JP2669510B2 - ヒルジンのアミノ酸配列に基づくトロンビン阻害剤 - Google Patents

ヒルジンのアミノ酸配列に基づくトロンビン阻害剤

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、トロンビン阻害剤として有用なペプチド誘
導体に関する。これらのペプチドは、アミノ酸45−65を
含むヒルジンのセグメントの配列に基づき、対応する本
来のペプチドフラグメントより最高1000倍強化された結
合を与える適した修正がなされている。本発明のペプチ
ドはトロンビン分子の2種類の結合部位に結合するの
で、「二官能基性」トロンビン阻害剤と呼ばれる。
発明の背景 トロンビンは血液凝固カスケードの重要なセリンプロ
テイナーゼ成分である。フィブリノゲンの切断により血
液凝固を開始する他に、トロンビンは第V、VIII及びXI
II因子を含む他の血液凝固因子及び血液凝固阻止酵素蛋
白質Cを活性化する。トロンビンは又、生体内の組織プ
ラスミノゲンアクチベーターにより媒介される血栓溶解
を減じる有力な血小板アクチベーターである。従ってト
ロンビンの正のフィードバック調節は止血を拡大する作
用をするが、血管及び脳血管動脈の変調に対応して生命
を脅かす血栓を引き起こす。
この酵素の多様な機能を考えると、有力で特異的な化
合物によるその阻害は血栓に関連する疾患の処置に非常
に貴重な付加を与えた。これらには冠動脈疾患、脳血管
障害、末梢動脈閉塞症、深部静脈血栓及び肺塞栓が含ま
れる。
トロンビンの最も有力な周知の阻害剤は、ひる、ヒル
ド メジシナリス(Hirudo Medicinalis)の腺分泌物か
ら単離したイソプロテインの群であるヒルジンである。
ヒルジンの血液凝固阻止性はずっと以前から周知であっ
た。しかし腸及び皮膚呼吸の両方が非常に低く、血流中
の蛋白質を適した量とすることができなかったため、有
効で投与可能な形態のこの蛋白質の調剤は困難であると
思われ、これまでその治療的価値はほとんどなかった。
さらにひるの抽出物から単離されたヒルジンの臨床的
利用は、その量が限られ、高価であり、通常ヒルジンの
大きさの異種蛋白質の投与によって起こるアレルギー反
応がある理由で好ましくない。
Markwardtは、彼の“Pharmacology of selective thr
ombin inhibitors",(1988),Nouv.Rev.Fr.Hematol.,3
0,p161−165において、天然及び合成トロンビン阻害剤
の両方につき行った薬理学的研究の結果に基づくヒルジ
ンに関する別の臨床的情報を提示した。
著者はヒルジンに関する一般的観察を行い、高度に酸
性のC−末端部分を含むペプチドがα−トロンビンに非
常に特異的であることを述べている。その後彼は、ヒル
ジンのC−末端部分は酵素のアニオン性結合部位領域に
結合しやすいが、密集したN−末端部分は酵素の活性部
位領域と結合すると思われると結論している。
本来の脱スルホヒルジン45-65は、牛及びヒトα−ト
ロンビンの両方によるフィブリノゲン凝固を投薬量依存
的に阻害することが見いだされた。牛α−トロビンの場
合の940±200nMというIC50値は、同一フラグメントに関
して報告されている血漿フィブリン血餅形成の値と良く
一致し、血液凝固阻止活性に必要な最小コアであるとさ
れたヒルジン55-65より3倍低い。同ペプチドが牛α−
トロンビンよりヒトα−トロンビンに対して終始一貫し
てより有力であることも示された。
種々の先行文献も、ヒルジンのアミノ酸配列の活性フ
ラグメントがアミノ酸45−65を含むアミノ酸配列である
と思われることを示した。従ってこの配列中に存在する
アミノ酸のいくつかを置換することによりペプチドの阻
害活性を強化する試みが成されてきた。
Krstenansky et al.は、“Antithrombin properties
of C−terminus of hirudin using syntheic unsulfate
d Nα−acetyl−hirudin",(1987),Febs Letters,Vol.
211,No.1,p10−16中で、C−末端フラグメント脱硫酸化
Nα−アセチル−ヒルジン45-65の合成につき記載して
いる。著者らは以前の研究(Chang,J.−V.,FEBS Letter
s,164,307(1983))に言及し、このフラグメントは2
つの特異的結合ドメインを含み、ひとつがトロンビンの
触媒部位に結合し、他方がトロンビン上の別の認識部位
に結合する可能性があると述べている。これは、両方の
著者により事実でないと結論された。
さらに著者らは、ヒルジンの45−65配列が凝固活性な
らびにトロンビンによるフィブリノペプチドAの放出を
阻害する能力を有することを示した。彼らは、合成基質
に対するトロンビンのアミド分解性が混乱しないので、
ヒルジン45-65の同一配列がトロンビンの触媒部位との
結合に直接含まれる必要はないことも示唆した。
Krstenansky et al.,“Anticoagulant peptides;natu
re of the interaction of the C−terminal region of
hirudine with a noncatalytic site on thrombinF,
(1987),J.Med.Chem.,30,p1689−1691において、著者
らはトロンビンの非接触的結合部位における最小活性配
列がヒルジン56-64であることを報告している。この仮
定に基づき著者らは、ヒルジン56-64及びトロンビンの
非接触的接合部位の間の相互作用の性質を確立する目的
で、数種類のC−末端ヒルジン54-65類似体の合成及び
トロンビン−誘発フィブリン血餅形成を阻害するそれら
の能力につき報告している。
結論として著者らは、ヒルジンのC−末端がこれまで
に文献により提案された領域ではないトロンビン上のフ
ィブリノゲン結合の領域に結合することができると述べ
ている。
Dodt et al.(Interaction of sitespecific hirudin
variants with α−thrombin,(1988),Febs Letters,
Vol.229,No.1,p87−90)、Degryse et al.(Point muta
tions modifying the thrombin inhibition kinetics a
nd antithrombotic activity in vivo of recombinant
hirudin,(1989),Protein Engineering,Vol.2,No.6,p4
59−465)及びBraun et al.(Use of site−directed m
utagenesis to investigate the basis for the specif
icity of hirudin,(1988),Biochemistry,27,p6517−6
522)による文献において、著者らはヒルジン遺伝子に
行った特定部位の突然変異誘発の結果を報告している。
これらの文献で著者らは、蛋白質全体に行われ、ヒル
ジンの45−65セグメントに限定されない突然変異を研究
した。さらに45−65セグメント上に行った修正を単一の
修正、通常位置47に限定し、この残基が活性部位と相互
作用をしないことを示したが、これらの文献では位置5
1、57、58、61及び62における変異も示している。
同様にしてDudt et al.による文献“Distinctbinding
sites of Ala48−Hirudin1-47 and Ala48−Hirudin
48-65 on α−thrombinF,(1990),The Journal of Bio
logical Chemistry,Vol.265,No.2,p713−718は、配列中
の位置48におけるヒルジンの特定部位の突然変異誘発を
行うことを目的とした実験につき記載している。この場
合Dodt et al.により行われた研究は、彼らの実験に必
要な蛋白質の加水分解を容易にするためにこの位置にお
