JP2680667B2 - 組立式トレー - Google Patents

組立式トレー

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JP2680667B2
JP2680667B2 JP5628489A JP5628489A JP2680667B2 JP 2680667 B2 JP2680667 B2 JP 2680667B2 JP 5628489 A JP5628489 A JP 5628489A JP 5628489 A JP5628489 A JP 5628489A JP 2680667 B2 JP2680667 B2 JP 2680667B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明はコルゲート芯体に平板ライナー材を接着して
構成した複合コルゲート体を用いて製函してなる組立式
トレーに関するものである。
《従来の技術》 従来の複合コルゲート体1としては、第17図示すよう
にシート材に垂直方向の山部と谷部とを交互に施して形
成したコルゲート条列2を平面直線状に多数配列してコ
ルゲート芯体3を形成し、このコルゲート芯体の片面に
平板ライナー4を接着した片面ダンポールまたはコルゲ
ート芯体の両面に平板ライナーを接着した両面ダンボー
ルが公知となっている。
そして、片面ダンボールと両面ダンボールとを比較し
た場合、コスト的には片面ダンボールの方が断然有利で
あることから、片面ダンボールを用いて組立式トレーを
作成することが考えられる。そして、この片面ダンボー
ル1を用いて第18図(A)に示すように上方が開口さ
れ、その上方開口部の前後一部分が天板で覆われた構造
の組立て式トレー5を製函しようとするには、通常、第
18図(B)に示すようにコルゲート条列2をブランクス
の短手方向に配向して図示したような所定の寸法に裁断
するとともに罫線を付設し、自動製函機に供給して製函
する。
《発明が解決しようとする課題》 しかしながら、従来の片面ダンボールでは、第18図
(A)のコルゲート条列2に直交するx方向、即ちダン
ボールの横目方向における面内圧縮強度が極めて低いも
のとなってしまう。従って、図示しないが、コルゲート
条列2をトレーの長手方向に沿って配列して組立式トレ
ーを形成した場合には、その上方からの荷重に対して極
めて弱いトレーとなるため、通常は第18図(B)のよう
に裁断して同図(A)のように製函しなければならず、
片面ダンボールの裁断方向が限定されることになってい
た。
また、従来の片面ダンボールでは、第17図のx方向に
直交する垂直面方向の面外曲げ強度も極めて低く曲がり
やすいため、第18図(A)に示した組立て式トレーでは
胴膨れが発生しやすく、また湿潤時には底面の底抜けが
発生しやすいものとなる。
特に、上述した如く上方が開口され完全な六面体でな
い組立トレーの場合には上記問題が顕著となる。
そして、上記のように従来の片面ダンボールでは面外
圧縮強度が低いため、トレー各面の充分な緩衝性が得ら
れず、その結果として、比較的重い内容物を収納運搬す
るトレーとして或いは比較的大型な組立式トレーとして
は全く不向きであった。
また、従来の片面ダンボール1においては、コルゲー
ト条列2と平板ライナー4との接合部がコルゲート条列
2の山部に沿った平行線状となるため、この片面ダンボ
ールの罫線付け部(製函時の折り曲げ部)が上記平行線
状部と合致する場合はその部分に沿って折れ曲げ易い
が、その他の罫線付け部が上記平行線状部に対してずれ
た場合には罫線に沿った正確な折曲が困難であった。
即ち、従来の片面ダンボールにおいては、コルゲート
条列の縦目方向(y方向)の罫線付け部の正確な折曲を
困難とし、その製函加工時にトレーの寸法精度が著しく
損われるため、罫線部の周辺に対応する部位のみを両面
ライナー貼りとするかまたは二重中芯として補強を行な
う等、高コストな構造となっていた。
また、従来の片面ダンボールは反り変形が発生し易
く、平板ライナー面に縞状溝ができて印刷適性が劣り、
特にPOSバー等の精密印刷に不適当であった。
また、第18図(B)からも明らかなように、組立式ト
レーを形成するための片面ダンボールの展開状シート
は、コルゲート条列方向が短手方向となるように裁断し
なければならないため、裁断方向が限定されるために端
切れが発生しやすく、裁断効率が低下すると言った問題
が指摘されていた。
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は面内圧縮強度,面外曲げ強度及び面外圧
縮強度の全てにおいて充分な強度を有し、これ故コルゲ
ート条列の配列方向に拘束されることなくコルゲート条
列の任意の方向で裁断して製函することができ、しかも
胴膨れや底抜けが発生しにくく、罫線付け部(折り曲げ
部)の正確な寸法精度が得られ、印刷適正に優れ、裁断
