JP2596064Y2 - 自動丁合機ラインに接続して刷本を綴止する針金綴機械における針金挿通ロッド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、自動丁合機ラインに
接続し、ラインで移送される刷本を連続して綴止をする
針金綴機械における針金挿通ロッド装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、針金挿通ロッド装置には、実公昭
５２−２１５０３号公報に掲載されるように、この公報
で従来例として説明している考案（以下公報従前例考案
という）と、この公報で提案した考案（以下公報考案と
いう）とが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】公報従前例考案では、
公報において詳述されるように柱ロッドの先端両側に内
側から内壁に装備する折曲溝板を前後の２個所において
ネジにより止着するものであったから、構造上において
正確に芯（左右の溝孔を一致させ、夫々の前後を一致さ
せること）を出すことができなく、綴止不良を起すこと
があった。また溝孔板の溝孔が磨耗又は損傷する欠点が
あった。

【０００４】次に、前述の公報考案では、同じく柱ロッ
ドの先端内側に嵌合する固定駒を、左右に分割して設
け、その内側縁を対応させ、その内側縁間に渡って設け
た斜状孔にテーパーナットを嵌合し、そのテーパーナッ
トを下方からネジにより引き寄せ、固定駒を左右に移動
し、折曲溝板を柱ロットに圧接固定するものであるか
ら、ネジを締め上げてテーパーナットにより固定駒を左
右に押し出し、柱ロッドの両側を内側から押し出し外側
に突出変形させる要因を内在的に有する。しかも、その
折曲溝板を配置するために、その柱ロッドの先端の側壁
部は、その嵌合厚み分を削り取られているので、厚みが
１／２となり、強度が半減し、溝孔板を取付ける圧力で
容易に外側へ側壁部を押し出して変形突出させるから柱
ロットの往復動による摺擦で、柱ロッドの先端外側面お
よび本体の案内面を著しく磨耗し、ガタを発生し、折曲
針金を正確に案内することができなく、特に針金が刷本
に斜に入ることがあって受金の横にずれ、受金の折曲作
用を受けないため、針金が真直に突出し、非常に危険な
綴本を送り出す欠点がある。

【０００５】また折曲溝板は固定駒の単なる押圧力で固
定されているから、取付位置が一定せず芯をだすことが
できないことは勿論、柱ロッドが往復作動しているうち
に移動し、先端から抜け落ちる欠点がある。

【０００６】この考案は、前述の公報従前例考案、およ
び公報考案がもつ欠点を除去し、近年綴厚みが大きくな
った週刊漫画誌を高速で正確に綴止ができる針金挿通ロ
ッド装置を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】柱ロッド主体の先端に取
付部を同一部材から削設して突出形成し、その両側面の
所要部を突出連接面部に設け、綴金用切断針金をコ字形
に折曲嵌入する折曲溝を有する折曲溝板の内面に形成し
た凹陥連接面部を嵌合して取付けることを特徴とする自
動丁合機ラインに接続して刷本を綴止する針金綴機械に
おける針金挿通ロッド装置にある。

【０００８】柱ロッド主体の前端に取付部を同一部材か
ら削設して突出形成し、その両側面の所要部を柱ロッド
主体の溝路の内側面より外方に突出させて突出連接面部
に設け、綴金用切断針金をコ字形に折曲嵌入する折曲溝
を有する折曲溝板の内面に形成した凹陥連接面部を嵌合
して取付けるようにしてもよいものである。

【０００９】柱ロッド主体の前端の取付部の下半両側に
開孔するネジ孔を設け、凹陥連接面部を取付部に嵌合す
る折曲溝板をネジ止めしてもよいものである。

【００１０】折曲溝板の下半前後に、柱ロッド主体の先
端の取付部の下半両側に螺合するネジの取付凹陥座およ
び取付孔を前後に一対設け、取付部の両側に取付可能と
するようにしてもよいものである。

【００１１】

【実施例】以下、この考案の自動丁合機ラインに接続し
て刷本を綴止する針金綴機械における針金挿通ロッド装
置（以下、針金挿通ロッド装置という）を実施例を示す
図面により説明すると、１はこの考案の針金挿通ロッド
装置で、図１および図２に示すように、柱ロッド２と突
き出しロッド３とから構成される。

【００１２】前記柱ロッド２は、図１、図２および図３
〜図６に示すように、柱ロッド主体４と、図７〜図８に
示すように、その柱ロッド主体４の先端の左側面に取付
けられる左側折曲溝板５ａと、右側面に取付けられる右
側折曲溝板５ｂからなる。なお、図９に示すように、左
側面と、右側面の両方に取付けられる両側面兼用折曲溝
板２４から設けてもよいものである。

