JP2599956B2 - 含フッ素ポリエステル系エラストマー - Google Patents

含フッ素ポリエステル系エラストマー

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JP2599956B2 JP8616488A JP8616488A JP2599956B2 JP 2599956 B2 JP2599956 B2 JP 2599956B2 JP 8616488 A JP8616488 A JP 8616488A JP 8616488 A JP8616488 A JP 8616488A JP 2599956 B2 JP2599956 B2 JP 2599956B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、優れた耐久性と耐熱性のほかに撥水性、
防湿防汚性および低摩擦耐摩耗性等の特性を有する熱可
塑性含フッ素ポリエステル系エラストマー、および各種
の基体に対して優れた被覆性と密着性を示す該エラスト
マー含有被覆組成物に関する。
発明の概要 この発明は、優れた耐久性と耐熱性を有する熱可塑性
ポリエステル系エラストマーにおいて、ポリアルキレン
エーテルグリコールを共重合させたポリエステルポリマ
ーの主鎖にパーフルオロアルケニル基を置換基として導
入することによって、これらの特性を損なうことなく該
ポリマーに撥水性、防湿防汚性、および低摩擦摩耗性等
の特性を付与し、この種のポリエステル系エラストマー
の利用分野を大幅に拡大するようにしたものである。
従来の技術 ポリエステル系エラストマーは他の熱可塑性エラスト
マーに比べて、融点が高くて低温脆化温度が非常に低い
ので広い温度域で使用できる、結晶化速度が非常に速い
ので射出成形性は特に優れている、寸法精度が高いので
精密成形品が得られる、耐久性が優れているので熱や光
による黄変等の性能劣化はなく、多様な着色の成形品が
安定して得られる、耐薬品性、特に耐熱油性が非常に優
れている、強度や耐摩耗性等の機械的性質が優れている
等の利点を有するが、エステル結合がポリマー骨格とな
っているので加水分解に対して弱く、熱水、強酸および
強塩基に対する耐性が悪く、また、軟質ゴム領域のもの
の製品化が困難である等の欠点がある。
一方このような特性を有するポリエステル系エラスト
マーは各種の熱可塑性樹脂と均一に混和する特性を有す
るので、ホットメルト型、溶液型またはエマルジョン型
等の組成物としてコーティング剤、塗料、インキおよび
接着剤等の各種の処理剤として汎用されているが、さら
に優れた耐湿性、防汚性、潤滑性および耐摩耗性等の高
機能化表面特性を付与する処理剤が要請されている。
発明が解決しようとする課題 この発明は、従来の熱可塑性ポリエステル系エラスト
マー固有の利点を保持すると共に前記欠点を有さない新
規なポリエステル系エラストマーおよび高機能化表面特
性を付与する該エラストマー含有被覆用組成物を提供す
るためになされたものである。
課題を解決するための手段 即ち本発明は、 次式(I)および(II): [式中、RおよびR′は (i)芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸と
重量平均分子量が350以下の脂肪族もしくは脂環式ジカ
ルボン酸との混合物からカルボキシル基を除いた有機残
基および (ii)次式(III): (式中、R1〜R3はそれぞれ−CnF2n+1(nは1〜7の数
を示す)を示す)で表わされる5−パーフルオロアルケ
ニロキシイソフタル酸 からカルボキシル基を除いた有機残基を示し、 Aは (iii)炭素原子数2〜8のアルキレングリコールから
ヒドロキシル基を除いた有機残基を示し、 Bは (iv)重量平均分子量が350〜6000のポリアルキレンエ
ーテルグリコールまたは全鎖長の70%以上が該グリコー
ル成分である脂肪酸グリコールからヒドロキシル基を除
いた有機残基を示す。
但し、 (i)/(ii)=99/1〜30/70(モル比)、 (iii)/(iv)=15/85〜85/15(モル比) および {(i)+(ii)}/{(iii)+(iv)}≒1(モル
比)である。] で表わされる繰り返し単位から構成され、 固有粘度が0.6〜2.0で、軟化温度が70〜190℃である