いてプロリンをアラニンに置換することに制限されたよ
うである。
最後にMaraganore et al.,in“Anticoagulant activi
ty of synthetic hirudin peptidesF,(1989),The Jou
rnal of Biological Chemistry,Vol.264,No.15,p8692−
8698、Dennis et al.,in“Use of fragments of hirudi
n to investigate thrombin−hirudin interaction",
(1980),Eur.J.Biochem.188,p61−66及びChang et a
l.,in“The structural elements of hirudin which bi
nd to the fibrinogen recognition sites of thrombin
are exclusively located within its acidic C−term
inal tail",(1990),Febs.,Vol.261,No.2,p287−290
は、その配列が本来のヒルジンの種々のフラグメントに
基づいている多数のペプチドの合成及び血液凝固阻止性
につき記載している。
血液凝固阻止性を有する化合物は有用な治療薬であ
り、種々の病的状態の処置に用いることができる。血液
凝固阻止剤による処置が有用である最も重要な状況の中
に心筋梗塞、肺塞栓及び脳血管障害、深部静脈血栓なら
びに他の血栓性疾患の兆候を上げることができる。
現在使用できる血液凝固阻止剤は多くの点で不満足で
ある。例えばヘパリンがトロンビンの活性の阻害に、従
って静脈血栓及び血栓塞栓症などの状況の処置に使用さ
れてきた。しかしヘパリンは多様な望ましくない副作用
を起こし、毒性の程度がより好ましい血液凝固阻止剤の
必要を示している。
トロンビンに対するフィブリノゲン又はヒルジンの結
合の仕方と類似して、触媒中心から離れた、又は結合し
た補助結合遺伝子座を用いたトロンビンの低分子量及び
特異的阻害剤の設計が蛋白質の化学における挑戦となっ
ている。おそらくそのような多官能基性阻害剤は、適し
たスペーサーで隔てられた2個又はそれ以上の認識素子
から成り、多重同時相互作用に有利で効力及び特異性が
強化されている。低分子量の構造中への「異種」化学素
子の挿入は、蛋白質加水分解に対する抵抗性及び好まし
い生物有効性を与える。
発明の概略 本発明に従い、適したリンカーにより結合した嵩高い
疎水性部分及び高度に酸性の部分の2つの部分から成る
トロンビン阻害剤を提供する。その最も広い特徴におい
て本発明は、次式(I) [式中、 Xは疎水性基であり、 Bは疎水性アミノ酸の残基であり、 Dは低級アルキルにより置換されていることができる
炭素数が2−4の直線状炭素鎖であるか、あるいはDは
p−フェニルメチル又はp−フェニルエチル基であり、 Yはカルボニル、DもしくはL型立体配置のヒドロキ
シメチル又は−CH2−であり、 Zは鎖長が少なくとも10原子である二価の直鎖状リン
カー部分であり、Yがカルボニル又はヒドロキシメチル
の場合Yの炭素原子に隣接する原子は非置換であるか、
又はモノ−もしくはジ−フルオロ−置換であることがで
き、Zは1個又はそれ以上のO、S、NH、カルボニル、
エステル又はアミド基により中断された炭素鎖から成る
ことができ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキ
ル、アリール及びアラルキル基から選ばれる1個又はそ
れ以上の置換基により置換れさていることができ、それ
ら自身がアミド、ヒドロキシ、イミダゾール、カルボキ
シ又はハロゲン基により置換されていることができ、鎖
の末端原子はL−α−アミノ酸Gとペプチド結合を形成
するカルボニル基の一部である炭素原子であり、G及び
G′は同一又は異なり、pk値が約5又はそれ以下のL−
α−アミノ酸であり、 X′は疎水性L−α−アミノ酸であり、 QはL−α−アミノ酸又は環状L−イミノ酸の残基で
あり、 WはH、又は分枝鎖状もしくは直鎖状アルキル、アリ
ール又はアラルキル基であり、 Rは1−5個のアミノ酸から成る疎水性基、あるいは
カルボキシル又はアミド官能基により置換されているこ
とができるアルキル、アリール又はアラルキル基である
か、あるいは Rは であり、ここで CはH、OH、 であり、フェニル環のパラ位で置換しているか、又は R及びR′は同一又は異なり次式 のアミノ酸又はアミン基であり、 ここでR2及びR3はそれぞれ独立して水素、低級アルキ
ル、アリール又はアルコキシアルキルであるか、又は結
合して5−6員の環を形成することができ、その環は場
合によってO、S及びNHから選ばれた別の複素原子を含
んでいても良いか、あるいは R′はLeuに結合してカルボキシル基を形成するヒド
ロキシル基である] により表されるペプチド誘導体又は治療的に許容しうる
その塩に関する。
我々は、本来のヒルジンの残基45−65を含むフラグメ
ントがトロンビン上の2つの独立し、離れた部位と同時
に相互作用することができ、その部位のひとつがアニオ
ンエクソサイトと思われる部位であり、他が蛋白質の加
水分解に対応する触媒部位であることを見いだした。こ
の結合様式は、現在N−末端の3個の残基を経てトロン
ビンの活性部位と相互作用することが示されている本来
のヒルジン分子の機構をまねているが異なるものであ
る。従って残基45,46及び47は、本来の蛋白質において
結合の役割を果していないが、N−末端コアが不在の場
合に弱くはあるが特別に正しく相互作用するようになっ
ていると思われる。
この観察に基づき我々は分子の両阻害成分が修正さ
れ、いずれかの部分のみの場合の程度を越えた抗−トロ
ンビン活性を示す新規ペプチドを合成した。さらに新規
に形成された分裂しやすい結合を化学的に修正すること
により、トロンビンに対して蛋白質加水分解的に安定で
あるという利点を有するより活性な化合物を与える。ペ
プチドは血液凝固阻止剤及び血小板凝固の阻害剤として
有用であり、それによって動脈血栓及び他の関連する心
臓循環器疾患の症状におけるリスクファクターを減少さ
せるのに有用である。
従ってN−アセチル−ヒルジン45-65のN−末端触媒
部位を好ましくは少なくとも1個のD型立体配置のアミ
ノ酸を含む嵩高い疎水性部分を含むように修正し、非−
プロテオゲン性偽ジペプチド(non−proteogenic pseud
odipeptide)、好ましくはアルギニルグリシンのイソス
ター(isostere)を位置47−48に挿入し、少なくとも本
来のヒルジンのアミノ酸55−60の親水性をN−アセチル
−ヒルジン45-65のC−末端非−触媒部分に保つことに
より、ヒルジン45-65の血液凝固阻止性が実質的に強化
されることが見いだされた。
従って本発明の化合物は残基45−65から成るヒルジン
のカルボキシルドメインに対応するがそれにより制限さ
れないペプチドから成る。
本発明は又、血栓性疾患の症状の処置のための組成物
に関する。この組成物は、製薬学上許容しうるキャリヤ
ーと混合した有効量の式Iのペプチド誘導体を含む。血
栓に関連する血管障害の処置又は予防の方法も本発明の
範囲内である。方法は、製薬学上許容しうるキャリヤー
と混合した式Iのペプチド誘導体を含む有効量の組成物
の患者への投与を含む。
本発明は又、血栓溶解薬で処置した患者における再懽
流時間の短縮又は再閉塞時間の延長法に関する。方法
は、製薬学上許容しうるキャリヤーと混合した式Iのペ
プチド誘導体及び血栓溶解薬を含む有効量の組成物の患
者への投与を含む。
図面の説明 図1はペプチドP53、P79、P102、P103及びr−ヒルジ
ン(HV−2)に関する正常なヒトの血漿の活性化部分ト
ロンボプラスチン時間及びプロトロンビン時間阻害曲線
を示す。
図2はペプチドP79によるトロンビン−活性化血小板
凝固の阻害を示す。
図3は血漿中の種々のポリペプチドの安定性を示す。
図4はペプチドP79、P184及びP185に関する正常なヒ
トの血漿のプロトロンビン時間阻害曲線を示す。
