JP2553267Y2 - 融雪用発熱パネルとその取付構造 - Google Patents

融雪用発熱パネルとその取付構造

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JP2553267Y2
JP2553267Y2 JP8156891U JP8156891U JP2553267Y2 JP 2553267 Y2 JP2553267 Y2 JP 2553267Y2 JP 8156891 U JP8156891 U JP 8156891U JP 8156891 U JP8156891 U JP 8156891U JP 2553267 Y2 JP2553267 Y2 JP 2553267Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、鉄道施設において使用
される融雪用の発熱パネルとその取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】豪雪地帯の鉄道用レールでは、冬期積雪
時に列車の走行を確保するために、通常所定の積雪量と
なると、排雪列車(ラッセル車、ロータリー車など)を
走行させ、レール上の雪を排除する方法がとられてい
る。この排雪列車は、レール上の雪を側部に移動させる
ものであることから、これをレールの周辺に人家あるい
は障害物等のない広い場所等において使用する場合に
は、何ら問題なく除雪作業を行なうことができ、利便性
のあるが、常にどこでも使用することができるものでは
ない。
【0003】また、レール上の雪を除去する他の方法と
しては、ニクロム線などを使用して電気エネルギを熱エ
ネルギに変換して除雪する方法や、熱湯あるいは物を燃
やすことにより得られる熱エネルギを利用して除雪する
方法等もある。さらに、ポイント、クロッシング、ガー
ドなどにより構成されている分岐器の区間における凍結
防止若しくは融雪方法は、温度センサー、積雪センサー
により電熱ヒータあるいは温風ヒータを作動させる方法
も使用されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、前記排雪列車
は、入線できない中線(退避線)、レール際に防音壁を
設けている区間、人家が密集している区間、あるいは雪
の投げ捨て場のない区間等では使用することができず、
人力により除雪しているのが実状である。このため、列
車の運行ダイヤグラムを確保するには、昼夜を問わず除
雪作業の人員を確保しなければならず、除雪作業に当っ
ては人員の配置並びに安全対策等も考慮する必要があ
り、除雪に対しては毎年多額の費用を要している。特
に、最近では、除雪作業員の確保も難しいことから、保
線上及び列車の安全走行上、大きな問題となっている。
【0005】また、前述した分岐器の除雪に関するもの
は、あらゆる場所において使用できるものではなく汎用
性がなく、しかも、設備的に多大な費用を要するという
問題もある。
【0006】種々の熱エネルギを利用して除雪する方法
では、熱エネルギを得るための熱源によっては経済的な
面あるいは環境保護の面等で問題が有り、レール等鉄道
施設において使用するには、種々の改良が必要である。
例えば、ニクロム線を平板に配設してヒータとし、これ
に通電することにより融雪する方法も考えられるが、こ
の方法では、ヒータ部分が断線すると直ちに融雪するこ
とができなくなり、保守が面倒になるという不具合があ
る。また、電気エネルギ以外の他の熱エネルギを使用す
る場合には、燃えた後の残渣が発生したり、また長時間
にわたって燃焼し続けることもできず、火の後始末も必
要で、燃料の費用が莫大なものとなるという不具合もあ
る。特に、鉄道施設用の融雪装置は、列車走行の邪魔に
なってはならず、しかも列車走行に伴なう風圧に耐える
十分な強度も必要で、雨露に晒されるので、耐侯性も必
要とされる。
【0007】本考案は、上述した従来技術に伴う課題を