ことを特徴とするブロック状含フッ素ポリエステル系エ
ラストマーおよび該エラストマーを含有する被覆用組成
物に関する。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、フタル酸、ビ安息香酸、ベンゼン核を有する置
換ジカルボン酸、例えばビス(p−カルボキシフェニ
ル)メタン、p−オキシ(p−カルボキシフェニル)安
息香酸、エチレン−ビス(p−オキシ安息香酸)、エチ
レン−ビス−(p−安息香酸)、テトラメチレン−ビス
(p−オキシ安息香酸)、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジ
カルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、アントラセ
ンジカルボン酸、4,4′−スルホニルジ安息香酸、イン
デンジカルボン酸等、並びにこれらの該置換誘導体等が
挙げられる。
脂肪族もしくは脂環式ジカルボン酸としては、セバシ
ン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、グルタル酸、琥珀
酸、炭酸、蓚酸、アゼライン酸、ジエチルマロン酸、シ
クロペンタンジカルボン酸、デカヒドロ−1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、4,4′−ビシクロヘキシルジカルボ
ン酸、デカヒドロ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,
4′−メチレンビス−(シクロヘキシル)カルボン酸、
3,4−フランジカルボン酸および1,1−シクロブタンカル
ボン酸等が例示される。
式(III)で表わされる5−パーフルオロアルケニロ
キシイソフタル酸としては、5−パーフルオロアルケニ
ロキシ基として、下記の式(a)で表わされるヘキサフ
ルオロプロペンダイマー残基、式(b)〜(d)で表わ
されるヘキサフルオロプロペントリマー残基または式
(e)で表わされるテトラフルオロエチレンペンタマー
残基等を有する5−パーフルオロアルケニロキシ基を有
するイソフタル酸が例示される: 炭素原子数2〜8のアルキレングリコールとしては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメ
チレングリコール、イソブチレングリコール、ペンタメ
チレングリコール、2,2−ジメチレルトリメチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、ジヒドロキシシク
ロヘキサンおよびシクロヘキサンジメタノール等が例示
される。
ポリアルキレンエーテルグリコールとしては炭素原子
数が2〜9のアルキレン基を有する長鎖グリコールが好
適で、例えばポリエチレンエーテルグリコール、ポリ
(1,2−プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(1,3−
プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(1,2−ブチレ
ンエーテル)グリコール、ポリテトラメチレンエーテル
グリコール、ポリペンタメチレンエーテルグリコール、
ポリヘキサメチレンエーテルグリコール、ポリヘプタメ
チレンエーテルグリコール、ポリオクタメチレンエーテ
ルグリコール、ポリノナメチレンエーテルグリコールお
よびこれらのランダムもしくはブロック共重合体、例え
ばエチレンオキシドと1,2−プロピレンオキシドから誘
導される共重合グリコール等が挙げられる。
上記のポリアルキレンエーテルグリコールの重量平均
分子量は350〜6000であり、350以下では一般に硬度が高
くなり、弾性的性質が小さくなってエラストマーとして
の用途に適さなくなり、また、6000以上になると逆に軟
らかくなりすぎて力学的耐性がなくなり、さらに流動性
も大きくなるので用途がほとんどなくなってしまう。
この場合、該長鎖グリコールはポリアルキレンエーテ
ルグリコールの全鎖長の30%以下が脂肪族グリコール鎖
で置換された長鎖グリコール、例えば炭素原子数2〜9
のアルキレン基を有するポリアルキレンオキシドジカル
ボン酸と前記のアルキレングリコールとのグリコールエ
ステル等であってもよい。
