JP2579255B2 - 杜仲葉エキス由来のアンジオテンシン転換酵素活性阻害剤 - Google Patents

杜仲葉エキス由来のアンジオテンシン転換酵素活性阻害剤

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JP2579255B2 JP3146175A JP14617591A JP2579255B2 JP 2579255 B2 JP2579255 B2 JP 2579255B2 JP 3146175 A JP3146175 A JP 3146175A JP 14617591 A JP14617591 A JP 14617591A JP 2579255 B2 JP2579255 B2 JP 2579255B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、杜仲(Eucommia ulmo
ides)の植物葉から得られ、かつ、アンジオテンシン転
換酵素阻害活性効果を有する杜仲葉由来のエキスに関す
るものである。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】中国原産の落葉性植
物であるトチュウ科トチュウの樹皮は、生薬として神農
本草経の上品に収載されている。杜仲の薬効として中薬
大辞典、中華人民共和国薬典には「肝腎を補う、筋骨を
強める、胎を安らげる効能があり、腰、背の酸痛、足膝
萎弱(膝の麻痺)、残尿、女性の不正出血、早流産、高
血圧を治す」などと記載されており、薬効成分としてイ
リドイド類化合物やリグナン類化合物が報告されてい
る。
【0003】現在、生薬として用いられている杜仲は、
ほとんど中国大陸その他で自生ないしは栽培されている
ものであって、樹齢20年程度の成木を伐採し、その樹
皮を剥離し、得られた皮部分を薬用原料として用いてい
る。
【0004】しかし、樹木の伐採および樹皮の剥離には
多大な労力を費やし、また樹皮を多量採取すると植物の
生存と生育に悪影響が及ぼす。そのため、薬用有効成分
の取得原料としては、樹木の伐採や樹皮の剥離を行なう
ことなく、簡単な作業で繰り返し採取できる材料が望ま
しい。
【0005】本発明者らは、鋭意研究の結果、薬用成分
を調製する過程において杜仲葉抽出エキス中にアンジオ
テンシン転換酵素活性を有する成分が存在するという知
見を得、先に特許出願を行なった(特願平1−2008
33号)。この成分の研究をさらに進めた結果、先願と
異なる画分が、アンジオテンシン転換酵素阻害活性を有
することを見い出し、この発明を完成した。
【0006】すなわち、この発明は、杜仲は落葉性であ
ることを利用し、杜仲の有効成分の取得原料部位とし
て、樹皮より簡単な操作で繰り返し採取できる材料であ
る葉を抽出処理することによって得られ、かつアンジオ
テンシン転換酵素活性阻害効果を有する杜仲葉由来の抽
出エキスを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明による杜仲葉エ
キス由来のアンジオテンシン転換酵素活性阻害剤は、杜
仲の植物葉を抽出処理し、得られた抽出液から調製する
ことを特徴とし、有効性分としてリリオデンドリン、ア
スペルロサイドおよびシリンジンを含むものである。
【0008】ここで、抽出原料としては、大量かつ容易
に繰り返し確保することが出来ることが必要であるので
葉が適当である。杜仲は落葉性植物であり、秋葉の採取
は、樹木に悪影響を与えることなく、かつ、大量の材料
を容易に確保できる点で有利である。ただし、抽出原料
は秋葉に限定されるものではない。原料葉は好ましくは
自然乾燥される。抽出用の溶媒の代表的な例は、水、特
に加熱水である。その他、抽出溶媒としては、メタノー
ル、エタノールなどの低級アルコールや、各種の有機溶
媒などが例示される。これらの有機溶媒は単独でまたは
2以上の組み合わせで使用される。エキスを飲用にする
には水で抽出するのが好ましい。抽出は加熱下に行なわ
れるが、室温でも良い。抽出回数は多いほど良いが、通
常は数回である。
【0009】抽出液からエキスを調製するには、抽出液
を吸着カラムに通すことによって抽出液中の含有成分を
吸着剤に吸着させ、ついで脱着溶媒を同じカラムに通す
ことによって同成分を脱着させる。吸着剤としては、活
性炭、疎水性イオン交換樹脂、例えば三菱化成社製のダ
イヤイオンHP−20などが用いられる。また、脱着溶
媒の代表的な例としては水−エタノール系が挙げられ
る。脱着液はついで濃縮され、さらにゲル濾過法などに
より、成分の分画を行なう。さらに必要に応じてシリカ
ゲル等を用いたカラムクロマトグラフィーで精製する。
【0010】こうして得られた杜仲葉抽出エキスは、ア
