JP2601328B2 - 厚さ測定器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は紙、織物生地、不織布等の繊維製品の所定荷
重下における厚さを測定する厚さ測定器に関するもので
ある。

（従来の技術） 従来、第５図、第６図及び第７図に示す圧縮弾性試験
機（200）を用いて紙、織物生地、不織布等の試料
（Ａ）の厚さを測定することがなされている。この圧縮
弾性試験機（200）による厚さ測定は、試料（Ａ）を載
置する加圧台（10）に測定子（20）によって一定荷重
（例えば100g重）を加え、加圧台（10）上に試料（Ａ）
がある場合と無い場合の測定子（20）の移動距離の差を
移動距離計としてのダイヤル表示のインジケータ（25）
によって読み取ることにより一定荷重下での試料（Ａ）
の厚さを測定している。この測定は、通常５回以上試料
（Ａ）の測定場所を変えて行われ、その平均値をとって
いる。

前記圧縮弾性試験機（200）は、荷重が加えられると
下降する加圧台（10）と、その加圧台（10）を支える支
持杆（12）に固定され加圧台（10）と連動して上下動す
る加圧台指針（11）と、加圧台（10）に加えられた荷重
が所定の値に達したかどうか判断するための二本の基準
線（31）を備え前記加圧台指針（11）の影（11a）を投
影する零点表示板（30）と、前記測定子（20）を昇降駆
動するインジケータ送りハンドル（26）とを備えてい
る。尚、前記加圧台指針（11）及び零点表示板（30）に
よって加圧台（10）に所定の荷重（例えば100g重）が加
えられたと判断した時点における加圧台（10）の位置を
測定点という。

さらに、前記圧縮弾性試験機（200）の加圧台（10）
支持構造について詳しく説明すると、第７図に示すよう
に前記加圧台（10）を支える支持杆（12）は、支点（4
1）を中心として水平に支承された棒材（40）の重り（4
2）を備えた一端側に軸支され、又、前記棒材（40）の
他端側には、加圧ハンドル（43）の軸（44）がコイルバ
ネ（45）等を介して連結されている。尚、前記圧縮弾性
試験機（200）には、さらに加圧台（10）と連動し加圧
台（10）に加えられる荷重を計るための圧力計（50）及
び試料（Ａ）の重さ分の荷重を補正するための圧力計零
点調整ハンドル（55）等が設けられている。

即ち、この圧縮弾性試験機（200）による測定作業に
際しては、まず、加圧ハンドル（43）及び零点調整ハン
ドル（55）等を操作して加圧台（10）に試料（Ａ）の重
さに加えて所定の荷重が加わると加圧台指針（11）の影
（11a）が表示板（30）の二本の基準線（31）の間に対
応するようにしておく。そして、インジケータ送りハン
ドル（26）を手によって回転操作して測定子（20）を下
げ、試料（Ａ）がある場合と無い場合において、それぞ
れ加圧台（10）に荷重を加えて指針（11）の影（11a）
が前記二本の基準線の間に対応した各時点における測定
子（20）の移動距離の差をダイヤル表示のインジケータ
（25）によって読み取ることにより、一定荷重下におけ
る試料（Ａ）の厚さを測定している。

（発明が解決しようとする課題） ところが、前記所定の荷重が加圧台（10）に加わる測
定点の検出は、第６図に示すように表示板（30）に投影
される指針（11）の影（11a）で指針（11）の位置を読
み取る間接的な投影レベルによる判断によって行ってい
るために、測定者の遠いからその目視合わせによる測定
誤差が生じることが避けられないといった問題があっ
た。

さらに、測定子（20）の昇降が前記送りハンドル（2
6）を手で操作することによって行われていることから
測定作業に手間がかかり、又、前記測定子（20）の昇降
スピードが一定せず、測定子（20）が被測定物である試
料（Ａ）に接触し始めてから所定の荷重が加圧台（10）
に加わるまでの時間が一定しないために、測定者の違い
による測定誤差が生じるといった問題があった。そこ
で、正確な測定結果を得るためにはゆっくり前記送りハ
ンドル（26）を操作しなければならず、測定作業に時間
がかかるといった問題があった。

