JP2654991B2 - アルミニウム材の多色表面処理方法 - Google Patents

アルミニウム材の多色表面処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アルミニウム材の多色表面処理方法に関
し、さらに詳しくは、アルミニウム材の表面に形成され
た2色以上の色彩(模様)を有する陽極酸化皮膜及び/
又は着色酸化皮膜上に均一な塗膜を形成する表面処理方
法に関する。
〔従来の技術〕
従来、2色以上の色彩(模様)を有し、かつ塗膜厚の
均一なアルミニウム材の多色表面処理方法としては、ま
ず陽極酸化処理(あるいはさらに着色処理)を施したア
ルミニウム材の表面に有色(例えばA色とする)又は透
明な塗装を施し、次いで該塗膜の表面を所望の模様にマ
スキング、その後マスキング部以外の塗膜を研削し、次
いで露出された非マスキング部の陽極酸化皮膜(あるい
は着色酸化皮膜)表面に透明又は有色(例えばB色とす
る)の塗装をし、その後マスキングを除去する方法が知
られている。
上記方法によれば、マスキングされた部分の塗膜の色
Aと非マスキング部の塗膜の色Bとにより、あるいは一
方が透明な塗膜の場合には、陽極酸化皮膜のシルバー色
(あるいは着色酸化皮膜の色)と他方の塗膜の色(A又
はB)とにより模様が形成される。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記従来の方法によれば、マスキング後にコストの高
い塗料を研削してその研削くずを廃棄するため、製造コ
ストが高くなるという問題がある。また、研削工程が入
るために作業性が劣り、さらに複雑な形状の形材の場合
には研削ができない場合があるので、自ずと模様にも制
限が生じるといった難点がある。
従って、本発明の目的は、上記のような欠点がなく、
比較的複雑な形状の形材にも適用でき、しかも比較的に
低コストで生産性よく、アルミニウム材表面に2色以上
の色彩(模様)を有するようにかつ均一な塗膜厚を形成
できるように多色表面処理できる方法を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、前記目的を達成するため、アルミニ
ウム材に第1次の陽極酸化処理を施した後、所望の模様
にマスキングし、その後、電解着色処理を施し、次いで
マスキングを除去した後、電着塗装処理を行なうアルミ
ニウム材の多色表面処理方法であり、上記電着塗装処理
においてその電圧を途中で一旦遮断させて二段階の塗装
処理とし、かつ、後の塗装処理における電圧を先の塗装
処理における電圧より低く設定したことを特徴とするア
ルミニウム材の多色表面処理方法が提供される。
さらに本発明によれば、アルミニウム材に第1次の陽
極酸化処理を施した後、所望の模様にマスキングし、そ
の後、第2次の陽極酸化処理を行なった後に電解着色処
理を施し、次いでマスキングを除去した後、電着塗装処
理を行なうアルミニウム材の多色表面処理方法であり、
上記電着塗装処理においてその電圧を途中で一旦遮断さ
せて二段階の塗装処理とし、かつ、後の塗装処理におけ
る電圧を先の塗装処理における電圧より低く設定したこ
とを特徴とするアルミニウム材の多色表面処理方法が提
供される。
さらに本発明によれば、アルミニウム材に第1次の陽
極酸化処理を施した後、第1次の電解着色処理を施し、
次いで所望の模様にマスキングし、その後、第2次の陽
極酸化処理を施した後、第2次の電解着色処理を施し、
次いでマスキングを除去した後、電着塗装処理を行なう
アルミニウム材の多色表面処理方法であり、上記電着塗
装処理においてその電圧を途中で一旦遮断させて二段階
の塗装処理とし、かつ、後の塗装処理における電圧を先
の塗装処理における電圧より低く設定したことを特徴と
するアルミニウム材の多色表面処理方法が提供される。
〔発明の作用及び態様〕
本発明者らは、前記従来の方法の欠点を解消すべく鋭
意研究の結果、アルミニウム材に第1次の陽極酸化処理
(あるいはさらに電解着色処理を施した後所望の模様に
マスキングし、その後第2次の陽極酸化処理を施した後
着色し、次いでマスキングを除去した後、クリヤー系塗
料により電着塗装することにより、マスキング部の陽極
酸化皮膜の色(あるいは着色酸化皮膜の色)と非マスキ
ングの着色酸化皮膜の色とにより模様付けできる方法を
