JP2612518C - - Google Patents

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JP2612518C
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テイエチケー株式会社
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明はボールのころがりを利用した直線運動案内装置に用いられるボールチ
ェインに関する。 【0002】 【従来の技術】 従来のこの種のボールチェインとしては、たとえば図8(a)および(b)に
示すようなものがある。すなわち、個々のボール100を保持する多数の単位チ
ェイン要素101を連結ピン102を介して互いに回動自在に無端状に連結して
構成されている。 【0003】 単位チェイン要素101は、ボール100を摺動自在に保持する保持穴103
を設けたリンク板104により構成され、このリンク板104の両端を連結ピン
102を介して連結して無端状のボールチェインを構成していた。 【0004】 このボールチェインは、図9に示すような直線運動案内装置105に用い るもので、軌道レール106と摺動台107間の互いに対向するボール案内溝1
08,109間にボール100,…を転動自在に介在するようになっている。こ
の軌道レール106と摺動台107のボール案内溝108,109は断面V字形
状でボール100が四点接触するゴシックアーチ構成となっている。そして、ボ
ール案内溝108,109底部には上記リンク板104との干渉を避けるための
逃がし溝110が設けられている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した従来技術の場合には、
各チェイン単位要素101を連結ピン102を介して揺動自在に連結するものな
ので、構造が複雑でチェインの組立が極めて面倒であった。 また、この従来例にあっては、各ボール100を保持するリンク104を連結
ピン102によって連結する関係上、リンク104の重ね代が余分に必要となり
、ボール100,・・・間のスパンP1が可及的に大きくなるため、荷重を負担
する負荷ボールの有効ボール数が減少して耐負荷性能を大きくし得ない欠点があ
った。 さらに、ボール100,・・・第のスパンP1が大きくなる場合、ボールチェ
インの屈曲循環路の曲率半径が可及的に大きくなり、その結果、負荷ボール通路
と無負荷ボール通路の間隔も長くなって、摺動台をコンパクトに設計できない欠
点もあった。 一方、その他の従来例として、リング状に成形された樹脂製のボール保持器も
知られている(特開昭62ー242126号公報参照)。 この樹脂製のボール保持器は可撓性の帯状構成で、帯状部材にボールを保持す
る穴を形成したもので、上記リンク構成のものに比べて構造が簡単である点で有
利である。 しかし、この帯状構成のボール保持器の場合には、穴周囲に保持用の凸部を設
けてはいるものの、基本的に帯状部材が連続しているので、帯状部材が変形する
とボールを保持する穴部分も大きく変形し、ボールが脱落するという問題がある
。したがって、ボールをボール保持器に組み付ける組立作業、ボールを保持した
状態でボール保持器を直線運動案内装置に装着する装着作業等においてボールが
外れやすく、作業性が極めて悪い。 【0006】 本発明は上記した従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的
とするところは、構造が単純で、しかもボール組立作業中や直線運動案内装置の
無限軌道への装着作業において変形してもボール保持状態は変化せず、さらに製
作が容易なボールチェインを提供することにある。 その他の目的とするところは、ボール間のスパンを可及的に小さくしたボー ルチェインを提供することによって、直線運動案内装置の耐負荷性能を向上させ
ると共に、コンパクトな設計を可能とすることにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本発明のボールチェインにあっては、所定間隔を
隔てて一列に配列される複数のボールをそれぞれ保持する複数の樹脂製のチェイ
ン単位要素と、 該チェイン単位要素を一体的に連接する樹脂ヒンジ部と、を備え、 前記チェイン単位要素は、その内周がボールとの接触面積を大きくとるためボ
ールの曲率と一致する曲率を有していて、 前記樹脂ヒンジ部が、前記チェイン単位要素の相互に隣接する部位に一体的に固
