JP2617343B2 - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

内燃機関の動弁装置

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JP2617343B2
JP2617343B2 JP25562688A JP25562688A JP2617343B2 JP 2617343 B2 JP2617343 B2 JP 2617343B2 JP 25562688 A JP25562688 A JP 25562688A JP 25562688 A JP25562688 A JP 25562688A JP 2617343 B2 JP2617343 B2 JP 2617343B2
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利広 及川
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、吸気弁あるいは排気弁に連動、連結された
第1および第2駆動カムフォロア間に、吸気弁あるいは
排気弁に対して自由となり得る自由カムフォロアが配置
され、第1および第2駆動カムフォロアには自由カムフ
ォロア側に開放した第1および第2ガイド穴が軸線を対
応させてそれぞれ穿設され、自由カムフォロアには両端
を開放したガイド孔が前記第1および第2ガイド穴の軸
線に対応して穿設され、第1ガイド穴にはガイド孔に嵌
合し得る第1切換ピンが軸方向摺動可能に嵌合され、ガ
イド孔には第1切換ピンに一端を当接させた第2切換ピ
ンが第2ガイド穴への嵌合を可能として軸方向摺動可能
に嵌合され、第2ガイド穴には第2切換ピンの他端に一
端を当接させた規制ピンが第2切換ピン側にばね付勢さ
れながら軸方向摺動可能に嵌合される内燃機関の動弁装
置に関する。
(2) 従来の技術 従来、かかる装置は、たとえば特開昭61−19911号公
報等により公知である。
(3) 発明が解決しようとする課題 ところでかかる動弁装置では、第1切換ピンを自由カ
ムフォロアに嵌合し、第2切換ピンを第2駆動カムフォ
ロアに嵌合することにより第1および第2駆動カムフォ
ロアならびに自由カムフォロアを連結するようにしてい
るが、その連結作動時に第1および第2切換ピンが自由
カムフォロアおよび第2駆動カムフォロアの側面に当た
って連結不能となることを防止するために、第1および
第2ガイド穴ならびにガイド孔の内径精度や各ピンの外
径精度をμmまで管理するようにしている。ところが、
各カムフォロアおよび各ピンの単品精度を向上しても、
組付け時には相互に関連する部分間の寸法公差が集積
し、第1および第2切換ピンによる連結作動が不能とな
る場合が生じていた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
第1および第2切換ピンによる各カムフォロアの連結作
動を確実に行なわしめるようにした内燃機関の動弁装置
を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 本発明によれば、ガイド孔は、第1および第2ガイド
穴の内径よりも大きな内径を有して形成される。
(2) 作用 上記構成によれば、各カムフォロアに関連する部分間
の寸法公差の集積があっても、第1切換ピンのガイド孔
への嵌合、ならびに第2切換ピンの第2ガイド穴への嵌
合を確実に行なわしめることができる。
(3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する
と、先ず第1図、第2図および第3図において、機関本
体Eに設けられた一対の吸気弁1a,1bは、機関のクラン
ク軸から1/2の減速比で回転駆動されるカムシャフト2
に一体に設けられた低速用カム3,3および高速用カム5
と、カムシャフト2と平行なロッカシャフト6に枢支さ
れた第1および第2駆動カムフォロアとしての第1およ
び第2駆動ロッカアーム7,8ならびに自由カムフォロア
としての自由ロッカアーム9と、各ロッカアーム7〜9
間に設けられる連結切換機構10との働きにより開閉駆動
される。
カムシャフト2は、機関本体Eの上方で回転自在に配
設されており、低速用カム3,3は各吸気弁1a,1bに対応す