研究、開発した。
この方法によれば、前記従来のように塗料の研削くず
が発生することもなく、また比較的複雑な形状の形材に
も適用でき、しかも比較的に低コストで生産性よくアル
ミニウム材表面に模様付けを行なうことができる。
しかしながら、この方法によれば、通常、マスキング
部と非マスキング部の着色度が異なり、すなわち淡色部
と濃色部が存在することにより、電気泳動塗装処理(電
着塗装)の時に塗膜が付き易い部分と付きにくい部分が
生じ、その結果塗膜厚が不均一になるということが判明
した。
そこで、本発明ではさらに、上記電着塗装処理におい
てその電圧を途中で一旦遮断させて二段階の塗装処理と
し、かつ、後の塗装処理における電圧を先の塗装処理に
おける電圧より低く設定するものであり、このように電
着塗装処理を行なうことにより均一な塗膜厚が得られる
ことが見い出された。
上記本発明の処理方法による作用は、未だ完全に解明
されたとは言い難いが、一応の確証(実験結果)をもっ
て以下のように推測することができる。
ここで、説明の便宜上、1次陽極酸化処理→マスキン
グ→(2次陽極酸化処理→)着色処理→マスキング除去
→電着塗装という一連の工程を考えると、電着塗装前の
時点においては、アルミニウム材表面のマスキング部に
は着色処理が施されていないため陽極酸化皮膜のみが存
在し、従って陽極酸化皮膜固有のシルバー色(淡色)を
有する。一方、非マスキング部には着色処理、例えば電
解着色処理が施され、陽極酸化皮膜の微多孔内に金属や
金属塩等が析出し、例えば、ライトブロンズ(シルバー
色よりも濃色)に着色される。このような淡色部と濃色
部を有するアルミニウム材にマスキング除去後電着塗装
を施すと、前記したように、淡色部には塗膜が付きにく
く、濃色部にはつき易いという傾向が認められる。この
理由は、金属や金属塩等が微多孔内に析出・付着してい
る陽極酸化皮膜(ライトブロンズ色)の方が、金属塩等
が析出・付着していない陽極酸化皮膜(シルバー色)よ
りも通電性が良いためと考えられる。すなわち、微多孔
内に金属や金属塩等が析出・付着している陽極酸化皮膜
(ライトブロンズ色)は、微多孔層と電気の低抗体であ
るバリヤー層から構成され、かつこの微多孔内に析出・
付着している金属が良電導体であることから電流が流れ
易くなり、電着塗装の際に塗膜が付き易くなる。一方、
通常の陽極酸化皮膜(シルバー色)は微多孔層と電気の
低抗体であるバリヤー層から構成されるため、上記着色
酸化皮膜よりも通電性が悪く、従って電着塗装の際に塗
膜が付きにくくなり、その結果、淡色部と濃色部(ある
いはマスキング部と非マスキング部)間に塗膜厚のバラ
ツキが生じたものと考えられる。
本発明者らは、上記のような問題について鋭意研究の
結果、電着塗装処理によって形成される塗膜も電気の抵
抗体であることに着目し、電着塗装処理を二段階に分
け、前段階において予め塗膜を形成して淡色部と濃色部
に塗膜厚差、すなわち電気抵抗差をつけておき、その後
電圧を下げてさらに電着塗装を行なうことによって上記
問題を解消できることを見い出した。
すなわち、前記のように金属や金属塩等が微多孔内に
析出・付着している陽極酸化皮膜(ライトブロンズ色)
は良電導体であることから電流が流れ易く、先の電着塗
装処理において集中的に塗膜形成がなされ、通常の陽極
酸化皮膜(シルバー色)との間に塗膜厚差が生じる。そ
れと同時に、塗膜界面において淡色部(シルバー色)と
濃色部(ライトブロンズ色)との間に塗料の濃度勾配が
生ずるが、次に電流を遮断することにより塗料濃度の均
一化がなされる。すなわち、塗料の固形分(一に帯電)
が被処理アルミニウム材に吸引されていたのが、電流の
遮断によりこの吸引がなくなり、一方、塗料はポンプで
還流されているので濃色部に塗料が集中することがな
く、均一になる。その後、先の電着塗装処理の電圧より
低い電圧で通電すると、今度は塗膜厚が薄い、すなわち
電気抵抗が小さい淡色部(シルバー色)に優先的に電流
が流れて塗膜が形成されることになり、塗膜厚の均一化
が図れるものと考えられる。この場合、後の電着塗装処
理の電圧が先の電着塗装処理の電圧より高いと、後述す
る比較例3から明らかなように、淡色部と濃色部との間
の塗膜厚差は大きくなる。これは、後の電着塗装処理に
おける高電圧が前記塗膜厚差による電気抵抗差の影響を
