JP2657006B2 - 非n−炭化水素のプレパルスストリームを使用するn−パラフィンを吸着分離するための改良方法 - Google Patents

非n−炭化水素のプレパルスストリームを使用するn−パラフィンを吸着分離するための改良方法

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JP2657006B2 JP3039274A JP3927491A JP2657006B2 JP 2657006 B2 JP2657006 B2 JP 2657006B2 JP 3039274 A JP3039274 A JP 3039274A JP 3927491 A JP3927491 A JP 3927491A JP 2657006 B2 JP2657006 B2 JP 2657006B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特に直鎖状および分岐鎖
状の、場合によっては芳香族系の炭化水素を包含する原
料混合物から直鎖状の炭化水素を分離するための改良方
法であって、吸着ゾーンにプレパルスストリームの使用
をする改良方法にかかわる。この改良はさらに詳細には
非n−炭化水素からn−炭化水素を分離する際たとえば
10およびそれ以上の「重質」n−パラフィンの回収度
にかかわり、前記重質n-パラフィンは原料混合物から
細孔径が約5Åの分子篩吸着剤を使用したときは、他の
一般の方法では不十分となる傾向のあるものである。
【0002】
【従来の技術】選択性吸着剤を使用して種々の炭化水素
化合物を分離することは石油、化学および石油化学工業
界では広く実施されている。分別蒸留のような他の方法
では同じ化合物の分離がより困難でかつ高価となるよう
な場合にはしばしば吸着法が使用される。このような吸
着分離工程の実例としては、キシレン混合物からのエチ
ルベンゼンの分離、C8芳香族化合物の混合物からのパ
ラキシレンのような特定のキシレンのような異性体の分
離、グルコース、フラクトースのような2以上の多糖類
混合物からグルコースのような単糖類の分離、アシルパ
ラフィン類からアシルオレフィン類の分離、およびイソ
パラフィン類および環状パラフィン類を含む非n−パラ
フィン類からn−パラフィンの分離がある。選択性吸着
剤は通常非選択性吸着剤と同数の炭素原子を有し、沸点
もきわめて良く似ており、その特性による分別蒸留はき
わめて困難とされている。吸着分離の他の一般的な適用
は2種以上の炭化水素群よりなる幅広い沸点領域の混合
物から特定の炭化水素群を回収することである。この実
例としてはC10〜C14のイソパラフィン類よりなる混合
物からC10〜C14のn−パラフィン類を分離することで
ある。このようなn−及び非n−炭化水素物質よりなる
混合物から回収された直鎖状(n−)パラフィンは一般
的にはさらに加工してろうそく用ワックス、食品包装材
料および洗剤として使用されるが、ラフィネート軽潤滑
油またはディーゼル燃料としての用途がある。
【0003】種々の化学化合物の吸着分離はすでに十分
開発し尽くされ、一般にも実施されている工程である。
このような工程の代表的な実例としては米国特許第3,45
5,815号および第4,006,197号がある。これらの参考資料
はいずれも分子篩型吸着性化合物を使用してイソパラフ
ィンとn−パラフィンの混合物から直鎖状パラフィンを
分離する工程について記述されている。これらの参考資
料中に記載されている基本とする分離、操作方法、条
件、吸着剤および原料物質は本発明で使用しているもの
と類似したものである。とくに第4,006,197号は精製ゾ
ーンIIにラフィネート型清掃剤を用いて吸着剤の非選択
性の空間からラフィネート成分を洗い落とし、それによ
って吸着分離物中のn−パラフィンの純度を上げてい
る。米国特許第4,436,533号はC11〜C14のケロシンス
トリーム中の非n−パラフィンからn−パラフィンを連
続吸着分離するための気相条件操作に関する工程を開示
している。米国特許第3,392,113号は炭化水素混合物か
らのn−パラフィンの吸着分離を教示している。米国特
許第3,053,913号は分子中に少なくとも13個の炭素原子
をもつ直鎖状炭化水素、いわゆる「重質」n−炭化水素
の精製を開示している。この特許は好ましくは1分子当
たり4個から8個の炭素原子をもつ液状の分岐鎖状パラ
フィンを溶離剤として用いた後−吸着、前−脱着型吸着
剤床溶離段階の使用を教示している。この溶離段階で吸
着段階の結果吸着剤と接触して残留している原料物質の
残留した(まだ吸着されていない)重質分岐鎖状炭化水
素化合物を、吸着剤の非選択性の空間(すなわち前記吸
着剤粒子間の間隙)から洗い落とす。この残留物質は分
子篩から容易に洗い落とすことができなければ、脱着段
階で最終要求物質のストリームと混合されることにな
る。この溶離段階を採用してより軽質の分岐鎖状炭化水
素化合物を置換することによって、この吸着段階の最終
製品は分別蒸留または他の通常の方法によって容易に精
製可能となる。したがって公知の従来技術では一般的な
吸着剤分離方法による重質の直鎖状炭化水素の精製に関
する種々の改良方法が開示されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】本発明は非n−炭化水素ストリームを原料
が投入される位置の直ぐ下流で吸着ゾーンに投入してn
−炭化水素の吸着分離物の回収率を増大させる方法を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は吸着性分離法を
使用することによってn−および非n−炭化水素化合物