る位置でカムシャフト2に一体化され、高速用カム5は
低速用カム3,3間でカムシャフト2に一体化される。各
低速用カム3,3はカムシャフト2の半径方向に沿う突出
量が比較的小さい高位部3aと、ベース円部3bとをそれぞ
れ有する。また高速用カム5は、カムシャフト2の半径
方向外方への突出量を前記高位部3aよりも大とするとと
もにその高位部3aよりも広い中心角範囲にわたる高位部
5aと、ベース円部5bとを有する。
ロッカシャフト6は、カムシャフト2よりも下方で固
定配置される。このロッカシャフト6には、一方の吸気
弁1aに連動、連結される第1駆動ロッカアーム7と、他
方の吸気弁1bに連動、連結される第2駆動ロッカアーム
8と、第1および第2駆動ロッカアーム7,8間に配置さ
れる自由ロッカアーム9とが相互に隣接してそれぞれ枢
支されるものであり、各ロッカアーム7〜9に穿設され
た支持孔7a,8a,9aにロッカシャフト6が挿通される。
第1駆動ロッカアーム7の上部には一方の低速用カム
3に摺接するカムスリッパ11が設けられ、第2駆動ロッ
カアーム8の上部には他方の低速用カム3に摺接するカ
ムスリッパ12が設けられ、自由ロッカアーム9の上部に
は高速用カム5に摺接するカムスリッパ13が設けられ
る。
一方、両吸気弁1a,1bの上部には鍔部14がそれぞれ設
けられており、これらの鍔部14と機関本体Eとの間には
弁ばね15がそれぞれ介装され、各吸気弁1a,1bはその弁
ばね15による閉弁方向すなわち上方に向けてそれぞれ付
勢される。また第1および第2駆動ロッカアーム7,8の
先端には、吸気弁1a,1bの上端に当接するタペットねじ1
6が進退可能にそれぞれ螺合される。
自由ロッカアーム9は、ロッカシャフト6から両吸気
弁1a,1b側にわずかに延出されており、この自由ロッカ
アーム9は、機関本体Eとの間に介装したロストモーシ
ョン機構17により高速用カム5に摺接する方向に弾発付
勢される。
ロストモーション機構17は、閉塞端を機関本体E側に
して機関本体Eに嵌合される有底円筒状のガイド部材18
と、ガイド部材18に摺動可能に嵌合されるとともに自由
ロッカアーム9側の端部には自由ロッカアーム9に当接
する当接部19aが先細り状に形成されるピストン19と、
ピストン19に係合すべくガイド部材18の開口端寄り内面
に着脱可能に固着されるストッパ20と、ピストン19を自
由ロッカアーム9に当接する方向に弾発付勢すべくピス
トン19およびガイド部材18間に介装される第1および第
2ばね21,22とを備える。
機関本体Eには有底の取付け穴23が穿設されており、
ガイド部材18は、その取付け穴23に嵌合される。ピスト
ン19およびガイド部材18間にはばね室24が画成され、こ
のばね室24内に収納されたリテーナ25とピストン19との
間にばね定数を比較的小さくした第1ばね21が縮設さ
れ、またリテーナ25とガイド部材18の閉塞端との間にば
ね定数を比較的大きくした第2ばね22が縮設される。
ピストン19の閉塞端内面には有底の小径穴19bが同軸
に穿設されており、ばね定数の比較的小さい第1ばね21
は該小径穴19bに収容され、これにより第1ばね21の倒
れが防止される。またピストン19の当接部19aには、ピ
ストン19の摺動作動時にばね室24内が加圧および減圧さ
れることを防止するために、ばね室24を外部に連通する
エア抜き孔26が当接部19aの外側面に開口する十字状に
穿設される。
ストッパ20は、合い口を有したリング状に形成される
止め輪であり、ガイド部材18の開口端寄り内面に着脱可
能に嵌着される。しかもこのストッパ20は、ピストン19
における当接部19aの基端部に係合可能であり、これに
よりピストン19のガイド部材18からの抜け出しが阻止さ
れる。
第4図において、各ロッカアーム7〜9間には、それ
らの連結および連結解除を切換える連結切換機構10が設
けられる。この連結切換機構10は、第1駆動ロッカアー
ム7および自由ロッカアーム9間を連結可能な第1切換
ピン27と、自由ロッカアーム9および第2駆動ロッカア
ーム8間を連結可能な第2切換ピン28と、第1および第
2切換ピン27,28の移動を規制する規制ピン29と、各ピ
ン27〜29を連結解除側に付勢する戻しばね30とを備え
る。