以下の記載により、本発明をより容易に例示すること
ができるであろう。
発明の詳細な説明 簡単のために本発明のペプチド誘導体を後文では単に
ペプチドと呼ぶ。
「残基」という用語は、α−アミノ酸に適用された場
合、α−アミノ酸からカルボキシル基のヒドロキシル及
び1個の水素を除去することにより対応するα−アミノ
酸から誘導される基を意味する。
各残基を示すために本文で用いる略字は、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature[Biochemis
try,11,1726−1732(1972)]の勧告に基づく。本文で
使用する「アミノ酸」という用語は天然に依存するアミ
ノ酸、ならびに化学合成及びペプチド化学の熟練者によ
り通常用いられる非天然の類似体を含む。非天然アミノ
酸のリストは、D.C.Roberts and F.Vellaccioによる“T
he Pepstides",Vol.5,1983,Academic Press,Chapter 6
に記載されている。
本出願で用いる「プロテオゲン性又は非−プロテオゲ
ン性α−アミノ酸」という用語は、ペプチド化学の熟練
者により通常用いられるアミノ酸を含むものとし、天然
に存在するα−アミノ酸が含まれるがこれらに限られる
わけではない。天然に存在するアミノ酸はグリシン(Gl
y)、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Le
u)、イソロイシン(Ile)、セリン(Ser)、メチオニ
ン(Met)、トレオニン(Thr)、フェニルアラニン(Ph
e)、チロシン(Tyr)、トリプトファン(Trp)、シス
テイン(Cys)、プロリン(Pro)、ヒスチジン(Hi
s)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、
アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、アルギニン
(Arg)、オルニチン(Orn)及びリシン(Lys)であ
る。
疎水性アミノ酸は通常α−炭素原子に結合したアルキ
ル又はアリール基を有する酸を意味する。従ってα−炭
素原子にそのような基が結合していないグリシンは疎水
性アミノ酸ではない。アルキル又はアリール基はアミノ
酸に疎水性を与える。置換基が酸の全体的疎水性を減ず
ることがなければ、アルキル又はアリール基は置換され
ていることができる。OH、COOH及びNH2などの水−可溶
化性置換基は避けるのが好ましい。疎水性アミノ酸の例
には、アラニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシ
ン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシンなど
の天然のアミノ酸残基、及びD.C.Roberts and F.Vellac
cioによる“The Peptides".Vol.5,1983,Academic Pres
s,Chapter 6に記載されているような非天然のアミノ酸
が含まれる。例えばβ−(2−及び3−チエニル)アラ
ニン、β−(2−及び3−フラニル)アラニン、β−
(2−及び3−及び4−ピリジル)アラニン、シクロヘ
キシルアラニンならびにSubPheを挙げることができる。
SubPheは芳香環に置換基を有するフェニルアラニン残基
を示す。アミノ酸の化学における熟練者により用いられ
る通常の置換基は、2,3又は4位のハロゲン(フルオリ
ド、ブロミド、クロリド)、電子吸引性基(NO2)又は
低級アルキルもしくはアリール置換基である。他に指示
がなければ本発明の範囲内で用いるアミノ酸はL−型立
体配置のアミノ酸であることを注意しなければならな
い。
本分で用いる「アルキル」という用語は好ましくは炭
素数が1−6のアルキル基を意味し、例えばメチル、エ
チル、プロピル、ブチルが含まれる。他に指示がある場
合を除いて、3個又はそれ以上の炭素原子を含むアルキ
ル基は分枝鎖状もしくは直鎖状であることができる。
従って本発明はトロンビン阻害剤として有用なペプチ
ドに関する。本発明のペプチドは次式により表されるペ
フチド又は治療的に許容しうるその塩であり、 式中、 Xは疎水性基であり、 Bは疎水性アミノ酸の残基であり、 Dは低級アルキルにより置換されていることができる
炭素数が2−4の直線状炭素鎖であるか、あるいはDは
p−フェニルメチル又はp−フェニルエチル基であり、 Yはカルボニル、DもしくはL型立体配置のヒドロキ
シメチル又は−CH2−であり、 Zは鎖長が少なくとも10原子である二価の直鎖状リン
カー部分であり、Yがカルボニル又はヒドロキシメチル
の場合Yの炭素原子に隣接する原子は非置換であるか、
又はモノ−もしくはジ−フルオロ−置換であることがで
き、Zは1個又はそれ以上のO、S、NH、カルボニル、
エステル又はアミド基により中断された炭素鎖から成る
ことができ、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキ
ル、アリール及びアラルキル基から選ばれる1個又はそ
れ以上の置換基により置換れさていることができ、それ
ら自身がアミド、ヒドロキシ、イミダゾール、カルボキ
シ又はハロゲン基により置換されていることができ、鎖
の末端原子はL−α−アミノ酸Gとペプチド結合を形成
するカルボニル基の一部である炭素原子である。
ある具体化の場合Zは少なくとも部分的に、通常のペ
プチド結合により結合したα−アミノ酸から成り、本来
のヒルジンの酸49−54であることができ、 G及びG′は同一又は異なり、pk値が約5又はそれ以
下のL−α−アミノ酸であり、 X′は疎水性L−α−アミノ酸であり、 QはL−α−アミノ酸又は環状L−イミノ酸の残基で
あり、 WはH、又は分枝鎖状もしくは直鎖状アルキル、アリ
ール又はアラルキル基であり、 Rは1−5個のアミノ酸から成る疎水性基、あるいは
カルボキシル又はアミド官能基により置換されているこ
とができるアルキル、アリール又はアラルキル基である
か、あるいは Rは であり、ここで CはH、OH、 であり、フェニル環のパラ位で置換しており、 R′はLeuに結合してカルボキシル基を形成するヒド
ロキシル基であるか、又は R′はアミノ酸又は次式 を有するアミン基であり、 ここでR2及びR3はそれぞれ独立して水素、低級アルキ
ル、アリール又はアルコキシアルキルであるか、又は結
合して5−6員の環を形成することができ、その環は場
合によってO、S及びNHから選ばれた別の複素原子を含
んでいても良い。
ペプチドの好ましい群は、以下の式Iにより表され
る。
XはD−立体配置の疎水性α−アミノ酸である。酸X
はペプチド結合によりα−アミノ酸Bに結合している。
別の場合Xは酸Bのα−アミノ基の窒素原子に結合する
別の大きな疎水性基、例えばアリールスルホニル基であ
り、 BはL−型立体配置の疎水性α−アミノ酸又は環状イ
ミノ酸の残基であり、それは環に結合した1個又はそれ
以上のアルキル置換基を有することができ、その置換基
は環状構造を形成する架橋であることができ、Dはp−
フェニルメチル、p−フェニルエチルエチレン、ブチレ
ン又はプロピレンである。
次式 の部分の重要な特徴は、その長さ及びその塩基性度であ
る。式Iの化合物の合成においてL−アルギニンを使用
した場合、Dが1,3−プロピレンである所望の立体化学
を有する式Iの化合物が得られるであろう。L−ホモア
ルギニンを使用した場合、Dが1,4−ブチレンである化
合物が得られるであろう。L−ノルアルギニンを使用す
ると、Dが1,2−エチレンである化合物が得られる。4
−グアニジル−L−フェニルアラニンを用いると、Dが
p−フェニルメチル基である化合物を得る。4−グアニ
ジル−L−ホモフェニルアラニンを用いると、Dがp−
フェニルエチル基である化合物が得られる。
Yはカルボニルであり、 Zの鎖長は12−40、好ましくは20原子の範囲であり、 G及びG′はAsp、Glu、 であり、 ここでnは1又は2であり、 X′はL−Phe、L−4FPhe又はL−4ClPheであり、 Qはプロリン、ピペコリン酸、サルコシン又はGluで