凌駕し、先の電着塗装処理により生じた塗膜厚差の傾向
がそのまま維持されるためと思われる。一方、本発明の
方法のように、後の電着塗装処理の電圧が先の電着塗装
処理の電圧より低いと、前記塗膜厚差による電気抵抗差
が有効に働き、前記したような作用を通して塗膜厚の均
一化が図れるものと考えられる。
上記の観点より、先の電着塗装処理により生じた塗膜
厚差、すなわち電気抵抗差を後の電着塗装処理において
有効に作用させるためには、先の電着塗装処理の通電時
間は30〜60秒とすることが好ましい。通電時間が短かす
ぎると有効な塗膜厚差、すなわち電気抵抗差が生じず、
逆に通電時間が長すぎると塗膜厚差がつきすぎ、後の電
着塗装処理においてこれを補償することが困難となるの
で好ましくない。また同様に、上記塗装厚差すなわち電
気抵抗差を有効に働かせるためには、後の電着塗装処理
の電圧を先の電着塗装処理の電圧より10〜50V降下させ
ることが望ましい。
前記作用説明は本発明の第1、第2の方法についてな
されたが、本発明の第3の方法、すなわち1次陽極酸化
処理→1次電解着色処理→マスキング→2次陽極酸化処
理→2次電解着色処理→マスキング除去→電着塗装とい
う一連の工程を含む方法においても作用は全く同じであ
る。すなわち、本発明の第2の方法においてはマスキン
グ部及び非マスキング部共に着色された陽極酸化皮膜か
ら構成されるが、1次電解着色処理工程及び2次電解着
色処理工程において金属塩等の析出・付着の程度の差に
よって濃淡差がある場合、換言すればマスキング部と非
マスキング部の着色陽極酸化皮膜間に通電性の差がある
場合には、前記したような原理によってマスキング除去
後の電着塗装において塗膜厚にバラツキを生ずるので、
上記電着塗装処理においてその電圧を途中で一旦遮断さ
せて二段階の塗装処理とし、かつ、後の塗装処理におけ
る電圧を先の塗装処理における電圧より低く設定するこ
とによって、膜厚のバラツキをなくし、均一な塗膜厚を
得ることができる。
色種によっても塗膜の付き易い色、付きにくい色があ
り、またブロンズ系に限って言えば淡色系は付きにく
く、濃色系は付き易いが、いずれにしても前記のように
電着塗装処理を行なうことによって塗膜厚の不均一を修
正することができる。
なお、マスキング部及び非マスキング部のどちらの着
色酸化皮膜の方に塗膜が付着し易いか予め分らない場合
は、まず通常の方法に従って陽極酸化処理、電解着色処
理、電着塗装等の一連の処理を行なってみて塗膜厚を測
定しておけばよい。また、本発明の方法は前記一連の工
程を含む処理方法には全て適用でき、例えばマスキング
処理を多段階にわたって行ない、3色以上の模様付けを
行なう多色表面処理方法にも適用できることは、前記作
用説明から明らかであろう。
以下、本発明のアルミニウム材の多色表面処理方法に
ついて概説する。
まずアルミニウム材に脱脂、水洗、エッチング、水
洗、中和等の適当な前処理を施した後、周知の陽極酸化
処理を施して陽極酸化皮膜を形成する。すなわち、周知
の無機酸及び/又は有機酸の電解液、例えば硫酸、クロ
ム酸、リン酸等、あるいはこれらの混酸、シュウ酸、マ
ロン酸等、あるいはこれらの又は無機酸との混酸などを
含有する電解液中で、直流もしくは交流又はこれらに類
似の電流波形を用いてアルミニウム材を陽極酸化処理す
る。陽極酸化処理の印加電圧、印加時間等は常法通りで
充分である。
次に、陽極酸化処理を施したアルミニウム材に、必要
に応じて水洗し、純水湯洗、沸騰水、薬品封孔、加圧水
蒸気など公知の手段により封孔あるいは半封孔処理を施
した後、マスキングフィルム、マスキング塗料等を用い
てマスキングするか(本発明の第1、第2の方法)、あ
るいは電解着色処理を施した後、封孔もしくは半封孔し
マスキングする(本発明の第3の方法)。
その後、再度、脱脂、エッチング、中和等の前処理を
行なった後、2次電解着色処理を施すか、あるいは、着
色促進のための2次陽極酸化処理を施し、次いで、水洗
後2次電解着色処理を施す。その後、必要に応じて水
洗、封孔あるいは半封孔を行なった後、マスキングを除
去し、電着塗装を施す。電着塗装処理は、前記したよう
に二段階で行ない、通常80〜250Vで好ましくは30〜60秒
通電し、次いで一旦電流を遮断して30〜60秒程度維持す
る。その後、上記電圧より低い電圧で再度通電する。前