この発明の目的は、測定者の労力を軽減するととも
に、測定者の違いによる測定値のばらつきを無くし、正
確な測定値を迅速に得ることができる厚さ測定器を提供
することにある。

（課題を解決するための手段） 上記した問題点を解決するため、本発明の請求項１に
記載の厚さ測定器においては、所定の荷重が加えられる
と測定点まで下降する加圧台と、移動距離計に接続され
前記加圧台上において昇降可能測定子とを備えた厚さ測
定器において、 前記測定子を昇降駆動するステップモータと、前記加
圧台が測定点まで下降したことを検出して検出信号を出
力する光ファイバーセンサーと、前記光ファイバーセン
サーの検出信号を入力し前記ステップモータによる測定
子の昇降駆動を制御する制御装置とを備えたことを特徴
としている。

又、本発明の請求項２に記載の測定器においては、前
記測定子は、測定値をデジタル信号として出力する移動
距離計に接続されたものであることを特徴としている。

（作用） 上記した請求項１に記載の構成により、光ファイバー
センサーは、測定子がステップモータによって下降駆動
され、加圧台が測定点まで下降したことを検出すると検
出信号を制御装置に出力する。そして、制御装置は、前
記光ファイバーセンサーの検出信号を入力すると前記ス
テップモータによる測定子の下降駆動を停止制御し、同
時に測定子に接続された移動距離計によって測定子の移
動距離即ち試料の厚さを測定できる。尚、前記制御装置
は、試料の厚さの測定後、測定子を上昇制御する。

又、請求項２に記載の構成により、移動距離計は、前
記測定子の移動距離に基づく試料の厚さの測定値をデジ
タル信号として出力する。

（実施例） 以下、本発明を具体化した一実施例を添付の図面に従
って説明する。

第１図に示すように厚さ測定器（１）には、荷重が加
えられると下降する加圧台（10）と、その加圧台（10）
を支える支持杆（12）に固定され加圧台（10）と連動し
て上下動する加圧台指針（11）と、前記加圧台（10）上
において昇降可能な測定子（20）と、その測定子（20）
を昇降駆動するステップモータ（60）とが設けられてい
る。前記測定子（20）は、測定子（20）の移動距離を表
示する移動距離計としてのダイヤル表示のインジケータ
（25）及びデジタル表示のデジタルゲージ（70）に接続
されている。

又、前記厚さ測定器（１）には、前記加圧台（10）に
所定の荷重が加えられた状態、即ち加圧台（10）が測定
点まで下降したことを加圧台指針（11）によって検出し
て検出信号を出力する発光器及び光電管等からなる光フ
ァイバーセンサー（80）と、その光ファイバーセンサー
（80）の検出信号を入力し前記ステップモータ（60）に
よる測定子（20）の昇降駆動を制御する制御装置（10
0）とが設けられている。

さらに、前記測定器（１）の加圧台（10）支持構造に
ついて詳しく説明すると、第１図に示すように支点（4
1）を中心として水平に支承された棒材（40）の一端側
には、加圧台（10）を支える支持杆（12）が軸支される
とともに重り（42）が固定され、又、前記棒材（40）の
他端側には、加圧ハンドル（43）の軸（44）がコイルバ
ネ（45）等を介して連結されている。尚、前記測定器
（１）には、従来の圧縮弾性試験機（200）と同様に加
圧台（10）と連動し加圧台（10）に加えられる荷重を計
るための圧力計（図示せず）が設けられている。

