JP2683901B2 - 自動車 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、旅行ケース等大きな荷物を乗員と共に運
搬可能な自動車、詳細には、このような運搬に適するタ
クシーとしての利用可能な自動車にかかる。 （従来の技術） 従来、空港、ホテル、新幹線の停車駅等長距離旅行者
が乗降する場所で、大きな旅行ケースを所持する人がタ
クシーを利用する場合、タクシーの後部ラゲッジスペー
スに二人がかりで、旅行ケースを収納するのをよく見掛
ける。このように、従来いわゆる乗用自動車をもちい
て、旅行ケースのような大きな荷物を、乗員と共に運送
する場合、自動差の後部トランクに収納していた。 他方、いわゆるワゴン型の自動車をこの種のタクシー
に使用し、後部ラゲッジスペースに荷物を収納する例も
知られている （発明が解決しようとする問題点） しかしながら、従来の乗用自動車を用いた場合は、荷
物を自動車後部のラゲッジスペースの開口部まで持ち上
げる必要がある問題点を有する。 ワゴン型の自動車を使用した場合でも、後部の荷物収
納空間の床面まで荷物を持ち上げる必要がある問題点を
有する。 （問題点を解決するための手段） 問題点を解決するため、ボデー内部の乗員搭乗空間内
に設ける前部座席と、前部座席の後方に位置する後部座
席と、前部座席および後部座席の間に設ける荷物収納空
間と、荷物収納空間側部のボデーに設ける荷物収納用ド
アとを有し、荷物収納用ドアが、荷物収納用上部ドアと
荷物収納用下部ドアとからなり、荷物収納用上部ドアは
荷物収納空間側部上部のボデーに設けるヒンジにより取
り付けられ上部ダンパーによって上方に開放され、荷物
収納用下部ドアは荷物収納空間側部下部のボデーに設け
るヒンジにより取り付けられ下部ダンパーおよび荷物収
納用下部ドア開閉リンク機構によって下方へ開閉され、
かつ開放時に荷物収納用下部ドアの内側が荷物搬入用ア
プローチとして形成されるとともに、荷物収納用下部ド
ア開閉リンク機構は、荷物収納用下部ドア閉鎖時に荷物
収納用空間と後部座席との間に自動車ボデー横方向に架
け渡されることを特徴とする自動車を提案する。 （作用） 乗員が携帯する荷物は、荷物収納用ドアから搬入し、
前部座席と、後部座席との間に設ける荷物収納空間に収
納する。一方、乗員は、乗降用ドアから搭乗し、前部座
席、あるいは後部座席に着座する。荷物収納用ドアは、
荷物収納空間側部のボデーに開閉自在に取り付けられて
おり、その開放時に荷物搬入用アプローチが設置される
ため、荷物を持ち上げることなく搬入ができる。 さらに、荷物収納空間側部上部のボデーにヒンジで取
り付けられとダンパーによって開閉するように設ける荷
物収納用上部ドアを上に跳ね上げ、荷物収納空間側部下
部のボデーに下部をヒンジによって取り付けられ下部ド
アリンク機構として開閉し、荷物収納用上部ドアととも
に荷物収納用ドアを構成する荷物収納用下部ドアを下に
押し下げて、荷物収納用ドアをともに開状態をとらせ
る。このとき荷物収納用下部ドアの先端は、地面に接地
する。荷物収納用下部ドアは、内面に荷物搬入用アプロ
ーチを形成しているので荷物を荷物収納用下部ドア接地
端から乗せ、自動車ボデー内部の荷物収納空間まで導き
入れることができる。 ついで、荷物収納用下部ドア、荷物収納用上部ドアを
共に閉じる。荷物収納用下部ドアは、荷物収納用下部ド
ア開閉リンクの作用によって閉状態をとらせるが、閉状
態をとると、荷物収納用下部ドア開閉リンクは、少なく
とも荷物収納空間と後部座席の間に自動車ボデー横方向
に架け渡されるため、搬入収納された荷物の転倒を防止
する。 （実 施 例） この発明にかかる第１実施例の自動車の外側斜視図を
あらわす第１図、同リンク機構末取り付け状態の内部斜
視図をあらわす第２図、同作動状態の外側斜視図をあら
わす第３図、同第１図Ｂ−Ｂ断面図をあらわす第４図、
同リンク機構の作動状態図をあらわす第５図、第６図に
したがって説明する。 （11）は自動車ボデーである。（12）は、自動車ボデ
ー（11）内部の、乗員搭乗空間である。乗員搭乗空間
（12）内には、前部座席（13）を設置する。（14）は、
後部座席であり前部座席（13）の後方に設置する。（1
5）は、荷物収納空間であり、前部座席（12）と、後部
座席（14）との間に設ける。荷物収納空間（15）の下部
には、荷物下部固定部（16）を設置する。荷物下部固定
部（16）は、第２図に示すように、３辺から立設するガ
