JP2631225B2 - 演算回路付モデル規範形適応先行制御装置 - Google Patents

演算回路付モデル規範形適応先行制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、プロセスの制御において予想される種々の
外乱入力に対し、プロセスの環境条件あるいは使用条件
のいかんに拘わらず、被制御量の変動を所定の範囲内に
維持するためのモデル規範形適応先行制御装置に関す
る。
(従来の技術) 工業生産プロセスにおいては、製品の品質の安定,生
産性の確保,設備の保全などのためにプロセスの被制御
量の変動を所定の範囲内に維持することが要求される。
一例をあげれば火力発電プラントにおいては、電力発生
のエネルギー源である蒸気の生産量を、発電量指令に応
じて速やかに変化させ、且つ被制御量である過熱蒸気温
度や再熱蒸気温度を許容範囲内に保持するような制御が
強く望まれている。
従来工業プロセスの制御には、フィードバックによっ
て制御量(出力)の値を目標値(入力)と比較し両者を
一致させるような訂正動作を行わせるフィードバック制
御方式があった。また近年、デジタル計算機を主体とし
た制御システムの発達に伴ない、プロセスの時々刻々の
動特性変化に応じて適応的に制御装置の定数やゲインな
どの可変パラメータを調整して良好な制御特性を得よう
とするモデル規範形適応先行制御装置等が提案されてい
る。
第9図は従来のモデル規範形適応先行制御装置の一実
施例の概略的なブロック構成を示すものである。第9図
において、101は入力r(t)、102は入力r(t)と出
力yM(t)間に望ましい関係をもつ規範モデル、103は
プロセスを制御する制御装置でありパラメータ調整機構
107によって制御装置のパラメータが設定される。104は
被制御対象プロセス、105は規範モデル102の出力y
M(t)とプロセス104の出力yP(t)との偏差を求める
合成機構であり、上記両者の出力差e(t)を送出す
る。107は合成機構の出力をうけ制御装置103のパラメー
タの調整用の信号をつくり出すパラメータ調整機構であ
る。
次に上記従来例の動作について説明する。第9図にお
いて入力r(t)101が入力されると、規範モデル102か
ら出力yM(t)が出力される。一方、入力r(t)101
は制御装置103に入力され、制御装置103の調整されてい
るパラメータ値に対応した信号がプロセス104に与えら
れプロセス104から出力yP(t)が出力される。プロセ
ス104からの出力yP(t)は制御装置にフィードバック
されるとともに合成機構105に入力される。合成機構105
は規範モデル102の出力yM(t)とプロセス104の出力yP
(t)とを合成し、両出力の差e(t)が出力される。
合成機構105の出力値e(t)がパラメータ調整機構107
に入力されると、該パラメータ調整機構107内の電子計
算機に予め用意されている演算論理にもとずく演算によ
ってパラメータ調整用の信号をつくり出して制御装置10
3に入力し制御装置103のパラメータを調整する。
このように、上記従来のモデル規範形適応制御装置で
もプロセスの時々刻々の動特性変化に適応させることが
できる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来のフィードバック制御装置及
びモデル規範形適応先行制御装置では次の問題がある。
(1)フィードバック制御装置ではフィードバック回路
を一巡する信号の遅れがあり、生産量の大幅かつ急速な
変化や不測の外乱入力に適応できない。
(2)モデル規範形適応先行制御装置は、制御対象プロ
セスが線形でかつプロセスパラメータが時不変であるこ
とを前提にしており、また実際の適用に際してはパラメ
ータ調整信号をうるために複雑多量の演算が必要であ
り、もっとも簡単な1入力1出力のプロセスに対しても
まだ十分実用の域に達していない。一方、現実の対象プ
ロセスは多入力多出力系を構成し、かつ非線形,時変系
が普通であるため適用が困難である。
(3)従来方式のパラメータ調整機構において用いられ
ているパラメータ調整用の演算論理は、プロセスのパラ
メータが時不変であることを前提として導出されてお
り、時変系に対しては時不変系の演算を適宜修正して対
応する方式を採用しているため、プロセスパラメータの
変化速度が調整機構によるパラメータ修正速度により速
い場合には期待通りの制御性能が得られない。
本発明はこのような上記従来の問題点を解決するもの
であり、プロセスの状態変化に柔軟に対応でき、またプ
ロセスに加わる外乱入力に対する出力の変動を予め設定
した規範モデルに一致させるような制御入力を演算回路
を用いて適応的に合成する簡便かつ実用的な装置を提供
することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記目的を達成するために、次の手段を備え
たものである。
(1)モデル規範形適応先行制御を実現するための演算
回路を計算機上のソフトウェアまたは別設置のハードウ
ェアにより構成し、該演算回路の入力としてはプロセス
への外乱入力を用い、プロセスの被制御量の応答を、規
範モデルの出力状態量の応答と一致させるような制御入
力信号を演算回路で合成し、上記制御入力信号をプロセ
スの制御入力印加点に与えて先行制御を行う。
(2)プロセスのパラメータが未知の場合には、上記演
算回路の他にパラメータ適応推定機構により、推定され
たパラメータを用いて制御する。
(3)プロセスの出力を規範モデルの出力に一致させる
ために、制御偏差(プロセス出力と規範モデル出力との
差)に関する回路を設け、制御偏差の減衰特性を任意に
指定した特性に従って制御することを可能にする。
(作 用) したがって、本発明によればプロセスの被制御量の応
答を規範モデルの応答と一致させることができるととも
に、プロセスのパラメータが未知の場合にもパラメータ
推定機構によって時々刻々推定したパラメータを用いた
演算回路で制御入力を生成させることができる。
(実施例) 第1図は本発明の基本的な一実施例のブロック構成を
示すものである。第1図において、1は外乱入力r
(t)、2は制御入力u(t)、3はプロセスの出力状
態量の変化yP(t)、4は演算回路の出力状態量の変化
yS(t)、5は規範モデルの出力状態量の変化y
M(t)、11は制御対象のプロセス、12は制御対象プロ
セス11の動特性と等価な動特性を有する演算回路、13は
規範モデルであり外乱入力に対して伝達関数GMr(s)
を有する。14はプロセス11の外乱入力1に対する伝達関
数Gpr(s)、15はプロセス11の制御入力2に対する伝
達関数Gpu(s)、16は演算回路12の外乱入力1に対す
る伝達関数Gsr(s)、17は演算回路12の制御入力2に
対する伝達関数Gsu(s)、18,25,26は演算回路12の係
数であり、27は規範モデル13の係数である。
次に上記実施例の動作について説明する。制御の目標
は、外乱入力r(t)1に対するプロセスの出力状態量
の変化yP(t)3を規範モデルの出力状態量の変化y
M(t)5に一致させるような、すなわち yP(t)−yM(t)=0 ……(1) になるような制御入力u(t)2を演算回路12の内部状
態量及び規範モデル13の内部状態量を利用して合成する
ことである。
例えば、規範モデルの出力量の変化yM(t)tが外乱
入力r(t)1に対して常に零になるように規範モデル
13を選択すれば、演算回路12の伝達関数Gsr(s)16と
プロセス11の伝達関数Gpr(s)14が、また演算回路12
の伝達関数Gsu(s)17とプロセスの伝達関数Gpu(s)
15がそれぞれ完全に一致している場合には、(1)式か
らyP(t)=0すなわち外乱入力r(t)1がどのよう
に変動してもプロセス11の出力状態量の変化が常に零で
あるという理想的な制御システムを実現することができ
る。実際にはプロセス11の伝達関数と演算回路12の伝達
関数との間に差があるので、演算回路12の伝達関数が常
にプロセス11の伝達関数に一致するように演算回路12の
伝達関数Gsr(s)16,Gsu(s)17のパラメータ及び係
数18,25,26を調整し、プロセスの出力状態量の変化y
P(t)3が近似的に規範モデルの出力状態量の変化yM
(t)5に一致するような制御入力u(t)2を求める
ことになる。
次に制御入力u(t)2の求め方についてのべる。上
記に説明した如く、第1図に示すようにプロセス11の動
特性を模擬する演算回路12を設け、演算回路12及び規範
モデル13の内部状態量を利用して制御入力u(t)2
(先行制御信号)を求めるものであり、以下にその要点
について説明する。
今日の制御工学においては、プロセスの制御入力u
(t)に対するプロセスの出力状態量の変化yP(t)す
なわちプロセス11の動特性を表わす伝達関数を表現する
のに微分演算子S=d/dtを用い、次式のようなSに関す
る多項式G(s)を用いることが広く行われている。
(2)式において、一般に分母の次数nは分子の次数
mよりも大きく、その差d=n−mは正の整数となる。
例えば、n=3,m=1,d=2のシステムにおいては、
(2)式は次のように書かれる。
(3)式の伝達関数を可観測正準形のブロック線図で
表わし、制御入力u(t)とプロセスの出力状態量の変
化yP(t)との関係を図で示すと第2図が得られる。第
2図において、1/Sは積分器、a1(t),a2(t),a
3(t),b1(t),b2(t)は伝達関数の係数で時間t