ンジオテンシン転換酵素阻害活性を有する。アンジオテ
ンシン転換酵素阻害活性は血圧降下成分のスクリーニン
グにおいて簡便なアッセイ系として用いられる。この発
明による抽出エキスはまた、血圧降下作用をもつことが
期待される。
【0011】
【発明の効果】この発明によれば、杜仲の有効成分の取
得原料部位として、樹皮より簡単な操作で繰り返し採取
できる材料である葉を抽出処理することによってアンジ
オテンシン転換酵素活性阻害剤が提供せられる。
【0012】
【実施例】つぎに、この発明をその実施例によって具体
的に説明する。
【0013】a) エキスの製造法 落葉する前に採取した杜仲葉を、水分含量が10重量%
以下になるまで乾燥させた。この杜仲葉1kgに蒸留水1
0Lを加え、杜仲葉を100℃で3時間加熱下に抽出処
理した。ついで、得られた抽出液を、予め蒸留水で洗浄
した疎水性イオン交換樹脂(三菱化成社製のダイヤイオ
ンHP−20)を充填したカラム(カラム体積800m
L)に通した。カラムを蒸留水で洗浄した後、エタノー
ルを3L流し、吸着成分を脱着させた。この画分を濃縮
し、30重量%メタノールに溶かした。これをさらに、
30重量%メタノールを移動相としたTOYO PEA
RL製のHW−40Sゲルを用いたカラムクロマトグラ
フィーで3つの画分に分画した。これら3つの画分をそ
れぞれ濃縮し、ポリアミドC−200を充填したカラム
クロマトグラフィーに通して脱色し、さらにシリカゲル
を充填したカラムに付し(移動相クロロホルム:メタノ
ール:水=70:30:5)、精製した。得られたフラ
クションをそれぞれ濃縮し、凍結乾燥した。こうして、
杜仲由来の3つの抽出エキスが得られた(E−1、E−
2およびE−3)。
【0014】b) エキスの分析 E−1、E−2およびE−3をクロロホルム:メタノー
ル:水=70:30:5の展開溶媒を用いてシリカゲル
薄層クロマトグラフィーに付し、それぞれの分析を行な
った。その展開状態を添付した図1に示す。図1中の抽
出エキスE−2のRf値は0.6である。
【0015】それぞれの主要成分(図1中に矢印で示し
た成分)をNMRを用いて構造解析した結果、E−1、
E−2およびE−3はそれぞれリリオデンドリン、アス
ペルロサイドおよびシリンジンであることが判った。画
分E−2に含まれるアスペルロサイドのNMR分析スペ
クトルを図2に示す。
【0016】c) アンジオテンシン転換酵素阻害活性 こうして得られた、杜仲葉由来の抽出エキス中の成分に
ついて、アンジオテンシン転換酵素阻害活性を検討し
た。アンジオテンシン転換酵素としてはSigma 社製のも
のを使用し、また反応系には同社のアンジオテンシン転
換酵素臨床キットを用いた。同キットの反応液の組成を
表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】反応は30℃で15分間行なった。この反
応系で通常は、ACEreagent 中に含まれる合成基質フリ
ルアクリロイルフェニルアラニルグリシンがACEcalibra
tor中に含まれるウサギのアンジオテンシン転換酵素に
より分解され、340nmの吸光度が減少するが、サンプ
ル液中に阻害活性物質が存在すると吸光度の減少度合が
なくなる。
【0019】杜仲葉由来の抽出エキスE−1、E−2お
よびE−3を約3mg/mLの濃度で0.1mL反応系に添加
し、アンジオテンシン転換酵素活性の阻害を調べた。そ
の結果を表2に示す。表2から明らかなように、E−2
はアンジオテンシン転換酵素活性を著しく阻害した。
【0020】
【表2】
【0021】アンジオテンシン転換酵素阻害活性は簡便
なアッセイ系として用いられており、E−2は血圧降下
作用を持つことが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】アンジオテンシン転換酵素阻害活性を有する画
分E−2(Rf値:0.6)のシリカゲル薄層クロマト
グラフィーの展開状態を示す図である。
【図2】抽出エキスE−2に含まれるアスペルロサイド
のNMR分析スペクトルである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杜仲葉エキス由来のリリオデンドリン、
    アスペルロサイドおよびシリンジンを含むアンジオテン
    シン転換酵素活性阻害剤。
JP3146175A 1991-06-18 1991-06-18 杜仲葉エキス由来のアンジオテンシン転換酵素活性阻害剤 Expired - Lifetime JP2579255B2 (ja)

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