を分離するための改良方法であって、この場合炭化水素
原料をラフィネートと比較して吸着分離物を選択的に吸
着する性質をもった吸着剤のカラムを使用して前記吸着
分離物とラフィネートとに分離させるもので、前記改良
方法がプレパルス法を使用することよりなり、このプレ
パルス法が簡単な分別によって非n−炭化水素原料から
容易に分離可能な非n−炭化水素ストリームを前記吸着
剤が最初に原料と接触するカラム内の位置から下流でこ
の吸着剤のカラムに導入させ、それによって前に投入し
た原料の吸着分離成分の吸着を増大させてその回収率を
高めることからなっている。この方法はまたこの非n−
炭化水素(プレパルスストリーム)を投入物と混合、た
とえば前混合または投入点で同時投入してもよいことも
意図するものである。
【0006】本発明は、例えば炭素数が約10以上特に約
20以上を有する比較的重質成分範囲の非n−炭化水素原
料からn−パラフィンを分離するに有効に用いられる、
そして、比較的重質成分上に比較的軽質のn−パラフィ
ンが優先的に吸着される傾向を、吸着剤の有効な吸着部
分に対し脱着剤の低分子量n−パラフィンの競合を低減
させることにより減少させる。本改良された方法は非n
−炭化水素物質を利用し、このプレパルス物質として未
吸着物質が使用されるから、この物質が必ずも原料混合
物中に通常認められるタイプの物質である必要がなく、
吸着され得る原料混合物の吸着分離成分の特性を有して
いて、本発明を使用することなく他の可能な方法で極め
て広範囲に最終的に得ることができる。
【0007】本発明の態様は、炭化水素ストリームを吸
着分離物ストリームとラフィネートストリームに連続的
分離するに該ラフィネートに比し該吸着分離物に選択性
吸着性を有する吸着剤を通して行う方法において、夫々
操作機能が異なり、かつカラム内のゾーンが連結するよ
うに端部が直列に相互に連結したゾーンよりなる吸着剤
カラムを通して液体の流れを保持し、原料ストリーム投
入部を上流境界とし、ラフィネートストリーム取出し部
を下流境界とした吸着ゾーンを該カラム内に維持し、こ
の吸着ゾーンの上流に吸着分離物ストリーム取出し部を
上流境界とし、前記原料ストリーム投入部を下流境界と
した精製ゾーンを該カラム内に維持し、この精製ゾーン
の直ぐ上流に脱着剤ストリーム投入部を上流境界とし、
吸着分離物ストリーム取出し部を下流境界とした脱着ゾ
ーンを該カラム内に維持し、場合によっては、この脱着
ゾーンの直ぐ上流に脱着剤ストリーム投入部を下流境界
とし、ラフィネートストリーム取出し部を上流境界とし
た緩衝ゾーンを該カラム内に維持し、吸着分離物とラフ
ィネートよりなる原料投入ストリームを吸着条件で前記
吸着ゾーンの上流末端に通して、これによって前記吸着
分離物が前記ゾーン内にある吸着剤の部分によって選択
的に吸着され、前記吸着ゾーンの下流末端からラフィネ
ートを取出し、前記脱着ゾーンの上流末端に脱着条件で
脱着剤ストリームを通し、前記脱着ゾーン中の吸着剤部
分からの吸着分離物の置換を効果的にし、吸着分離物と
脱着剤を含む吸着分離物ストリームを前記脱着ゾーンの
下流末端から取出し、前記吸着剤は吸着ゾーン中で先に
原料ストリームと接触した部分に吸着分離物を保持して
いる、吸着ゾーンから取出すラフィネート取出しストリ
ームの少なくとも一部を前記緩衝ゾーンに通す、前記吸
着剤粒子のカラムを通して前記吸着ゾーン中の流体流れ
に関して下流方向に前記吸着、精製、脱着の各ゾーン若
し使用していれば前記緩衝ゾーンを周期的に前進させ
て、前記源流投入ストリームを吸着分離物とラフィネー
トとに連続的に分離させる工程、更に、前記カラム中の
前記吸収ゾーン内に、前記原料ストリーム投入部を上流
境界とし、その直ぐ下流に、前記原料ストリームより非
−n−炭化水素濃度の高い非n−炭化水素ストリーム
(プレパルスストリーム)投入部を下流境界とした非n
−炭化水素サブゾーンを保持し、前記プレパルスストリ
ームを非n−炭化水素サブゾーンに通して、前記吸着剤
と接触しその選択性吸着性を促進させる工程よりなるこ
とを特徴としている。
【0008】図1において線(1)はこの工程への脱着剤
投入場所である;線(2)はこの工程への原料投入場所で
ある;線(3)は吸着分離物取り出し場所である;線(4)
はラフィネート取出し場所である;線(6)は下記の随意
のリサイクルストリーム取出し口である。I,II,II
I,IVと印した吸着剤部分はそれぞれ従来技術による擬
似流動床式吸着性分離工程の吸着ゾーン、精製ゾーン、
脱着ゾーンおよび随意の緩衝ゾーンである。このカラム
にはどれだけの数の吸着剤ベッドが含まれていてもよ
く、通常ベッドは同じ大きさのものが8〜24個用いられ
ている。各ゾーンのベッド数は分離条件および使用する
前ベッド数に応じて変化するが、ベッド数が24の時には
一例として吸着ゾーンが4〜7ベッド、精製ゾーンが6
〜8ベッド、脱着ゾーンが7〜9ベッド、緩衝ベッドが
0〜2ベッドであってもよい。
【0009】図2では線(1)はこの工程への脱着剤の投
入場所である;線(2)はこの工程への原料の投入場所で
ある;線(3)は吸着分離物取出し場所である;線(4)は
ラフィネートの取出し場所である;線(5)は非n−炭化
水素の投入場所(時にはここにプレパルスを投入しても
よい)である。I,II,III,IVと印した吸着剤容器部
分は、図1の時と同様にそれぞれ本発明に採用した擬似
流動床式吸着性分離工程の吸着ゾーン、精製ゾーン、脱
着ゾーンおよび随意緩衝ゾーンである。1Aで印をした
吸着剤容器の部分は、原料投入場所と非n−炭化水素
(プレパルス・ストリーム)の投入場所との間にあるサ