定される一対のヒンジ片部と、該一対のヒンジ片部の間に設けられる屈曲自在部
と、を備え、 軌道台と、該軌道台に多数のボールを介して摺動自在に組み付けられる摺動台
と、から構成される直線運動案内装置の無限循環路に組み込まれる。 また、所定間隔を隔てて一列に配列される複数のボールをそれぞれ保持する複
数の樹脂製のチェイン単位要素と、 該チェイン単位要素を一体的に連接する樹脂ヒンジ部と、を備え、 前記チェイン単位要素は、ボールの外周の最大径部を取り囲む帯状の円環状部
材より成り、その内周はボールとの接触面積を大きくとるためボールの曲率と一
致する曲率を有していて、直線状に整列されたボール列の中心軸線を通る平面と
同一の平面上に位置するように配列され、 前記樹脂ヒンジ部が、前記チェイン単位要素の相互に隣接する部位に一体的に
固定される一対のヒンジ片部と、該一対のヒンジ片部の間に設けられる屈曲自在
部と、を備え ていることを特徴とする。 【0008】 樹脂ヒンジ部のヒンジ片部はチェイン単位要素よりも厚幅で、該チェイン単位
要素の前記ヒンジ片部が接合される部位のボール支持幅がヒンジ片部が厚み分だ
け幅広に構成されていることを特徴とする。 また、チェイン単位要素と樹脂ヒンジ部は射出成形によって一体成形されるも
ので、ボールを成形形内にインサートしてボールと共に一体成形し、樹脂の収縮
によってボールとチェイン単位要素の間に微小隙間を形成してなることを特徴と
する。 また、本発明の直線運動案内装置は、軌道台と、該軌道台に多数のボールを介
して摺動自在に組み付けられる摺動台と、から構成され、前記多数のボールをボ
ールチェインによって保持して無限循環路に組み込んだ直線運動案内装置 であって、前記ボールチェインは、所定間隔を隔てて一列に配列される複数のボ
ールをそれぞれ保持する複数の樹脂製のチェイン単位要素と、該チェイン単位要
素を一体的に連接する樹脂ヒンジ部と、を備え、該樹脂ヒンジ部が、前記チェイ
ン単位要素の相互に隣接する部位に一体的に固定される一対のヒンジ片部と、該
一対のヒンジ片部の間に設けられる屈曲自在部と、を備えていることを特徴とす
る。 上記チェイン単位要素は、ボールの外周の最大径部を取り囲む帯状の円環状部
材より成り、その内周がボールとの接触面積を大きくとるためボールの曲率と一
致する曲率を有していて直線状に整列されたボール列の中心軸線を通る平面と同
一の平面上に位置するように配列されていることを特徴とする。 また、上記樹脂ヒンジ部のヒンジ片部はチェイン単位要素よりも厚幅で、該チ
ェイン単位要素の前記ヒンジ片部が接合される部位のボール支持幅がヒンジ片部
の厚み分だけ幅広に構成されていることを特徴とする。 また、チェイン単位要素と樹脂ヒンジ部は射出成形によって一体成形されるも
ので、ボールを成形型内にインサートしてボールと共に一体成形し、樹脂の収縮
によってボールとチェイン単位要素の間に微小隙間を形成してなることを特徴と
する。 【0009】 【作用】 上記構成のボールチェインにあっては、各チェイン単位要素間の樹脂ヒンジ部
を曲げることにより一列のボールが無端状に連なる状態に保持し、直線運動案内
装置の無限軌道に装着する。 【0010】 また、このボールチェインの組立は各チェイン単位要素にボールを保持するだ
けでよい。 この組立作業中あるいは直線運動案内装置への装着作業中において、ボールチ
ェインは各樹脂ヒンジ部の屈曲自在部を支点にしてリンク状に屈曲変形する。チ
ェイン単位要素の相互に隣接する部位はヒンジ片部によって補強されているので
変形せず、ボールチェイン単位要素のボール保持状態は変化しないので、ボール
が脱落するおそれがなく、作業が極めて容易にできる。 上記チェイン単位要素をボールの最大径部を取り囲む帯状の円環状部材とし、
その内周がボールの曲率と一致する曲率を有するように構成すれば、曲げ剛性が
高まると共にボールとの接触面積が大きくなって各ボールの保持をより一層確実
に行うことができる。 また、樹脂ヒンジ部のヒンジ片部をチェイン単位要素よりも厚幅に構成すれば
、ボールチェイン単位要素の相互隣接部位の剛性がより高められ、チェイン 単位要素の変形を有効に防止することができる。さらに、ヒンジ片部を厚幅にし
た分、チェイン単位要素のヒンジ片部が接合される部位のボール支持幅を幅広に
すれば、ボールとの接触面積が拡大されてボールの脱落防止効果をより一層高め
