JP2625524B2 - オツトーモーター用のポリエーテルアミン含有燃料 - Google Patents

オツトーモーター用のポリエーテルアミン含有燃料

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ポリエーテルのアミノ化により製造される
ポリエーテルアミンを少量含有するオツトーモーター用
の燃料に関する。
ポリエーテルアミンは気化器、噴入ノズル及びバルブ
を清浄に保持しかつ清浄化するための燃料添加物として
既知であり、例えばPCT出願WO85/01956又はEP−B 1−0
100665の対象となつている。そこではこの化合物は、エ
チレンクロルヒドリンから出発して、アルコキシル化、
末端水酸基のエーテル化及び塩素原子のアミノ基による
置換によつて製造されることが記載されている。
このポリエーテルアミンはモーターの流入系における
著しい清浄効果を有する優れたバルブ清浄剤であるが、
これはその製造時に残留する含有塩素による欠点を有す
る。塩素を含有する燃料添加物又はオイル添加物は、腐
食性と環境保護の理由から好ましくない。
本発明の課題は、燃料用添加物として好適なポリエー
テルアミンを開発することであつた。さらに既知のポリ
エーテルアミンをその作用において改善しかつ同じ効果
をより少ない消費料で達成することも課題であつた。
本発明者らは、次式 R1−Ｘ−R2Ｏ−R2 mOH （II） （式中の記号は後記の意味を有する）のポリエーテル
を、アンモニア又は一級脂肪族アミンによりアミノ化し
て得られる次式 （R1は３〜30個の炭素原子を有する分枝鎖のアルコール
又は３〜30個の炭素原子を有するアルキルアミンの残
基、Ｘは酸素原子又は次式 の基で、R4は第２の基R1又は第２の基 であり、R2はプロピレンオキシド又はブチレンオキシド
からのアルキレン基、ｍは５〜100の数、R3は水素原子
又は１〜20個の炭素原子を有するアルキル基、R5は水素
原子であり、あるいはR5とR3はさらに次式 R1−Ｘ−R2Ｏ−R2 ｍ の基を意味してもよい）で表わされ、分子量MNが500〜5
000であるポリエーテルアミンを少量含有するオツトー
モーター用燃料が、塩素を含有することなく、そしてき
わめて良好なバルブ及び気化器の清浄作用を有すること
を見出した。
本発明に用いられるポリエーテルアミンは、一般に２
段階で合成される。第１段階では、アルコール又はアミ
ンを既知の手段でプロポキシル化及び／又はブトキシル
化することにより、式IIの化合物を製造する。
この場合アルコールとしては１価又は多価のアルコー
ルが用いられるが、多価アルコールの場合はOH基対CH2
基の比率は1:3より大きくないようにする。好ましいモ
ノアルコールは特に３〜30個好ましくは４〜15個の炭素
原子を有する分岐したアルカノールである。個々の出発
物質としては、ｉ−型のプロパノール、ブタノール、ペ
ンタノール、ヘキサノール、オクタノール例えば２−エ
チルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ステアリ
ルアルコール、セチルアルコールならびに一般式 CH3CH2CH2 nOH （ｎは１〜11の数を意味する）で表わされるアルコール
があげられる。５〜30個の炭素原子を有するα−オレフ
インを基礎とするオキソアルコール特にジイソブテン共
２量体、３量体ないし10量体のプロピレン又は２量体な
いし８量体のブテンも用いられる。ジオールとしては例
えばヘキサンジオール及びドデカンジオールが用いられ
るが、この場合はアルコキシル化においてより多量のブ
チレンオキシドを使用せねばならないので、ジオールは
やや価値が低い。しかし低分子ポリイソブテンのヒドロ
ホルミル化生成物、すなわち35〜61個の炭素原子を有す
るポリイソブチレンアルコールを、アルコキシル化する
こともできる。