ブ吸着ゾーン部分である。本発明の範疇に入るある場合
には、このサブゾーンは小さくてもまたなくなってしま
ってもよい。というのはプレパルス非n−炭化水素スト
リームはそこに投入物を導入する直前の投入点でカラム
に入るか、あるいは投入物と前混合して投入場所の線
(2)を介して吸着剤カラム中へ一緒になって導入される
からである。線(6)は随意のリサイクルストリーム取り
出し場所で主として脱着剤で構成されており、脱着剤投
入ストリームの線(1)を介してこの工程へリサイクルさ
せてもよい。この目的はラフィネートストリームに入る
のを防ぐために緩衝ゾーンでマイナスの、すなわち上向
きの流れを起こさせるためである。線(7)は洗浄ストリ
ームの投入場所で、これは米国特許第4,006,197号の教
示と一致し、本出願の比較例IVに例示されている。線
(8)はラフィネート取出しストリーム(4)に近接したラ
フィネート型物質投入ストリームで本出願の比較例Vに
例示されている。カラムのベッド数は本発明の場合経済
的かつ効率的分離ができるように選択できるが、8〜24
のベッド数が好ましい。各ゾーンのベッド数は上記24ベ
ッドカラムの例中に示したように選択してもよい。この
場合非炭化水素サブゾーン1Aは流体投入場所・線(2)
にもっとも近い吸着ゾーンのベッド数を0〜2としても
よい。リサイクルストリーム(6)はもし採用するときは
随意のゾーンの中央部に位置させる。洗浄ストリーム投
入場所・線(7)は吸着分離物取出し場所(3)の下流1〜
2ベッドのところに位置させてもよい。ラフィネート型
物質投入ストリーム・線(8)はラフィネート取出し場所
・線(4)の上流1〜2ベッドに位置させてもよい。
【0010】この改良された吸着分離工程においては、
たとえば直鎖状炭化水素のようなn−パラフィン投入物
質は吸着剤が接触している流体中にも存在する非n−炭
化水素よりもむしろ選択的に前記吸着剤上に吸着され
る。もし炭素原子数が1だけの炭化水素がこの吸着剤に
接触すると、この吸着は最終的には使用された吸着系に
よって指定された平衡、分離まで進行する。この場合問
題となる原料物質の相対吸着平衡という観点から希望す
る平衡到達を達成するように特別の工程条件を選択す
る。この結果原料物質中に存在する非n−炭化水素は所
望の程度まで回収され直鎖残物ストリームへ取り逃がす
ことはない。事実、原料物質が分子配向だけでなく分子
量に関して混合物を包含しているので、ある程度の妥協
が必要となる。種々の原料混合物の成分の各々に関する
吸着剤の質量移送特性から、各吸着剤は比較的高分子量
のものよりも比較的低分子量の直鎖状炭化水素をよく吸
着する傾向がある。(もちろんある一定の分子量に関し
てはn−炭化水素は非n−炭化水素よりも選択的に吸着
される)このことは分子がずっと小さく移動しやすい比
較的低分子量で直鎖状の炭化水素化合物が、選択的に孔
開口部へ移行することが比較的容易であることによるも
のと思われた。事実、一定の炭素数のn−パラフィンの
回収率は問題としているn−パラフィンの炭素数に依存
する。この現象はこれまで幅広い炭素数の範囲の投入混
合物において、炭素数の多い原料混合物ほど所望の程度
まで、たとえば従来技術の吸着分離法を使用するときよ
り炭素数の少ない原料混合物の場合と同じ程度までしか
回収できないという一般的問題を提起している。
【0011】このような問題を図示した特殊なケースと
しては直鎖状炭化水素化合物と分岐鎖状炭化水素化合物
とよりなる混合物で、かつこれらの混合物が1分子当た
りの炭素原子数が約10と約35の間にある炭化水素よりな
るものから直鎖状炭化水素を分離する場合がある。この
ような場合直鎖状物質の回収率、すなわちこの工程の原
料中に存在するこのような直鎖状炭化水素化合物の量に
対して吸着分離物ストリーム中に回収された一定分子量
の直鎖状炭化水素化合物の重量をベースにした量は、問
題としている直鎖状物質1分子当たりの炭素数に対して
大体逆の関係があることが分かった。このような現象は
炭素数の多い原料混合物ですべての場合に起こっている
ように思われるが、先に図示したような場合には高分子
量の直鎖状炭化水素回収率におよぼす誇張された影響に
よってきわめて明白となっている。換言すると、比較的
高分子量(の炭化水素)の直鎖状炭化水素回収率に及ぼ
す影響は全炭素数に対して明らかとされているが、炭素
数が約10以上のときは実際的に測定可能であり、したが
って一般的にも商業的にも明白で、炭素数が約14以上の
ときにはさらに明白となる。直鎖状炭化水素化合物の回
収率は高温下の操作で増加することがあるが、重質直鎖
状炭化水素化合物の回収率はある点で商業的に成立し得
なくなったり、あるいは非常に重質の化合物の場合には
吸着剤の選択性の孔へおよび/または孔からこれらの重
質直鎖状化合物の質量移動がきわめて小さくなるため最
終的には「0」となることがある。したがって本発明の
目的はn−炭化水素と非n−炭化水素化合物とよりなる
投入混合物からn−パラフィンを吸着分離し、その結果
n−パラフィンの全回収率を増大させる改良された方法
を提供することにある。さらに本発明の別の目的は、原
料混合物中に包含される比較的高分子量の直鎖状炭化水
素化合物の回収率を改良向上させることにある。これら
の目的は「プレパルス」技術としてこれまで他の分野で
知られている技術を使用することによって達成できた。
【0012】この工程に投入される原料ストリームはn
−パラフィンと非n−炭化水素化合物との混合物とを包
含すべきである。この非n−炭化水素化合物には環状化
合物および/または分岐鎖状炭化水素を包含していても
よい。原料ストリームは好ましくは水素処理法等によっ