解決するためになされたもので、人力を要すことなく除
雪が可能で、また、鉄道施設における種々の場所でも問
題なく使用でき、さらに、強度的、寸法的及びコスト的
な面でも優れた鉄道施設のための融雪用発熱パネルとそ
の取付構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は、電気絶縁性の
第1フィルムの表面に、塗料中に導電性フィラーが混在
された発熱塗料を印刷又は塗布し、この発熱塗料の表面
を電気絶縁性の第2フィルムにより覆うことにより面状
発熱体を形成し、この面状発熱体の一面を断熱性を有す
る支持プレートにより支持するとともに全体をゴム等の
弾性材料からなる保護部材により被覆し、前記発熱塗料
に給電するリード線を接続したことを特徴とする融雪用
発熱パネルである。前記面状発熱体は、前記支持プレー
トの反対側面全体を覆うように薄肉の伝熱板を添着する
ことが好ましく、該面状発熱体は、サーモスタットを介
して給電するようにしてもよい。また、本考案は、端部
に空間が形成されるように折返されたレール締結用板ば
ねを取付けボルトにより締付け、レールの基部を枕木に
加圧固定するレール固定部材を有し、一方前記融雪用発
熱パネルは、端部からブラケットが突出された支持板と
押え板との間で挟持してなり、前記レール締結用板ばね
の空間と前記ブラケットに開設された通孔とに止めボル
トを挿通することにより前記ブラケットとレール締結用
板ばねとを連結するとともに、前記融雪用発熱パネルが
鉄道のレールに沿って略水平となるように前記枕木上に
取付けたことを特徴とする融雪用発熱パネルの取付構造
である。
【0009】
【作用】本考案によれば、融雪用発熱パネルに通電すれ
ば、発熱塗料中に分散された導電性フィラー相互の接触
により発熱塗料が発熱し、伝熱板を介してあるいは伝熱
板を介することなく保護部材の表面より放熱され、周囲
の外気温度より所定の温度だけ高温となって融雪用発熱
パネル近傍に存在する雪が溶かされることになる。この
融雪中に、融雪用発熱パネル10の温度が所定値に達す
ると、融雪用発熱パネル10自体の温度と雰囲気温度と
の温度差による温度制御により表面温度が略一定に保た
れるが、サーモスタットを介して給電するようにすれ
ば、不必要に融雪用発熱パネルの温度が上昇することは
なく、融雪用発熱パネルを安全に制御することができ
る。
【0010】この融雪用発熱パネルは、加熱源となる部
分が発熱塗料を有する薄肉膜状のものであるために、融
雪用発熱パネル自体が極めて扁平となり、如何なる場所
に対しても設置することができ、また、全体を弾性材料
からなる保護部材により覆っているので、耐圧強度も優
れ、仮に面状発熱体の一部が欠損することがあっても、
融雪作用には何ら悪影響はない。さらに、この融雪用発
熱パネルを鉄道施設、例えば、レール際に取付けるに当
っても、既存のレール固定部材を利用して略水平に簡単
に取付けることができる。
【0011】なお、鉄道レールに沿って設けられている
防音壁の内面に沿って添着すれば、積雪により防音作用
が機能がなくなった防音壁を元の状態に戻し、正規の防
音機能を発揮させることができる。さらに、トンネルの
内壁に沿って取付けると、トンネルの内壁上部から垂下
してくるつらら等を未然に防止し、トンネル内での列車
の走行の安全性を確保できることになる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本考案の一実施例を説
明する。図1は、本考案の一実施例に係る融雪用発熱パ
ネルの構造を示す概略斜視図、図2は、図1の2−2線
に沿う断面相当図、図3は、融雪用発熱パネルを接続し
た状態の電気回路図、図4は、発熱体の表面温度とワッ
ト密度との関係を示すグラフ、図5は、通電時間と発熱
体の抵抗変化率との関係を示すグラフ、図6は、取付金
具は省略しているが、融雪用発熱パネルを鉄道レールに
沿って取付けた状態を示す平面図、図7は、図6の7−
7線に沿う断面矢視相当図、図8は、図7の要部を示す
