JP2652577B2 - 印刷機のローラ位置調整装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は印刷機の版胴に対する給水装置に関する。

（従来の技術） 輪転印刷機において、例えば版胴上の版へ湿し水を供
給する給水装置の一種として、連続給水装置が知られて
いる。

この種の給水装置は、一般に湿し水を蓄える水槽と水
槽内で回転して湿し水を引き挙げる水元ローラと、水元
ローラで引き上げられた湿し水を転移させる水移しロー
ラと、湿し水を版胴上の版へ供給する水着ローラとで構
成されている（特開昭57−123058号公報参照）。

このような給水装置において、版の耐刷力を維持し、
版の取付部で発生する振動を抑えて、印刷の品質の低下
を防止する上においては、版胴に対する水着ローラの接
触圧の調整が極めて重要である。

一方、版胴に版を取付ける工程で、装置誤差や各版胴
間で位相ずれがある場合には、印刷開始時に天地・左右
およびひねりの見当誤差が現われるので、見当合せによ
って修正しなければならない。

この見当合せ作業の中、天地および左右のすれ並びに
ひねりの調整は、すでに周知の修正装置により修正して
いる。ひねりについては、版胴をゴム胴に対してひね
り、両胴の軸線をわずかにすらすことによって、修正調
節が行われている。そして、このひねり調節はフレーム
に軸支された版胴片側の軸受ハウジングの内周面と外周
面を偏心させて回動させ、反対側の軸受ハウジングに対
し、わずかに位相をずらせることにより行われる。

以上に説明した版胴に対する接触圧調節と、版胴おひ
ねり調節の手順として、通常、印刷作業に先だち、水着
ローラとの接触圧を調節したのち、試し刷りを見て、版
のひねりがある場合にひねり調節がとられることが多
い。このため、折角調節した水着ローラとの接触圧が変
化してしまって、再度、調節しなければならないことが
多く、しかも、何れの調節も面倒で長時間を要し、印刷
機の非稼働時間の増加となり、生産性の低下が著しかっ
た。

また、前記の水着ローラによる給水は湿し水を計量調
整してローラ全巾にわたり均一化することが大事であ
り、このために各ローラ間の接触圧の調整は極めて重要
であり、当該接触圧の調整には熟練を要した。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は、印刷機の非稼働時間の短縮化およびローラ
間の接触圧の調整の簡便化を達成する工夫を施した新規
の印刷機の版胴に対する給水装置を提供することを目的
とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本発明に係る印刷機の版胴
に対する給水装置は、主フレーム５に揺動自在に支持さ
れた保持体の揺動端部に設けた第１軸受ハウジング７
と、第１軸受ハウジング７に対して回転自在に保持した
ひねり修正調節可能の版胴１と、主フレーム５に補助フ
レーム11および第１ピン12を介して揺動自在に支承した
水着ローラアーム９と、水着ローラアーム９の揺動端に
設けた第２軸受ハウジング10と、第２軸受ハウジング10
に対して回転自在に保持した水着ローラ２と、主フレー
ム５に補助フレーム11および第２ピン15を介して揺動自
在に支承したスイングアーム13と、スイングアーム13の
中間位置に設けた第３軸受ハウジング14と、第３軸受ハ
ウジング14に対して回転自在に保持した水移しローラ３
と、スイングアーム13の基端部に設けた第４軸受ハウジ
ング32と、第４軸受ハウジング32に対して回転自在に保
持した水元ローラ４と、スイングアーム13の揺動端およ
び補助フレーム11に第３・第４ピン16、18を介して両端
を揺動自在に連結したシリンダー17と、水着ローラアー
ム９の揺動端部に第５ピン20によって揺動自在に支承し
たロッドブロック31と、第３軸受ハウジング14の外側に
回転自在に取付けた第６ピン21と、ロッドブロック31お
よび第６ピン21に係装したこれ等ロッドブロック31、第
６ピン21を差動ネジの進退によって遠近させる接触圧調
整ネジ用第１ロッド19と、水着ローラアーム９の揺動端
部に揺動自在に取付けた第７ピン23と、水着ローラアー
ム９の内部切欠によりガイドされる状態で設けた摺動自
在の当てブロック25と、第７ピン23および当てブロック
25に係装したこれ等第７ピン23、当てブロック25を差動
ネジの進退によって遠近させる接触圧調整ネジ用第２ロ
ッド24と、補助フレーム11に揺動自在に支持したレバー
28と、版胴１と同心として前記第１軸受ハウジング７の
側面に設けた円弧状固定カム８と、レバー28の中間部に
回転自在に取付けた、固定カム８の外周部を転動するこ
ろ29と、レバー28の揺動端と水着ローラアーム９に両端
を掛止した、当該レバー28の側面を前記当てブロック25
の先端に圧接させるためのバネ部30と、を備えたもので
ある。