ることができる。 【0011】 特に、インサート成形によって、ボールを、チェイン単位要素と樹脂ヒンジ部 と共に一体成形すれば、組み立て工程が一切不要となる。 【0012】 【実施例】 以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明する。本発明の第1実施例に係る
ボールチェインを示す図1及び図2おいて、1はボールチェイン全体を示すもの
で、このボールチェイン1は、所定間隔を隔てて一列に配列される複数のボール
11の各ボール11を保持するためのチェイン単位要素2と、各チェイン単位要
素2間を一体的に連接する樹脂ヒンジ部3と、から構成されるている。 【0013】 チェイン単位要素2は、ボール11の外周の最大径部を取り囲む帯状の円環状
部材より成り、その内周はボールとの接触面積を大きくとるためボール11の曲
率と一致する曲率を有していて、直線状に整列されたボール列の中心軸線を通る
平面と同一の平面上に位置するように配列される。 【0014】 一方、樹脂ヒンジ部3は、左右のチェイン単位要素2の外周であって相互に隣
接する部位に一体的に固定される一対のヒンジ片部4,4と、このヒンジ片部4
,4の間に設けられる薄肉の屈曲自在部5と、から構成されている。このように
、左右のチェイン単位要素2の相互に隣接する部位、すなわち、ボール11の方
向転換時に曲げモーメントを最も大きく受ける部位にチェイン単位要素2より厚
幅で断面コ字形のヒンジ片部4,4を一体的に固定して剛性を高めているので、
ボール組立時やボールチェイン装着時において、チェイン単位要素2の変形を有
効に防止し得る。 屈曲自在部5は、ボール列の中心軸線に対して直交する方向に、表裏両面に刻
まれた溝6,7によって構成されている。この溝6,7は断面V字状に成形され
ていて、図1(e)に示すようにこの溝6,7の開き角度αが樹脂ヒンジ部3の最
大屈曲角度となる。 【0015】 また、チェイン単位要素2のうちの、上記ヒンジ片部4が接合されている部位
は、円周方向を横切る方向へ幅広となっており、当該幅広部8を形成するこ とによって、チェイン単位要素2の剛性を更に向上させるとともに、ボール11
との接触面積を拡大してボールの脱落防止効果を高めている。 【0016】 さらに、このボールチェイン1の一方の端末と他方の端末間は、この実施例で
はピン結合にて枢支連結される。すなわち、一方の端末に枢支ピン9が設けられ
、他方の端末にはこの枢支ピン9が回動自在に係合されるピン穴10が設けられ
ている。 【0017】 枢支ピン9は、ボールチェイン1の一方の端末に位置するチェイン単位要素2
に一体的に設けられた連結部材12の両端面に突設されている。この連結部材1
2は、樹脂ヒンジ部3のヒンジ片部4,4を剛結したような構成で、樹脂ヒンジ
部3と同一幅で同一形状に成形されている。 【0018】 一方、ピン穴10は、ボールチェイン1の他方の端末に位置するチェイン単位
要素の一部を上記連結部材12の幅寸法だけ切り欠き、この両切り欠き端部13
,13に形成してある。 【0019】 しかして、このボールチェイン1は、図1(e)に示すように、各チェイン単位
要素2の間の樹脂ヒンジ部3の屈曲自在部5が曲がって無端状のボールチェイン
1を構成することができる。ボールチェイン1は一つだけ用いて、その両端末の
枢支ピン9とピン穴10を連結してもよいし、多数のボールチェイン1を連結し
て用いてもよい。 【0020】 チェイン単位要素2と樹脂ヒンジ部3とは射出成形によって一体成形されるも
ので、本発明にあっては、図3に示すように、ボール11を成形型にインサート
して、ボール11と一緒に一体成形している。 【0021】 射出成形用の成形型は、たとえば、図3に示すように、チェイン単位要素2を
表裏両側で分割するように上型17と下型18とに型割される。上型17と下型
18には、チェイン単位要素2と樹脂ヒンジ部3を成形するための第1,第2凹
部14,15の他に、ボール11をインサートするための第3凹部16を設けて
おく。 【0022】 そして、図3(a)に示すように型開きした下型18の第3凹部16にボール1
1をセットし、図3(b)に示すように型閉めしてキャビティ内に樹脂材料を射出
する。その後、樹脂材料が硬化した後に、型開きして成形品を離型する。 【0023】 このようにすれば、ボール11を後から組み込む工程が不要となり、生産性を
飛躍的に高めることができる。 【0024】 また、各チェイン単位要素2間に保持されるボール11は、樹脂硬化時の材料
の引けによってボール11とチェイン単位要素2間に微小な隙間が生じるため、
摺動抵抗を小さくできる。 【0025】 図4乃至図6は、上記ボールチェイン1を用いた直線運動案内装置の一例を示