第1駆動ロッカアーム7には、自由ロッカアーム9側
に開放した有底の第1ガイド穴31がロッカシャフト6と
平行に穿設されており、この第1ガイド穴31に第1切換
ピン27が摺動可能に嵌合され、第1切換ピン27の一端と
第1ガイド穴31の閉塞端との間に油圧室32が画成され
る。しかも第1ガイド穴31の閉塞端には第1切換ピン27
の一端側への移動を規制する規制突部33が穿設される、
また第1駆動ロッカアーム7には油圧室32に連通する連
通路34が穿設され、ロッカシャフト6内には図示しない
油圧供給源に通じる油圧供給路35が設けられ、この油圧
供給路35は第1駆動ロッカアーム7の揺動状態に拘らず
前記連通路34すなわち油圧室32に常時連通する。
自由ロッカアーム9には、第1ガイド穴31に対応する
ガイド孔36がロッカシャフト6と平行にして両側面間に
わたって穿設されており、前記第1切換ピン27の他端に
一端が当接される第2切換ピン28がガイド孔36に摺動可
能に嵌合される。
第2駆動ロッカアーム8には、前記ガイド孔36に対応
する有底の第2ガイド穴37が自由ロッカアーム9側に開
放してロッカシャフト6と平行に穿設されており、第2
切換ピン28の他端に当接する有底円筒状の規制ピン29が
第2ガイド穴37に摺動可能に嵌合される。この規制ピン
29は、その開口端を第2ガイド穴37の閉塞端側に向けて
配置されるものであり、その開口端部で半径方向外方に
張出した鍔部29aが第2ガイド穴37の内面に摺接する。
戻しばね30は、第2ガイド穴37の閉塞端および規制ピン
29の閉塞端間に縮設されており、この戻しばね30のばね
力により相互に当接した前記各ピン27,28,29が油圧室32
側に付勢される、しかも第2ガイド穴37の閉塞端には、
空気および油抜き用の連通孔38が穿設される。
また第2ガイド穴37の内面には、規制ピン29の鍔部29
aに係合可能な止め輪40が嵌着されており、この止め輪4
0により規制ピン29の第2ガイド穴37からの抜け出しが
阻止される。しかも止め輪40の嵌着位置は、規制ピン29
が自由ロッカアーム9および第2駆動ロッカアーム8間
に対応する位置で自由ロッカアーム9に当接している状
態からさらに自由ロッカアーム9側に移動するのを阻止
するように設定される。
かかる連結切換機構10において、その連結作動時に第
1切換ピン27のガイド孔36への嵌合を円滑にかつ確実に
行なわしめるために、第5図で示すように、第1切換ピ
ン27の自由ロッカアーム9側端部周縁に彎曲した面取り
部41が全周にわたって設けられるとともに、ガイド孔36
の第1駆動ロッカアーム7側開口端周縁にテーパ状面取
り部42が設けられ、テーパ状面取り部42の軸線に対する
傾き角度αは、たとえば20ないし30度に設定される。ま
た第2切換ピン28の第2ガイド穴37への嵌合を円滑にか
つ確実に行なわしめるために、第2切換ピン28の第2駆
動ロッカアーム8側端部周縁には彎曲した面取り部43が
全周にわたって設けられ、第2ガイド穴37の自由ロッカ
アーム9側開口端周縁には傾き角度αをたとえば20ない
し30度に設定したテーパ状面取り部44が設けられる。
ところで、切換ピン27,28および規制ピン29の外径、
ならびに第1ガイド穴31、ガイド孔36および第2ガイド
穴37の内径等は、連結作動を確実に行なわしめるために
μm程度の精度を有して定められるものであり、第6図
で示すように、ロッカシャフト6の外径をD1、第1駆動
ロッカアーム7における支持孔7aの内径をD2、自由ロッ
カアーム9における支持孔9aの内径をD2′、第1切換ピ
ン27の外径をD3、第2切換ピン28の外径をD3′、第1ガ
イド穴31の内径をD4、ガイド孔36の内径をD4′、支持孔
7aおよび第1ガイド穴31の軸線間の距離をL1、支持孔9a
およびガイド孔36の軸線間の距離をL1′としたときに、
それらの寸法D1〜D4,D2′〜D3′,L1,L1′はたとえば次
のように設定される。
このような各寸法を精度よく定めても、各ロッカアー
ム7〜9をロッカシャフト6に組付けた状態では、組付
け状態における寸法公差の集積により各ロッカアーム7
〜9にずれが生じることがある。すなわち各ロッカアー
ム7〜9は、ロッカシャフト6および各ピン27〜28の軸
線を含む平面的で相互にずれたり、カムシャフト2およ