て精製して多量の硫黄、酸素、窒素またはオレフィン化
合物を除去する。この原料ストリームは普通、炭素数の
範囲が3以上の炭化水素化合物を包含する。代表的な原
料としてはC10〜C14のパラフィン混合物、C13〜C30
のパラフィン混合物、C15〜C25のパラフィン混合物、
24〜C26のパラフィン混合物、またはC26〜C28のパ
ラフィン混合物と同じ沸点範囲にある非n−炭化水素混
合物がある。分岐鎖状および脂環性炭化水素化合物は同
じ炭素数をもつそれぞれのn−炭化水素とわずかに違っ
た沸点を有するので、非n−炭化水素化合物はわずかに
異なってはいるが同じ炭素数範囲をもつことになる。芳
香族炭化水素化合物が同じように存在していてもよい。
換言すると、原料ストリームは約10から約35までにおよ
ぶ炭素数をもつn−パラフィンと同じ範囲の非n−炭化
水素化合物とを包含していてもよい。
【0013】吸着分離法は種々の操作技術を使用して実
施することができる。たとえば吸着剤を固定床として保
留してもよいし、吸着ゾーンを介して移動床として輸送
させてもよい。さらにこの吸着剤床の移動を擬似移動す
る技術を使用してもよい。したがってこの吸着性分離ゾ
ーンは使用する吸着剤の1つ以上のベッドをもった単純
スイングベッド装置を包含させて所望の化合物を収集
し、従来使用していたベッドを脱着剤の使用およびおそ
らく同時に温度上昇、圧力低下または通常これらを使用
する再生技術の複数の組み合わせによって再生させても
よい。この吸着剤分離ゾーンの操作にさらに可能と思わ
れる変化を加えることによって、気相または液相のいず
れかの状態で吸着剤ベッドの操作を行うことができる。
この場合液相法を使う方がより好ましい。吸着剤による
擬似移動床を使用するといくつかの利点がある。これら
の利点としては、吸着剤の摩耗を防ぐ一方高純度の製品
ストリームが連続的に得られることである。固体吸着剤
のベッドと原料および脱着ストリームのような各種の原
料液体ストリームとの向流の擬似移動が好結果を示して
いる。この擬似移動には2つの異なった方法がある。そ
の1つは真の流体流れを吸着剤の擬似移動方法と逆方向
にある吸着剤ベッドを介して保持することである。この
ことは、ある方法で操作できるように連結したポンプを
使用して、吸着剤のベッド全長にわたる循環を起こさせ
ることにより達成される。吸着剤の移動を擬似移動させ
る第1の方法は、吸着剤ベッドの長さだけ、吸着ゾーン
のような種々のゾーンの位置を実際に周期的に移動させ
る方法である。このような各種のゾーンの位置を実際に
移動させることは、投入ストリームが吸着剤ベッドに投
入されるところ、および取出しストリームが吸着剤ベッ
ドから取出されるところを周期的に前進させることによ
って、一方向パターンで段階的に行うことができる。し
たがって変化するのは吸着剤ベッド中のそれぞれ投入お
よび取出し位置によって限定される各種ゾーンの位置だ
けである。吸着剤ベッド自体は固定されていて、移動し
ない。
【0014】吸着剤ベッドは、1個以上の個別に内部連
結した、代表的には8〜24個の容器を包含していてもよ
い。吸着剤ベッドの長さ方向の多数の位置に、適当な開
口部および導管が設置されていて、流体の投入または取
出しが可能とされている。これらのそれぞれの位置には
好ましくは流体の分配収集器によって吸着剤ベッド断面
の緊縮が付与されている。この装置は、米国特許第3,20
8,833号、第3,214,247号および第3,523,762号に記載さ
れた装置に類似している。この分配収集器は、吸着剤ベ
ッドの長さ方向に流体のプラグ流動の実施および保持に
役立っている。どちらか一方のストリームが投入され、
相応する取出しストリームが吸着剤ベッドを出る2つの
場所は、使用されていない少なくとも2つ以上の潜在的
な流体原料または取出し場所によってお互いに隔離され
ている。吸着ゾーンのゆっくりとした増大性の移動は、
実際の流体投入または取出し位置を次の有効な位置へ周
期的に進めることによって、実施される。すなわち、吸
着ゾーンが前進するごとに各ゾーンの始めと終りを示す
境界が、流体の投入または取出しの隣接した位置間を比
較的均等した距離だけ移動する。しかし、ゾーンはこれ
らの流体が移動する幾つかの位置に広がっているので、
大部分のゾーンは全く影響を受けず、そのままでいる。
このような多くの異なった位置で、流体の流れが切替わ
る(スイッチングする)ことはマルチバルブマニホール
またはポートロータリーバルブを使うことによって実施
できる。
【0015】ここで使用したように、「原料ストリー
ム」という用語は、原料を包含し吸着分離物を回収する
ために吸着剤ベッドに投入される、この装置中のストリ
ームを表すことを意図している。この原料ストリーム
は、1つ以上の吸着分離成分と1つ以上のラフィネート
とを包含している。この「吸着分離成分」とは、吸着剤
によって選択的に吸着される化合物のことであって、
「ラフィネート」と対比して使用されている。通常、
「吸着分離成分」という用語は、この装置を用いた好ま
しい実施例においては、n−パラフィンが非n−炭化水
素化合物に対して選択的に吸着されているので、最終製
品として回収される吸着分離成分となる。この原料スト
リーム中に包含され、好ましい実施例中では、通常主と
してイソパラフィンが使用されている他の化合物がラフ
ィネートとなる。この場合、イソパラフィンの多いラフ
ィネートも、ハイオクタン自動車用燃料またはその混合
物としての用途があるため最終製品と考えられることも
多いが、吸着分離成分はパラフィンの異性化段階に投入
されるか、または脂肪酸、塩素化パラフィン、またはア
ルファオレフィン工程の原料として投入されるかまたは