図で、後述する図9の8−8線に沿う断面図、図9は図
8の平面図である。
【0013】図1,2において、融雪用発熱パネル10
は、最内部に設けられた面状発熱体15を保護部材18
等により被覆し保護したものである。面状発熱体15
は、電気絶縁性のプラスチックフィルム、例えば、PE
Tフィルム等からなる第1フィルム11の表面に発熱塗
料13を印刷又は塗布し、さらに、この発熱塗料13を
第1フィルム11と同様の電気絶縁性の第2フィルム1
2により覆うことにより形成したもので、その全体の厚
みは、約0.5mm程度である。この発熱塗料13は、塗
料中に導電性フィラー(図示せず)が混在され、これに
通電すると発熱するようになっている。この導電性フィ
ラー材としては、例えば、特殊カーボン、特殊無機物等
とバインダー樹脂を配合したものを使用することが好ま
しい。
【0014】この面状発熱体15の一面側には、この面
を全面にわたり覆うように薄肉で熱伝導性のある伝熱板
16、例えば、薄肉のアルミニウム板等が添着されてい
る。ただし、この伝熱板16は、面状発熱体15の保護
等を考慮するときには必要であるが、放熱性を重視する
場合には必ずしもなくてもよい。そして、この面状発熱
体15は、伝熱板16がない側の面を補強と断熱を兼ね
た支持プレート17により支持している。この支持プレ
ート17としては、例えば、断熱性のあるベークライト
板、ポリプロピレン板等を用いることが好ましい。そし
て、この面状発熱体15、支持プレート17等は、全体
をクロロプレンゴム(CR)等の弾性材料からなる保護
部材18により被覆され、作業者がこの上を歩行したと
きに加わる程度の外力が作用しても内部の面状発熱体1
5は破損しないようになっている。この面状発熱体15
は、外力に対する強度を有するのみでなく、さらに好ま
しことに、仮に前記外力以上の力が作用して面状発熱体
15の一部が破損したとしても、全面で発熱するので、
実質的に発熱機能は阻害されることはなく、融雪機能は
損なわれないという利点がある。なお、この融雪用発熱
パネル10の上面は、作業者の歩行を考慮し、保護部材
18の表面を凹凸面とする等の滑り止めを施こしてもよ
い。また、図1に示すように保護部材18の外周に突出
縁部18aを形成し、これを後述するレール固定部材2
5に取付けるようにしてもよい。
【0015】前記面状発熱体15に給電するために、前
記発熱塗料13の側面に銅などの導電性電極19を設
け、この電極19にキャブタイヤケーブル等からなるリ
ード線Lを接続している。なお、このリード線Lの大部
分は、前記第1及び第2フィルム11,12間に発熱塗
料13とともに封止されているが、一部は外部に引出さ
れ、端部にカプラーCが取付けられている。このカプラ
ーCにより多数の融雪用発熱パネル10を接続すること
ができるが、この接続は、図3に示すように、電気的に
は並列接続となるようにしている。
【0016】また、この面状発熱体15は、発熱中に、
融雪用発熱パネル10の温度が所定値に達すると、融雪
用発熱パネル10自体の温度と雰囲気温度との温度差に
よる温度制御により表面温度が略一定に保たれるが、融
雪用発熱パネル10自体の温度と雰囲気温度との温度差
による温度制御に頼らず、サーモスタット20を介して
給電するようにすれば、不必要に融雪用発熱パネル10
の温度を上昇させたり、また融雪用発熱パネルを安全に
制御することができる。
【0017】面状発熱体15の発熱面の温度は、使用条
件、例えば、環境条件や断熱方法等により異なるが、ワ
ット密度に影響される。ここに、ワット密度とは、単位
面積当りの発熱体の消費電力量であり、面状発熱体15
の表面温度上昇値(単位は℃)とワット密度(W/c
m2 )の特性を調べた結果、これらは、それぞれ図4に
示されるような特性となることが判明している。図4中
において、A1 は、面状発熱体を木台上に載置した状
態、つまり片面を断熱した状態での測定結果であり、A