効率を向上させることができる組立式トレーを提供する
にある。
《課題を解決するための手段》 上記の目的を達成するため、本発明に係る組立式トレ
ーでは、シート材に垂直方向の山部と谷部とを交互に施
してコルゲート条列を水平方向のなめらかな蛇行状波形
に形成するともに該コルゲート条列における実質振幅率
H/Lを0.4以上1.4以下、実質蛇行率D/Nを0.35以下、実質
蛇行重合率D/Lを0.5以上、該コルゲート条列の進行方向
の幅寄せ率iを8%+該シート材の延伸歪み率以下と
し、かつ、該コルゲート条列の頂,底部の断面形状を湾
曲状ないしは狭小幅の面取り状ないしは肩落ち状として
コルゲート芯体を形成し、該コルゲート芯体の少なくと
も片面に平板ライナーを接着して複合コルゲート体を形
成し、該複合コルゲート体に展開図において中央に底部
となる比較的大きな矩形区分を設け、その矩形区分の一
方の対辺に隣接して側壁部となる第1フラップ片を配置
させるとともに、さらにその第1フラップ片の外側に組
立時に折り返して第1フラップ片に重合する第2フラッ
プ片を配置し、かつ、該第1,第2のフラップ片の境界線
上には細幅な透孔を穿設してなり、一方、該矩形区分の
他方の対辺には、それと隣接して前後壁部となる第3フ
ラップ片を突出配置させるとともに、その第3フラップ
片のさらに外側には、天板の一部を構成する第4フラッ
プ片を配置し、さらに該第4フラップ片の両側先端部に
舌片を形成し、組立時に該舌片を該透孔内に挿入するこ
とにより製函してなる。
《実施例》 以下に本発明の好適な実施例について添附図面を参照
にして説明する。
第1図は本発明に係る組立式トレーを構成する片面強
化複合コルゲート体10の一例を示し、これはコルゲート
芯体11と平板ライナー12とから構成されている。このコ
ルゲート芯体11は垂直方向に山部Mと谷部Vとを施した
ものをx方向に交互に施して形成したコルゲート条列13
を平面的にy方向に波形に蛇行させ、これらコルゲート
条列相互を平行としている。そして、平板ライナー12は
このコルゲート条列13の山部M並びに谷部Vにおいてコ
ルゲート条列13と一体的に接着されている。
さらに、上記したコルゲート芯体11のコルゲート条列
13の形状は、所望の強度を有するとともに実用化を図る
必要上製造のしやすさも考慮して決定される。そして、
まず、所定の強度をもたせるために、実質振幅率H/L,実
質蛇行重合率D/L及び実質蛇行率D/Nが、以下に示す数値
としている。
なお、ここで実質振幅率H/Lとはコルゲート条列13を
第1図におけるx方向の垂直面で切断した断面波の振幅
Hと波長Lとの関係を示し、より具体的には、以上の様
にして定められる。すなわち、第2図に示すコルゲート
条列13の断面波形において各斜壁部の勾配を上下両方向
に直線的に延長して得られる実質断面波形15の実質振幅
Hを定め断面波形の周期L対する上記実質振幅Hの比率
である。
また実質蛇行率D/Nは、各コルゲート条を平面的に見
た場合の振幅Dと波長Nとの関係を示すもので、具体的
には、上記実施蛇行率D/Nは以下のように定められる。
すなわち第3図のコルゲート条列13の平面波形すなわち
蛇行形16において各中立軸周辺の蛇行形16の勾配を上、
下両方向に直線直線的に延長して得られる参考蛇行形17
と該蛇行形17の参考振幅D′と蛇行形の振幅Dとにより
実質蛇行形18の実質振幅DをD=D0+(D′−D0)×
k、但しk≒0.3として定めた上、蛇行形周期Nに対す
る上記実施振幅Dの比率である。
さらに、実質蛇行重合率D/Lは第1図に示されている
ように、コルゲート条列を平面的に見た場合における各
コルゲート条の振幅Dと上記断面波の波長Lとの関係を
示している。
<実質振幅率> コルゲート条列13の斜壁部20の平板ライナー12に対す
る傾斜勾配α、すなわち同条列の断面波形における実質
振幅率H/Lを変数として、その変数の変化に対するx−
y面内x方向の剪断応力Gx(第4図参照)の変動値を実
験的に確認し、その結果を第5図に形状−剪断強度曲線
群としてグラフ化した。ここで曲線群の関数式はGx=gj
(L/H)として表記され、Gxがx方向の最大剪断応力指
数,gが関数記号を示す。また、jはパラメータであり、
具体的にはコルゲート条列13の平面波形における実質蛇
行率D/Nである。
同図から明らかなように、各曲線は実質蛇行率jが0
から0.5へとその値を大きくすると次第に上方に一見平
行移動様にシフトし、かつその相互の間隔を次第に小と
するが、最も特徴的なものは各曲線が傾斜角α=10゜
(L/H≒0.1)からα=40゜(L/H≒0.4)にかけて比較的
急勾配で上昇しGx=1.0をこえ、その後α=45゜(L/H≒
0.5)附近でやや勾配がゆるやかとなり、ついにはθ≒5
5゜(L/H≒0.7)附近で頂上に達するが、その後θ≒70
゜(L/H≒0.4)附近まで比較的急勾配で降下し、θ≒70