前述したような2,3の別の方法で使用される。
【0016】また「吸着分離物ストリーム」という用語
は、本来原料ストリーム中に含まれている吸着分離成分
を含み、脱着剤ストリームによって脱着剤のベッドから
脱着ストリームにより脱着されるものである。この吸着
分離物ストリームの組成は、吸着剤ベッドに残っている
ため、通常時間と共に変化し、約100モル%の吸着分離
成分から約100モル%の脱着剤成分までに及ぶことがあ
る。さらに「ラフィネート」という用語は、吸着剤ベッ
ドで作られ、原料ストリームのラフィネートの大部分を
包含するストリームを表すことを意図するものである。
このラフィネートストリームとは基本的には、原料スト
リームと、非n−炭化水素投入ストリームとの未吸着成
分と、吸着ゾーンを通過するとき吸着される脱着剤成分
とである。これらの吸着分離物ストリームとラフィネー
トストリームとは、両方ともそれぞれの分別カラムに通
す前に逆混合蓄積ゾーンに通すのが普通の方法である。
【0017】「非n−炭化水素投入ストリーム」または
「プレパルスストリーム」という用語は、吸着剤ベッド
に投入される位置にあるn−炭化水素化合物濃度よりも
低いn−炭化水素濃度を有するか、あるいは好ましくは
n−炭化水素化合物を全く有しないストリームに付与さ
れる。このストリームは、好ましくは原料ストリームに
よって、または原料ストリームと共に吸着剤と接触する
位置のすぐ下流の吸着剤カラム中に投入させて、原料か
ら1〜2ベッド下流にあるようにするか、あるいは原料
が投入される前にこの原料ストリームを停止させたり、
原料投入位置の非n−炭化水素ストリーム中に導入させ
てパルスとして投入させてもよい。以下の実施例中に示
すように、本発明の範囲内では、非n−炭化水素ストリ
ームを原料と前混合させて、原料投入位置で両者を同時
に投入し、それによって以下に参照できると同じ利益と
結果を得ることも可能である。このストリームが果たす
役割は、低分子量のn−炭化水素を飛散させて吸着剤の
気孔空間から脱着剤を放出させ、それによって吸着剤粒
子の周囲にある流体中のこのn−炭化水素化合物の濃度
を局部的に低下させることである。低分子量の脱着剤n
−パラフィンの濃度がこのように低下することによっ
て、原料中の比較的重質のn−炭化水素化合物と、これ
らの比較的軽質のn−炭化水素化合物との間で吸着剤が
もっている前記気孔への可能な選択的競合性が低下し、
その結果重質n−炭化水素化合物の回収率の増加が可能
となる。したがって、この原料中にある比較的高分子量
のn−炭化水素化合物は、このプレパルス技術を使用し
ない場合よりも大きな割合で吸着(したがって場合によ
っては抽出物製品として回収)される。その結果、原料
中のn−パラフィンの全回収率は、原料中に含まれる重
質n−パラフィンの回収率が増加するため著しい改良と
なる。非n−炭化水素投入ストリームにとって好ましい
物質は、原料よりも沸点の低い分岐したパラフィンで、
通常の分別手段によっても分離できるので吸着分離物か
らの回収をさらに容易にする。さらに好ましいことは、
吸着分離物およびラフィネートストリームから非n−炭
化水素の回収をさらに簡単にするので、非n−炭化水素
は脱着剤中に使用するものと同じものでよい。さらに、
使用可能な他の非n−炭化水素化合物としては、環状脂
肪族または脂環性炭化水素、および投入物よりは沸点が
低いがその混合物とは同程度の沸点をもつ芳香族炭化水
素がある。
【0018】ここで使用したように、「脱着剤」という
用語は、吸着分離成分を吸着剤ベッドから脱着させるこ
とのできることを意図するものである。また「脱着剤ス
トリーム」とは、脱着剤を吸着剤ベッドへ運ぶ装置のス
トリームのことである。この脱着剤としては、好ましく
は、分別蒸留によって極めて容易に吸着分離成分および
ラフィネートから分離できる炭化水素化合物のことであ
る。したがって、脱着剤は、吸着分離成分とは異なる炭
素数で、好ましくはより小さい炭素数のものでなければ
ならない。n−パラフィンと非n−パラフィンとを分離
する好ましい実施例においては、脱着剤ストリームは好
ましくは、原料ストリーム中のものよりも小さい分子
量、すなわち小さい炭素数を持つn−パラフィン中に多
く、n−パラフィンと非n−イソパラフィンと環状炭化
水素化合物のモル比が約2:1以上でなければならな
い。脱着剤として好ましいn−パラフィン化合物は、C
4〜C8のもので、特にC5,C6またはC7が好ましい。
使用するとき、脱着剤の中にあることが好ましい非n−
炭化水素化合物としては、原料ストリーム中のものより
も低分子量で炭素数の少ない分岐鎖状パラフィンがあ
る。とくに、分子中にC4〜C8の炭素数を持つ、たとえ
ばイソブタン、イソペンタン、イソヘキサン、イソオク
タンのような分岐鎖状パラフィンが好ましい。
【0019】吸着分離ゾーンの好ましい形態および好ま
しい擬似移動床技術としては、先に引用した米国特許第
3,392,113号、第3,455,815号および第4,006,197号およ
び参考資料としてここで使用している米国特許第2,985,
589号中にさらに詳細に記載されている。これらの参考
資料中には、n−パラフィン類からイソパラフィン類や
芳香族化合物のような他の非n−炭化水素化合物の分離
に使用するのに適当な操作条件および方法、および好適
な吸着剤のことが記載されている。吸着技術および好ま
しい操作方法に関する一層の情報は、ここで参考資料と
して引用されている米国特許第3,617,504号、第4,133,8
42号および第4,434,051号を参照する。また、適当なロ
ータリーバルブの設計に関する情報は、米国特許第3,40