上記の有機残基(i)〜(iv)は次の組成比(モル
比)を有していなければならない: (i)/(ii)=99/1〜30/70 (iii)/(iv)=15/85〜85/15 {(i)+(ii)}/{(iii)+(iv)}≒1 (i)/(ii)のモル比が上記の範囲よりも大きすぎ
ると、前記の含フッ素特有の性質が発現されなくなり、
また、逆に小さすぎると、ポリエステルとしての性質が
薄れ、それらのホモポリマーとの複合、積層あるいはコ
ーティング等の用途展開が難しくなり、さらに含フッ素
基が高価なためにコスト高となる。
(iii)/(iv)のモル比が上記の範囲よりも大きす
ぎるとポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等の硬質のプラスチックに近づき、弾性がな
くなると共に、前記の低分子量熱可塑性樹脂との相溶性
がなくなり、逆に小さすぎると弾性回復性がなくなり、
液状に近くなって、成型品の製造ができなくなり、さら
に前記の熱可塑性樹脂と配合して塗料、コーティング剤
等の組成物としても被着物表面での十分な接着力が得ら
れなくなる。
さらに、{(i)+(ii)}/{(iii)+(iv)}
のモル比が実質的に1から乖離するとエステル結合が形
成できなくなり、重合度も著しく低下する。
本発明によるブロック状含フッ素ポリエステル系エラ
ストマーは、上記の有機残基RとAがエステル結合によ
って結合した短鎖エステル単位(I)およびR′とBが
エステル結合によって結合した長鎖エーテルエステル単
位(II)とがブロック状にポリマー鎖中に散在したミク
ロドメイン構造と共に、該繰り返し単位(I)および
(II)のいずれにおいてもフッ素原子を高密度で含む含
フッ素基(ii)が主鎖に対してペンダント状に結合した
構造を有しているので、熱可塑性エラストマーとしての
特性のほかに、撥水撥油性、防汚性および低摩擦耐摩耗
性等の特性を兼有する。
上記の構造を有する含フッ素ポリエステル系エラスト
マーは0.6〜2.0の固有粘度および70〜190℃の軟化温度
を有する。上記固有粘度範囲で表わされる分子長さサイ
ズと上記軟化温度範囲で表わされる熱的特性の領域がホ
ットメルトエラストマーとして利用される用途分野に最
も適しており、また上記組成物として利用する場合でも
好適である。
特に好適な含フッ素ポリエステル系エラストマーは、
有機残基(i)がテレフタル酸、イソフタル酸またはこ
れらの混合物から誘導され、有機残基(ii)がヘキサフ
ルオロプロペンダイマー残基(a): を有する含フッ素イソフタル酸および/またはヘキサフ
ルオロプロペントリマー残基(b): を有する含フッ素イソフタル酸から誘導され、有機残基
(iii)がポリエチレンエーテルグリコール、ポリ(1,2
−もしくは1,3−プロピレンエーテル)グリコール、ポ
リテトラメチレンエーテルグリコールおよびコポリエチ
レンエーテル・プロピレンエーテルグリコールから成る
群から選択される少なくとも1種から誘導され、有機残
基(iv)が重量平均分子量400〜4000のポリテトラメチ
レネーテルグリコールから誘導される含フッ素ポリエス
テル系エラストマーである。
本発明による含フッ素ポリエステル系エラストマーの
製造法は特に限定的ではないが、例えば、前記のジカル
ボン酸あるいはメチルエステル、エチルエステル、アル
キレングリコールエスエル等のエステル形成性誘導体と
前記のアルキレングリコールおよびポリアルキレンエー
テルグリコールを触媒(例えば、三酸化アンチモン、酢
酸亜鉛、ブチルチタネート等)の存在下に同時にもしく
は段階的に直接エステル化するか、あるいはエステル交
換反応させたのち重縮させる方法が一般的であるが、高
分子量もしくは低分子量の共重合ポリエステルとポリア
ルキレンエーテルグリコールをエステル交換反応させ、
所望によりさらに重縮合をおこなう方法を利用してもよ
い。
本発明による含フッ素ポリエステル系エラストマーは
フッ素基を含有するにもかかわらず、前記の特異な分子
構造を有するために、通常のポリエステル系エラストマ
ーと同様に多くの低分子量熱可塑性樹脂と強い親和性を
示し、良く混和する。特に溶融粘度(200℃)が10,000
センチポイズ以下の低分子量熱可塑性樹脂と混和させる
ことによって接着性(密着性)、流動性、防湿性、防汚