あり、 WはHであるか、あるいはピペリジン又はピロリジン
環の3,4又は5位上の低級アルキル、アリール又はアラ
ルキル置換基であり、 Rは またはLeu−R′,wherein であり、ここで CはH、パラ位に置換された であり、 R′はヒドロキシル基又は であり、 ここでR2及びR3は炭素数が1−6の直鎖状もしくは分
枝鎖状アルキル鎖であり、結合して5−6員環を形成す
ることができる。
ペプチドのより好ましい群は、以下の式Iにより表さ
れる。
XはD−Phe、D−FPhe又はD−4ClPheであり、ここ
でα−アミノ基はアセチル化又はベンゾイル化により中
和されているか、あるいは Xはナフタレンスルホニル、ベンゼンスルホニル、ト
ルエンスルホニルであり、 BはVal、ピペコリン酸又はProであり、 Wは水素であるか、又はBがProあるいはピペコリン
酸の場合環の3,4又は5位上の低級アルキル、アリール
もしくはアラルキル置換基であり、 Dはプロピレン又はフェニルメチルであり、 Yはカルボニルであり、 Zはnが1−4の範囲の整数である次式 本来のヒルジン48-54配列又は一般式 の合成スパナーであり、 ここで nは1−4の範囲の整数であり、 Lはヘキサペプチド、あるいはヘキサペプチドの18原
子又はそれ以下に対応する飽和もしくは不飽和アルキル
鎖である。
リンカーZは次式であることが好ましく、 ここで n及びmは1−4の範囲整数であり、 A1、A2はそれぞれ独立してH又はシスもしくはトラン
ス立体配置のdesHであり、但しmが1の場合nは3ある
いは4であり、 A1、A2がdesHの場合Zは であり、ここで n及びpは1−4の範囲の整数である。本発明の範囲
内で使用するリンカーは、式Iのペプチドがトロンビン
表面上で互いに決定的距離(約15Å)で離れている2種
類の独立した結合部位と相互作用するのに十分な長さを
有する必要がある。従ってZは、単位を構成する原子の
累積数がヒルジン49-54のアミノ酸配列に相当する原子
の数と等しいかそれ以下のリンカーであり、 RはGlu−Glu−Tyr−Leu−Gln−OH、Leu−OH又はGlu
−Glu−Tyr−Leu−R′であり、ここでR′はヒドロキ
シル基又は次式 を有する基であり、ここで R2は−CH3又はフェネチルであり、 R3はH又は−CH3であるか、あるいはR2及びR3が共に
結合して−CH2−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−C
H2−CH2−CH2−又は−CH2−CH2−O−CH2−CH2−を形成
することができる。
さらに好ましい式Iの化合物の群は、 XがD−Pheであり、 Bがプロリンであり、 Dがプロピレンであり、 Yがカルボニルであり、 GがAspであり、 G′がGluであり、 X′がPheであり、 QがGlu又はProであり、 Zが であり、 WがH、n−ブチル又はメチルであり、 RがGlu−Glu−Tyr−Leu−Gln−OH又は−Leu−OHであ
る化合物の群である。
比較的短鎖のペプチド、例えば本来のヒルジンのアミ
ノ酸Glu61、Glu62、Tyr63及びGln65の欠如した「不完
全」(truncated)ペプチドが興味深い生物学的性質を
示すことが見いだされた。短鎖の分子は免疫反応を起こ
しにくく、蛋白質加水分解しにくいので、「不完全」ペ
プチドはより優れた生物有効性を示す。又、低分子量の
短鎖ペプチドの投与は容易であり、通常長鎖ペプチドよ
り吸収が良い。合成リンカーの使用が蛋白質加水分解に
よるペプチドの分解をさらに防ぐことにも注意しなけれ
ばならない。
本発明のペプチド誘導体の合成 本発明のペプチドは、同業者に公知の多数の方法を用
いて合成することができる。例えば“Solid phase pept
ide synthesis",Freeman & Co.,San Francisco,1969に
おいてStewart et al.により記載された固相法により、
適したペプチド合成機上でペプチドを合成することがで
きる。
しかしある場合には、本発明のペプチドの領域
(i)、(ii)又は(iii)は合成部分であることがで
き、その場合には従来の固相合成によりこの部分を他の
アミノ酸と結合して所望のペプチドを得る前に、化学合
成が必要である。明細書中の実施例1−6は、領域
(i)の好ましい具体化のひとつを合成するのに必要な
種類の化学合成を示し、実施例7は領域(iii)で使用
する合成リンカーの合成を記述している。同業者には、
熟練した有機化学者が本発明のペプチドの領域(i)、
(ii)及び(iii)に必要な化学的部分を容易に製造す
ることができることがわかるであろう。
本発明のペプチドのいくつかは、Applied Biosystems
430Aペプチド合成機上で特別に合成した。固相担体と
してBOC−GlnPAM樹脂(Applied Biosystems;0.64ミリモ
ル/グラム)を用いた。アミノ酸カップリングは、ジシ
クロヘキシルカーボジイミド/N−ヒドロキシベンゾール
トリアゾールにより媒介し、脱プロトン化は、メチレン
クロリド中の50%三フッ化酢酸(TFA)を用いて3分
間、及び続いて追加の30分サイクルで行った。側鎖保護
基は以下である:Asp(Chx)、Glu(Bzl)、His(Bo
m)、Arg(Tos)、Tyr(2−BrZ)、Ser(Bzl)。十分
に保護したペプチド樹脂をその後−5℃にてアニソール
及びジメチルスルフィド(10体積%)を含む液体フッ化
水素で60分間処理した。窒素流下で過剰のHFを除去し、
残留固体をエーテルで抽出し、濾過した。樹脂を氷酢酸
及び水で3回抽出し、凍結乾燥した。
合成ペプチドの精製及び分析 得られた凍結乾燥粗ペプチドを、一般に受け入れられ
ているペプチド精製法を用いて精製し、均質にすること
ができる。適した方法のひとつは、溶媒系A、500ml500
mlの0.1%TFA/H2O及びB、1Lの60%アセトニトリル/0.1
%のTFAを含むH2Oの直線状勾配を用いた、Vydacオクタ
デシルシリカガラスカラム(15Å,1.5X30cm,40psi)上
の逆相クロマトグラフィーである。留分をVydac C18
析カラム及び215nm検出を用いたVarian LC上の逆相HPLC
により分析する。純度99%以上に相当する留分をプール
し、凍結乾燥することができる。ペプチド含有率は、Be
ckmanのモデル6300アミノ酸分析器上のアミノ酸分析に
より決定する。その後試料をWaters Pico−Tag Work St
ation中で乾燥する。1%のフェノールを含み、一定に
沸騰するHCl(200μl)をバイアルに加え、(乾燥窒素
を用いて)交互にパージし、3回のパージの後排気し
た。最後に試料を含むバイアルを真空下で150℃に1時
間加熱する。イオン噴射源をそなえたSCIEX API IIIス
ペクトロメータ上で質量スペクトル分析を行った。
このようにして、本発明の範囲内で合成したペプチド
の構造及び配列を、正しいアミノ酸組成及び分子量の計
算値との一致を示すための質量スペクトルにより確認す
ることができる。
本発明をさらに例示するために以下の実施例を示す
が、本発明の範囲を制限するものではない。
実施例中で用いる略字にはBOC:tert−ブトキシカルボ
ニル;Tos:p−トルエンスルホニル;CH2Cl2:メチレンクロ
リド;TEA:トリエチルアミン;BOP:ベンゾトリアゾリル
N−オキシトリスジメチルアミノホスホニウムヘキサフ
ルオロホスフェート;DMF:ジメチルホルムアミド;EtOAc:
酢酸エチル:DCC:N,N′−ジシクロヘキシルカーボジイミ
ド;DPPA:ジフェニル−ホスホリルアジド;THF:テトラヒ
ドロフラン;HF:フッ化水素;CBZ:ベンジルオキシカルボ
ニルが含まれる。
実施例1 (2S)−2−(BOC)−N−メトキシ−N−メチル−5
−トシルグアナジノペンタナミドの合成 氷浴中0℃にて、TEA(0.4ml、3ミリモル)及びN,O
−ジメチルヒドロキシアミンヒドロクロリド(146mg,1.
