JP2617802B2 - 制御盤の熱交換器装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業の利用分野＞ 本発明は工作機械等の制御盤ケースに取り付けられ
て、制御盤内の空気を冷却する熱交換器装置に関するも
のである。

＜従来の技術＞ 従来のこの種の熱交換器装置としては実開平１−8640
6号公報或いは特開平１−140944号公報に示す如き熱交
換器装置が公知である。

前者の技術は制御盤の外側壁に沿って熱交換器を取り
付けた縦型の壁面取付式熱交換器装置であり、後者の技
術は制御盤の天井部に熱交換器を取り付けた横型の天井
取付式熱交換器装置である。

＜発明が解決しようとする課題＞ 然るに前者の壁面取付式熱交換器装置に於いては、制
御盤ケースの側壁面に内気吸込口と内気排気口とを夫々
上下に配設するので、制御盤の天井部にある加熱された
高温度の空気を熱交換器の中にスムーズに吸い込んで効
率良く熱交換することが困難である問題点があった。

また、前記問題点を改善する為に、後者の如き天井取
付式熱交換器装置が開発されて来たが、この天井取付式
熱交換器装置は全体が横型であり、制御盤ケース内の空
気を取り入れる第１空間と、外気を取り入れる第２空間
とが水平仕切板を介して上下に並列されているので、外
気中に浮遊する潤滑油の微細な粒子（オイルミスト）が
熱交換器装置内に吸入されてフィンに付着したり、ケー
ス内の底部に停溜し、フィンの熱交換性能を著しく低下
せしめたり、制御盤内に侵入して内部を汚染して工作機
械の性能に悪影響を及ぼす等の問題があった。

従って後者の装置に於いては、第１空間と第２空間と
の間に介在する仕切板を傾斜させたり、或いは熱交換器
ケースの側面部にドレンを取り付けなければならず、全
体の構成が複雑になると共に熱交換器ケース内のオイル
を完全にケース外に排出することが困難である等の問題
があった。

本発明に係る装置は従来の上述の問題点に鑑み開発さ
れた全く新規な技術に関するものである。

＜課題を解決するための手段＞ 本発明に係る装置は前述の従来の問題点を根本的に改
善した技術であって、その要旨は制御盤のケースに取り
付けられる垂直部と水平突出部とよりなる逆Ｌ型熱交換
器に於いて、垂直部にコルゲートフィンを収納すると共
に、垂直部の外側の外気吸込口と外気排気口とを設け、
かつこの垂直部の内側に内気排気口を設け、更に水平突
出部所定位置に内気吸込口を設けて構成したものであ
る。

＜作用＞ 本発明に係る装置に於いては、上述の如く、熱交換器
全体を逆Ｌ型に形成して制御盤ケースの天井近くに盤内
空気の吸込口を設けたので、ケースの天井付近の高温度
空気を効率良く吸い込んで熱交換することが出来る。

また、外気を導入して熱交換する空間は制御盤ケース
の壁面に沿って垂直に設けられているので、吸込口より
外気と共に吸入したオイルミストは熱交換器内のコルゲ
ートフィンの壁面を垂直に伝わって自動的に下方に流下
させて排出することが出来る。

＜実施例＞ 図により本発明に係る熱交換器装置の一実施例を具体
的に説明すると、第１図は本発明に係る装置を制御盤ケ
ースに取り付けた状態の縦断面図、第２図はその要部の
横断面図、第３図は他例の縦断面説明図である。

第１図及び第２図に於いて、１は制御盤ケースであ
り、２はこの制御盤ケース１の外側に取り付けられた本
発明に係る熱交換器装置である。この装置２は水平突出
部2aと垂直部2bとよりなり、全体的に逆Ｌ型を有し、前
記ケース１の天井部から制御部に亘ってカギ状に取り付
けられている。

