JP2598381Y2 - リモコン受光モジュール - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えばワイヤレスリモ
コンにより遠隔操作されるＡＶ機器等の家電製品に組み
込んで利用するのに好適な、近赤外線を含む赤外線を検
知する受光素子を備えたリモコン受光モジュールに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】この種のリモコン受光モジュール１０
は、一般に、図７に示される如くに、板金製のケース２
内に、赤外線受光素子５や回路部品９を搭載した基板３
が収納されて構成されている。

【０００３】ケース２は、金属板を側壁、天井壁、底壁
を有する直方体状に折曲成形したもので、その側壁部分
には壁部の一部が内側に折り込まれて受光用窓６が形成
されるとともに、基板２を支持する複数の係止片４が内
向きに突設され、その底壁部分には基板２の後端部に下
方に向けて植立されたリード端子７が挿通せしめられる
切欠部８が形成されている。

【０００４】このリモコン受光モジュール１０では、リ
ード端子７が下方に突出せしめられるので、センサの底
壁側が設置面とされ、横置き式で機器類に装着される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如き従来の赤外線センサにおいては、次のような問題が
あった。すなわち、ケースが板金製であることから、 １．外部からの衝撃に弱い。 ２．基板上の回路部品とケースの各壁部との間に比較的
大きな隙間を形成する必要があるので薄型化が難しい。 ３．基板収納時に壁部のいずれかを開いておき、基板を
係止片に引っかけて収納した後にその壁部を折り曲げて
て組み立てるようにされるので、組み立てが面倒であ
る。 ４．基板がケース内でがたつき易く、それを防止するに
は基板をケースに半田付けするわずらわしい作業が必要
となる。 ５．斜め方向からの光ノイズを拾い易い。 ６．ケースが非絶縁体であるため、その周囲に配される
他の部品との絶縁に配慮する必要がある。

【０００６】さらに、リモコン受光モジュールが設置さ
れる機器類には、リモコン受光モジュールの側壁側を設
置面とし、縦置き式で装着することが要求される場合が
あり、横置きタイプと縦置きタイプの２種類のリモコン
受光モジュールが要求される場合、従来においては、そ
れぞれのタイプに応じた、仕様の異なるケースやリード
端子を用意して、それぞれ別々に組み立てるようにして
いた。

【０００７】そのため、リモコン受光モジュールの製造
コストが高くなるとともに、部品管理が複雑化するとい
った問題が生じていた。

【０００８】かかる点に鑑み本考案は、耐衝撃性に優
れ、薄型化でき、組み立てが容易で、ケース内で基板を
安定して支持し得、光ノイズを拾い難く、効果的に絶縁
対策を施せ、しかも、横置きタイプと縦置きタイプのい
ずれにも使用できるようにケースや基板等の部品を共通
化して、製造コストの低減と部品管理の簡素化を図れる
ことができるようにされたリモコン受光モジュールを提
供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本考案に係るリモコン受光モジュールは、受光用窓
が形成され、遮光性の合成樹脂製からなり、側壁に係止
孔が設けられた第１のケース部材と、遮光性の合成樹脂
製からなり、係止突起が設けられた第２のケース部材と
を前記第１のケース部材に反受光窓側を塞ぐように前記
第１のケース部材の係止孔に前記第２のケース部材の係
止突起に嵌合わせてケースを形成し、赤外線発光素子が
取り付けられて前記ケース内に内蔵された基板と、この
基板に先端部が半田付けされ、後端側が前記ケース外に
引き出されたリード端子と、を備えたリモコン受光モジ
ュールにおいて、前記ケースは、前記係止突起が前記基
板を前記第１のケース部材に押圧保持し、上面壁部、側
壁部、及び底壁部とで構成されており、前記上面壁部の
中央部には受光用窓が形成され、前記側壁部と前記底壁
部とで形成されるコーナー部には側方及び下方に開口す
る部分的な切欠部が形成されていて、この切欠部から上
記リード端子を側方又はび下方に引き出すように構成さ
れる。

【００１０】

【作用】上述の如くの構成とされた本考案に係るリモコ
ン受光モジュールにおいては、ケースが第１の部材と第
２の部材とから構成されるので、板金製のものに比べ、
外部からの衝撃に対して強くなるとともに、基板上の回
路部品とケースの各壁部との間隔を狭くすることができ
るので、薄型化を図れる。

【００１１】第１のケース部材に基板を挿入するととも
に、第２のケース部材を第１のケース部材及び第２の部
材に嵌合させて係止するだけで組み立てられるので、組
み立て作業が容易となり、しかも、弾性を利用して基板
を固定し得るので、半田付け等が不要となり、基板ケー
ス内でのがたつきを防止できる。