の関数として表わされる。第2図によると、制御入力u
(t)からプロセスの出力状態量の変化yP(t)への影
響の最も早いルートは、b1(t)を通って積分器1/Sを
2個通過する回路である。別の表現を用いれば、制御入
力u(t)はプロセスの出力状態量の変化yP(t)の2
回微分値に相当する内部状態量を直接制御する能力があ
ることを示している。さらに一般的に言えば、(2)式
の分母と分子の次数差dなる多項式表現をとる伝達関数
の場合には、制御入力u(t)はプロセスの出力状態量
の変化yP(t)のd回微分値に相当する内部状態量を直
接制御する能力があると言える。ところで、プロセスの
出力状態量の変化yP(t)の微分値はプロセスの出力状
態量の変化yP(t)の擧動の予測値を与え、高次の微分
値ほどより将来の予測値を与えることになるから、プロ
セス11の次数差dに応じた将来の予測値の制御信号を利
用することにより所望の制御特性を実現することができ
る。
ここで、前記(1)式に示した条件式yP(t)−y
M(t)=0を実現する制御入力u(t)を求めるため
に、yP(t)とyM(t)のd回微分値が常に等しくなる
ような制御入力u(t)を求めることを考えると、 SdyP(t)=SdyM(t) ……(4) (ただし、Sは微分演算子でSd=d(d)/dt(d))を満足す
る制御入力u(t)を求めればよい。しかし、実際には
yP(t)とyM(t)の初期値は異るので、この場合にも
(4)式の関係を成立させるためには正の数γを導入し
て、 (S+γ)dyP(t)−(S+γ)dyM(t)=0 ……(5) を満足するような制御入力u(t)を求めればよい。例
として、n=3,m=1,d=2の場合をとれば、プロセスの
制御入力u(t)に対するプロセス11の応答と同じ応答
特性を有する演算回路12を構成したとして、該演算回路
の出力状態量の変化(S+γ)dyS(t)を求めること
を考えると、 (S+γ)2yS(t)=S2yS(t)+2γSyS(t) +γ2yS(t) であるから、(S+γ)2yS(t)は第3図に示すよう
な演算回路12によって求めることができる。
ところで、(4)式のyp(t)は第1図に示したよう
に、外乱入力r(t)に対するプロセスの出力状態量の
変化ypr(t)と、制御入力u(t)に対するプロセス
の出力状態量の変化ypu(t)との和で表わされる。し
たがって、実プロセスと同じ伝達関数を有する演算回路
12を構成し、外乱入力r(t),制御入力u(t)に対
する演算回路の出力状態量の変化をそれぞれysr(t),
ysu(t)とし、すべての入力に対する演算回路の出力
状態量の変化をys(t)とすると、yS(t)=y
sr(t)+ysu(t)であるから、(5)式はn=3,m=
1,d=2のとき (S+γ)2yS(t)−(S+γ)2yM(t)=0 ……(6) となる。(6)式を実現するための演算回路12は、(S
+γ)2yS(t)が第3図で示されることから第4図の
如く示すことができる。第4図において、 であるから、両辺に−b1を乗算すると −b1u(t)=(S+γ)2yS(t) −(S+γ)2yM(t)−b1u(t) すなわち 0=(S+γ)2yS(t)−(S+γ)2yM(t)とな
り、第4図で表わした演算回路12は(5)式を満足して
いることがわかる。このようにして得られた制御入力u
(t)を用いて第4図に示すようにプロセス11を制御す
れば、外乱入力r(t)に対するプロセスの出力状態量
の変化ypr(t)及び制御入力u(t)に対する出力状
態量の変化ypu(t)と、外乱入力r(t)に対する演
算回路の出力状態量の変化ysr(t)及び制御入力u
(t)に対する演算回路の出力状態量のysu(t)とが
それぞれ一致しておれば(6)式は完全に満足される。
したがって、外乱入力r(t)の如何にかかわらず、プ
ロセスの出力状態量の変化yp(t)と規範モデルの出力
状態量の変化yM(t)とを一致させることができる。
上記ではプロセス11の伝達関数の分母と分子の次数差
が2の場合について説明したが、一般的に次数差がd
(d=n−m)の場合には制御入力u(t)は次の
(7)式で与えられる。
したがって、(7)式に等しい制御入力u(t)が得
られるような演算回路12を構成すればよい。なお、
(7)式の(S+γ)の代りにd次の多項式K(s)
=0の実数部が負であるようなK(s)を用いて演算回
路を構成してもよい。
第5図は、プロセスパラメータが既知でかつ1入力1
出力系の場合の制御効果をプロセスモデルによって確め
た結果を示す図である。第5図(a)はステップ状の外
乱入力r(t)を示し、第5図(b)はプロセスパラメ
ータa1(t)の時間的変化を示し、第5図(c)は第5