記したように、電圧降下範囲は好ましくは10〜50Vであ
る。
次いで、水洗、焼付乾燥を行なってアルミニウム製品
を得る。
前記着色処理としては、無機金属塩、例えばニッケ
ル、コバルト、クロム、銅、マグネシウム、鉄、カドミ
ウム、チタン、マンガン、モリブデン、カルシウム、バ
ナジウム、錫、鉛、亜鉛などのような金属の硝酸塩、硫
酸塩、リン酸塩、塩酸塩、クロム酸塩などの無機酸塩、
シュウ酸塩、酢酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩などを含
有する電解液中で交流電解または直流陰極電解する電解
着色法、スルファミン酸、シュウ酸等の有機酸を含有す
る電解液中で陽極酸化皮膜を形成すると同時に着色する
電解発色法などが適用できる。
本発明の方法では、前記したように電着塗装処理を二
段階で行なう以外は、他の処理工程は全て常法通りでよ
い。
本発明の方法により処理されるアルミニウム材とは、
純アルミニウムまたは純アルミニウムにケイ素、マグネ
シウム、銅、ニッケル、亜鉛、クロム、鉛、ビスマス、
鉄、チタン、マンガンなどの金属を1種または2種以上
含む合金である。
〔実施例〕 以下、実施例及び比較例を示して本発明について具体
的に説明する。
実施例1 常法により脱脂、エッチング、中和されたアルミニウ
ム押出形材A-6063Sを15%硫酸水溶液に浸漬して陽極と
し、対極として設けられたアルミニウム陰極との間に直
流電流を13Vで30分間通電後、最終電圧を3.5Vに降下さ
せて3分間通電し、その表面に約12μmの第1次陽極酸
化皮膜を生成させた。これを水洗、純水湯洗(半封孔)
し、シルバー材とした。その一部をマスキング材でマス
キングし、再度、脱脂、エッチング、中和処理し、第2
次陽極酸化を直流で13V×30分間実施し、同じく約12μ
mの陽極酸化皮膜を得た。それを水洗し、次いでニッケ
ル浴で対極にカーボンを使用し、交流で9V×3分通電し
て電解着色を行ない、マイルドブロンズとした。それを
水洗、純水湯洗後、マスキング材を除去し、しかる後、
10%の水溶性電着塗料(熱硬化性アクリル塗料)中に浸
漬して、対極として設けたステンレス板との間に130Vの
直流電圧を印加して30秒間通電し、一旦電流を遮断し、
60秒間保持した後、再び対極との間に今度は100Vの直流
電圧を印加して3分間通電し、水洗後、液切りを行な
い、180℃で40分間焼付を行ない、複合皮膜とした。
得られた製品のシルバー部とマイルドブロンズ部の塗
膜厚をパーマスコープで測定したところ、塗膜厚差は1
μmであった。
比較例1 前記実施例1において、電着塗装を130V×3分とし、
電流遮断及び電圧変化を行なわなかった以外は、実施例
1と全く同様に処理した。その結果、シルバー部とマイ
ルドブロンズ部の塗膜厚差は30μmであった。
実施例2 前記実施例1において、電解着色を交流で9V×4分間
通電してダークブロンズとする以外は、実施例1と全く
同様に処理した。その結果、シルバー部とダークブロン
ズ部の塗膜厚差は3.0μmであった。
実施例3 前記実施例2において、電着塗装を最初130Vの直流電
圧を印加して30秒間通電し、一旦電流を遮断して60秒間
保持した後、再度120Vの直流電圧を印加して3分間通電
する以外は、実施例2と全く同様に処理した。その結
果、シルバー部とダークブロンズ部の塗膜厚差は3.5μ
mであった。
比較例2 前記実施例2において、電着塗装を130V×3分とし、
電流遮断及び電圧変化を行なわなかった以外は、実施例
2と全く同様に処理した。その結果、シルバー部とダー
クブロンズ部の塗膜厚差は4.5μmであった。
比較例3 前記実施例2において、電着塗装を最初130Vの直流電
圧を印加して30秒間通電し、一旦電流を遮断して60秒間
保持した後、今度は140Vに電圧を上げて3分間通電する
以外は、実施例2と全く同様に処理した。その結果、シ
ルバー部とダークブロンズ部の塗膜厚差は5.0μmであ
った。
実施例4 常法により脱脂、エッチング、中和されたアルミニウ
ム押出形材A-6063Sを15%硫酸水溶液に浸漬して陽極と
し、対極として設けられたアルミニウム陰極との間に直
流電流を13Vで30分間通電し、その表面に約12μmの第
1次陽極酸化皮膜を生成させた。これを水洗し、次いで
ニッケル浴で対極にカーボンを使用し、交流で9V×1分