5ミリモル)を含む30mlのDMF中のNα−BOC−NG−トシ
ルアルギニン(428mg,1ミリモル)の溶液に、BOP試薬
(500mg,1.1ミリモル)を加えた(B.Castro,J.R.Dormo
y,G.Elvin,C.Selve,Tetrahedron Letters #14,pp.121
9−1222,1975)。反応混合物を4℃にて15時間撹拌し、
その後溶媒を高真空下で蒸発させた。残留物を50mlのEt
OAc中に溶解し、H2Oで洗浄した。有機相をさらに5%Na
HCO3(3回)、1NのHCl(3回)で抽出し、Na2SO4上で
乾燥した。溶媒をセライト上で濾過し、真空中で濃縮し
た。濃縮液に少量のヘキサンを加えると標題化合物に相
当する白色固体(500mg)が沈澱した。質量スペクトル
分析:M/Z=472(M+H) 実施例2 6−BOC−9−トシルグアニジノ−1−ノネン−5−オ
ンの合成 25mlのTHF中の実施例1からの生成物(600g、1.3ミリ
モル)の溶液に、4−ブロモ−1−ブテンから調製した
10当量のグリニヤル試薬(調製時の注意:50mlの無水エ
ーテル中の312mgのマグネシウムリボン(13ミリモル)
に1.75gの4−ブロモ−1ブテンを滴下し、穏やかな還
流を保つ)を加え、金属が全部消費された後、アルゴン
下でシリンジによりグリニヤル溶液をTHF混合物に移し
た。TLCにより出発材料の消失が示された後、THF混合物
全体をNH4Cl水溶液でクエンチした(TLCは、Kieselgel
60F 254,Merck,ガラス板上で行った)。相を分離し、有
機相をさらに1NのHCl及びH2Oで洗浄し、乾燥し(NA2S
O4)、真空下で蒸発させた。シリカゲル上のクロマトグ
ラフィー(4:1EtOAc/ヘキサンを用いて溶離)により、
標題化合物に相当する透明の油を得た。質量スペクトル
分析M/Z=469(M+H) 実施例3 5−BOC−4−オキソ−8−トシルグアニジノオクタン
酸の合成 実施例2からの生成物(2.5g、5.3ミリモル)を50ml
のアセトニトリルに溶解し、その後50mlの水に溶解した
過ヨウ素酸ナトリウム(8g、37.5ミリモル)を加えた。
混合物全体を100mgの塩化ルテニウムで処理した。室温
で1時間激しく撹拌した後、TLCにより出発材料は観察
されなかった。混合物を100mlのH2O及び100mlのエーテ
ルで希釈した。相を分離し、水相をさらにエーテルで抽
出した。合わせた有機抽出物をH2Oで洗浄し、乾燥し(N
A2SO4)、蒸発乾固して1.5gの標題化合物に相当する泡
を得た。M/Z=485(M+H) 実施例4 6−BOC−5−オキソ−9−トシルグルアニジノノナン
酸の合成 実施例1−3に類似の方法でこの実施例の標題化合物
を合成した。簡単に言うと、実施例1からの生成物をマ
グネシウム及び5−ブロモ−1−ペンテンから調製した
グリニヤル試薬で処理した。実施例3と類似の油として
単離した得られた付加物をその後、過ヨウ素酸ナトリウ
ム及び塩化ルテニウムの組み合わせで処理し、この実施
例の標題類似体を得た。M/Z=499(M+H)
実施例5 7−BOC−6−オキソ−10−トシルグアニジノデカン酸
の合成 この実施例の標題化合物を実施例1−4に類似の方法
で製造した。この実施例の場合、実施例1からの生成物
をマグネシウム及び6−ブロモ−1−ヘキセンから調製
したグリニヤル試薬で処理した。付加物を実施例2に記
載の通りシリカゲルクロマトグラフィーにより単離した
後、付加物を過ヨウ素酸ナトリウム及び塩化ルテニウム
と反応させた。生成物を単離し、標題化合物を油として
得た。M/Z=513(M+H)
実施例6 4N−t−BOC−3−オキソ−7−トシルグアニジンチオ
ヘプタン酸エチル(混合無水物法) 混合無水物の形成:15mlの無水テトラヒドロフラン中
の1g(2.4ミリモル)の(L)−Nα−BOC−Arg(NW)T
OS)OH及び0.66ml(0.48ミリモル)のトリエチルアミン
の溶液に−20℃にて0.40ml(0.3ミリモル)のイソブチ
ルクロロホルメートを15分かけて滴下した。1時間後、
混合物を15mlのエーテルで希釈し、沈澱した固体を濾過
した。混合無水物を含む濾液を0℃で保存した。
一方で25mlの無水エーテル中のジイソプロピルアミン
(3.4ml、24ミリモル)の撹拌溶液に、アルゴン下0℃
にてTHF中の1当量のN−But Liを30分で滴下した。そ
の後反応混合物を−60℃に冷却し、2.5mlのエチルチオ
アセテートで処理した。−60℃で30分間撹拌した後、混
合物を6gのMgBr2エーテレートで処理し、さらに30分撹
拌した。最後にこの混合物を予備形成した混合無水物で
処理し、HPLCにより反応が完了するまで5時間撹拌を続
けた。
反応混合物に6MのNH4Clを滴下し、相を分離した。有
機相を50mlのEtOAcで希釈し、1NのHCl(3x)、H2O(3
x)で抽出し、Na2SO4で乾燥し、高真空下で蒸発させ、
標題化合物を油状で得た。M/Z=515(M+H) 実施例7 実施例6からのチオエステルの、α−アミノ酸エステ
ル及び脱保護アミノアシルポリスチレン樹脂へのカップ
リング 実施例6からの保護アルギニル生成物(2当量)をCH
2Cl2に溶解し、α−アミノ酸エステル(1当量)又は成
長しつつあるポリペプチドを含むポリスチレン樹脂の混
合物に加えた。この混合物にヨウ化第1銅(2当量)及
びトリエチルアミン(2当量)を加えた。反応を、アミ
ノ酸エステルの場合にはHPLCにより、又はポリスチレン
結合ペプチドの場合には従来のニンヒドリン試薬により
監視する。
実施例8 次式を有するペプチドの合成 実施例3からのアミノ酸(200mg、0.4ミリモル)を10
mlのEtOAcに溶解し、ジアゾメタンのエーテル性溶液で
気体の発生が止むまで処理した。このようにして生成し
たメチルエステルを蒸発により単離し、0℃にて10mlの
50%TFA/CH2Cl2で1時間処理した。溶媒を高真空下で蒸
発させ、200mgの粘性の油を得、これは結晶化しにく
く、直接使用した。得られた油(200mg、0.33ミリモ
ル)を氷浴中で冷却した20mlのDMFにて溶解し、158mg
(0.4ミリモル)のCbz−(D)−Phe−Pro−OH、0.14ml
(1ミリモル)のTEA及び110mg(0.4ミリモル)のDPPA
で処理した。溶液全体を4℃にて15時間放置し、高真空
下で蒸発させた。残留物を水及びEtOAcに分配し、相を
分離した。有機相をさらに実施例3に記載のように処理
し、溶媒の蒸発後、残留物を得、それをシリカゲルクロ
マトグラフィー(150mg)により精製した。
ペプチドを0℃にて液体フッ化水素で1時間処理する
ことにより保護基を除去した。過剰のHFの蒸発に続き残
留物を50mlの10%AcOHに溶解し、エーテルで抽出した
(3回)。水相を凍結乾燥し、この実施例の標題化合物
に相当する粉末を得た。M/Z=489.2(M+H) 実施例9 式IIの合成スペーサーのサブユニットの製造 合成は、(Cox M.T.,Heston D.W.and Horbury J.,J.C
hem.Soc.Chem.Comm.,1980,799−800)をモデルとし、大
きな修正をして行った。完全な方法を下記に概述する。
a)トランス−β−ヒドロムコン酸ジメチルエステルの
合成 22g(153ミリモル)のトランス−β−ヒドロムコン酸
を、500mgのp−トルエンスルホン酸及び100mlのメタノ
ールを含む200mlのベンゼンに溶解した。溶液を6時間
還流下に保ち、100mlの水で処理した。相を分離し、有
機相をさらに5%NaHCO3及びH2Oで抽出した。乾燥(Na2
SO4)後、溶媒を真空下で蒸発させ、残留物を蒸留し(8
3−85℃)0.5mmHg)、19gの標題化合物を得た。
b)トランス−β−ヒドロムコン酸モノメチルエステル
の合成 5g(27.5ミリモル)の段階a)からの生成物を、100m
lの0.1M KH2PO4の溶液中に懸濁し、続いて20mgの豚肝臓
エステラーゼを加えた。1MのNaOHの溶液を滴下すること
により溶液のpHを7に保った。ジエステルの1モル当量
に相当する1M NaOHの添加の後、溶液を木炭で処理し、
5分間撹拌し、セライト上で濾過した。濾液をエーテル
で抽出し、合わせた有機抽出物を捨てた。3NのHClを用
いて水相を酸性とし、エーテルで再抽出した。合わせた