出発物質として用いられるアミンは、普通は一級又は
二級のモノアミンで、特に３〜30個好ましくは４〜15個
の炭素原子を有する分岐したアミンである。個々には例
えば前記アルコールに対応するアミンが用いられる。価
格の点及び単一性の低い生成物が生成する点から、アミ
ンは出発物質としてアルコールよりやや劣る。
プロピレンオキシド及び／又はブチレンオキシドを使
用するアルコキシル化は、既知の手段により行われる。
一般的製造指針は次のとおりである。プロピレンオキシ
ド又はブチレンオキシドの量は広範囲で変更できる。普
通は出発物質１モルに対し、３〜100モル好ましくは５
〜30モルのアルキレンオキシドを使用する。しかしプロ
ピレンオキシド又はブチレンオキシドの使用量及び選択
は、どの出発物質を使用するかに依存する。出発化合物
が長鎖の疎水性基を有する場合例えばポリイソブチレン
アルコールである場合は、プロピレンオキシドをより多
量に使用することができる。
全体としてポリアルコキシド及びその量は、マスター
バツチを製造するため、炭化水素例えばトルオール又は
鉱油SN200に50重量％の最低溶解性が保証されるように
選ばれる。
第２段階では、ポリエーテルを一般に何も予備処理し
ないで常法によりアミノ化する。アミノ化とは、末端OH
基を有するポリエーテルに、水の脱離下に−NHR3基を導
入することをいう。その詳細な手段は、ホウベン−ワイ
ルの著書11/1巻II b章108〜134頁に記載されている。
一般のアミノ化水素化と同様に、なお窒素原子におけ
る遊離水素原子を、さらに基 R1−Ｘ−R2Ｏ−R2 ｍ により置換することもでき、一級、二級及び三級アミン
の混合物が生成する。
アミノ化反応は、好ましくは160〜250℃の温度及び60
0バール以下好ましくは80〜300バールの圧力で行われ
る。触媒としては好ましくは担体例えばSiO2又はAl2O3
上のコバルト又はニツケルを含有する触媒が用いられる
が、ラネーニツケル又はラネーコバルトも適する。OH基
の定量的変化は使用目的のために必要ではなく、特に式
IIの出発化合物として使用するポリエーテルがベンジン
添加用組成物のための支持油としても用いられる場合に
そうである。より高い空時収量が得られるので、部分的
変化率が好ましい場合もある。一般にアミノ化において
は、アンモニア又はアミンが過剰に、例えば10〜60倍好
ましくは15〜40倍モル過剰で用いられる。アンミニアの
使用が好ましい。アミノ化のための一級アミンとして
は、特にメチルアミン、エチルアミン又はブチルアミン
が好適である。
燃料としては、鉛含有又は鉛不含の普通ベンジン及び
スーパーベンジンが用いられる。これら燃料は炭化水素
以外の他の成分、例えばアルコール例えばメタノール、
エタノール、三級ブタノール又はエーテル例えばメチル
三級ブチルエーテルを含有しうる。本発明に用いられる
ポリエーテルアミンのほかに、この燃料は普通はなお他
の添加物、例えば腐食防止剤、安定剤、抗酸化剤、洗浄
剤等を含有する。
腐食防止剤は、普通は出発化合物の構造に対応して薄
膜を形成しやすい有機カルボン酸のアンモニウム塩であ
る。pH価を高めるアミンもしばしば腐食防止剤として用
いられる。彩色金属腐食保護剤として複素環族化合物も
用いられる。
抗酸化剤又は安定剤としては、特にパラフエニレンジ
アミン、ジシクロヘキシルアミン、モルホリン又はこれ
らの誘導体のようなアミンが用いられる。フエノール性
抗酸化剤、例えば2,4−ジ三級ブチルフエノール又は3,5
−ジ三級ブチル−４−ヒドロキシフエニルプロピオン酸
又はその誘導体も、燃料又は潤滑油に添加される。
気化器、噴射器及びバルブの清浄剤としては、さらに
場合によりポリイソブチレンこはく酸無水物のアミド及
びイミド、ポリブテンアミン、ポリブテンポリアミン、
ならびに長鎖カルボン酸のアミド及びイミドも燃料に添
加される。