び各ピン27〜28の軸線を含む平面内で相互にずれたりし
て、第1ガイド穴31、ガイド孔36および第2ガイド穴37
の軸線のずれが生じ、第1切換ピン27のガイド孔36への
嵌合、ならびに第2切換ピン28の第2ガイド穴37への嵌
合が不能となることがある。そこで本発明に従えば、ガ
イド孔36の内径が第1および第2ガイド穴31,37の内径
よりも大きく設定され、それにより第1切換ピン27のガ
イド孔36への嵌合ならびに第2切換ピン28の第2ガイド
穴37への嵌合が確実となる。
ここでロッカシャフト6および各ピン27〜29の軸線を
含む平面内での各ロッカアーム7〜9のずれによる第1
ガイド穴31およびガイド孔36間のずれについて考えてみ
るが、この際、第1駆動ロッカアーム7と自由ロッカア
ーム9とがずれたときに、第6A図で示すように、第1ガ
イド穴31およびガイド孔36が相互に連なる部分に内接す
る円の直径Eが第1ガイド穴31とガイド孔36との間を移
動可能なピンの外径であり、この寸法Eと第1切換ピン
27の外径D1との差を求めることにより、第1切換ピン27
のガイド孔36への嵌合が可能であるかどうかを判断する
ことができる。そこでまず第6図で示すように、ロッカ
シャフト6ならびに第1および第2切換ピン27,28の軸
線を含む平面内で、各支持孔7a,9aの内面をそれぞれ表
す一対の直線のうち第1ガイド穴31およびガイド孔36側
の直線を同一レベルとした基準状態において前記寸法E
を計算する。而してかかる基準状態でを前記寸法Eの最
小値は、第1駆動ロッカアーム7に関連する寸法D2,L1
および自由ロッカアーム9に関連する寸法D2′,L1′の
一方が公差内での最大値であって他方が公差内での最小
値であるときである。そこで前記寸法D2,L1が最大値で
あって寸法D2′,L1′が最小値であるときの前記寸法E
を計算すると、 E=(L1′−D2′/2+D4′/2)−(L1−D2/2−D4/2) となる。このときL1′=(24−0.015)、L1=(24+0.0
15)、D2′=(17+0.019)、D2=(17+0.030)である
ので、 E=−0.0245+(D4+D4′)/2 ここでD4=D4′=10とすると、E=9.9755mmとなり、第
1切換ピン27の外径D3との差は、−19.5μmとなる。
すなわち、ロッカシャフト6および各ピン27〜29の軸
線を含む平面内での各ロッカアーム7,9のずれに伴う第
1ガイド穴31およびガイド孔36間のずれによる前記基準
状態での寸法Eの最小値は9.9755mmφであり、実際の第
1切換ピン27の外径D3に対する偏差は−19.5μmであ
る。したがってD4=D4′とした場合には第1切換ピン27
のガイド孔36へと嵌合が不能となることがある。
そこでガイド孔36の内径D4′を、本発明に従って第1
ガイド穴31の内径D4よりも大きくした場合、たとえば とした場合について考えてみる。このようにD4′を設定
すると、前記基準状態(第6B図の状態)での寸法Eは1
0.009mmφとなり、第1切換ピン27の外径D3との偏差は
+14.0μmとなる。また第6図示の状態から自由ロッカ
アーム9がロッカシャフト6および自由ロッカアーム9
間のクリアランスすなわち25〜47μmの最大値47μmだ
けロッカシャフト6に対して基端側(第6図の左側)に
ずれた状態(第6C図の状態)になると前記寸法Eが最小
になると考えられ、このときの寸法Eは9.962mmφ、第
1切換ピン27の外径D3との偏差は−33μmである。而し
て自由ロッカアーム9は47μmだけロッカシャフト6に
対して移動し得るので、第1ガイド穴31とガイド孔36と
の位置関係が第6C図の状態にあっても第1切換ピン27の
先端がガイド孔36にわずかでも嵌合することにより第1
切換ピン27の前進作動に応じて自由ロッカアーム9を回
動して第6B図の状態とすることが可能であり、第1切換
ピン27のガイド孔36への嵌合による第1駆動ロッカアー
ム7と自由ロッカアーム9との連結が可能となる。
次にカムシャフト2および各ピン27〜29の軸線を含む
平面内での各ロッカアーム7,9のずれについて第7図を
参照しながら考える。このとき、第1駆動ロッカアーム
7のカムスリッパ11上面から第1ガイド穴31の軸線まで
の距離をL2、自由ロッカアーム9のカムスリッパ13上面