゜以後やや勾配をゆるやかにしてα≒90゜に至ると言う
ことである。すなわち各曲線の特徴はα≒55゜(L/H≒
0.7)附近で共通のピーク効果が表われている点であ
る。
換言すれば上記事実から判断してそもそも実用に供さ
れる所定の剪断強度Gxが得られる適正な傾斜角αは55゜
を中心とした40゜≦α≦70゜であり、実質振幅率H/Lに
おきかえると近似的に0.4≦H/L≦1.4を適正なる実質振
幅率として限定することが可能となる(同図中の斜線部
分)。
なおGx=1.0は、j=0、すなわち現行の段ボール様
の複合コルゲート体に見られるピーク時のx方向最大剪
断応力である。
<実質蛇行重合率> 強化複合コルゲート体の構造強度を実用性あるものに
するには、上記した剪断応力(強度)に他にコルゲート
条列直交方向の面外曲げ剛性がある。すなわち、第6図
に示すようにz−y面内x方向の最大曲げ応力である。
ここで、コルゲート条列13の断面波形における周期L
に対する平面波形における振幅Dの比率、すなわち実質
蛇行重合率D/Lを変数とし、その変数の変化に対する上
記最大曲げ応力(指数)の変動値を実験的に確認し、そ
の結果を第7図に形状−曲げ強度線群として示す。
そして、その曲線群の関数式はMx=hj(D/L)として
表記され、Mxがx方向の最大曲げ応力指数,hが関数記号
を示す。また、jはパラメータであり、具体的には実質
蛇行率D/Nである。
同図から明らかなように、その各曲線は実質蛇行率j
値が0から0.15へと増大するとそれに応じてやや勾配を
かえつつ上方にシフトし、またその曲線相互の間隔を次
第に小とするが、最も特徴的であるのは各曲線が実質蛇
行重合率D/Lの0から0.5にかけて緩勾配であるが一旦D/
Lが0.5を過ぎるとともに急勾配で上昇し、そして更にD/
Lが1.0を過ぎると前にもまして急勾配となって上昇を続
けていくことでありすなわち各曲線に上記2つの折曲点
を発生せしめる特定の各D/L値があり、その値がjを異
にする各曲線に共通していることである。
なお、Mx=1.0はj=0としたすなわち現行の段ボー
ル様の複合コルゲート体に見られる曲げ応力である。
上記の通り実質蛇行重合率D/Lが0.5及び1.0において
形状−曲げ強度曲線Mx=hj(D/L)は2つの折曲点をも
つことが明らかにされたが、そのD/L値の変化をコルゲ
ート条列平面蛇行形の相互の位置関係について観察する
と、まずD/L<0.5のときコルゲート条列の底部蛇行形の
山中心軸上の各屈曲部が隣接するコルゲート条列の頂部
蛇行形の谷中心軸上各屈曲部を連結して得られるy方向
線より手前に位置し(第8図(A))、D/L=0.5のとき
コルゲート条列の該屈曲部が隣接するコルゲート条列の
該y方向線を越えて位置し(第8図(B))、そしてD/
L=1.0のときコルゲート条列の頂部蛇行形の山中心軸上
の各屈曲部が隣接するコルゲート条列の該y方向線上に
移動し(第8図(C))、D/L>1.0となるとコルゲート
条列の該屈曲部が隣接するコルゲート条列の該y方向線
をさらに越えて位置することになる(第8図(D))。
またさらに上記D/Lの値にともなうコルゲート条列の
平面蛇行形の位置関係の変化を強化複合コルゲート体の
該y方向線上の断面形について観察すると強化複合コル
ゲート体のもつトラス様構造の形態的特徴とそのもつx
方向の面外曲げ強度Mxの変化がより明らかとなる。すな
わち、まず強化複合コルゲート体の該断面形においてD/
L<0.5のとき、強化コルゲート体は片面の平板ライナー
12に対してのみ接合されるためそのトラス様構造がやや
不安定であることにより曲げ強度Mxは著しく小さい。そ
して、D/L=0.5のとき強化コルゲート体は上下両面の平
板ライナーと接合されるためそのトラス様構造が上記ト
ラス様構造と比べその形態的特徴を急激に安定的なもの
に変えられ、さらにD/L>0.5としその値を次第に増大す
るにしたがいそのトラス様構造のウェッブ(斜材)の傾
斜角が急となるため強度MxはD/L<0.5のときよりその増
加率を大とする。さらにD/L=1.0のとき、強化コルゲー
ト体は上下両面の平板ライナーとの接合密度をD/L=0.5
のそれに比較して倍加するためそのトラス様構造が上記
トラス様構造と比べその形態的特徴をより安定的なもの
に急変せしめられ、D/L>1.0としその値を順次増大する
にしたがいそのトラス様構造のウエッブの傾斜角がより
急となり、片面平板ライナーのみに接合するウエッブと
平板ライナーとで構成する三角形の垂直高が大となるた
め、強度MxはD/L<1.0の場合より一段と増加率を大とし
て上昇する。
以上の通り、形状−曲げ強度曲線式Mx=hj(D/L)に
はD/L=0.5とD/L=1.0において曲げ強度Mxを急激に増大
させる2特異点があることが明らかにされたが、本発明
の強化複合コルゲート体を実用化するのに適した曲げ強
度Mxを確保するためには、実質蛇行重合率D/LをD/L≧0.