2 は、面状発熱体を空中に放置した状態、つまり両面と
も断熱しない状態での測定結果である。また、この面状
発熱体は、図5より明らかなように、長時間通電しても
抵抗変化はせず、安定した発熱状態となることが判明し
ている。なお、図5に示すものは、表面温度100℃で
加熱したものである。この結果から明らかなように、前
記発熱塗料13は、融雪機能を発揮するために十分な高
温を発することが解る。
【0018】このように構成した融雪用発熱パネル10
を、例えば排雪列車が入線できない区間や、中線(退避
線)区間等で使用する場合には、図6に示すように、レ
ール23,23の外側部あるいはレール23,23間に
融雪用発熱パネル10相互間の間隔があまり大きくなら
ないように連設する。現在我国における狭軌鉄道におけ
る軌間距離は、1067mm程度であり、枕木24の間隔
が、通常約560mm乃至660mmであることから、例え
ば、融雪用発熱パネル10の大きさを、長さが約200
0mm、幅が約750mmとすれば、枕木24を3本跨って
取付けることができ、融雪用発熱パネル相互間の隙間
は、約70mm程度となり、融雪に支障のない程度の間隔
で配置することができる。
【0019】各融雪用発熱パネル10を、例えばPCコ
ンクリート製の枕木24に取付ける場合の取付構造は、
図7に示すように、枕木24にレール23,23を取付
けるレール固定部材25を利用して行なう。レール固定
部材25は、レール23の基部23aを両側から加圧し
固定するものであり、各レール固定部材25は、図8,
9に示すように、レール23の基部23aを弾性的に加
圧するレール締結用板ばね26と、枕木24に螺合され
る取付けボルト27とを有している。
【0020】このレール締結用板ばね26は、1枚の板
材を折曲げたもので、この折曲げにより生じる2枚重ね
部26aに開設された通孔28に取付けボルト27を挿
通し、枕木24に螺合することにより、一端のU字状折
返し部26bが支点となり、他端の2枚重ね部26aの
先端がレール23の基部23aを加圧し固定している。
本実施例では、レール締結用板ばね26のU字状折返
し部26bに存在する空間26cを利用して止めボルト
29を挿通し、融雪用発熱パネル10の突出縁部18a
を取付けるようにしている。この止めボルト29は、図
9に示すように、U字状折返し部26bの空間26cを
挿通するとともにブラケット30の基部30aに開設さ
れた通孔31を貫通し、その一端にナット32が取付け
られている。このブラケット30の基部30aは、前記
U字状折返し部26bの形状に沿った部分を有し、枕木
24に付属している受栓33に当接して支持されてい
る。前記基部30aから突出された突片30bが融雪用
発熱パネル10を支持する支持板34に溶接により固着
されている。なお、このブラケット30を形成するに当
り、プレス等により支持板34と一体成形してもよい。
【0021】この支持板34と押え板35とを皿小ねじ
36により連結することにより両板34,35間に融雪
用発熱パネル10が挟持される。したがって、融雪用発
熱パネル10は、レール締結用板ばね26に取付けた後
は、受栓33を利用してブラケット30が支持され、融
雪用発熱パネル10は枕木24上に略水平状態に支持さ
れることになる。
【0022】前記融雪用発熱パネル10をレール23,
23間に取付ける場合には、融雪用発熱パネル10の両
側縁をレール固定部材25を利用して固定すればよい
が、レール23,23の外側に取付ける場合には、レー
ル23から突出している枕木24の突出量は短いので、
融雪用発熱パネル10の支持代が少ない。したがって、
この場合は、図10に示すように、枕木24にパネル受
け部材40を固着し、これを利用して融雪用発熱パネル
10を取付けることが好ましい。
【0023】パネル受け部材40は、全体が枕木23の
外周面を覆うような形状、つまり軸直角断面が略コ字状
に形成されたものであり、このパネル受け部材40の基
部40aは枕木24にボルト41…により直接固着さ