エーテル性抽出物を乾燥し(Na2SO4)真空中で蒸発させ
た。残留物を減圧下で蒸留し(105−110℃、0.5mmH
g)、4gの標題化合物に相当する油が残った。
c)4−メトキシカルボニル−2−デヒドロブチルイソ
シアナートの合成 1.22g(7.3ミリモル)の段階b)からのモノエステル
を25mlのベンゼンに溶解した。0.76ml(8.7ミリモル)
のオキザリルクロリドを15分で滴下し、溶液を3時間激
しく撹拌した。溶液を真空下で蒸発させた。10mlのアセ
トンに溶解した残留物を20mlの50%水/アセトン中の1g
のナトリウムアジドの予備冷却溶液(0℃)に加えた。
30分後混合物を水(50ml)で希釈し、20mlづつのベンゼ
ンで3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(Na2S
O4)、濾過した。濾液を油浴中で、窒素の発生が観察さ
れなくなるまで80℃に加熱した。溶媒を真空下で蒸発さ
せ、残留物を減圧下(80−85℃、0.5mmHg)で蒸留し、7
00mgの標題化合物を得た。
d)4−N−ブチルオキシカルボニル−3−ペンテン酸
の合成 890mg(12.2ミリモル)のtert−ブタノールを、25ml
のベンゼン中に段階c)からの生成物(1g、6.1ミリモ
ル)を含む溶液に加えた。溶液全体を10時間還流し、そ
の後真空下で蒸発させた。残留物を段階b)に記載の通
りに豚肝臓エステラーゼで処理し、その段階に記載の通
りに仕上げ、700mgの標題化合物を得た。
その後段階d)からの生成物を合成スペーサーIIの製
造の単位として用いる。同業者に公知の方法を用いてこ
れらの単位を組み立て、スペーサーIIを形成する。
実施例10 種々のペプチドの合成 下表Iに示すペプチドP24、P51、P53、P73、P52及びP
54を、「ペプチドの合成」の題で前に記載した標準的方
法を用いて合成した。式Iにおいて、 XがD−Pheであり、Zが であり、Dがプロピルであり、Yが−COであり、WがH
であり、Rが−Glu−Gly−Tyr−Leu−Gln−OHである合
成ペプチドに相当するペプチドP79も、最初に実施例3
に記載のように5−BOC−4−オキソ−8−トシルグア
ニジノオクタン酸を化学的に合成し、その後「ペプチド
の合成」の題で記載の方法を用いた適したペプチド組み
立てを行うことにより製造した。
実施例11 1gのtert−ブチルオキシカルボニル−Glnフェニルア
セトアミドメチル樹脂(Applied Biosystems;0.64ミリ
モル/g)を用いて、nα−側鎖脱保護(CH2Cl2中50%TF
A)及び2.5ミリ当量の保護アミノ酸/DCC及びN−ヒドロ
キシベンゾトリアゾールを用いたカップリングを含む合
成を16サイクル行った。標準的アミノ酸の側鎖保護基
は、以下のものであった:Asp(シクロヘキシル)、Glu
(ベンジル)、His(ベンジルオキシメチル)、Tyr(ブ
ロモベンジル)、Ser(ベンジル)。
実施例3からの合成保護アミノ酸を、やはりDCC/N−
ヒドロキシベンゾトリアゾールを用いてGln49にカップ
リングさせた。最適の結果を得るために、個別のアミノ
酸の代わりに単一の単位としてN−BOC−(D)−Phe−
Pro−OHを加えることができる。
完全に保護されたペプチド樹脂(500mg)を、−5℃
にてアニソール及びジメチルスルフィド(10体積%)を
含むテフロン容器中でフッ化水素で60分間処理した。N2
流下で過剰のHFを除去し、残留塊をエーテルで抽出し、
濾過した。樹脂を氷酢酸及び水で3回抽出し、凍結乾燥
した。
凍結乾燥した粗ペプチドを、(a)500mlの0.1%TFA/
H20及び(B)1リットルの0.1%TFAを含む60%アセト
ニトリルH2Oから成る溶媒系の直線状勾配を用いたオク
タデシルシリカ(15Å、Vydac)ガラスカラム(1.5x30c
m)、40psi上の逆相クロマトグラフィーにより精製し、
均質とした。純度98%かそれ以上に相当する留分をプー
ルし、凍結乾燥した。
アミノ酸分析は、Asp(3)、Ser(1)、Glu
(6)、Gly(1)、Ile(1)、Leu(1)、Tyr
(1)、Phe(2)、His(1)、Pro(2)を示した。
得られたペプチドは、2548.6に対応する偽分子イオン
を示した。
実施例12 アミノ酸分析は、Asp(3.20)、Ser(0.86)、Glu
(6.60)、Gly(0.8)、Ile(1.00)、Leu(1.06)、Ty
r(0.86)、Phe(1.84)、His(0.88)、Pro(2.10)を
示した。
偽分子イオン:2562.4 実施例13 アミノ酸分析は、Asp(3.15)、Ser(0.84)、Glu
(6.84)、Gly(1.00)、Ile(1.04)、Leu(1.26)、T
yr(0.99)、Phe(2.12)、His(1.00)、Pro(1.55)
を示した。
偽分子イオン:2576.8 実施例14 小さな修正を行って基本的にP79及びその類似体の場
合に記載した通りに、この実施例の標題化合物を合成
し、精製した。例えば固相合成は、tert−ブチルオキシ
カルボニル−Leuフェニルアセトアミドメチルポリスチ
レン樹脂(Applied Biosystems,0.64ミリモル/g)を用
いて始めた。Asp残基に続くt−BOC基の脱保護の場合、
10%エチルメチルスルフィドを含むCH2Cl2中の50%TFA
を用いた。この方法で、標題ペプチドの収率を最適化
し、HPLC(215nmにおけるUV吸収)により60%以上とし
た。
アミノ酸分析は、Asp(1.00)、Glu(1.07)、Ile
(0.94)、Leu(1)、Phe(1.82)、Pro(3.29)を示
した。
偽分子イオン、1455。
実施例15 アミノ酸分析は、Asp(1.00)、Glu(1.08)、Ile
(0.96)、Leu(1.01)、Phe(1.91)、Pro(3.48)を
示した。
偽分子イオン、1553。
実施例16 アミノ酸分析は、Asp(1.00)、Glu(1.06)、Ile
(0.93)、Leu(0.98)、Phe(1.88)、Pro(3.6)を示
した。
偽分子イオン、1647。
トロンビン活性のアミド分解分析 Tos−Gly−Pro−Arg−pNAのトロンビン−触媒加水分
解を、1mLの最終容積中2.5、3.5、5及び10μMの基質
濃度を用い、Varian Cary 2000複光束分光光度計におい
て405nmにて監視した。加水分解反応は、0.1MのNaCl及
び0.1%のPEG6000を含む0.1Mトリス−HCl緩衝液、pH7.8
中、25℃で行った。反応は、0.1Mのトリス−HCl緩衝
液、pH7.8中に溶解した基質を、同一緩衝液に溶解した
酵素(0.4又は0.04μM)及び濃度を変化させた阻害剤
の予備インキュベーション溶液に加えることにより開始
した。初期速度を記録し、競争的阻害の場合にはディク
ソンプロットの重量直線回帰(weighted linear regres
sion)により、又は双曲線形阻害の場合にはBaiciの方
法(Baici,1981)によりグラフからKi値を決定した。同
一条件及びレイショ(λex=383nm、λem=455nm)の蛍
光モードで操作する上記の装置を用い、蛍光助剤を用い
た分析(fluorogenic assays)を行った。蛍光強度は、
既知の濃度の7−アミノ−4−メチルクマリン溶液を用
いてキャリブレートした。本発明の合成ペプチドのヒト
α−トロンビンに対する特異性も、トロンビン活性のア
ミド分解分析で得られたK1値の比較により両ヒトα−ト
ロンビン及び牛α−トロンビンならびにトリプシンに対
する相対的阻害活性を比較することにより決定すること
ができる。
本発明の合成ペプチドのトロンビンに対する阻害活性
は、Coag−A−Mate2001装置(General Diagnostics In
c.,Morris Planes,New Jersey)又は他の適した分光光
度計を用い、プールして再構成した正常なヒト血漿のプ
ロトロンビン時間(PT、外的経路)又は活性化部分トロ
ンボプラスチン時間(APTT、内的経路)を決定すること
によっても分析することができる。
従ってプロトロンビン時間の決定の場合、50μlの再
構成クエン酸化正常ヒト血漿(Sigma,St−Louis,MO.)