【００１３】柱ロッド主体４の先端に、同一部材から削
設して角柱型の取付部７を突出形成し、その角柱型の取
付部７に前記左側折曲溝板５ａおよび右側折曲溝板５ｂ
を取付ける。また、両側面兼用折曲溝板２４を取付けて
もいよいものである。

【００１４】前記角柱型の取付部７は、その取付部上面
７ａを、柱ロッド主体４の溝路６の内底面６ａと同一延
長面に、その取付部下面７ｃを、柱ロッド主体４の下面
４ａと一致する同一延長面に夫々形成し、その柱ロッド
主体４の左外側面４ｂ１および右外側面４ｂ２より内側
であって、かつ前記左側折曲溝板５ａおよび右側折曲溝
板５ｂまたは両側兼用折曲溝板２４を取付ける左側突出
連接面部７ｂ１と右側突出連接面部７ｂ２を、柱ロッド
主体４の溝路６の対応する前半内壁面６ｂ１、６ｂ２よ
り夫々外方に突出させ、左側突出連接面部７ｂ１と右側
突出連接面部７ｂ２の上面を角柱型の取付部７の取付部
上面７ａと一致し、反対の左側突出連接面部下面７ｃ１
および右側突出連接面部下面７ｃ２を取付部下面７ｃよ
り上方の中間に形成し、その左側突出連接面部下面７ｃ
１、右側突出連接面部７ｃ２より下方を左側突出連接面
部７ｂ１と右側突出連接面部７ｂ２より凹陥する凹陥左
側面部７ｂ１１と凹陥右側面部側面７ｂ１２を形成し、
前記左側突出連接面部７ｂ１および右側突出連接面部７
ｂ２に前記左側折曲溝板５ａおよび右側折曲溝板５ｂの
各内側面に形成された凹陥連接面部１８または両側面兼
用折曲溝板２４の内側面に形成された凹陥連接面部１８
ａを夫々係合連接すると共に、前記左側突出連接面部７
ｂ１および右側突出連接面部７ｂ２の夫々に前後に貫通
して開口した取付けネジ孔８、９に螺合するネジにより
その左側折曲溝板５ａおよび右側折曲溝板５ｂまたは両
側面兼用折曲溝板２４を取付けている。そして角柱型の
取付部 ７の先端面７ｄと下面７ｃを円弧面７ｅで接続し
ている。

【００１５】前記柱ロッド主体４の溝路６の対応する前
半内壁面６ｂ１、６ｂ２の上部に後述する突き出しロッ
ド３に設けられる突出部板３ｂの突き出し翼２５を上面
から嵌合自在に通す凹陥溝６ｂ１１、６ｂ２１を削設し
ている。

【００１６】前記柱ロッド主体４の先端の下面に所要長
さ凹陥し、切欠口が左側面に開口して天井面を前記左側
突出連接面部下面７ｃ１と一致する凹陥取付座１０を設
け、その凹陥取付座１０に取付ネジ孔１１、１２を開設
し、針金カッター作動用の操作爪１３を取付けるように
している。

【００１７】前記柱ロッド主体４の基端に取付ネジ孔１
４を設け、これに螺合する関連ピン１５を下面４ａに突
設している。

【００１８】前記左側折曲溝板５ａは、図７に示すよう
に内面上部により針金１６を通す折曲溝１７を針金の番
手に合せて設け、その下半内面に内面より凹陥する凹陥
連接面部１８を設け、柱ロッド主体４の角柱型の取付部
７の左側突出連接面部７ｂ１に嵌合して連接させると共
に、その左側折曲溝孔板５ａの後半に柱ロッド主体４の
角柱型の取付部７の左側突出連接面部７ｂ１の取付ネジ
孔８、９と一致して内外に貫通する取付孔１９、２０を
開孔し、かつ外面にネジ２１の頭部２１ａを嵌合する凹
陥取付座２２、２３を設け、前半部を角柱型の取付部７
より前方へ突出させて取付ける。

【００１９】右側の右側折曲溝板５ｂについても、左側
折曲溝板５ａと同様に設けられる。

【００２０】前記両側面兼用折曲溝板２４は、凹陥連接
面部１８ａを内側面に形成され、取付孔１９、２０およ
び凹陥取付座２２、２３を前後に設けた実施例であっ
て、左右を同一の折曲溝板にて兼用できる。

【００２１】前記突き出しロッド３は、図１０に示すよ
うに角柱形に形成され、その先端部の両側には、突き出
し翼２５を突設し、先端には針金嵌入溝２６を有してい
る。

【００２２】前記突き出し翼２５と前記針金嵌入溝２６
とが磨耗するため、これを交換部品として、突き出しロ
ッド３を図１１および図１２に示すように、突き出しロ
ッド主部３ａと図１２〜１５に示すように突出部板３ｂ
とから構成する。