図(a)で示した外乱入力r(t)に対するプロセスの
出力状態量の変化yP(t)を示したものである。第5図
(c)において、破線は制御しない場合、実線は規範モ
デルの出力状態量の変化yM(t)=0として先行制御を
行った場合を示す。第5図から明らかなように、プロセ
ス11のパラメータとその時間的変化が既知の場合には、
プロセスの出力状態量の変化yP(t)は規範モデルの出
力状態量の変化yM(t)と一致し、ステップ状の外乱入
力r(t)が加わってもプロセスの出力状態量の変化yP
(t)は零すなわち全然変化しないという先行制御を実
現することができる。
上記に1入力1出力系の場合についてのべたが、プロ
セスのパラメータが既知の多入力多出力系の制御も1入
力1出力系の場合と同様の考え方で拡張することができ
る。なぜなら、本制御方式では制御対象とするプロセス
の状態量と制御入力の数はプロセスに合わせて任意に選
ぶことが可能であり、その場合の制御入力は演算回路上
で構成することにより実現できるからである。
第6図は、多入力多出力の火力発電プラントに適用し
た一応用例の制御シミュレーションの結果を示したもの
である。該応用例では、プラントの外乱入力r(t)は
負荷変化指令(発電量指令)であり、被制御量は主蒸気
温度偏差(以下、SHTという)と再熱蒸気温度偏差(以
下、RHTという)である。また制御入力u(t)は燃料
操作(FR),スプレー操作(SP)及びガスダンパ操作
(GR)である。第6図は外乱入力r(t)が時間t=0
でステップ状に変化した場合、2つの被制御量SHTとRHT
の変動が演算回路12により合成した上記3つの制御入力
u(t)(FR,SP,GR)により完全に抑制され、制御偏差
が零に保持されることを示している。
今までにおいては、プロセス11のパラメータが既知の
場合についてのべたが、一般的にはプロセス11のパラメ
ータは未知であり、かつその値は時間もしくはプロセス
11の運転状態によって異なる。このような場合にはプロ
セス11のパラメータを推定する第7図の構成をとる。第
7図において、21はプロセス、22は演算回路、23は規範
モデル、24はパラメータ推定機構である。
次に上記第7図の動作について説明する。プロセス21
の出力状態量の変化yP(t)および演算回路22の出力状
態量の変化yS(t)を合成してパラメータ推定機構24に
入力し、パラメータ推定機構24の出力を演算回路22に入
力することにより、時々刻々推定したプロセス21のパラ
メータにより構成される演算回路22で生成した制御入力
u(t)を用いてプロセス21の出力状態量の変化y
P(t)が規範モデル23の出力状態量の変化yM(t)に
一致するように制御を行う。パラメータの適応推定に
は、例えば広く用いられている連続時間最小2乗法を用
いる。
また、制御開始時には予備知識などによりパラメータ
の初期値を仮定して一定時間制御し、その間に収集した
データにより正確なパラメータが始めて同定できる。次
の一定時間区間では最初の時間区間のパラメータ不一致
に起因する非最適制御の影響を除去するとともに、時々
刻々入ってくる外乱入力r(t)に対しても最適な制御
を行い、総合的なプロセス21の出力状態量の変化y
P(t)を規範モデルの出力状態量の変化yM(t)に一
致させるため、制御偏差e(t)=yP(t)−yM(t)
に関する回路を設け、任意に指定した減衰特性に従って
制御偏差e(t)を減衰させる方法をとることによっ
て、制御入力u(t)の過大な動きを抑制し実用に適す
る制御システムを構成することができる。そのために
は、上記(7)式に減衰項を加えた形に修正した制御入
力u(t)を求めればよい。
第8図は未知のパラメータを有する時変系プロセスの
一応用例として、火力発電プラントのシミュレーション
モデルに、上記にのべたパラメータ推定機構を、付加す
るとともに、減衰特性を指定して減衰させた場合の効果
を示した図である。第8図(a)はプロセスに対する外
乱入力r(t)の変化を示した図、第8図(b)は外乱
入力r(t)に対するプロセスの出力状態量の変化y
P(t)を示した図、第8図(c)は先行制御入力u
(t)を示した図である。第8図(b)から明らかなよ
うに、プロセスのパラメータ推定期間中は制御の効果は
ほとんど現われないが、時間の進行に伴ってパラメータ
の推定値の精度が向上するとともに先行制御の効果が顕
著となり、制御開始10分後には外乱入力r(t)の変動
にかかわらず、制御偏差がほとんど零に保たれている。
なお、第8図の例ではパラメータ推定後の制御偏差に指
数関数状の減衰特性を指定している。
(発明の効果) 本発明は上記実施例より明らかなように、従来難解な
論理が先行し、実用化が困難であったモデル規範形適応
制御を、先行制御入力を生成する演算回路の導入によ