5とすることでありその範囲を第7図の斜線及び網目線
の部分として示す、そしてさらに好ましくはD/LをD/L≧
1.0とすることでありその範囲を同図の網目線の部分に
示した。
<他の要件> コルゲート条列に所望の強度を得るためには、上記し
た各種条件に加えて、以下に示す条件を満たす必要があ
る。
すなわち、本発明に係る強化複合コルゲート体のもつ
各種構造強度は、強化コルゲート体と平板ライナーとの
接合一体化によって始めて得られるものであり、とりわ
け前記x方向剪断強度,同x方向曲げ強度は、該強化コ
ルゲート体と平板ライナーの接合面積に大きく左右さ
れ、接合方法,接着剤などを同等とすればその接合面積
に比例する。
したがって、その接触面積を比較的広くすることであ
る。具体的には第9図に示すように、コルゲート条列の
頂・底部の断面形状を、その頂・底部の折曲幅wを可及
的に大とする様に強化コルゲート体を形成せしめること
である。
次に、製造しやすい強化コルゲート体を製造するため
に、コルゲート条列が以下に示す要件を満たす必要があ
る。
<第1の要件(幅寄せ率)> ここで幅寄せ率とは、コルゲート条列を形成する前の
平板状シートの幅に対する形成後の幅の収縮率をいう。
ここでまず強化コルゲート体の製造工程について説明
すると、第10図に示すように製造するコルゲート条列と
略符合する歯型条列22を周面周方向に多段に設けられて
なる一対のフォーミングローラ23間に、予め所定の幅寄
せを施された波付き被加工シート24を挿入する。そし
て、両フォーミングローラ23間で加熱成型されることに
より所望形状のコルゲート条列が製造される(ロールフ
ォーミング方法)。なお、上記波付け被加工シート24に
施した幅寄せ(事前幅寄せ率i0)は、最終的な幅寄せ率
i0と略同一(厳密には加工時にシート自体が収縮するた
めややi≧i0となる)に設定してある。
そして、上記幅寄せ率i(事前幅寄せ率i0)をある限
度を越えて大きくすると、x方向の余剰じわと破断が多
発する。これは、コルゲート芯体11の断面波形のH/Lが
過大となり、フォーミングローラ23間に供給された直後
において加圧される該断面波形において局部的に不規則
な座屈変形をおこし、倒れ込みとそれにともなうひきつ
れなどを発生せしめられると同時に幅方向に均一になる
幅寄せ率iの分布を著しく妨げられるためである。
より詳しくは、倒れ込み発生量と事前幅寄せ率i0との
相関を示す第11図のグラフをもとに所定幅寄せ率iの限
度について述べると、そもそもロールフォーミングによ
って得られるコルゲート芯体11に求められる所定の幅寄
せ率iは、i>i0+βにより与えられる。ここで、βは
波付き被加工シート24の幅方向限界延伸歪率であり、そ
の限界を越えると材質強度の劣化(該強度が当面の30%
減となる状態)が著しいために実用に供されなくなる限
界値である。そして、延伸限度の低い紙シート,鋼板シ
ート,半硬質プラスチックシートなどでは2.0%を限界
延伸歪率βの上限し、アルミニウムシート,プラスチッ
クシートの場合はやや延伸限度が高いことにより5.0%
を限界延伸歪率βとする。
なお、図中倒れ込みの頻度指数は事前幅寄せ率i0をi0
=5.0%としたときの倒れ込み頻度を1.0としている。
同図から明らかなように、倒れ込み頻度の値は事前幅
寄せ率i0の変化とともに増大するが、ほぼi0=8.0%を
境としてその増大が急激なものとなる。したがって、被
加工シート01の倒れ込みなどの発生を極力低く押えるた
めには事前幅寄せ率i0を0<i0≦8.0%の範囲内(図中
斜線部分)にする必要がある。
したがって最終的なコルゲート芯体11が安定的かつ高
速なるロールフォーミング方法により加工形成されるた
めには、0<i≦8+βとすることであり、具体的には
被加工シートの延伸変形率βを0≦β≦2.0%とした場
合、その値を0<i≦10.0%の範囲とされることであ
る。
<第2の要件> 上記したごとく所定の強度をもたせる必要から、コル
ゲート条列の頂・底部に所定の折曲幅wを有するように
したが、この条件を満たすため、例えば第12図に示すよ
うにコルゲート条列13′の頂・底部M・Vが平坦なる断
面略台形とすると、前記ロールフォーミングにおいて、
加工形成されるときに微視的にみるとコルゲート条列の
頂・底部の台形平坦面は主として山,谷中心軸l1,l2付
近の屈曲部において面内の湾曲変形を余儀なくされる。
そして台形面が平坦状であるがためにその屈曲部周辺の
台形面の条列平面外側部(図中斜線部分)において引張
りによる延伸変形を受け、著しい歪み変形ないしは破断
損傷を集中的に発生せしめられ実用に耐えないものとな
る。
係る問題を解決するため、頂・底部M・Vの各種断面
形状を、第9図(A)〜(D)に示されるような形状と
する。すなわち、各頂・底部M・Vの断面形状では平坦
面をまったく排除するか(同図A−1,A−2,A−4,B−1,B
−3,C,D)ごく限られた少い平坦面を残すようにして
(同図A−3,B−2)形成する。
そして、前者の結合はy方向の所定の幅寄せにともな
う、主として該屈曲部の面内湾局変形を容易なるものと
することにより歪み変形など残留歪応力の発生を極力押
え、結果として破断損傷などの発生を完全に防止するこ
とが可能となった。
また後者の場合は頂・底部断面形に残る平坦面がごく
わずかであるためすなわち狭小幅の帯状平坦面となるた