している。 【0026】 この直線運動案内装置は、軌道台20と、この軌道台20に多数のボール11
を介して摺動自在に組付けられる摺動台21とから構成されている。 【0027】 各ボール11は、摺動台21に形成された無限循環路22に組込まれるもので
、この無限循環路22は、図4(b)に示すように、互いに平行に延びる直線状の
負荷ボール通路23と無負荷ボール通路24と、この負荷ボール通路23と無負
荷ボール通路24の両端を結ぶ円弧状の方向転換路25,26とから構成され、
この無限循環路22にボール11を保持したボールチェイン1が組込まれる。 【0028】 図示例の直線運動案内装置は、軌道台20の左右に2列づつ計4列のボール列
を上下左右対称的に配して上下左右の定格荷重を等しくした四方向等荷重型のも
ので、4つの無限循環路22,…が設けられ、それぞれの無限循環路22,…に
1つづつボールチェイン1,…が組込まれている。 【0029】 すなわち、軌道台20の左右側面には、長手方向に延びる突堤27,27を設
けると共に、この突堤27,27の上下両角部にボール転走溝28を設け、一方
、摺動台21の内側面にこのボール転走溝28に対応するボール転走溝29を設
け、これらボール転走溝28,29間にボールチェイン1に保持されたボール1
1が転動自在に介装されて荷重を支承する。このボール転走溝28,29はこの
実施例ではサーキュラアーク溝であり、ボール11は2点接触して転動する。も
ちろん、サーキュラアーク溝に限定されるものではなく、たとえば図6に示すよ
うなボール11が四点接触するゴシックアーチ溝にも適用することができる。 【0030】 このボール11と各ボール転走溝28,29との接触角、すなわち転走溝を水
平にした状態で左右突堤27,27の中心を通る水平線H,Hに対するボール1
1の各ボール転走溝28,29との接触部の法線方向に描いた線、すなわち接触
角線Xとのなす角は、ほぼ45度付近にとられている。また、この図示例のもの
は、左右の接触角線X,X,…は、左右に向って徐々に開く外開き状になるよう
な接触構造となっている。 【0031】 そして、各無限循環路22,…の循環面Cの方向は、ボール11の接触角線X
方向にに対して水平線Hに近づく側に所定角度だけ傾斜させてあり、無負荷ボー
ル通路24,24間の上下間隔を狭くして、より重心の低い安定した直線運動案
内装置を実現している。 【0032】 また、ボール方向転換路25,26は、摺動台本体21aの両端面に取付けら
れた側蓋21b,21bにて形成されている。 【0033】 次に摺動台21が移動した際のボール11の動きについて説明する。 【0034】 摺動台21が軌道台20に対して移動すると、無限循環路22の負荷ボール通
路23の摺動台21と軌道台20のボール転走溝28,29間を、ボール11,
…が荷重を支承しながら転動し、摺動台21の移動方向に移動する。 【0035】 この負荷域のボール11の移動によって、各ボール保持部材2がボール11と
共に摺動台21の移動方向に移動し、ボールチェイン1が無限循環路22内を無
限循環する。このボールチェイン1の移動によって、負荷ボール通路23内には
摺動台21の移動方向後側端からボール方向転換路25を通じて順次無負荷ボー
ル通路24からボール8が供給される。 【0036】 そして、無限循環路22の、負荷ボール通路23、方向転換路25,26およ
び無負荷ボール通路24の全行程において、各ボール11はボール保持部材2に
て保持されて、ボール11同士が互いに干渉することなく整列移動する。 【0037】 方向転換路25,26および無負荷ボール通路24の孔径は、各チェイン単位
要素2がスムーズに移動し得るように、ボール11の径よりも大きくなっており
、ボール11は方向転換路25,26および無負荷ボール通路24内を移動する
。 【0038】 また、このボールチェイン1は、各チェイン単位要素2間を樹脂ヒンジ部3に
て一体的に連結しているので、図9に示す従来のボールチェインのように各ボー
ル100を保持するリンク104間の連結ピン102の分のスペースが不要とな
って、ボール11,…間のスパンPを可及的に小さくできるので、負荷ボール通
路23に数多くのボール11,…を介在させることができる。したがって、各ボ
ール11,…1つ1つに分担される荷重を軽減でき、耐負荷荷重を大きくするこ
とができる。 【0039】 また、ボール11,…間のスパンPを小さくしたので、ボールチェイン1の屈