り、複雑な演算を使用せず実際のプロセスへの適用が可
能となり、この結果、従来殆んど解決されていない多変
数でしかもパラメータ時変の非線形のプロセスの制御に
対し、被制御量の変動を規範モデルの出力状態量の変化
に一致させる制御系を容易に構成できるという効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的な一実施例における演算回路付
モデル規範形適応先行制御装置のブロック図、第2図は
一般的な伝達関数の可観測正準形のブロック線図、第3
図は初期値を考慮した演算回路の構成図、第4図は外乱
入力及び制御入力に対しプロセスの出力状態量の変化と
演算回路の出力の状態量の変化が一致する演算回路の構
成図、第5図はプロセスのパラメータが既知でかつ1入
力1出力系の制御効果を示す図、第6図は本発明の多入
力多出力の火力発電プラントに適用した一応用例の結
果、第7図はパラメータ推定機構を備えた演算回路付モ
デル規範形適応先行制御装置のブロック図、第8図は未
知のパラメータを有する時変系プロセスの制御例の結
果、第9図は従来のモデル規範形適応先行制御装置のブ
ロック図である。 1,101……外乱入力r(t)、2……制御入力u
(t)、3……プロセスの出力状態量の変化yP(t)、
4……演算回路の出力状態量の変化yS(t)、5……規
範モデルの出力状態量の変化yM(t)、11,21,104……
プロセス、12,22……演算回路、13,23……規範モデル、
14,15,16,17……伝達関数、18,25,26,27……係数、24…
…パラメータ推定機構、103……制御装置、105……合成
機構、106……出力、107……パラメータ調整機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 秀雄 福岡県大野城市南ケ丘14丁目75番地 (56)参考文献 特開 昭60−218105(JP,A) 特開 昭63−128401(JP,A) 特開 昭54−17480(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】積分器又は遅延演算子と,乗算器と,加算
    器と,予め設定された係数とで構成されており、設計時
    に予め指定された応答を示す規範モデルを有し、制御対
    象であるプロセスに既知の外乱が入力したときの被制御
    量である前記プロセスの出力状態量の応答が、前記既知
    の外乱が入力したときの前記規範モデルの応答と一致す
    るように、前記プロセスへの制御入力となるプロセス制
    御入力信号を合成するモデル規範形適応先行制御装置に
    おいて、 前記既知の外乱が入力したときに、前記積分器又は前記
    遅延演算子からそれぞれ出力される状態量を第1の状態
    量として出力する前記規範モデルと、 積分器又は遅延演算子と,乗算器と,加算器と,予め設
    定された係数とで構成されており、前記既知の外乱が入
    力したときに、前記積分器又は前記遅延演算子からそれ
    ぞれ出力される状態量を第2の状態量として出力する、
    前記プラントの動特性を模擬する第1の演算手段と、 前記第1の状態量と前記第2の状態量とが入力すると、
    時間の関数として予め与えられた係数と乗算器及び加算
    器とによって前記プロセス制御入力信号を合成して出力
    する第2の演算手段と を具備することを特徴とする演算回路付モデル規範形適
    応先行制御装置。
  2. 【請求項2】前記プロセスは、複数の前記制御入力と前
    記被制御量とを有し、前記複数の制御入力を操作する影
    響が前記複数の被制御量に及ぶ所謂多変数系において、
    前記プロセスの相互干渉を補償する機能を備えたことを
    特徴とする請求項(1)記載の演算回路付モデル規範形
    適応先行制御装置。
  3. 【請求項3】前記プロセスは、その動特性が使用条件に
    より大幅に変化しても、前記演算回路のパラメータが実
    プロセスのパラメータに一致するように適応的に修正す
    ることを特徴とする請求項(1)記載の演算回路付モデ
    ル規範形適応先行制御装置。
  4. 【請求項4】前記演算回路のパラメータが実プロセスの
    パラメータと一致するように適応的に修正する過程にお
    いて、パラメータ誤差に起因して生じる制御偏差が予め
    指定した減衰特性に従って収束するように制御すること
    を特徴とする請求項(1)記載の演算回路付モデル規範
    形適応先行制御装置。
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