を50μlのトロンボプラスチン溶液と、400μlの浅い
容器中37℃で混合する。その後混合物を200μlのトリ
ス−HCl緩衝液pH7.8(0.1MのNaCl、0.1%のPEG6000を含
む)、又は同一緩衝液中で濃度を変化させた阻害剤で処
理する。100μlの25mM CaCl2を用いた再石灰化の後、
凝固時間を記録する。阻害剤の不在下の凝固時間は、19
−22秒であった。
活性化部分トロンボプラスチン時間の決定の場合は、
最構成血漿をセファリン(Sigma,St−Louis,MO.)で3
分間活性化する以外は同様の方法を用いる。
典型的APTT及びPT阻害曲線を図1及び4に示す。
本発明のペプチドのいくつかのトロンビンに対する阻
害活性は、図2に示す通りトロンビン−媒介血小板凝固
の阻害能力に反映している。濃度を変化させたP79を含
む血小板の豊富な血漿をトロンビンで処理した。血小板
の凝固は、Bio Data PAP−4アグリゴメーターで測定す
る光透過の増加に反映する。
フィブリノゲン凝固分析 フィブリノゲン血餅形成の阻害を、37℃でVarian DMS
90上、405nmにて分光光度分析的に測定した。0.1MのNa
Cl、0.1%のPEG600を含む0.1Mのトリス−HCl、pH7.8中
の0.1%フィブリノゲン(Sigma)300μL及び同緩衝液
中で濃度を変化させた阻害剤をポリスチレンの浅い容器
中で混合し、全体積1mL中に酵素(ヒト又は牛α−トロ
ンビン0.4nM)を加えることにより反応を開始した。混
合してから血餅形成による屈折までの時間を種々の阻害
剤濃度に関して記録し、ログプロビット分析によりIC50
値を算出した。分析における阻害剤の濃度は、ペプチド
含有量に基づく。
本発明のペプチドの凝固阻止活性の決定に、種々の他
の分析を用いることができる。このように本発明の合成
ペプチドのトロンビンに対する阻害活性を、活性化部分
トロンボプラスチン時間(APTT内部経路)又はプロトロ
ンビン時間(PT外部経路)の阻害により分析することも
できる。従ってプールされた正常なヒト血漿のAPTTをCo
ag−A−Mate 2001装置(General Diagnostics Inc.,Mo
rris Planes,New Jersey)を用いて分析することにより
凝固阻止活性を決定することができる。
さらに本発明の合成ペプチドを、トリペプチジル p
−ニトロアニリド基質、トシル−Gly−Pro−Arg−P−
ニトロアニリド(Chromozym TH,Boehringr−Mannheim,I
ndianapolis,In.)のトロンビン−触媒加水分解の阻害
に関して、Cary 219 複光束分光光度計上で420nmにお
ける分光光度測定により調べることができる。反応液
は、トロンビン溶液をトリス−HCl、pH7.4、NaCl緩衝液
と混合することにより調製することができる。
本発明の合成ペプチドのいくつかを用いて行ったこれ
らの分析は、これらのペプチドがトロンビンの二官能基
性阻害剤として作用することを示した。実際に、適した
スペーサーによって隔てられた2個のペプチドの決定的
領域の挿入により、強力なトロンビン阻害剤が得られ
た。結果を表Iに示す。
従って向上した酵素親和性及び試験管内凝固阻止効果
は、共働的分子内結合機構に直接帰することができる。
例えば式Iの化合物の置換基XがD−Pheである場合、
領域(i)をトロンビンの活性部位の長い疎水性領域と
結合するのに適したものとするだろう。トロンビンの非
−接触部位に結合するための領域(ii)に関する要求
は、領域(i)の場合とは異なる。
これらの2領域を1個の分子内に適したリンカーによ
って隔てて挿入することが、実質的にトロンビンに対す
る分子の親和性を向上させることは明らかである。実際
に2個の独立した領域の別々のIC50投薬量を組み合わせ
ると凝固時間が正確に2倍になるが、2領域をリンカー
により結合するとより高い活性が得られる。従って本発
明の二官能基性阻害剤がトロンビンと接触すると、その
2元共働的結合が起こると思われる。リンカーは補助部
位(領域(ii))及び触媒部位(領域(i))ならびに
触媒部位に隣接する非極性結合部位の架橋のための適し
たスペーサーとして働く。
又、種々の実験によりD−Phe−Pro−Arg−Pro−OH及
びNα−アセチルデスルホヒルジン55-65が独立に牛α
−トロンビンによるフィブリン血餅形成をそれぞれ250
μM及び3.5μMのIC50値で阻害するが、ヒルジン残基4
9−54に対応するスペーサーによって隔ててそれらを1
個の分子中に挿入すると、IC50=70±20nM(牛α−トロ
ンビン)及び4±0.8nM(ヒトα−トロンビン)の阻害
剤となることが示された。ヒルジン45-65及びD−Phe−
Pro−Arg−Pro−OHの別々の投薬量を組み合わせた効果
は、単にフィブリノゲン凝固時間が2倍になるだけであ
るが、スペーサーの寄与は無視できなかった。凝固分析
におけるP53の場合に観察された相乗効果は、蛍光助剤
を用いた分析の結果により確証され、この場合この類似
体がP51と比較して純粋な競争的阻害剤として発生し、K
i値がP51よりほとんど50倍低い。ペプチドP79、P102、P
103ならびに「不完全」ペプチドP184及びP185の場合に
興味深いトロンビン阻害活性が得られた。
動静脈短絡モデルにおける抗血栓活性 実験法 ウレタンで麻酔したラットを、温度制御加熱板上に背
臥位で固定する。右頚動脈及び左頚静脈に短いポリエチ
レンカテーテル(Portex、PE 50)でカテーテル法を施
す。カテーテルに生理的食塩水を満たし、クランプで締
める。カテーテルの2つの末端を血栓発生表面として作
用する2−cmのガラス毛細管(内径1.0mm)と連結し、
試験物質又はその溶媒(標準)の静脈内投与の5分後に
動静脈短絡を閉じているクランプを開く。短絡を流れる
血液によりガラス毛細管の温度が室温から体温に急速に
上昇する。毛細管の温度は、短絡の解放性の指標とな
る。温度をNiCrNi−熱電対を用いて測定する。
結果 ラットの動静脈短絡モデルにおける、静脈内投与5分
後のP79の抗血栓効果を組み替えヒルジンと比較した
(n=使用した動物の数)。結果を下表IIに示す。
血漿中のポリペプチドの安定性 本発明のペプチドを、蛋白質加水分解に対する試験管
内血漿安定性に関して評価した。添付する図における結
果は、P53及びP79(他の場合ヒルトニンIIと記す)の比
較安定性の例を示す。
600μgのペプチドを250μlの再構成正常ヒト血漿、
250μlのトロンボプラスチン、600μgの塩化カルシウ
ム及び50mMのNaHPO4緩衝液pH7.8と混合して最終容積900
μlとした。混合物を37℃でインキュベートし、100μ
lのアリコートを指示された時間間隔で取り出した。各
アリコートに20μlの10%三塩化酢酸を加え、12XKにて
10分間遠心した。上澄み液をC18分析カラムに注入し、
標準的溶離法(すなわちCH3CN中60%の0.1%TFA/H2Oか
ら0.1TFAまで)によりクロマトグラフィーにかけた。
図3に示される比較結果は、P53が30分後に50%以上
分解するがP79(ヒルトニンII)は、最小か又は全く蛋
白質加水分解を示さないことを例証している。
薬剤組成物 本発明のペプチドは、治療的に許容しうる塩の形態で
得ることができる。本発明のペプチドは、酸及び/又は
塩基として機能する両残基を有するので、有機酸(例え
ば酢酸、乳酸、コハク酸又はリンゴ酸)あるいは塩基
(例えばナトリウム、カリウム又はカルシウム)の塩を
誘導することができる。式Iのペプチドのこれらの塩
は、十分に生物学的に活性である。治療的に許容しうる
塩は、R.A.Boissonas et al.,Helv.Chim.Acta.43,1849
(1960)により記載の方法により適したイオン交換樹脂
を用いることによりある塩の形態から他の塩の形態に変
換することができる。
本発明のペプチド又は治療的に許容しうるその塩は、
単独であるいは組み合わせて血栓による血管障害の処置
又は予防に使用することができる。これらは、例えばヒ
ト、馬又は犬などの温血動物に製薬学上許容しうるキャ
リヤーと共に全身的に投与され、その組成物の割合は溶
解度及びえらばれた投与経路に依存する。本発明のペプ
チドは、製薬学上許容しうるキャリヤーと共に静脈内、
皮下又は筋肉内注射により投与される。適したキャリヤ
ーの例は標準的製薬学のテキスト、例えば“Remington'
s Pharmaceutical Sciences",16th edition,Mack Publi
shing Company,Waston,Penn.,1980に記載されている。
ペプチドの投薬量は投与の形態及び特定の化合物に依
存して変わるであろう。注射の場合ペプチドの治療的有
効量は約0.05mg/kg−10mg/kg体重の投薬量の範囲であ
る。活性成分の他に組成物は通常適したpHを保つための
適した緩衝液、例えばリン酸塩緩衝液及び溶液を等張と
するための塩化ナトリウム、グルコース又はマンニトー
ルを含む。
本発明のペプチドは単独で、又は他の薬剤と組み合わ
せて投与することができる。例えばペプチドは冠動脈の
再閉塞を防ぐための組織プラスミノゲンアクチベーター