折循環路の曲率半径を可及的に小さくでき、ボール方向転換路25,26の曲率
半径Rを可及的に小さくできる。その結果、負荷ボール通路23と無負荷ボール
通路24の間隔Lを短くできるので、摺動台21の大きさをより小型化すること
ができる。 【0040】 このように、耐負荷能力が大きく、かつコンパクトで、しかも低重心の直線運
動案内装置を実現することができた。 【0041】 また、ボールチェインが適用される直線運動案内装置としては、図示例のよう
にボールチェインを無端状にして用いる無限循環タイプだけでなく、直線のまま
使用する有限摺動タイプのものにも使用することができる。 【0042】 次に図7には、本発明の第2実施例に係るボールチェインを示している。この
ボールチェイン1´は、チェイン単位要素2´が略正方形状で、その中央にボー
ル11を保持するボール穴2a´を設けたものである。 【0043】 その他の構成は、上記第1実施例と同一であるので、同一の構成部分について
は同一の符号を付して、その説明を省略する。 【0044】 【発明の効果】 本発明は以上の構成および作用を有するもので、ボールチェインの組立は、各
チェイン単位要素にボールを保持するだけでよく、構成が簡単で、組立が極めて
容易にできる。 特に、ボールチェインの組立作業中あるいは直線運動案内装置への装着作業中
において、ボールチェインは各樹脂ヒンジ部の屈曲自在部を支点にしてリンク状
に屈曲変形し、チェイン単位要素のボール保持状態は変化しないので、ボールが
脱落するおそれがなく、作業が極めて容易にできる。 また、チェイン単位要素をボールの最大径部を取り囲む帯状の円環状部材とし
、その内周がボールの曲率と一致する曲率を有するように構成すれば、曲げ剛性
が高まると共にボールとの接触面積が大きくなって各ボールの保持をより一層確
実に行うことができる。 また、樹脂ヒンジ部のヒンジ片部をチェイン単位要素よりも厚幅に構成すれば
、ボールチェイン単位要素の相互隣接部位の剛性がより高められ、チェイン単位
要素の変形を有効に防止することができる。さらに、ヒンジ片部を厚幅にした分
、チェイン単位要素のヒンジ片部が接合される部位のボール支持幅を幅広にすれ
ば、ボールとの接触面積が拡大されてボールの脱落防止効果をより一層高めるこ
とができる。 一方、インサート成形によって、ボールを、チェイン単位要素と樹脂ヒンジ部
と共に一体成形すれば、ボールの組立工程が一切不要となり、成形が極めて容易
になる。各チェイン単位要素間に保持されるボールは、樹脂硬化時の材料の引け
によってボールとチェイン単位要素の間に微小な隙間が生じるために、摺動抵抗
を小さくできる。 また、ボール間のスパンを可及的に小さくできるので、直線運動案内装置の負
荷ボール通路に数多くのボールを介在させることができ、したがって、耐負荷荷
重を大きくすることができる。 さらに、ボール間のスパンを小さくしたので、ボール方向転換路の曲率半径を
可及的に小さくでき、その結果、負荷ボール通路と無負荷ボール通路の間隔を短
くできるので、直線運動案内装置の摺動台の大きさをより小型化できる。 このように耐負荷能力が大きく、かつコンパクトで、しかも低重心の直線運動
案内装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 図1は本発明の第1実施例に係るボールチェインを示すもので、同図(a)は正
面図、同図(b)は平面図、同図(c)は左側面図、同図(d)は右側面図、同図(e)はチ
ェインを曲げる状態の要部断面図である。 【図2】 図2(a)は図1のボールチェインの一部を省略した斜視図、同図(b)は全体斜視
図である。 【図3】 図3は図1のボールチェインの射出成形工程を示すもので、同図(a)は型開き
状態の要部断面図、同図(b)は射出時の要部断面図、同図(c)は離型時の要部断面
図である。 【図4】 図4(a)は図1のボールチェインを組込んだ直線運動案内装置の一例を示す縦
断面図、同図(b)は方向転換路付近の拡大断面図である。 【図5】 図5は図4の装置の斜視図である。 【図6】 図6はゴシックアーチ型のボール転走溝を示す要部断面図である。 【図7】 図7は本発明の第2実施例に係るボールチェインを示すもので、同図(a)は正
面図、同図(b)は平面図、同図(c)は斜視図である。 【図8】 図8は従来のボールチェインを示し、同図(a)は部分正面図、同図(b)は