【００１２】また、受光窓用の形状を板金製のものに比
べて自由に設定できるので、斜め方向からの光ノイズを
効果的に絶縁できる。

【００１３】さらに、ケースのコーナー部に形成された
部分的な切欠部からリード端子を側方にも下方にも引き
出すことができるので、同一仕様のケース、基板等の各
構成部品を使用して組み立て後において、縦置きタイプ
にするか横置きタイプにするか選定することが可能とな
り、例えば、縦置きタイプにする場合には、リード端子
を基板と平行に伸ばしてケースの側壁に形成された切欠
部から引き出し、一方、横置きタイプにする場合には、
リード端子を基板に対して直交に折り曲げてケースの底
壁に形成された切欠部から引き出すようにできる。

【００１４】このように横置きタイプと縦置きタイプに
それぞれ使用されるケースや基板等の部品が共通化され
ることにより、製造後図の低減と部品管理の簡素化が図
られる。

【００１５】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図１〜図６は、本考案に係るリモコン受光モジ
ュールの一実施例を示しており、図において、リモコン
受光モジュール１は、合成樹脂を素材として射出成形等
により製造された筒状ケース部材１１と蓋状ケース部材
１２とからなるケースと、このケース内に収納された基
板１８とを備えている。

【００１６】筒状ケース部材１１は、その上面壁に円錐
台状の受光用窓２２が形成され、左右の側壁に矩形の係
止孔２１が形成され、やや厚肉の柱状後壁２９の左右に
後述するリード端子２０を挿通する切欠部２３、２４が
形成され、底壁に相当する部分は全体が開口していて、
そこに蓋状ケース部材１２が嵌め込まれている。つま
り、この例では蓋状ケース部材１２がケースの底壁とな
っている。

【００１７】蓋状ケース部材１２は、平板部１２Ａの前
端から立ち上がる前立上片部１２aと平板部１２Ａの左
右から立ち上がる左立上片部１２ｂ及び右立上片部１２
ｃとが設けられ、左立上片部１２ｂと右立上片部１２ｃ
には筒状ケース部材１１に形成されたこうしこう２１に
嵌合する断三角形の係止突起２５が突設されている。

【００１８】また、蓋状ケース部材１２の平板部１２Ａ
の後端部は、筒状ケース部材１１の柱状後壁２９近くま
で突出する突設部１２ｄが形成されるとともに、その左
右に後述する。リード端子２０を挿通する切欠部３１，
３２が形成されている。

【００１９】一方、基板１８は、筒状ケース部材１１の
内面より前後左右の位置決めがなされ、かつ、上記蓋状
ケース部材１２に設けられた前立上片部１２ａ、左立上
片部１２ｂ及び右立上片部１２ｃにより筒状ケース部材
１１側に押し付けられて上下方向の位置決めがなされる
とともに、その状態で筒状ケース部材１１及び蓋状ケー
ス部材１２の各部の弾性により押圧保持されている。

【００２０】この基板１８には、その上面側にベアチッ
プ受光素子１６（図２、図３）が配され、この受光素子
１６の上面側に近赤外線を透過する半球状のエポキシ樹
脂被覆層１７が形成されており、それら受光素子１６エ
キシポ樹脂被覆層１７は筒状ケース部材１１に形成され
た円錐台状の受光用窓２２内を臨むように位置せしめら
れている。

【００２１】また、基板１８の下側面には、受光素子部
品１３、ベアチップＩＣ１５、フェノール樹脂被覆層１
４等が配され、基板の上面及び下面には所定の態様で配
線パターンが形成されている。

【００２２】そして、基板１８の後端部には、導電性金
属板を打ち抜き・折曲加工して制作された３本のリード
端子２０が半田２７により接合されている。このリード
端子２０は、図６に示される如くに、先端が断面Ｃ字状
とされて基板１８の端部を挟むようにされ、基板１８の
上面に半田付けされる上挟持部２０ａは矩形とされ、基
板１８の下面に当接する下挟持部２０ｂは二股状とされ
ていてこの部分も図示はされていないが半田２７により
接合されており、このリード端子２０のリード部２０ｃ
が筒状ケース部材１１の切欠部２３、２４、又は、蓋状
ケース部材１２の切欠部３１，３２から基板１８と平行
に引き出すことができるようになっている。

【００２３】すなわち、この例のリモコン受光モジュー
ル１においては、リード端子２０を図４に示されるが如
くに基板１８と平行に横方向に引き出してリモコン受光
モジュールを縦置きタイプで使用するようにしてもよい
し、図５及び図１において一点鎖線で示されるが如く
に、リード端子２０を基板１８に直交に折り曲げて蓋状
ケース部材１２に形成された切欠部３１，３２から下方
に引き出してセンサを横置きタイプで使用するようにし
てもよく、設置状況等に応じて縦置きタイプと横置きタ
イプのいずれも選択できるようになっている。