ード（17）を有する長方形の皿状からなり、ガード（1
7）の非形成部分を一方の自動車ボデー（11）サイド側
に、この実施例では進行方向左側に向けて、乗員搭乗空
間（12）の床面に固定する。 （21）は、前部乗降用ドア、（22）は後部乗降用ドア
であり、それぞれ前側辺に設けるヒンジで前部座席（1
3）、後部座席（14）のサイド側自動車ボデー（11）
に、前側辺に設けるヒンジを固定する。 （23）、（24）は、荷物収納用ドアである。荷物収納
用ドア（23）、（24）は、荷物収納用上部ドア（23）
と、荷物収納用下部ドア（24）とからなる。荷物収納用
上部ドア（23）と、荷物収納用下部ドア（24）とは、荷
物収納空間（15）の側部の自動車ボデー（11）に上下方
向に対抗させてそれぞれドア上部、ドア下部に固定する
ヒンジ（25）で開閉可能に取り付ける。（26）は、荷物
収納用上部ドア（23）と、自動車ボデー（11）とを連結
する上部ドアダンパーである。上部ドアダンパー（26）
は油圧ダンパーであるが、エアダンパーを取り付けても
よい。（27）は、荷物収納用下部ドア（24）の内側に設
ける荷物搬入用アプローチであり、断面凹状に形成し、
開口時に荷物搬入用のガイドの役割を果たす。（31）
は、荷物収納用下部ドア開閉リンク機構である。荷物収
納用下部ドア開閉リンク機構（31）は、３本のリンクす
なわち、リンク（31）ａ、（31）ｂ、（31）ｃ、からな
る。リンク（31）ａは、一端を自動車ボデー（11）の床
面に回動自在に固定する。リンク（31）ａの他端には、
リンク（31）ｂの一端を回動自在に固定する。リンク
（31）ｂの他端には、リンク（31）ｃの一端を回動自在
に固定する。リンク（31）ｃの他端は、荷物収納用下部
ドア（24）の内側上部に固定する。（30）は、下部ダン
パーであり、基部は自動車ボデー（11）の床面に固定
し、先端はリンク（31）ａに固定する。荷物収納用下部
ドア開閉リンク機構（31）は、第６図に示すように２セ
ット設け、それぞれ荷物収納空間（15）と前部座席（1
3）、荷物収納用空間（15）と後部座席（14）との間で
ある境付近に自動車ボデー（11）のサイド方向に架け渡
される。 そこで、乗員が携帯する荷物は、荷物収納用ドア（2
3）、（24）から搬入し、前部座席（13）と、後部座席
（14）との間に設ける荷物収納空間（15）に収納する。
一方、乗員は、乗降用ドア（21）、（22）から搭乗し、
前部座席（12）、あるいは後部座席（14）に着座する。 即ち、荷物収納空間（15）の側部上部の自動車ボデー
（11）に上部をヒンジとして開閉するように設ける荷物
収納用上部ドア（23）を上に跳ね上げる。ついで、荷物
収納空間（15）の側部下部の自動車ボデー（11）に下部
をヒンジとして開閉し、荷物収納用上部ドア（23）とと
もに荷物収納用ドアを構成する荷物収納用下部ドア（2
4）を下に押し下げ、ともに開状態をとらせる。 荷物収納用下部ドア（24）に閉状態を取らせるとき
は、下部ダンパー（30）を最大限に伸張させ、リンク
（31）ａ先端を荷物収納用ドアとは最大限反対側に位置
させ、リンク（31）ｂ、（31）ｃをひくことによって、
荷物収納用下部ドア開閉リンク機構（31）に第５図Ｗ状
態をとらせ、荷物収納用下部ドア（24）を閉じさせてお
く。荷物収納用下部ドア（24）に開状態をとらせるとき
は、下部ダンパー（30）を縮小させ、荷物収納用下部ド
ア開閉リンク機構（31）に第５図に示すように順次、
Ｘ、Ｙ、Ｚ状態をとらせて行う。ドアを閉じるときは、
逆の順序をリンク機構にとらせることで行う。 下部ダンパー（30）を伸長すると、荷物収納用下部ド
ア（24）の先端は、地面に接地する。荷物収納用下部ド
ア（24）は、その内面を荷物搬入路といて荷物搬入用ア
プローチ（27）が形成されており、荷物搬入用アプロー
チ（27）で荷物をガイドさせながら、荷物を荷物収納用
下部ドア（24）の接地端から乗せ、自動車ボデー（11）
内部の荷物収納空間（15）の荷物下部固定部（16）内ま
で導き入れる。ついで、ダンパー（32）を収縮させ荷物
収納用下部ドア（24）、荷物収納用上部ドア（23）を共
に閉じる。荷物収納用下部ドア（24）は、荷物収納用下
部ドア（24）を開閉する荷物収納用下部ドア開閉リンク
機構（31）の作用によって閉状態となる。 閉状態をとると、荷物収納用下部ドア（24）の一方の
荷物収納用下部ドア開閉リンク機構（31）のうちの３本
の中間に位置するリンク（31）ｂは、荷物収納空間（1