性、耐摩耗性が改良された被覆用組成物を得ることがで
きる。
この種の低分子量熱可塑性樹脂としては炭化水素樹脂
(石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン樹脂、
シクロペンタジエン樹脂、テルペン樹脂、ポリブデン、
液状ポリブタジエン、低分子量ブチルゴム、アタクチッ
クポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等を含む)、
ビチューメン含有アスファルト、コールタールピッチ、
ロジン、ロジン基材アルキッド樹脂、フェノール樹脂、
メラミン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、塩素化脂肪族
炭化水素ワックス、塩素化該芳香族炭化水素等が例示さ
れる。
このような低分子量熱可塑性樹脂の溶融粘度(200
℃)が10,000センチポイズ以上になるとエラストマーに
対する配合性が著しく小さくなり、均一に相溶しなくな
る。また接着性(粘着性)、流動性等の特性の発現しな
くなる。
また、この種の低分子量熱可塑性樹脂の配合量は通
常、85〜15重量%であり、85重量%以上になると、エラ
ストマーの上記特性が充分発現できなくなり、また逆に
15重量%以下では粘着性および(ホットメルト時の)流
動性が小さすぎて塗料、コーティング剤としての用途展
開ができなくなる。
本発明による被覆用組成物には上記の低分子量熱可塑
性樹脂のほかに、所望により常套の添加剤、例えば可塑
剤(ジオクチルフタレート、ジフェニルフタレート、ト
リフェニルホスフェート等の種々の酸誘導体、グリコー
ル誘導体、グリセリン誘導体等)、軟化剤(パラフィン
系、ナフテン系または芳香族系のプロセルオイル、ひま
し油等)。後架橋剤(エポキシ系誘導体、ブロックイソ
シアネート等)、無機質充填剤(タルク、炭酸カルシウ
ム、ウオルステナイト)、補強財(ガラス繊維、炭素繊
維、チタン酸カリウム等のホイスカー)等を適宜配合し
てもよい。
本発明による被覆用組成物のうち、経済性、適用分野
の広さ、被覆用材料としての優れた特性と高い機能性等
の用件を調和よく満足する組成物は、特に好適な含フッ
素ポリエステル系エラストマーとして先に例示したエラ
ストマーを含有する組成物である。
本発明による被覆用組成物は、所定量の上記配合成分
を常套の混練機、例えば加熱ニーダー、エクストルーダ
ー等を混練押出することによって調製するのが簡便であ
る。
上記の被覆用組成物は溶融状態にして常套のホットメ
ルトアプリケーターやロールコーター等を用いて被着体
上に塗布して使用してもよく、あるいは粉末状、チップ
状、テープ状、ひも状、フィルム状あるいはウエッブ状
等の各種の形態に形成して被着体に積層融着して使用し
てもよく、さらにまた有機溶剤や水等の液体に溶解もし
くは乳化分散させて基材に塗布してもよい。
本発明による含フッ素ポリエステル系エラストマーは
前記の低分子量熱可塑性樹脂以外の他の樹脂(例えば、
塩化ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂(高分子量
体)、ポリブチレンテレフタレート)および/または前
記の可塑剤や軟化剤等常套の添加剤と共に、ニーダー、
ロールコーター、押出機、射出成型等の成形装置を用い
て混和して押出成型品、射出成型品、吹込み成型品等の
成型品として利用に供してもよい。
以下、本発明を実施例によって説明する。
実施例1 反応容器内にテレフタル酸ジメチル80モル、イソフタ
ル酸ジメチル20モル、5−ヒドロキシイソフタル酸ジメ
チル・ヘキサフルオロプロペンダイマーエーテル化物30
モル、テトラメチレングリコール200モルおよび酢酸亜
鉛触媒0.01モルを仕込み、窒素雰囲気下、200℃で1時
間加熱してエステル交換反応をおこなった。
この反応混合物にポリテトラメチレンエーテルグリコ
ール(分子量:約1000)15モルおよびテトラ−n−ブチ
ルチタネート0.02モルを加え、10-3torrの真空下、270
℃で4時間加熱して重縮合反応をおこない、含フッ素ポ
リエステル系エラストマーIを調製した。エラストマー
Iの物性を表−1に示す。
ラボプラストミル内にエラストマーI50部、水添ロジ
ンのエステル化物(米国ハーキュレス社製「フォーラル
