JP2569698Y2

JP2569698Y2 - 光輝性装飾転写箔

Info

Publication number: JP2569698Y2
Application number: JP1991074930U
Authority: JP
Inventors: 裕充西畑; 広史岸田
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1991-09-18
Filing date: 1991-09-18
Publication date: 1998-04-28
Anticipated expiration: 2006-09-18
Also published as: JPH0526493U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、包装紙、包装袋、包装
箱、壁紙等種々の分野の対象物に転写される光輝性装飾
転写箔に関し、詳しくは、外光が反射されて種々の反射
光模様が箔表面に形成される光輝性装飾転写箔に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の光輝性装飾転写箔として
は、実公昭５３ー２１１２４号公報に記載されているよ
うな任意の図柄に金属蒸着膜を設けた転写箔を挙げるこ
とができる。上記転写箔により形成された転写層は、金
属蒸着膜のある部分は金属光沢が得られるが、金属蒸着
膜面は平滑でありフラットな金属光沢しか得られず光輝
性に欠けるという欠点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】したがって、本考案の
解決すべき主たる技術的課題は、転写箔の転写層が被転
写体に実際に転写されたとき、光反射層面に規則的な凹
凸を形成することにより外光を乱反射させて、平面的な
反射層では得られない光輝性に優れた反射光模様を形成
させるようにすることである。

【０００４】

【課題を解決するための手段・作用・効果】上記課題を
解決するために、本考案によれば以下の構成の光輝性装
飾転写箔が提供される。

【０００５】すなわち、この転写箔は、剥離層とその下
に形成される転写層とからなる。転写層は離型層と、透
明樹脂層と、光反射層と、接着層とが、上から下に向か
って順に積層された積層構造を有する。透明樹脂層は、
一定の規則性を有する所望の凹凸模様低面部と平面低面
部とが所望の装飾パターンに応じて形成された下面を有
する。一方、光反射層は、光反射部と、光透過部、すな
わち光反射層が欠落している部分とが上記装飾パターン
に応じて上記下面に形成される。すなわち、上記転写箔
は、透明樹脂層の平面低面部と光反射層の光反射部との
第１積層部と、透明樹脂層の平面低面部と光反射層の光
透過部との第２積層部と、透明樹脂層の凹凸模様低面部
と光反射層の光反射部との第３積層部とを有する。

【０００６】上記記載の各層を構成する材料として、た
とえば、剥離層には、ポリエステルフィルムや延伸ポリ
プロピレンフィルムが好適に使用され、離型層には、ア
クリル系樹脂が好適に使用される。一方、絵柄層には、
たとえば、アクリル樹脂が好適に使用され、透明樹脂層
には、たとえば、アクリル・ウレタン樹脂にセルロース
樹脂を添加した主剤にイソシアネート硬化剤を混合した
インキが好適に使用される。また、接着剤層には、たと
えば、塩素化ポリプロピレン樹脂やアクリル樹脂が好適
に使用される。なお、光反射層としては、一般的にアル
ミ等の金属材料が好適に使用されるが、金インキ又は銀
インキを使用することもできる。

【０００７】上記構成によれば、箔表面が滑らかであ
り、かつ離型層と透明樹脂層とを通過した外光は、この
光反射層の鏡面で反射し、これにより、外光を十分な反
射光量をもって反射させることができる。さらに、上記
２層を通過した外光は、透明樹脂層の下面に沿って形成
された光反射層の凹凸面で反射するため、この凹凸模様
に対応した反射光模様が箔表面に形成される。これによ
って、意匠的効果が非常に優れたものとなる。

【０００８】また、上記構成によれば、以下の３種類の
反射光が形成される。すなわち、第１積層部において
は、入射した外光は光反射層の光反射部により反射され
て単調な反射光が得られる。また、第２積層部において
は、入射した外光は、光反射層の光透過部を透過して特
別大きな反射はなされない。つまり、低反射光が得られ
る。さらに、第３積層部においては、入射した外光は、
光反射層の光反射部により反射されると共に、透明樹脂
層の凹凸模様低面部の凹凸模様に対応した反射光が得ら
れる。上記３種類の反射光によって、意匠的効果をより
優れたものにしているが、これら種類の反射光を実現す
るには、これまで複数の熱転写工程を必要としていた。
しかしながら、上記転写箔では、透明樹脂層下面の形状
と、該樹脂層の下面に対して積層される光反射層の積層
位置とを選択することにより、上記３種類の反射光によ
る意匠表現を一度の転写加工で行なうことができる。