5）と後部座席側（14）の間に自動車ボデーの横方向に
架け渡されるため、収納された荷物の後側に位置して、
荷物の転倒を防止する。 次に、第２実施例の自動車の外側斜視図でもある第１
図、動作同状態の外側斜視図をあらわす第７図、第１図
Ａ−Ａ断面図をあらわす第８図、第１図Ｂ−Ｂ断面図を
あらわす第４図にしたがって、第２実施例について説明
する。 第２実施例では、荷物収納用ドアは荷物収納用ドア
（24）ａの一枚からなり、第４図、第８図に示すよう
に、荷物収納用ドア（24）ａ内側全体に荷物収納用アプ
ローチ（27）をもうける。（32）は、開閉リンク機構で
あり、荷物収納用ドア（24）ａの開閉作用を行う。開閉
リンク機構（32）は、荷物収納用下部ドア開閉リンク機
構（31）と同様に構成し、荷物の転倒防止作用を与えて
もよい。 第９図は、第３実施例にかかる自動車の作動状態の斜
視図、第10図は、同じくリンク機構の作動状態図であ
る。この実施例では、荷物収納用ドアは、荷物収納用上
部ドア（23）と荷物収納用下部ドア（24）をヒンジによ
って連結してなる。（28）は、ダンパーであり、基部は
自動車ボデーに固定し、先端は荷物収納上部ドア（23）
の基部に固定する。（33）は、荷物収納用ドア開閉リン
ク機構である。荷物収納用ドア開閉リンク機構（33）
は、リンク（33）ａ、（33）ｂからなる。リンク（33）
ａは一端は、荷物収納用下部ドア（24）に固定し、他端
はリンク（33）ｂの一端に固定する。リンク（33）ｂの
他端は、両側に立設するガイド有する板状のスロープで
ある荷物搬入用アプローチ（29）に固定する。そのた
め、ダンパー（28）を伸縮させることで、ドアの開閉と
荷物搬入用アプローチ（29）の設置、収納が可能であ
る。ガード（17）上部には自動車ボデー（11）横方向に
荷物転倒防止用バーをかけ渡してもよい。 （発明の効果） したがって、この発明では、乗員の搭乗空間内に貨物
収納空間を設けることによって、荷物を自動車内に搭載
するにあたって持ち上げる高さを減少させることが可能
となる。 更に、荷物収納用ドアをリンク機構で開閉させること
により、リンクを転倒防止手段と兼用させることが可能
である。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの発明にかかる第１実施例、第２実施例、第
３実施例の自動車の外側斜視図、第２図は同第１実施例
のリンク機構末取り付け状態の内部斜視図、第３図は同
作動状態の外側斜視図、第４図は同第１図Ｂ−Ｂ断面
図、第５図、第６図は同リンク機構の作動状態図、第７
図は第２実施例の動作同状態の外側斜視図、第８図は第
１図Ａ−Ａ断面図、第９図は、第３実施例にかかる自動
車の作動状態の斜視図、第10図は、同リンク機構の作動
状態図である。 （11）自動車ボデー、（12）乗員搭乗空間、（13）前部
座席、（14）後部座席、（15）荷物収納空間、（16）荷
物下部固定部、（23）荷物収納用上部ドア、（24）荷物
収納用下部ドア、（24）ａ荷物収納用ドア、（25）ヒン
ジ、（26）ダンパー、（27）荷物搬入用アプローチ、
（28）ダンパー、（29）荷物搬入用アプローチ、（30）
ダンパー、（31）荷物収納用下部ドア開閉リンク機構、
（32）ドア開閉リンク機構、（33）荷物収納用ドア開閉
リンク機構

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．ボデー内部の乗員搭乗空間内に設ける前記座席と、
   前部座席の後方に位置する後部座席と、前部座席および
   後部座席の間に設ける荷物収納空間と、荷物収納空間側
   部のボデーに設ける荷物収納用ドアとを有し、荷物収納
   用ドアが、荷物収納用上部ドアと荷物収納用下部ドアと
   からなり、荷物収納用上部ドアは荷物収納空間側部上部
   のボデーに設けるヒンジにより取り付けられ上部ダンパ
   ーによって上方に開放され、荷物収納用下部ドアは荷物
   収納空間側部下部のボデーに設けるヒンジにより取り付
   けられ下部ダンパーおよび荷物収納用下部ドア開閉リン
   ク機構によって下方へ開閉され、かつ開放時に荷物収納
   用下部ドアの内側が荷物搬入用アプローチとして形成さ
   れるとともに、荷物収納用下部ドア開閉リンク機構は、
   荷物収納用下部ドア閉鎖時に荷物収納用空間と後部座席
   との間に自動車ボデー横方向に架け渡されることを特徴
   とする自動車。