JP2598108B2 - 押出し成形シート用樹脂組成物および電気絶縁ボード - Google Patents

押出し成形シート用樹脂組成物および電気絶縁ボード

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JP2598108B2 JP27170688A JP27170688A JP2598108B2 JP 2598108 B2 JP2598108 B2 JP 2598108B2 JP 27170688 A JP27170688 A JP 27170688A JP 27170688 A JP27170688 A JP 27170688A JP 2598108 B2 JP2598108 B2 JP 2598108B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,ポリエステル樹脂をマトリクスとし,堅く
て表面が平滑でしかも曲げ強度などの機械的性質で異方
性の少ない押出し成形シートが得られる樹脂組成物およ
び電気絶縁特性,寸法安定性,耐熱性,打抜き加工性に
優れた電気絶縁ボードに関するものである。
(従来の技術) ポリエチレンテレフタレートは機械的性質,電気的性
質,耐熱性,耐薬品性などに優れ,繊維,射出成形品,
フィルム,シートとして多くの工業製品に使用されてい
る。また,表面が平滑で高弾性率のシートを製造する場
合には,ポリエチレンテレフタレート樹脂に無機化合
物,ガラス短繊維などを充填複合化したチップをTダイ
より溶融押出しし,シート化するという方法が一般に使
われている。
しかし,この方法の場合,確かに表面平滑で長手方向
(以下MD方向という)には高弾性率のシートを製造する
ことができるが,Tダイよりの溶融押出し時にポリエチレ
ンテレフタレート分子およびガラス短繊維が配向し,巾
方向(以下TD方向という)の曲げ強度,曲げ弾性率はMD
方向のそれと比較して極端に低いシートしか製造できな
い。このような異方性の強いシートを産業上利用する場
合,設計上制約を受け利用分野を大幅に狭めている。
また,この異方性を緩和する方法として,ランダム配
向のガラス短繊維マット,ガラス長繊維スワールマッ
ト,ガラス繊維織物などをTダイより溶融押出し直後に
ラミネートするという方法も一部考案されている。ただ
し,この方法は設備も大規模となり,設備費も高く,生
産性も悪く,製造原価を高いものにしている。
また,電気絶縁ボードとしては,電気絶縁特性が優れ
るフェノール樹脂やエポキシ樹脂に代表される熱硬化性
樹脂のワニスを紙やガラス布帛に代表される基材にラミ
ネートした積層板が広く利用されている。ただしこの方
法は,設備も大規模となり,設備費も高く,生産性も悪
く,製造原価を高いものにしている。
該熱硬化性樹脂は耐薬品性,耐水性が優れるが積層板
用基材に紙を用いた場合,紙自身の耐薬品性が良くない
だけでなく,水分の吸湿による寸法変化も大きいため,
産業上の使用範囲がかなり限定される結果となる。
さらに,打抜き加工においては,クラックや層間剥離
がしばしば発生するためコスト高とはなるが40℃以上の
加熱状態で実施せざるを得ない状況である。
一方,ガラス布帛を基材に用いた積層板の場合は,寸
法安定性や耐薬品性は良くなるが,該ガラス布帛のコス
ト高による経済的制約を受けることとなり,打抜き加工
における問題も残存したままである。
(発明が解決しようとする課題) 上記のように,ポリエステル樹脂をマトリクスとし,
堅くて表面平滑なシートを得ようとした場合,従来の一
般的溶融押出し成形によるシートではMD方向,TD方向の
機械的性質の異方性が強すぎ,また,これを装置面で改
良しようとすると大規模な装置を必要とし,経済的に不
利であるという問題点があった。
また,電気絶縁ボードとしては,上記のように熱硬化
性樹脂と紙あるいはガラス布帛による積層板は,製造原
価が高いうえ,寸法安定性,耐薬品性,常温打抜き加工
性などを共に満足したものではなく,広い範囲の産業で
利用され得る電気絶縁ボードは製造されていない。
このような事情の中で,本発明は従来の一般的溶融押
出しシート成形方法で製造しても,Tダイよりの溶融押出
し時の分子および繊維状強化材の配向をおさえ,MD方向,
TD方向の機械的性質の異方性の少ないシートが得られる
樹脂組成物の提供と,該樹脂組成物からなる結晶化シー