【００２３】前記突き出しロッド主部３ａは、先端に取
付け段部２７を設け、下面に取付ボルト２８の嵌合凹陥
座２９を有する取付孔３０を形成している。

【００２４】前記突出部板３ｂは、方形ブロックから削
り出されて、幅が前記突き出しロッド主部３ａの幅と、
また前後長が取付け段部２７と一致する所要長と高さに
形成されると共に、その両側に突き出し翼２５となる突
条３１を底面と一致させて適宜厚突出して形成し、先端
に針金嵌入溝２６となる切込み３２を、前記突条３１と
同じ厚みの深さだけ入れて形成し、さらに中央上下に貫
通する取付ネジ孔３３を開設している。

【００２５】なお、突き出しロッド主部３ａの後端にも
ネジ孔３４が設けられ、上面に突出する連結ピン３５が
螺着される。

【００２６】前述のように構成されたこの考案の針金挿
通ロッド装置１は、図１６に示すように綴機本体３６に
組付けられて、綴止が終った段階で綴止用の針金１６が
綴機本体３６の本体上面３６ａ、柱ロッド２の上面およ
び支持杆３７の先端面に形成された支持溝３８に嵌入し
て横断し、先端を反対側まで繰り出される。

【００２７】次に柱ロッド２が後方へ移動して戻ると
き、針金カッター作動用の操作爪１３が衝突して針金カ
ッター３９を作用し、針金１６を切断する。柱ロッド２
の先端は針金部分を越えて後方へ移動するから支持杆３
７は、ばね作用（図示しない）で先端を綴機本体３６の
内方へ回動し、綴機本体３６の本体上面３６ａと支持溝
３８の挾持圧とで、切断針金１６ａを定位置に保持す
る。

【００２８】次に図１７に示すように柱ロッド２のみが
突き出しロッド３をそのままにして前方へ移動するの
で、切断針金１６ａは支持溝３８より両側に出ている部
分を左側折曲溝孔板５ａと右側折曲溝孔板５ｂの折曲溝
１７、１７へ嵌入されて突出部１６ａ１１および突出部
１６ａ１２を有してコ字形に折曲され、柱ロッド２は前
方の所定位置まで移動して停止する。

【００２９】次に図１７において、突き出しロッド３が
前方へ移動するから前端が支持杆３７の先端に接する
と、これを上方へ押し上げ、切断針金１６ａに嵌合する
支持溝３８を上げて切断針金１６ａから外し、次にその
切断針金１６ａを突き出しロッド３の先端に設けた針金
嵌入溝２６に嵌入して前方へ押し出し、このとき、突き
出しロッド３の先端が中押え４０を上方の支軸（図示し
ない）を中心に回動させるので、切断針金１６ａの突き
差し部１６ａ１、１６ａ２を折曲溝１７、１７に嵌合し
た状態を保持し、刷本４１に対して所定の角度を維持し
て押し込むものである。

【００３０】前述の柱ロッド２および突き出しロッド３
の作動に関連し、刷本４１の反対側では受金４２、４２
が対応設されていて、突出部１６ａ１１、１６ａ１２を
対応向に折曲げて刷本４１に圧接するものである。

【００３１】かくして、柱ロッド２および突き出しロッ
ド３は一緒に後方へ戻り、綴止の一工程を終了する。全
体は新しい刷本が移送される位置に戻り、そこで刷本を
挾持して前記綴止工程を行うものである。刷本に対して
綴止個所が２個所のときは同時に行うものであること勿
論である。

【００３２】

【効果】この考案は以上のように、折曲溝孔板を柱ロッ
ド主体の取付部に内面を嵌合して連接し、また後端を柱
ロッド主体の前端に連接し、それからネジ着により取付
けるものであるから、左右の折曲溝を正確に芯をだすこ
とができ、しかも強固に固着して緩むことがなく、した
がって、柱ロッドの作用で切断針金をコ字形に折曲して
折曲溝に装填し、また突き出しロッドの作用で針金を刷
本に狂いなく真直に突き差すことができ、近年、特に大
量に発刊される分厚い週刊漫画誌の綴金に威力発揮する
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の針金挿通ロッド装置の側面図であ
る。