85」)25部および脂環式飽和炭化水素樹脂(荒川化学工
業社製「アルコンP−90」)25部を入れ、190℃で約1
時間混練して被覆用組成物Iを調製した。この組成物の
物性を表−2に示す。
比較例1 テレフタル酸ジメチル80モル、イソフタル酸ジメチル
50モル、テトラメチレングリコール200モルおよび酢酸
亜鉛0.01モルを反応容器内に入れ、実施例1と同様にし
て、エステル交換反応をおこない、反応混合物にポリテ
トラメチレンエーテルグリコール15モルおよびテトラ−
n−ブチルメタネート0.02モルを添加し、実施例1と同
様の条件下で重縮合反応をおこなってポリエステル系エ
ラストマーI′を調製した。このエラストマーの物性を
表−1に示す。
エラストマーIの代わりにエラストマーI′を使用す
る以外は実施例1と同様にして被覆用組成物I′を調製
した。この組成物の物性を表−2に示す。
実施例2 実施例1の手順に準拠し、以下の配合処方によって含
フッ素ポリエステル系エラストマーIIを調製した(この
エラストマーの物性を表−1に示す):成 分 配合量 テレフタル酸ジメチル 100 モル 5−ヒドロキシイソフタル酸ジメチル ヘキサフルオロプロペントリマー 30 モル テトラメチレングリコール 200 モル 酢酸亜鉛 0.01モル ポリテトラメチレンエーテル グリコール(分子量:約2200) 15 モル テトラ−n−ブチルチタネート 0.02モル さらに以下の配合処方により、実施例1の手順に従っ
て被覆用組成物IIを調製した(この組成物の物性を表−
2に示す):成 分 配合量 エラストマーII 30部 水添炭化水素樹脂(1) 20部 スチレン樹脂(2) 15部 ポリイソブチレン(3) 30部 低分子量ポリエチレン(4) 5部(1) 米国エッソ化学社製「エスコレッズ5380」(2) エッソ化学社製「ピコラスチックA−50」(3) 米国エクソン化学社製「LMMS」(4) 住友化学社製「スミカセンG808」 比較例2 含フッ素化合物を使用せずに、テレフタル酸ジメチル
の配合量を130モルとする以外は実施例2と同様の配合
処方に従い、実施例1の手順に準拠してエラストマーI
I′および被覆組成物II′を調製した。これらのエラス
トマーと組成物の物性を表−1および表−2にそれぞれ
示す。
実施例3 実施例1の手順に準拠し、以下の配合処方によって含
フッ素ポリエステル系エラストマーIIIを調製した(こ
のエラストマーの物性を表−1に示す)。成 分 配合量 テレフタル酸ジメチル 40 モル イソフタル酸ジメチル 20 モル アジピン酸 10 モル 5−ヒドロキシイソフタル酸ジメチル・ ヘキサフルオロペロペンダイマー エーテル化物 60 モル テトラメチレングリコール 180 モル 三酸化アンチモン 0.01モル 酢酸亜鉛 0.01モル ポリテトラメチレンエーテル グリコール(分子量:約2200) 45 モル テトラ−n−ブチルチタネート 0.02モル さらに実施例1と同様の配合処方と手順に従って被覆
組成物IIIを調製した(この組成物の物性を表−2に示
す)。この組成物は例えば5倍部のメチルエチルケトン
等の溶媒に溶解させて使用に供することができる。
表−1および表−2から明らかなように、本発明によ
る含フッ素ポリエステル系エラストマーは従来のポリエ
ステル系エラストマーに比べて、弾性体特性はほとんど
変わらないが、耐摩擦性、耐摩耗性、耐水性および耐油
性において優れており、また、これらの含フッ素エラス
トマーを含有する被覆組成物は従来の対応する被覆組成
物に比較して密着性の点ではほとんど差はないが、臨界
表明張力が著しく小さくなって優れた撥水効果をもたら
す。
発明の効果 本発明による新規な含フッ素ポリエステル系エラスト
マーは優れた撥水性、防湿防汚性および低摩擦耐摩耗性
等の特性を有し、該エラストマー含有被覆用組成物は各
種の基体に対して優れた被覆性と密着性を示すので、撥
水性や防汚性等の該エラストマーの特性を各種基体に対
して効果的に付与することができる。
本発明による含フッ素ポリエステル系エラストマーは
成形工程における溶融時の熱安定性がよいので、押出成
形や射出成形等の成形によって極めて寸法精度の高い成
形品を製造することができる。特に射出成形において金
型からの離型性が非常に優れているので高サイクル成形
が可能であるだけでなく、成形品の表面仕上がりも極め
