可能な連結材、及び頭(傘)形状が星形を成す
    貫通材のインサートによる接合によって、簡単接合(簡
    易迅速な位置決め接合)と、強固接合(長期形状維持接
    合)を行う工程を備えた請求項41に記載のユニット式
    組立軽量断熱遮音障子の製造方法。
  43. 【請求項43】薄板による多層ユニット板の内側薄板
    は、該内側薄板を嵌め込む支持手段の溝に連なる“差込
    口”を設けて、この差込口から、尺取虫状に曲げた状態
    で差し込む工程(図5の8d’のように、該薄板の中央
    を曲げながら、該薄板の4つの角を該差込口から該溝内
    に挿入し、次の工程で、該薄板の中央を徐々に伸ばしな
    がら、該薄板の該溝内への挿入を完了する工程)を備え
    た請求項39に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障子
    の製造方法。
  44. 【請求項44】ガラス面に接する断熱遮音板の薄板は、
    該ガラス面に接する前の状態で、該薄板の中央が、該接
    するガラス面の側に“膨らんだ加工”とし、これを該ガ
    ラス面と接して装着することによって、該ガラスと密着
    せしめ、該ガラスとの間への空気の侵入を防止して、該
    ガラスとの間での結露を防止する工程を備えた請求項3
    9に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障子の製造方
    法。
  45. 【請求項45】障子の縦框、下框、上框、縦組子、横組
    子、及びユニット板のうちの一以上を、その製造地か
    ら、分離して搬送した後、組み立てて完成する工程を備
    えた請求項39に記載のユニット式組立軽量断熱遮音障
    子の製造方法。
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