【０００９】さらに、上記構成において、上記反射層は
金属蒸着層であることが好ましい。また、上記構成にお
いて、上記転写箔には、上記離型層と上記透明樹脂層と
の間に積層されて上記所望の装飾パターンに対応した絵
柄を有する絵柄層が備えられることが好ましい。

【００１０】このように構成すれば、上記所望の装飾パ
ターンに対応する装飾柄は自在に彩色され、これによっ
て、さらに意匠効果を高めることができる。

【００１１】

【実施例】以下に、本考案の一実施例を図１〜７に従っ
て詳細に説明する。図１は、本実施例に係る光輝性装飾
転写箔の断面を示している。図に示すように、この転写
箔は、転写後剥離される剥離層１とその下に形成される
転写層９とからなる。転写層９は、離型層５と、絵柄層
６と、透明樹脂層２と、光反射層としての金属蒸着層３
と、接着層４とが、上から下に向かって順に積層された
積層構造を有する。

【００１２】上記透明樹脂層２は、所望の凹凸模様を有
する低面部と、凹凸模様のない平面低面部とが、図２に
例示するような所望の装飾パターン「Ｄ」に応じて形成さ
れた下面を有する。この下面に積層された金属蒸着層３
も、上記の装飾パターンに応じたパターンを有する。す
なわち、上記転写箔は、図１に示すように透明樹脂層２
の平面低面部と金属蒸着層３の光反射部との第１積層部
fと、透明樹脂層２の平面低面部と金属蒸着層３の光透
過部すなわち金属蒸着層３が欠落している部分との第２
積層部gと、透明樹脂層２の凹凸模様低面部と金属蒸着
層３の光反射部との第３積層部hとを有する。これらの
各積層部f,g,hは、夫々、図２中、「Ｄ」の背景fと、「Ｄ」
の文字柄gと、文字柄gにより囲まれた部分hに対応して
いる。

【００１３】上記絵柄層６は、装飾パターン「Ｄ」の背景
部fに対応する色彩、たとえば透明黄色部と、「Ｄ」の文
字柄地gに対応する色彩、たとえば透明赤色部と、部分h
に対応する色彩、たとえば透明緑色部とから形成されて
いる。

【００１４】その装飾パターン「Ｄ」の部分hを形成する
透明樹脂層２の凹凸模様低面部の凹凸模様は、たとえば
図２に示されるように、種々の線模様から構成される。
これらの線模様の一部拡大図を図４に示す。ここに示さ
れた凹凸模様は、平行な多数の斜線模様であって、２a
は凸部を示し、２bは凹部を示している。

【００１５】この凹凸模様は種々変更することができ、
図５,６にその変形例を示している。図５の変形例は凸
点模様を示し、また、図６の変形例は凸部波線模様を示
している。

【００１６】上記構成においては、図１に示すように、
背景部fにおいては入射した外光Ｌ₁は、金属蒸着層３に
より光反射されかつ絵柄層６の透明黄色部を通って単調
な黄色反射光模様を呈する。また、gにおいては、そこ
に金属蒸着層３がないため光量の少ない反射光Ｌ₂,Ｌ₃
が絵柄層６の透明赤色部を通って、輝度の小さい赤色
「Ｄ」の地柄反射光模様を呈する。さらに、hにおいて
は、入射した外光は金属蒸着層３により反射されると共
に、透明樹脂層２の凹凸模様低面部の凹凸模様に対応し
た反射光Ｌ₄,Ｌ₅となる。この反射光は絵柄層の透明緑
色部を透過して輝度の高い線状の反射光模様を呈する。