前記制御装置（100）について詳しく説明すると、第
２図に示すようにこの制御装置（100）は、制御回路（1
10）と、発信回路（120）と、前記ステップモータ（6
0）を駆動するモータ駆動回路（130）と、前記光ファイ
バーセンサー（80）を駆動するとともにその検出信号を
入力して増幅した後、制御回路（110）に出力するセン
サーコントロール回路（140）及び増幅回路（145）と、
前記各回路（110,120等）に電力を供給する電源回路（1
50）とを備えている。尚、前記制御回路（110）には、
前記デジタルゲージ（70）が接続され、デジタルゲージ
（70）からの測定データが入力されるようになってい
る。

さて、この測定器（１）によって紙、織物生地、不織
布等の試料（Ａ）の厚さを測定するには、まず、圧力計
を見ながら加圧ハンドル（43）を回転操作して所定の荷
重（例えば100g重）を加圧ハンドル（43）側から棒材
（40）に加える。そして、試料（Ａ）に所定の荷重が加
えられたときに加圧台指針（11）が発光器の光を遮るこ
とによって光ファイバーセンサー（80）が検出信号を出
力するように設定しておく。尚、厳密には、試料（Ａ）
に所定の荷重が加えられた時には、加圧台（10）には前
記所定の荷重に加えて試料（Ａ）自身の荷重が加えられ
ることになるため、加圧台（10）に所定の荷重に加えて
試料（Ａ）の重さが加えられた時に加圧台（10）が測定
点に達し光ファイバーセンサー（80）が検出信号を出力
するようにする。

次いで、加圧台（10）上に試料（Ａ）が無い状態で制
御装置（100）の零点補正スイッチ（101）を入れる。す
ると、前記制御回路（110）は、モータ駆動回路（130）
を介してステップモータ（60）を駆動し、測定子（20）
を下降させる。尚、前記第３図に示すグラフの実線
（Ｌ）は、この測定子（20）の動きを示す。

そして、前記測定子（20）が第３図に示す高さ7mmの
上始点位置（P1）から零点の位置（P2）まで下降して、
前記加圧台（10）が測定点まで押し下げられ、光ファイ
バーセンサー（80）が検出信号を出力すると、前記制御
回路（110）は、測定子（20）の下降を３秒間停止させ
た後、再び測定子（20）を高さ7mmの上始点位置（P3）
まで上昇させて待機する。そこで、前記測定子（20）が
３秒間停止している間に前記デジタルゲージ（70）の零
点修正スイッチ（71）を入れて、その表示を０にする。

以上の操作によって試料（Ａ）が加圧台（10）上に無
い状態において測定子（20）が加圧台（10）に所定の荷
重を加えた状態におけるデジタルゲージ（70）の測定値
を０にする零点補正が完了する。

そこで、次は、加圧台（10）上に前記試料（Ａ）を載
置して、制御装置（100）のスタートスイッチ（102）を
入れる。すると、第４図に示すように制御回路（110）
は、モータ駆動回路（130）によって測定子（20）を駆
動して高さ7mmの上始点位置（P11）から下降させて途中
から試料（Ａ）を加圧させながら加圧台（10）を押し下
げさせる。そして、加圧台（10）に試料（Ａ）を介して
所定の荷重が加わり、加圧台（10）が測定点に即ち測定
子（20）が位置（P12）に達すると、加圧台指針（11）
によって光ファイバーセンサー（80）が検出信号を出力
する。すると、制御回路（110）は、デジタルゲージ（7
0）から第一の測定値を入力して記憶するとともに、前
記モータ駆動回路（130）によってステップモータ（6
0）を反転駆動し、測定子（20）を一旦高さ4mmの下始点
位置（P13）まで上昇させる。

そこで、制御回路（110）は、数秒間待機してから再
び測定子（20）を上始点位置（P13）から下降させて試
料（Ａ）を加圧させながら加圧台（10）を押し下げさせ
る。尚、この待機時間中に試料（Ａ）の測定場所を変更
することができる。そして、加圧台（10）が再び測定点
に即ち測定子（20）が位置（P14）に達し、光ファイバ
ーセンサー（80）が検出信号を出力すると、制御回路
（110）は、デジタルゲージ（70）から第二の測定値を
入力して記憶するとともに、前記モータ駆動回路（13
0）によってステップモータ（60）を反転駆動し、測定
子（20）を下始点位置（P15）まで上昇させる。

