JP2590871Y2 - ノズル閉塞栓付きのキャップ等 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はノズル閉塞栓付きのキャ
ップ等に係る。尚キャップ等とは、容器体を含む意であ
る。

【０００２】

【従来の技術】周壁上部からノズルを前方突出したキャ
ップ等は従来広く使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記ノズル開閉のため
にはノズル用の口キャップを設けることとなるが、液体
注出の都度、その口キャップを着脱することは面倒であ
り、従って口キャップを設けても使用しないことが多
い。しかし、口キャップを嵌合させないと容器転倒時等
にノズルから液洩れすることとなり、又埃等がノズルか
ら入ることとなる。

【０００４】本案はノズルを有する筒部上面を閉塞する
回動蓋を設けて、該回動蓋の起伏により該回動蓋が有す
る栓がノズル内端部を内方から開閉するよう設け、併せ
て該回動蓋一部と上記ノズルを有する筒部内面とに、該
筒部内面を閉塞する弾性弯曲薄板周縁を肉薄ヒンジを介
し連結することで、上記回動蓋が弾性弯曲薄板と共に弾
性反転して起伏するよう設けたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】周壁１上面を閉塞する頂
板２を開孔して該開孔周縁から横断面Ｄ字形状筒３を、
該筒の非弯曲壁3aを前方に位置させて起立すると共に、
非弯曲壁上部からノズル４を前方突出しておき、又上記
Ｄ字形状筒３の上面を閉塞する蓋板5a前端縁から上記非
弯曲壁3aの後面に接してノズル孔内端面を閉塞する逆山
形状の垂直板5bを垂下する回動蓋５を設けて、該回動蓋
の上記蓋板5aの前端上縁部を非弯曲壁3aの上端後縁へ第
１肉薄ヒンジ６を介して一体に連結させ、該第１肉薄ヒ
ンジを中心としての回動蓋５の弾性反転による起伏が可
能に、上記垂直板5b外縁に前端縁を、かつ側面からみて
Ｄ字形状筒の弯曲壁3bの前部上端と垂直板5b下端よりも
下方の弯曲壁前後部内面下部とを結ぶ仮想線上の弯曲壁
円面部分に左右両側および後縁部を、それぞれ第２肉薄
ヒンジ11を介し連結させることでＤ字形状筒３内面を弾
性弯曲薄板10で閉塞させ、上記垂直板前面から上記回動
蓋の回動によってノズル孔内縁部へ着脱する栓７を突設
すると共に蓋板5a後部を弯曲壁後面よりも後方まで突出
して該突出部を指掛け部5cとした。

【０００６】

【作用】図１および図２が示す閉蓋状態から、蓋板後部
が形成する指掛け部5cを上方へ押上げると、弯曲壁3bの
後部下端から垂直板5bの下端までの弾性弯曲薄板部分
は、上記後部下端から垂直板下端までの距離を半径とす
る第１円弧R1に沿って移動しようとするが、上記垂直板
5bは、第１肉薄ヒンジ６から垂直板下端までの距離を半
径とする第２円弧R2に沿って移動するため、上記第１円
弧R1と第２円弧R2とが最も離れた位置を死点として弾性
弯曲薄板10が弾性変形して反転することとなり、よって
上記両円弧の交点０へ図３が示すように垂直板下端が移
動して停止し、開栓状態を保つ。該開栓位置からの閉栓
に際しても、弾性弯曲薄板10の弾性反転により回動蓋５
が回動して図１の状態に復帰し、閉栓する。尚かように
回動蓋５は弾性弯曲薄板10の弾性反転により回動するか
ら開栓時においても、又閉栓時においても弾性弯曲薄板
の弾性に抗して人為的に回動蓋の回動を行わない限り、
回動することがなく、従ってガタつくこともない。

【０００７】

【実施例】１はキャップ等の周壁であり、キャップとす
る場合はその周壁内面に容器体口頸部螺合用の螺条等を
設け、又容器とする場合はその周壁下端面を底壁で閉塞
する。

【０００８】周壁１上面を閉塞する頂板２は開孔し、か
つ該開孔周縁から横断面Ｄ字形状筒３を、該筒の非弯曲
壁3aを前方へ位置させて起立する。又該非弯曲壁3aの上
部からはノズル４を前方へ突出している。

【０００９】５は回動蓋で、上記Ｄ字状筒の上面を閉塞
する蓋板5aの前端縁から、非弯曲壁3aの後面に接してノ
ズル孔4aの内縁面を閉塞する逆山形状の垂直板5bを垂下
し、上記蓋板5aの前端上縁部を、非弯曲壁3aの上端後縁
へ第１肉薄ヒンジ６を介して一体に連結している。上記
蓋板5aは図１が示すようにその後部をＤ字形状筒の弯曲
壁3bの後面よりも後方まで突出して該突出部を指掛け部
5cとしており、又垂直板5bからは、上記第１肉薄ヒンジ
６を中心とする回動によってノズル孔内縁部へ着脱する
栓７を突設している。尚図５、図６が示すように、Ｄ字
形状筒３の非弯曲壁3a左右横巾が弯曲壁3bの左右直径部
分よりも狭い場合は、蓋板5aの左右横巾を非弯曲壁3aの
左右横巾とほぼ等しくし、該蓋板で閉塞できない弯曲壁
左右両側部分を固定板８、８で閉塞してもよい。９は回
動蓋の補強板である。