4,777号に記載されている。イソパラフィン類またはn
−パラフィン類のどちらかを回収するのに使用できる擬
似移動床式吸着分離装置の全く違ったものが米国特許第
4,402,832号および第4,498,991号中に記載されており、
この装置は吸着剤を流体の流れに対して連続的に併流移
動させているが、好ましい吸着分離技術では、流体流れ
中の吸着性物質の移動は擬似移動した向流である。
【0020】分離段階で使用したチャンバーを包含する
吸着剤の好ましい操作条件は、25〜350℃の温度および
大気圧(101.3KPa)〜3,000KPagの圧力を包含する。こ
の圧力は通常吸着分離工程のすべての位置で液相状態を
保持するのに十分なように設定する。120〜250℃の温度
および600〜7,500KPagの圧力がさらに好ましい。185℃
〜225℃の温度が最も好ましい。本発明を設定したパル
ステストでは、真の残留容積が温度185〜225℃に上げら
れた時10〜20の範囲内の炭素数を持つすべてのn−炭化
水素化合物について約4mlまで、極めて均一に低下させ
ることができた。このことは脱着速度がより迅速である
こと、したがって可能なサイクル時間がより短縮できる
ことを示している。n−パラフィン系の炭化水素化合物
を非n−パラフィン系の炭化水素化合物から分離させる
のに好ましい吸着剤としては、たとえば市販の5A型の
分子篩のような直径が約5Åの比較的均一な孔を持つも
のである。
【0021】本方法の使用により最高の結果を得るため
には、Lp/A比(ここで、Lpはプレパルス投入ストリー
ムの流動速度で、Aは吸着剤の(擬似移動)流動速度)
が4〜5の範囲内になければならない。したがって、実
施例においてはA=55ml/hr,Lp=好ましくは220〜275m
l/hrとされている。下記の実施例は、本発明の単なる模
式例に過ぎず、本発明の適用性を制約も限定もすること
を意味するものではない。
【0022】
【実施例】実施例I(従来技術) 次に示すパイロットプラントのデータは、本発明に基づ
く方法を使用せずに得られたもので、したがって本発明
に基づくプレパルス技術の効用を従来技術の効用と対比
して判断するための参考となるものである。図1に代表
的に図示した形式の擬似移動床式吸着分離型パイロット
プラントは、頭部ベッドから底部ベッドまで垂直に位置
し、連結して連続的な流れを付与する24個のベッドを包
含し、460ccのUOP 5A型吸着剤を有し、200℃、約
2,100KPagの下でロータリーバルブを用いて操作され、
サイクル時間1時間で試験が行われた。この場合、吸着
ゾーンは7ベッド、精製ゾーンは7ベッド、脱着ゾーン
は8ベッドさらに随意の緩衝ゾーンは2ベッドを包含し
ていた。ベッド数は、下から数え、投入および取出しス
トリームに関して図1を参照すると、原料はサイクルの
開始時にベッド(7)の頭部に注入され、ラフィネートは
ベッド(1)の底部から取出され、脱着剤はベッド(22)の
頭部へ注入され、さらに吸着分離物はベッド(15)の底部
から取出されている。この緩衝ゾーンIVを除いてすべて
のゾーン中の流れは下方に向かっている;ラフィネート
が吸着分離物ストリーム中に混入するのを防ぐために、
この緩衝ゾーンIV中では流れはマイナスすなわち上方と
されている。リサイクルストリーム(6)はベッド(23)の
頭部から取出され、脱着剤としてベッド(23)の底部へリ
サイクルする。リサイクルストリーム(6)はこの装置か
ら定期的に取出し、その代わりに追加の新鮮な脱着剤を
付加する。この結果、ゾーンIV中にマイナスの流れが生
じ、分別によってラフィネートから取出さねばならない
量の脱着剤を低減させることができるが、ラフィネート
の純度には影響を与えない。原料物はn−C22,n−C
28およびC10〜C17の範囲の炭素数を有するイソパラフ
ィン(i−C10〜C17)混合物を包含する合成混合物で
ある。各ストリームの組成(重量%)と流動速度を表1
に表示した。〔表1〕
【表1】 上の結果から、吸着分離物中のn−パラフィンの純度は
96.4%、n−パラフィンの回収率は39%となった。
【0023】実施例II 上記の実施例Iで用いたと同じ擬似型移動床式パイロッ
トプラントを本発明に基づくプレパルス法を実施するた
めに使用した。すなわち(下記の組成と流動速度を持
つ)、非n−炭化水素投入ストリームを図2の線(5)を
介して吸着剤カラムのベッドの上部(6)、すなわち投入
口の下のベッドへ投入させた。他のストリームは実施例
Iと同じにし、また同じ吸着剤の種類および量、サイク
ル時間、原料および脱着剤成分、温度、圧力をこの実施
例IIでも使用した。各ストリームの組成(重量%)と流
動速度を表2に表示した。
【表2】 この実施例における吸着分離物中のn−パラフィンの純
度は98%、回収率は61%であった。
【0024】実施例IとIIに対する検討 上記のデータからも分かるように、本発明を採用するこ
とによって、一定の吸着剤/脱着剤の配合はn−炭化水
素化合物と非n−炭化水素化合物との混合物からn−パ
ラフィンの選択吸着性を改良向上させることができる。
とくに、実施例IIのデータを実施例Iのデータと比較す
ると、原料ストリーム中に最初存在するn−C22および
n−C28炭化水素の回収が実施例Iで示すよりも実施例
IIの方が著しく大きくなっているが、実施例Iは実施例
IIと同じ装置を、本発明の方法を使用しないこと以外
は、全く同じ操作を使用している。本発明に基づく方法
を用いないときは、全n−パラフィンの回収が低下する
だけでなく、原料中に最初存在する個々のn−パラフィ
ンの回収も、問題となるn−パラフィンの炭素数とは逆