本発明に用いられるポリエーテルアミンの濃厚物のた
めの支持体油としては、粘度範囲がSN500〜900の鉱油の
ほか、原料白灯油及び合成油例えばポリアルフアオレフ
イン、トリメリツト酸エステル又はポリエーテルも使用
できる。エステルはなるべく長鎖の好ましくはC8以上の
アルコールからのものが適当であり、ポリエーテルは長
鎖出発物質からのもので、分子中のアルキレンオキシド
量に対し、高いPO含量又はBuO含量を有するものが好ま
しい。
燃料は普通は式Ｉのポリエーテルアミンを、純粋なポ
リエーテルアミンとして10〜2000ppmの量で含有する。
しかしその量は多くの場合に、20〜1000ppm特に40〜400
ppmで足りる。
以下にポリエーテルアミンの製造及びそのモーター中
の作用について具体的に説明する。
製造例： 1. アルカリを使用するオキシアルキル化によりポリエ
ーテルの製造： ａ） 出発アルコール 撹拌器付きオートクレープ中で、全量に対し0.1重量
％の粉末KOHをアルコール中に撹拌分散させ、200mバー
ルで130℃に加熱する。痕跡の水が除去されたのちオー
トクレープを閉鎖し、圧力が６バールを越えないように
してアルキレンオキシドを供給する。２種以上のアルキ
レンオキシドを同時に又は順次に供給して、統計的ポリ
エーテル又は多少とも鮮明な移行を示すブロツク共重合
体を生成させることができる。アルキレンオキシドの流
入の終了後、圧力は３〜10時間の間に２〜３バールに降
下する。この圧力となつたとき80℃に冷却し、膜バルブ
を経て放圧し、20〜30mバールの減圧にする。減圧を約
１時間保持したのち、当量の酸性イオン交換体を添加し
てカリウムを除去し、過する。
ｂ） 出発アミン アミンとの反応のために予備反応が必要である。その
ためオートクレープ中で撹拌しながら、アミンに１〜４
モル当量のアルキレンオキシド（アミンのＮ−Ｈ結合の
数による。NH2＝2N−Ｈ）及び水５重量％を添加し、130
℃で約10時間撹拌する。次いで80℃に冷却し、放圧し、
30〜40mバールの真空にすると、水が定量的に除去され
る。次いで（ａ）の場合と同様に粉末KOHを添加してア
ルコキシル化を行う。
2. （ａ）及び（ｂ）により製造されたポリエーテル
を、そのままでアミノ化する。しかしポリエーテルの粘
度が高い場合は、溶剤好ましくは分岐状脂肪族化合物例
えばインドデカンを用いて希釈し、粘度を50〜200mm2/s
（20℃）にすることが好ましい。ポリエーテル800g又は
その溶液を、アンモニア１及びラネーニツケル100gと
共に、５の回転式オートクレープ中で水素200バール
を用いて、180℃で５時間処理する。冷却後、過して
触媒を分離し、過剰のアンモニアを蒸発し、反応水を共
沸蒸留により又は弱い窒素気流により留去する。
実施例 １（ａ）、（ｂ）及び２に記載の方法により下記の生
成物を製造した。
A:出発物質：イソトリデカノール（４量体プロピレンか
ら） アルキレンオキシド:PO/BuO重量比1:1 分子量MN:1950 アミン数:31 B:出発物質：イソトリデカノール（３量体ブテンから） アルキレンオキシド:BuO ポリエーテルの分子量MN:730 アミン数:92 C:出発物質：ポリイソブタノールMN455 アルキレンオキシド:PO ポリエーテルの分子量MN:890 アミン数:73 D:出発物質：ジイソテリデシルアミン アルキレンオキシド:PO/BuO重量比70/30 ポリエーテルの分子量MN:1650 アミン数:41 E:Aと同じで、ただしアミノ化の出発物質及び鉱油SN800
により重量比1:2:1（アミノエーテル：ポリエーテル：
鉱油）に希釈 F:Bの出発ポリエーテル、Ｂのポリエーテルアミンなら
びにポリイソブテニルこはく酸無水物及びトリエチレン
トリアミン（MV2:1）からの潤滑油分散剤の重量比6:2:1
の混合物、使用するポリイソブテン誘導体は有効物質を