れ、先端には端板40bが設けられ、この端板40bに
パネル取付けバー42が取付けられている。パネル取付
けバー42には、上方に突出する一対のブラケット43
が設けられ、このブラケット43に開設された通孔44
と、前記融雪用発熱パネル10から突出されたステーの
通孔とにボルト(いずれも図示せず)を挿通し、融雪用
発熱パネル10を枕木24上に略水平に支持するように
している。このようにしてパネル受け部材40の一端を
固定した後に、融雪用発熱パネル10をビス等により前
記パネル受け部材40に固着すれば、列車走行時の風圧
等により融雪用発熱パネル10が浮上がることはない。
【0024】枕木24にパネル受け部材40の取付けが
難しい場合には、図11に示すような、先端に前記ブラ
ケット43がせ固着された三角柱状の杭部材50を道床
に強固に打込み、この杭部材50を利用して融雪用発熱
パネル10を取付けることもできる。
【0025】次に作用を説明する。融雪用発熱パネル1
0は、融雪用の加熱源となる部分が塗料からなるため
に、発熱パネル自体が極めて扁平となり、如何なる場所
に対しても設置することができ。例えば、レール際に取
付ける場合にも列車走行の邪魔になることはない。ま
た、扁平であっても所定の重量及び前記枕木にボルト等
により固着しているので、列車走行に伴なう風圧に煽ら
れることもない。
【0026】そして、冬期等のように融雪が必要となる
時期となると、レール24の近傍に融雪用発熱パネル1
0を取付けることになるが、融雪用発熱パネル10をレ
ール間に取付けるには、既設のレール固定部材25を利
用して略水平に取付ける。
【0027】この取付けに当っては、まず、レール締結
用板ばね26のU字状折返し部26bに止めボルト29
を挿通させる。一方、融雪用発熱パネル10は、支持板
34と押え板35とを用いて両板34,35との間に皿
小ねじ36及びナット等を用いて挟持しておく。
【0028】そして、前記止めボルト29を支持板34
から突出されたブラケット30の基部30aに開設され
た通孔31に貫通させ、その一端にナット32を螺合す
る。これによりレール固定部材25に融雪用発熱パネル
10を簡単に取付けることができる。この場合、レール
締結用板ばね26のU字状折返し部26bを支持する受
栓33により前記ブラケット30は支持されるので、融
雪用発熱パネル10はレール23に対し略水平に支持さ
れることになる。
【0029】一方、融雪用発熱パネル10をレールの外
側にもレール23に対し略水平に取付ける。この取付け
後に、融雪用発熱パネル10にリード線Lを介して通電
すれば、発熱塗料13中に分散された導電性フィラー相
互の接触により融雪用発熱パネル10全面にわたり電気
が流れ、発熱塗料13が発熱する。この熱は、伝熱板1
6を介して保護部材18に導かれ、保護部材18の表面
より放熱される。このとき、融雪用発熱パネル10の表
面温度は、周囲の外気温度より所定の温度だけ高温とな
るので、融雪用発熱パネル10近傍に存在する雪は溶か
される。なお、発熱塗料13から下方に向う熱は、ベー
クライト板等からなる支持プレート17により断熱され
るので、融雪用発熱パネル10の下方からはあまり放熱
されることはない。
【0030】なお、発熱中に、融雪用発熱パネル10の
温度が所定値に達すると、融雪用発熱パネル10自体の
温度と雰囲気温度との温度差による温度制御により表面
温度が略一定に保たれるが、給電用のリード線Lにサー
モスタット20を設けた場合には、このサーモスタット
20のオンオフにより不必要に融雪用発熱パネル10が
温度上昇することはない。
【0031】このように構成された融雪用発熱パネル1
0を恒温室内に設置し、実際に融雪用発熱パネル10が
どの程度発熱するかを実験した。実験用の融雪用発熱パ
ネル10の大きさは、全体が780×1940mm、ヒー
タ部分が670×1800mmであり、これを約2m×4
m×5mの大きさの略密閉した恒温室内に設置した。そ