装置２の水平突出部2aの下面には内気ファン３が取り
付けられ、かつ垂直部2bの下底部には外気ファン４が取
り付けられている。また５はコルゲートフィンであっ
て、該垂直部2bのほぼ全体に挿入され、制御盤ケース１
内の空気（内気）と外気とを背中合わせに通過させるこ
とによって熱交換を実施することが出来るように構成さ
れている。

前記垂直部2bの上下部にはコルゲートフィン５の上下
端に対応して、封止部材6,7が夫々取り付けられてい
る。また熱交換器装置２の取付フランジ８と制御盤ケー
ス１との間にはパッキン９が介在されている。

10は制御盤ケース１の天井部に穿設された内気吸込口
であり、前記内気ファン３に対応した位置に設けられて
いる。

11は制御盤ケース１の内側壁に設けられた内気排気口
である。また、12は熱交換器装置２の外壁下部に設けら
れた外気吸込口であって、前記外気ファン４に対応する
位置に穿設されている。13は熱交換器装置２の外壁上部
に設けられた外気排気口である。また14はドレンであっ
て、熱交換器装置２の底面部に設けられている。

本発明に係る装置に於いては上述の如く、制御盤ケー
ス１の天井部に内気吸込口10を設けると共に、この内気
吸込口10に対応する熱交換器装置２の水平突出部2aに内
気ファン３を設けたので、この内気吸込口10より制御盤
ケース１内の高温度の空気を効率良く吸い込み、垂直部
2bのコルゲートフィン５に送ることが出来る。また制御
盤ケース１の内側壁に内気排気口11を設けたので、コル
ゲートフィン５で熱交換されて冷却された空気をこの内
気排気口11より制御盤ケース１内に噴出することが出来
る。

一方外気吸込口12及び外気ファン４より吸い込んだ外
気はコルゲートフィン５に送り、このコルゲートフィン
５で前記内気と熱交換した後で外気排気口13より排気す
ることが出来る。外気と共に外気吸込口12より吸い込ま
れてコルゲートフィン５に付着したオイルミストはコル
ゲートフィン５の垂直壁面に沿って自動的に流下し、更
に熱交換器装置２の底面部に設けられたドレン14よりス
ムーズに排出することが出来る。

上記実施例に於いては、熱交換器装置２の水平突出部
2aを制御盤ケース１の天井部の外側に取り付けたが、第
３図に示す如く、この水平突出部2aを制御盤ケース１の
天井部の内側に挿入して取り付けることも可能である。
この場合には水平突出部2aの先端起立面に内気吸込口10
及び内気ファン３を設けることも可能である。

＜発明の効果＞ 本発明に於いては上述の如き構造と作用とを有するの
で、制御盤ケースの天井部の内気を極めて効率良く熱交
換器装置内に吸い込むことが出来る。また外気と共に熱
交換器装置内に吸い込んだオイルミストをコルゲートフ
ィンの壁面に沿って自動的に流下せしめ、かつ流下した
オイルを底面部のドレンよりスムーズに排出し、このオ
イルによるフィンの熱交換性能の低下或いは制御盤内の
機械への悪影響が及ぶことを全て防止することが出来
る。

更に前述の従来技術の如き特殊な傾斜仕切を設ける必
要が無く、全体の構造を極めて簡単な構成にすることが
出来る等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る装置を制御盤ケースに取り付けた
状態の縦断面図、第２図はその要部の横断面図、第３図
は他例の縦断面説明図である。 １は制御盤ケース、２は熱交換器装置、３は内気ファ
ン、４は外気ファン、５はコルゲートフィン、6,7は封
止部材、８はフランジ、10は内気吸込口、11は内気排気
口、12は外気吸込口、13は外気排気口、14はドレンであ
る。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】制御盤のケースに取り付けられる垂直部と
   水平突出部とよりなる逆Ｌ型熱交換器に於いて、垂直部
   にコルゲートフィンを収納すると共に、垂直部の外側に
   外気吸込口と外気排気口とを設け、かつこの垂直部の内
   側に内気排気口を設け、更に水平突出部の所定位置に内
   気吸込口を設けて構成したことを特徴とした制御盤の熱
   交換器装置。