からガイド孔36の軸線までの距離をL2′、低速用カム3
のベース円部3bと高速用カム5のベース円部5bとの間の
許容段差をL3としたときに、各寸法L2,L2′,L3はたとえ
ば次のように設定される。
このように各寸法L2、L2′、L3が設定されている場合
に、L3=0とし、かつタペットクリアランスも0と想定
したときに、第1ガイド穴31およびガイド孔36が相互に
重なる部分に内接する円の直径E′は、次の式により計
算される。
E′=(L2′+D4′/2)−(L2−D4/2) かかる状態での前記寸法E′の最小値は、第1駆動ロ
ッカアーム7に関連する寸法L2が公差内の最大値であ
り、自由ロッカアーム9に関連する寸法L2′が公差内で
の最小値であるときであり、L2=11.65+0.015、L2′=
11.65−0.015のときである。かかるときにD4′=D4=10
とすると、E′=9.97mmであり、第1切換ピン27の外径
D3との偏差は−25μmである。したがって第1切換ピン
27のガイド孔36への嵌合が不能となることがある。
そこで上述と同様に としたときには、E′=10.008mmとなり、偏差が+8.5
μmとなるので、第1切換ピン27のガイド孔36への嵌合
が可能となる。
而して上述のように段差L3=±20μmであるので、た
とえば自由ロッカアーム9を基準としてL3=+20μmの
場合には20μm偏差が増加して−11.5μmとなるが、そ
の偏差分はロストモーション機構17のピストン19を押下
げながら自由ロッカアーム9が下方に降下し得るので吸
収され、第1切換ピン27のガイド孔36への嵌合が可能と
なる。また自由ロッカアーム9を基準としてL3=−20μ
mとなったときにも前記偏差が−11.5μmとなるが、第
1駆動ロッカアーム7と低速用カム3との間のタペット
クリアランスがたとえば170〜190μm程度に設定される
ので、そのタペットクリアランスにより前記偏差が吸収
されて第1切換ピン27のガイド孔36への嵌合が可能とな
る。
さらに各カム3,5のベース円部3b,5bの振れがたとえば
30μm程度あったとしても、その振れ量は上述と同様に
して自由ロッカアーム9が下方に降下して吸収されるの
で、第1切換ピン27のガイド孔36への嵌合が可能とな
る。
第2切換ピン28の第2ガイド孔37への嵌合も上述と同
様であり、ガイド孔36の内径を第2ガイド穴37の内径よ
りも大きく設定することにより、第2切換ピン28の第2
ガイド穴37への嵌合が確実となる。
ところで、上述のように各寸法を定めておくと、連結
切換機構10による連結作動時に、ガイド孔36と第1およ
び第2切換ピン27,28との間のクリアランスにより、吸
気弁1a,1bのリフトカーブが設定したカーブからずれて
しまう。そこで、高速用カム5の形状は、ガイド孔36の
内径を第1および第2ガイド穴31,37の内径と同一に設
定したときの形状よりもわずかに大きくなるように、ガ
イド孔36と第1および第2切換ピン27,28との間のクリ
アランスを見込んで設定される。
次にこの実施例の作用について説明すると、機関の低
速運転時には連結切換機構10において油圧室32の油圧は
解放されており、各ピン27〜29は戻しばね30のばね力に
より油圧室32側に最大限移動した連結解除状態にある。
この状態では、第1および第2切換ピン27,28の当接面
は第1駆動ロッカアーム7および自由ロッカアーム9間
に対応する位置にあり,第2切換ピン28および規制ピン
29の当接面は自由ロッカアーム9および第2駆動ロッカ
アーム8間に対応する位置にある。したがって各ロッカ
アーム7〜9は相互に相対角変位可能な状態にある。
かかる連結解除状態にあっては、カムシャフト2の回
転作動により第1および第2駆動ロッカアーム7,8は低
速用カム3,3との摺接に応じて揺動し、したがって両吸
気弁1a,1bは低速用カム3,3の形状に応じたタイミングお
よびリフト量で開閉作動する。この際、自由ロッカアー
ム9は高速用カム5との摺接に応じて揺動するが、その
揺動動作は第1および第2駆動ロッカアーム7,8に何ら
影響も及ぼさない。
機関の高速運転時には油圧室32に高油圧が供給され
る、これにより第1および第2切換ピン27,28ならびに
規制ピン29は戻しばね30のばね力に抗して連結位置側へ