して恒温室の側壁上部に冷凍機を設け、冷凍機から冷風
を風速5m/sで吹出した。この結果、恒温室内は、−
10℃、湿度55%となった。このように恒温室内にセ
ットされた状態の融雪用発熱パネル10に、100Vの
電圧をかけ、その内面温度(伝熱板に上の温度)と、表
面温度とを測定した結果、図12に示すようになった。
この結果から明らかなように、融雪用発熱パネル10
は、内面温度が異常に高温とならず、また表面温度も融
雪に必要とされるに十分な温度となることが判明した。
【0032】前述した融雪用発熱パネル10は、バラス
ト線路区間において、レール固定部材25を利用してレ
ール23に沿って略水平に取付けたものであるが、この
融雪用発熱パネル10は、このような取付けのみでな
く、スラブ線路区間に設ける場合でも、標準軌間(14
35mm)の区間あるいは広軌区間等においても、さらに
は、種々の鉄道施設に取付け、融雪することが可能であ
る。レール23,23間に取付ける融雪用発熱パネル1
0の大きさの具体例を挙げれば、狭軌区間(1063m
m)では、長さが約2000mm、幅が約770mm程度と
することが好ましい。 また、ポイント、クロッシン
グ、ガードレールなどにより構成されている分岐器の区
間においては、図13に示すように、レール23,23
の間あるいは外側に融雪用発熱パネル10を取付ける。
トングレール37が移動する区間では、融雪用発熱パネ
ル10を設けることはできないが、このトングレール3
7の部分を除いたレール23,23間には、間隔に適応
した矩形の融雪用発熱パネル10(図中破線で示す斜線
部分)として設けることができる。この場合、例えば融
雪用発熱パネル10の枕木への取付けは、ポイント部分
の枕木は木枕木なので、融雪用発熱パネル10の突出縁
部18a(約50mm)から特殊木ねじによって直接木枕
木に固定する。
【0033】前記融雪用発熱パネル10が不要な時期と
なると、前記融雪用発熱パネル10とレール固定部材2
5とを連結している止めボルト29外せば、簡単にレー
ル近傍から融雪用発熱パネル10を除去することができ
る。特に、冬期降雪時期以外の時期には、マルチプルタ
イタンパー等により道床のバラストのメンテナンス等を
行なうため、枕木間には、保守の支障にならないように
する必要があるが、前記融雪用発熱パネル10は、簡単
に取外すことができるので、このようなメンテナンス作
業等も容易に行なうことができる。
【0034】さらに、本考案に係る融雪用発熱パネル1
0は、図14に示すように、レール23の側部にレール
23に沿って設けられている防音壁38の内面に沿って
適当な間隔で添着することもできる。このようにすれ
ば、融雪用発熱パネル10を設けたところの積雪が防止
されるので、融雪用発熱パネル10間の防音壁38に付
着した雪は落下し、常に防音壁38の内面が露呈し、所
望の防音効果を発揮することになる。
【0035】またさらに、本考案に係る融雪用発熱パネ
ル10は、図15に示すように、トンネル39の内壁3
9aに沿って取付けることもできる。この場合、発熱パ
ネル10の補強板等を廃止し、柔軟性のある発熱パネル
とすれば、内壁に沿って配設することができ、好ましい
ものとなる。このようにすれば、冬期トンネルの内面か
ら垂下し、鉄道車両の走行の妨げとなるつららの発生を
未然に防止することもできる。
【0036】
【考案の効果】以上述べたように、本考案によれば、発
熱塗料を利用した薄肉の面状発熱体を弾性材料からなる
保護部材により被覆し、リード線を介して給電するよう
にした融雪用発熱パネルであるため、全体形状が極めて
薄肉となり、放熱面積が広く、部分的に損傷しても融雪
機能的には問題なく、強度的に優れた融雪装置を得るこ
とができる。この融雪用発熱パネルをレールに沿って施
工するに当っても、レール固定部材を利用して略水平に
簡単に取付け取外しすることができ、また、一旦施工し
た後は、冬期に除雪用の人員を確保することもないの