（実施例） 図に示す実施例は版胴１と、同版胴１に圧接する水着
ローラ２と、同水着ローラ２に圧接する水移しローラ３
と、同水移しローラ３に圧接する水元ローラ４をもって
おり、版胴１の両端に設けられている中心軸６は主フレ
ーム５に揺動自在に支持された保持体（図示せず）の第
１軸受ハウジング７によって回転自在に保持され、前記
第１軸受ハウジング７のうちの片側のみは、その外周面
が中心軸６の軸心に対して偏心しており、また側面部に
版胴１の中心軸６の軸心と同心の円弧状の固定カム８が
ボルト等を介して固着されている。

一方、前記水着ローラ２は水着ローラアーム９の第２
軸受ハウジング10によって回転自在に支持されている。
水着ローラアーム９は補助フレーム11を介して主フレー
ム５に支持される第１ピン12によって揺動自在に支持さ
れており、また水移しローラ３はスイングアーム13の中
間位置における第３軸受ハウジング14によって回転自在
に支持され、スイングアーム13の基端は主フレーム５に
補助フレーム11を介して支持された第２ピン15によって
揺動自在に支持され、揺動端は第３ピン16によってエヤ
ーシリンダー17のロッド部に揺動自在に連結される。
尚、前記エヤーシリンダー17のヘッド部は第４ピン18を
介して補助フレーム11によって揺動自在に支持されてい
る。

水着ローラ２と水移しローラ３の接触圧の調整は、接
触圧調整ネジ用第１ロッド19とネジ部で螺合する水着ロ
ーラアーム９にピン20によって揺動自在に取付けられて
いるロッドブロック31および水移しローラ３の軸中心方
向にスイングアーム13に回転自在に取付けられているピ
ン21の差動ネジの進退によって行われ、操作は調整用第
１ノブ22を廻して行うようになっている。

また、版胴１と水着ローラ２の接触圧の調整は、接触
圧調整ネジ用第２ロッド24と螺合する水着ローラアーム
９に揺動自在に取付けられている第７ピン23及び前記接
触圧調整ネジ用第２ロッド24の先端に取付けられ、水着
ローラアーム９の内部切欠でガイドされる摺動自在の当
てブロック25の差動ネジの進退によって行われ、操作は
調整用第２ノブ26を廻して行うようになっている。

一方、補助フレーム11にピン27を支点として揺動自在
に支持されているレバー28の中間部には、ころ29が回転
自在に取付けられ、前記固定カム８の外周部を転動す
る。レバー28の先端部にはレバー28を前記当てブロック
25に接近するように付勢されるバネ30が取付けられてい
る。

（作 用） 次に、この様な構成において版胴１と水着ローラ２と
の位置調整の方法について述べる。

先ず、接触圧調整用第２ノブ26を操作して版胴１と水
着ローラ２の接触圧を設定する。次いで接触圧調整用第
１ノブ22を操作して水移しローラ３と水着ローラ２の接
触圧を設定する。この後、版胴１のひねり調整をその片
側の第１軸受ハウジング７を回動させて行なう。版胴１
のひねりは固定カム８によりころ29を介してレバー28に
伝えられ、更に当てブロック25の先端を押すことにより
水着ローラ２と水移しローラ３および版胴１は既に設定
された接触圧を変えることなく版胴１のひねりに追随し
て移動する。

また、印刷機の運転休止の場合にはエヤーシリンダー
17を作動させ、そのロッドを引込めることにより、水着
ローラ２と水移しローラ３は同時に版胴１から離開させ
ることができる。再び印刷機の運転を開始する場合は単
にエヤーシリンダー17を作動させ、そのロッドを押出す
だけで、元の設定した前記ローラ接触圧に復元させるこ
とができる。