30秒通電して電解着色を行ない、ライトブロンズに着色
した後、水洗、純水湯洗(半封孔)し、ライトブロンズ
材とした。その一部をマスキング材でマスキングし、再
度、脱脂、エッチング、中和処理し、第2次陽極酸化を
直流で13V×30分間実施し、同じく約12μmの陽極酸化
皮膜を得た。それを水洗し、次いでニッケル浴で対極に
カーボンを使用し、交流で9V×3分通電して電解着色を
行ない、マイルドブロンズとした。それを水洗、純水湯
洗後、マスキング材を除去し、しかる後、10%の水溶性
電着塗料(熱硬化性アクリル塗料)中に浸漬して、対極
として設けたステンレス板との間に130Vの直流電圧を印
加して30秒間通電し、一旦電流を遮断し、60秒間保持し
た後、再び対極との間に今度は100Vの直流電圧を印加し
て3分間通電し、水洗後、液切りを行ない、180℃で40
分間焼付を行ない、複合皮膜とした。
得られた製品のライトブロンズ部とマイルドブロンズ
部の塗膜厚をパーマスコープで測定したところ、塗膜厚
差は0.5〜1.0μmであった。
比較例4 前記実施例4において、電着塗装を130V×3分とし、
電流遮断及び電圧変化を行なわなかった以外は、実施例
4と全く同様に処理した。その結果、ライトブロンズ部
とマイルドブロンズ部の塗膜厚差は2〜2.5μmであっ
た。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明によれば、マスキングを利用し
たアルミニウム材の多色表面処理方法において、電着塗
装処理の電圧を途中で一旦遮断させて二段階の塗装処理
とし、かつ、後の塗装処理における電圧を先の塗装処理
における電圧より低く設定することにより、先の塗装処
理において生じた淡色部と濃色部との間の塗膜厚差すな
わち電気抵抗差を後の塗装処理において有効に作用させ
ることによって、塗膜厚のバラツキをなくし、塗膜厚の
均一化を図ることができる。また、このように塗膜厚を
均一にできることにより、塗料コストが低減すると共
に、塗膜性能が向上し、不良率が低減するという利点が
得られる。
また、従来方法のように高価な塗料の研削工程が不要
となり、また通常の処理ラインにより処理できるため、
従来の方法に比べて生産性が良くなると共に生産コスト
も低減することができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム材に第1次の陽極酸化処理を
    施した後、所望の模様にマスキングし、その後、電解着
    色処理を施し、次いでマスキングを除去した後、電着塗
    装処理を行なうアルミニウム材の多色表面処理方法であ
    り、上記電着塗装処理においてその電圧を途中で一旦遮
    断させて二段階の塗装処理とし、かつ、後の塗装処理に
    おける電圧を先の塗装処理における電圧より低く設定し
    たことを特徴とするアルミニウム材の多色表面処理方
    法。
  2. 【請求項2】アルミニウム材に第1次の陽極酸化処理を
    施した後、所望の模様にマスキングし、その後、第2次
    の陽極酸化処理を行なった後に電解着色処理を施し、次
    いでマスキングを除去した後、電着塗装処理を行なうア
    ルミニウム材の多色表面処理方法であり、上記電着塗装
    処理においてその電圧を途中で一旦遮断させて二段階の
    塗装処理とし、かつ、後の塗装処理における電圧を先の
    塗装処理における電圧より低く設定したことを特徴とす
    るアルミニウム材の多色表面処理方法。
  3. 【請求項3】アルミニウム材に第1次の陽極酸化処理を
    施した後、第1次の電解着色処理を施し、次いで所望の
    模様にマスキングし、その後、第2次の陽極酸化処理を
    施した後、第2次の電解着色処理を施し、次いでマスキ
    ングを除去した後、電着塗装処理を行なうアルミニウム
    材の多色表面処理方法であり、上記電着塗装処理におい
    てその電圧を途中で一旦遮断させて二段階の塗装処理と
    し、かつ、後の塗装処理における電圧を先の塗装処理に
    おける電圧より低く設定したことを特徴とするアルミニ
    ウム材の多色表面処理方法。
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