て麗美である。
このようにして得られる成形品は耐湿性は優れている
ので、長時間にわたって熱水にさらしても劣化せず、ま
た防汚性や潤滑性、特に耐摩耗性は従来品に比べて著し
く改良されており、回転軸のパッキン(メカニカルシー
ル)、車両の窓枠のシール、履物接地面のゴムシート、
電線被覆材等の用途に供することができる。
また本発明による被覆用組成物は繊維、紙、フィル
ム、プラスチックス、ゴム、金属、セラミックス等広範
囲の基材表面を対象とするコーティング剤、塗料、イン
キ、シーラントおよびこれらの中間原料として極めて優
れた性能と機能を発揮する。例えば、繊維、紙、フィル
ム等に適用することによってこれらの素材に耐湿性や防
汚性を極めて長期にわたって付与することができる。さ
らに該組成物はポリエステルに対して特に優れた密着性
を発揮するのでポリエステル繊維織編布んの透湿防水加
工剤、ポリエステル製フィルム(インラインコーティン
グ離型フィルム)の離型剤、磁気テープの高性能スリッ
プ剤等としても利用でき、またプラスチックス、金属、
セラミックス等の硬い基体の潤滑処理剤等としても利用
できる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(I)および(II): [式中、RおよびR′は (i)芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸と
    重量平均分子量が350以下の脂肪族もしくは脂環式ジカ
    ルボン酸との混合物からカルボキシル基を除いた有機残
    基および (ii)次式(III): (式中、R1〜R3はそれぞれ−CnF2n+1(nは1〜7の数
    を示す)を示す)で表わされる5−パーフルオロアルケ
    ニロキシイソフタル酸 からカルボキシル基を除いた有機残基を示し、 Aは (iii)炭酸原子数2〜8のアルキレングリコールから
    ヒドロキシル基を除いた有機残基を示し、 Bは (iv)重量平均分子量が350〜6000のポリアルキレンエ
    ーテルグリコールまたは全鎖長の70%以上が該グリコー
    ル成分である脂肪酸グリコールからヒドロキシル基を除
    いた有機残基を示す。 但し、 (i)/(ii)=99/1〜30/70(モル比)、 (iii)/(iv)=15/85〜85/15(モル比) および {(i)+(ii)}/{(iii)+(iv)}≒1(モル
    比)である。] で表わされる繰り返し単位から構成され、 固有粘度が0.6〜2.0で、軟化温度が70〜190℃であるこ
    とを特徴とするブロック状含フッ素ポリエステル系エラ
    ストマー。
  2. 【請求項2】有機残基(i)がテレフタル酸、イソフタ
    ル酸またはこれらの混合物から誘導され、有機残基(i
    i)がヘキサフルオロプロペンダイマー残基: を有する含フッ素イソフタル酸および/またはヘキサフ
    ルオロプロペントリマー残基: を有する含フッ素イソフタル酸から誘導され、有機残基
    (iii)がポリエチレンエーテルグリコール、ポリ(1,2
    −もしくは1,3−プロピレンエーテル)グリコール、ポ
    リテトラメチレンエーテルグリコールおよびコポリエチ
    レンエーテル・プロピレンエーテルグリコールから成る
    群から選択される少なくとも1種から誘導され、有機残
    基(iv)が重量平均分子量400〜4000のポリテトラメチ
    レンエーテルグリコールから誘導される請求項1記載の
    含フッ素ポリエステル系エラストマー。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の含フッ素ポリエ
    ステル系エラストマー15〜85重量%および該エラストマ
    ーと相溶性を有し、溶融粘度(200℃)が10,000センチ
    ポイズ以下の低分子量熱可塑性樹脂85〜15重量%含有す
    る被覆用組成物。
JP8616488A 1988-04-06 1988-04-06 含フッ素ポリエステル系エラストマー Expired - Fee Related JP2599956B2 (ja)

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