めy方向の所定の幅寄せにともなう該屈曲部の面内湾曲
変形において局部の面内延伸歪み量が僅小となり何ら破
断損傷もおきなければ残量歪応力もほとんど無視できる
ものとなる。
<第3の要件> さらに本発明ではコルゲート条列13の平面蛇行形をな
めらかな平面波形状の蛇行形としている。具体的にはコ
ルゲート条列13の全長において連続曲線状としたり(第
13図(A))、屈曲部を湾曲線状としそれらを直線で連
結したり(同図(B))、屈曲部をに直線状としそれら
を曲線で連結したり(同図(C))、全長に直線分の連
結による台形状としその角部を面取り状としたり(同図
(D))、全長に直線分の連結による台形状としその対
向斜辺の内角θを120゜以上とした比較的平坦にしたり
(同図(E))、内角θを120゜以上とした比較的平坦
なるジクザク形状としたり(同図(F))、屈曲部を湾
曲線分としそれらを比較的周期の小さな波状曲線で連結
したりする(同図(G),(H))ことである。
上記の通り本発明に係るコルゲート条列の蛇行形がな
めらかな平面波形として形成されることにより、波形中
の鋭角的な各種突起を除去することができたが、それは
さらにフォーミングローラの歯型条列22をなめらかな平
面波形状の蛇行形をしたこととなりロールフォーミング
時において波付き被加工シート24が該歯型状列22によっ
て比較的広範囲にわたり分散加圧される。その結果局部
的な歪変形をまぬがれると同時に被加工シートがx方向
の段繰りにともなう歯型上の滑動を何ら妨げられず、x
方向の引張り歪み変形とそれによる破断の発生を防止で
きる。
さらにまたy方向の幅寄せの微調整にともなう波付き
被加工シート24の歯型状列22上の滑動が何ら妨げられな
いため、y方向の引張り歪み変形とそれによる破断の発
生を充分に抑制することができ、その結果本発明の強化
コルゲート体のロールフォーミングが安定的かつ高速度
で行われるようになる。
<総合形状条件について> コルゲート条列の好適な形状条件は、上記した強度上
並びに製造上の両要件を満たすことにより初めて達成さ
れるが、具体的には、以下のものとなる。
すなわち、第14図のグラフに示される形状曲線群であ
りその形状曲線式はH/L=fi(D/N)として表記されてい
る。なお、この曲線式に実質蛇行重合率D/L,折曲幅wは
係りをもたない。
上記形状曲線式は個別の形状値H,L,D,Nの絶対値には
無関係に成立する。すなわち形状比によって成立ち、本
コルゲート芯体11の形状特性のみを説明する原理的関数
関係であり、コルゲート芯体のもつ構造強度及び加工性
の良否とは無縁である。
より詳しくはパラメータ可変定数iの一固定値に対し
て上記形状曲線式を満足する変数値の組合せH/L,D/Nが
唯一存在し、たとえば可変定数iの値と変数H/Lの値の
組合せが変数D/Nの値を一義的に決定し又は可変定数i
の値と変数D/Nの値の組合せが変数H/Lを決定し又は変数
H/L,D/Lの値の組合せが定数iの値を決定する。
なお、図中の形状曲線群は平行移動によって得られる
相似様双曲線群として描かれ、幅寄せ率iを5%≦i≦
20%とした形状曲線のみが例示されその周辺のi<5%
及びi>20%の形状曲線は省略されている。
なお、上記形状曲線群は、実質振幅率H/L=0におけ
る各種実質蛇行率D/Nをもった実物コルゲート体が幅寄
せ率iを変動せしめられて加工形成された各部位形状す
なわち実質振幅率H/L,実質蛇行率D/Nの変化を計測する
ことにより作図し得たものである。向上強度,加工性に
係る両形状条件のうち、実用化を可能ならしめるのに最
も重要不可欠なる実質振幅率,幅寄せ率を同時に満す最
適範囲は適性実質振幅率H/LがH/L=0.7を最適値としそ
の最適範囲を0.4≦H/L≦1.4として限定され、かたや適
正幅寄せ率iをもった形状曲線が0<H/L≦10%(D/N)
とした範囲に限定されてそして適性なる実質蛇行率D/N
が最適なる0<D/N≦0.35の範囲と結果的に限定される
ものであり、第14図のグラフ中の斜線部分がその最適範
囲を示している。
上記形状曲線群のその形状の最適範囲が示される本グ
ラフを用いて本発明に係る強化コルゲート体のコルゲー
ト条列の形状設計やフォーミングローラの歯型条列の形
状設計等を効率的に実施することができ、たとえばあら
かじめ適性なるH/L,iを設定しておいてから高い構造強
度と優れた加工性をあわせもつ強化コルゲート体を可能
とするD/Nを決定し設計する方法やあらかじめ適性なるH
/L,D/Nを設定しておきそれを可能とするi値を算定し制
御する事前波付けローラ(平板状のシートを波付き被加
工シート24に加工する装置)の自動制御システムへの応
用などに役立つものである。
なお上記形状曲線は被加工シートの素材の種類に無関
係に成立つものである。
*実験結果 多くの実施例のうちから三つの特徴的ケースを紹介す
ると、まず第1のケースにおいて、紙シートを用いてコ
ルゲート条列の形状が実質振幅率H/L=0.7,実質蛇行率D
/N=0.18,実質蛇行重合率D/L=1.0,幅寄せ率i=5%と
して、平面波形を連続曲線からなるなめらかな波形状と
してさらに条列頂・底部の断面型を湾曲状として形成せ
られてなる強化コルゲート体は分速150m程において何ら
加工トラブルの発生もなく所定の加熱型フォーミングロ
ーラによりロールフォーミングせられて得られた。