の関係をもって変化することが明示されている。対照的
に、実施例IIは試験した炭素数の範囲内で本発明を使用
することが、この不均衡を完全に低減させることを実証
している。さらにこの後の実施例VIで示すように、この
不均衡を無くすことができ、n−重質および軽質パラフ
ィンの両者とも同じ程度まで回収することができる。
【0025】実施例III 非n−炭化水素投入物質を原料物と混合して原料ストリ
ーム(2)と共に吸着剤カラムのベッド(7)の頭部に投入
した以外は、実施例IIを繰り返した。各ストリームの組
成(重量%)と流動速度は表3に示した通りで、この実
施例で本発明の改良結果の得られることが示された。
【表3】 得られた吸着分離物の純度は96.3%、回収率は68.2%
であった。
【0026】実施例IV(比較例) 先の実施例IIで用いたと同じ擬似型移動床式パイロット
プラントを改造して、非n−炭化水素ストリームを米国
特許第4,006,197号が開示する「ラフィネート清掃剤」
投入方法を用いて、線(7)(図2参照)を介して吸着分
離物取出し位置線(3)の2ベッド下方(下流)の吸着剤
カラムの精製ゾーンIIに投入させた。実施例IIで用いた
と同じ非n−炭化水素ストリーム(100%イソオクタ
ン)、吸着剤の種類と量、サイクル時間、原料および脱
着剤成分をこの実施例IVでも使用した。表4に示す組成
(重量%)と流動速度は3回の試験の平均値である。
【表4】 上記のデータから、純度と回収率はそれぞれ99%,47.1
%となった。Bieserが開示していたように、高純度が得
られるが、回収率は極めて低かった。
【0027】実施例V(比較例) 先に実施例IIで用いたと同じ擬似型移動床式パイロット
プラントを改造して、非n−炭化水素ストリームを線
(8)(図3)を介してラフィネートストリーム(4)の1
ベッド上で、原料ストリーム(2)の5ベッド下方(下
流)の吸着体カラムの吸着ゾーンIに投入し、原料投入
位置から遠く離れた吸着ゾーン中のある位置に非n−炭
化水素化合物を投入した結果を示した。実施例IIで用い
たと同じ非n−炭化水素ストリーム(100%イソオクタ
ン)、吸着剤の種類と量、サイクル時間、原料および脱
着剤成分をこの実施例でも使用した。表5に示す組成
(重量%)と流動速度は3回の試験の平均値である。
【表5】 得られた吸着分離物の純度は99%、回収率は46.7%であ
った。再度のことになるが、高純度の吸着分離物が得ら
れたにもかかわらず、回収率は本発明の方法によるもの
よりも悪かった。
【0028】実施例VI 本発明を実施するために構成させたと同じパイロットプ
ラントを用いる実施例IIIを繰り返し、脱着剤として100
%n−ヘキサンを使用した。この結果、n−パラフィン
(n−C22およびn−C28)の原料からの分離は純度が
97.4%、回収率はずっと高く95.7%となった。また、下
記の表6からも分かるように、重質n−パラフィン成分
のn−C28は軽質n−パラフィンと同じ量も回収され、
n−パラフィンの全回収量は実施例Iで示した従来技術
の方法を用いて得られるよりも大きい値を示していた。
各ストリームの成分(重量%)と流動速度を表6に示
す。
【表6】 この実施例においては、得られた吸着分離物中のn−パ
ラフィンの純度では97.4%、回収率は95.7%であった。
【0029】実施例VII 原料として、69.2重量%のn−C20〜C30と、同じ沸点
を持つ重量31.8%の非n−炭化水素化合物(HC)とい
う分析値のガスオイル溜分を用いて、実施例VIを繰り返
した。脱着剤なしの場合には、吸着分離物はn−C20
30パラフィンが99.8%で、回収率は86%であった。原
料および吸着分離物の組成を表7に示す。
【表7】 原料に非n−パルスストリームを前混合し、好ましい脱
着剤であるn−ヘキサンを包含するという方法を用いる
ことによって、高純度で、かつ高回収率が達成された。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、n−パラ
フィンと非n−炭化水素を含む原料よりn−パラフィン
を分離する特に有効で優れた方法であって、分離された
n−パラフィンが高純度でしかも高収率で得られる極め
て工業的に効果のある方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術に基づき配置された擬似流動床式分離
法の簡略化した工程フロー図である。
【図2】本発明の好ましい実施例を使用しかつ非n−
(プレパルス)炭化水素サブゾーンの一般的な相対位置
および非n−炭化水素ストリームの投入のための交替位
置を示す擬似流動床分離法の簡略化した工程のフロー図
である。
【符号の説明】
I 吸着ゾーン II 精製ゾーン III 脱着ゾーン IV 緩衝ゾーン 1 吸着剤投入部 2 原料投入部 3 吸着分離物取出し部 4 ラフィネート取出し部 5 非n−炭化水素投入部 6 リサイクルストリーム取出し部 7 洗浄ストリーム投入部 8 ラフィネート取出し部 15 ベッド 22〜24 ベッド

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素原料ストリームを吸着分離物ス
    トリームとラフィネートストリームに連続的分離するに
    該ラフィネートに比し該吸着分離物に選択的吸着性を有
    する吸着剤を通して行う方法において、(i)夫々操作
    機能が異なり、かつカラム内のゾーンが連結するように
    端部が直列に相互に連結したゾーンよりなる吸着剤カラ
    ムを通して液体の流れを保持し、(ii)原料ストリーム
    投入部を上流境界とし、ラフィネートストリーム取出し