60％だけ含有 モーター試験： 添加物又は添加物パケツトについてのモーター試験
は、ダイムラー・ベンツM102.980モーターを使用して、
次の変更プログラムにより行われた。
走行時間60秒、回転数800、燃料としては鉛無添加の
アルコール含有スーパーガソリン（メタノール３％、三
級ブタノール２％）を、モーター油としてはオペル・カ
デツト試験の標準油CEC−Ｆ−O2−Ｃ−79、RL51を使用
した。
流入バルブの評価は重量測定により行つた。そのため
には流入バルブの下面を機械的によく清掃して、燃焼室
からの付着物を取り除いた。次いで表面に付着する容易
に溶解する部分を、シクロヘキサンに浸漬してバルブか
ら除去したのち、バルブを空気中で振動して乾燥させ
た。この処理は合計２回行つた。次いでバルブを秤量
し、実験前後のバルブ重量の差から、流入バルブ１個に
ついての付着物の量を算出した。実験結果を次表に示
す。
DIN51607、280 1による鉛無添加アルコール含有スー
パーガソリン1kgにつき添加物400mgの場合の、モーター
油RL 51を使用し、実験期間60時間での試験結果：番号 例 バルブ付着物mg/流入バルブ １ 基礎値 381 ２ Ａ ０ ３ Ｂ ０ ４ Ｃ ０ ５ Ｄ ０ ６ Ｅ ２ ７ Ｆ ０
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クラウス・ペーター・ヤコブ ドイツ連邦共和国6806フイールンハイ ム・ベルリーナー・リング18 (72)発明者 ヘルムート・マツハ ドイツ連邦共和国6900ハイデルベルク・ ダンテシユトラーセ５ (72)発明者 ハンス・ペーター・ラート ドイツ連邦共和国6718グリユーンシユタ ツト・フリードホーフシユトラーセ７ (72)発明者 クラウス・シユタルケ ドイツ連邦共和国6719ワイゼンハイム・ ハルベルクシユトラーセ５ (56)参考文献 米国特許3440029（ＵＳ，Ａ)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】次式 R1−Ｘ−R2Ｏ−R2 mOH （II） （式中の記号は後記の意味を有する）のポリエーテル
    を、アンモニア又は一級脂肪族アミンを用いてアミノ化
    して得られる次式 （R1は３〜30個の炭素原子を有する分枝鎖のアルコール
    又は３〜30個の炭素原子を有するアルキルアミンの残
    基、Ｘは酸素原子又は次式 の基で、R4は第２の基R1又は第２の基 であり、R2はプロピレンオキシド又はブチレンオキシド
    からのアルキレン基、ｍは５〜100の数、R3は水素原子
    又は１〜20個の炭素原子を有するアルキル基、R5は水素
    原子であり、あるいはR5とR3はさらに次式 R1−Ｘ−R2Ｏ−R2 ｍ の基を意味してもよい）で表わされ、分子量MNが500〜5
    000であるポリエーテルアミンを少量含有することを特
    徴とする、オットーモーター用燃料。
  2. 【請求項２】R3及びR5が水素原子である、第１請求項に
    記載の燃料。
  3. 【請求項３】R1が５〜15個の炭素原子を有するアルキル
    基で、Ｘが酸素原子である、第１又は第２請求項に記載
    の燃料。
  4. 【請求項４】R1がイソトリデシル基である、第１又は第
    ２項に記載の燃料。
  5. 【請求項５】燃料1kgにつき式Ｉのポリエーテルアミン
    を10〜2000mg含有する、第１から第４請求項のいずれか
    に記載の燃料。
JP63242656A 1987-09-30 1988-09-29 オツトーモーター用のポリエーテルアミン含有燃料 Expired - Fee Related JP2625524B2 (ja)

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