【００１７】このように、「Ｄ」の背景fと、gと、hとで
種々異なった色柄と模様が得られ、これにより意匠的効
果がより優れたものになる。上記説明では装飾パターン
として「Ｄ」という一つのレタリングを例示したが、その
変形例の一つを図３に示している。

【００１８】図３における装飾パターンは、レタリング
「ＤＮＰ」とその背景rとから構成されている。この場合
には、たとえば、「Ｄ」の文字柄sを上記背景fと同様の構
成とし、「Ｎ」の文字柄tを上記「Ｄ」の文字柄gと同様の構
成とし、「Ｐ」の文字柄uを上記部分hと同様の構成として
いる。また、背景rも上記文字柄gと同様の構成としてい
るが、この場合には、その構成において、彩色された絵
柄の形成された絵柄層６を有していないために無彩色の
背景を呈している。

【００１９】なお、上記構成の転写箔は、以下の製造工
程に従って作られる。すなわち、図７の(Ａ)に示すよう
に、剥離層１と、離型層５と、絵柄層６とを上から下に
順に積層したものに、グラビア印刷方式にて透明樹脂層
２及び水洗プライマ層１０を更に積層し、その下面全体
にアルミ蒸着を施す。

【００２０】つぎに、これをシャワー水洗等により水を
金属蒸着層３から水洗プライマー層１０に浸透させた
後、該プライマ層１０を溶解除去すれば、このプライマ
層１０を被っている金属蒸着層３も同時に除去される。
このようにして金属蒸着層３が除去された状態を図７の
(Ｂ)に示している。しかる後、図７の(Ｃ)に示すように
上記金属蒸着層３の裏面及び該蒸着層３の除去された部
分に接着層４を塗布して本転写箔を得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る光輝性装飾転写箔の
要部拡大断面図である。

【図２】図１に示された転写箔の全体平面図である。

【図３】図２に示された転写箔の変形例を示す平面図
である。

【図４】図１に示された転写箔の透明樹脂層の下面又
は金属蒸着層の上面の凹凸模様を示す要部平面図であ
る。

【図５】図４に示された凹凸模様の変形例を示す平面
図である。

【図６】図４に示された凹凸模様の変形例を示す平面
図である。

【図７】 (Ａ),(Ｂ),(Ｃ)は図１に示された転写箔の製
作工程を示す要部断面図である。

【符号の説明】

１剥離層２透明樹脂
層２a 凸部２b 凹部３光反射層としての金属蒸着層４接着層５離型層６絵柄層７プライマ層８アンカー
コート層９転写層１０水洗プラ
イマ層Ｌ₁ 外光Ｌ₂〜Ｌ₅反射
光 f 第１積層部 g 第２積層
部 h 第３積層部 r 背景 s,t,u 文字柄

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】剥離層(１)とその下に形成される転写層
(９)とからなり、転写層(９)は離型層(５)と、透明樹脂
層(２)と、光反射層(３)と、接着層(４)とが上から下に
向かって順に積層された積層構造を有する光輝性装飾転
写箔にして、透明樹脂層(２)は、一定の規則性を有する所望の凹凸模
様低面部と平面低面部とが所望の装飾パターンに応じて
形成された下面を有し、光反射層(３)は光反射部と光透過部とが上記装飾パター
ンに応じて形成されて、透明樹脂層(２)の平面低面部と
光反射層の光反射部との第１積層部(f)と、透明樹脂層
の平面低面部と光反射層の光透過部との第２積層部(g)
と、透明樹脂層の凹凸模様低面部と光反射層の光反射部
との第３積層部(h)との組み合せで上記所望の装飾パタ
ーンが形成されたことを特徴とする光輝性装飾転写箔。
【請求項２】上記光反射層(３)は、金属蒸着層である
ことを特徴とする請求項１記載の光輝性装飾転写箔。
【請求項３】上記離型層(５)と上記透明樹脂層(２)と
の間に積層され、上記所望の装飾パターンに対応した絵
柄を有する絵柄層(６)が備えられたことを特徴とする請
求項１記載の光輝性装飾転写箔。