JP2603733B2 - エレベータのガイドレールの芯出し装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はエレベータのガイドレールの芯出し装置に関
する。

［従来の技術］ 一般に、エレベータの設置時に行なわれるガイドレー
ルの位置決めでは、ねじれ等が残ることなく、互いに平
行になるように芯出し作業が行なわれて立設される必要
がある。

従来のエレベータのガイドレールの芯出し装置は、例
えば実開昭57−196072号公報に記載のように、ほぼ平行
に仮立設されたガイドレールに装着される把持手段と、
長手方向両端部にガイドレールの立設位置に対応した指
標を有する雇本体と、把持手段がガイドレールに装着さ
れたときのガイドレールのねじれによつて雇本体に生じ
る変形を表示する表示装置とから構成されており、この
表示装置に表示された変形を矯正することによつて、ガ
イドレールのねじれをなくし、互いに平行になるよう立
設していた。

［発明が解決しようとする課題］ 従来のエレベータのガイドレールの芯出し装置は上述
のように構成されたため、仮立設する１対のガイドレー
ルを把持手段が同時に挟持することになり、いずれか一
方のガイドレールにだけねじれがあつた場合でも表示装
置に変形が表示されるので、どちらのガイドレールを修
正すれば良いのか分からなくなつてしまう。そのため
に、ねじれがない方のガイドレールを修正してしまつた
り、両方のガイドレールを少しずつ修正することを強い
られたりするので、大幅な作業の遅延が考えられる。

本発明の目的は、ガイドレールの位置決めを迅速に、
しかも的確に行なうことができるエレベータのガイドレ
ールの芯出し装置を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明は目的を達成するために、雇本体は一端部に位
置決め手段および他端部にねじれ用目盛りをそれぞれ有
し、把持手段は雇本体の位置決め手段が設けられた側の
端部に取り付けられており、一対のガイドレールの一方
を把持することにより、一方のガイドレールの近傍に垂
下した基準手段と雇本体の一方の端部に設けられた位置
決め手段との間の位置関係による芯出しが行われ、他方
のガイドレールの近傍に垂下した他の基準手段と雇本体
の他方の端部に設けられたねじれ用目盛りとの間の位置
関係による一方のガイドレールのねじれ判定が行われる
ようにしたものである。

［作用］ 把持手段を一対のガイドレールの一方に把持させる
と、把持手段が取り付けられた側の雇本体の端部に設け
られた位置決め手段に一方のガイドレールの近傍に垂下
した基準手段が対向し、両者の間の位置関係により芯出
しが行われる。雇本体の他方の側の端部は自由端とな
り、そこに設けられたねじれ用目盛りに他方のガイドレ
ールの近傍に垂下した他の基準手段が対向し、両者の間
の位置関係により把持手段が把持した一方のガイドレー
ルのねじれ判定が行われる。

［実施例］ 以下本発明の一実施例を図面から説明する。

第１図はエレベータの昇降路１を上から見た平面図で
あり、第２図はその要部の斜視図である。

昇降路１内には、レールブラケツト3a,3bを介して１
対のガイドレール2a,2bが立設され、図示しない乗かご
が昇降できるようにされる。

このガイドレール2a,2bの立設時には、ねじれること
なく、互いに平行になるようにするため、芯出し作業を
行なわねばならない。それに必要な装置は、図中、一方
のガイドレール2aを挟持している把持手段４と、連結金
具５でその把持手段４と連結された雇本体６とから成つ
ており、両ガイドレール2a,2bのそれぞれ近傍に設けら
れたピアノ線でなる基準手段9a,9bを用いて芯出し作業
を行なう。

把持手段４は、はさみ金具4aと押さえ板4bでガイドレ
ール2a,2bのガイド面を挾み、固定用ボルト4cを締め付
けることによつて挟持する。また、雇本体６は、その長
手方向の一方側に位置決め手段７を、他方側にねじれ用
目盛８を有している。この位置決め手段７は、本実施例
では目盛で示しているが、芯出し位置さえ確認できれば
必ずしも目盛でなくてもよい。

芯出し作業にあたり作業者は、昇降路１の最上部から
ピアノ線２本を垂下して基準手段9a,9bを設ける。次
に、ガイドレール2aのレールブラケツト3aにあたる高さ
で把持手段４を取り付け、ガイドレール2aのガイド面を
挟持する。それから、基準手段9aが雇本体６の位置決め
手段７の所定位置にくるよう、レールブラケツト3aを移
動させて修正する。このとき、雇本体６のねじれ用目盛
８の所定位置に基準手段9bが対応しているか否かも合わ
せて確認し、レールブラケツト3aを移動させる。このよ
うな作業を、ガイドレール2aの長手方向の数ケ所に設け
られたレールブラケツト毎に行ない、ガイドレール2aが
終わつたらガイドレール2bについても同様に行なう。

これらの作業によつて、修正の対象となるガイドレー
ルをどちらか一方に絞ることができ、ねじれの方向や変
形量を明確に知ることもできるので、芯出し作業を迅速
にしかも的確に行なうことができる。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明は、一方のガイドレールだ
けを挟持することにより雇本体の他方側を自由端とする
ため、把持手段を装着したガイドレールだけのねじれの
方向やその変形量を知ることができる。それによつて、
修正の対象となるガイドレールおよび修正量を明確に特
定することができ、作業効率を大幅に向上させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるエレベータのガイドレールの芯出
し装置の一実施例を示した平面図、第２図は第１図の要
部を示した斜視図である。 2a,2b……ガイドレール、４……把持手段、６……雇本
体、７……位置決め手段、８……ねじれ用目盛、9a,9b
……基準手段。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】仮立設されたガイドレールを取外し自在に
   把持する把持手段と、該把持手段が端部に取り付けら
   れ、該把持手段の上記ガイドレールの把持により、一対
   の上記ガイドレール間を橋絡するように配置される雇本
   体とから成るエレベータのガイドレールの芯出し装置に
   おいて、上記雇本体は一端部に位置決め手段および他端
   部にねじれ用目盛りをそれぞれ有し、上記把持手段は上
   記雇本体の上記位置決め手段が設けられた側の端部に取
   り付けられており、一対の上記ガイドレールの一方を把
   持することにより、一方の上記ガイドレールの近傍に垂
   下した基準手段と上記雇本体の一方の端部に設けられた
   上記位置決め手段との間の位置関係による芯出しが行わ
   れ、他方の上記ガイドレールの近傍に垂下した他の基準
   手段と上記雇本体の他方の端部に設けられた上記ねじれ
   用目盛りとの間の位置関係による一方の上記ガイドレー
   ルのねじれ判定が行われるようにしたことを特徴とする
   エレベータのガイドレールの芯出し装置。