なお、そのロールフォーミング時において事前幅寄せ
率5%,延伸歪率β≒0とされたために、その強化コル
ゲート体は位相幾何学的に実質上展開可能であることを
特徴とした理想的なる折版構造として得られた。
さらに該強化コルゲート体がその両面に二葉の平板紙
シートとの一体貼合により得られた強化複合コルゲート
体は、シート材質条列振幅H0,同周期L,同折曲幅wを同
等とした公知の段ボールと比較してそのシートの使用量
が2%ほど増加したが該x方向最大剪断強度において50
%程、該x方向曲げ強度において60%度上廻ると言う成
果が確認された。
次に第2のケースとして紙シートを用いてコルゲート
条列の実質振幅率H/L=0.7,実質蛇行重合率D/L=1.0,実
質蛇行率D/N=0.24幅寄せ率i=8%としてかつ条列蛇
行型を連続曲線になめらかな平面波形状としかつ条列項
・底部の断面形を湾曲状として形成されてなる強化コル
ゲート体は分速100mほどにおいて何ら加工トラブルの発
生もなく所定の加熱型フォーミングローラによりロール
フォーミングせられて得られた。なおそのロールフォー
ミング時において事前幅寄せ率6.5%,シートの延伸歪
率β≒1.5%として加工されたため、位相幾何学的にや
や展開が困難であり、被加工シートの幅方向の材質強度
は多少劣化したと言える。さらに該強化コルゲート体が
その両面に二葉の平板紙シートとの一体貼合により得ら
れた強化複合コルゲート体は、公知の段ボールと同等の
条件下において比較し、その被加工シートの使用量は3
%ほど増加したが、該x方向最大剪断強度が55%程、該
x方向曲げ強度において75%程上廻ったと言う成果が確
認された。
第3のケースとしては、第1のケースの強化コルゲー
ト体と同等のロールフォーミング法により加工形成し同
等の形状をもった紙シートによる強化コルゲート体の片
面に一葉の平板紙シートを一体貼合して得られた片面強
化コルゲート体は公知の片面型段ボールと同等のシート
の材質,条列振幅H0,同周期L,同折曲幅wなどの条件下
で比較して、そのシートの使用量が3%ほど増加した
が、該x方向曲げ強度が220%程上廻ると言う著しい成
果が確認された。
上記第1及び第2のケースにみられた通り、公知の段
ボールと比較して製品コストの上昇分が10%以下(但し
材料増4%以下、ロールフォーミング速度の低下による
製造コスト増6%以下とした)に抑えられるとともに各
種構造強度の差異が50%以上とされるために製品価値=
強度/コスト≧150/110=1.36となり、他の性能は同等
とされることから約40%以上の製品価値の格差が明らか
とされ、また第3のケースでは製品コストの上昇分が7
%(但し材料増3%以下,製造コスト増4%とした)に
おさえられるとともに曲げ強度の差異が220%とされる
ため製品価値=強度/コスト≧320/107=2.99となり他
の性能は同等とされることから約200%以上の節品価値
の格差が明らかとされた。
次に、上記のようにして得られた本発明に係る片面強
化複合コルゲート体(H/L=0.5,D/L=1.1,D/N=0.32)
を従来の第18図に示したような片面ダンボール(H/L=
0.5)と強度の比較をした。
第1表には面内圧縮強度の試験結果が示されている。
この第1表から明らかなように、本発明に使用する複
合コルゲート体と従来の片面ダンボールとを比較する
と、y方向の面内圧縮強度は両者ほぼ同じであるが、x
方向については複合コルゲート体の方が従来のものより
も3倍強の強度を有することが明らかである。
第2表には面外圧縮強度を試験結果が示されており、
この表から本発明に使用する片面強化複合コルゲート体
の方が従来の片面ダンボールよりも2倍弱の面外圧縮強
度を有することが明らかである。
第3表には第1図及び第17図のx方向に垂直な面方向
の面外曲げ強度の試験結果が示されており、この表から
本発明に係る片面強化複合コルゲート体は従来の片面ダ
ンボールよりも約22倍もの極めて大きな曲げ強度を有す
ることが明らかである。
以上のように、各種構造的強度性能において、本発明
の片面強化複合コルゲート体が従来の片面ダンボールよ
りも大幅に優れていると言える。
上記のように多くの優れた特性を有する片面強化複合
コルゲート体を所定の形状に裁断しかつ折曲げて本発明
に係る組立式トレーを得るのである。
第15図(A)には本発明の第1実施例に係る組立て式
トレーを得るための展開シート25が示され、この展開シ
ート25ではその短手方向に沿ってコルゲート条列13が蛇
行状に配設され、また製函されたトレーの内面にコルゲ
ート芯体11が位置するようにコルゲート芯体11の片面に
は平板ライナー材12が接着されている。
そしてこの展開シート25では、その中央部分に製函時
に底部となる比較的大きな長方形の矩形区分Iを設け、
その矩形区分Iの長辺には細幅な第1フラップ片II,II
を配置している。この第1フラップ片II,IIは、製函時
には矩形区分Iに対して90゜折曲させ、側壁部を構成す
るようになっている。また、この第1フラップ片II,II
の外側には、これと略同一形状からなる第2フラップII
I,IIIが配置されている。この第2フラップ片III,III
は、第1フラップ片IIとの境界線で180゜折曲げられ、
第1フラップ片IIに重合し、側壁部の補強をなしてい
る。そして、境界線上の両側端部近傍位置には、細幅な