ト状成形物を利用することで,安価でかつ電気絶縁ボー
ドとして用いるに必要な寸法安定性,耐薬品性,常温打
抜き加工性などを全て満足する熱可塑性電気絶縁ボード
を提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは,このような目的で鋭意研究を重ねた結
果,本発明に到達した。
すなわち,本発明はポリエチレンテレフタレートない
し少なくとも80モル%以上のエチレンテレフタレート系
繰り返し単位を有するポリエステル100重量部に対し
て,(イ)平均粒径50μ以下の無機化合物5〜30重量
部,(ロ)フェニレンビスオキサゾリンを0.1〜10重量
部,(ハ)繊維状強化材5〜50重量部を配合してなる押
出し成形シート用樹脂組成物および該樹脂組成物を用い
たシートを結晶化度10%以上に熱処理した電気絶縁ボー
ドに関するものである。
ポリエステル樹脂が電気絶縁特性が良好であり,寸法
安定性,耐水性,耐薬品性も優れていることは,従来よ
り良く知られているが,押出し成形シートを電気絶縁ボ
ードとして使用する場合の力学的特性は不十分であるた
め,(ハ)成分,すなわちガラス繊維などの繊維状強化
材が必要であるが,シート成形の溶融押出し時に分子お
よび繊維状強化材が配向するため,力学的特性におい
て,高い異方性を示す。この異方性緩和剤として(ロ)
成分,すなわちフェニレンビスオキサゾリンを添加せし
めることが必要なことを見出した。
すなわち,フェニレンビスオキサゾリンとポリエチレ
ンテレフタレートの分子が溶融混練時に一部架橋反応を
起こし,二次元的な分子構造を一部生成し,Tダイよりの
溶融押出し時の分子および繊維状強化材の配向を妨げる
働きをする。(イ)成分,すなわち平均粒径50μ以下の
無機化合物はシート表面の平滑性の付与,機械的性質の
異方性の緩和,結晶化促進剤の効果が大である。あらゆ
る産業分野で広く利用され得る電気絶縁ボードとして
は,さらに弾性率,耐熱性の向上が必要であるが,該樹
脂組成物を用いたシートを結晶化度10%以上に熱処理せ
しめることが必要である。
なお,本発明における樹脂組成物は必要に応じてさら
に熱安定剤,酸化安定剤,光安定剤,滑剤,顔料,難燃
剤,可塑剤などの添加剤を配合してもよい。
(作用) ポリエステル樹脂に成分(イ),(ロ),(ハ)を配
合することにより得られる押出し成形シート用の樹脂組
成物から押出し成形により得られたシートは表面平滑で
高弾性率,しかもMD方向TD方向の機械的性質の異方性の
少ない値を示し,押出し成形シート用材料として有用な
組成物であり,該組成物からなるシートを10%以上結晶
化させると,さらに高弾性率となり,常温の打抜き加工
においてもクラック,層間剥離発生が無く,従来用いら
れてきた熱硬化性樹脂による積層板より著しい加工性向
上が認められる。
ここで述べた結晶化度は,赤外全反射吸収スペクトル
法により求められる。その方法について以下に述べる。
厚さ100μmのポリエステルフィルムを熱処理の温度
と時間を変え,10種類の結晶化度測定標準試料を作製し,
FT−IR−ATRスペクトルを測定し,結晶化バンド1341cm
-1と規格化バンド1409cm-1の吸光度比(P)を求める。
これら2種のバンドのポリエステル樹脂の結晶化度依存
性については,Journal Polymer Science,Polymer Lette
r Edition,VOL.12,P.13(1974)に詳しく記載されてい
る。この吸光度比(P)を10種類の試料について密度法
で求めた結晶化度(Xc)に対してプロットすると,下記
に示す直線関係が得られる。
(関係式I) Xc=37.81P−7.44(%) ポリエステル樹脂の結晶化度(Xc)と密度(ρx)の
関係についてはよく知られており, (関係式II) (ただし,ρcは結晶化ポリエステル樹脂の密度で1.45
5g/cm3,ρaは非晶ポリエステル樹脂の密度で1.335g/cm
3である。) の関係式で求められる。そこで未知試料の結晶化度は,1
341cm-1バンドと1409cm-1バンドの吸光度比から上記関
係式Iを用いることにより,結晶化度を求めることがで
きる。
該方法で測定した結晶化度が10%に到らない場合は,
シートの弾性率が不足し,打抜き加工時の変形およびス
ポットハンダ作業時の熱変形が生じるため,結晶化度は
10%以上,好ましくは18%以上が必要である。シートを