と移動し、第1切換ピン27がガイド孔36に嵌合するとと
もに第2切換ピン28が第2ガイド穴37に嵌合し、各ロッ
カアーム7〜9の連結される。このとき高速用カム5に
摺接している自由ロッカアーム9の揺動量が最も大きい
ので、第1および第2駆動ロッカアーム7,8は自由ロッ
カアーム9とともに揺動し、両吸気弁1a,1bは高速用カ
ム5の形状に応じたタイミングおよびリフト量で開閉作
動せしめられる。
しかもこの高速運転時には、高速用カム5の形状が、
前記ガイド孔36ならびに第1および第2切換ピン27,28
間のクリアランスを見込んで設定されるので、前述のク
リアランスを設けても吸気弁1a,1bのリフトカーブが所
期のプロフィルからずれることはなく、所望の運転状態
を得ることができる。
この連結作動時に、各ロッカアーム7〜9の製作公差
により第1ガイド穴31、ガイド穴36および第2ガイド穴
37の軸線が完全には一致しないことがある。しかるに第
1切換ピン27の自由ロッカアーム9側端部周縁に彎曲し
た面取り部41が全周にわたって設けられるとともに、ガ
イド孔36の第1駆動ロッカアーム7側開口端周縁にテー
パ状面取り部42が設けられ、第2切換ピン28の第2駆動
ロッカアーム8側端部周縁には彎曲した面取り部43が全
周にわたって設けられ、第2ガイド穴37の自由ロッカア
ーム9側開口端周縁にはテーパ状面取り部44が設けられ
るので、軸線のずれにも拘らず第1切換ピン27の先端の
ガイド孔36への嵌合、ならびに第2切換ピン28の先端の
第2ガイド穴37の嵌合が確実となる。しかもガイド孔36
の内径を第1ガイド穴31および第2ガイド穴37の内径よ
りも大きく設定しているので、前述した通り第1切換ピ
ン27をガイド孔36に確実に嵌合することができ、第2切
換ピン28を第2ガイド穴37に確実に嵌合することができ
る。
ところで、自由ロッカアーム9が高速用カム5のベー
ス円部5bに摺接しているときには、ロストモーション機
構17における第2ばね22は自由長の状態にあり、ピスト
ン19およびリテーナ25間には間隙がある。したがってば
ね定数を比較的小さく設定された第1ばね21を収縮しな
がら自由ロッカアーム9をわずかに揺動させることが可
能であり、第1切換ピン27の軸方向移動によるわずかな
力で自由ロッカアーム9をわずかに押下げたり、押上げ
たりして連結切換機構10の連結作動を助けるこができ
る。
また上記高速運転時には、自由ロッカアーム9により
両吸気弁1a,1bが開閉駆動されるので、自由ロッカアー
ム9のカムスリッパ13を高速用カム5に確実に摺接させ
ることが必要であり、ロストモーション機構17は比較的
強いばね力で自由ロッカアーム9をカムシャフト2側に
押圧する必要がある。而して高速用カム5の高位部5aが
カムスリッパ13に摺接するときには、ばね定数を比較的
小さくしている第1ばね21がピストン19をリテーナ25に
当接させるまで収縮しており、ピストン19はばね定数を
比較的大きくした第2ばね22により高速用カム5側に付
勢されている。したがって自由ロッカアーム9は、比較
的大きいばね力で高速用カム5に摺接されていることに
なり、高リフト荷重を得ることができる。
しかもロストモーション機構17は、ガイド部材18内
に、第2ばね22、リテーナ25、第1ばね21およびピスト
ン19を順次挿入してストッパ20をガイド部材18に固着す
ることにより、ユニット化されるものであり、このユニ
ット化したロストモーション機構17を取付け穴23に嵌合
するだけで機関本体Eへの組付けを完了することがで
き、組付け作業を極めて容易にすることができる。また
ロストモーション機構17におけるピストン19の当接部19
aは、先細り状に形成されているので、自由ロッカアー
ム9のロッカシャフト6への枢支部にロストモーション
機構17を近接配置することができ、したがって自由ロッ
カアーム9の慣性重量を小さくすることが可能となり、
それにより駆動力の低減を図ることができる。しかもエ
ア抜き孔26を十字状に形成することによりピストン19の
重量を軽減することができ、これによっても慣性重量を
小さくすることができる。
さらに連結切換機構10では、規制ピン29に係合可能に
止め輪40を第2ガイド穴37の内面に嵌着したので、連結