で、人的あるいはコスト的に極めて有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本考案の実施例に係る融雪用発熱パネルの
概略斜視図、
【図2】は、図1の2−2線に沿う断面相当図、
【図3】は、融雪用発熱パネルを接続した状態の電気回
路図、
【図4】は、発熱体の温度特性を示す図、
【図5】は、発熱体の抵抗変化率を示す図、
【図6】は、発熱パネルをレールに沿って取付けた状態
の平面図、
【図7】は、図6の7−7線に沿う断面矢視図、
【図8】は、図7の要部拡大図、
【図9】は、図8の平面図、
【図10】は、枕木外端部分に融雪用発熱パネルを取付
けた斜視図、
【図11】は、融雪用発熱パネル取付用の杭部材を示す
斜視図、
【図12】は、融雪用発熱パネルの実験結果を示す図、
【図13】は、クロッシング部分に発熱パネルを取付け
た平面図、
【図14】は、本考案の他の実施例を示す断面図、
【図15】は、本考案の別の実施例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
11…第1フィルム、 12…第2フィルム 13…発熱塗料、 15…面状発熱体、
16…伝熱板、 17…支持プレート、18…保
護部材、 20…サーモスタット、23
…レール、 23a…レールの基部、
24…枕木、 26…レール固定部材、26a…レー
ル締結用板ばね、 26c…空間、27…取付けボル
ト、 29…止めボルト、30…ブラケッ
ト、 31…通孔、34…支持板、
35…押え板、L…リード線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭48−17166(JP,B1)

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性の第1フィルム(11)の表面
    に、塗料中に導電性フィラーが混在された発熱塗料(13)
    を印刷又は塗布し、この発熱塗料(13)の表面を電気絶縁
    性の第2フィルム(12)により覆うことにより面状発熱体
    (15)を形成し、この面状発熱体(15)の一面を断熱性を有
    する支持プレート(17)により支持するとともに全体をゴ
    ム等の弾性材料からなる保護部材(18)により被覆し、前
    記発熱塗料(13)に給電するリード線(L) を接続したこと
    を特徴とする融雪用発熱パネル。
  2. 【請求項2】 前記面状発熱体(15)は、前記支持プレー
    ト(17)の反対側面を全体を覆うように薄肉の伝熱板(16)
    を添着してなる請求項1に記載の融雪用発熱パネル。
  3. 【請求項3】 前記面状発熱体(15)は、サーモスタット
    (20)を介して給電するようにしたことを特徴とする請求
    項1又は2に記載の融雪用発熱パネル。
  4. 【請求項4】 端部に空間(26c) が形成されるように折
    返されたレール締結用板ばね(26a) を取付けボルト(27)
    により締付け、レール(23)の基部(23a) を枕木(24)に加
    圧固定するレール固定部材(26)を有し、一方前記融雪用
    発熱パネル(10)は、端部からブラケット(30)が突出され
    た支持板(34)と押え板(35)との間で挟持してなり、前記
    レール締結用板ばね(26a) の空間(26c) と前記ブラケッ
    ト(30)に開設された通孔(31)とに止めボルト(29)を挿通
    することにより前記ブラケット(30)とレール締結用板ば
    ね(26a) とを連結するとともに、前記融雪用発熱パネル
    (10)が鉄道のレール(23)に沿って略水平となるように前
    記枕木(24)上に取付けたことを特徴とする請求項1乃至
    3に記載の融雪用発熱パネルの取付構造。
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