（発明の効果） 本発明は、上記のように主フレーム５に揺動自在に支
持された保持体の揺動端部に設けた第１軸受ハウジング
７と、第１軸受ハウジング７に対して回転自在に保持し
たひねり修正調節可能の版胴１と、主フレーム５に補助
フレーム11を介してして支持された第１ピン12と、第１
ピン12に揺動自在に支承した水着ローラアーム９と、水
着ローラアーム９の揺動端に設けた第２軸受ハウジング
10と、第２軸受ハウジング10に対して回転自在に保持し
た水着ローラ２と、主フレーム５に補助フレーム11を介
して支持された第２ピン15と、第２ピン15に揺動自在に
支承したスイングアーム13と、スイングアーム13の中間
位置に設けた第３軸受ハウジング14と、第３軸受ハウジ
ング14に対して回転自在に保持した水移しローラ３と、
スイングアーム13の基端部に設けた第４軸受ハウジング
32と、第４軸受ハウジング32に対して回転自在に保持し
た水元ローラ４と、スイングアーム13の揺動端および補
助フレーム11に第３・第４ピン16、18を介して両端を揺
動自在に連結したシリンダー17と、水着ローラアーム９
の揺動端部に第５ピン20によって揺動自在に支承したロ
ッドブロック31と、第３軸受ハウジング14の外側に回転
自在に取付けた第６ピン21と、ロッドブロック31および
第６ピン21に係装したこれ等ロッドブロック31、第６ピ
ン21を差動ネジの進退によって遠近させる接触圧調整ネ
ジ用第１ロッド19と、水着ローラアーム９の揺動端部に
揺動自在に取付けた第７ピン23と、水着ローラアーム９
の内部切欠によりガイドされる状態で設けた揺動自在の
当てブロック25と、第７ピン23および当てブロック25に
係装したこれ等第７ピン23、当てブロック25を差動ネジ
の進退によって遠近させる接触圧調整ネジ用第２ロッド
24と、補助フレーム11に揺動自在に支持したレバー28
と、版胴１と同心として前記第１軸受ハウジング７の側
面に設けた円弧状固定カム８と、レバー28の中間部に回
転自在に取付けた、固定カム８の外周部を転動するころ
29と、レバー28の揺動端と水着ローラアーム９に両端を
掛止した、当該レバー28の側面を前記当てブロック25の
先端に圧接させるためのバネ部30と、を備えたことを特
徴とするので、上記作用において述べたように、水着ロ
ーラ２、水移しローラ３および版胴１は既に設定された
接触圧を変えることなく版胴１のひねりに追随して移動
でき、また、印刷機の運転休止の場合にはエヤーシリン
ダー17を作動させてそのロッドを引込めることにより、
水着ローラ２と水移しローラ３は同時に版胴１から離開
させることも、再び印刷機の運転を開始する場合は単に
エヤーシリンダー17を作動させ、そのロッドを押出すだ
けで、元の設定した前記ローラ接触圧に復元させること
もできるものであって、印刷機の非稼働時間の短縮化お
よびローラ間の接触圧の調整の簡便化の達成を可能にす
る著効を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の印刷機の版胴に対する給水装置の実施
例を示す側面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線に沿う断面
図、第３図は第２図Ｂ−Ｂ線に沿う断面図、第４図は第
２図Ｃ−Ｃ線に沿う断面図、第５図はＤ−Ｄ線に沿う断
面図、第６図は第２図Ｅ−Ｅ線に沿う断面図である。 １……版胴、２……水着ローラ、３……水移しローラ、
４……水元ローラ、５……主フレーム、６……中心軸
（版胴）、７……第１軸受ハウジング（版胴）、８……
状固定カム、９……水着ローラアーム、10……第２軸受
ハウジング、11……補助フレーム、12……第１ピン、13
……スイングアーム、14……第３軸受ハウジング、15…
…第２ピン、16……第３ピン、17……エヤーシリンダ
ー、18……第４ピン、19……接触圧調整ネジ用第１ロッ
ド、20……第５ピン、21……第６ピン、22……調整用第
１ノブ、23……第７ピン、24……接触圧調整ネジ用第２
ロッド、25……当てブロック、26……調整用第２ノブ、
27……ピン、28……レバー、29……ころ、30……バネ、
31……ロッドブロック、32……第４軸受ハウジング。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】主フレーム５に揺動自在に支持された保持
   体の揺動端部に設けた第１軸受ハウジング７と、第１軸
   受ハウジング７に対して回転自在に保持したひねり修正
   調節可能の版胴１と、主フレーム５に補助フレーム11お
   よび第１ピン12を介して揺動自在に支承した水着ローラ
   アーム９と、水着ローラアーム９の揺動端に設けた第２
   軸受ハウジング10と、第２軸受ハウジング10に対して回
   転自在に保持した水着ローラ２と、主フレーム５に補助
   フレーム11および第２ピン15を介して揺動自在に支承し
   たスイングアーム13と、スイングアーム13の中間位置に
   設けた第３軸受ハウジング14と、第３軸受ハウジング14
   に対して回転自在に保持した水移しローラ３と、スイン
   グアーム13の基端部に設けた第４軸受ハウジング32と、
   第４軸受ハウジング32に対して回転自在に保持した水元
   ローラ４と、スイングアーム13の揺動端および補助フレ
   ーム11に第３・第４ピン16、18を介して両端を揺動自在
   に連結したシリンダー17と、水着ローラアーム９の揺動
   端部に第５ピン20によって揺動自在に支承したロッドブ
   ロック31と、第３軸受ハウジング14の外側に回転自在に
   取付けた第６ピン21と、ロッドブロック31および第６ピ
   ン21に係装したこれ等ロッドブロック31、第６ピン21を
   差動ネジの進退によって遠近させる接触圧調整ネジ用第
   １ロッド19と、水着ローラアーム９の揺動端部に揺動自
   在に取付けた第７ピン23と、水着ローラアーム９の内部
   切欠によりガイドされる状態で設けた揺動自在の当てブ
   ロック25と、第７ピン23および当てブロック25に係装し
   たこれ等第７ピン23、当てブロック25を差動ネジの進退
   によって遠近させる接触圧調整ネジ用第２ロッド24と、
   補助フレーム11に揺動自在に支持したレバー28と、版胴
   １と同心として前記第１軸受ハウジング７の側面に設け
   た円弧状固定カム８と、レバー28の中間部に回転自在に
   取付けた、固定カム８の外周部を転動するころ29と、レ
   バー28の揺動端と水着ローラアーム９に両端を掛止し
   た、当該レバー28の側面を前記当てブロック25の先端に
   圧接させるためのバネ部30と、を備えたことを特徴とす
   る印刷機の版胴に対する給水装置。