透孔26が穿設されている。さらにまた、第1,第2フラッ
プ片II,IIIの両側端にはそれぞれ突片II′,III′が設け
られている。
一方、上記矩形区分Iの短辺には、第1フラップ辺II
と略同一幅からなる第3フラップ片IVが配設されてい
る。この第3フラップ片IV,IVは、上記第1フラップ片I
Iと同様に矩形区分Iに対して90゜折曲げ、前後壁部を
構成するようになっている。そして、この第3フラップ
片IVの外側には比較的広幅な第4フラップ片Vが配置さ
れている。この第4フラップ片Vは、製函時に第3フラ
ップ片IVに対して略90゜折曲させ、トレーの上方開口部
の前後後部を一部覆う天板を構成するようになってい
る。さらに、第4フラップ片Vの先端両側部には、舌片
27が形成されている。そしてこの展開シート25は自動製
函機に送入されると各フラップ片間の境界線に沿って折
曲げられ、上記舌片27が透孔26に挿入され第15図(B)
に示したような、組立て式トレー28が得られる。
第16図(A)には本発明の第2実施例に係る組立て式
トレーを得るための展開シート25aが示されている。こ
の展開シート25aでは、コルゲート条列13の長手方向が
展開シート25aの長手方向に延長し、その他の構成は第
1実施例の場合と同様である。
なお、上記第1及び第2実施例では、平板ライナー材
12が製函されたトレーの外表面に位置するように接着さ
れているが、これは表面に印刷を施す場合の便利さを考
慮してのことであり、所要の場合には平板ライナー材が
内面に位置するようにしても良い。
また、上記実施例ではコルゲート条列が展開シートの
長手方向または短手方向に沿って延長している場合のみ
について説明したが、コルゲート条列を展開シートの長
手方向に対して任意の角度で傾斜させた状態で形成また
は裁断しても良い。
次に、本発明の第1実施例に係る組立式トレー(第15
図(B))と第18図(A)に示された従来型組立て式ト
レー(K180−SCP120)とを上下方向(I−V方向)、横
方向(II−II方向)、前後方向(IV−IV方向)の圧縮強
度試験に供し、その結果を第4表に示す。
この試験結果から明らかなように、本発明品と従来品
とを比較した場合、すべての方向で強度が向上してい
る。
このように強度が向上するため従来のトレーに比べ、
天板となる第4フラップVの幅を狭くすることができ
る。
尚、本発明に係る片面強化複合コルゲート体の素材は
紙または紙を基材としたものであるが、それは各種紙類
の単体、ないしは各種紙類と各種非紙系物質によるフイ
ルムとのラミネート複合体、ないしは各種セルロースま
たは非セルロース系物質を塗布,含浸ないし付着せしめ
られた各加工紙類など、このほかにも様々なものがあり
上記各種素材を適宜組合せたものも本発明に有効であ
る。
また、上記実施例ではコルゲート芯体の片面に平板ラ
イナーを接着した片面強化複合コルゲート体を用いた組
立て式トレーの場合について説明したが、このコルゲー
ト芯体の両面に平板ライナーを接着した両面強化複合コ
ルゲート体を用いて組立て式トレーを形成した場合に
も、従来の両面ダンボールを用いて組立て式トレーを形
成した場合と比較して、前記実施例における片面ダンボ
ールと片面強化複合コルゲート体の関係と同様な相対関
係で優れた効果を奏するものである。
《効 果》 以上のように本発明に係る組立て式トレーは垂直方向
に山部と谷部とを交互に施してコルゲート条列を形成す
るとともにこのコルゲート条列を平面的に蛇行させてな
るコルゲート芯体を用いているため、このコルゲート芯
体自体の有する優れた面内圧縮強度、鉛直方向面外圧縮
強度及び面外曲げ強度により、製造された組立て式トレ
ーは前後及び左右に大きな圧縮強度を有し、内容物を外
部衝撃に対し保護する緩衝性能に優れ、開口部のフラッ
プ片は大きな曲げ強度を有するために折曲,湾曲,破損
等に対して充分に保護される。
特に、本発明において用いられる片面強化複合コルゲ
ート体はx方向面内圧縮強度が従来の片面ダンボールに
比べて極めて大きく、y方向面内圧縮強度と同等または
それ以上の強度を有するものであるから、コルゲート条
列を任意の方向として裁断して展開シートを得、そして
全ての面方向に充分な強度を有する組立て式トレーを製
函することができる。
上記のコルゲート条列を任意の方向として裁断し得る
と言うことは、最も経済的な最大幅で連続的に片面強化
複合コルゲート体を製造するとともにその最大幅の中で
展開シート体を縦横に組合せて最小の端切れとなるよう
に裁断することができるということになり、幅効率が向
上し、その結果として高い生産性を得ることができる。
また、従来の組立て式トレーを構成する芯材は一方向
(y方向)にのみ直線的コルゲート条を平行に形成して
ただけであるから、展開型シートの状態において反り変
形を発生しやすく、自動製函機内でとかく故障を起こし
がちであるが、本発明の組立て式トレーの場合にはコル
ゲート芯体のx方向,y方向に波形が形成されており、展
開型シートの状態においても全く反り変形が発生せず、
製函後のトレー本体にも形状歪みが全く生じない。
また、従来の組立て式トレーを構成する芯材と平板ラ
イナー材とは平行な直線状に貼合されているため貼合密
度が低く、貼合部と非貼合部とによって縞状凹凸面を形
成しやすく印刷適性が劣っていた。これに対し、本発明