切換機構10のメンテナンス時に、規制ピン29を押圧する
力を解除しても、戻しばね30により規制ピン29が第2ガ
イド穴37から飛び出してしまうことが確実に防止され
る。
以上の実施例では、吸気弁1a,1bの動弁装置について
述べたが、本発明は、排気変の動弁装置についても適用
可能である。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、ガイド孔は、第1およ
び第2ガイド穴の内径よりも大きな内径を有して形成さ
れるので、各カムフォロアに関連する部分間の寸法公差
が集積しても、第1切換ピンのガイド孔への嵌合、なら
びに第2切換ピンの第2ガイド穴への嵌合を確実ならし
め、各カムフォロアの連結を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すものであり、第1図は平
面図、第2図は第1図のII−II線断面図、第3図は第1
図のIII−III線断面図、第4図は第2図のVI−VI線拡大
断面図、第5図は第4図のV部拡大図、第6図はロッカ
シャフトに関連する部分の寸法を示す簡略化した横断平
面図、第6A図、第6B図および第6C図は第1ガイド穴とガ
イド孔とのずれをそれぞれ示す簡略化した縦断面図、第
7図はカムシャフトに関連する部分の寸法を示す簡略化
した横断平面図、第7A図は第1ガイド穴およびガイド孔
のずれを示す簡略化した縦断面図である。 1a,1b……吸気弁、2……カムシャフト、5……高速用
カム、7,8……駆動カムフォロアとしての駆動ロッカア
ーム、9……自由カムフォロアとしての自由ロッカアー
ム、27……第1切換ピン、28……第2切換ピン、30……
規制ピン、31……第1ガイド穴、36……ガイド孔、37…
…第2ガイド穴、41,43……面取り部、42,44……テーパ
状面取り部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気弁あるいは排気弁に連動、連結された
    第1および第2駆動カムフォロア間に、吸気弁あるいは
    排気弁に対して自由となり得る自由カムフォロアが配置
    され、第1および第2駆動カムフォロアには自由カムフ
    ォロア側に開放した第1および第2ガイド穴が軸線を対
    応させてそれぞれ穿設され、自由カムフォロアには両端
    を開放したガイド孔が前記第1および第2ガイド穴の軸
    線に対応して穿設され、第1ガイド穴にはガイド孔に嵌
    合し得る第1切換ピンが軸方向摺動可能に嵌合され、ガ
    イド孔には第1切換ピンに一端を当接させた第2切換ピ
    ンが第2ガイド穴への嵌合を可能として軸方向摺動可能
    に嵌合され、第2ガイド穴には第2切換ピンの他端に一
    端を当接させた規則ピンが第2切換ピン側にばね付勢さ
    れながら軸方向摺動可能に嵌合される内燃機関の動弁装
    置において、ガイド孔は、第1および第2ガイド穴の内
    径よりも大きな内径を有して形成されることを特徴とす
    る内燃機関の動弁装置。
  2. 【請求項2】第1切換ピンの自由カムフォロア側端部周
    縁ならびに第2切換ピンの第2駆動カムフォロア側端部
    周縁には、彎曲した面取り部がそれぞれ全周にわたって
    設けられることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項
    記載の内燃機関の動弁装置。
  3. 【請求項3】ガイド孔の第1駆動カムフォロア側開口端
    周縁ならびに第2ガイド穴の自由カムフォロア側開口端
    周縁には、テーパ状面取り部がそれぞれ設けられること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)項または第(2)
    項記載の内燃機関の動弁装置。
  4. 【請求項4】駆動カムフォロアに摺接されるカムの形状
    は、駆動カムフォロアのガイド孔と第1および第2切換
    ピンとの間のクリアランスを見込んで設定されることを
    特徴とする第(1)項、第(2)項または第(3)項記
    載の内燃機関の動弁装置。
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