結晶化させる方法としては,一般的にはTダイより押出
し,冷却ロールで成形された非晶シートをガラス転移点
以上,融点以下の温度で両面より熱プレスする方法が最
も短時間で実施でき好ましいが,熱風オーブン中(遠)
赤外線ヒーター照射,熱ロールプレスなどを採用しても
よい。
本発明において用いられるポリエチレンテレフタレー
トとは,テレフタル酸ないしテレフタル酸のエステルと
エチレングリコールとから通常の溶融重合法で得られる
もの,ないしはそれを固相重合処理をしたものである。
そして少なくとも80モル%以上のエチレンテレフタレー
ト繰り返し単位を有するポリエステルとは,80モル%以
上のエチレンテレフタレート繰り返し単位と他の繰り返
し単位,すなわち他の共重合成分とからなる共重合体を
意味し,上記の他の共重合成分としては種々の酸成分,
グリコール成分を使用することができる。
たとえば酸成分としては,イソフタル酸,ナフタレン
ジカルボン酸,ジフェニルエーテルジカルボン酸,ジフ
ェニルメタンジカルボン酸,ジフェニルスルホンジカル
ボン酸,p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸,5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸,アジピン酸,アゼライン
酸,セバシン酸,ドデカン−1,12−ジカルボン酸,テト
ラデカン−1,14−ジカルボン酸,ヘキサデカン−1,16−
ジカルボン酸,オクタデカン−1,18−ジカルボン酸,6−
エチル−ヘキサデサン−1,16−ジカルボン酸などを挙げ
ることができる。
また,グリコール成分としてはプロピレングリコー
ル,ジエチレングリコール,ブチレングリコール,ペン
チルグリコール,ネオペンチルグリコール,ヘキサメチ
レングリコール,ポリエチレングリコール,ポリテトラ
メチレングリコールなどのポリアルキレングリコールな
どを挙げることができる。
本発明の(イ)成分として使用される電気絶縁性無機
化合物は,その粒径,形状によってシート表面の平滑
剤,強化材,機械的性質の異方性の緩和剤,結晶核剤と
しての効果が好なる。平均粒径が約50μを越えるとその
効果が小さくなるので,通例は平均粒径50μ以下の無機
化合物が有用である。
具体例としてはシリカ,炭酸カルシウム,合成ケイ酸
およびケイ酸塩,亜鉛華,ハロサイトクレー,カオリ
ン,塩基性炭酸マグネシウム,マイカ,タルク,石英
粉,ウォラストナイト,ドロマイト粉,酸化チタン,硫
酸バリウム,硫酸カルシウム,アルミナなどを挙げるこ
とができ,これらの無機化合物の一種またはそれ以上を
使用することができる。なかでもタルク,マイカ,ウォ
ラストナイトが本発明において効果が大きい。(ロ)成
分として用いられるフェニレンビスオキサゾリンとは下
記一般式で示される化合物である。
一般式中のR1〜R8はそれぞれ水素原子または一価の炭
化水素基であるが,特に水素原子であることが好まし
い。
該化合物の具体例としては,2,2′−(1,2−フェニレ
ン)−ビス(2−オキサゾリン),2,2′−(1,3−フェ
ニレン)−ビス(2−オキサゾリン),2,2′−(1,4−
フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン),2,2′−(1,
2−フェニレン)−ビス(4−メチル−2−オキサゾリ
ン),2,2′−(1,3−フェニレン)−ビス(4−メチル
−2−オキサゾリン),2,2′−(1,4−フェニレン)−
ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)などが挙げられ
る。該化合物中のオキサゾリン基がポリエステル分子と
溶融混練中に架橋反応を起こし,二次元的分子構造を形
成し,結果として力学的特性における異方性が緩和され
る。
本発明において用いられる繊維状強化材としては,た
とえばガラス繊維,炭素繊維,芳香族ポリアミド繊維,
炭化ケイ素繊維,チタン酸繊維などを具体例として挙げ
ることができる。通常はガラス繊維がよく使用される。
また,各種繊維の直径および長さについては特に制限さ
れるものではないが,繊維長が長すぎるとポリエステル
や他の配合剤と均一に混合,分散させることが難しく,
逆に繊維長が短かすぎると強化材としての効果が不十分
となるため,通常は0.1〜10mmの繊維長のものが使用さ
れ,特に繊維状強化材がガラス繊維である場合には繊維