と組み合わせて投与することができる。別の場合本発明
のペプチドはヘパリン又は低分子量ヘパリンと共に投与
することができ、組み合わせによりヘパリン又は低分子
量ヘパリンの投薬量を少なくすることができて有利であ
る。
次式IIを有する化合物の製造法は、本発明の範囲内で
ある。
式中、 nは1−4の範囲の整数であり、K及びK′は同一又
は異なり適した保護基、例えばBoc及びTosである。
方法は、次式 [式中、 nは1−4の範囲の整数であり、K及びK′は同一又
は異なり適した保護基、例えばBoc及びTosである] を有する化合物を、2重結合を酸化することができる酸
化剤で酸化し、所望の生成物を回収する段階を含む。
式IIの化合物も本発明の範囲内である。
本発明はさらに次式IIIを有する化合物の製造法も含
む。
方法は次式 を有する化合物を、メチル基を1個除去する能力を有す
る酵素で処理し、所望の生成物を回収する段階を含む。
式II及びIIIの化合物は、本発明のペプチド誘導体など
のペプチド誘導体製造の中間体として有用である。
本出願は、米国特許出願番号07/538,322の一部継続出
願であり、それをここに参照として挿入する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ニ,フエング カナダ国エイチ9ジエイ 3エル1・ケ ベツク・ピエール フオンズ・アパート メントナンバー1・ブールバードピエー ルフオンズ17715 (72)発明者 コニシ,ヤスオ カナダ国エイチ4アール 1エヌ1・ケ ベツク・サン―ローラン・ブールゴワン 2525 (56)参考文献 特開 平4−507253(JP,A) 特開 昭60−500870(JP,A) 特開 昭60−6647(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式 [式中、 Xは疎水性アミノ酸又はアリールスルホニル基であり; Bは疎水性アミノ酸又は環に結合した1個もしくはそれ
    以上のアルキル置換基を有することができ、その置換基
    が架橋して環構造を形成していてもよい環状イミノ酸の
    残基であり; Dは低級アルキルにより置換されていることができる炭
    素数が2〜4の線状炭素鎖であるか、あるいはDはp−
    フェニルメチル又はp−フェニルエチル基であり; Yはカルボニル、DもしくはL型立体配置のヒドロキシ
    メチル又は−CH2−であり; Zは であり、ここでn及びmは1〜4の範囲内の整数であ
    り、そしてA1及びA2はそれぞれ独立してH又はシスもし
    くはトランス立体配置のdesHであり、但しmが1である
    場合にはnは3又は4であるか、あるいはZは であり、ここでnは1〜4であり; G及びG′は同一もしくは相異なり、pk値が約5もしく
    はそれ以下のL−α−アミノ酸であり; X′は疎水性L−α−アミノ酸であり; QはL−α−アミノ酸又は環状L−イミノ酸の残基であ
    り; WはH、あるいは直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル、
    アリール又はアラルキル基であり; Rは1〜5個のアミノ酸からなる疎水性基又はカルボキ
    シルもしくはアミド官能基によって置換されていること
    ができるアルキル、アリールもしくはアラルキル基であ
    るか、あるいはRは であり、ここでJはフエニル環のパラ位に置換したH、
    OH、 であるか、あるいはR及びR′は同一もしくは相異な
    り、アミノ酸又は下記式 のアミン基であり、ここでR2及びR3はそれぞれ独立して
    水素、低級アルキル、アリールもしくはアルコキシアル
    キルであり、又は一緒になって環が場合によりO、S及
    びNHから選ばれる別のヘテロ原子を含んでいてもよい5
    〜6員の環を形成してもよく、あるいはR′はLeuに結
    合してカルボキシル基を形成するヒドロキシル基であ
    る] で示されるペプチド誘導体又はその製薬学的に許容しう
    る塩。
  2. 【請求項2】Xが置換基Bにペプチド結合により結合し
    たD−型立体配置の疎水性−アミノ酸、又は置換基Bの
    窒素原子に結合した疎水性基であり; Dがp−フェニルメチル、p−フェニルエチル、エチレ
    ン、ブチレン又はプロピレンであり; Yがカルボニルであり; G及びG′が同一もしくは相異なり、Asp、Glu、 であり、ここでnは1又は2であり; X′がL−Phe、L−4FPhe又はL−4ClPheであり; Qがプロリン、ピペコリン酸、サルコシン又はGluであ
    り; WがH、あるいはピペリジン又はピロリジン環の3,4又
    は5位上の低級アルキル、アリール又はアラルキル置換
    基であり; Rが 又はLeu−R′であり、ここでJはフェニル環のパラ位
    に置換したH、OH、 であり; R′がヒドロキシル基又は であり、ここでR2及びR3は炭素数1〜6の直鎖状もしく
    は分枝鎖状のアルキル鎖であるか、又は一緒になって5
    〜6員の環を形成していてもよい 請求の範囲第1項に記載のペプチド。
  3. 【請求項3】XがD−Phe、D−4FPhe又はD−4ClPheで
    あり、ここでα−アミノ基はアセチル化又はベンゾイル
    化により中和されているか、あるいはXがナフタレンス
    ルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニルで
    あり; BがVal、ピペコリン酸又はProであり; Wが水素、又は3,4もしくは5位上の低級アルキル、ア
    リールもしくはアラルキル置換基であり; DがBがPro又はペコリン酸である場合にプロピレンで
    あるか又はp−フェニルメチルであり; Yがカルボニルであり; RがGlu−Glu−Tyr−Leu−Gln−OH、Leu−OH又はGlu−G
    lu−Tyr−Leu−R′であり、ここでR′はヒドロキシル
    基又は下記式 を有する基であり、ここでR2は−CH3又はフェニルエチ
    ルであり、R3はH又は−CH3であるか、あるいはR2及びR
    3は一緒になって−CH2−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2
    −CH2−CH2−CH2−又は−CH2−CH2−O−CH2−CH2−を
    形成してもよい請求の範囲第1項に記載のペプチド。
  4. 【請求項4】Zが であり、ここでpは1〜4の範囲内の整数である 請求の範囲第1項に記載のペプチド。
  5. 【請求項5】XがD−Pheであり; Bがプロリンであり; Dがプロピレンであり; Yがカルボニルであり; GがAspであり; G′がGluであり; X′がPheであり; QがGlu又はProであり; Zが−(CH2(CO)−Gln−Ser−His−Asn−Asp−Gl
    y−、 −(CH2(CO)−Gln−Ser−His−Asn−Asp−Gly
    −、 −(CH2(CO)−Gln−Ser−His−Asn−Asp−Gly
    −、 −(CH2(CO)NH−CH2−CH=CH−CH2−(CO)
    、 −(CH2(CO)NH−CH2−CH=CH−CH2−(CO)
    又は −(CH2(CO)NH−CH2−CH=CH−CH2−(CO)
    であり; WがH、n−ブチル又はメチルであり; R′がGlu−Glu−Tyr−Leu−OH又は−Leu−OHである 請求の範囲第1項に記載のペプチド。
  6. 【請求項6】[D−Phe45,Arg47]ヒルジン45-65、[D
    −Phe45,Arg47,D−Pro48]ヒルジン45-65、[Thr45,Arg
    47,D−Pro48]ヒルジン45-65、[D−Phe45,Arg47
    (COCH2)CO47]ヒルジン45-65、[D−Phe45,Arg47
    (COCH2)CH2CH2CO47]ヒルジン45-65、[D−Phe45,Ar
    g47,ψ(COCH2)CH2CH2CH2CH2CO47]ヒルジン45-65
    [D−Phe45,Arg47,ψ(COCH2)(CH23CO47−(NHCH2
    CH=CHCH2CO)1,Pro58,Leu61]ヒルジン45-61、[D−P
    he45,Arg47,ψ(COCH2)(CH23CO47−(NHCH2CH=CHC
    H2CO)2,Pro58,Leu61]ヒルジン45-61及び[D−Phe45,
    Arg47,ψ(COCH2)(CH23CO47−(NHCH2CH=CHCH2C
    O)3,Pro58,Leu61]ヒルジン45-61からなる群より選ば
    れる請求の範囲第1項に記載のペプチド。
  7. 【請求項7】請求の範囲第1〜6項のいずれかに記載の
    ペプチド誘導体又はその製薬学的に許容しうる塩を有効
    成分として含有することを特徴とする血栓性疾患の予防
    又は処置剤。
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