【図２】同じく、その正面図である。

【図３】柱ロッドを構成する柱ロッド主体の側面図であ
る。

【図４】同じく、その柱ロッド主体の正面図である。

【図５】同じく、平面図である。

【図６】同じく、底面図である。

【図７】前記柱ロッド主体の先端左側に取付ける左側折
曲溝板の内側面図である。

【図８】同じく、その左側折曲溝板の先端側からみた端
面図である。

【図９】同じく、その両側面兼用折曲溝板の実施例を示
す内側面図である。

【図１０】突き出しロッドの側面図ある。

【図１１】突き出しロッドを構成する突き出しロッド主
部の先端部の部分側面図である。

【図１２】同じく、その先端部の部分底面図である。

【図１３】前記突き出しロッド主部の先端部上面に取付
けられる針金突出板の側面図である。

【図１４】同じく、その針金突出板の平面図である。

【図１５】同じく、図１４のＡ−Ａ線に沿う断面図であ
る。

【図１６】この考案の針金挿通ロッド装置が綴機本体に
組付けられた状態の概略および刷本の綴止が終了した状
態の工程説明図である。

【図１７】柱ロッドおよび突き出しロッドの前方へ切断
針金が支持された状態の工程説明図である。

【図１８】柱ロッドのみが移動して切断針金をコ字形に
折曲し、かつ左側折曲溝板と右側折曲溝板に装填した状
態の工程説明図である。

【符号の説明】

１ 針金挿通ロッド装置 ２ 柱ロッド ３ 突き出しロッド ３ａ 突き出しロッド主部 ３ｂ 突出部板 ４ 柱ロッド主体 ４ａ 下面４ｂ１ 左外側面 ４ｂ２ 右外側面 ５ａ 左側折曲溝板 ５ｂ 右側折曲溝板 ６ 溝路 ６ａ 内底面 ６ｂ１ 前半内壁面 ６ｂ２ 前半内壁面 ６ｂ１１ 凹陥溝 ６ｂ２１ 凹陥溝 ６ｃ 下面 ７ 角柱型の取付部 ７ａ 取付部上面 ７ｂ１ 左側突出連接面部 ７ｂ２ 右側突出連接面部 ７ｂ１１ 凹陥左側面部 ７ｂ２１ 凹陥右側面部 ７ｃ 取付部下面 ７ｃ１ 左側突出連接面部下面 ７ｃ２ 右側突出連接面部下面 ７ｄ 先端面 ７ｅ 円弧面 ８ 取付ネジ孔 ９ 取付ネジ孔 １０ 凹陥取付座 １１ 取付ネジ孔 １２ 取付ネジ孔 １３ 針金カッター作動用の操作爪 １４ 取付ネジ孔 １５ 関連ピン １６ 針金 １６ａ 切断針金１６ａ１ 突き差し部 １６ａ２ 突き差し部 １６ａ１１ 突出部 １６ａ１２ 突出部 １７ 折曲溝 １８ 凹陥連接面部 １８ａ 凹陥連接面部 １９ 取付孔 ２０ 取付孔 ２１ ネジ ２１ａ 頭部 ２２ 凹陥取付座 ２３ 凹陥取付座 ２４ 両側面兼用折曲溝板 ２５ 突き出し翼 ２６ 針金嵌入溝 ２７ 取付け段部 ２８ 取付ボルト ２９ 嵌合凹陥座 ３０ 取付孔 ３１ 突条 ３２ 切込み ３３ 取付ネジ孔 ３４ ネジ孔 ３５ 連結ピン３６ 綴機本体 ３６ａ 本体上面 ３７ 支持杆 ３８ 支持溝 ３９ 針金カッター ４０ 中押え ４１ 刷本 ４２ 受金

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 柱ロッド主体の先端に取付部を同一部材
   から削設して突出形成し、その両側面の所要部を突出連
   接面部に設け、綴金用切断針金をコ字形に折曲嵌入する
   折曲溝を有する折曲溝板の内面に形成した凹陥連接面部
   を嵌合して取付けることを特徴とする自動丁合機ライン
   に接続して刷本を綴止する針金綴機械における針金挿通
   ロッド装置。
2. 【請求項２】 柱ロッド主体の前端に取付部を同一部材
   から削設して突出形成し、その両側面の所要部を柱ロッ
   ド主体の溝路の内側面より外方に突出させて突出連接面
   部に設け、綴金用切断針金をコ字形に折曲嵌入する折曲
   溝を有する折曲溝板の内面に形成した凹陥連接面部を嵌
   合して、取付けることを特徴とする自動丁合機ラインに
   接続して刷本を綴止する針金綴機械における針金挿通ロ
   ッド装置。
3. 【請求項３】 柱ロッド主体の前端の取付部の下半両側
   に開孔するネジ孔を設け、凹陥連接面部を取付部に嵌合
   する折曲溝板をネジ止めしてなる請求項１の自動丁合機
   ラインに接続して刷本を綴止する針金綴機械における針
   金挿通ロッド装置。
4. 【請求項４】 折曲溝板の下半前後に、柱ロッド主体の
   先端の取付部の下半両側に螺合するネジの取付凹陥座お
   よび取付孔を前後に一対設け、取付部の両側に取付可能
   とすることを特徴とする請求項２または請求項３の自動
   丁合機ラインに接続して刷本を綴止する針金綴機械にお
   ける針金挿通ロッド装置。