長としては0.1〜7mmが好ましく,さらには0.3〜4mmが望
ましい。
また,繊維状強化材はポリエステルとの界面接着力を
向上させて補強効果を上げる目的で,必要に応じて種々
の化合物で処理したものを使用することができる。繊維
状強化材としてガラス繊維を使用する際には,種々の表
面処理剤,たとえばビニルトリエトキシシラン,γ−メ
タクリロキシプロピルメトキシシラン,β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン,
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン,γ−クロロプロピル
メトキシシラン,γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シランなどのシラン系処理剤,メタクリレートクロミッ
ククロリドなどのクロム系処理剤で処理したものが使用
される。
本発明の樹脂組成物中の各成分の配合比については,
(イ)成分,すなわち平均粒径50μ以下の無機化合物は
シートの表面平滑剤,強化材,機械的性質の異方性緩和
剤,結晶核剤というように多機能を目的とする添加剤で
ある。ポリエステル成分100重量部に対して5重量部よ
り少ないとシートの表面平滑剤,機械的性質の異方性緩
和剤,強化材としての効果が不十分であり,また逆に30
重量部より多く配合すると機械的性質が著しく劣化す
る。したがって(イ)成分の配合量はポリエステル成分
100重量部に対して5〜30重量部であり,好ましくは10
〜24重量部である。(ロ)成分,すなわちフェニレンビ
スオキサゾリンの配合量に関しては,0.1重量部より少な
いと架橋結合による二次元的分子構造の生成が不十分で
あり,逆に10重量部より多く配合してもゲル化を促進す
るので好ましくない。したがって(ロ)成分の配合量は
0.1〜10重量部,好ましくは0.2〜5重量部である。
(ハ)成分,繊維状強化材の配合量に関しては5重量部
より少ないと強化材としての効果が不十分であり,50重
量部を越えるとシート表面の平滑性を著しく悪くする。
したがって,繊維状強化材の配合量は5〜50重量部であ
り,好ましくは10〜40重量部である。
(実施例) 実施例1〜3 極限粘度0.95のポリエチレンテレフタレート100重量
部に,第1表に示すような本発明による組成3種類(実
施例1〜3)をそれぞれ配合して2軸押出機で溶融混練
してペレットを作成し,これをTダイを用いた押出しシ
ート成形装置にて1mm厚のシートに成形したところ,第
2表に示すように表面平滑で外観上良好なシートを得る
ことができた。また,曲げ強度および曲げ弾性率を測定
したところ,異方性の低い物性値を示し良好な結果であ
った。
比較例1〜6 前述の実施例1〜3と同じポリエチレンテレフタレー
ト100部に,第1表に示すような比較用組成6種類(比
較例1〜6)をそれぞれ配合して,2軸押出機で溶融混練
してペレットを作成し,これをTダイを用いた押出しシ
ート成形装置にて押出し作業を行ったところ,第2表に
示すように2,2′−(1,3−フェニレン)−ビス(2−オ
キサゾリン)を13重量部と多量に含む比較例4のものは
ゲル化物質が発生し,シート成形が不可能となった。ま
た,無機化合物がタルク,マイカ合計36重量部含まれる
比較例2は,やや荒れた表面のシートとなり,並びにガ
ラス繊維が55重量部も含まれる比較例6は荒れた表面の
シートとなり,商品価値のないものであった。
さらに,比較例1,2,3,5のものについて曲げ強度,曲
げ弾性率を測定したところ,無機化合物が4重量部と少
ない比較例1およびPB0を含まない比較例3のものは異
方性が高く,無機化合物を36重量部を含む比較例2およ
びガラス繊維が3重量部と少ない比較例5のものは曲げ
強度が低く,いずれも商品価値の低いものであった。
実施例4〜7 実施例1で作成したシートについて,温度170℃の熱
プレス装置を用いて0.5Kg/cm2の圧力下で1分間熱付与
による結晶化を行ったところ,第3表に示すように結晶
化度が30%になった(実施例4)。同様に実施例1で作
成したシートについて温度120℃,圧力0.5Kg/cm2で1分
間熱付与による結晶化を行ったところ,結晶化度が14%
になった(実施例5)。
さらに,実施例2および3で作成したシートについ