【００２４】尚、リード端子２０は図６に示されるたも
のに限定されず、単に棒状のものの端部を基板１８に半
田付けするようにしても良いことは説明するまでもな
い。

【００２５】上述の如くに構成された本実施例のリモコ
ン受光モジュールにおいては、ケースが合成樹脂製の筒
状ケース部材１１と蓋状ケース部材１２とから構成され
るので、板金製のものに対して、外部からの衝撃に対し
て強くなるとともに、基板１８上の回路部品１３〜１７
等とケースの各壁部との隙間を狭くすることができるの
で薄型化を図れる。

【００２６】また、筒状ケース部材１１に基板１８を挿
入するとともに、蓋状ケース部材１２の係止突起２５を
筒状ケース部材１１の係止孔２１に嵌合させて係止させ
るだけで組み立てられるので、組み立て作業が容易とな
り、しかも、筒状ケース部材１１及び蓋状ケース部材１
２の各部の弾性を利用して基板を固定支持し得るので、
半田付け等がふようとなり基板１８のケース内でのがた
つきを防止できる。

【００２７】また、受光用窓２２の形状を円錐台状等に
自由に設定できるので、板金製のもの比べて斜め方向か
らの光ノイズを拾い難くでき、また、ケースが絶縁体で
あることから周囲に配される部品に対して効果的に絶縁
できる。

【００２８】さらに、筒状ケース部材１１の側壁と蓋状
ケース部材１２とからなるケースのコーナー部に形成さ
れた切欠部２３，２４及び３１，３２からリード端子を
側方にも下方にも引き出すことができるので、同一仕様
ケース１１，１２、基板１８、リード端子２０等の構成
部品を使用して組み立て後において、横置きタイプにす
るか縦置きタイプにするか選定することが可能となるた
め、それぞれに使用されるケースやリード端子等の部品
が共通化されることにより、製造コストの低減と部品管
理の簡素化が図られる。

【００２９】

【考案の効果】以上の説明から明らかな如く、本考案に
係るリモコン受光モジュールによれば、ケースが合成樹
脂製の筒状ケース部材と蓋状ケース部材とから構成され
るので、対衝撃性に優れ、薄型化でき、組み立てが容易
で、ケース内で基板を安定して支持し得、しかも、光ノ
イズを拾い難く、効果的に絶縁対策を施せ、さらに、ケ
ース、基板等の部品が共通化されて、横置きタイプと縦
置きタイプのいずれにも使用できるようにされるので、
製造コストの低減と部品管理の簡素化を図ることができ
る。という優れた利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るリモコン受光モジュールの一実施
例の分解斜視図。

【図２】実施例の横方向の断面図。

【図３】図２のＡ−Ａ線に従う断面図。

【図４】実施例のリモコン受光モジュールを横置きタイ
プで使用する場合の斜視図。

【図５】実施例のリモコン受光モジュールを縦置きで使
用する場合の斜視図。

【図６】実施例で使用されるリード端子の斜視図。

【図７】従来のリモコン受光モジュールの一例の説明に
供される図。

【符号の説明】

１ リモコン受光モジュール １１ 筒状ケース部材 １２ 蓋状ケース部材 １２Ａ 平面版 １２ａ、１２ｂ、１２ｃ， 立上片部 １３ 受光素子部品 １４ フェノール樹脂被覆層 １５ ベアチップＩＣ １６ 受光素子 １７ エキシポ樹脂被覆層 １８ 基板 ２０ リード端子 ２１ 係止孔 ２２ 受光用窓 ２３ ２４ 開口部 ２５ 係止突起 ２７ 半田 ２９ 柱状壁部 ３１，３２ 開口部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭51−15866（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H01L 31/00

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】受光用窓が形成され、遮光性の合成樹脂製
   からなり、側壁に係止孔が設けられた第１のケース部材
   と、遮光性の合成樹脂製からなり、係止突起が設けられ
   た第２のケース部材とを前記第１のケース部材に反受光
   窓側を塞ぐように前記第１のケース部材の係止孔に前記
   第２のケース部材の係止突起に嵌合わせてケースを形成
   し、赤外線発光素子が取り付けられて前記ケース内に内
   蔵された基板と、この基板に先端部が半田付けされ、後
   端側が前記ケース外に引き出されたリード端子と、を備
   えたリモコン受光モジュールにおいて、前記ケースは、
   前記係止突起が前記基板を前記第１のケース部材に押圧
   保持し、上面壁部、側壁部、及び底壁部とで構成されて
   おり、前記上面壁部の中央部には受光用窓が形成され、
   前記側壁部と前記底壁部とで形成されるコーナー部には
   側方及び下方に開口する部分的な切欠部が形成されてい
   て、この切欠部から上記リード端子を側方又は下方に引
   き出すことを特徴とするリモコン受光モジュール。