以下、同様に制御回路（110）は、自動的に前記測定
を繰り返し、第五の測定値を得た後、測定子（20）を高
さ7mmの上始点位置（P16）まで上昇させ、測定動作を終
了するとともに、前記第一から第五の測定値の平均値を
求めてデジタルゲージ（70）に表示する。尚、前記測定
動作を途中で終了させたい場合には、制御装置（100）
のストップスイッチ（104）を入れると、制御回路（11
0）は、測定子（20）を高さ7mmの上始点位置（P16）ま
で上昇させ、測定動作を終了する。

従って、この測定器（１）においては、ステップモー
タ（60）によって測定子（20）を昇降駆動するため、測
定者の労力が少なくて済むばかりか、測定子（20）によ
る試料（Ａ）の加圧スピードが一定しているため、測定
者の違いによって測定値に差がでることがない。又、こ
の測定器（１）においては、ステップモータ（60）によ
って測定子（20）を昇降駆動して自動的に五回の測定を
行い、しかも、デジタルゲージ（70）によって測定値を
自動的に読み取り、連続的に前記複数の測定値を得るこ
とができ、さらにその平均値を計算して表示することが
できるため、正確かつ迅速に試料（Ａ）の厚さを測定す
ることができる。

さらに、この測定器（１）においては、加圧台（10）
が測定点に達したことを光ファイバーセンサー（80）を
用い、加圧台指針（11）が発光器の光を遮ることを検出
することによって非接触にて直接自動的に判断している
ため、感知速度が非常に速く、又、測定者の違いによる
誤差が無いといった優れた効果を奏する。

尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、
上始点位置と下始点位置の区別を無くして実施したり、
測定子の昇降スピードを試料の種類に応じて変更できる
ようにして実施する等、本発明に趣旨から逸脱しない範
囲で適宜変更して実施してもよい。

（発明の効果） 以上詳述したように、本発明に係る厚さ測定器におい
ては、ステップモータによる測定子の一定速度の自動駆
動によって測定者の労力を軽減するとともに、測定者の
違いによる測定値のばらつきを無くし、又、光ファイバ
ーセンサーによって正しく加圧台が測定点まで下降した
ことを検出して正確な測定値を迅速に得ることができる
という優れた効果を奏する。

さらに、本発明の請求項２に記載の厚さ測定器におい
ては、測定値をデジタル信号として出力する移動距離計
によって測定データを自動的に読み取って複数の測定値
を連続的に得ることができるという優れた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は厚さ測定器の一実施例の内部構造を示す正面
図、第２図は制御装置の電気ブロック回路図、第３図及
び第４図はそれぞれ測定子の動きを示すグラフ図、第５
図は従来の圧縮弾性試験機を示す斜視図、第６図は同じ
く圧縮弾性試験機の零点表示板を示す正面図、第７図は
同じく圧縮弾性試験機の内部構造を示す正面図である。 符号の説明 １……厚さ測定器、10……加圧台、 11……加圧台指針、20……測定子、 25……移動距離計としてのインジケータ、 60……ステップモータ、 70……移動距離計としてのデジタルゲージ、 80……光ファイバーセンサー、 100……制御装置。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定の荷重が加えられると測定点まで下降
   する加圧台と、 移動距離計に接続され前記加圧台上において昇降可能な
   測定子とを備えた厚さ測定器において、 前記測定子を昇降駆動するステップモータと、 前記加圧台が測定点まで下降したことを検出して検出信
   号を出力する光ファイバーセンサーと、 前記光ファイバーセンサーの検出信号を入力し前記ステ
   ップモータによる測定子の昇降駆動を制御する制御装置
   と を備えたことを特徴とする厚さ測定器。
2. 【請求項２】前記測定子は、測定値をデジタル信号とし
   て出力する移動距離計に接続されたものである請求項１
   記載の厚さ測定器。