の組立て式トレーの場合にはコルゲート芯対と平板シー
ト材との貼合が蛇行した平行な曲線上にあるため、貼合
密度が高まり反り変形が防止され、上記のような縞状凹
凸面の発生を阻止し、トレー各面の平坦性が保持され、
POSバー等の精密印刷適性が大幅に向上する。
また、本発明ではコルゲート芯体と平板ライナー材と
の貼合部が蛇行した曲線上にあるため、コルゲート条列
の長手方向に沿った折り曲げ部を施す場合、この部分
が、多くの場合、上記貼合部を断続的に通過するため、
罫線折曲を確実かつ精密に行なうことができる。特に、
蛇行重合率D/L≧の時には、上記罫線を任意の位置に施
しても必ずコルゲート条列と複数個所で交叉するため、
その折曲はより精密なものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いる複合コルゲート体の平板ライナ
ー材を一部破断して示す部分斜視図、第2図は本発明に
係る複合コルゲート体のコルゲート条列x方向の断面形
状を示す図、第3図(A)は本発明の複合コルゲート体
とその形状的特徴を示す平面図、第3図(B)はコルゲ
ート条列蛇行形の稜線部を示す平面波形図、第4図は本
発明の複合コルゲート体における剪断応力の方向を模式
的に示す図、第5図は複合コルゲート体におけるz−x
面内x方向の最大剪断応力指数と条列斜壁面の勾配θな
いしは条列の実質振幅率H/L取り相関を示す形状−剪断
強度曲線のグラフ、第6図は複合コルゲート体における
曲げ応力の方向を模式的に示す図、第7図は複合コルゲ
ート体におけるy−x面外x方向の最大曲げ応力指数と
条列の実質蛇行重合率D/Lおよび実質蛇行率D/Nの相関を
示す形状−曲げ強度曲線のグラフ、第8図は複合コルゲ
ート体を構成するコルゲート条列の異なった蛇行重合率
におけるコルゲート条列間の位置関係とコルゲート条と
平板ライナー材との位置関係を示す図、第9図は複合コ
ルゲート体のコルゲート条列x方向各横断面波形図、第
10図は強化コルゲート体を加工成形するために用いられ
るロールフォーミング方法を模式的に示した破断斜視
図、第11図は複合コルゲート体のロールフォーミング時
における波付き被加工シートの倒れ込み発生頻度指数と
事前幅寄せ率との関係を示す図、第12図は製造上の第2
の要件を満たすコルゲート条列の一例を示す図、第13図
は複合コルゲート体コルゲート条列の蛇行波形を示す各
種平面波形図、第14図は本発明に係る複合コルゲート体
におけるコルゲート条列の実質振幅率H/Lと実質蛇行率D
/Nとy方向幅寄せ率iとの相関関係を示す形状曲線のグ
ラフ、第15図(A)及び(B)はそれぞれ本発明の第1
実施例に係る組立式トレーの展開シート図と製函図、第
16図(A)及び(B)はそれぞれ本発明の第2実施例に
係る組立式トレーの展開シート図と製函図、第17図は従
来の片面ダンボールの平板ダンボール紙を一部破断して
示す部分斜視図、第18図(A),(B)はそれぞれ従来
の組立式トレーの展開シート図と製函図である。 10……複合コルゲート体 11……コルゲート芯体 12……平板ライナー材 13……コルゲート条列 25……展開シート 26……組立式トレー M……頂部、V……谷底部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート材に垂直方向の山部と谷部とを交互
    に施してコルゲート条列を水平方向のなめらかな蛇行状
    波形に形成するともに該コルゲート条列における実質振
    幅率H/Lを0.4以上1.4以下、実質蛇行率D/Nを0.35以下、
    実質蛇行重合率D/Lを0.5以上、該コルゲート条列の進行
    方向の幅寄せ率iを8%+該シート材の延伸歪み率以下
    とし、かつ、該コルゲート条列の頂,底部の断面形状を
    湾曲状ないしは狭小幅の面取り状ないしは肩落ち状とし
    てコルゲート芯体を形成し、該コルゲート芯体の少なく
    とも片面に平板ライナーを接着して複合コルゲート体を
    形成し、 該複合コルゲート体の展開図において、中央に底部とな
    る比較的大きな矩形区分を設け、その矩形区分の一方の
    対辺に隣接して側壁部となる第1フラップ片を配置させ
    るとともに、さらにその第1フラップ片の外側に組立時
    に折り返して第1フラップ片に重合する第2フラップ片
    を配置し、かつ、該第1,第2のフラップ片の境界線上に
    は細幅な透孔を穿設してなり、 一方、該矩形区分の他方の対辺には、それと隣接して前
    後壁部となる第3フラップ片を突出配置させるととも
    に、その第3フラップ片のさらに外側には、天板の一部
    を構成する第4フラップ片を配置し、さらに該第4フラ
    ップ片の両側先端部に舌片を形成し、組立時に該舌片を
    該透孔内に挿入することにより製函してなることを特徴
    とする組立式トレー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008189339A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Dainippon Printing Co Ltd 詰め替え用パウチ

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