て,温度170℃,圧力0.5Kg/cm2で1分間熱付与による結
晶化を行ったところ,結晶化度がそれぞれ32%および31
%になった(実施例6および7)。これら4種類の結晶
化剤シートについて,電気絶縁ボードとして必要な代表
的性質である曲げ強度,表面抵抗率,吸水率,耐水性,
適性打抜き加工温度の測定を行ったところ,第3表に示
すように全てに良好な結果を示し,広範囲な用途に使用
可能であることが判明した。
比較例7〜11 実施例1で作成したシートおよび実施例2で作成した
シートの結晶化度は0であった(比較例7および9)。
また実施例1および3のシートを実施例4〜7と同じよ
うに温度105℃,圧力0.5Kg/cm2で1分間熱付与による結
晶化を行ったところ,結晶化度がいずれも8%となった
(比較例8および10)。これら4種類のシートについ
て,実施例4〜7と同様,電気絶縁ボードとして必要な
物性に関する測定を行ったところ,第3表に示すように
曲げ強度が低く,かなり限定された用途にしか利用でき
ないものであることが判明した。
さらに,同様の測定を従来電気絶縁ボードとして使用
されてきた紙フェノール積層板について実施したとこ
ろ,曲げ強度は他の比較例よりも優れた結果を示したも
のの,耐水性が劣り,打抜き加工に適正な温度も145℃
と高い値を示していた(比較例11)。
(発明の効果) 本発明の樹脂組成物からなる押出し成形シートは力学
的特性における異方性が低く,また,かかる成形シート
を結晶化せしめた電気絶縁ボードは,小規模な設備によ
り,高効率に製造することが可能であるにもかかわら
ず,寸法安定性,耐薬品性,常温打抜き加工性に優れ,
かつ高弾性率で衝撃強度も高いものである。そのため広
範囲な産業で利用可能で,過酷な条件下でも使用できる
という格別なる効果を奏する新しい熱可塑性電気絶縁ボ
ードである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥村 新司 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式 会社中央研究所内 (72)発明者 中山 泰樹 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式 会社中央研究所内 審査官 佐藤 智康 (56)参考文献 特開 平2−124942(JP,A) 特開 昭63−234058(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレンテレフタレートないし少なく
    とも80モル%以上のエチレンテレフタレート系繰り返し
    単位を有するポリエステル100重量部に対して,(イ)
    平均粒径50μ以下の無機化合物5〜30重量部,(ロ)フ
    ェニレンビスオキサゾリンを0.1〜10重量部,(ハ)繊
    維状強化材5〜50重量部を配合してなる押出し成形シー
    ト用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の押出し成形シート用樹
    脂組成物を用いたシートを結晶化度10%以上に熱処理し
    た電気絶縁ボード。
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JP3351475B2 (ja) * 1992-10-03 2002-11-25 ユニチカ株式会社 積層板及びその製造方法
RU2481951C1 (ru) * 2011-12-27 2013-05-20 Открытое акционерное общество "Институт пластмасс имени Г.С. Петрова" Способ получения полимерной ленты из вторичного полиэтилентерефталата
RU2481952C1 (ru) * 2011-12-27 2013-05-20 Открытое акционерное общество "Институт пластмасс имени Г.С. Петрова" Способ получения полимерной ленты из вторичного полиэтилентерефталата

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