平面断面図である。 【図9】 図9は図8のボールチェインを使用した直線運動案内装置の縦断面図である。 【符号の説明】 1 ボールチェイン 2 チェイン単位要素 3 樹脂ヒンジ部 4 ヒンジ片部 5 屈曲自在部 6,7 溝 8 幅広部 11 ボール 17,18 上,下型 21 摺動台 22 無限循環路 23 負荷ボール通路 24 無負荷ボール通路 25,26 ボール方向転換路 0 ボール列の中心軸線

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】所定間隔を隔てて一列に配列される複数のボールをそれぞれ保持
    する複数の樹脂製のチェイン単位要素と、 該チェイン単位要素を一体的に連接する樹脂ヒンジ部と、を備え、 前記チェイン単位要素は、その内周がボールとの接触面積を大きくとるためボ
    ールの曲率と一致する曲率を有していて、 前記樹脂ヒンジ部が、前記チェイン単位要素の相互に隣接する部位に一体的に
    固定される一対のヒンジ片部と、該一対のヒンジ片部の間に設けられる屈曲自在
    部と、を備え 軌道台と、該軌道台に多数のボールを介して摺動自在に組み付けられる摺動台
    と、から構成される直線運動案内装置の無限循環路に組み込まれ るボールチェイ
    ン。 【請求項2】所定間隔を隔てて一列に配列される複数のボールをそれぞれ保持
    する複数の樹脂製のチェイン単位要素と、 該チェイン単位要素を一体的に連接する樹脂ヒンジ部と、を備え、 前記チェイン単位要素は、ボールの外周の最大径部を取り囲む帯状の円環状部
    材より成り、その内周はボールとの接触面積を大きくとるためボールの曲率と一
    致する曲率を有していて、直線状に整列されたボール列の中心軸線を通る平面と
    同一の平面上に位置するように配列され 前記樹脂ヒンジ部が、前記チェイン単位要素の相互に隣接する部位に一体的に
    固定される一対のヒンジ片部と、該一対のヒンジ片部の間に設けられる屈曲自在
    部と、を備えていることを特徴とする ボールチェイン。 【請求項3】樹脂ヒンジ部のヒンジ片部はチェイン単位要素よりも厚幅で、該
    チェイン単位要素の前記ヒンジ片部が接合される部位のボール支持幅がヒンジ片
    部の厚み分だけ幅広に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載
    のボールチェイン。 【請求項4】チェイン単位要素と樹脂ヒンジ部は射出成形によって一体成形さ
    れるもので、ボールを成形型内にインサートしてボールと共に一体成形し、樹脂
    の収縮によってボールとチェイン単位要素の間に微小隙間を形成してなることを
    特徴とする請求項1,2または3に記載のボールチェイン。 【請求項5】軌道台と、該軌道台に多数のボールを介して摺動自在に組み付け
    られる摺動台と、から構成され、前記多数のボールをボールチェインによって保
    持して無限循環路に組み込んだ直線運動案内装置であって、 前記ボールチェインは、所定間隔を隔てて一列に配列される複数のボールをそ
    れぞれ保持する複数の樹脂製のチェイン単位要素と、該チェイン単位要素を一体
    的に連接する樹脂ヒンジ部と、を備え、 該樹脂ヒンジ部が、前記チェイン単位要素の相互に隣接する部位に一体的に固
    定される一対のヒンジ片部と、該一対のヒンジ片部の間に設けられる屈曲自在部
    と、を備えていることを特徴とする直線運動案内装置。 【請求項6】前記チェイン単位要素は、ボールの外周の最大径部を取り囲む帯
    状の円環状部材より成り、その内周がボールとの接触面積を大きくとるためボー
    ルの曲率と一致する曲率を有していて直線状に整列されたボール列の中心軸線を
    通る平面と同一の平面上に位置するように配列されている請求項5に記載の直線
    運動案内装置。 【請求項7】樹脂ヒンジ部のヒンジ片部はチェイン単位要素よりも厚幅で、該
    チェイン単位要素の前記ヒンジ片部が接合される部位のボール支持幅がヒンジ片
    部の厚み分だけ幅広に構成されていることを特徴とする請求項5または6に記載
    の直線運動案内装置。 【請求項8】チェイン単位要素と樹脂ヒンジ部は射出成形によって一体成形さ
    れるもので、ボールを成形型内にインサートしてボールと共に一体成形し、樹脂
    の収縮によってボールとチェイン単位要素の間に微小隙間を形成してなることを
    特徴とする請求項5,6または7に記載の直線運動案内装置。

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