【００１０】10は弾性弯曲薄板で、上記第１肉薄ヒンジ
６を中心とする回動蓋５の起伏を弾性反転により行わせ
ると共に、その開閉蓋とは無関係に、常時Ｄ字形状筒上
端の開口をＤ字状筒内面において閉塞するよう設けたも
ので、図５が示すように、垂直板5a外縁に前端縁を、又
図３が示すように、側面からみて、弯曲壁3bの前部上端
と、垂直板5b下端よりも下方の弯曲壁後部内面下部とを
結ぶ仮想線上の弯曲壁内面部分に、左右両側および後縁
部を、それぞれ第２肉薄ヒンジ11を介し、連結させても
うけている。

【００１１】キャップ形成の際は、図示のように全体を
図３の回動蓋起立状態で合成樹脂材により一体成形で
き、又容器とする場合は周壁下端面を底板で閉塞するこ
とで二部材で形成できる。

【００１２】

【考案の効果】本案は既述構成とするもので、頂板２に
設けた開孔周縁から起立する筒部を横断面Ｄ字形状筒３
としたから、前部に位置させたその非弯曲壁3aの上端後
縁へ、第１肉薄ヒンジ６を介して蓋板5a前端上縁部を連
結させた回動蓋５の起伏が可能となり、又上記蓋板前端
縁から垂下して非弯曲壁3a後面に接する逆山形状の垂直
壁5bの外縁へ前端縁を、かつ側面からみて、弯曲壁3bの
前部上端と垂直板5b下端よりも下方の弯曲壁3b後部の内
面下部とを結ぶ仮想線上の弯曲壁3b内面部分に左右両側
および後縁部を、それぞれ第２肉薄ヒンジ11を介して連
結させることで、Ｄ字形状筒３内面を弾性弯曲薄板10で
閉塞させたから、上記回動蓋５の起伏に際して弾性弯曲
薄板10と共に回動蓋を弾性反転させることが出来、その
弾性反転により回動蓋５が起伏両時においてガタ付くこ
とがない。又上記非弯曲壁3a上部からノズル４を前方突
出し、かつ垂直板5bからそのノズル孔内縁部に嵌合する
栓７を突出したから、上記回動蓋の起伏によりノズル孔
を開閉でき、蓋板5a後部を弯曲壁3bの後面よりも後方ま
で突出して指掛け部5cとしたから、上記回動蓋５の起伏
による上記栓７の着脱が容易である。更に底板を設ける
場合を除き、全体を合成樹脂材で一体成形でき、従って
コストを廉価とすることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本案キャップ等の縦断面図である。

【図２】 そのキャップ等の側面図である。

【図３】 開栓状態で示す、そのキャップ等の断面図で
ある。

【図４】 開栓状態で示す、そのキャップ等の側面図で
ある。

【図５】 開栓状態で示す、そのキャップ等の平面図で
ある。

【図６】 閉栓状態で示す、そのキャップ等の平面図で
ある。

【符号の説明】

３…Ｄ字形状筒 ５…回動蓋 10…弾性弯曲薄板

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 周壁１上面を閉塞する頂板２を開孔して
   該開孔周縁から横断面Ｄ字形状筒３を、該筒の非弯曲壁
   3aを前方に位置させて起立すると共に、非弯曲壁上部か
   らノズル４を前方突出しておき、又上記Ｄ字形状筒３の
   上面を閉塞する蓋板5a前端縁から上記非弯曲壁3aの後面
   に接してノズル孔内端面を閉塞する逆山形状の垂直板5b
   を垂下する回動蓋５を設けて、該回動蓋の上記蓋板5aの
   前端上縁部を非弯曲壁3aの上端後縁へ第１肉薄ヒンジ６
   を介して一体に連結させ、該第１肉薄ヒンジを中心とし
   ての回動蓋５の弾性反転による起伏が可能に、上記垂直
   板5b外縁に前端縁を、かつ側面からみてＤ字形状筒の弯
   曲壁3bの前部上端と垂直板5b下端よりも下方の弯曲壁前
   後部内面下部とを結ぶ仮想線上の弯曲壁円面部分に左右
   両側および後縁部を、それぞれ第２肉薄ヒンジ11を介し
   連結させることでＤ字形状筒３内面を弾性弯曲薄板10で
   閉塞させ、上記垂直板前面から上記回動蓋の回動によっ
   てノズル孔内縁部へ着脱する栓７を突設すると共に蓋板
   5a後部を弯曲壁後面よりも後方まで突出して該突出部を
   指掛け部5cとしたことを特徴とするノズル閉塞栓付きの
   キャップ等。