    部を下流境界とした吸着ゾーンを該カラム内に維持し、
    (iii)この吸着ゾーンの上流に吸着分離物ストリーム
    取出し部を上流境界とし、前記原料ストリーム投入部を
    下流境界とした精製ゾーンを該カラム内に維持し、(v
    i)この精製ゾーンの直ぐ上流に脱着剤ストリーム投入
    部を上流境界とし、吸着分離物ストリーム取出し部を下
    流境界とした脱着ゾーンを該カラム内に維持し、(v)
    吸着分離物とラフィネートよりなる原料投入ストリーム
    を吸着条件で前記吸着ゾーンの上流末端に通して、これ
    によって前記吸着分離物が前記ゾーン内にある吸着剤の
    部分によって選択的に吸着され、(vi)前記吸着ゾーン
    の下流末端からラフィネートを取出し、(vii)前記脱
    着ゾーンの上流末端に脱着条件で脱着剤ストリームを通
    し、前記脱着ゾーン中の吸着剤部分からの吸着分離物の
    置換を効果的にし、(viii)吸着分離物と脱着剤を含む
    吸着分離物ストリームを前記脱着ゾーンの下流末端から
    取出し、前記吸着剤は吸着ゾーン中で先に原料ストリー
    ムと接触した部分に吸着分離物を保持している、(ix)
    前記吸着剤粒子のカラムを通して前記吸着ゾーン中の流
    体流れに関して下流方向に前記吸着、精製、脱着の各ゾ
    ーンを周期的に前進させて、前記原料投入ストリームを
    吸着分離物とラフィネートとに連続的に分離させる工
    程、更に、前記カラム中の前記吸収ゾーン内に、前記原
    料ストリーム投入部を上流境界とし、その直ぐ下流に、
    前記原料ストリームより非−n−炭化水素濃度の高い非
    n−炭化水素ストリーム(プレパルスストリーム)投入
    部を下流境界とした非n−炭化水素サブゾーンを保持
    し、前記プレパルスストリームを非n−炭化水素サブゾ
    ーンに通して、前記吸着剤と接触しその選択性吸着性を
    促進させる工程よりなる方法。
  2. 【請求項2】 炭化水素原料ストリームを吸着分離物ス
    トリームとラフィネートストリームに連続的分離するに
    該ラフィネートに比し該吸着分離物に選択的吸着性を有
    する吸着剤を通して行う方法において、(i)夫々操作
    機能が異なり、かつカラム内のゾーンが連結するように
    端部が直列に相互に連結したゾーンよりなる吸着剤カラ
    ムを通して液体の流れを保持し、(ii)原料ストリーム
    投入部を上流境界とし、ラフィネートストリーム取出し
    部を下流境界とした吸着ゾーンを該カラム内に維持し、
    (iii)この吸着ゾーンの上流に吸着分離物ストリーム
    取出し部を上流境界とし、前記原料ストリーム投入部を
    下流境界とした精製ゾーンを該カラム内に維持し、(i
    v)この精製ゾーンの直ぐ上流に脱着剤ストリーム投入
    部を上流境界とし、吸着分離物ストリーム取出し部を下
    流境界とした脱着ゾーンを該カラム内に維持し、(v)
    この脱着ゾーンの直ぐ上流に脱着剤ストリーム投入部を
    下流境界とし、ラフィネートストリーム取出し部を上流
    境界とした緩衝ゾーンを該カラム内に維持し、(vi)吸
    着分離物とラフィネートよりなる原料投入ストリームを
    吸着条件で前記吸着ゾーンの上流末端に通して、これに
    よって前記吸着分離物が前記ゾーン内にある吸着剤の部
    分によって選択的に吸着され、(vii)前記吸着ゾーン
    の下流末端からラフィネートを取出し、(viii)前記脱
    着ゾーンの上流末端に脱着条件で脱着剤ストリームを通
    し、前記脱着ゾーン中の吸着剤部分からの吸着分離物の
    置換を効果的にし、(ix)吸着分離物と脱着剤を含む吸
    着分離物ストリームを前記脱着ゾーンの下流末端から取
    出し、前記吸着剤は吸着ゾーン中で先に原料ストームと
    接触した部分に吸着分離物を保持している、(x)吸着
    ゾーンから取出すラフィネート取出しストリームの少な
    くとも一部を前記緩衝ゾーンに通す、(xi)前記吸着剤
    粒子のカラムを通して前記吸着ゾーン中の流体流れに関
    して下流方向に前記吸着、精製、脱着の各ゾーンを周期
    的に前進させて、前記原料投入ストリームを吸着分離物
    とラフィネートとに連続的に分離させる工程、更に、前
    記カラム中の前記吸収ゾーン内に、前記原料ストリーム
    投入部を上流境界とし、その直ぐ下流に、前記原料スト
    リームより非−n−炭化水素濃度の高い非n−炭化水素
    ストリーム(プレパルスストリーム)投入部を下流境界
    とした非n−炭化水素サブゾーンを保持し、前記プレパ
    ルスストリームを非n−炭化水素サブゾーンに通して、
    前記吸着剤と接触しその選択吸着性を促進させる工程よ
    りなる方法。
  3. 【請求項3】 プレパルスストリームが分別手段によっ
    て原料から容易に分離可能な分岐鎖状炭化水素よりなる
    非n−炭化水素である請求項1又は2の連続吸着分離方
    法。
  4. 【請求項4】 プレパルスストリームが鎖状の炭化水素
    を含まない請求項1又は2の連続吸着分離方法。
  5. 【請求項5】 プレパルスストリームの流動速度と擬似
    移動床の吸着剤流動速度の比が4:1から5:1の範囲
    内である請求項1又は2の連続吸着分離方法。
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